JP5908680B2 - 粉体化粧料 - Google Patents
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次の成分(a)および成分(b);
(a)球状の粒子表面にポリオルガノポリシロキサンからなる突起物を有する略球形状粉体
(b)下記一般式(I)であらわされるフッ素変性シリコーン
を配合することを特徴とする粉体化粧料を提供するものである。また、特に成分(a)を1〜20質量%(以下「%」と略す)配合する前記粉体化粧料を提供するものである。更に、前述の粉体化粧料としてアイカラー又はチークカラーを提供するものである。
本発明の成分(a)球状の粒子表面にポリオルガノシロキサンからなる突起物を有する略球形状粉体は、コアとなる球状の粒子がポリオルガノシロキサンからなる複数の突起を有する、いわゆる金平糖のような形状の粒子である。コアとなる粒子の材質は特に限定されるものではないが有機粉体であることが好ましく、例えば、ポリオルガノシロキサン、ポリアクリル酸アルキル、ポリメタクリル酸アルキル、ポリスチレン、ポリウレタン、ナイロン等が例示される。これらの中でも、より好ましくは、ポリオルガノシロキサン、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリウレタン、ポリスチレンが入手のしやすさ、コスト面などの点で適している。表面に有される突起物の材質はポリオルガノシロキサンであれば特に限定されず、具体的にはポリメチルシルセスキオキサン等が挙げられる。これらの突起物はコアとなる粒子と化学的に結合しており、容易に欠落するものではない。成分(a)の突起物は粒子表面の全体に亘って、複数存在するものであり、コアとなる球状の粒子の大きさにもよるが、概ね20〜200個存在するものであると、本発明において成分(a)の特性が十分に生かされ好ましい。
また、成分(a)は(突起物の底面平均直径)/(コアとなる球状の粒子の平均粒径)が、0.01〜0.3であり、かつ、(突起物の平均高さ)/(コアとなる球状の粒子の平均粒径)が、0.01〜0.3であることが望ましい。この範囲を外れると、十分な付着効果やぼかし易さが得られなくなるおそれがある。
尚、ここで「成分(a)の平均粒径」の粒径とは表面に存在する突起の頂点までを含めた略球形状の粒径であり、「コアとなる球状の粒子の平均粒径」の粒径とは突起物を含めない球状部分の粒径である。これらの値や、突起物の底面平均直径、突起物の平均高さ等の値は、粒度分布測定装置や電子顕微鏡写真から求めることができる。
これらの市販品としては、コアとなる球状粒子と、突起物のどちらもがポリメチルシルセスキオキサンであるTOSPEARL 150KA(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)、コアとなる球状粒子がメタクリル酸メチルクロスポリマーであり、表面に有される突起物がポリメチルシルセスキオキサンであるSilcrusta MK03(日興リカ社製)等がある。本発明の粉体化粧料における成分(a)の配合量は1〜20%が好ましく、更には5〜15%であると固形にした際の成型性の点で優位性があり、付着効果や、ぼかし易さの点でも好ましい。
具体的には、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、モンタンワックス、フィッシャートロプシュワックス、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン等の炭化水素類、モクロウ、ミンク油、オリーブ油、ヒマシ油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、ロジン酸ペンタエリスリットエステル、ホホバ油、トリ2―エチルヘキサン酸グリセリル、イソノナン酸イソトリデシル、2−エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール等のエステル類、オレイン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコール類、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、トリメチルシロキケイ酸、架橋型ポリエーテル変性メチルポリシロキサン、メタクリル変性メチルポリシロキサン、オレイル変性メチルポリシロキサン、ポリビニルピロリドン変性メチルポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン等のシリコーン油類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体類、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸等の油性ゲル化剤類等が挙げられ、これらの1種又は2種以上用いることができる。これらの中でもトリ2―エチルヘキサン酸グリセリル、イソノナン酸イソノニル、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール等の低分子量エステル油が成分(b)との相溶性がよく、成分(a)の分散性や伸び広がりや付着性の観点から好ましい。
具体的に例示すれば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、硫酸バリウム等の白色無機顔料、酸化鉄、カーボンブラック、酸化クロム、水酸化クロム、紺青、群青等の有色無機顔料、タルク、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、合成雲母、絹雲母(セリサイト)、合成セリサイト、カオリン、炭化珪素、ベントナイト、スメクタイト、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、珪ソウ土、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素、シリカ等の白色体質粉体、二酸化チタン被覆雲母、二酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄被覆雲母チタン、酸化鉄雲母、紺青処理雲母チタン、カルミン処理雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等の光輝性粉体、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合体等のコポリマー樹脂、ポリプロピレン系樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等の有機高分子樹脂粉体、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン等の有機低分子性粉体、澱粉、シルク粉末、セルロース粉末等の天然有機粉体、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等の有機顔料粉体、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体あるいは更にアルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン二酸化珪素、酸化亜鉛二酸化珪素等の複合粉体、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末のラメ剤等が挙げられ、これら粉体はその1種又は2種以上を用いることができ、更に複合化したものを用いても良い。尚、これら粉体は、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、レシチン、水素添加レシチン、コラーゲン、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、ロウ、界面活性剤等の1種又は2種以上を用いて表面処理を施してあっても良い。
感触の改善を目的で用いる水溶性高分子としては、グアーガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等の天然系のもの、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の半合成系のもの、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム等の合成系のものを挙げることができる。
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等が挙げられる。酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等、美容成分としては、例えばビタミン類、タンパク質、消炎剤、生薬等、防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール等が挙げられる。
表1に示す成分を用いて、下記の製造方法により粉体固形チークカラーを製造した。そして、「取れの良さ」、「滑らかな伸び広がり」、「付着性の良さ」、「発色の良さ」、「ぼかし易さ」及び「化粧持ち」を、下記の官能評価方法で評価した。それらの結果を併せて表1に示した。
*2:パーフルオロオクチルトリエトキシシラン3%処理品タルク
*3:PDM−10L(トピー工業社製)
*4:TOSPEARL 150KA(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)
*5:TOSPEARL 145A(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)
*6:SP−500(東レ社製)
*7:KF−5002(信越化学工業社製)
トリフルオロプロピルシクロテトラシロキサンとトリフルオロプロピルシクロペンタシロキサンの混合物
*8:シリコンKF−96A(50cs)(信越化学工業社製)
*9:フォンブリンHC/04(アウシモント社製)
*10:コスモール525(日清オイリオグループ社製)
A.成分(1)〜(13)をヘンシェルミキサー(三井三池社製)で均一に分散する。
B.成分(14)〜(20)を均一に混合する。
C.Aをヘンシェルミキサーにて攪拌しながら、Bを添加し、均一に分散する。
D.Cをパルベライザーにて粉砕する。
E.Dを金皿に充填、圧縮成形し、固形チークカラーを得た。
専門パネル員20名により、前記製造方法で得られた各チークカラーを顔にブラシで使用し、使用時にブラシへの化粧料の「取れの良さ」、肌上への「滑らかな伸び広がり」、化粧料の色が肌上に自然に見えるような「ぼかし易さ」、肌上で上滑りせず密着する「付着性の良さ」、「発色の良さ」及び「化粧持ち」について、パネル各人が下記絶対評価基準にて6段階に評価し評点を付け、各試料ごとにパネル全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。尚「化粧持ち」については使用後、通常の生活をしてもらった6時間後の状態を評価した。
[絶対評価基準]
(評点):(評価)
6点:非常に良好
5点:良好
4点:やや良好
3点:普通
2点:やや不良
1点:不良
[4段階判定基準]
(判定):(評点の平均値) :(評価)
◎ :5点を超える :非常に良好
○ :3点を超え5点以下 :良好
△ :1点を超え3点以下 :やや不良
× :1点以下 :不良
それに対し、成分(a)を同じ材質のポリオルガノシロキサンからなる真球状粉体に替えた比較例1では、付着性、ぼかし易さに特に劣り、ナイロン−12からなる真球状粉体に替えた比較例2では取れやすさとぼかし易さで特に劣り、メタクリル酸メチルクロスポリマーからなる突起を持たない略球形状粉体を配合した比較例3では全体的にあまり芳しくない結果となった。また、成分(b)のフッ素変性シリコーンを配合しない比較例4では、ぼかし易さや化粧持ちに特に劣り、フッ素変性シリコーンをメチルポリシロキサンに替えた比較例5では化粧持ちが、フッ素系油剤であるパーフルオロポリメチルイソプロピルに替えた比較例6では、肌へのなじみが十分ではなく付着性が特に劣っていた。さらに、成分(b)のフッ素変性シリコーンを配合せず、配合の多いタルクとマイカを化粧持ちに効果のあるフッ素系油剤で表面処理した比較例7では、取れの良さや付着性の面で特に劣っていた。
(成分) (%)
1.セリサイト 残量
2.タルク 10
3.合成炭化水素ワックス粉末 1
4.球状の粒子表面にポリオルガノポリシロキサン
からなる突起物を有する略球形状粉体*11 10
5.雲母チタン*12 20
6.酸化チタン被覆ガラス末*13 3
7.赤色202号 0.5
8.黄酸化鉄 1.5
9.黒酸化鉄 0.5
10.防腐剤 適量
11.流動パラフィン 5
12.メチルポリシロキサン 3
13.ジメチコノール 3
14.成分(b)のフッ素変性シリコーン*7 2
15.香料 適量
*12:FLAMENCO RED 420C(メルク社製)
*13:マイクログラスメタシャイン MT1080RB(日本板硝子社製)
A.成分(1)〜(10)をヘンシェルミキサー(三井三池社製)で均一に分散する。
B.成分(11)〜(15)を均一に混合する。
C.Aをヘンシェルミキサーにて攪拌しながら、Bを添加し、均一に分散する。
D.Cをパルベライザーにて粉砕する。
E.Dを金皿に充填、圧縮成形し、粉体固形アイカラーを得た。
(成分) (%)
1.セリサイト 残量
2.タルク 5
3.合成炭化水素ワックス粉末 1
4.窒化ホウ素 10
5.球状の粒子表面にポリオルガノポリシロキサン
からなる突起物を有する略球形状粉体*4 7
6.真球状メタクリル酸メチルクロスポリマー粉体 2
7.酸化チタン被覆合成金雲母*14 20
8.酸化鉄被覆雲母チタン*15 15
9.酸化鉄被覆マイカ*16 10
10.ベンガラ 4
11.黄酸化鉄 5
12.(チタン/酸化チタン)焼結物 2
13.群青 1
14.コンジョウ 1
15.防腐剤 適量
16.重質流動イソパラフィン 1
17.ワセリン 0.5
18.2−エチルヘキサン酸グリセリル 5
19.成分(b)のフッ素変性シリコーン*7 1
(スラリー用溶媒)
20.軽質流動イソパラフィン 100
*15:COLORONA BLACKSTAR GOLD(メルク社製)
*16:COLORONA MICABLACK(メルク社製)
A.成分(1)〜(15)を均一になるまで攪拌混合する。
B.Aと成分(16)〜(19)を均一に混合後、(20)を加えスラリー状にする。
C.Bを容器に充填した後、70℃条件下で24時間乾燥して固形アイカラー(湿式)を得た。
(成分) (%)
1.ラウロイルリジン 25
2.タルク 残量
3.マイカ 8
4.酸化チタン 4
5.酸化亜鉛 2
6.球状の粒子表面にポリオルガノポリシロキサン
からなる突起物を有する略球形状粉体*4 4
7.シリカ 8
8.酸化鉄被覆雲母チタン*15 5
9.硫酸バリウム被覆雲母チタン*17 15
10.赤色202号 0.3
11.赤色226号 1
12.黄色4号 0.1
13.成分(b)のフッ素変性シリコーン*7 0.5
14.(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー 7.5
*17:RONAFLAIR LOWLUSTER PIGMENT(メルク社製)
A.成分(1)〜(12)を均一になるまで攪拌混合する。
B.Aと成分(13)及び(14)を均一に混合する。
C.Bを容器に充填して、ルース状チークカラーを得た。
Claims (6)
- 次の成分(a)および成分(b);
(a)球状の粒子表面にポリオルガノポリシロキサンからなる突起物を有する略球形状粉体;
(b)トリフルオロプロピルシクロテトラシロキサンとトリフルオロプロピルシクロペンタシロキサンの混合物であるフッ素変性シリコーン;
が配合されていることを特徴とする粉体化粧料。 - 前記ポリオルガノポリシロキサンがポリメチルシルセスキオキサンである、請求項1に記載の粉体化粧料。
- 前記成分(a)が1〜20質量%配合されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の粉体化粧料。
- 前記成分(b)が0.1〜10質量%配合されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の粉体化粧料。
- 前記粉体化粧料がアイカラー及び/又はチークカラーであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の粉体化粧料。
- 粉体が70%以上配合されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の粉体化粧料。
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