JP2015174121A - 加熱炉の制御方法及び制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】多くの労力を要することなく加熱炉からのスラブの抽出ピッチを精度高く算出することにより熱間圧延ラインの圧延能率を向上させること。
【解決手段】加熱炉の制御方法は、加熱炉内のスラブを抽出目標温度まで加熱するために必要な加熱炉からのスラブの抽出時刻を算出し、算出結果に基づいて次に加熱炉から抽出するスラブである後行材の抽出ピッチを算出する第1抽出ピッチ算出ステップS1と、前回加熱炉から抽出されたスラブである先行材の圧延時間に基づいて後行材の抽出ピッチを算出する第2抽出ピッチ算出ステップS2と、第1抽出ピッチ算出ステップS1において算出された抽出ピッチ及び第2抽出ピッチ算出ステップS2において算出された抽出ピッチのうち、長い方の抽出ピッチを後行材の抽出ピッチとして決定する抽出ピッチ決定ステップS3と、を含む。
【選択図】図6

Description

本発明は、熱間圧延ラインに設けられた加熱炉からのスラブの抽出ピッチを制御する加熱炉の制御方法及び制御装置に関する。
熱間圧延ラインの圧延能率を向上させるためには、先行材の圧延が完了してから加熱炉から後行材を抽出するのではなく、先行材の圧延完了前に加熱炉から後行材を抽出し、複数の鋼材を流れ作業的に圧延する必要がある。このように複数の鋼材を流れ作業的に圧延する場合、ミルペーシング制御方法が採用されることが多い。
ミルペーシング制御方法とは、加熱炉からスラブを抽出する時間間隔である抽出ピッチを、熱間圧延ライン上で鋼材同士が衝突せず、且つ、先行材の圧延が完了してから後行材の圧延を開始するまでの間に熱間圧延ライン上の各設備において各種の設定替が行えるだけの時間間隔を確保し得る最短の時間間隔に調整する制御方法である。
このミルペーシング制御方法においては、熱間圧延ラインを複数の区間に分割し、各区間における先行材の搬送時間を予測し、ある時間間隔後に加熱炉から後行材が抽出されたと仮定した場合に先行材と後行材とが最も接近する場所を特定し、その場所における先行材と後行材との間の時間間隔が最小となるように後行材の抽出ピッチを決定する。
ところが、各区間における先行材の搬送時間の予測値は、先行材の搬送速度や圧延速度の誤差、先行材の加速点や減速点の誤差、先行材や後行材の長さの誤差、又は、衝突防止や温度調整のための一次待機(オシレーション)等の要因によって誤差を含んでいる。
搬送時間の予測値に誤差が含まれている場合、後行材の抽出ピッチを適切に決定することができなくなる。このような背景から、熱間圧延ラインの各区間における先行材の搬送時間を正確に算出する方法が提案されている。
具体的には、特許文献1には、鋼種、スラブ長、及び加熱炉からの抽出温度毎に搬送時間の予測値の誤差を分類し、鋼種、スラブ長、及び加熱炉からの抽出温度から搬送時間の予測値の誤差を算出する回帰式を区分毎に求め、回帰式の係数を逐次最小二乗法により調整する技術が記載されている。
また、特許文献2には、搬送時間の予測値と実績値との差を過去の実績値の中央値と尖度とを用いて算出する技術が記載されている。
さらに、特許文献3には、先行材の圧延時間から決まる後行材の抽出ピッチ及び後行材の現在の温度と残加熱時間とから決まる後行材の抽出ピッチに基づいて加熱炉からの後行材の抽出時刻を決定する技術が記載されている。
特開昭61−262414号公報 特開2013−126676号公報 特許第3928314号公報
しかしながら、特許文献1記載の技術によれば、誤差の分類作業や回帰式の係数の調整作業に多くの労力が必要になる。また、誤差の予測精度を向上させるためには、区分を細分化する必要があるために、上述の作業がさらに煩雑になる。一方、上述の作業を容易にするために区分を粗くすると、誤差の予測精度が低下する。
また、特許文献2記載の技術によれば、搬送時間の予測値の誤差は定数になるために、操業条件や設備の変更に応じて誤差値を適宜調整する必要があり、搬送時間の予測値の誤差を算出するために多くの労力を要する。
さらに、特許文献3記載の技術は、現在の熱間圧延ラインの圧延能力及び加熱炉搬送能力に基づいて加熱炉からのスラブの抽出時刻を予測するものであり、スラブ毎の将来の抽出時刻を反映したものとなっていない。
以上のことから、多くの労力を要することなく加熱炉からのスラブの抽出ピッチを精度高く算出することにより熱間圧延ラインの圧延能率を向上可能な技術の提供が期待されていた。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、多くの労力を要することなく加熱炉からのスラブの抽出ピッチを精度高く算出することにより熱間圧延ラインの圧延能率を向上可能な加熱炉の制御方法及び制御装置を提供することを目的とする。
上記した課題を解決し、目的を達成するため、本発明に係る加熱炉の制御方法は、熱間圧延ラインに設けられた加熱炉からのスラブの抽出ピッチを制御する加熱炉の制御方法であって、前記加熱炉内のスラブを抽出目標温度まで加熱するために必要な加熱炉からのスラブの抽出時刻を算出し、算出結果に基づいて次に加熱炉から抽出するスラブである後行材の抽出ピッチを算出する第1抽出ピッチ算出ステップと、前回加熱炉から抽出されたスラブである先行材の圧延時間に基づいて前記後行材の抽出ピッチを算出する第2抽出ピッチ算出ステップと、前記第1抽出ピッチ算出ステップにおいて算出された抽出ピッチ及び第2抽出ピッチ算出ステップにおいて算出された抽出ピッチのうち、長い方の抽出ピッチを後行材の抽出ピッチとして決定する抽出ピッチ決定ステップと、を含み、前記第2抽出ピッチ算出ステップは、前記先行材の操業条件に近い操業条件で処理されたスラブについて算出された熱間圧延ラインの各区間における搬送時間の予測値の誤差に基づいて、熱間圧延ラインの各区間における先行材の搬送時間の予測値を補正し、補正値を用いて先行材の圧延時間を算出するステップを含むことを特徴とする。
本発明に係る加熱炉の制御方法は、上記発明において、前記操業条件には、鋼板の厚み、幅、品種、加熱炉装入温度、抽出目標温度、仕上圧延前温度、及び巻取温度が含まれていることを特徴とする。
上記した課題を解決し、目的を達成するため、本発明に係る加熱炉の制御装置は、熱間圧延ラインに設けられた加熱炉からのスラブの抽出ピッチを制御する加熱炉の制御装置であって、前記加熱炉内のスラブを抽出目標温度まで加熱するために必要な加熱炉からのスラブの抽出時刻を算出し、算出結果に基づいて次に加熱炉から抽出するスラブである後行材の抽出ピッチを算出する第1抽出ピッチ算出手段と、前回加熱炉から抽出されたスラブである先行材の圧延時間に基づいて前記後行材の抽出ピッチを算出する第2抽出ピッチ算出手段と、前記第1抽出ピッチ算出手段によって算出された抽出ピッチ及び第2抽出ピッチ算出手段によって算出された抽出ピッチのうち、長い方の抽出ピッチを後行材の抽出ピッチとして決定する抽出ピッチ決定手段と、を備え、前記第2抽出ピッチ算出手段は、前記先行材の操業条件に近い操業条件で処理されたスラブについて算出された熱間圧延ラインの各区間における搬送時間の予測値の誤差に基づいて、熱間圧延ラインの各区間における先行材の搬送時間の予測値を補正し、補正値を用いて先行材の圧延時間を算出することを特徴とする。
本発明に係る加熱炉の制御方法及び製造装置によれば、多くの労力を要することなく加熱炉からのスラブの抽出ピッチを精度高く算出することにより熱間圧延ラインの圧延能率を向上させることができる。
図1は、本発明の一実施形態である加熱炉の制御装置が適用される熱間圧延ラインの構成を示す模式図である。 図2は、図1に示す加熱炉の平面構成を示す模式図である。 図3は、本発明の一実施形態である加熱炉の制御装置の構成を示すブロック図である。 図4は、図3に示す加熱温度データベースに格納されている加熱温度データの一例を示す図である。 図5は、図3に示す搬送時間データベースに格納されている搬送時間データの一例を示す図である。 図6は、本発明の一実施形態である抽出ピッチ算出処理の流れを示すフローチャートである。 図7は、図6に示す第1抽出ピッチ算出処理の流れを示すフローチャートである。 図8は、図7に示すステップS12の処理を説明するための図である。 図9は、図6に示す第2抽出ピッチ算出処理の流れを示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態である加熱炉の制御装置の構成及びその動作について説明する。
〔熱間圧延ラインの構成〕
始めに、図1,図2を参照して、本発明の一実施形態である加熱炉の制御装置が適用される熱間圧延ラインの構成について説明する。但し、本発明の一実施形態である加熱炉の制御装置が適用される熱間圧延ラインの構成は以下に示す構成に限定されることはなく、少なくとも加熱炉及び圧延設備を備える熱間圧延ライン全般に適用できる。
図1は、本発明の一実施形態である加熱炉の制御装置が適用される熱間圧延ラインの構成を示す模式図である。図2は、図1に示す加熱炉の平面構成を示す模式図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態である加熱炉の制御装置が適用される熱間圧延ライン1では、加熱炉2内で加熱されたスラブは、粗圧延機3において所定厚さまで圧延された後、鋼板Pとして仕上圧延機4に搬送され、仕上圧延機4において製品厚さまで圧延される。そして、仕上圧延機4において圧延された鋼板Pは、コイラー5によってコイル状に巻き取られる。
また、図2に示すように、加熱炉2は、複数(本例では2つ)の加熱ライン2a,2bを有している。各加熱ラインは、加熱ラインに装入されたスラブSをスラブS毎に定められた所定温度まで加熱した後、指定されたタイミングでスラブSを抽出口から粗圧延機3に向けて抽出する。
以後、図1に示すように、加熱炉2から粗圧延機3の入側までの区間を加熱区間R1、粗圧延機3による圧延区間を粗区間R2、粗圧延機3の出側から仕上圧延機4の入側までの区間を粗・仕上間区間R3、仕上圧延機4による圧延区間を仕上区間R4、仕上圧延機4の出側からコイラー5の入側までの区間をランナウト区間R5、コイラー5による巻取区間をコイラー区間R6と表記する。
〔制御装置の構成〕
次に、図3から図5を参照して、本発明の一実施形態である加熱炉の制御装置の構成について説明する。
図3は、本発明の一実施形態である加熱炉の制御装置の構成を示すブロック図である。図4は、図3に示す加熱温度データベースに格納されている加熱温度データの一例を示す図である。図5は、図3に示す搬送時間データベースに格納されている搬送時間データの一例を示す図である。
図3に示すように、本発明の一実施形態である加熱炉の制御装置10は、パーソナルコンピュータやワークステーション等の情報処理装置によって構成され、情報処理装置内の演算処理装置がコンピュータプログラムを実行することによって、抽出ピッチ算出部10a及び加熱炉制御部10bとして機能する。抽出ピッチ算出部10a及び加熱炉制御部10bの機能については後述する。また、加熱炉の制御装置10は、加熱温度データベース11及び搬送時間データベース12を備えている。
加熱温度データベース11は、後述する第1抽出ピッチ算出処理において用いられる加熱温度データを格納している。図4に示すように、加熱温度データは、図2に示す加熱炉2の加熱ライン2a,2b上のスラブ搬送方向各位置における炉温の実績値をスラブSの仕様毎に記録したものである。スラブSの仕様データには、スラブSの厚さ、幅、鋼種、及び加熱炉2からの抽出目標温度が含まれている。
搬送時間データベース12は、後述する第2抽出ピッチ算出処理において用いられる搬送時間データを格納している。図5に示すように、搬送時間データは、図1に示す熱間圧延ライン1の各区間R1〜R6における鋼板Pの搬送時間の予測値及び実績値を鋼板Pの操業データ毎に記録したものである。鋼板Pの操業データには、鋼板Pの厚さ、幅、品種、加熱炉装入温度、加熱目標温度(抽出目標温度)、仕上圧延前温度、巻取温度、及び圧延速度が含まれている。
このような構成を有する加熱炉の制御装置10は、以下に示す抽出ピッチ算出処理を実行することによって、加熱炉2からのスラブSの抽出ピッチを精度高く算出することによって熱間圧延ライン1の圧延能率を向上させる。以下、図6から図9を参照して、本発明の一実施形態である抽出ピッチ算出処理の流れについて説明する。
〔抽出ピッチ算出処理〕
図6は、本発明の一実施形態である抽出ピッチ算出処理の流れを示すフローチャートである。
図6に示す抽出ピッチ算出処理は、熱間圧延ライン1の稼働が開始されたタイミングで開始となり、抽出ピッチ算出処理はステップS1の処理に進む。抽出ピッチ算出処理は、熱間圧延ライン1が稼働されている間、所定の制御周期毎に繰り返し実行される。
ステップS1の処理では、抽出ピッチ算出部10aが、加熱温度データベース11に格納されている加熱温度データを用いて、スラブSを抽出目標温度まで加熱するために必要な加熱炉2からのスラブSの最短の抽出ピッチを算出する(第1抽出ピッチ算出処理)。この第1抽出ピッチ算出処理の詳細については、図7に示すフローチャートを参照して後述する。これにより、ステップS1の処理は完了し、抽出ピッチ算出処理はステップS2の処理に進む。
ステップS2の処理では、抽出ピッチ算出部10aが、搬送時間データベース12に格納されている搬送時間データを用いて、先行材の圧延時間(粗圧延機3,仕上圧延機4,及びコイラー5の設定替時間を含む)及び先行材と後行材との間の間隔を考慮した加熱炉2からの後行材の最短の抽出ピッチを算出する(第2抽出ピッチ算出処理)。この第2抽出ピッチ算出処理の詳細については、図8に示すフローチャートを参照して後述する。これにより、ステップS2の処理は完了し、抽出ピッチ算出処理はステップS3の処理に進む。
ステップS3の処理では、抽出ピッチ算出部10aが、第1抽出ピッチ算出処理によって算出された抽出ピッチ及び第2抽出ピッチ算出処理によって算出された抽出ピッチのうち、長い方の抽出ピッチを後行材の抽出ピッチとして決定する。そして、加熱炉制御部10bは、抽出ピッチ算出部10aが決定した抽出ピッチに従って加熱炉2からの後行材の抽出タイミングを制御する。これにより、ステップS3の処理は完了し、一連の抽出ピッチ算出処理は終了する。
〔第1抽出ピッチ算出処理〕
次に、図7を参照して、上記ステップS1の第1抽出ピッチ算出処理について説明する。
図7は、図6に示す第1抽出ピッチ算出処理の流れを示すフローチャートである。図7に示すフローチャートは、図6に示す抽出ピッチ算出処理が開始されたタイミングで開始となり、第1抽出ピッチ算出処理はステップS11の処理に進む。
ステップS11の処理では、抽出ピッチ算出部10aが、加熱炉2内の各スラブSの炉内位置及びその炉内位置における炉温に関する情報を取得する。これにより、ステップS11の処理は完了し、第1抽出ピッチ算出処理はステップS12の処理に進む。
ステップS12の処理では、抽出ピッチ算出部10aが、ステップS11の処理により取得した炉内位置及び炉温に関する情報に基づいて、各スラブSの残加熱時間を算出する。具体的には、始めに、抽出ピッチ算出部10aは、加熱温度データベース11から加熱炉2内のスラブSと厚さ、幅、鋼種、及び抽出目標温度が同じであるスラブSの加熱時間データを読み出す。次に、抽出ピッチ算出部10aは、読み出された加熱時間データの中からステップS11の処理により取得した炉内位置における炉温が最も近い加熱時間データを選択する。
例えば、図8に示す曲線L1〜L4によって表される4つの加熱時間データが読み出された場合、抽出ピッチ算出部10aは、ステップS11の処理により取得した炉内位置P1における炉温T1が同じである曲線L2によって表される加熱時間データを選択する。そして、抽出ピッチ算出部10aは、選択された加熱時間データに基づいて、現在の炉内位置P1の加熱時間データが取得された時刻t1と最終の炉内位置PENDの加熱時間データが取得された時刻tENDとの時間差を残加熱時間として算出する。これにより、ステップS12の処理は完了し、第1抽出ピッチ算出処理はステップS13の処理に進む。
ステップS13の処理では、抽出ピッチ算出部10aが、残加熱時間が経過した時点でスラブSを加熱炉2から抽出できるとして、ステップS12の処理によって算出された残加熱時間に基づいて加熱炉2からの各スラブSの抽出時刻を算出する。これにより、ステップS13の処理は完了し、第1抽出ピッチ算出処理はステップS14の処理に進む。
ステップS14の処理では、抽出ピッチ算出部10aが、ステップS13の処理によって算出された各スラブSの抽出時刻に基づいて、次に加熱炉2から抽出するスラブS(後行材)の抽出ピッチを算出する。これにより、ステップS14の処理は完了し、一連の第1抽出ピッチ算出処理は終了する。
〔第2抽出ピッチ算出処理〕
最後に、図9を参照して、上記ステップS2の第2抽出ピッチ算出処理について説明する。
図9は、図8に示す第2抽出ピッチ算出処理の流れを示すフローチャートである。図9に示すフローチャートは、図6に示す第1抽出ピッチ算出処理が完了したタイミングで開始となり、第2抽出ピッチ算出処理はステップS21の処理に進む。但し、第2抽出ピッチ算出処理は、図6に示す抽出ピッチ算出処理が開始されたタイミングで、第1抽出ピッチ抽出処理と平行して開始されてもよい。
ステップS21の処理では、抽出ピッチ算出部10aが、図1に示す熱間圧延ライン1の各区間R1〜R6における先行材の搬送時間の予測値を算出する。これにより、ステップS21の処理は完了し、第2抽出ピッチ算出処理はステップS22の処理に進む。
ステップS22の処理では、抽出ピッチ算出部10aが、搬送時間データベース12に格納されている搬送時間データを用いて、ステップS21の処理により算出された熱間圧延ライン1の各区間R1〜R6における先行材の搬送時間の予測値の誤差を算出する。以下、この誤差の算出方法について詳しく説明する。
いま図5に示す搬送時間データに含まれる各スラブSの操業データを以下に示す数式(1),(2)のように表す。ここで、数式(1),(2)中、Xは全操業データ、X(j)はj(=1〜m)番目の搬送時間データに含まれる操業データの集合、xijはj番目の搬送時間データに含まれる操業データの集合内のi(=1〜n)番目の操業データ、nは操業データの総数、mは搬送時間データの総数を表す。
Figure 2015174121
Figure 2015174121
また、搬送時間データに含まれている搬送時間の予測値と実績値との差から求められる搬送時間の予測値の誤差のデータ集合Yを以下に示す数式(3)のように表す。従って、搬送時間データZ(j)は、[X(j),Y(j)]と表すことができる。なお、数式(3)中、Y(j)はj番目の搬送時間データにおける搬送時間の予測値の誤差を表している。
Figure 2015174121
この時、抽出ピッチ算出部10aは、処理対象のスラブSの操業データと搬送時間データベース12内に格納されている搬送時間データの操業データとを比較し、処理対象のスラブSの操業データに近い操業データを含む搬送時間データを抽出する。この搬送時間データの抽出方法としては、以下に示す3つの方法がある。
(1)操業データ間の距離が最も近い搬送時間データの誤差を採用
方法(1)の場合、始めに、抽出ピッチ算出部10aは、以下に示す数式(4)を用いて処理対象のスラブSの操業データと搬送時間データの操業データとの距離dを算出する。但し、dはj番目に保存された搬送時間データの操業データとの間の距離、xは処理対象のスラブSに関する搬送時間データのi番目の操業データを示している。
Figure 2015174121
次に、抽出ピッチ算出部10aは、距離dが最も短い搬送時間データを選択し、選択された搬送時間データに含まれる搬送時間の予測値と実績値との差分値を誤差Yjminとして算出する。
(2)操業データの距離が近い搬送時間データを抽出し、その誤差の平均値を採用
方法(2)の場合、始めに、抽出ピッチ算出部10aは、方法(1)の場合と同様にして距離dを算出し、距離dの値が所定距離D未満である搬送時間データを選択する。そして、抽出ピッチ算出部10aは、選択された搬送時間データに含まれる搬送時間の予測値と実績値との差分値の平均値を誤差Yjminとして算出する。
(3)操業データの距離が近い搬送時間データをN個抽出し、その誤差の平均値を採用
方法(3)の場合、始めに、抽出ピッチ算出部10aは、方法(1)や方法(2)の場合と同様にして距離dを算出し、距離dの値が短いものから順にN個の搬送時間データを選択する。そして、抽出ピッチ算出部10aは、選択されたN個の搬送時間データに含まれる搬送時間の予測値と実績値との差分値の平均値を誤差Yjminとして算出する。
以上のようにして、熱間圧延ライン1の各区間R1〜R6における先行材の搬送時間の予測値の誤差を算出すると、抽出ピッチ算出部10aは、第2抽出ピッチ算出処理をステップS23の処理に進める。
ステップS23の処理では、抽出ピッチ算出部10aが、ステップS21の処理によって算出された熱間圧延ライン1の各区間R1〜R6における先行材の搬送時間の予測値にステップS22の処理によって算出された誤差値を加えることによって熱間圧延ライン1の各区間R1〜R6における先行材の搬送時間の予測値を補正する。これにより、ステップS23の処理は完了し、第2抽出ピッチ算出処理はステップS24の処理に進む。
ステップS24の処理では、抽出ピッチ算出部10aが、ステップS23の処理によって算出された先行材の搬送時間の補正値に基づいて後行材の抽出ピッチを算出する。具体的には、抽出ピッチ算出部10aは、各区間における先行材の搬送時間の補正値に基づいて先行材の圧延時間を算出し、先行材の圧延時間に基づいてある時間間隔後に加熱炉から後行材が抽出されたと仮定した場合に先行材と後行材とが最も接近する場所を特定し、その場所における先行材と後行材との間の時間間隔が最小となるように後行材の抽出ピッチを決定する。これにより、ステップS24の処理は完了し、一連の第2抽出ピッチ算出処理は終了する。
以上の説明から明らかなように、本発明の一実施形態である抽出ピッチ算出処理は、加熱炉2内のスラブSを抽出目標温度まで加熱するために必要な加熱炉2からのスラブSの抽出時刻を算出し、算出結果に基づいて後行材の抽出ピッチを算出する第1抽出ピッチ算出処理と、先行材の圧延時間に基づいて後行材の抽出ピッチを算出する第2抽出ピッチ算出処理と、第1抽出ピッチ算出処理において算出された抽出ピッチ及び第2抽出ピッチ算出処理において算出された抽出ピッチのうち、長い方の抽出ピッチを後行材の抽出ピッチとして決定する抽出ピッチ決定処理と、を含み、第2抽出ピッチ算出処理は、先行材の操業条件に近い操業条件で処理されたスラブについて算出された熱間圧延ラインの各区間における搬送時間の予測値の誤差に基づいて、熱間圧延ラインの各区間における先行材の搬送時間の予測値を補正し、補正値を用いて先行材の圧延時間を算出する処理を含むので、多くの労力を要することなく加熱炉からのスラブの抽出ピッチを精度高く算出することにより熱間圧延ラインの圧延能率を向上させることができる。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、本実施形態による本発明の開示の一部をなす記述及び図面により本発明は限定されることはなく、上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。すなわち、本実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例および運用技術等は全て本発明の範疇に含まれる。
1 熱間圧延ライン
2 加熱炉
2a,2b 加熱ライン
3 粗圧延機
4 仕上圧延機
5 コイラー
10 制御装置
10a 抽出ピッチ算出部
10b 加熱炉制御部
11 加熱温度データベース
12 搬送時間データベース
P 鋼板
S スラブ

Claims (3)

  1. 熱間圧延ラインに設けられた加熱炉からのスラブの抽出ピッチを制御する加熱炉の制御方法であって、
    前記加熱炉内のスラブを抽出目標温度まで加熱するために必要な加熱炉からのスラブの抽出時刻を算出し、算出結果に基づいて次に加熱炉から抽出するスラブである後行材の抽出ピッチを算出する第1抽出ピッチ算出ステップと、
    前回加熱炉から抽出されたスラブである先行材の圧延時間に基づいて前記後行材の抽出ピッチを算出する第2抽出ピッチ算出ステップと、
    前記第1抽出ピッチ算出ステップにおいて算出された抽出ピッチ及び第2抽出ピッチ算出ステップにおいて算出された抽出ピッチのうち、長い方の抽出ピッチを後行材の抽出ピッチとして決定する抽出ピッチ決定ステップと、を含み、
    前記第2抽出ピッチ算出ステップは、前記先行材の操業条件に近い操業条件で処理されたスラブについて算出された熱間圧延ラインの各区間における搬送時間の予測値の誤差に基づいて、熱間圧延ラインの各区間における先行材の搬送時間の予測値を補正し、補正値を用いて先行材の圧延時間を算出するステップを含むこと
    を特徴とする加熱炉の制御方法。
  2. 前記操業条件には、鋼板の厚み、幅、品種、加熱炉装入温度、抽出目標温度、仕上圧延前温度、及び巻取温度が含まれていることを特徴とする請求項1に記載の加熱炉の制御方法。
  3. 熱間圧延ラインに設けられた加熱炉からのスラブの抽出ピッチを制御する加熱炉の制御装置であって、
    前記加熱炉内のスラブを抽出目標温度まで加熱するために必要な加熱炉からのスラブの抽出時刻を算出し、算出結果に基づいて次に加熱炉から抽出するスラブである後行材の抽出ピッチを算出する第1抽出ピッチ算出手段と、
    前回加熱炉から抽出されたスラブである先行材の圧延時間に基づいて前記後行材の抽出ピッチを算出する第2抽出ピッチ算出手段と、
    前記第1抽出ピッチ算出手段によって算出された抽出ピッチ及び第2抽出ピッチ算出手段によって算出された抽出ピッチのうち、長い方の抽出ピッチを後行材の抽出ピッチとして決定する抽出ピッチ決定手段と、を備え、
    前記第2抽出ピッチ算出手段は、前記先行材の操業条件に近い操業条件で処理されたスラブについて算出された熱間圧延ラインの各区間における搬送時間の予測値の誤差に基づいて、熱間圧延ラインの各区間における先行材の搬送時間の予測値を補正し、補正値を用いて先行材の圧延時間を算出すること
    を特徴とする加熱炉の制御装置。
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