JP2015174841A - セラミド分散組成物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】微細なセラミド分散粒子を含み、かつ化粧料等の皮膚外用剤への適用において優れたスキンケア効果を有するセラミド分散組成物を、簡便な方法で提供する。
【解決手段】セラミドと、非イオン性界面活性剤と、セラミドの質量に対して10倍量〜12000倍量の多価アルコールと、を含む混合物を100℃以上に加熱した状態で分散処理し、粗分散液を得ることと、粗分散液と水又は水を含む組成物とを混合した後、高圧乳化処理することと、を含むセラミド分散組成物の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、セラミド分散組成物の製造方法に関する。
セラミドは、皮膚の角質層に存在し、水分保持に必要な脂質バリアを構築し、水分を維持していくために重要な役割を果たしている。人間の皮膚には、種類の異なったタイプのセラミドが存在し、機能もそれぞれ異なっている。近年、セラミドのスキンケア効果を期待して、セラミドを配合する種々の技術が開発されている。
セラミドを高濃度で安定に配合する技術としては、特定の比率のセラミド及びHLB9以上の界面活性剤と、25℃で液状の油性成分と、水とを50MPa以上の処理圧で乳化することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、特許文献2には、特定のセラミドを含有する油性成分を、水溶性有機溶媒に溶かして油相を調製し、得られた油相と水相とをマイクロ流路に別々に通過させた後、対向流衝突によって混合することにより、セラミドを高濃度で含有しながら分散安定性に優れたセラミド分散組成物を製造する方法が開示されている。
特開2006−335693号公報 特開2013−224314号公報
セラミドのスキンケア効果を十分に発揮させるためには、セラミドの皮膚への浸透性を高める必要がある。セラミドの皮膚への浸透性を考慮すると、セラミドの分散粒子の粒径は小さいことが望まれる。しかしながら、セラミドは、界面活性剤等を用いて分散させることは可能であるが、その粒径を十分に小さくすることは難しい。例えば、特許文献1に開示されている乳化組成物に含まれるセラミドの分散粒子の粒径は、皮膚への浸透性の観点からは小さいとはいえない。また、特許文献2に開示されている方法によれば、微細な粒径のセラミドの分散粒子を得ることは可能であるが、特別な装置を必要とし、分散後に脱溶媒処理を要する等、簡便な方法とはいえない。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、微細なセラミド分散粒子を含み、かつ化粧料等の皮膚外用剤への適用において優れたスキンケア効果を有するセラミド分散組成物を、簡便な方法で提供することを課題とする。
上記課題を解決するための具体的な手段は、以下の通りである。
<1> セラミドと、非イオン性界面活性剤と、セラミドの質量に対して10倍量〜12000倍量の多価アルコールと、を含む混合物を100℃以上に加熱した状態で分散処理し、粗分散液を得ることと、粗分散液と水又は水を含む組成物とを混合した後、高圧乳化処理することと、を含むセラミド分散組成物の製造方法。
<2> 多価アルコールが、グリセリン及びジオール化合物からなる群より選択される少なくとも1種である<1>に記載のセラミド分散組成物の製造方法。
<3> 多価アルコールが、グリセリン及び少なくとも1種のジオール化合物である<2>に記載のセラミド分散組成物の製造方法。
<4> レシチンを用いる<1>〜<3>のいずれか1つに記載のセラミド分散組成物の製造方法。
<5> 非イオン性界面活性剤が、ポリグリセリン脂肪酸エステルである<1>〜<4>のいずれか1つに記載のセラミド分散組成物の製造方法。
<6> セラミド分散組成物が、25℃で液状の油性成分を含有しないか、又は、25℃で液状の油性成分の含有量が1質量%以下である<1>〜<5>のいずれか1つに記載のセラミド分散組成物の製造方法。
<7> セラミドが下記一般式(I)で表される化合物である<1>〜<6>のいずれか1つに記載のセラミド分散組成物の製造方法。
一般式(I)中、Rは、総炭素数が40〜55であり、炭素鎖中にエステル結合を含む直鎖又は分岐状の炭化水素基を表し、Rで表される炭化水素基は、多重結合、芳香環、及び芳香族複素環からなる群より選択される1又は2以上の部分構造を炭素鎖中に含んでもよく;Rは、水酸基を有してもよい炭素数11〜21のアルキル基、又は水酸基を有してもよい炭素数11〜21のアルケニル基を表す。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を意味する。
本明細書において、組成物中の各成分の量は、各成分に該当する物質が組成物中に複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する複数の物質の合計量を意味する。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書において「セラミド分散粒子」とは、構成要素としてセラミドを少なくとも含有し、分散相として連続相に分散されるセラミド含有粒子を意味する。
本明細書において「(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル」との表現には、グリセリン単位及び脂肪酸単位をそれぞれ1つずつ含むグリセリン脂肪酸エステル、いずれか一方を複数含むグリセリン脂肪酸エステル、いずれも複数含むグリセリン脂肪酸エステルの全てが包含され、これらのグリセリン脂肪酸エステルを区別せずに用いる場合に使用される。
本発明によれば、微細なセラミド分散粒子を含み、かつ化粧料等の皮膚外用剤への適用において優れたスキンケア効果を有するセラミド分散組成物を、簡便な方法で提供することができる。
以下、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
本発明のセラミド分散組成物の製造方法は、セラミドと、非イオン性界面活性剤と、セラミドの質量に対して10倍量〜12000倍量の多価アルコールと、を含む混合物を100℃以上に加熱した状態で分散処理し、粗分散液を得ることと、粗分散液と水又は水を含む組成物とを混合した後、高圧乳化処理することと、を含む。
[セラミド分散組成物の製造方法]
本発明のセラミド分散組成物の製造方法は、セラミドと、非イオン性界面活性剤と、セラミドの質量に対して10倍量〜12000倍量の多価アルコールと、を含む混合物(以下、「分散処理前液」とも称する。)を100℃以上に加熱した状態で分散処理し、粗分散液を得ること(以下、「粗分散液調製工程」とも称する。)と、粗分散液と水又は水を含む組成物(以下、「水等」とも称する。)とを混合した後、高圧乳化処理すること(以下、適宜、「高圧乳化処理工程」と称する。)と、を含む。
本発明の製造方法は、必要に応じて、他の工程を含んでもよい。
本発明の製造方法においては、予めセラミドと、非イオン性界面活性剤と、特定量の多価アルコールとを組み合わせた混合物を100℃以上に加熱し、セラミドを溶融させた状態で分散処理した後、得られた粗分散液と水等とを混合し、高圧乳化処理をすることにより、微細で、かつ粒子の表面状態が肌に浸透しやすい状態のセラミド分散粒子を得ることができる。
この微細なセラミド分散粒子を含むセラミド分散組成物は、化粧料等の皮膚外用剤への適用において、従来の方法で製造された同等の粒径のセラミド分散粒子を含むセラミド分散組成物に比して、顕著に優れたスキンケア効果を奏しうる。本発明の製造方法によれば、このような効果を奏しうる理由については、明らかではないが、本発明者は、以下のように推測している。
一般に、セラミドのスキンケア効果を高めるためには、肌への浸透性の観点から、セラミド分散粒子の粒径は小さいほど良いと考えられる。本発明の製造方法においては、予めセラミドと、非イオン性界面活性剤と、特定量の多価アルコールとを組み合わせて含む液を100℃以上に加熱し、セラミドを溶融させた状態で分散処理した後、得られた粗分散液と水等とを混合し、高圧乳化処理することにより、微細で、かつ粒子の表面状態が肌に浸透しやすい状態のセラミド分散粒子が形成されるためではないかと考えられる。
以下、本発明の製造方法における各工程について詳細に説明する。なお、各工程で用いる成分等の詳細については後述する。
<粗分散液調製工程>
粗分散液調製工程は、セラミドと、非イオン性界面活性剤と、セラミドの質量に対して10倍量〜12000倍量の多価アルコールと、を含む混合物を100℃以上に加熱した状態で分散処理し、粗分散液を得る工程である。
粗分散液調製工程では、加熱されて溶融状態となったセラミドを含むセラミド分散粒子(分散相)が多価アルコールを含む連続相中に粗分散された粗分散液を得ることができる。
多価アルコールの含有量は、セラミドの質量に対して10倍量〜12000倍量であり、30倍量〜1000倍量であることが好ましく、50倍量〜500倍量であることがより好ましい。
多価アルコールの含有量が、セラミドの質量に対して10倍量未満であると、微細なセラミド分散粒子を形成することが困難になる。
また、多価アルコールの含有量が、セラミドの質量に対して12000倍量を超えると、分散粒子の経時安定性が悪化する。また、スキンケア効果も十分ではない。
セラミドと、非イオン性界面活性剤と、多価アルコールとは、単に混合されていればよい。セラミドと、非イオン性界面活性剤と、多価アルコールとは一度に混合してもよく、或いはこれらの成分をいくつかに分けて混合してもよい。混合の方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、攪拌による混合が挙げられる。
分散処理前液は、必要に応じて、セラミド、非イオン性界面活性剤、及び多価アルコール以外の他の成分を含んでもよい。他の成分については、例えば、コレステロール等の成分が挙げられるが、詳細は後述する。
粗分散液調製工程では、セラミドを溶融させる観点から、分散処理前液を100℃以上に加熱する。分散処理前液を加熱する温度は、好ましくは100℃以上200℃以下であり、より好ましくは105℃以上140℃以下である。分散処理前液を、140℃を超える温度で加熱するとセラミドが酸化分解する場合がある。
100℃以上の温度は、分散処理前液を分散処理する際に達成されていればよい。予め分散処理前液を100℃以上に加熱し、その液温を100℃以上に保持した状態で分散処理してもよく、或いは分散処理前液を100℃以上に加熱しながら分散処理してもよい。
分散処理前液を100℃以上に加熱する手段としては、特に限定されるものではなく、一般的な加熱装置を用いることができる。加熱装置としては、例えば、恒温チャンバー等が挙げられる。
分散処理前液を分散処理し、粗分散液を得る手段としては、特に限定されるものではなく、一般的な攪拌装置を用いることができる。攪拌装置としては、例えば、マグネチックスターラー、家庭用ミキサー、パドルミキサー、インペラーミキサー、ホモミキサー、ディスパーミキサー、ウルトラミキサー等が挙げられる。
分散処理の時間は、特に限定されるものではなく、攪拌装置の種類、混合物(分散処理前液)の組成等に応じて、適宜設定することができる。
<高圧乳化処理工程>
高圧乳化処理工程は、粗分散液調製工程にて得られた粗分散液と水等とを混合した後、高圧乳化処理する工程である。
高圧乳化処理工程では、溶融されたセラミドの粗分散液と水等とを混合し、高圧乳化処理することで、セラミド分散粒子を含むセラミド分散組成物を得る。
水等と混合する際の粗分散液の温度は、突沸を防ぐ観点から、100℃以下に設定することが好ましく、90℃〜100℃に設定することがより好ましい。
水等の温度は、特に限定されるものではないが、セラミド分散粒子の微細化の観点から、40℃〜90℃に設定することが好ましく、50℃〜80℃に設定することがより好ましい。
粗分散液と水等とは一度に混合してもよく、或いは一方に他方を少しずつ添加しながら混合してもよく、セラミド分散粒子の微細化の観点から、攪拌している粗分散液中に水等を添加する方法が好ましい。混合の方法としては、例えば、攪拌による混合が挙げられる。
粗分散液と水等との混合比率は、特に限定されるものではないが、セラミド分散粒子の微細化の観点から、粗分散液/水等比率(質量基準)として、1/20〜10/1であることが好ましく、1/10〜5/1であることがより好ましく、1/2〜2/1であることが更に好ましい。
また、粗分散液と水等とは、セラミド分散粒子の微細化と経時安定性の観点から、本発明の製造方法で得られるセラミド分散組成物中における分散相と連続相との比率が、分散相/連続相比率(質量基準)として、1/1000〜1/5となるように混合することが好ましく、1/100〜1/10となるように混合することがより好ましく、1/50〜1/10となるように混合することが更に好ましい。
本発明において「高圧乳化処理」とは、50MPa以上の剪断力(処理圧力)を被分散物に付加する分散処理を意味する。セラミド分散粒子の微細化の観点から、被分散物に付加する剪断力は、100MPa以上であることが好ましく、180MPa以上であることがより好ましく、200MPa以上であることが更に好ましい。上限値は、市販の装置では、温度上昇及び耐圧性の観点から300MPa以下であることが好ましい。
高圧乳化処理の手段としては、特に限定されるものではなく、一般的な高圧乳化装置を用いることができる。高圧乳化装置としては、アルティマイザーHJP−25005((株)スギノマシン製)、マイクロフルイダイザー(マイクロフルイディスク社製)、ナノマイザー(吉田機械興業社製、ゴーリンタイプホモジナイザー(APV社製)、ラニエタイプホモジナイザー(ラニエ社製)、高圧ホモジナイザー(ニロ・ソアビ社製)、ホモゲナイザー(三和機械(株)製)、高圧ホモゲナイザー(イズミフードマシナリ(株)製)、超高圧ホモジナイザー(イカ社製)等の高圧ホモジナイザーが挙げられる。
高圧乳化処理の際の温度は、セラミド分散粒子の微細化の観点から、20℃〜80℃に設定することが好ましく、40℃〜70℃に設定することがより好ましい。
高圧乳化処理を行う回数は1回でもよいが、液全体の均一性を高めるためには、高圧乳化処理を2回以上行うことが好ましく、2回〜5回行うことがより好ましい。
高圧乳化処理工程では、セラミド分散粒子の微細化の観点から、粗分散液と水等とを混合した後、高圧乳化処理する前に、超音波付与による分散処理を行うことが好ましい。超音波付与による分散処理には、一般的な超音波分散装置を用いることができる。
超音波分散装置としては、超音波ホモジナイザーUS−600、US−1200T、RUS−1200T、MUS−1200T(以上、(株)日本精機製作所製)、超音波プロセッサーUIP2000、UIP−4000、UIP−8000、UIP−16000(以上、ヒールッシャー社製)等が挙げられる。これらの超音波分散装置は、25kHz以下、好ましくは15kHz〜20kHzの周波数で使用することができる。
<その他の工程>
本発明の製造方法は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、その他の工程を含んでもよい。
その他の工程としては、加熱殺菌工程等が挙げられる。
以下、本発明の製造方法における各工程で用いる成分等について詳細に説明する。
(セラミド)
本発明におけるセラミドは、セラミド及びその誘導体を包含するものであり、合成品、抽出品等の由来は問わない。本発明において「セラミド」とは、後述する天然型セラミド及びこれを基本骨格として有する化合物、並びにこれらの化合物を派生し得る前駆物質を包含し、天然型セラミド、スフィンゴ糖脂質等の糖修飾セラミド、及び合成セラミドを総称したものである。
以下、天然型セラミド、糖修飾セラミド、及び合成セラミドについて、この順に詳述する。
−天然型セラミド−
本明細書において「天然型セラミド」とは、ヒトの皮膚の角質層に存在するものと同じ構造を有するセラミドのことを意味する。
本発明におけるセラミドとしては、溶解性を付与するために分子内に二重結合を導入したり、浸透性を付与するために疎水基を導入したりする等、目的に応じて、修飾を加えた天然型セラミドを用いることもできる。
これら天然型と称される一般的な構造を有するセラミドは、天然物(抽出物)、微生物発酵法で得られたものであってもよく、合成物又は動物由来のものであってもよい。
本発明におけるセラミドには、天然型(D(−)体)の光学活性体を用いるが、必要に応じて非天然型(L(+)体)の光学活性体を用いてもよく、また、天然型と非天然型との混合物を用いてもよい。セラミドの相対立体配置は、天然型の立体配置のものでもよく、それ以外の非天然型の立体配置のものでもよく、また、これらの混合物によるものでもよい。
なお、本発明の製造方法により得られるセラミド分散組成物を、皮膚のエモリエント等の目的に使用する場合には、バリア効果の観点から、非天然型セラミドに比べて天然型セラミドをより多く用いることが好ましい。
本発明におけるセラミドとして好適に用いることのできる天然型セラミドとしては、Ceramide 1、Ceramide 4、Ceramide 9、Ceramide 2、Ceramide 3、Ceramide 5、Ceramide 6、Ceramide 7、Ceramide 8等を挙げることができる。
このような天然型セラミドは、市販品としても入手可能であり、例えば、Ceramide I、Ceramide EOP27、Ceramide EOS27、Ceramide III、Ceramide IIIA、Ceramide IIIB、Ceramide IIIC、Ceramide VI(以上、いずれも商品名、Evonik社製)、Ceramide TIC-001(商品名、高砂香料(株)製)、CERAMIDE II(商品名、Quest International社製)、DS-Ceramide VI、DS-CLA-Phytoceramide、C6-Phytoceramide、DS-ceramide Y3S(以上、いずれも商品名、DOOSAN社製)、CERAMIDE2(セダーマ社製)等が挙げられる。
(糖修飾セラミド)
糖修飾セラミドは、分子内に糖類を含むセラミドである。セラミドの分子内に含まれる糖類としては、例えば、グルコース、ガラクトース等の単糖類、ラクトース、マルトース等の二糖類、さらには、これらの単糖類や二糖類をグルコシド結合により高分子化したオリゴ糖類、多糖類等が挙げられる。また、糖類としては、糖の単位におけるヒドロキシル基を他の基で置き換えた糖誘導体であっても構わない。このような糖誘導体としては、例えば、グルコサミン、クルクロン酸、N-アセチルグルコサミン等が挙げられる。中でも、分散安定性の観点から、糖類としては、糖単位の数が1〜5である糖類が好ましく、具体的には、グルコース及びラクトースからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、グルコースがより好ましい。
糖修飾セラミドの具体例としては、以下のものを挙げることができる。

糖修飾セラミドは、合成によっても入手可能であるし、市販品としても入手可能である。例えば、上記例示化合物(1−1)は、「コメスフィンゴ糖脂質」(商品名、(株)岡安商店)として入手可能である。
(合成セラミド)
合成セラミドは、セラミドの構造を模倣して合成された化合物である。このような合成セラミドの公知の化合物としては、例えば、下記構造式に示される合成セラミド(例示化合物(2−1)及び(2−2))を挙げることができる。
本発明の製造方法において、セラミドとして合成セラミドを用いる場合、天然型セラミド、糖修飾セラミドの構造を模倣して合成された合成セラミドであることが好ましく、天然型セラミドの構造を模倣して合成された合成セラミドであることがより好ましい。合成セラミドは、市販品としても入手可能である。例えば、上記例示化合物(3−2)(セチルヒドロキシプロリンパルミタミド)は、「CeramideBio」(商品名、symrise(株)製)として入手可能である。
本発明の製造方法においては、より微細なセラミド分散粒子を含み、皮膚外用剤に適用した場合に顕著に優れたスキンケア効果を奏するセラミド分散組成物を得る観点から、セラミドとしては、上述のセラミドの中でも、下記一般式(I)で表される化合物であることが好ましい。

(一般式(I)中、R及びRは、上記と同義である。)
以下、一般式(I)について説明する。
で表される炭化水素基の総炭素数は40〜55であり、42〜52であることが好ましく、45〜48であることがより好ましい。
で表される炭化水素基が炭素鎖中に含むエステル結合の数は1つ又は2つ以上であってよく、1つであることがより好ましい。
で表される炭化水素基が炭素鎖中に含んでもよい多重結合としては、炭素−炭素二重結結合又は炭素−炭素三重結合が挙げられ、炭素−炭素二重結合が好ましい。
で表される炭化水素基が炭素鎖中に含んでもよい芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等が挙げられる。
で表される炭化水素基が炭素鎖中に含んでもよい芳香族複素環としては、ピリジン環、ピラジン環等が挙げられる。
で表される炭化水素基は、炭素数25〜30の飽和又は不飽和の炭化水素基が1つのエステル結合を介して16〜18の飽和又は不飽和の炭化水素と連結している構造であってもよい。
で表される好適な炭化水素基としては、総炭素数が40〜55であり、直鎖状のω−ヒドロキシ直鎖飽和脂肪酸のω末端に、リノール酸、ステアリン酸等の直鎖状の脂肪酸がエステル結合した構造を有する炭化水素基が挙げられる。
で表される炭化水素基は、置換基を更に有してもよく、置換基の例としては、カルボニル基、オキシ基、アミド基等が挙げられる。
以下に、Rの具体例を示すがこれに限定されない。
で表されるアルキル基が有する炭素数は11〜21であり、13〜21であることが好ましく、14〜20がより好ましい。Rで表されるアルキル基は直鎖又は分岐状であってよく、直鎖であることが好ましい。
で表されるアルケニル基が有する炭素数は11〜21であり、13〜21が好ましく、14〜20がより好ましい。Rで表されるアルケニル基は直鎖又は分岐状であってよく、直鎖であることが好ましい。
で表されるアルキル基又はアルケニル基は1つ又は2つ以上の水酸基を有してもよく、1つ又は2つの水酸基を有することが好ましい。
で表される炭化水素基は、置換基を更に有してもよく、置換基の例としては、カルボニル基、オキシ基、アミド基等が挙げられる。
一般式(I)におけるR及びRの好適な組み合わせとしては、上記したR及びRの好適な態様の組み合わせが含まれる。
以下に、Rの具体例を示すがこれらに限定されない。
以下に、上記一般式(I)で表される化合物の具体例を挙げるが、これらに限定されない。
上記一般式(I)で表される化合物の具体例としては、Ceramide 1、Ceramide 4、Ceramide 9等の天然型セラミドが挙げられる。
本発明の製造方法において、セラミドとして上記一般式(I)で表される化合物を用いることで、より微細なセラミド分散粒子を含み、かつ皮膚外用剤に適用した場合に顕著に優れたスキンケア効果を奏するセラミド分散組成物が得られる理由については明らかではないが、本発明者は以下のように推測している。上記一般式(I)で表される化合物は、疎水基が長くセラミド分子同士の相互作用が強く、分散粒子内で安定な構造であるため、分散粒子同士が合一し難く、微細な粒子径を保つからであると考えられる。
本発明における分散処理前液は、セラミドを1種単独で又は2種以上組み合わせて含んでもよい。セラミドは、一般に融点が高く、結晶性が高いため、乳化安定性及び取り扱い性の観点からは、2種以上を併用することが好ましい。
分散処理前液中のセラミドの含有量は、得られるセラミド分散組成物を皮膚外用剤へ適用した場合におけるセラミドの経皮からの効率的な吸収、及びセラミドに起因するスキンケア効果の発現の観点から、セラミド分散粒子に含まれる成分の全質量に対して、0.1質量%〜80質量%であることが好ましく、1質量%〜50質量%であることがより好ましく、2質量%〜30質量%であることが更に好ましい。
また、分散処理前液中のセラミドの含有量は、スキンケア効果の発現の観点から、得られるセラミド分散組成物の全質量に対して、0.00001質量%〜10質量%であることが好ましく、0.00003質量%〜5質量%であることがより好ましく、0.0001質量%〜1質量%であることが更に好ましい。
(非イオン性界面活性剤)
本発明における非イオン性界面活性剤としては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。非イオン性界面活性剤の例としては、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。なお、これらの非イオン性界面活性剤は、蒸留等で高度に精製されたものである必要はなく、反応混合物であってもよい。
上記の例の中でも、非イオン性界面活性剤は、セラミド分散粒子の微細化及び分散安定性の観点からポリグリセリン酸脂肪酸エステルであることが好ましく、特にHLBが10以上16以下のポリグリセリン脂肪酸エステルであることがより好ましい。ポリグリセリン脂肪酸エステルは、分散相/連続相の界面張力を大きく下げることができ、その結果、セラミド分散粒子の粒径をより微細化することができる点で好ましい。
ここで、HLBは、通常、界面活性剤の分野で使用される親水性−疎水性のバランスを示すもので、通常用いる計算式、例えば川上式等を使用して計算することができる。本発明においては、下記の川上式を採用する。
HLB=7+11.7log(Mw/Mo)
ここで、Mwは親水基の分子量、Moは疎水基の分子量である。
また、カタログ等に記載されているHLBの数値を採用してもよい。また、上記の式からも分かるように、HLBの加成性を利用して、任意のHLB値の界面活性剤を得ることができる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、その少なくとも一つが、平均重合度が10のポリグリセリンと、炭素数8〜18の脂肪酸、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、又はリノール酸とのエステルであることが好ましい。
ポリグリセリン脂肪酸エステルのより好ましい例としては、ヘキサグリセリンモノオレイン酸エステル、ヘキサグリセリンモノパルミチン酸エステル、ヘキサグリセリンモノミリスチン酸エステル、ヘキサグリセリンモノラウリン酸エステル、デカグリセリンモノオレイン酸エステル、デカグリセリンモノステアリン酸エステル、デカグリセリンモノパルミチン酸エステル、デカグリセリンモノミリスチン酸エステル、デカグリセリンモノラウリン酸エステル等が挙げられる。これらのHLBは、いずれも10以上16以下である。
ポリグリセリン脂肪酸エステルの中でも、更に好ましくは、デカグリセリンモノリノール酸エステル(HLB=12)、デカグリセリンモノオレイン酸エステル(HLB=12)、デカグリセリンモノステアリン酸エステル(HLB=12)、デカグリセリンモノパルミチン酸エステル(HLB=13)、デカグリセリンモノミリスチン酸エステル(HLB=14)、及びデカグリセリンモノラウリン酸エステル(HLB=16)からなる群より選択される少なくとも1種であり、特に好ましくは、デカグリセリンモノミリスチン酸エステルである。
粗分散液調製工程では、HLBが10以上16以下のポリグリセリン脂肪酸エステルから選択される1種と、それとは分子構造の異なるHLBが5以上15以下のポリグリセリン脂肪酸エステルから選択される1種以上とを組み合わせて用いてもよい。なお、HLBが5以上15以下のポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、上述したポリグリセリン脂肪酸エステルに包含されるポリグリセリン脂肪酸エステルあってもよいし、それ以外のポリグリセリン脂肪酸エステルであってもよい。
ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、市販品を使用することもできる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルの市販品としては、例えば、日光ケミカルズ(株)製のNIKKOL DGMS、NIKKOL DGMO−CV、NIKKOL DGMO−90V、NIKKOL DGDO、NIKKOL DGMIS、NIKKOL DGTIS、NIKKOL Tetraglyn 1−SV、NIKKOL Tetraglyn 1−O、NIKKOL Tetraglyn 3−S、NIKKOL Tetraglyn 5−S、NIKKOL Tetraglyn 5−O、NIKKOL Hexaglyn 1−L、NIKKOL Hexaglyn 1−M、NIKKOL Hexaglyn 1−SV、NIKKOL Hexaglyn 1−O、NIKKOL Hexaglyn 3−S、NIKKOL Hexaglyn 4−B、NIKKOL Hexaglyn 5−S、NIKKOL Hexaglyn 5−O、NIKKOL Hexaglyn PR−15、NIKKOL Decaglyn 1−L、NIKKOL Decaglyn 1−M、NIKKOL Decaglyn 1−SV、NIKKOL Decaglyn 1−50SV、NIKKOL Decaglyn 1−ISV、NIKKOL Decaglyn 1−O、NIKKOL Decaglyn 1−OV、NIKKOL Decaglyn 1−LN、NIKKOL Decaglyn 2−SV、NIKKOL Decaglyn 2−ISV、NIKKOL Decaglyn 3−SV、NIKKOL Decaglyn 3−OV、NIKKOL Decaglyn 5−SV、NIKKOL Decaglyn 5−HS、NIKKOL Decaglyn 5−IS、NIKKOL Decaglyn 5−OV、NIKKOL Decaglyn 5−O−R、NIKKOL Decaglyn 7−S、NIKKOL Decaglyn 7−O、NIKKOL Decaglyn 10−SV、NIKKOL Decaglyn 10−IS、NIKKOL Decaglyn 10−OV、NIKKOL Decaglyn 10−MAC、NIKKOL Decaglyn PR−20等;三菱化学フーズ(株)製のリョートーポリグリエステル L−7D、L−10D、M−10D、P−8D、SWA−10D、SWA−15D、SWA−20D、S−24D、S−28D、O−15D、O−50D、B−70D、B−100D、ER−60D、LOP−120DP、DS13W、DS3、HS11、HS9、TS4、TS2、DL15、DO13等;太陽化学(株)製のサンソフトQ−17UL、サンソフトQ−14S、サンソフトA−141C等;理研ビタミン(株)製のポエムDO−100、ポエムJ−0021等が挙げられる。
上記の中でも、ポリグリセリン脂肪酸エステルの好ましい市販品は、NIKKOL Decaglyn 1−L、NIKKOL Decaglyn 1−M、NIKKOL Decaglyn 1−SV、NIKKOL Decaglyn 1−50SV、NIKKOL Decaglyn 1−ISV、NIKKOL Decaglyn 1−O、NIKKOL Decaglyn 1−OV、NIKKOL Decaglyn 1−LN、リョートーポリグリエステル L−7D、L−10D、M−10D、P−8D、SWA−10D、SWA−15D、SWA−20D、S−24D、S−28D、O−15D、O−50D、B−70D、B−100D、ER−60D、及びLOP−120DPである。
本発明における分散処理前液は、非イオン性界面活性剤を1種単独又は2種以上組み合わせて含んでもよい。
分散処理前液中の非イオン性界面活性剤の含有量は、セラミドの質量に対して1倍量〜70倍量であることが好ましく、3倍量〜40倍量であることがより好ましく、5倍量〜20倍量であることが更に好ましい。
分散処理前液中の非イオン性界面活性剤の含有量が、セラミドの質量に対して、1質量%以上であると、より微細なセラミド分散粒子を形成することができる。
また、分散処理前液中の非イオン性界面活性剤の含有量が、セラミドの質量に対して、70質量%以下であると、分散安定性に優れたセラミド分散粒子を形成することができる。
(多価アルコール)
本発明における多価アルコールとしては、二価以上のアルコールであれば特に限定されず、公知のものを用いることができる。
多価アルコールの例としては、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン、ジオール化合物(例えば、1,3−ブチレングリコール(1,3−BG)、イソプレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、3−メチル−1,3−ブタンジオール等)、マルチトール、還元水あめ、蔗糖、ラクチトール、パラチニット、エリスリトール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、キシロース、グルコース、ラクトース、マンノース、マルトース、ガラクトース、フルクトース、イノシトール、ペンタエリスリトール、マルトトリオース、ソルビタン、トレハロース、澱粉分解糖、澱粉分解糖還元アルコール等が挙げられる。
上記の例の中でも、多価アルコールとしては、セラミド分散粒子の微細化及びスキンケア効果の向上の観点から、グリセリン及びジオール化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、グリセリン及び少なくとも1種のジオール化合物であることがより好ましい。特に、多価アルコールとして、グリセリンと少なくとも1種のジオール化合物とを併用すると、より微細なセラミド分散粒子を含み、スキンケア効果が顕著に優れるセラミド分散組成物を得ることができる。
なお、本発明において「ジオール化合物」とは、分子内にヒドロキシ基を2個含有する化合物を意味する。
グリセリンと少なくとも1種のジオール化合物とを併用する場合におけるグリセリンとジオール化合物との比率(グリセリン量:ジオール化合物の総量)としては、セラミド分散組成物の経時安定性の観点から、質量基準で、100:1〜1:1であることが好ましく、75:1〜5:1であることがより好ましく、50:1〜10:1であることが更に好ましい。
ジオール化合物としては、セラミド分散粒子の微細化と経時安定性の観点から、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,2、1,2−ヘキサンジオール、及び1,6−ヘキサンジオールからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、1,3−ブチレングリコール及びジプロピレングリコールからなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましく、1,3−ブチレングリコールが更に好ましい。
(水)
本発明における水又は水を含む組成物は、セラミド分散粒子が分散相として分散される連続相となるものである。
本発明における水としては、純水、イオン交換水等の不純物が少ない水であることが好ましい。
本発明において「水を含む組成物」とは、組成物中に水が含まれていればよいことを意味する。組成物中に含まれる水以外の成分としては、特に限定されるものではなく、例えば、分散組成物の製造において、連続相に通常添加され得る水溶性の公知の成分が挙げられる。
組成物中に含まれる水以外の成分としては、例えば、レシチン等が挙げられる。
粗分散液と混合する水の量としては、特に限定されるものではなく、目的とする所望の濃度に応じて適宜設定することができる。
セラミド分散粒子の微細化の観点からは、粗分散液と混合する水の量(粗分散液と水を含む組成物とを混合する場合には、組成物に含まれる水の量)は、粗分散液/水等の比率(質量基準)として、1/20〜10/1であることが好ましく、1/10〜5/1であることがより好ましく、1/2〜2/1であることが更に好ましい。
(レシチン)
本発明の製造方法においては、レシチンを用いることが好ましい。
本発明の製造方法においてレシチンを用いると、より微細なセラミド分散粒子を含むセラミド分散組成物を得ることができる。
本発明の製造方法においてレシチンを用いる場合、粗分散液調製工程及び高圧乳化処理工程のいずれの工程で用いてもよいが、セラミド分散粒子の微細化の観点から、高圧乳化処理工程で用いることが好ましい。
レシチンは、分子内に親水基と疎水基とを有しているため、従来から、食品、医薬品、化粧品等の分野で、広く乳化剤として使用されている。
産業的には、レシチン純度60%以上のものがレシチンとして利用されており、本発明の製造方法においても、このようなレシチンを用いることができる。より微細なセラミド分散粒子を形成する観点から、レシチンとしては、一般に高純度レシチンと称される、レシチン純度が80%以上のものが好ましく、90%以上のものがより好ましい。
レシチンとしては、植物、動物又は微生物の生体から抽出分離された公知の各種レシチンを挙げることができる。
このようなレシチンの具体例としては、大豆、トウモロコシ、落花生、ナタネ、麦等の植物、卵黄、牛等の動物、及び大腸菌等の微生物などに由来する各種レシチンを挙げることができる。
このようなレシチンを化合物名で例示すると、ホスファチジン酸、ホスファチジルグリセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルメチルエタノールアミン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ビスホスファチジン酸、ジホスファチジルグリセリン(カルジオリピン)等のグリセロレシチン;スフィンゴミエリン等のスフィンゴレシチンなどが挙げられる。
また、本発明の製造方法においては、上記の高純度レシチン以外にも、水素添加レシチン、酵素分解レシチン、酵素分解水素添加レシチン、ヒドロキシレシチン等を用いることができる。本発明の製造方法で用いることができるこれらのレシチンは、単独又は複数種の混合物の形態で用いることができる。
本発明の製造方法においてレシチンを用いる場合、レシチンの使用量は、非イオン性界面活性剤の質量に対して、好ましくは0.01倍量〜20倍量であり、より好ましくは0.1倍量〜10倍量であり、更に好ましくは0.4倍量〜5倍量である。
(コレステロール)
本発明の製造方法においては、コレステロールを用いてもよい。
本発明の製造方法においてコレステロールを用いると、皮膚外用剤へ適用した場合により優れたスキンケア効果を奏するセラミド分散組成物を得ることができるため好ましい。
本発明の製造方法においてコレステロールを用いる場合、粗分散液調製工程及び高圧乳化処理工程のいずれの工程で用いてもよいが、セラミド分散粒子の微細化の観点から、粗分散液調製工程で用いることが好ましい。
コレステロールとしては、ラノリンの主成分として抽出により得られる粗コレステロールを精製したものを好ましく適用しうる。コレステロールとしては市販品を用いてもよく、市販品の例としては、日本精化(株)製の「コレステロールJSQI」、クローダジャパン(株)製の「コレステロール」等が挙げられる。
本発明の製造方法においてコレステロールを用いる場合、コレステロールの使用量は、本発明の製造方法に用いられる成分の全質量に対して、0.00001質量%〜10質量%であることが好ましく、0.00003質量%〜5質量%であることがより好ましく、0.0001質量%〜1質量%であることが更に好ましい。
(他の成分)
本発明の製造方法では、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、上述した成分以外の他の成分を用いることができる。
他の成分としては、例えば、分散組成物の製造において通常添加され得る成分、得られるセラミド分散組成物の用途に応じて必要とされる成分等が挙げられる。
セラミド分散組成物を皮膚外用剤として適用する場合の他の成分としては、例えば、種々の薬効成分、防腐剤、殺菌剤、着色剤、メントール、カンファー等の清涼剤、植物エキス、pH緩衝剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、香料等が挙げられる。
他の成分は、その機能に応じて、粗分散液調製工程、高圧乳化処理工程、及びその他の工程からなる群より選ばれる少なくとも1つの工程で用いることができる。
(25℃で液状の油性成分)
本発明の製造方法で得られるセラミド分散組成物は、25℃で液状の油性成分を含有しないか、又は、25℃で液状の油性成分の含有量が1質量%以下であることが好ましく、25℃で液状の油性成分を含有しないことがより好ましい。
従来の高圧乳化法では、一般にスクワラン等の25℃で液状の油性成分が用いられる。そのため、得られる分散組成物中には、通常、25℃で液状の油性成分が含まれる。
本発明の製造方法においては、得られるセラミド分散組成物が、25℃で液状の油性成分を含有しないか、又は、含有する場合であってもその含有量が1質量%以下となるように、25℃で液状の油性成分を用いないか、又は、用いる場合であってもその使用量を制御することで、より微細なセラミド分散粒子を含み、かつ皮膚外用剤へ適用した場合により優れたスキンケア効果を奏するセラミド分散組成物を得ることができる。
本発明において「25℃で液状」とは、融点又は軟化点が25℃未満であることを意味する。また、本発明において「油性成分」とは、25℃における水への溶解度が0.1%未満であり、化粧品、医薬品、食品等の分野で一般に油性成分として使用される成分を意味する。
25℃で液状の油性成分としては、具体的には、スクワラン、流動パラフィン等の炭化水素油;ジメチルポリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、高級アルコール変性オルガノポリシロキサン等のシリコーン油;フルオロポリエーテル、パーフルオロアルキルエーテルシリコーン等のフッ素油;オリーブ油、ホホバ油等の植物油;液状ラノリン等の動物油;リンゴ酸ジイソステアリル、乳酸オクチルドデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソステアリン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル等の脂肪酸エステル;ジカプリン酸ネオペンチルグリコール等の脂肪酸と多価アルコールとからなるエステル油;グリセリン誘導体、アミノ酸誘導体等のエステル油などが挙げられる。
[セラミド分散組成物]
(セラミド分散粒子の粒径)
本発明の製造方法で得られるセラミド分散組成物は、セラミド分散粒子が分散相として連続相中に分散された形態をとる、水中油滴型エマルションである。本発明の製造方法によれば、平均粒径が60nm未満のセラミド分散粒子を含むセラミド分散組成物を得ることができる。また、本発明の製造方法によれば、好ましくは40nm未満であり、より好ましくは30nm未満であり、更に好ましくは20nm未満のセラミド分散粒子を得ることができる。セラミド分散粒子の平均粒径の下限値としては、特に制限はないが、例えば、1nm以上とすることができる。
本発明における「セラミド分散粒子の平均粒径」とは、セラミド分散組成物中に存在するセラミド分散粒子の体積平均粒径を意味する。
セラミド分散粒子の体積平均粒径は、精度と測定の簡便さの観点から、動的光散乱法を用いて測定することができる。
動的光散乱法を用いた市販の測定装置としては、動的光散乱式ナノトラック粒度分析計UPA(日機装(株)製)、動的光散乱式粒径分布測定装置LB−550((株)堀場製作所製)、濃厚系粒径アナライザーFPAR−1000(大塚電子(株)製)等が挙げられる。
本明細書におけるセラミド分散粒子の体積平均粒径は、動的光散乱式ナノトラック粒度分析計UPA(日機装(株)製)を用いて測定した値であり、具体的には、以下のように測定する。本発明におけるセラミド分散粒子の体積平均粒径は、他の分析計を用いて測定することもできる。
セラミド分散粒子の体積平均粒径は、本発明の製造方法により得られたセラミド分散組成物から分取した試料に含まれるセラミドの濃度が0.03質量%になるように純水で希釈し、石英セルを用いて測定する。体積平均粒径は、試料屈折率として1.600、分散媒屈折率として1.333(純水)、分散媒の粘度として純水の粘度を設定した場合の体積平均粒径(Mv)として求めることができる。
(セラミド分散組成物の用途)
本発明の製造方法で得られるセラミド分散組成物は、化粧料等の皮膚外用剤へ適用した場合に、優れたスキンケア効果を有する。このため、本発明の製造方法で得られるセラミド分散組成物は、例えば、医薬品(外用剤、皮膚製剤)、化粧料、洗浄剤等に、そのまま又は成分材料として広く使用することができる。ここで、医薬品としては、塗布剤等の非経口剤など、化粧料としては、化粧水、美容液、ジェル、乳液、ヘアーコンディショナー、ヘアトリートメント、リンス等、洗浄剤としては、洗顔料、ボディーソープ、シャンプー等が挙げられる。ただし、本発明は、これらに制限されるものではない。
本発明の製造方法で得られるセラミド分散組成物を、医薬品又は化粧料に使用する場合、必要に応じて、医薬品又は化粧料に添加可能な成分を適宜添加することができる。
本発明の製造方法で得られるセラミド分散組成物を化粧料に使用する場合の剤型としては、化粧水、美容液、ジェル、乳液、ヘアーコンディショナー、ヘアトリートメント、リンス等、化粧料として知られている一般的な剤型のいかなる態様であってよい。本発明の製造方法で得られるセラミド分散組成物は、セラミド分散粒子が微細であるという特徴を生かす観点からは、透明性の高い剤型にすることが好ましく、例えば、化粧水、美容液、ジェル製剤等の剤型が好ましい。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
[実施例1]
下記組成のA液39.5gを110℃にて10分間攪拌混合し、粗分散液を得た。得られた粗分散液を100℃まで冷却し、下記組成の成分を70℃で溶解したB液を添加した後、超音波ホモジナイザーUS−600((株)日本精機製作所製)を用いて3分間分散することで予備分散物を得た。続いて、得られた予備分散物を約60℃まで冷却した後、アルティマイザーHJP−25005((株)スギノマシン製)を用いて、245MPaの圧力で高圧乳化(分散)処理を5分間行うことで、実施例1のセラミド分散組成物を得た。
なお、A液及びB液に用いた各成分の詳細は、後述の通りである。
〔A液〕
Ceramide I 0.3部
コレステロール 0.3部
1,3−ブチレングリコール 0.9部
デカグリセリンモノミリスチン酸エステル 3.0部
グリセリン 35.0部
〔B液〕
レシチン 4.0部
ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル 0.01部
水 56.5部
[実施例2〜12、14〜16、比較例1〜3、7、8]
表1、表2及び表3に示す組成のA液及びB液を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜12、14〜16、比較例1〜3、7、8の各セラミド分散組成物を得た。
[実施例13]
50MPaの圧力にて高圧乳化処理を行った以外は、実施例1と同様にして、実施例13のセラミド分散組成物を得た。
[比較例4]
A液を80℃にて攪拌混合し、粗分散液を得た以外は、実施例1と同様にして、比較例4のセラミド分散組成物を得た。
[比較例5]
A液を80℃にて攪拌混合し、粗分散液を得た以外は、実施例4と同様にして、比較例5のセラミド分散組成物を得た。
[比較例6]
A液を80℃にて攪拌混合し、粗分散液を得た以外は、実施例6と同様にして、比較例6のセラミド分散組成物を得た。
[評価]
得られた実施例1〜16及び比較例1〜8の各セラミド分散組成物について、(1)調製直後のセラミド分散組成物中におけるセラミド分散粒子の粒径の測定、及び(2)スキンケア効果の評価を行った。結果を表1〜3に示す。
(1)セラミド分散組成物中のセラミド分散粒子の粒径
調製直後のセラミド分散組成物中におけるセラミド分散粒子の粒径(体積平均粒径)を、動的光散乱式ナノトラック粒度分析計UPA(日機装(株)製)を用いて測定した。体積平均粒径の測定は、セラミド分散組成物から分取した試料に含まれるセラミドの濃度が0.03質量%になるように純水で希釈して行った。体積平均粒径は、試料屈折率として1.600、分散媒屈折率として1.333(純水)、分散媒の粘度として純水の粘度を設定した場合の体積平均粒径(Mv)として求めた。
(2)スキンケア効果
冬場に手の肌荒れが顕著である被験者5名の左手甲に、セラミド分散組成物を12月に2週間、1日2回塗布した。塗布していない右手甲と比較して、「変化無し」を1、「肌荒れが認められない状態」を5とし、2週間後の改善度を5段階評価し、5名の平均評点を算出した。
表1〜3中の「−」は、該当成分を配合していないことを意味する。また、表1〜3に記載の各成分は、以下の通りである。
Ceramide I(商品名:Ceramide I、INCI名:Ceramide 1、Evonik社)
Ceramide EOP(商品名:Ceramide EOP27、INCI名:Ceramide EOP、Evonik社)
Ceramide EOS(商品名:Ceramide EOS27、INCI名:Ceramide EOS、Evonik社)
Ceramide II(商品名:Ceramide TIC-001、INCI名:Ceramide 2、高砂香料(株))
Ceramide III(商品名:Ceramide III、INCI名:Ceramide 3、Evonik社)
Ceramide VI(商品名:Ceramide VI、INCI名:Ceramide 6II、Evonik社)
コレステロール(商品名:コレステロールJSQI、日本精化(株))
1,3−ブチレングリコール((株)ダイセル、多価アルコール)
ジプロピレングリコール(公洋ファインケミカル(株)、多価アルコール)
デカグリセリンモノミリスチン酸エステル(商品名:NIKKOL Decaglyn 1-M、HLB:14.0、日光ケミカルズ(株)、非イオン性界面活性剤)
ショ糖ステアリン酸エステル(商品名:リョートーシュガーエステル S-1670、HLB:16.0、三菱化学フーズ(株)、非イオン性界面活性剤)
スクワラン(商品名:NIKKOL スクワラン、日光ケミカルズ(株))
グリセリン(化粧用濃グリセリン、花王(株)、多価アルコール)
レシチン(商品名:SLP-PC70、辻製油(株))
ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル(商品名:GLYCACIL、ロンザジャパン(株))
表1〜3に示されるように、本発明の製造方法により得られた実施例1〜16のセラミド分散組成物は、予想外なことに、いずれも微細なセラミド分散粒子を含み、かつスキンケア効果に優れることがわかった。
一般式(I)で表される化合物を用いた実施例1〜3のセラミド分散組成物は、それ以外のセラミドを用いた実施例4〜6のセラミド分散組成物と比較して、より微細なセラミド分散粒子を含み、かつスキンケア効果が顕著に優れていた。
多価アルコールとして、グリセリン及びジオール化合物(1,3−ブチレングリコール又はジプロピレングリコール)の両方を用いた実施例1及び7のセラミド分散組成物は、一方のみを用いた実施例8と比較して、より微細なセラミド分散粒子を含み、かつスキンケア効果がより優れていた。
実施例13のセラミド分散組成物は、比較例1のセラミド分散組成物中のセラミド分散粒子と同等の粒径のセラミド分散粒子を含むが、比較例1のセラミド分散組成物と比較してスキンケア効果が顕著に優れていた。
したがって、本発明によれば、微細なセラミド分散粒子を含み、かつ皮膚外用剤への適用において優れたスキンケア効果を有するセラミド分散組成物を、簡便な方法で提供することができる。

Claims (7)

  1. セラミドと、非イオン性界面活性剤と、セラミドの質量に対して10倍量〜12000倍量の多価アルコールと、を含む混合物を100℃以上に加熱した状態で分散処理し、粗分散液を得ることと、
    粗分散液と水又は水を含む組成物とを混合した後、高圧乳化処理することと、
    を含むセラミド分散組成物の製造方法。
  2. 多価アルコールが、グリセリン及びジオール化合物からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1に記載のセラミド分散組成物の製造方法。
  3. 多価アルコールが、グリセリン及び少なくとも1種のジオール化合物である請求項2に記載のセラミド分散組成物の製造方法。
  4. レシチンを用いる請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のセラミド分散組成物の製造方法。
  5. 非イオン性界面活性剤が、ポリグリセリン脂肪酸エステルである請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のセラミド分散組成物の製造方法。
  6. セラミド分散組成物が、25℃で液状の油性成分を含有しないか、又は、25℃で液状の油性成分の含有量が1質量%以下である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のセラミド分散組成物の製造方法。
  7. セラミドが下記一般式(I)で表される化合物である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のセラミド分散組成物の製造方法。

    一般式(I)中、Rは、総炭素数が40〜55であり、炭素鎖中にエステル結合を含む直鎖又は分岐状の炭化水素基を表し、Rで表される炭化水素基は、多重結合、芳香環、及び芳香族複素環からなる群より選択される1又は2以上の部分構造を炭素鎖中に含んでもよく;Rは、水酸基を有してもよい炭素数11〜21のアルキル基、又は水酸基を有してもよい炭素数11〜21のアルケニル基を表す。
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