JP2015174916A - イオン交換膜およびその製造方法 - Google Patents
イオン交換膜およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2015174916A JP2015174916A JP2014052265A JP2014052265A JP2015174916A JP 2015174916 A JP2015174916 A JP 2015174916A JP 2014052265 A JP2014052265 A JP 2014052265A JP 2014052265 A JP2014052265 A JP 2014052265A JP 2015174916 A JP2015174916 A JP 2015174916A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- block copolymer
- ion exchange
- exchange membrane
- vinyl alcohol
- nonwoven fabric
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Abstract
Description
前記湿式不織布は、一方の面から厚み方向に向かって、少なくとも一部に前記イオン性重合体が含浸した含浸層を備えており、
前記湿式不織布の主体繊維の平均繊維径が3〜40μmであり、かつバインダ繊維の含有率が2〜9質量%であるイオン交換膜である。
剥離シートの上に、前記イオン性ビニルアルコール系ブロック共重合体の水溶液を塗布して、イオン性ビニルアルコール系ブロック共重合体の塗布層を形成する工程;
前記塗布層にビニロン短繊維の湿式不織布を重ね合わせ、この不織布の少なくとも一部にイオン性ビニルアルコール系ブロック共重合体を含浸させ、含浸体を形成する工程;
前記塗布層と前記湿式不織布とを重ねあわせた状態で、この含浸体を乾燥させる工程;および
前記剥離シートを、乾燥した含浸体から剥離する工程;
を含んでいる。
本発明で用いるアニオン性ビニルアルコール系ブロック共重合体は、前記一般式(1)で示される。
本発明で用いるカチオン性ビニルアルコール系ブロック共重合体は、前記一般式(2)で示される。
本発明のカチオン交換性単量体、またはアニオン交換性単量体を重合してなる重合体成分とビニルアルコール系重合体成分がブロック共重合を形成する重合体の製造方法は主に次の2つの方法に大別される。すなわち、(1)所望のブロック共重合体を製造した後、特定のブロックにカチオン基またはアニオン基を結合させる方法、および(2)少なくとも1種類のカチオン性単量体またはアニオン性単量体を重合させて所望のブロック共重合体を得る方法である。このうち、(1)については、末端にメルカプト基を有するビニルアルコール系重合体の存在下、1種類または複数種の単量体をブロック共重合させ、次いでブロック共重合体中の1種類または複数種の重合体成分にカチオン基またはアニオン基を導入する方法、(2)については、末端にメルカプト基を有するビニルアルコール系重合体の存在下、少なくとも1種類のカチオン性単量体またはアニオン性単量体をラジカル重合させることによりブロック共重合体を製造する方法が工業的な容易さから好ましい。特に、ブロック共重合体中の各成分の種類や量を容易に制御できることから、末端にメルカプト基を有するビニルアルコール系重合体の存在下、少なくとも1種類以上のカチオン性単量体またはアニオン性単量体をラジカル重合させてブロック共重合体を製造する方法が好ましい。
本発明のイオン交換膜は、イオン性ポリビニルアルコール系ブロック共重合体溶液を準備する工程;
剥離シートの上に、前記イオン性ポリビニルアルコール系ブロック共重合体の水溶液を塗布して、イオン性ポリビニルアルコール系ブロック共重合体の塗布層を形成する工程;
前記塗布層にビニロン不織布を重ね合わせ、このビニロン不織布の少なくとも一部にイオン性ポリビニルアルコール系ブロック共重合体を含浸させ、含浸体を形成する工程;
前記塗布層とビニロン不織布とを重ねあわせた状態で、この含浸体を乾燥させる工程;
および 前記剥離シートを、乾燥した含浸体から剥離する工程;を含んでいる。
より詳細には、上記のイオン性ビニルアルコール系ブロック共重合体を、水、DMSOなどの溶媒に溶解し、イオン性ビニルアルコール系ブロック共重合体溶液(好ましくは水溶液)を調製する。
得られたイオン性ビニルアルコール系ブロック共重合体溶液は、ビニロン不織布に対して、含浸層を良好に形成する観点から、例えば粘度が、300〜5000mPa・sであってもよく、好ましくは、400〜4000mPa・s、より好ましくは500〜3000mPa・sであってもよい。また、濃度は、イオン性ビニルアルコール系ブロック共重合体の種類に応じて適宜設定することができるが、例えば、1〜50wt%であってもよく、好ましくは2〜45wt%、より好ましくは3〜40wt%であってもよい。
そして、得られたイオン性ビニルアルコール系ブロック共重合体溶液(好ましくは水溶液)を、剥離シートに、バーコーター、グラビアコーター、ナイフコーター、ブレードコーターなどの各種塗布手段を利用して塗布し、塗布層(キャスト層)を形成する。塗布層は、次に重ねあわされるビニロン不織布の大きさに応じて、適当な塗布面を形成する。
剥離シートは、均一な塗布層を形成できるとともに、最終的に剥離させることができれば特に限定されず、公知又は慣用の剥離性フィルムまたはシート(例えば、PETフィルム、ポリエチレンフィルム、シリコーンシートなど)を利用することができる。
塗布層の厚みは、ビニロン不織布に対して埋没し一体化形成することができる観点から、例えば、300μm〜1500μm程度であってもよく、好ましくは500μm〜1400μm程度、より好ましくは600μm〜1300μm程度であってもよい。この塗布層、乾燥処理を行うことなく、引き続き、次のビニロン不織布含浸工程へと供される。
この塗布層は、乾燥工程を行う前に、ビニロン不織布が重ね合わされ、ビニロン不織布が含浸し、イオン性ビニルアルコール系ブロック共重合体溶液が含浸され、ビニロン不織布が埋没し一体化される。
また、ビニロン不織布の厚みは、例えば、50μm〜150μmであってもよく、好ましくは60μm〜130μm、より好ましくは70μm〜100μmであってもよい。
乾燥工程では、塗布層とビニロン不織布とを重ねあわせた状態で、この含浸体を乾燥させる。乾燥条件は、室温乾燥であっても、熱風乾燥であってもよいが、作業効率を高めるため、熱風乾燥機を用いるのが好ましい。熱風乾燥機を用いる場合、乾燥温度としては特に制限は無いが、例えば50〜110℃程度であってもよく、好ましくは60〜90℃程度であってもよい。
剥離工程では、剥離シートを乾燥した含浸体から剥離し、イオン交換層が形成されたイオン交換膜を得ることができる。
本発明において、イオン交換層を形成した後に、熱処理を施すことが好ましい。熱処理を施すことによって、イオン性ビニルアルコール系ブロック共重合体の結晶化度が高くなるので、物理的な架橋点が増加し、得られるイオン交換膜の機械的強度が増大する。また、非晶部にカチオン基またはアニオン基が濃縮され、イオン交換パスの形成が促進されるため、荷電密度が増加し、対イオン選択性が向上する。熱処理の方法は特に限定されず、熱風乾燥機などが一般に用いられる。熱処理の温度は、特に限定されないが、50〜250℃であることが好ましい。熱処理の温度が50℃未満であると、得られるイオン交換膜の機械的強度の増大効果が充分でないおそれがある。該温度が80℃以上であることがより好ましく、100℃以上であることがさらに好ましい。熱処理の温度が250℃を超えると、イオン性ビニルアルコール系ブロック共重合体が融解するおそれがある。該温度が230℃以下であることがより好ましく、200℃以下であることがさらに好ましい。熱処理の時間は、通常、1分〜10時間程度である。熱処理は不活性ガス(例えば窒素ガス、アルゴンガスなど)雰囲気下で行うことが望ましい。
本発明のイオン交換膜は、種々の用途に用いることができる。例えば、カチオン性ビニルアルコール系ブロック共重合体またはアニオン性ビニルアルコール系ブロック共重合体のいずれかからなるイオン交換層を有する本発明のイオン交換膜は、耐有機汚染性に優れ、かつ膜抵抗が小さく、長期間にわたって効率よく、安定に電気透析を行うことができる。従って、このようなイオン交換膜は、有機物(食品、医薬原材料など)の脱塩、ホエーの脱塩、塩の濃縮、糖液の脱塩、海水やかん水の脱塩、水道水の脱塩、軟水化などに適している。一般に、有機汚染が顕著であるイオン交換膜として特に好適に用いられる。
長さ10mの単繊維の重量I(g)を測定し、下記の計算式から主体繊維の半径rを求め、主体繊維の平均繊維径(μm)を算出した。
主体繊維の平均繊維径(μm)=2r
ここで、1.3は樹脂密度(g/cm3)、πは円周率3.14である。
破裂強度測定は、ミューレン低圧形破裂試験(No.305−YPL、安田製作所)を使用して、試験を実施した。サンプルサイズは、60×60mm以上の寸法で、JIS−P8110に規定する方法にて実施した。
得られたイオン交換膜を光学顕微鏡(ECLIPSE LV100、ニコン製)を使用して、倍率5倍にて観察し、面積1cm2の領域に存在する気泡サイズ50μm以上の個数をカウントした。
膜抵抗は、図1に示される白金黒電極板を有する2室セル中にイオン交換膜を挟み、膜の両側に0.5mol/L−NaCl溶液を満たし、交流ブリッジ(周波数1000サイクル/秒)により25℃における電極間の抵抗を測定し、該電極間抵抗とイオン交換膜を設置しない場合の電極間抵抗との差により求めた。上記測定に使用する膜は、あらかじめ0.5mol/L−NaCl溶液中で平衡にしたものを用いた。
特開昭59−187003号公報に記載された方法によって、末端にメルカプト基を有するポリビニルアルコール(PVA−1)を合成した。得られたポリビニルアルコールの重合度は1550、けん化度は99.9%であった。
還流冷却管、攪拌翼を備え付けた500mLの四つ口セパラブルフラスコに、水117g、末端メルカプト基含有ポリビニルアルコール(PVA−1)を25.0gとパラスチレンスルホン酸ナトリウム(PSS:アルドリッチ製)を12.6g仕込み、攪拌下90℃まで加熱して窒素をバブリングしつつ溶解した。窒素置換後、上記水溶液に2,2'-アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−2−プロピオンアミド]の2.0%水溶液6.2mLを1.5時間かけて逐次的に添加して重合を開始させ、進行させた後、系内温度を90℃に24時間維持して重合をさらに進行させ、ついで冷却して、ポリビニルアルコールとパラスチレンスルホン酸ナトリウムのブロック共重合体(PVA−b−PSS)の水溶液P−1を作製した。該水溶液のpHは6.5であった。水溶液P−1の一部を乾燥した後、重水に溶解し、500MHzでの1H−NMR測定に付した結果、パラスチレンスルホン酸ナトリウム単位の変性量は10モル%であった。
還流冷却管、攪拌翼を備え付けた500mLの四つ口セパラブルフラスコに、水137g、末端メルカプト基含有ポリビニルアルコール(PVA)を25.0gとビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド(VBTAC:アルドリッチ製)を13.4g仕込み、攪拌下90℃まで加熱して窒素をバブリングしつつ溶解した。窒素置換後、上記水溶液に2,2'-アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−2−プロピオンアミド]の2.0%水溶液12.2mLを1.5時間かけて逐次的に添加して重合を開始させ、進行させた後、系内温度を90℃に4時間維持して重合をさらに進行させ、ついで冷却して、ポリビニルアルコールとビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライドのブロック共重合体(PVA−b−VBTAC)の水溶液P−2を作製した。該水溶液のpHは8.0であった。水溶液P−2の一部を乾燥した後、重水に溶解し、500MHzでの1H−NMR測定に付した結果、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド単位の変性量は10モル%であった。
(陽イオン交換膜CEM−1の作製)
脱イオン水を用いて濃度12wt%のP−1水溶液を調整した。このポリマー水溶液を、バーコーターを用いてPETフィルムに800μm液厚になるように塗布して塗布層(キャスト層)を形成した。次いで、このキャスト層を形成したPETフィルムのキャスト層面に、ビニロン不織布(坪量:36g/cm2、主体繊維の平均繊維系:3μm、バインダ繊維の含有量:5質量%)を重ね合わせてP−1水溶液をビニロン不織布に含浸させた。その後、熱風乾燥機DKM400(YAMATO製)にて温度80℃、40分間乾燥した後、PETフィルムを剥離して含浸塗布皮膜を作製した。こうして得られた皮膜を、160℃で30分間熱処理し、物理的な架橋を生じさせた。ついで、皮膜を2mol/Lの硫酸ナトリウムの電解質水溶液に24時間浸漬させた。該水溶液にpHが1になるように濃硫酸を加えた後、1体積%グルタルアルデヒド水溶液に皮膜を浸漬し、25℃で24時間スターラーを用いて撹拌し、架橋処理を行った。ここで、グルタルアルデヒド水溶液としては、石津製薬株式会社製「グルタルアルデヒド」(25体積%)を水で希釈したものを用いた。架橋処理の後、皮膜を脱イオン水に浸漬し、途中数回脱イオン水を交換しながら、皮膜が膨潤平衡に達するまで浸漬させ、陽イオン交換膜CEM−1を得た。
このようにして作製した陽イオン交換膜を、所望の大きさに裁断し、測定試料を作製した。得られた測定試料を用い、上記方法にしたがって、気泡数、破裂強度、膜抵抗を前述の方法にて測定した。結果を表1に示す。
(陽イオン交換膜CEM−2〜10の作製)
用いたビニロン不織布の主体繊維の平均繊維径、バインダ繊維の含有量を表1に示した内容に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて実施し、CEM−2〜10を得た。
このようにして作製した陽イオン交換膜を、所望の大きさに裁断し、測定試料を作製し
た。得られた測定試料を用い、上記方法にしたがって、気泡数、破裂強度、膜抵抗を前述の方法にて測定した。結果を表1に示す。
(陽イオン交換膜CEM−11〜13の作製)
用いたビニロン不織布の主体繊維の平均繊維径、バインダ繊維の含有量を表1に示した内容に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて実施し、CEM−11〜13を得た。
このようにして作製した陽イオン交換膜を、所望の大きさに裁断し、測定試料を作製し
た。得られた測定試料を用い、上記方法にしたがって、気泡数、破裂強度、膜抵抗を前述の方法にて測定した。結果を表1に示す。
(陽イオン交換膜CEM−14の作製)
脱イオン水を用いて濃度12wt%のP−1水溶液を調整した。このポリマー水溶液を、バーコーターを用いてPETフィルムに800μm液厚になるように塗布して塗布層(キャスト層)を形成した。次いで、熱風乾燥機DKM400(YAMATO製)にて温度80℃、40分間乾燥した後、PETフィルムを剥離して含浸塗布皮膜を作製した。こうして得られた皮膜を、160℃で30分間熱処理し、物理的な架橋を生じさせた。ついで、皮膜を2mol/Lの硫酸ナトリウムの電解質水溶液に24時間浸漬させた。該水溶液にpHが1になるように濃硫酸を加えた後、1体積%グルタルアルデヒド水溶液に皮膜を浸漬し、25℃で24時間スターラーを用いて撹拌し、架橋処理を行った。ここで、グルタルアルデヒド水溶液としては、石津製薬株式会社製「グルタルアルデヒド」(25体積%)を水で希釈したものを用いた。架橋処理の後、皮膜を脱イオン水に浸漬し、途中数回脱イオン水を交換しながら、皮膜が膨潤平衡に達するまで浸漬させ、陽イオン交換膜CEM−14を得た。
このようにして作製した陽イオン交換膜を、所望の大きさに裁断し、測定試料を作製し
た。得られた測定試料を用い、上記方法にしたがって、気泡数、膜抵抗を前述の方法にて測定した。破裂強度に関しては試料が脆すぎて測定不可能であった。結果を表1に示す。
(陰イオン交換膜AEM−1の作製)
脱イオン水を用いて濃度12wt%のP−2水溶液を調整した。このポリマー水溶液を、バーコーターを用いてPETフィルムに800μm液厚になるように塗布して塗布層(キャスト層)を形成した。次いで、このキャスト層を形成したPETフィルムのキャスト層面に、ビニロン不織布(坪量:36g/cm2、主体繊維の平均繊維系:3μm、バインダ繊維の含有量:5質量%)を重ね合わせてP−2水溶液をビニロン不織布に含浸させた。その後、熱風乾燥機DKM400(YAMATO製)にて温度80℃、40分間乾燥した後、PETフィルムを剥離して含浸塗布皮膜を作製した。こうして得られた皮膜を、160℃で30分間熱処理し、物理的な架橋を生じさせた。ついで、皮膜を2mol/Lの硫酸ナトリウムの電解質水溶液に24時間浸漬させた。該水溶液にpHが1になるように濃硫酸を加えた後、1体積%グルタルアルデヒド水溶液に皮膜を浸漬し、25℃で24時間スターラーを用いて撹拌し、架橋処理を行った。ここで、グルタルアルデヒド水溶液としては、石津製薬株式会社製「グルタルアルデヒド」(25体積%)を水で希釈したものを用いた。架橋処理の後、皮膜を脱イオン水に浸漬し、途中数回脱イオン水を交換しながら、皮膜が膨潤平衡に達するまで浸漬させ、陰イオン交換膜を得た。
このようにして作製した陰イオン交換膜を、所望の大きさに裁断し、測定試料を作製し
た。得られた測定試料を用い、上記方法にしたがって、気泡数、破裂強度、膜抵抗を前述の方法にて測定した。結果を表2に示す。
(陰イオン交換膜AEM−2〜10の作製)
用いたビニロン不織布の主体繊維の平均繊維径、バインダ繊維の含有量を表1に示した内容に変更した以外は、実施例11と同様の方法にて実施し、AEM−2〜10を得た。
このようにして作製した陰イオン交換膜を、所望の大きさに裁断し、測定試料を作製し
た。得られた測定試料を用い、上記方法にしたがって、気泡数、破裂強度、膜抵抗を前述の方法にて測定した。結果を表2に示す。
(陰イオン交換膜AEM−11〜13の作製)
用いたビニロン不織布の主体繊維の平均繊維径、バインダ繊維の含有量を表2に示した内容に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて実施し、AEM−11〜13を得た。
このようにして作製した陰イオン交換膜を、所望の大きさに裁断し、測定試料を作製し
た。得られた測定試料を用い、上記方法にしたがって、気泡数、破裂強度、膜抵抗を前述の方法にて測定した。結果を表1に示す。
(陰イオン交換膜AEM−14の作製)
脱イオン水を用いて濃度12wt%のP−2水溶液を調整した。このポリマー水溶液を、バーコーターを用いてPETフィルムに800μm液厚になるように塗布して塗布層(キャスト層)を形成した。次いで、熱風乾燥機DKM400(YAMATO製)にて温度80℃、40分間乾燥した後、PETフィルムを剥離して含浸塗布皮膜を作製した。こうして得られた皮膜を、160℃で30分間熱処理し、物理的な架橋を生じさせた。ついで、皮膜を2mol/Lの硫酸ナトリウムの電解質水溶液に24時間浸漬させた。該水溶液にpHが1になるように濃硫酸を加えた後、1体積%グルタルアルデヒド水溶液に皮膜を浸漬し、25℃で24時間スターラーを用いて撹拌し、架橋処理を行った。ここで、グルタルアルデヒド水溶液としては、石津製薬株式会社製「グルタルアルデヒド」(25体積%)を水で希釈したものを用いた。架橋処理の後、皮膜を脱イオン水に浸漬し、途中数回脱イオン水を交換しながら、皮膜が膨潤平衡に達するまで浸漬させ、陰イオン交換膜AEM−14を得た。
このようにして作製した陰イオン交換膜を、所望の大きさに裁断し、測定試料を作製した。得られた測定試料を用い、上記方法にしたがって、気泡数、膜抵抗を前述の方法にて測定した。破裂強度に関しては試料が脆すぎて測定不可能であった。結果を表2に示す。
L:白金電極
M:NaCl水溶液
N:水浴
O:LCRメーター
Claims (5)
- ビニロン短繊維の湿式不織布と、下記一般式(1)で示されるアニオン性ビニルアルコール系ブロック共重合体または下記一般式(2)で示されるカチオン性ビニルアルコール系ブロック共重合体を含有するイオン交換膜であって、
前記湿式不織布は、一方の面から厚み方向に向かって、少なくとも一部に前記イオン性共重合体が含浸した含浸層を備えており、
前記湿式不織布の主体繊維の平均繊維径が3〜40μmであり、かつバインダ繊維の含有率が2〜9質量%であることを特徴とするイオン交換膜。
- 請求項1に記載のイオン交換膜において、前記湿式不織布の主体繊維の平均繊維径が8〜20μmであり、かつバインダ繊維の含有率が3〜8質量%である、イオン交換膜。
- 請求項1または請求項2に記載のイオン交換膜において、前記イオン性ビニルアルコール系ブロック共重合体が、前記不織布に適用された状態で架橋処理された架橋体である、イオン交換膜。
- イオン性ビニルアルコール系ブロック共重合体溶液を準備する工程;
剥離シートの上に、前記イオン性ビニルアルコール系ブロック共重合体の水溶液を塗布して、イオン性ビニルアルコール系ブロック共重合体の塗布層を形成する工程;
前記塗布層にビニロン短繊維の湿式不織布を重ね合わせ、この不織布の少なくとも一部にイオン性ビニルアルコール系ブロック共重合体を含浸させ、含浸体を形成する工程;
前記塗布層と前記湿式不織布とを重ねあわせた状態で、この含浸体を乾燥させる工程;および
前記剥離シートを、乾燥した含浸体から剥離する工程;
を含むイオン交換膜の製造方法。 - 請求項4の製造方法において、剥離工程の後、イオン性ビニルアルコール系ブロック共重合体に熱処理を施す、イオン交換膜の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014052265A JP6219755B2 (ja) | 2014-03-14 | 2014-03-14 | イオン交換膜およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014052265A JP6219755B2 (ja) | 2014-03-14 | 2014-03-14 | イオン交換膜およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015174916A true JP2015174916A (ja) | 2015-10-05 |
JP6219755B2 JP6219755B2 (ja) | 2017-10-25 |
Family
ID=54254402
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014052265A Expired - Fee Related JP6219755B2 (ja) | 2014-03-14 | 2014-03-14 | イオン交換膜およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6219755B2 (ja) |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60224900A (ja) * | 1984-04-12 | 1985-11-09 | 株式会社クラレ | 湿式不織布 |
JP2005011726A (ja) * | 2003-06-20 | 2005-01-13 | Kuraray Co Ltd | 電池用セパレータ及びアルカリ一次電池 |
JP2012040508A (ja) * | 2010-08-19 | 2012-03-01 | Astom:Kk | イオン交換膜及びその製造方法 |
JP2013012322A (ja) * | 2011-06-28 | 2013-01-17 | Kuraray Co Ltd | 逆電気透析発電用のイオン交換複層膜 |
WO2014103819A1 (ja) * | 2012-12-25 | 2014-07-03 | 株式会社クラレ | イオン交換膜およびその製造方法ならびに電気透析装置 |
JP2014124561A (ja) * | 2012-12-25 | 2014-07-07 | Kuraray Co Ltd | イオン交換膜、その製造方法および逆電気透析発電装置 |
-
2014
- 2014-03-14 JP JP2014052265A patent/JP6219755B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60224900A (ja) * | 1984-04-12 | 1985-11-09 | 株式会社クラレ | 湿式不織布 |
JP2005011726A (ja) * | 2003-06-20 | 2005-01-13 | Kuraray Co Ltd | 電池用セパレータ及びアルカリ一次電池 |
JP2012040508A (ja) * | 2010-08-19 | 2012-03-01 | Astom:Kk | イオン交換膜及びその製造方法 |
US20130146450A1 (en) * | 2010-08-19 | 2013-06-13 | Asahi Kasei Fibers Corporation | Ion-exchange membrane and process for producing the same |
JP2013012322A (ja) * | 2011-06-28 | 2013-01-17 | Kuraray Co Ltd | 逆電気透析発電用のイオン交換複層膜 |
WO2014103819A1 (ja) * | 2012-12-25 | 2014-07-03 | 株式会社クラレ | イオン交換膜およびその製造方法ならびに電気透析装置 |
JP2014124561A (ja) * | 2012-12-25 | 2014-07-07 | Kuraray Co Ltd | イオン交換膜、その製造方法および逆電気透析発電装置 |
US20150291452A1 (en) * | 2012-12-25 | 2015-10-15 | Kuraray Co., Ltd. | Ion exchange membrane, method for producing same, and electrodialyzer |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6219755B2 (ja) | 2017-10-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6358597B2 (ja) | イオン交換膜およびその製造方法ならびに電気透析装置 | |
KR101716168B1 (ko) | 음이온 교환 막 및 이의 제조 방법 | |
EP2470290B1 (en) | Ion exchange membranes | |
WO2010119858A1 (ja) | イオン交換膜およびその製造方法 | |
KR101330571B1 (ko) | 하이브리드 이온교환막 제조방법 | |
JP2010132829A (ja) | バイポーラ膜及びその製造方法 | |
KR101188267B1 (ko) | 올레핀계 첨가제를 함유한 음이온교환 복합막 및 이의 제조방법 | |
CN106800666B (zh) | 一种单价离子选择性阳离子交换膜的制造方法 | |
US20150209732A1 (en) | Cation exchange membrance and method for producing same | |
JP2016145270A (ja) | イオン交換膜及びその製造方法 | |
KR101726658B1 (ko) | 니트릴 고무를 함유한 비닐벤질계-스티렌계 음이온교환 복합막 및 이의 제조방법 | |
JP6219755B2 (ja) | イオン交換膜およびその製造方法 | |
JP5413683B2 (ja) | モザイク荷電膜の製造方法 | |
KR101102472B1 (ko) | 지지체로서 직물을 포함하는 음이온교환 복합막 및 이의 제조방법 | |
JP2014124560A (ja) | イオン交換膜、その製造方法および電気透析装置 | |
JP2016028125A (ja) | イオン交換膜およびその製造方法 | |
JP2016145271A (ja) | イオン交換膜およびその製造方法 | |
JP2017002199A (ja) | イオン交換膜およびその製造方法 | |
KR101681637B1 (ko) | 니트릴 고무를 함유한 스티렌계-tert-부틸스티렌계 양이온교환 복합막 및 이의 제조방법 | |
CN105017554B (zh) | 一种制备纳米微孔聚合物薄膜材料的方法 | |
JP2018070797A (ja) | アニオン交換膜、その製造方法及びその用途 | |
JP2016144774A (ja) | 逆イオン浸透性の低いイオン交換膜及びその製造方法 | |
JP2018070796A (ja) | アニオン交換膜、その製造方法及びその用途 | |
JP2014088514A (ja) | 陰イオン交換膜及びその製造方法 | |
KR20160127201A (ko) | 이미다졸륨 고분자층을 포함한 음이온 교환막 및 이의 제조방법 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20161216 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170914 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20170926 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170928 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6219755 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |