JP2015172042A - 化粧料、化粧料製品、化粧料の製造方法 - Google Patents

化粧料、化粧料製品、化粧料の製造方法 Download PDF

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宏樹 大成
英美 嶋田
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英美 嶋田
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【課題】本発明は、化粧料の品質を保持することが可能な製造完了時からの期間を長くすることが可能であり、且つ、良好な使用性も備える化粧料、該化粧料を用いた化粧料製品、及び該化粧料の製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】粉体を含む粉末層と、油性成分を含む油性固形層とを積層させてなり、油性固形層の質量の粉末層の質量に対する割合が0.1〜9であり、粉末層は、粉体を80〜100質量%含み、粉体は、平均粒径が30〜3000μmであることを特徴とする、化粧料、該化粧料を用いた化粧料製品、及び該化粧料の製造方法。【選択図】図2

Description

本発明は、化粧料、化粧料製品、化粧料の製造方法に関する。
従来から用いられている化粧料として、スクラブ剤等の粉体と流動パラフィン等の油性成分とを含む化粧料が知られている。このような化粧料では、通常、製造完了時に粉体と油性成分とを混合した状態としている(特許文献1〜3参照)。
特開2012−072104号公報 特開2012−062289号公報 特開2008−280287号公報
しかしながら、粉体と油性成分とが混合した状態では、油性固形層の系の安定性が乱され、油性成分の層からの滲出が生じやすくなる。そのため、上記従来の化粧料では、化粧料の品質を保持することが可能な製造完了時からの期間が短くなるという問題があった。
そこで、本発明は、化粧料の品質を保持することが可能な製造完了時からの期間を長くすることが可能であり、且つ、良好な使用性も備える化粧料、該化粧料を用いた化粧料製品、及び該化粧料の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の要旨は以下の通りである。
本発明の化粧料は、粉体を含む粉末層と、油性成分を含む油性固形層とを積層させてなり、前記油性固形層の質量の前記粉末層の質量に対する割合が0.1〜9であり、前記粉末層は、前記粉体を80〜100質量%含み、前記粉体は、平均粒径が30〜3000μmであることを特徴とする。本発明の化粧料によれば、化粧料の品質を保持することが可能な製造完了時からの期間を長くすることができ、化粧料の使用性を良好にすることができる。
ここで、本発明の化粧料では、前記油性固形層は、油性ゲルであることが好ましい。前記油性固形層は、20℃での針入硬度が0.01〜5N(特に0.02〜2.5N)であることが好ましい。前記油性ゲルは、デキストリン脂肪酸エステルを含むことが好ましい。前記油性ゲルは、HLBが8〜13である非イオン性界面活性剤を含むことが好ましい。また、本発明の化粧料では、前記粉体は、塩化ナトリウムを含むことが好ましい。前記粉体は、塩化ナトリウムを50質量%以上含むことが好ましい。前記粉体は、無機塩、固形アミノ酸又は固形糖類を更に含むことが好ましい。
前記化粧料は、マッサージ化粧料であることが好ましい。
本発明の化粧料製品は、上記化粧料と、前記化粧料を充填する容器と、を含み、前記化粧料は、前記容器の底面側から前記粉末層、前記油性固形層の順に積層されてなることを特徴とする。本発明の化粧料製品によれば、上記本発明の化粧料の効果を得ることができる。
本発明の化粧料の製造方法は、粉体を含む粉末層を形成する工程と、油性成分を含む油層を加熱することによって、油層を液状化させる工程と、前記粉末層上に前記液状化させた油層を充填することによって、前記粉末層と前記液状化させた油層とを積層する工程と、前記粉末層及び前記液状化させた油層を冷却することによって、前記粉末層と固形の油層とを積層させてなる化粧料を調製する工程とを含むことを特徴とする。本発明の化粧料の製造方法によれば、上記本発明の化粧料を製造することができる。
本発明の化粧料によれば、化粧料の品質を保持することが可能な製造完了時からの期間を長くすることができ、化粧料の使用性を良好にすることができる。本発明の化粧料製品によれば、上記本発明の化粧料の効果を得ることができる。本発明の化粧料の製造方法によれば、上記本発明の化粧料を製造することができる。
本発明の一例の化粧料の一部を示す斜視図である。 本発明の一例の化粧料製品を示す斜視図である。
以下、図面を参照して、本発明の化粧料、化粧料製品、化粧料の製造方法の実施形態について詳細に例示説明する。
(化粧料)
図1に、本発明の一例の化粧料の一部を斜視図にて示す。
本発明の一例の化粧料1(以下、「化粧料1」ともいう)は、粉体を含む粉末層2と、油性成分を含む油性固形層3とを積層させてなる。
化粧料1は、特に限定されることなく、例えば、クレンジング料、洗顔料、マッサージ化粧料等とすることができ、好適には、マッサージ化粧料とすることができる。
また、化粧料1は、通常、その積層方向を重力方向に合わせて用いられる。ここで、図1に示す化粧料1では、油性固形層3を重力方向上方としているが、本発明の化粧料では、これに限定されることなく、粉末層2を重力方向上方としてもよい。
以下に、本発明の一例の化粧料1の効果について記載する。
従来の化粧料の一例では、製造完了時に粉体と油性成分とを混合した状態としている。混合状態では、油性固形層3の系の安定性が乱され(特に、油性固形層3が油性ゲルである場合、粉体が油性ゲルと物理的、化学的に相互作用して、ゲル構造が阻害され)、油性成分の層からの滲出が生じやすくなる。そのため、化粧料の品質を保持することが可能な製造完了時からの期間が短くなる。また、上記従来の化粧料の一例は、量産性に欠け、滲出した油性成分の容器からの漏れも生じやすくなる。本発明の一例の化粧料では、製造完了時には粉体と油性成分とを非混合状態とし、粉体と油性成分とを使用時に混合状態とすることが可能となる。非混合状態では、油性固形層3の系の安定性が乱されることがなく、油性成分が層に保持されやすい。これにより、油性成分の層からの滲出を抑制することができる。そのため、化粧料の品質を保持することが可能な製造完了時からの期間を長くすることができる。
また、従来の化粧料の別の例では、粉体と液体状態の油性成分とを混合した状態としている。この場合、液体の油性成分が化粧料容器となじみ、容器からの漏れが生じやすくなる。本発明の一例の化粧料では、固形状態の油性成分が用いられるため、上記油性成分の容器からの漏れが生じにくい。更に、粉体と固形状態の油性成分とはそれぞれ異なる層をなして非混合状態で用いられるため、上記容器からの漏れが更に生じにくくなる。
更に、本発明の一例の化粧料は、粉体と油性成分とを混合しやすい等の効果も奏するため、良好な使用性も備える。
ここで、化粧料1では、油性固形層3の質量の粉末層2の質量に対する割合が0.1〜9であることを必要とする。上記割合を0.1以上とすれば、油性固形層3を良好に形成し、積層構造を形成することができ、上記割合を9以下とすれば、粉末層2と油性固形層3とを均一に混合した後に使用する際に、粉体の感触が肌上で実感でき、塗布動作に伴う良好なマッサージ効果を得ることができる。
油性固形層3の質量の粉末層2の質量に対する割合は、上記上下限の意義と同様の意義により、好適には0.2〜6であり、更に好適には0.3〜4である。
また、化粧料1では、油性固形層3の体積の粉末層2の体積に対する割合は、0.5〜20とすることが好ましい。上記割合を0.5以上とすれば、油性固形層3の油性成分が粉体層2に染み込んだ場合に、油性固形層3と粉末層2とが剥離せず、安定して存在することができ、上記割合を20以下とすれば、マッサージ効果を得るのに十分な粉体を配合することができる。
上記割合は、上記上下限の意義と同様の意義により、更に好適には0.7〜10であり、特に好適には1〜3である。
油性固形層3と粉末層2との間にある界面の形状は、特に限定されないが、図1に示す化粧料1において見られるように、平面であることが好ましい。界面を平面とすれば、両層の接触面積を低減し、前述の油性固形層3の系の安定性の乱れを抑制することができ、これにより、化粧料の品質を保持することが可能な製造完了時からの期間を長くすることができる。
(粉末層)
以下、粉末層2の詳細について記載する。粉末層2は粉体を含む。
また、化粧料1では、粉末層2は、粉体を80〜100質量%含むことを必要とする。上記含有量を80質量%以上とすれば、粉末層2に含まれる粉体以外のものによる粉体同士の凝集を抑え、粉末層2と油性固形層3とを混合する際に均一な分散を得ることができる。上記含有量を100質量%以下とすれば、マッサージ効果を有するに十分なスクラブとしての粉体を配合することができる。
粉体の粉末層2に対する割合は、上記上下限の意義と同様の意義により、好適には90〜95質量%である。
更に、化粧料1では、粉体は、平均粒径が30〜3000μmであることを必要とする。上記粒径を30μm以上とすれば、塗布動作に伴う良好なマッサージ効果を得ることができる。上記粒径を3000μm以下とすれば、塗布動作において手やマッサージ道具上に保持しやすくし、また、過度な刺激感を抑えることができる。
粉体の平均粒径は、上記上下限の意義と同様の意義により、好適には50〜2500μmであり、更に好適には100〜2000μmである。
粉体の平均粒径は、化粧料1を洗顔料とした場合、好適には30〜850μmであり、化粧料1をマッサージ化粧料とした場合、好適には500〜3000μmである。
なお、「平均粒径」とは、粉体試料30gから任意に25個の粒子を採取し、各粒子の粒径を、マイクロスコープ(例えば、HIROX社製、DIGITAL MICROSCOPE KH−7700)を用いて測定することによって得られた粒径の平均値を指し、ここで、粒径とは、粒子の外輪郭線上の任意の2点間の最大距離を指す。
粉末層2に含まれる粉体としては、水溶性を有するものが好ましい。この場合、粉体を、化粧料1の使用後に、風呂場等の水場において、容易に洗い流すことができる。
−粉体−
粉末層2に含まれる粉体としては、球状、板状、針状、粒子状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級といった用語で表されるサイズ、及び多孔質、無孔質等の粒子構造等に限定されることなく、化粧品に一般的に用いられるのが挙げられる。
具体的には、無機粉体類(無機塩粉体、白色無機顔料粉体、有色無機顔料粉体、白色体質無機粉体等)、光輝性粉体類、有機粉体類(有機高分子樹脂粉体、水溶性高分子粉体、有機低分子性粉体(固形アミノ酸等)、天然有機粉体(固形糖類等)、有機顔料粉体等)、金属粉体類、複合粉体類、軽石粉体等が挙げられる。
無機塩としては、塩化ナトリウム、硫酸カリウムアルミニウム(ミョウバン)、硫酸アルミニウムアンモニウム、塩化マグネシウム等が挙げられる。白色無機顔料粉体としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、硫酸バリウム等が挙げられる。有色無機顔料粉体としては、酸化鉄、カーボンブラック、チタン・酸化チタン焼結物、酸化クロム、水酸化クロム、紺青、群青等が挙げられる。白色体質無機粉体としては、タルク、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、合成雲母、絹雲母(セリサイト)、合成セリサイト、カオリン、炭化珪素、ベントナイト、スメクタイト、無水ケイ酸、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、珪ソウ土、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素等が挙げられる。光輝性粉体としては、二酸化チタン被覆雲母、二酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄雲母チタン、紺青処理雲母チタン、カルミン処理雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等が挙げられる。有機高分子樹脂粉体としては、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂等のコポリマー樹脂、ポリプロピレン系樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。水溶性高分子粉体としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カチオン化セルロース、セルロース、カルボマー、アクリル酸アルキル共重合体、キサンタンガム、カラギーナン、グアーガム等が挙げられる。有機低分子性粉体としては、固形アミノ酸、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン等が挙げられ、ここで、固形アミノ酸としては、天然アミノ酸及び非天然アミノ酸が挙げられる。天然有機粉体としては、固形糖類、シルク、ヒアルロン酸等が挙げられ、ここで、固形糖類としては、グルコース、スクロース、フルクトース、キシリトール等が挙げられる。有機顔料粉体としては、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等の有機顔料単体粉体、及び、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料レーキ粉体等が挙げられる。金属粉体としては、アルミニウム粉、金粉、銀粉等が挙げられる。複合粉体としては、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等が挙げられる。軽石粉体としては、軽石粉末(アルミニウム及びアルカリ金属の複合ケイ酸塩)等が挙げられる。
上記粉体は、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
化粧料1では、上記粉体の少なくとも一部は、特に、無機塩、固形アミノ酸、固形糖類であることが好ましい。これらを含めることによって、収斂効果・保湿効果等の追加の効果を与え、使用者に対するマッサージ効果を更に高めることができる。
化粧料1では、上記粉体の少なくとも一部は、特に、塩化ナトリウムであることが好ましい。塩化ナトリウムを用いることによって、マッサージ化粧料として使用した場合、使用者に対するマッサージ効果を高めることができ、また、塩化ナトリウム特有の、清浄効果・殺菌効果を得ることができる。
化粧料1では、上記粉体の少なくとも一部は、特に、硫酸カリウムアルミニウム(ミョウバン)であることが好ましい。硫酸カリウムアルミニウムを用いることによって、収斂効果を得ることができる。
化粧料1では、上記粉体の少なくとも一部は、特に、水溶性高分子粉体であることが好ましい。水溶性高分子粉体は、水分を吸収して粘着性を帯びる性質を有するため、マッサージ効果を高めることができる。
粉末層2に含まれる粉体は、塩化ナトリウムを50〜100質量%含むことが好ましい。上記範囲とすることによって、前述の、使用者に対するマッサージ効果を更に高め、清浄効果・殺菌効果を高めることができる。塩化ナトリウムの粉末層2に対する割合は、上記上下限の意義と同様の意義により、更に好適には60質量%以上であり、特に好適には80質量%以上である。
粉末層2に含まれる粉体は、硫酸カリウムアルミニウムを10〜40質量%含むことが好ましい。上記範囲とすることによって、前述の収斂効果を効果的に得ることができる。
−粉体以外−
粉末層2は、粉体以外のものを含んでもよく、例えば、製造時には粉体ではないが、使用時に粉体となり得るもの、粉体の表面処理剤、粉体に吸収、吸着させるものを含んでもよい。
上記使用時に粉体となり得るものとしては、例えば、アクリル酸アルキル共重合体が挙げられる。このとき、粉末層2を、粉体をアクリル酸アルキル共重合体で軟結合させて形成した粉体の集合体とすることができる。粉末層2は定型性を有し、粉末層2と油性固形層3とを混合する際に容易に結合がほぐれ、再分散性良く粉体となり得る。また、粉体の表面処理剤としては、通常化粧料に用いられる表面処理剤である限り、特に限定されることなく、例えば、オクチルトリエトキシシラン等のアルコキシシラン;イソプロピルトリイソステアリルチタネート等の有機チタネート;ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、高粘度シリコーン、架橋型シリコーン、フッ素変性シリコーン、アクリルーシリコーングラフト共重合体、シリコーン樹脂等のシリコーン化合物;パーフルオロアルキルリン酸及びその塩、パーフルオロポリエーテル、フルオロアルコキシシラン、パーフルオロポリエーテルアルキルリン酸及びその塩、パーフルオロアルキルシラン等のフッ素化合物;アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、非イオン界面活性剤等の界面活性剤;ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸;ポリイソブチレン、ワックス、レシチン、高級脂肪酸、高級アルコール等の油剤;N−アシルアミノ酸等のアミノ酸化合物;ポリビニルピロリドン−ヘキサデセンのコポリマー等のポリビニルピロリドン変性ポリマー化合物等が挙げられる。粉体に吸収、吸着させるものとしては、通常化粧料に用いられるである限り、特に限定されることなく、例えば、多価アルコール、各種美容成分等が挙げられ、ここで、多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ジピロピレングリコール、プロピレングリコール、PEG−8等が挙げられる。
上記粉体以外のものは、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
(油性固形層)
以下、油性固形層3の詳細について記載する。油性固形層3は油性成分を含む。油性固形層3は常温で定型性を有することが好ましい。
油性固形層3は、好適には油性ゲルである。油性固形層3に含まれる油性成分として後述の油性ゲル化剤を含めることによって、油性固形層3を油性ゲルとすることができる。油性ゲルを用いることによって、化粧料の使用性を高めることができる。
油性固形層3は、20℃での針入硬度が、好適には0.01〜5Nである。上記針入硬度を0.01N以上とすれば、油性固形層3の系の安定性を更に高めることができ、上記針入硬度を5N以下とすれば、使用時に粉末層2と油性固形層3とを均一に容易に混合することができる。
20℃での針入硬度は、上記上下限の意義と同様の意義により、好適には0.02N〜2.5Nであり、更に好適には0.05〜2Nである。
なお、「針入硬度」とは、弾力測定機(レオメーター)(例えば、レオテック社製、FUDOU RHEO METER)を用いて、感圧軸10mmφ、針入速度2cm/min、針入度5mmの条件下で、測定した値(単位:N(ニュートン))を指す。
油性固形層3の稠度は、20℃で150以上であることが好ましい。稠度を150以上とすれば、使用時に粉末層2と油性固形層3とを均一に容易に混合することができる。
上記稠度は、上記上下限の意義と同様の意義により、更に好適には200以上であり、特に好適には250以上である。
なお、「稠度」とは、JIS−K2524に記載される方法に準拠し、20℃に調整した恒温槽に24時間放置した試料を、自動針入度試験器(離合社製、RPM−101型)を用いて、30gアルミコーンを使用したときの5秒後の読み値を指す。
−油性成分−
油性固形層に含まれる油性成分としては、動物油、植物油、合成油等の起源、及び固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状に限定されることなく、化粧料に一般的に用いられるものが挙げられる。
具体的には、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、油性ゲル化剤類等が挙げられる。
炭化水素類としては、流動パラフィン、スクワラン、ポリイソブチレン、ポリブテン等が挙げられる。油脂類としては、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等が挙げられる。ロウ類としては、カルナウバワックス、モクロウ等が挙げられる。硬化油類としては、硬化ヒマシ油、水添パーム油等が挙げられる。エステル油類としては、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール等が挙げられる。脂肪酸類としては、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等が挙げられる。高級アルコール類としては、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等が挙げられる。シリコーン油類としては、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、トリメチルシロキシケイ酸、高重合度メチルポリシロキサン、高重合度メチルフェニルポリシロキサン、架橋型メチルポリシロキサン、架橋型メチルフェニルポリシロキサン、架橋型ポリエーテル変性メチルポリシロキサン、メタクリル変性ポリシロキサン、ステアリル変性メチルポリシロキサン、オレイル変性メチルポリシロキサン、ベヘニル変性メチルポリシロキサン、ポリビニルピロリドン変性メチルポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン低重合度ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン(例えば、信越化学工業社製、商品名:シリコーンオイルKF−96(20CS)等)、ポリオキシアルキレン・アルキルメチルポリシロキサン・メチルポリシロキサン共重合体、アルコキシ変性ポリシロキサン、架橋型オルガノポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等が挙げられる。フッ素系油類としては、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等が挙げられる。油性ゲル化剤類としては、パルミチン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリン、(パルミチン酸/2−エチルヘキサン酸)デキストリン等のデキストリン脂肪酸エステル、無水ケイ酸、シリル化処理無水ケイ酸、フッ素処理無水ケイ酸、ショ糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、アシルアミノ酸エステル、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カリウム、12−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられ、ここで、アシルアミノ酸エステルとしては、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド(例えば、味の素ヘルシーサプライ社製、商品名:アミノ酸系油ゲル化剤GP−1等)が挙げられる。
上記油性成分は、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記油性ゲル化剤としては、特に、デキストリン脂肪酸エステルであることが好ましい。この場合、油性固形層3は、油性ゲルであり、ここで、該油性ゲルは、デキストリン脂肪酸エステルを含むことが可能となる。デキストリン脂肪酸エステルを用いることによって、油性固形層3の系の安定性を更に特に高めることができ、また、油性ゲルをマッサージ化粧料の使用に適した硬さを有するものとすることができる。
更に、デキストリン脂肪酸エステルの中でも、肌への油残りの軽減等の化粧料の使用性の向上の観点から、パルミチン酸デキストリンが特に好ましい。
−油性成分以外−
油性固形層3に含まれる油性成分以外のものとしては、例えば、界面活性剤、美容成分、酸化防止剤、防腐剤、紫外線吸収剤、水溶性高分子等が挙げられる。
−−界面活性剤−−
より詳細には、界面活性剤としては、例えば、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
非イオン界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物(例えば、イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル等)、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物(例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.))、ソルビトール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物(例えば、テトラオレイン酸ソルベス等)、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物等が挙げられる。アニオン界面活性剤としては、ステアリン酸、ラウリン酸等の脂肪酸及びそれらの無機及び有機塩、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−メチル−N−アルキルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシル−N−アルキルアミノ酸塩、ο−アルキル置換リンゴ酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等が挙げられる。カチオン界面活性剤としては、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム塩等が挙げられる。両性界面活性剤としては、アミノ酸タイプやベタインタイプのカルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型のもの等が挙げられ、人体に対して安全とされるものを用いることができる。例えば、N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシルメチルアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸、N,N,N−トリアルキル−N−スルフォアルキレンアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキル−N,N−ビス(ポリオキシエチレン硫酸)アンモニウムベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシエチル−1−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
上記界面活性剤の中で、特に、HLBが8〜13である非イオン界面活性剤であることが好ましい。この場合、油性ゲルが、HLBが8〜13である非イオン界面活性剤を含むことが可能となる。なお、上記各界面活性剤のHLBの値は当業者に周知である。
上記範囲のHLBを有する非イオン界面活性剤を用いることによって、油性成分の粉末層2の粉体に対する濡れ性を高めることができる。
ここで、成形・充填時及び成形・充填後の化粧料1では、溶融状態の油性成分が粉末層2のうち油性ゲル側にある部分の粉体に滲出し、油性固形層3及び油性成分が滲出した粉末層2の一部と、油性成分が滲出していない粉末層2の残部とが、層剥離する虞がある。この層剥離により、油性固形層3が崩れる、又は粉末層2の粉体が拡散して、化粧料製品の外観が商品として許容できない程度に劣化する虞がある。また、この層剥離により、化粧料の容器の蓋の内側に崩れた油性固形層3の一部が付着し、油性固形層3から油が滲出しやすくなる虞がある。層剥離は、例えば、化粧料積層体を含む化粧料製品を輸送する際に生じやすい。
上記濡れ性の高まりにより、油性成分が粉末層2の全体に滲出しやすくなり、上記層剥離の虞を低減することができ、化粧料製品に関する上記問題を解決しその品質を高めることができる。
また、成形・充填時及び成形・充填後の化粧料1において、溶融状態の油性成分が粉末層2のうち油性ゲル側にある部分の粉体に滲出する際、粉末層2に含まれる気泡がゲル化途中の油性固形層3に侵入し、油性ゲルの外表面や内部に気泡が残る(泡カミが生じる)虞がある。上記範囲のHLBを有する非イオン界面活性剤を用いることによって得られる前述の濡れ性の高まりにより、油性成分が粉末層2に滑らかに滲出しやすくなり、上記泡カミの虞を低減することができる。
更に、上記範囲のHLBを有する非イオン界面活性剤を用いることによって、マッサージ化粧料として使用した場合、使用後に肌への油残りを軽減することができる。
HLBを8以上とすれば、粉体表面に対する濡れ性の向上、及びそれによる泡カミの虞の低減という効果、並びに使用後の肌への油残りの軽減という効果が得られやすい。HLBを13以下とすれば、油性固形層中での配合安定性という効果が得られやすい。
非イオン性界面活性剤のHLBは、上記上下限の意義と同様の意義により、更に好適には9〜12であり、特に好適には10〜11である。
−−美容成分−−
美容成分としては、特に限定されることなく、例えば、低級アルコール、グリコール類、グリセロール類、保湿剤、植物抽出液、水溶性高分子、ビタミン類、消炎剤、生薬等が挙げられる。
低級アルコールとしては、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等が挙げられる。グリコール類としては、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、ジプリピレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。グリセロール類としては、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等が挙げられる。保湿剤としては、蜂蜜、タンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等が挙げられる。植物抽出液としては、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等が挙げられる。水溶性高分子としては、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム等の天然系のもの、半合成系のもの、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム等の合成系のもの等が挙げられる。
−−酸化防止剤等−−
酸化防止剤としては、例えば、α−トコフェロール、アスコルビン酸、ジブチルヒドロキシトルエン等が挙げられる。
防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系、パラアミノ安息香酸系、ケイ皮酸系、サリチル酸系、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等が挙げられる。
化粧料1をマッサージ化粧料として用いる場合、特に、粉体として、塩化ナトリウム、グルコース、ショ糖、硫酸アルミニムカリウムからなる群から選択される少なくとも1種を;油性成分として、流動パラフィン等の炭化水素油、及び2−エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル等のエステル油からなる群から選択される少なくとも1種を;油性ゲル化剤として、パルミチン酸デキストリンを;非イオン性界面活性剤として、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビットからなる群から選択される少なくとも1種を;組み合わせて用いることが好ましい。
化粧料1は、粉末層と油性固形層とを均一に混合して使用することができる。混合方法としては、手動、ミキサー等が挙げられる。
使用時の化粧料1の粘度は、20℃で20,000〜2,000,000mPa・sであることが好ましい。上記範囲とすれば、使用時に手やマッサージ道具に保持しやすく、タレ落ちしたり硬すぎたりすることなく、使用性に優れ、マッサージに適したものとすることができる。
上記粘度は、上記上下限の意義と同様の意義により、更に好適には30,000〜200,000mPa・sであり、特に好適には50,000〜100,000mPa・sである。
なお、「粘度」とは、20℃に調整した恒温槽に24時間放置した試料を、パドルミキサーを用いて2分間混合した直後に、単一円筒回転式粘度計(芝浦システム社製)を用いて、ローター及びその回転数並びに測定時間を適宜調節しながら測定した値を指す。
(化粧料製品)
図2に、本発明の一例の化粧料製品を斜視図にて示す。
本発明の一例の化粧料製品20(以下、「化粧料製品20」ともいう)は、前述の本発明の一例の化粧料1と、この化粧料1を充填する容器21と、を含む。化粧料製品20によれば、前述の本発明の化粧料の効果を得ることができる。
ここで、化粧料製品20では、化粧料1は、容器21の底面22b側から粉末層2、油性固形層3の順に積層されてなることを必要とする。図2に示す化粧料製品20では、底面22bと粉末層2とが接触している。
粉末層2の上方に油性固形層3が位置することによって、化粧料製品20の蓋を開けた際に粉末層2に含まれる粉体が飛散することを防ぐことができる。そのため、化粧料1の組成を保持することができる。
ここで、化粧料製品20では、容器21の内側面22sは油性固形層3と粘着性を有することが好ましい。例えば、容器21の内側面22sの素材をポリプロピレンとし、内側面22sに凹凸を設けて(例えば、リブを立てて)容器21の内側面22sと油性固形層3との接触面積を増加させることによって、上記粘着性を得ることができる。
上記構成とすれば、油性固形層3の容器21内における位置を固定しやすいため、前述の、油性固形層3及び油性成分が滲出した粉末層2の一部と、油性成分が滲出していない粉末層2の残部との層剥離の虞を更に低減することができる。
容器21としては、特に限定されることなく、例えば、図2に示すように容器本体22と蓋23とからなるものとしてよい。
容器21の形状としては、特に限定されることなく、図2に示す容器21において見られるように、円柱形状としてよい。
図2に示す容器21では、特に、手やスプーン、スパチュラ等の小道具で、粉体層2と油性固形層3とを均一に混合し、掬い取ることができるようにする観点から、化粧料1を収容することが可能な円柱形状の空間について、外径rが4.0〜15cmであることが好ましく、高さhが1.0〜15cmであることが好ましい。
(化粧料の製造方法)
本発明の一例の化粧料の製造方法(以下、「一例の製造方法」ともいう)は、粉体を含む粉末層を形成する工程(A工程)と、油性成分を含む油層を加熱することによって、油層を液状化させる工程(B工程)と、粉末層上に前記液状化させた油層を充填することによって、粉末層と液状化させた油層とを積層する工程(C工程)と、粉末層及び液状化させた油層を冷却することによって、粉末層と固形の油層とを積層させてなる化粧料を調製する工程(D工程)とを含む。一例の製造方法によれば、前述の本発明の化粧料を製造することができる。
上記一例の製造方法における油層の成分は、前述の化粧料の油性固形層の成分と同じ成分とすることができる。
上記A工程では、粉末層自体が定型性を有しない場合、粉末層を容器内に充填した後、タッピングを行うことが好ましい。これにより、粉末層の表面の形状を平面にすることが可能となる。
上記B工程では、タービン(攪拌装置)付き溶解槽等を用いて、85〜105℃、好適には90〜95℃で、3〜15分間、好適には5〜10分間加熱することができる。
上記C工程では、粉末層上に液状化させた油層を加える際、充填速度を遅くすることが好ましい。これにより、油層と粉末層との間にある界面の形状を容易に平面にすることが可能となる。
上記D工程では、室温で放冷することができ、−20〜30℃に設定した恒温槽に放置することによって冷却固化することもできる。急速に冷却固化すると、泡カミを助長するため、徐冷することが好ましく、0〜25℃、好適には10〜20℃で、30〜180分間、好適には60〜120分間冷却することができる。
上記一例の製造方法は、図2に示すような個別に充填可能な容器を用いて行うことが好ましい。容器を用いることによって、化粧料製品の製造方法を構成することができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
図2に示す円柱形状の容器(r=90mm、h=40mm)に、粒径100〜3000μmの塩化ナトリウム120gを堆積させた。そして、この堆積物の表面を適宜ならして、粉末層を形成した。別の容器に、表1の実施例1に示す、油性成分70g、油性ゲル化剤6.4g、酸化防止剤、防腐剤等を加えて、油性固形層80gを調製した。そして、この油層を、タービン(攪拌装置)付き溶解槽を用いて、95℃で5分間加熱して、油層を液状化させた。円柱形状の容器内の塩化ナトリウムの層の上に、上記液状化させた油層を粉末層の表面を乱さないようにゆっくりと充填し、粉末層上に液状化させた油層を積層させた。この積層体を、恒温槽を用いて、20℃で60分間冷却して、液状化させた油層を固形とした。上記調製した化粧料をマッサージ化粧料として用いた。化粧料の詳細を表1に示す(表1中、各成分の配合割合は質量%にて示す)。
(実施例2〜20、比較例1〜6)
表1に示す組成及び特性とした点以外は、実施例1と同様に化粧料を製造した。
製造した化粧料について、下記(1)〜(7)の試験を行った。結果の詳細を表1に示す。
(1)油性層の系の安定性(油性成分の層からの滲出)に関する試験
化粧品評価専門パネル10名が、マッサージ化粧料を外観観察し、油の滲み出しについて、下記判定基準により判定した。この油の滲み出しが多い場合、品質を保持することが可能な製造完了時からの期間が短いと言える。
[評価基準](「以下、評価結果:評価内容」)
◎: 油の滲み出しは認められず、容器外部への滲出も発生していない。
○: ごくわずかな油の滲み出しが認められるが、容器外部への滲出は発生していない。
△: 軽度の油の滲み出しが認められるが、容器外部への滲出は発生していない。
×: 著しい油の滲み出しが認められ、容器外部への滲出も発生した。
(2)粉末層と油性固形層との混合しやすさに関する試験
化粧品評価専門パネル10名が、マッサージ化粧料を、粉末層と油性固形層とが均一に混合されるまで、スパチュラを用いて適宜かき混ぜた。そして、混合時間及び混合状態について、下記評価基準により評価し、更に、10名の評価結果の平均を求め、該平均について、下記判定基準により判定した。
[評価基準](「以下、評価結果:評価内容」)
5: 非常に良好(10秒以内に均一に混合することができる)
4: 良好(30秒以内に均一に混合することができる)
3: 普通(1分以内に均一に混合することができる)
2: やや不良(2分以上経過してようやく均一に混合することができる)
1: 不良(2分以上経過して均一に混合することができない)
[判定基準](「以下、判定結果:判定内容」)
◎: 平均4.5以上
○: 平均3.5以上4.5未満
△: 平均2.5以上3.5未満
×: 平均2.5未満
(3)マッサージ化粧料の使いやすさ
化粧品評価専門パネル10名が、適量のマッサージ化粧料を手に取り、腕、足、腹部等に塗り広げて、マッサージを行った際の使いやすさについて、下記評価基準により評価し(具体的には、伸び広がり、肌への密着感、スクラブ感等という観点で評価した)、更に、10名の評価結果の平均を求め、該平均について、下記判定基準により判定した。
[評価基準](「以下、評価結果:評価内容」)
5: 非常に良好(伸び広がりが良い、肌への密着感がある、スクラブ感が適度)
4: 良好
3: 普通
2: やや不良
1: 不良(伸び広がりが悪い/べたつく、肌への密着感が劣る/肌触りが軽い、スクラブ感が過剰又は不足/痛みを感じる)
[判定基準]
前述の(2)の判定基準と同様。
(4)油性固形層及び油性成分が滲出した粉末層の一部と、油性成分が滲出していない粉末層の残部との層剥離に関する試験
マッサージ化粧料の容器を、その全体形状を適切に保持されたダンボール箱に、正立、倒立、側立の各条件下で箱詰めし、下記(4−1)及び(4−2)の試験を実施した。両試験終了後、油性固形層及び油性成分が滲出した粉末層の一部と、油性成分が滲出していない粉末層の残部との層剥離の状態について、下記判定基準により目視にて判定した。
(4−1)落下試験
JIS Z0200に記載される落下試験に準拠し、区分レベルIIIを想定して、容器を、衝撃試験装置(エアブラウン社製、AVEX SM 105MP)を用いて、40cmの高さから地面に3回落とす試験を行った。
(4−2)振動試験
JIS Z0232の附属書2に記載される振動の試験方法に準拠し、共振を想定して、容器を、振動試験装置(IMV社製、OMV MACS2)を用いて、正弦波一様掃引振動試験を5〜50Hzの掃引条件下で行った。
[判定基準](「以下、判定結果:判定内容」)
◎: 正立、倒立、側立のいずれでも剥離が観察されない。
○: 正立、倒立では剥離が観察されないが、側立では剥離が観察される。
△: 正立、倒立では若干の剥離が確認され、側立では剥離が観察される。
×: 正立、倒立、側立のいずれでも、剥離が確認され、化粧料の外観が崩れている。
(5)油性固形層における泡カミに関する試験
マッサージ化粧料製造の24時間後に化粧料表面の外観観察を行い、油性固形層における泡跡の有無について、下記判定基準により判定した。
[判定基準](「以下、判定結果:判定内容」)
◎: 泡跡が容器のどこにも観察されない(0個)
○: 泡跡が容器の淵に1〜4個観察される
△: 泡跡が容器の淵だけではなく中央部にも、合わせて1〜4個観察される
×: 泡跡が容器の淵だけではなく中央部にも、合わせて5個以上観察される
(6)使用後の油残りに関する試験
化粧品評価専門パネル10名が、マッサージ化粧料を用いて、腕、足、腹部等にマッサージを行った。そして、化粧料をお湯で充分に洗い流し、軽く水分を拭き取った。その後、被施術者の皮膚表面の油残りについて、下記評価基準により評価し(具体的には、皮膚表面に残った油膜のしっとり感、滑らかさ、肌のツヤという観点で評価した)、更に、10名の評価結果の平均を求め、該平均について、下記判定基準により判定した。
[評価基準](「以下、評価結果:評価内容」)
5: 非常に良好(油膜のしっとり感が良好、滑らかさがある、肌のツヤがある)
4: 良好
3: 普通
2: やや不良
1: 不良(油膜のしっとり感がない/油膜の量が過剰、滑らかさがない/べたつく、肌のツヤがない/不自然なギラつきがある)
[判定基準]
前述の(2)の判定基準と同様。
(7)マッサージ効果に関する試験
化粧品評価専門パネル10名が、マッサージ化粧料を用いて、腕、足、腹部等にマッサージを行った。そして、化粧料をお湯で充分に洗い流し、軽く水分を拭き取った。その後、被施術者に対するマッサージ効果について、下記評価基準により評価し(具体的には、マッサージ直後及び3時間後の時点において感じられる、肌の明るさ、血色の良さ、肌の引締め感という観点で評価した)、更に、10名の評価結果の平均を求め、該平均について、下記判定基準により判定した。
[評価基準](「以下、評価結果:評価内容」)
5: 非常に良好(直後のみならず3時間後にも、肌の明るさ、血色の良さ、肌の引締め感を感じる。)
4: 良好(直後には、肌の明るさ、血色の良さ、肌の引締め感を感じる)
3: 普通(直後に、肌の明るさ、血色の良さ、肌の引締め感をやや感じる)
2: やや不良(直後に、肌の明るさ、血色の良さ、肌の引締め感はほとんど感じられない)
1: 不良(直後に、肌の明るさ、血色の良さ、肌の引締め感は全く感じられない)
[判定基準]
前述の(2)の判定基準と同様。
Figure 2015172042

Figure 2015172042
本発明の化粧料によれば、品質を保持することが可能な製造完了時からの期間を長くすることができ、且つ、使用性も良好にすることができる。本発明の化粧料は、マッサージ化粧料に好適に用いることができる。本発明の化粧料製品によれば、上記本発明の化粧料の効果を得ることができる。本発明の化粧料の製造方法によれば、上記本発明の化粧料を製造することができる。
1 化粧料
2 粉末層
3 油性固形層
20 化粧料製品
21 容器
22 容器本体
22b 底面
22s 内側面
23 蓋
h 高さ
r 外径

Claims (11)

  1. 粉体を含む粉末層と、油性成分を含む油性固形層とを積層させてなり、
    前記油性固形層の質量の前記粉末層の質量に対する割合が0.1〜9であり、
    前記粉末層は、前記粉体を80〜100質量%含み、
    前記粉体は、平均粒径が30〜3000μmである
    ことを特徴とする、化粧料。
  2. 前記油性固形層は、油性ゲルである、請求項1に記載の化粧料。
  3. 前記油性固形層は、20℃での針入硬度が0.01〜5Nである、請求項1又は2に記載の化粧料。
  4. 前記油性ゲルは、デキストリン脂肪酸エステルを含む、請求項2又は3に記載の化粧料。
  5. 前記油性ゲルは、HLBが8〜13である非イオン性界面活性剤を含む、請求項2〜4のいずれか一項に記載の化粧料。
  6. 前記粉体は、塩化ナトリウムを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化粧料。
  7. 前記粉体は、塩化ナトリウムを50〜100質量%含む、請求項6に記載の化粧料。
  8. 前記粉体は、無機塩、固形アミノ酸又は固形糖類を更に含む、請求項6又は7に記載の化粧料。
  9. 前記化粧料は、マッサージ化粧料である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化粧料。
  10. 請求項1〜9に記載の化粧料と、
    前記化粧料を充填する容器と、
    を含み、
    前記化粧料は、前記容器の底面側から前記粉末層、前記油性固形層の順に積層されてなる
    ことを特徴とする、化粧料製品。
  11. 粉体を含む粉末層を形成する工程と、
    油性成分を含む油層を加熱することによって、油層を液状化させる工程と、
    前記粉末層上に前記液状化させた油層を充填することによって、前記粉末層と前記液状化させた油層とを積層する工程と、
    前記粉末層及び前記液状化させた油層を冷却することによって、前記粉末層と固形の油層とを積層させてなる化粧料を調製する工程と
    を含む
    ことを特徴とする、化粧料の製造方法。
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