JP2015177330A - 方向性結合器および高周波モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】 薄型化が容易な方向性結合器等を提供すること。【解決手段】 互いに積層された複数の絶縁層2を含んでおり、互いに対向し合う第1主面および第2主面を有する積層体1と、積層体1の第1主面および第2主面に設けられており、積層体1を挟んで互いに対向し合う一対の接地導体層3と、一対の接地導体層3の間で複数の絶縁層2の層間に設けられた主線路4および副線路5とを備えており、主線路4および副線路5は、互いに異なる層間に位置しているとともに、平面透視において互いに重なっていない方向性結合器等である。【選択図】 図1

Description

本発明は、複数の絶縁層が積層されてなる積層体と、絶縁層の層間に設けられた主線路および副線路とを含む方向性結合器、およびこの方向性結合器を含む高周波モジュールに関するものである。
近年、携帯電話機は、2つ以上の送受信系を搭載するいわゆるマルチバンド方式の採用が増えてきている。マルチバンド方式の携帯電話機では各送受信系の構成に必要な回路を搭載する必要があるが、回路が複雑になる。また、個別の専用部品を用いて回路を構成すれば機器(携帯電話機等)の大型化、高コスト化を招くことになる。そのために送受信系のフィルタ素子等の各回路部品を一体化した高周波モジュール化も進んでいる。この高周波モジュールにおいて複数の回路部品間を電気的に接続するための基板または単独の部品として方向性結合器が使用されている。
回路部品用の高周波信号が伝送される方向性結合器は、高周波信号が伝送される主線路と、主線路と電磁的に結合された副線路とを有している。主線路および副線路は、複数の絶縁層が積層された積層体に設けられている。例えば、主線路と副線路とが絶縁層を挟んで上下に対向し合うことによって、主線路と副線路とが電磁的に結合されている。主線路は、回路部品で処理される情報が伝送される。副線路は、例えば主線路が接続されている回路部品に対して電気的な情報を送り返す(フィードバックする)ための信号が伝送される。
特開2005−168060号公報 特開2003−69315号公報
近年、高周波モジュールが実装される携帯電話等の機器の薄型化に対応して、高周波モジュールおよびこれを形成する方向性結合器の薄型化が要求されている。しかしながら、方向性結合器が薄型化された場合には、互いに上下に位置し合う主線路と副線路との間の距離が近くなるため、主線路と副線路との電磁的な結合が強くなり過ぎる場合があるという問題点があった。主線路と副線路との互いの電磁的な結合が強くなり過ぎると、例えば主線路のロス(通過損失)が大きくなる傾向がある。また、副線路で出力が大きくなり過ぎる可能性があり、この場合には副線路の後(出力側)に抵抗減衰器等を付加して出力レベルを落とすこと等が必要になる。そのため、高周波モジュールの小型化の妨げになり、また生産性、経済性等も低くなりやすい。
本発明の一つの態様による方向性結合器は、互いに積層された複数の絶縁層を含んでおり、互いに対向し合う第1主面および第2主面を有する積層体と、該積層体の前記第1主面および前記第2主面に設けられており、前記積層体を挟んで互いに対向し合う一対の接地導体層と、前記一対の接地導体層の間で前記複数の絶縁層の層間に設けられた主線路および副線路とを備えており、前記主線路および前記副線路は、互いに異なる前記層間に位置しているとともに、平面透視において互いに重なっていない。
本発明の一つの態様の高周波モジュールは、上記構成の方向性結合器と、該結合器が電気的に接続された回路とを含んでいる。
本発明の一つの態様の方向性結合器によれば、主線路と副線路とが互いに平面透視で重なっていないため、平面透視で互いに重なり合っている場合に比べて、互いの電磁的な結合が低減されている。そのため、積層体の厚み方向(上下方向)において主線路と副線路との間の距離が小さくなったとしても、主線路と副線路との電磁的な結合が強くなり過ぎる可能性が低減されている。また、主線路と副線路とは互いに異なる層間に位置しているため、例えば平面透視における互いの距離が小さくなったとしても、互いの電気絶縁性が低下する可能性が低減されている。したがって、方向性結合器としての小型化、特に薄型化が容易である。
本発明の一つの態様の高周波モジュールは、上記構成の方向性結合器を含むことから、小型化、特に薄型化において有利である。
(a)は本発明の実施形態の方向性結合器における要部を示す平面図であり、(b)は(a)のA−A線における断面図であり、(c)は(a)のB−B線における断面図である。 図1に示す方向性結合器を含む高周波モジュールにおける要部を模式的に示す回路図である。 (a)は図1に示す方向性結合器の変形例を示す平面図であり、(b)は(a)のA−A線における断面図であり、(c)は(a)のB−B線における断面図である。 図1に示す方向性結合器の他の変形例を示す分解斜視図である。
本発明の方向性結合器および高周波モジュールを、添付の図面を参照して説明する。図1(a)は本発明の実施形態の方向性結合器における要部を示す平面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A線における断面図であり、図1(c)は図1(a)のB−B線における断面図である。また、図2は、図1に示す方向性結合器を含む高周波モジュールにおける要部を模式的に示す回路図である。なお、以下の説明におけるインピーダンスは特性インピーダンスである。
実施形態の方向性結合器9において、複数の絶縁層2が積層されて積層体1が形成されている。積層体1は、例えば四角形の板状であり、互いに対向し合う第1主面および第2主面を有している。図1の例では、積層体1の上面が第1主面であり、下面が第2主面である。この積層体1の第1および第2両主面に、積層体1を挟んで互いに対向し合う一対の接地導体層3が設けられている。また、一対の接地導体層3で挟まれた積層体1の内部には、第1主面側から順に主線路4および副線路5が設けられている。つまり主線路4および副線路5は、それぞれ平面透視において接地導体層3と重なっている。主線路4および副線路5は、絶縁層2の一部を介して上下に位置し合い、互いに電磁的に結合されている。これらの主線路4および副線路5は、外部の回路(電気回路)に電気的に接続されて信号が伝送される線路部6を構成している。
積層体1は、主線路4および副線路5を、互いに電気的に絶縁された状態で設けるための絶縁基体を形成する部材である。この絶縁基体は、積層体1以外に、他の絶縁層またはコーティング層等の付加部分(図示せず)を含んでいてもよい。
付加部分としての他の絶縁層等としては、例えば絶縁層2とは比誘電率または比透磁率等の電気特性、または熱伝導率等の熱的特性等の特性が異なるものが挙げられる。また、付加部分としての絶縁層等は、接地導体層3を外気から保護して酸化等を抑制するための、絶縁コート層(図示せず)であってもよい。すなわち、実施形態の方向性結合器は、積層体1と付加部分とを含む絶縁基板(図示せず)に、接地導体層3、主線路4および副線路5が設けられたものであってもよい。
絶縁層2は、例えば、酸化アルミニウム質焼結体、ガラスセラミック焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、窒化珪素質焼結体または炭化珪素質焼結体等のセラミック焼結材料によって形成されている。
積層体1は、例えば各絶縁層1がガラスセラミック焼結体からなる場合であれば、次のようにして製作される。まず、ホウケイ酸ガラス等のガラス粉末と酸化アルミニウム等のセラミック粉末とからなる原料粉末に適当な有機バインダおよび溶剤等を添加混合してスラリーを作製する。次に、このスラリーをドクターブレード法等の成形法でシート状に成形することにより複数枚のセラミックグリーンシートを作製する。その後、セラミックグリーンシートを切断加工や打ち抜き加工により適当な形状とするとともにこれらを積層する。最後にこの積層されたセラミックグリーンシートを還元雰囲気中において約900〜1000℃の温度で焼成することによって積層体1を製作することができる。
積層体1の第1および第2両主面に設けられた一対の接地導体層3は、上記線路部6と外部との間で電磁的なノイズの送受を低減する機能を有している。また、これらの接地導体層3は、線路部6のインピーダンスを所定の値に調整する機能を有している。主線路4および副線路5のそれぞれと接地導体層3との間で静電容量が生じ、この静電容量の大きさに応じて主線路4および副線路5のインピーダンス値が所定の値に調整されている。
接地導体層3は、例えば、銅、銀、パラジウム、白金、タングステン、モリブデンもしくはマンガン等の金属材料、またはこれらの金属材料を含む合金の金属材料により形成されている。これらの金属材料は、メタライズ層やめっき層の形態で積層体1の両主面に設けられている。
接地導体層3は、例えば、銅のメタライズ層からなる場合であれば、次のようにして形成することができる。すなわち、まず銅の粉末を有機溶剤およびバインダとともに混練して作製した金属ペーストを、積層体1となるセラミックグリーンシートの所定部位にスクリーン印刷等の方法で印刷する。その後、これらを同時焼成する。以上の工程によって、積層体1の第1および第2両主面に、銅のメタライズ層が接地導体層3として被着される。
なお本実施形態では、接地導体層3は、積層体1の第1および第2両主面のほぼ全域を覆うように(いわゆるベタ状に)設けられている。これにより、上記のような電磁的遮蔽用またはインピーダンス値調整用等の機能が効果的に実現されている。
ただし、接地導体層3は、必ずしも積層体1の第1および第2両主面のほぼ全域を覆うように設けられているものである必要はなく、後述する接続端子等の他の導体の位置、積層体1の焼成時の反り等の変形の低減もしくはその他の設計上の都合、または生産性、経済性等に応じて、適宜非形成部(いわゆるパターンの抜き部分)が設けられたものであっても構わない。
方向性結合器9は、例えば図2に示すように、線路部6の両端がそれぞれ、接続端子7に電気的に接続され、この接続端子7を経て、スイッチ(SW)、フィルタ素子、アンテ
ナ(ANT)または半導体集積回路素子(IC)等の回路部品が有する回路と電気的に接続されている。これらの方向性結合器9と回路部品が有する回路とによって、本発明の実施形態の高周波モジュール10が形成されている。回路部品と方向性結合器とを電気的に接続する接続用の回路のインピーダンスは、通常、50Ωに設定されている。
高周波モジュール10について、方向性越結合器9および回路部品は、例えばプリント回路基板等の基板に搭載されている。また、スイッチ、フィルタ素子、アンテナ等の回路は、基板に直接設けられた電気回路により構成されたものであってもよい。つまり、方向性結合器9が実装される基板について、スイッチまたはフィルタ等として機能する回路と、この基板に搭載される回路部品間を接続する回路とを有するものであっても構わない。方向性結合器9および回路部品と基板との電気的な接続は、例えばそれぞれの接続用の部位同士をはんだ等の導電性接続材で接続することにより行なわれる。
高周波モジュール10は、例えば携帯電話機においてマルチバンド形式の回路を一体的に構成する部分である。このような高周波モジュール10が部品として用いられることにより、携帯電話機等の機器の小型化および高機能化がより容易になる。
実施形態の方向性結合器9および高周波モジュール10において、主線路4および副線路5は、複数の絶縁層2の複数の層間のうち互いに異なる層間に位置している。また、主線路4および副線路5は、平面透視において互いに重なっていない。
主線路4と副線路5とが互いに平面透視で重なっていないため、平面透視で互いに重なり合っている場合に比べて、互いの電磁的な結合が低減されている。すなわち、仮に主線路4と副線路5とが平面透視で互いに重なり合っているとすると、言い換えれば主線路4と副線路5とが一部の絶縁層2を挟んで互いに対向し合っている場合には、主線路4と副線路5との対向面積が主線路4等の平面視における面積と同じ程度に大きい。また、主線路4と副線路5との間の距離が、例えば一部の絶縁層2の厚み程度であって全体的に比較的短い。そのため、主線路4と副線路5との電磁的な結合が大きくなりやすい。
これに対して、上記実施形態の方向性結合器9によれば、平面透視で互いに重なり合っていない、言い換えれば主線路4と副線路5とが一部の絶縁層2を挟んで互いに対向し合っている部分がない。また、主線路4と副線路5との間の距離が、例えば一部の絶縁層2を厚み方向に斜めに結ぶ線分程度であって比較的長い部分が多い。これにより、主線路4と副線路5との電磁的な結合が低減されている。
したがって、例えば積層体1(絶縁基板)の薄型化に応じて、積層体1の厚み方向(上下方向)における主線路4と副線路5との間の距離L1が小さくなったとしても、主線路4と副線路5との電磁的な結合が強くなり過ぎる可能性が低減される。言い換えれば、主線路4おとび副線路5の長さ方向の側面での透視(以下、単に側面透視という)における主線路4と副線路5との間の距離Lに対して、主線路4と副線路5との実際の距離を従来よりも大きく確保することが容易である。そのため、薄型化に対して有効な方向性結合器9を提供することができる。
また、実施形態の方向性結合器9において、主線路4と副線路5とは互いに異なる層間に位置しているため、主線路4と副線路5との間には絶縁層2が介在することになる。この絶縁層2によって主線路4と副線路5とが互いに電気的に絶縁される。そのため、例えば平面透視における主線路4と副線路5との間の距離L2が小さくなったとしても、主線路4と副線路5との電気絶縁性が低下する可能性が低減されている。したがって、方向性結合器9としての小型化、特に薄型化が容易である。
なお、主線路4および副線路5は、例えばそれぞれのインピーダンスが互いに同じ値(50Ω等)に整合されている。主線路4と副線路5とのインピーダンス値が整合される場合には、主線路4側の接地導体層3と主線路4との間の距離、および副線路5側(下側)の接地導体層3と副線路5との間の距離は、互いに同じ距離であることが望ましい。また、複数の絶縁層2の誘電率が互いに同じ程度の値であることが好ましい。
主線路4および副線路5のそれぞれのインピーダンスを約50Ωとするには、例えば複数の絶縁層2の比誘電率がそれぞれ約8程度であるときに、主線路4および副線路5のそれぞれの寸法および位置等が次のように設定されていればよい。すなわち、上記条件において、主線路4および副線路5のそれぞれの線幅Wが約50μm程度、平面透視における主線路4と副線路5のそれぞれの互いに隣り合う外縁間の距離L2が約20μm程度、接地導体層3と主線路4および副線路5と接地導体層3(主線路4または副線路5に近いもの)との距離が約100〜160μm程度、側面透視における主線路4と副線路5との間の距離L1が約10〜50μm程度に設定されていればよい。
上記のような実施形態の方向性結合器9は、高周波モジュール10に実装される際に、特に厚み方向に占めるスペースが低減されるため、高周波モジュール10の小型化、特に薄型化に対しても有効である。
また、実施形態の高周波モジュール10は、上記のように小型化、特に薄型化等に有利な方向性結合器9を含むことから、小型化、特に薄型化等において有利である。
なお、上記の方向性結合器9および高周波モジュール10における線路部6のより具体的な機能等は、例えば下記の通りである。
主線路4は、例えばパワーアンプで増幅された高周波信号を入力し、送受信あるいは通信帯域を切り替えるスイッチ、または高周波信号の高調波等を取り除くフィルタ等へ出力するための信号線路である。方向性結合器から出力された信号は、例えばフィルタで所定の周波数帯域にフィルタリングされ、その後アンテナに伝送されアンテナから外部に送信される。アンテナは、例えば携帯電話機等のアンテナである。
この主線路4に対して副線路5が電磁的に接続されている。主線路4と副線路5との電磁的な接続を利用して、主線路を伝送される信号の一部が副線路に伝送される。副線路5に伝送された信号が、副線路5と電気的に接続されたIC等に伝送されて処理され、主線路4を伝送されている信号レベルがモニターされる。つまり、主線路4を伝送される信号レベルが、副線路5を介して、信号レベルを比較するICに送られる。このICで、例えば設定した信号レベルより入力された信号レベルが低い時はパワーアンプへ出力レベルを上げるようにフィードバックが行われ、信号レベルが高いときは逆となる。
方向性結合器9およびこれを含む高周波モジュール10は、上記のような機能のため、例えば携帯電話機等の電子機器の筐体(ケース)内に実装される。そのため、筐体内における厚み方向の占有スペースは極力小さいこと、つまり極力薄型化されることが求められている。これに対し、実施形態の方向性結合器9および高周波モジュール10は十分有効に対応することができる。
積層体1の厚み方向(上下方向)における主線路4と副線路5との距離、すなわち側面透視における主線路4と副線路5との間の距離L1は、主線路4と副線路5との所望の電磁的な結合の強さ(結合度)、絶縁層2の誘電率および平面透視における主線路4と副線路5との互いに隣り合う外縁間の距離L2等の条件に応じて適宜設定される。主線路4と副線路5との所望の電磁的な結合の強さ(結合度)は、副線路5から出力される電気信号
の強度によって示される。
例えば、主線路4および副線路5が銅のメタライズ層からなり主線路4と副線路5との所望の結合度が25dB程度の場合を例に挙げれば、以下の通りである。この場合に、絶縁層2がホウケイ酸ガラスと酸化アルミニウムとを主成分とするガラスセラミック焼結体(比誘電率約8程度)からなり、主線路4および副線路5の線幅Wが約50μmであり、平面透視における主線路4と副線路5のそれぞれの互いに隣り合う外縁間の距離L2が約50μm以下であれば、側面透視における主線路4と副線路5との間の距離L1は約10〜50μm程度に設定されていればよい。また、この距離L1に合わせて、主線路4と副線路5との間に介在する絶縁層2の層数が算出される。
なお、主線路4と副線路5との結合度は、例えば、結合度(dB)=10log(副線路出力
電力(IC側)/主線路入力電力(パワーアンプ側)の関係より算出することができる。 具体的な例としては、例えばネットワークアナライザを用いた測定によって主線路4と副線路5との結合度を測定することができる。すなわち、主線路4および副線路5にそれぞれ接触するプローブを備えた治具を使用して、主線路4および副線路5をネットワークアナライザと電気的に接続し、このネットワークアナライザを用いた測定によりSパラメータを取得して、そのSパラメータから結合度を算出する。
また、主線路4および副線路5の平面透視における互いの隣接間隔(互いに隣り合うそれぞれの外縁同士の間の距離L2)についても、主線路4と副線路5との電磁的な結合の強さに応じて適宜設定される。
図3の例において、主線路4および副線路5のそれぞれの外縁同士が平面透視で互いにほぼ接している。図3(a)は図1に示す方向性結合器9の変形例を示す平面図であり、(b)は(a)のA−A線における断面図であり、(c)は(a)のB−B線における断面図である。図3において図1と同様の部位には同様の符号を付している。
主線路4および副線路5は、例えば図3の例のように、平面透視においてそれぞれの外縁同士が互いにほぼ接しているものであっても構わない。言い換えれば、主線路4の副線路5側の外縁の位置と、副線路5の主線路4側の外縁の位置とがほぼ重なっていても構わない。また、互いに接しているものであっても構わない。この場合には、平面視での小型化に対しても有効な方向性結合器9を提供できる。
ただし、主線路4と副線路5との電磁的な結合が所望の強度よりも大きくならないように注意する必要がある。場合によっては、平面透視における主線路4と副線路5との距離L2を小さくした分に応じて、側面透視における主線路4と副線路5との間の距離L1を大きくする必要がある。側面透視における主線路4と副線路5との間の距離L1を大きくする場合には、方向性結合器9等の薄型化に対する効果が低くなる可能性はあるが、平面透視における主線路4と副線路5との距離L2の変化よりも、側面透視における主線路4と副線路5との距離L1の変化の方が、主線路4と副線路5との電磁的な結合に対する影響が大きい。つまり、平面視における小型化ほどには、積層体1の厚みが増加する可能性は小さい。そのため、主線路4および副線路5のそれぞれの外縁同士が平面透視で互いにほぼ接している場合でも、主線路4と副線路5との電磁的な結合の低減および薄型化に有効な方向性結合器を容易に得ることができる。
主線路4および副線路5は、例えば接地導体層3と同様に、銅、銀、パラジウム、白金、タングステン、モリブデンもしくはマンガン等の金属材料、またはこれらの金属材料を含む合金の金属材料により形成されている。これらの金属材料は、メタライズ層やめっき層の形態で積層体1の所定部位に設けられている。
主線路4および副線路5は、例えば、銅のメタライズ層からなる場合であれば、銅の粉末を有機溶剤およびバインダとともに混練して作製した金属ペーストを、積層体1となるセラミックグリーンシートの所定部位にスクリーン印刷等の方法で印刷し、焼成することによって形成することができる。
なお、実施形態の高周波モジュール10において、副線路5のうちICと接続されている端部と反対側の端部が終端抵抗に接続されている。終端抵抗によって、副線路5を伝送された信号に対する終端処理が行なわれる。終端抵抗の抵抗値は、例えばICと同じ程度の抵抗値に設定されている。
終端抵抗は、セラミックチップ抵抗部品等の独立した回路部品であってもよく、方向性結合器9が実装される上記の基板に形成された抵抗回路(印刷回路等)からなるものであってもよい。
図4は、図1に示す方向性結合器の他の変形例を示す分解斜視図である。図4の例においては、主線路4および副線路5の端部分から積層体1の第1主面または第2主面にかけてビア導体が設けられている。ビア導体は、複数の絶縁層2を厚み方向に貫通している貫通導体である。図3においては、ビア導体について破線を用いて模式的に示している。また、ビア導体のうち第1主面および第2主面に電気的に導出された部分が、方向性結合器9の接続端子7を構成している。これにより、方向性結合器の外部電気回路に対する電気的な接続がより容易とされている。
接続端子7は、例えばビア導体の端部のみからなるものでもよく、この端部と端部を被覆するメタライズ層等のカバー導体(符号なし)とからなるものでもよい。また、露出表面にニッケルおよび金等のめっき層が被着されているものでもよい。
ビア導体は、例えば絶縁層2となるセラミックグリーンシートに貫通孔を設けておいて、この貫通孔内に接地導体層3を形成するのと同様の金属ペーストを充填し、セラミックグリーンシートと同時焼成することによって設けることができる。貫通孔は、例えば金属ピンを用いた機械的な打ち抜き加工、またはレーザ光を用いた加工等の孔あけ加工によって形成することができる。金属ペーストの貫通孔への充填の際には、真空吸引等の手段を併用して金属ペーストの充填を容易なものとする。
また、カバー導体は、例えば接地導体層3を形成するのと同様の金属材料を用い、同様の方法で形成することができる。
積層体1の第1および第2主面のそれぞれに、ほぼ全面に設けられている接地導体層3は、ビア導体の端部が位置している部分では、非形成になっている。これにより、ビア導体と接地導体層3とが互いに電気的に短絡する可能性が低減されている。
また、接続端子7が、方向性結合器9が搭載される基板に含まれる接続用の回路の所定部位にはんだ等の導電性接続材を介して接続される。方向性結合器9の接続端子7が接続される上記プリント回路基板等の基板の接続用の回路を介して、同じく基板に搭載される回路部品(抵抗部品およびIC等)等と電気的に接続される。
主線路4および副線路5と基板の接続用の回路との電気的な接続は、必ずしも接続端子7を介して行なわれるものである必要はなく、主線路4または副線路の端部等を積層体1の外表面に露出させて、この露出部分に回路部品が直接に接続されていても構わない。
なお、本発明の方向性結合器および高周波モジュールは、上記実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内であれば種々の変更は可能である。例えば、方向性結合器9は、それぞれ複数の主線路4および副線路5が設けられた積層体を含むもの(図示せず)であってもよい。また、積層体1以外に前述したような付加部分を有する配線基板(図示せず)の一部であってもよい。
また、主線路4と副線路とについて、いずれか一方の幅が他方の幅よりも広くてもよい。この場合、例えば主線路4と副線路5との電磁的な結合量を、主線路4または副線路5の幅で微調整することもできる。
また、複数の絶縁層2の厚みが互いに同じである必要はなく、厚みが互いに異なるものが含まれていてもよい。この場合、主線路4と副線路5との間の距離(L1、L2)、または主線路4および副線路5のそれぞれと接地導体層3との間の距離は、絶縁層2の層数の多少のみによらず、絶縁層2の厚みの大小によっても調整することができる。
1・・・・積層体
2・・・・絶縁層
3・・・・接地導体層
4・・・・主線路
5・・・・副線路
6・・・・線路部
7・・・・接続端子
9・・・・方向性結合器
10・・・・高周波モジュール

Claims (3)

  1. 互いに積層された複数の絶縁層を含んでおり、互いに対向し合う第1主面および第2主面を有する積層体と、
    該積層体の前記第1主面および前記第2主面に設けられており、前記積層体を挟んで互いに対向し合う一対の接地導体層と、
    前記一対の接地導体層の間で前記複数の絶縁層の層間に設けられた主線路および副線路とを備えており、
    前記主線路および前記副線路は、互いに異なる前記層間に位置しているとともに、平面透視において互いに重なっていないことを特徴とする方向性結合器。
  2. 前記主線路および前記副線路は、平面透視においてそれぞれの外縁同士が互いに接していることを特徴とする請求項1記載の方向性結合器。
  3. 請求項1または請求項2に記載の方向性結合器と、
    該結合器が電気的に接続された回路とを備えることを特徴とする高周波モジュール。
JP2014052028A 2014-03-14 2014-03-14 方向性結合器および高周波モジュール Pending JP2015177330A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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