以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、図面における共通する構成要素には同一の参照符号が付されている。
[本実施形態の概要]
まず、本実実施形態の概要について説明する。なお、以下の説明においてはサービス提供者が提供するサービスとして「介護」を例に説明をするが、勿論これは一例であり、本発明の適用はこれに限定されない。他の例として、家事代行、酪農、警備、家庭教師派遣業などが挙げられ、本実施形態は様々なサービスへの適用が期待される。
図1は、本実施形態に係る携帯通信端末を含む作業履歴管理システムの構成を示すものである。この作業履歴管理システムは、情報記憶部100と、近距離通信によって情報記憶部100と通信を行う携帯通信端末200と、遠隔に設置され、通信回線500を介して携帯通信端末200と通信を行う外部端末とから構成されている。
なお、図1においては、外部端末が、通信回線500を介して携帯通信端末100と通信を行うサーバー装置300と、通信回線500を介してサーバー装置300と通信を行う管理者端末400とから構成される例を、一例として記載する。しかし、例えば、外部端末として管理者端末400のみを備え、管理者端末がサーバー装置300の行う処理・機能を行うように構成しても良い。
また、図1においては、情報記憶部100、携帯通信端末200、管理者端末400はそれぞれ一つしか記載されていないが、当然、これらは作業履歴管理システム内に複数存在してよく、それぞれ互いに通信可能に接続されている。
一例として介護について説明すると、この作業履歴管理システムにおいては、情報記憶部100として機能する非接触ICタグを、排泄介助や食事介助などの様々な作業の提供を受ける被介護者の自宅などに適宜設置し、近距離通信を介して、この非接触ICタグと、携帯通信端末200として機能しサービス提供者である介護師が所持するスマートフォンと通信を行う。そして、通信回線500として機能するセルラー通信網を介して、スマートフォンは、サーバー装置300として機能するサーバーに接続され、記憶した作業履歴情報を送信する。さらに、サーバーは、同じくセルラー通信網を介して、管理者端末400として機能する管理者PCに接続され、管理者PCでサーバーに保存された作業履歴情報を閲覧する。
[情報記憶部100の構成]
図2は、図1に示した作業管理システムに含まれる情報記憶部100の構成を示すブロック図である。情報記憶部100は、メモリ部101、近距離通信アンテナ103に接続された近距離通信処理部102、及び、制御部104を含み、これらの各要素が制御ラインおよびデータラインを介して互いに電気的に接続されている。
メモリ部101には、サービス提供者提供する作業の内容を特定する情報である作業内容特定情報、及び、その作業の提供を受ける対象を特定する情報である対象特定情報が記憶されている。
また、メモリ部101には、上記のほかにも、サービス提供者がサービス提供場所に訪れたときに提供する作業が少なくとも一つ含まれたサービスの開始を示す、すなわち一連の作業の開始を示すサービス開始情報が記憶されても良い。また、サービス提供者がサービスの提供を終了したことを示す、すなわち一連の作業の提供の終了を示すサービス終了情報が記憶されても良い。なお、このような場合、前記対象特定情報は、サービスの提供を受ける対象を特定する情報としても利用され、サービス開始情報又はサービス終了情報と共にメモリ部101に記憶される。
さらに、メモリ部101には、情報記憶部100が配置された場所、すなわち、作業を提供する場所に関する提供場所情報が記憶されるようにしても良い。
近距離通信処理部102は、携帯通信端末200が、情報記憶部100との間で通信可能なエリア内に近づいたことを受けて、近距離通信アンテナ103を介して携帯通信端末200から受信した信号を処理し制御部104へ伝達する。また、制御部104の制御によってメモリ部101から読み出された作業内容特定情報及び対象特定情報や、サービス開始情報、サービス終了情報を携帯通信端末200に送信するように処理する。
制御部104は、近距離通信アンテナ103から受信した信号に基づいて、メモリ部101に記憶された情報を読み出すとともに、読み出された情報を、近距離通信アンテナ103を介して携帯通信端末200に送信するように制御する。
サービス提供者が提供するサービスが「介護」である場合には、情報記憶部100として、一例として、非接触ICタグが使われる。情報記憶部100が非接触ICタグとした場合、メモリ部101はメモリとして、制御部102はMPU(マイクロプロセッサ)として、近距離通信処理部103は非接触通信の通信処理部として、近距離通信アンテナ104はループアンテナとしてそれぞれ機能する。
そしてメモリ部101として機能するメモリには、作業内容特定情報として、「排泄介助」、「食事介助」、「入浴介助」などの具体的な作業の内容を示す情報のうちのいずれかひとつが記憶されている。また、対象特定情報として、被介護者を特定する情報、例えば、被介護者の「氏名」、「ID」、「電話番号」などの情報のいずれか一つ、又はその組み合わせが記憶されている。また、これらの情報に加えて、作業を提供する具体的な場所を示す情報として、「トイレ」、「居間」、「寝室」などの提供場所情報のいずれかが記憶されている。
また、介護者が被介護者の自宅等に訪問して提供する「排泄介助」や「食事介助」、「入浴介助」などの一連の作業が含まれたサービスの提供の開始を示すサービス開始情報や、その一連の作業が含まれたサービスの終了を示すサービス終了情報や、そのサービスの提供を受ける被介護者を特定する情報である被介護者の「氏名」、「ID番号」、「電話番号」などの情報が対象特定情報として記憶されている。
そして情報記憶部100として機能する非接触ICタグは、近距離通信アンテナ104として機能するループアンテナが外部のリーダ/ライタ(本実施形態においては携帯通信端末200)との間で通信可能なエリアである数cmから数10cm程度の距離に近接したときに、このリーダ/ライタから供給される搬送波信号をループアンテナが受信して、その搬送波信号の受信信号を近距離通信処理部103として機能する通信処理部内のコンデンサに供給する。そして、その搬送波信号を介して受信した電力を前記通信処理部や制御部102として機能するMPUの駆動電源として使用する。電力の供給を受けたMPUはメモリからメモリ内に記憶された作業内容特定情報などの情報を読み出すように指示するとともに、読み出された情報をループアンテナを介して携帯通信端末200に送信するように制御する。
従って、非接触ICタグに、リーダ/ライタ機能を有する携帯通信端末200が互いに通信可能なエリアである数cmから数10cm程度の距離に近づくと自動的に通信が開始され、メモリに記憶された情報が携帯通信端末200に送信される。
なお、このように機能する非接触ICタグが携帯通信端末200と通信する近距離通信方式の一例としては、NFC(Near Field Communication)、FeliCa(登録商標)などが挙げられる。
また、そのほかの近距離通信方式として、無線LANやBluetooth LEなどの通信方式も利用することができる。無線LANを利用する場合には、宅内ルーターなどが情報記憶部100として機能する。また、Bluetooth LEを利用する場合には、ビーコンと呼ばれる小型の端末が情報記憶部100として機能する。なお、宅内ルーターやビーコンなどは、コンセントやボタン電池から電力の供給が可能である。
[携帯通信端末200の構成]
図3は、携帯通信端末200の構成を示すブロック図である。携帯通信端末200は、制御部201、携帯無線通信処理部202、表示部203、操作部204、メモリ部205、音声処理部206、検出部209、画像処理部213、近距離通信アンテナ218が接続された近距離通信処理部215、計時部219等を含み、これらの各要素が、制御ラインおよびデータラインを介して互いに電気的に接続されている。
まず、近距離通信処理部215は、近距離通信アンテナ218を介して外部に所定の周期で搬送波信号を送信するとともに、情報記憶部100との間で近距離通信が可能なエリア内に近づいた状態になると、情報記憶部100から作業内容特定情報、対象特定情報などの情報を受信し、それらの情報を復調する。なお、これらの処理は、情報記憶部100と近距離通信が可能なエリア内に近づいた状態であると判断されるごとに行い、そのたびに近づいた情報記憶部100から作業内容特定情報、対象特定情報などの情報を受信する。
音声処理部206は、スピーカー207及びマイクロホン208にそれぞれ電気的に接続されている。音声処理部206はマイクロホン208に入力されたサービス提供者の音声情報に対して、必要に応じて周囲の雑音成分を除去するようなノイズキャンセル処理を施した後に、符号化してメモリ部205に記憶するように処理する。本実施形態においては、音声処理部206及びマイクロホン208が音声入力部として機能する。
検出部209は、加速度センサ210、ジャイロセンサ211、GPSセンサ212などが含まれており、携帯通信端末200の位置情報を検出するように機能する。例えば、加速度センサ210は、携帯通信端末200に加速度運動が加えられたときの3軸方向の加速度を検知する。ジャイロセンサ211は、携帯通信端末200に回転運動が加えられたときの角速度を検出して回転角度を算出し、その回転による携帯通信端末200の細かな動作や傾きを検知する。GPSセンサ212は、GPS衛星からの電波を、GPSアンテナ117を介して受信して、携帯通信端末200の現在位置(緯度、経度、高度)を検出する。
一例としては、加速度センサ210を用いて、所定の周期(例えば、5m秒ごと)で携帯通信端末200の3軸方向の加速度を検知することで、携帯通信端末200の移動量及び移動方向、並びにそれに基づく移動軌跡を算出することが可能である。また、GPSセンサ212を用いて、同様に所定の周期で携帯通信端末200の現在位置を検出することで、携帯通信端末200の移動軌跡を算出することが可能である。これら、検出部209において所定周期で検出された位置情報は、それぞれメモリ部205に記憶される。
計時部219は、時刻をカウントすることで、現在の時間情報(時分)を計測したり、ある時点からある時点までの時間の経過を計測する。計時部219で計測された時間情報は、制御部201の指示を受けて、適宜メモリ部205に記憶される。また、計測された時間の経過は、必要に応じて制御部201の処理に利用される。
メモリ部205は、無線通信処理を行うためのコミュニケーションプログラムや各種アプリケーションプログラムの他、これら各アプリケーションプログラムで取り扱われる各種データ(コンテンツ)などが記憶される。より具体的には、メモリ部205には、本実施形態に係る作業履歴管理システムを制御部201で実施するために必要なアプリケーションプログラムが記憶される。なお、このようなメモリ部205は、一例としては、RAMやROMから構成されている。
メモリ部205は、本実施形態においては、上記に加え、近距離通信アンテナ218及び近距離通信処理部215を介して受信した作業内容特定情報、対象特定情報などの情報を記憶する。このとき作業内容特定情報と対象特定情報は、互いに対応付けて記憶される。すなわち、情報記憶部100との間で近距離通信が可能なエリア内に近づいて作業内容特定情報及び対象特定情報を受信するたびに、作業内容特定情報と対象特定情報がそれぞれ対応付けられて、順次記憶されていく。
なお、情報記憶部100に、サービス開始情報やサービス終了情報が記憶されている場合には、近距離通信アンテナ218及び近距離通信処理部215を介して受信してこれらの情報も受信し、同じく受信した対象特定情報に対応付けてサービス開始情報やサービス終了情報が記憶される。
また、音声入力部からサービス提供者の音声情報が入力されると、すなわち、マイクロホン208から音声情報が入力され、音声処理部206において音声情報が符号化されると、その符号化された音声情報をメモリ部205は記憶する。その際、この音声情報は、先に記憶された作業内容特定情報に対応付けてメモリ部205に記憶される。
また、検出部209において、携帯通信端末200の位置情報が検出されると、その位置情報が検出されるたびに順次メモリ部205に記憶する。加速度センサ210で位置情報を検出した場合には、携帯通信端末200の3軸方向の加速度としてメモリ部205に記憶する。また、GPSセンサ212で位置情報を検出した場合には、携帯通信端末200の現在の緯度、経度、高度をメモリ部205に記憶する。その際、これら位置情報は、先に記憶された作業内容特定情報に対応付けてメモリ部205に記憶される。
また、近距離通信処理部215で通信が行われ、情報記憶部200から作業内容特定情報や対象特定情報などの情報を受信したときの時間情報が計時部219で測定されるが、この測定された時間情報は、受信した作業内容特定情報に対応付けて記憶される。
制御部201は、携帯通信端末200全体の動作を制御する。より具体的には、本実施形態に係る作業履歴管理プログラムに基づいて、音声処理部や検出部などの他の要素を制御して、作業履歴管理処理を実行する。
通信処理部202は、接続された無線通信アンテナ216を介してメモリ部205に記憶された情報を、遠隔に設置された外部端末に送信するために、変調などの各種処理を行うものである。
なお、通信処理部102は、一例としては、W−CDMA(Wideband−Code Division Multiple Access)方式に代表されるような携帯無線通信方式に基づいて処理されるが、IEEE802.11に代表されるような無線LANに関する方式に基づいて処理することも可能である。
表示部203は、一例としては液晶ディスプレイから構成される。本実施形態においては、受信した作業内容特定情報や対象特定情報などに基づいて作成される表示画面を随時表示する。
画像処理部213は、カメラ214に接続され、カメラ214において撮像された画像を保存に適したデータ形式に変換して、メモリ部205に保存する。
本実施形態においては、例えば、カメラ214で作業状況を撮像し、画像処理部113で処理した画像データを、受信した作業内容特定情報に対応付けてメモリ部205に記憶するようにしても良い。
操作部204は、一例としては、タッチパネルやテンキーから構成される。本実施形態においては、例えば、サービス提供者が携帯通信端末200を起動する際に、正当なユーザであるか否かを判定することを目的としてパスワードを入力する際などに利用される。また、本実施形態に係る作業履歴管理システムを実行するためのアプリケーションを起動するアイコンの選択などにも利用される。
[サーバー装置300の構成]
図1に記載した作業管理システムの例では、サーバー装置300は、管理者端末400とともに外部端末を構成する。図4は、図1に示した作業管理システムに含まれ、外部端末として機能するそのサーバー装置300の構成を示すブロック図である。サーバー装置300は、外部メモリ部301、テキスト変換処理部302、制御部303、遠隔通信処理部304等を含み、これらの各要素が、制御ラインおよびデータラインを介して互いに電気的に接続されている。
遠隔通信処理部304は、接続された無線通信アンテナ305を介して携帯通信端末200と接続され、携帯通信端末200から所定のタイミングで送信された作業内容特定情報や対象特定情報、サービス開始情報、サービス終了情報、音声情報、時間情報、位置情報などを受信し、復調などの各種処理を行う。
また、図1に記載した作業管理システムの例では、外部端末がサーバー装置300と管理者端末400とから構成されているので、遠隔通信処理部304は、無線通信アンテナ305を介して管理者端末400と接続され、管理者端末からの要求に応じて、適宜、作業内容特定情報や対象特定情報、サービス開始情報、サービス終了情報、音声情報、時間情報、位置情報などを送信するための処理を行う。
なお、遠隔通信処理部304は、一例としては、W−CDMA(Wideband−Code Division Multiple Access)方式に代表されるような携帯無線通信方式に基づいて送受信処理がされるが、IEEE802.11に代表されるような無線LANに関する方式に基づいて送受信の処理することも可能である。また、サーバー装置300と管理者端末400との間の通信においては、上記の無線通信方式に限らず、有線LANなどを利用した有線による通信方式を採用しても良い。
また、図1に記載の作業管理システムの例では、携帯通信端末200は一つのみしか記載されていないが、当然、複数の携帯通信端末と接続することが可能である。この場合、遠隔通信処理部304は、無線通信アンテナ305を介して、各携帯通信端末から、複数の作業内容特定情報や対象特定情報、サービス開始情報、サービス終了情報、音声情報、時間情報、位置情報などを受信する処理を行う。
テキスト変換処理部302は、携帯通信端末200から受信した音声情報をテキスト情報に変換する。なお、テキスト変換処理部302における音声情報をテキスト情報に変換する処理は、音声情報からテキスト情報に変換されればよく、既にある音声認識技術のいずれかを適宜用いればよい。
テキスト変換処理部302で音声情報から変換されたテキスト情報は、受信した作業内容特定情報に対応付けて外部メモリ部301に記憶される。
外部制御部303は、サーバー装置300全体の動作を制御する。より具体的には、外部記憶部301に記憶された制御プログラムに基づいて、遠隔通信処理部304、テキスト変換処理部302、外部メモリ部301などの他の要素を制御して、作業履歴管理処理を実行する。
外部メモリ部301は、無線通信処理を行うためのコミュニケーションプログラムや各種アプリケーションプログラムの他、これら各アプリケーションプログラムで取り扱われる各種データ(コンテンツ)などを記憶し、一例としては、RAMやROMから構成されている。
外部メモリ部301は、本実施形態においては、上記に加え、無線通信アンテナ305及び遠隔通信処理部304を介して受信した作業内容特定情報、対象特定情報などの情報を記憶する。このとき作業内容特定情報と対象特定情報は、互いに対応付けて記憶される。
また、外部メモリ部301は、携帯通信端末200から、作業内容特定情報と対象特定情報に加えて、サービス開始情報やサービス終了情報、音声情報、時間情報、位置情報を受信した場合には、対象特定情報に対応付けてサービス開始情報とサービス終了情報を記憶する。また、外部メモリ部301は、音声情報を一旦記憶した後、テキスト変換処理部302においてテキスト情報に変換し、その変換したテキスト情報を作業内容特定情報に対応付けて記憶する。また、時間情報及び位置情報は、作業内容特定情報に対応付けて記憶される。
すなわち、外部メモリ部301には、対象特定情報ごとに、サービス開始情報、サービス終了情報、テキスト情報、時間情報、位置情報などが作業内容特定情報に対応付けて記憶する。
[管理者端末400の構成]
図1に記載した作業管理システムの例では、管理者端末400は、サーバー装置300とともに外部端末を構成する。図5は、図1に示した作業管理システムに含まれ、外部端末として機能するその管理者端末400の構成を示すブロック図である。管理者端末400は、操作部401、制御部405、通信処理部406、表示部408、メモリ部409等を含み、これらの各要素が、制御ラインおよびデータラインを介して互いに電気的に接続されている。
通信処理部406は、接続された無線通信アンテナ407を介してサーバー装置300と接続され、サーバー装置300から送信された作業内容特定情報や対象特定情報、サービス開始情報、サービス終了情報、テキスト情報、時間情報などを受信し、復調などの各種処理を行う。
操作部401は、例えば、キーボード402や、マウス403、タッチパッド404と接続され、例えば管理者が、表示部408に表示された情報を参照しながら、受信した作業内容特定情報などの修正を行うためのものである。
表示部408は、一例としては液晶ディスプレイから構成される。本実施形態においては、受信した作業内容特定情報や対象特定情報などに基づいて作成された表示画面を随時表示する。
制御部405は、管理者端末400全体の動作を制御する。より具体的には、メモリ部409に記憶された制御プログラムに基づいて、操作部401、通信処理部406、表示部408、メモリ部409などの他の要素を制御して、作業履歴管理処理を実行する。
本実施形態においては、制御部405は、サービス提供者が提供したサービスや作業の内容を報告するために実績情報である報告書を作成する実績情報作成処理部として機能する。すなわち、この実績情報作成処理部では、サーバー装置300から受信した作業内容特定情報や対象特定情報、サービス開始情報、サービス終了情報、テキスト情報、時間情報、位置情報などに基づいて自動的に報告書を作成する。
また、制御部405は、サービス提供者が提供したサービスや作業の内容を適宜修正する実績情報修正処理部としても機能する。すなわち、この実績情報修正処理部では、サーバー装置300から受信した作業内容特定情報や対象特定情報、サービス開始情報、サービス終了情報、テキスト情報、時間情報、位置情報に誤りがあったり、情報漏れがあった場合には、自動的にこれらを検出して、自動的に適切な情報に修正する。なお、当然に、管理者などの操作部401を介した入力によって修正するようにしても良い。
メモリ部409は、サーバー装置400と通信を行うためのコミュニケーションプログラムや各種アプリケーションプログラムの他、これら各アプリケーションプログラムで取り扱われる各種データ(コンテンツ)などが記憶され、一例としては、RAMやROMから構成されている。
メモリ部409は、本実施形態においては、上記に加え、無線通信アンテナ407及び通信処理部406を介して受信した作業内容特定情報、対象特定情報などの情報を記憶する。このとき作業内容特定情報と対象特定情報は、互いに対応付けて記憶される。
また、メモリ部409は、サーバー装置300から受信した作業内容特定情報と対象特定情報に加えて、サービス開始情報やサービス終了情報、テキスト情報、時間情報、位置情報を受信した場合には、対象特定情報ごとに、これらの情報を記憶する。
さらにメモリ部409は、実績情報作成処理部によって実績情報である報告書が作成された場合には、対象特定情報に対応付けて、作成された実績情報を記憶する。また、実績情報修正処理部によって受信した各情報に修正が加わった場合には、その修正後の情報も記憶する。
[情報記憶部100の例]
図6は、サービス提供者が提供するサービスとして「介護」の場合を例に、情報記憶部100が配置状況を表す模式図である。
図6には、一例として、情報記憶部100として非接触ICタグを利用している。そして、この非接触ICタグには、予め図7に示す情報が記憶され、それぞれ所定の位置に配置されている。
図7(a)〜(e)には、「作業タグ」と呼ばれる非接触ICタグに記憶されている情報の例が記載されている。すなわち、作業タグである各非接触ICタグの各メモリ部に作業内容特定情報、対象特定情報、場所情報が互いに対応付けられて記憶されている。例えば、図7(a)に示す非接触ICタグ110のメモリ部には、対象特定情報として「ユーザX」が、提供を受ける作業の作業内容特定情報として「排泄介助」が、その提供を受ける場所として「トイレ」という情報が対応づけて記憶されている。また、図7(b)に示す非接触ICタグ120のメモリ部には、対象特定情報として「ユーザX」が、提供を受ける作業の作業内容特定情報として「食事介助」が、その提供を受ける場所として「居間」という情報が対応づけて記憶されている。また、図7(c)に示す非接触ICタグ130のメモリ部には、対象特定情報として「ユーザX」が、提供を受ける作業の作業内容特定情報として「入浴介助」が、その提供を受ける場所として「風呂」という情報が対応づけて記憶されている。また、図7(d)に示す非接触ICタグ140のメモリ部には、対象特定情報として「ユーザX」が、提供を受ける作業の作業内容特定情報として「寝起介助」が、その提供を受ける場所として「寝室」という情報が対応づけて記憶されている。また、図7(e)に示す非接触ICタグ150のメモリ部には、対象特定情報として「ユーザX」が、提供を受ける作業の作業内容特定情報として「洗濯介助」が、その提供を受ける場所として「洗濯機」という情報が対応づけて記憶されている。
また、図7(f)には、上記に挙げた排泄介助や食事介助などの各作業が少なくとも一つ含まれたサービス、すなわち一連の作業をひとまとめにしたサービスの開始を示すサービス開始情報が記憶された「開始タグ」と呼ばれる非接触ICタグに記憶された情報の例が記載されている。さらに、図7(g)には、そのサービスの終了を示すサービス終了情報が記憶された「終了タグ」と呼ばれる非接触ICタグに記憶された情報の例が記載されている。すなわち、「開始タグ」である非接触ICタグ160のメモリ部には、対象特定情報として「ユーザX」が、サービス開始情報として「開始」という情報が互いに対応付けて記憶されている。また、「終了タグ」である非接触ICタグ170のメモリ部には、対象特定情報として「ユーザX」が、サービス終了情報として「終了」という情報が互いに対応付けて記憶されている。
図6は、図7に記載したような作業タグとしての非接触ICタグ110〜150と、開始タグとしての非接触ICタグ160と、終了タグとしての非接触ICタグ170を、サービス提供者である介護者が、そのサービスの提供をうける対象である被介護者の自宅に予め配置した図を示している。
図6を参照しながら、サービス提供者である介護者の使用方法の一例を説明すると、まず介護者が被介護者の自宅に到着すると、介護サービスの提供を開始することを記録するため玄関に配置された開始タグ160に自身が保持する携帯通信端末200を近接させ、開始タグ内の情報を携帯通信端末200で受信する。そして、例えば、まず排泄介助の作業を行う場合には、その提供場所であるトイレに行き、その近傍に配置された作業タグ110に自身が保持する携帯通信端末200を近接させ、作業タグ110内の情報を携帯通信端末200で受信する。そして、その作業が終了した場合には、再度、作業タグ110に自身が保持する携帯通信端末200を近接させ、作業タグ110内の情報を携帯通信端末200で受信する。新たな作業を行うごとに、作業開始時と作業終了時に、その作業に対応する作業タグ110〜150からの情報の受信を繰り返す。そして、一連の作業が終了して被介護者の自宅から離れるときに、玄関に配置された終了タグ170に自身が保持する携帯通信端末200を近接させ、終了タグ内の情報を携帯通信端末200で受信する。
なお、上記の例では、開始タグと終了タグがそれぞれ別々に設けられた例を示したが、サービス提供の開始と終了が判別できれば良いので、それらを一つのタグで実現してもよい。このような場合には、例えば最初に携帯通信端末200をタグに近接させた場合には「サービスの開始」として認識し、2回目に携帯通信端末200をタグに近接させた場合には、「サービスの終了」として認識させるようにする。
また、上記の例では、予め被介護者の自宅内のそれぞれ対応する場所に開始タグや終了タグ、各種作業タグを配置した例を示したが、それに限られない。例えば、介護者自身がこれらの非接触ICタグを所有し、各作業を開始または終了するごとに、その作業に対応する非接触ICタグを取り出し携帯通信端末200を介して情報を受信するようにしても良い。
[作業履歴管理システムの処理シーケンスの例]
図8は、本実施形態に係る作業履歴管理システムの例として、図6及び図7に記載された具体的に「介護」サービスにおいて利用される作業履歴管理システムの信号処理の例を示すシーケンス図である。なお、図8は、情報記憶部100が図6及び図7に例示した「作業タグ110〜150」、「開始タグ160」、「終了タグ160」から構成される場合を例に、また、外部端末がサーバー装置300と管理者端末400とから構成される場合を例に記載している。
まず携帯通信端末200は、介護サービスにおける作業履歴管理システムを実行するアプリケーションが起動されると(ステップS1)、携帯通信端末200内にある近距離通信処理部215を起動する(ステップS2)。そして、携帯通信端末200は、近距離通信処理部215及び近距離通信アンテナ218を介して、所定の周期で情報記憶部100に対して搬送波信号を送信する(T1)。
そして、携帯通信端末200が、非接触ICタグである開始タグ160との間で近距離通信が可能な、すなわち、携帯通信端末200から送信される搬送波信号を開始タグ160が受信可能なエリア内に近づくと、開始タグ160で搬送波信号が受信される(ステップS3)。その受信に基づいて、開始タグ160は、自身のメモリ部101内に保存されたサービス開始情報と対象特定情報を携帯通信端末200に送信する(T2)。
携帯通信端末200では、開始タグ160から対象特定情報とサービス開始情報を受信すると(ステップS4)、作業履歴収集開始処理を実行する(ステップS5)。なお、作業収集開始処理の詳細は、図9〜図12において後述する。
携帯通信端末200は、作業履歴収集開始処理の実行の間、所定の周期で情報記憶部100に対して搬送波信号を送信する(T3)。
そして、携帯通信端末200が、作業タグ110〜150のいずれかとの間で近距離通信が可能な、すなわち、携帯通信端末200から送信される搬送波信号を作業タグ110〜150が受信可能なエリア内に近づくと、その近づいた作業タグ110〜150の内のいずれかで搬送波信号が受信される(ステップS6)。その受信に基づいて、受信した作業タグ110〜150は、自身のメモリ部101内に保存された作業内容特定情報、対象特定情報及び場所特定情報を携帯通信端末200に送信する(T4)。
携帯通信端末200は、作業タグ110〜150のいずれかから作業内容特定情報、対象特定情報及び場所特定情報を受信すると(ステップS7)、作業履歴収集処理を実行する(ステップS8)。なお、作業履歴収集処理の詳細は、図9〜図12において後述する。
携帯通信端末200は、作業履歴収集処理の実行の間、所定の周期で情報記憶部100に対して搬送波信号を送信する(T3)。そして、携帯通信端末200が作業タグ110〜150との間で近距離通信が可能なエリア内に近づくたびに、携帯通信端末200及び作業タグ110〜150では、ステップS4からステップS8に記載の各処理と、T3及びT4に記載の信号の送受信が行われる。
そして、携帯通信端末200は、作業履歴収集処理の実行の間、所定の周期で情報記憶部100に対して搬送波信号を送信する(T5)。
携帯通信端末200が、非接触ICタグである終了タグ170との間で近距離通信が可能な、すなわち、携帯通信端末200から送信される搬送波信号を終了タグ170が受信可能なエリア内に近づくと、終了タグ170で搬送波信号が受信される(ステップS9)。その受信に基づいて、終了タグ170は、自身のメモリ部101内に保存されたサービス終了情報と対象特定情報を携帯通信端末200に送信する(T6)。
携帯通信端末200では、終了タグ170から介護者IDとサービスの終了を示す情報とを受信すると(ステップS10)、作業履歴収集終了処理を実行する(ステップS11)。なお、作業収集終了処理の詳細は、図9〜図12において後述する。
作業履歴収集終了処理において、携帯通信端末200は、外部端末を構成するサーバー装置300に作業履歴情報を送信する(T7)。サーバー装置300は、携帯通信端末200から送信された作業履歴情報を受信すると(ステップS12)、作業履歴情報として送信された音声情報をテキスト情報に変換するためのテキスト変換処理を行い、変換されたテキスト情報を対象特定情報及び作業内容特定情報に対応付けて記憶する(ステップS13)。なお、テキスト変換処理部302における音声情報をテキスト情報に変換する処理は、音声情報からテキスト情報に変換されればよく、既にある音声認識技術のいずれかを適宜用いればよい。また、例えば、サーバー装置300がテキスト変換処理部302を有していないような場合には、ステップS13に伴う処理は行わず、そのままステップS14に移行し、後に管理者端末400に備える操作部401を介して管理者が手入力による変換を行うようにしても良い。
サーバー装置300は、外部端末を構成する管理者端末400から記憶した作業履歴情報の転送要求(T8)を受けると(ステップS14)、その要求された作業履歴情報を管理者端末400に転送する(T9)。
その転送を受けた管理者端末400は、受信した作業履歴情報を、対象特定情報ごとに、サービス及び作業を提供した実績情報である報告書として編集する実績情報編集処理を行う(ステップS15)。また、受信した作業履歴情報に誤りがあったり、情報漏れがあった場合には、自動的にこれらを検出して、適切な情報に修正する実績情報修正処理を行う(ステップS16)。
[携帯通信端末200の制御部201の処理フロー]
図9〜図12は、携帯通信端末200内の制御部201で行われる、作業履歴収集開始処理、作業履歴収集処理及び作業履歴収集終了処理の具体的な処理の流れを、一例として示す。なお、図9〜図12は、情報記憶部100が図6及び図7に例示した「作業タグ110〜150」、「開始タグ160」、「終了タグ160」から構成される場合を例に、また、外部端末がサーバー装置300と管理者端末400とから構成される場合を例に記載している。
まず、制御部201は、図9に記載の処理を行う。制御部201は、サービス提供者からの指示を受けて介護サービスにおける作業履歴管理システムを実行するアプリケーションを起動する(ステップS201)。そして制御部201は、ステップS202として、携帯通信端末200の近距離通信処理部215を起動すると(ステップS202)、近距離通信処理部215及び近距離通信アンテナ218を介して、所定の周期で情報記憶部100に対して搬送波信号を送信するように制御する。
図8に記載したように、開始タグ160との間で近距離通信が可能なエリア内に携帯通信端末200が近づくと、開始タグ160から、サービス開始情報と対象特定情報を受信し(ステップS203)、ステップS204に移行する。なお、ステップS203において、開始タグ160から情報が受信できない場合は、開始タグ160と近距離通信が可能なエリア内に携帯通信端末200がいないことを意味している。このステップS203において開始タグ160から情報が受信できない場合の処理については、後述する。
制御部201は、開始タグ160から情報を受信すると、作業履歴収集開始処理を行う。具体的には、制御部201は、表示部203に図13(c)に記載されたような画面の表示をする処理を行うとともに、開始タグ160から受信したサービス開始情報と対象特定情報を互いに対応付けて記憶するよう制御する(ステップS204)。なお、このとき、制御部201は、計時部219で計測された時間情報をサービス開始情報に対応付けて記憶するように制御しても良い。また、制御部201は、開始タグ160と通信が行われた回数をカウントして、それをサービス開始情報に対応付けて記憶するように制御しても良い。
制御部201は、その後、作業タグ110〜150のいずれかが近距離通信可能なエリア内に近づいて、その近づいた作業タグから情報を受信するまで、所定の周期で搬送波を送信しながら待機する。そして、ステップS205において、携帯通信端末200が作業タグ110〜150のいずれかとの間で近距離通信が可能なエリア内に近づくと、制御部201は、作業履歴収集処理を行う。具体的には、制御部201は、その近づいた作業タグから図7(a)〜(e)に例示した作業内容特定情報、対象特定情報及びその作業の提供場所情報を受信する。そして、制御部201は、携帯通信端末200のメモリ部205に、対象特定情報に対応付けて、作業内容特定情報及び作業の提供場所情報を記憶するよう制御する(ステップS206)。
なお、このとき、制御部201は、計時部219で計測された時間情報を作業内容特定情報に対応付けて記憶するように制御しても良い。また、制御部201は、各作業タグ110〜150と通信が行われた回数をカウントして、それをサービス開始情報に対応付けて記憶するように制御しても良い。例えば、ステップS206で記憶される作業特定情報は初めて記憶されるものであるので、カウントされる回数情報として「1回目」という情報が記憶される。
その後、制御部201は、ステップS207として、検出部209内の加速度センサ210を起動して、起動したときの携帯通信端末200の位置を基準位置として携帯通信端末200の3軸方向の加速度を位置情報として検出する。制御部201は、所定の周期(例えば、5m秒ごと)で検出を行い、検出されたこれらの位置情報は、その都度メモリ部205に記憶される。このとき、制御部201は、検出された位置情報を、ステップS206で記憶された作業内容特定情報に対応付けて記憶するよう制御する。
なお、ステップS207において、加速度センサ210は制御部201によって起動されているが、加速度センサ210が既に起動されている場合には、制御部201は、携帯通信端末200の3軸方向の加速度を検出する基準位置を初期化(リセット)する処理を行ってから、これら位置情報の検出を開始するようにする。
次に、制御部201は、ステップS208として、音声入力部を構成する音声処理部206及びマイクロホン208を起動する。すなわち、制御部201は、音声入力機能をONにして、サービス提供者による音声の入力の受付を開始する。音声入力部が起動されたのち、計時部219において時間の経過を測定し、音声入力部の起動後15秒が経過した場合には、制御部201は、音声入力部の起動を終了して、サービス提供者による音声の入力の受付を終了する(ステップS209)。音声入力部の起動を終了すると、制御部201は、入力された音声情報を、ステップS206で記憶された作業内容特定情報に対応付けて記憶するよう制御する(ステップS210)。
ステップS202で近距離通信処理部を起動して以降、携帯通信端末200の制御部201は、近距離無線通信の搬送波信号を送信する処理を繰り返す。その後、非接触ICタグからの情報の受信を受けて、その送信してきた非接触ICタグが作業タグ110〜150であるか否かを判断する(ステップS211)。作業タグであった場合には、ステップS212に進む一方で、作業タグでなかった場合には、図12のステップS241に進む。
次に、ステップS211で作業タグであると判断されると、ステップS212において、非接触ICタグから受信した作業内容特定情報及び対象特定情報とにもとづいて、制御部201は、前回情報を受信した作業タグ、すなわちステップS205において情報を受信した作業タグと同じか否かを判断する。そして、同じ作業タグであった場合には、図10のステップS221に進む一方、異なる作業タグであった場合には、図11のステップS231に進む。
制御部201は、ステップS212で前回情報を受信した作業タグと同じ作業タグであると判断すると、図10に記載の処理フローに移行する。まず、制御部201は、図9のステップ211に際して受信した対象特定情報に対応付けて、作業内容特定情報及び作業の提供場所情報を記憶するよう制御する(ステップS221)。
なお、このとき、制御部201は、計時部219で計測された時間情報をサービス開始情報に対応付けて記憶するように制御しても良い。また、制御部201は、開始タグ160と通信が行われた回数をカウントして、それをサービス開始情報に対応付けて記憶するような場合には、ステップS205において情報を受信した作業タグと同じであるので、作業内容特定情報に対応付けて「2回目」という回数情報を記憶するように制御しても良い。
次に、制御部201は、ステップS207で起動した加速度センサ210の起動を終了する(ステップS222)。なお、制御部201は、加速度センサ210の起動を終了するのではなく、単に加速度センサ210で検出する位置情報の記憶を終了するようにしても良い。
次に、制御部201は、ステップS223として、音声入力部を構成する音声処理部206及びマイクロホン208を起動する。すなわち、制御部201は、音声入力機能をONにして、サービス提供者による音声の入力の受付を開始する。音声入力部が起動されたのち、計時部219において時間の経過を測定し、音声入力部の起動後15秒が経過した場合には、制御部201は、音声入力部の起動を終了して、サービス提供者による音声の入力の受付を終了する(ステップS224)。音声入力部の起動を終了すると、制御部201は、入力された音声情報を、ステップS221で記憶された作業内容特定情報に対応付けて記憶するよう制御する(ステップS225)。
その後、携帯通信端末200の制御部201は、いずれかの非接触ICタグから情報を受信するまで所定の周期で搬送波信号を送信する処理を繰り返し、携帯通信端末200が作業タグ110〜150の内のいずれかとの間で近距離通信可能なエリア内に近づくと、図9のステップS205に戻る。
図11は、ステップS212において、制御部201が、前回情報を受信した作業タグと異なる作業タグであると判断した場合に行われる処理フローを示す。
まず、制御部201は、図9のステップ211に際して受信した対象特定情報に対応付けて、作業内容特定情報及び作業の提供場所情報を記憶するよう制御する(ステップS231)。なお、このとき、制御部201は、計時部219で計測された時間情報をサービス開始情報に対応付けて記憶するように制御しても良い。また、制御部201は、開始タグ160と通信が行われた回数をカウントして、それをサービス開始情報に対応付けて記憶するような場合には、ステップS205において情報を受信した作業タグと異なる作業タグであるので、作業内容特定情報に対応付けて「1回目」という回数情報を記憶するように制御しても良い。
次に、制御部201は、ステップS232として、ステップS207で起動した加速度センサ210で位置情報を検出する際の基準位置をリセット(初期化)する処理を行う。そして、制御部201は、リセット時の携帯通信端末200の位置を基準位置として、携帯通信端末200の3軸方向の加速度を位置情報として所定の周期(例えば、5m秒ごと)で検出し、随時ステップS231で記憶された作業内容特定情報に対応付けて、位置情報を記憶するよう制御する。
その後、制御部201は、図9のステップS208に記載された処理に移行する。
図12は、ステップS211において、作業タグでなかったと判断された場合の処理フローを示す。また、制御部201は、受信した情報に基づいて、その非接触ICタグが終了タグであるか否かを判断する(ステップS241)。終了タグであると判断された場合には、ステップS242に進む一方で、終了タグでないと判断された場合には、開始タグ160であるので、加速度センサの起動を終了して、図9のステップS204に移行する。
ステップ241で、制御部201が終了タグであると判断した場合には、制御部201は、作業履歴収集終了処理を行う。具体的には、制御部201は、図9のステップ211に際して受信した対象特定情報に対応付けて、サービスの終了を示すサービス終了情報を記憶するよう制御する(ステップS242)。なお、このとき、制御部201は、計時部219で計測された時間情報をサービス終了情報に対応付けて記憶するように制御しても良い。また、制御部201は、終了タグ170と通信が行われた回数をカウントして、それをサービス開始情報に対応付けて記憶するように制御しても良い。
その後、制御部201は、加速度センサ210の起動を終了する(ステップS243)。
次に、制御部201は、ステップS244として、音声入力部を構成する音声処理部206及びマイクロホン208を起動する。すなわち、制御部201は、音声入力機能をONにして、サービス提供者による音声の入力の受付を開始する。音声入力部が起動されたのち、計時部219において時間の経過を測定し、音声入力部の起動後15秒が経過した場合には、制御部201は、音声入力部の起動を終了して、サービス提供者による音声の入力の受付を終了する(ステップS245)。音声入力部の起動を終了すると、制御部201は、入力された音声情報を、ステップS242で記憶されたサービス終了情報に対応付けて記憶するよう制御する(ステップS246)。
そして、次に、制御部201は、所定の周期で搬送波信号を送信する処理を繰り返す。そして、ステップS247において、再度、携帯通信端末200が終了タグ170との間で近距離通信可能なエリア内に近づいて、終了タグ170からサービス終了情報と対象特定情報を受信すると、そのタイミングで、携帯通信端末200のメモリ部205内に記憶された作業内容特定情報や対象特定情報、サービス開始情報、サービス終了情報、提供場所情報、音声情報、時間情報、位置情報などを、サーバー装置300に送信するように、携帯無線通信処理部202及び無線通信アンテナ216を制御する(ステップS249)。一方、ステップS247において、終了タグ170からの情報の受信が検出されない場合には、ステップS241で終了タグ170から情報を受信してから所定時間(例えば60秒)経過したか否かを判定する(ステップS248)。そして、経過したと判定された場合には、そのタイミング(すなわち、ステップS241で終了タグ170から情報を受信してから所定時間経過したタイミング)で、携帯通信端末200のメモリ部205内に記憶された作業内容特定情報や対象特定情報、サービス開始情報、サービス終了情報、提供場所情報、音声情報、時間情報、位置情報などを、サーバー装置300に送信するように、携帯無線通信処理部202及び無線通信アンテナ216を制御する(ステップS249)。
なお、ステップS249では、再度終了タグ170に携帯通信端末200が近づいたと判断されたタイミング(ステップS247で「Yes」と判定された場合)、又は、ステップS241で終了タグ170から情報を受信してから所定時間(例えば60秒)経過したタイミング(ステップS247で「No」と判定され、S248で「Yes」と判定された場合)で各種情報をサーバー装置に送信しているが、送信するタイミングはこれに限られない。例えば、ステップS246で音声情報がメモリ部205に記憶されたタイミングでサーバー装置300に送信するようにしても良い。また、例えば、制御部201へ過剰な処理負担がかかるなどの事情が発生して本アプリケーションプログラムが強制終了してしまったような場合には、それまでメモリ部205内に記憶されていた情報を、強制終了したタイミングでサーバー装置300へ送信するようにしても良い。また、サーバー装置300に、メモリ部205内に記憶された作業履歴情報を送信した後は、メモリ容量を圧迫するのを回避するため、又は、送信後の作業履歴情報への不正アクセスや改ざんを防止するために、メモリ部205から消去するようにしても良い。
次に、制御部201は、メモリ部205内の記憶内容をサーバー装置300に転送すると、再度開始タグ160を検出するまで、所定の周期で搬送波信号を送信する処理を繰り返す。すなわち、ステップS203において、例えば次のサービス提供場所に訪問して、別の対象特定情報が記憶された開始タグ160を検出するなど、再度開始タグ160を検出し、その開始タグ160からサービス開始情報と対象特定情報を受信したか否かを判断する。
そして、制御部201は、ステップS203において、開始タグから情報を受信したと判断すると、ステップS204に移行する。一方で、ここで、まだ受信していないと判定すると、次に、ステップS250においてアプリケーションの終了を意味するコマンドの入力があったか否かを判断する。ここでその入力がないと判断した場合には、引き続き、ステップS203において、開始タグ160からの情報の受信を判断する。一方で、入力があったと判断した場合には、近距離通信部の起動の終了処理を含むアプリケーションの終了処理(ステップS251)を行って、一連の処理を終了する。
図9〜図12に記載した制御部201での処理フローからも明らかなように、サービス提供者は、自身が保持する携帯通信端末200が開始タグ160などの非接触ICタグと近距離通信が可能なエリア内に近づくと、自動的にその非接触ICタグから情報を受信する。また、加速度センサ210による位置情報の記憶や、音声処理部206及びマイクロホン208による音声情報の入力も、非接触ICタグから情報を受信したことをうけて、自動的にその処理が開始される。
従って、例えば、このような携帯通信端末200の操作に不慣れなサービス提供者に対して、煩雑な操作を強いることはなく、非接触ICタグに携帯通信端末200を近接させるという簡単な操作で必要な情報の入力が可能である。
また、このように入力された情報は作業履歴情報として、所定のタイミングでサーバー装置300に自動的に送信される。従って、サービス提供者による作業履歴情報の改ざんなどを防止することができ、公正な作業履歴管理が可能である。
また、このような処理を行う制御部201を含む携帯通信端末200として、一例としてはスマートフォンや携帯電話を適用することができる。一般的に、スマートフォンや携帯電話には、発売時から外部装置と通信するための携帯無線通信処理部202や、近距離通信処理部215、加速度センサ210が備えられているので、この処理専用の新たな端末の開発をする必要がない。
また、制御部201でこのような処理を行うためのアプリケーションプログラムをダウンロードもしくは記憶媒体を介して入手可能な場合には、スマートフォンや携帯電話であれば、既に所有しているスマートフォンや携帯電話に入手したプログラムを追加でインストールするだけで本実施形態を実施することが可能となる。
[表示部203に表示される表示画面の例]
図13は、いわゆるメニュー画面の例、及び、図9〜図12に記載した処理部201でアプリケーションを実行している際に、表示部203に表示される表示画面の例を示す。
図13(a)は、携帯通信端末200の表示部203に表示されたメニュー画面の例を示す。このメニュー画面が表示されている状態で、作業履歴管理システムを実行するアプリケーションに対応するアイコン251がサービス提供者によって選択されると、前記アプリケーションが起動し、図13(b)の表示画面に移行する。
図13(b)の表示画面では、一例として、「開始タグをタッチしてください。」と表示して、携帯通信端末200を所持するサービス提供者に、開始タグ160との間で近距離通信が可能なエリア内に近づくように促す。そして、携帯通信端末200が開始タグ160と近距離無線通信が可能なエリア内に近づいたと判断されると、図13(c)の表示画面に移行する。
図13(c)の表示画面では、一例として、開始タグ160から受信した対象特定情報とサービス開始情報に基づいて「ユーザX様訪問介護開始」という表示を行うとともに、サービス提供者に音声情報の入力を促すため「音声レポートを15秒以内で録音できます。」という表示を行う。
図13(d)の表示画面は、図13(c)の表示画面の表示後、音声情報の入力が終了した後の表示画面の例を示す。図13(d)の表示画面では、開始タグ160から受信した対象特定情報とサービス開始情報に基づいて「ユーザX様訪問介護開始」という表示を行うとともに、「作業タグをタッチしてください。」と表示して、携帯通信端末200を所持するサービス提供者に、作業タグ110〜150のいずれかとの間で近距離通信が可能なエリア内に近づくように促す。そして、携帯通信端末200が作業タグ110〜150のいずれかとの間で近距離無線通信が可能なエリア内に近づいたと判断されると、図13(e)の表示画面に移行する。
図13(e)の表示画面では、作業タグ110から1回目として受信した対象特定情報と作業内容特定情報とに基づいて、「ユーザX様排泄介助開始」という表示を行うと共に、サービス提供者に音声情報の入力を促すため「音声レポートを15秒以内で録音できます。」という表示を行う。
図13(f)の表示画面は、図13(e)の表示画面の表示後に、2回目として、携帯通信端末200が作業タグ110と近距離通信可能なエリア内に近づいた場合の表示画面の例を示す。図13(f)の表示画面では、作業タグ110から受信した作業内容特定情報及び対象特定情報に基づいて、「ユーザX様排泄介助終了」という表示が行われている。なお、このとき通信を行った作業タグ110は、前回通信を行った作業タグと同じであるので、自動的に作業の「終了」を示すものと判断して、「ユーザX様排泄介助終了」という表示を行っている。また、同時に、サービス提供者に音声情報の入力を促すため「音声レポートを15秒以内で録音できます。」という表示を行う。
図13(f)の表示画面の表示後は、例えば15秒以内に、携帯通信端末200が作業タグ110〜150と近距離通信可能なエリア内に近づかない場合には、再度、図13(d)の表示画面に移行する。そして、図13(f)の表示画面の表示後、15秒以内に、携帯通信端末200が作業タグ110〜150のいずれかとの間で近距離通信可能なエリア内に近づいた場合には、一例として、図13(g)の表示画面に移行する。
図13(g)の表示画面は、作業タグ120から1回目として受信した対象特定情報と作業内容特定情報とに基づいて、「ユーザX様食事介助開始」という表示を行うと共に、サービス提供者に音声情報の入力を促すため「音声レポートを15秒以内で録音できます。」という表示を行う。
なお、図13(h)の表示画面は、図13(f)の表示画面を経由して移行する場合を例示したが、これに限られない。例えば、図13(g)の表示画面を表示しているときに、前回通信を行った作業タグ110と異なる作業タグ120と通信を行った場合には、図13(f)の表示画面を経由することなく、図13(g)の表示画面に移行しても良い。
図13(h)は、図13(g)の表示画面の表示後に、2回目として、携帯通信端末200が作業タグ120と近距離通信可能なエリア内に近づいた場合の表示画面の例を示す。図13(g)の表示画面では、作業タグ120から受信した作業内容特定情報及び対象特定情報に基づいて、「ユーザX様排泄介助終了」という表示が行われている。なお、このとき通信を行った作業タグ120は、前回通信を行った作業タグと同じであるので、自動的に作業の「終了」を示すものと判断して、「ユーザX様排泄介助終了」という表示を行っている。また、同時に、サービス提供者に音声情報の入力を促すため「音声レポートを15秒以内で録音できます。」という表示を行う。
図13(h)の表示画面の表示後は、図13(f)の表示画面の表示後と同様に、例えば15秒以内に、携帯通信端末200が作業タグ110〜150と近距離通信可能なエリア内に近づかない場合には、再度、図13(d)の表示画面に移行する。そして、図13(f)の表示画面の表示後、15秒以内に、携帯通信端末200が作業タグ110〜150のいずれかと近距離通信可能なエリア内に近づいた場合には、その作業タグに対応する表示画面に移行する。
図13(i)は、図13(d)、(e)又は(g)の表示画面の表示時に、携帯通信端末200が終了タグ170と近距離通信が可能なエリア内に近づいた場合の表示画面の例を示す。図13(i)では、受信したサービス終了情報と対象特定情報に基づいて、「ユーザX様訪問介護終了」という表示を行うと共に、サービス提供者に音声情報の入力を促すため「音声レポートを15秒以内で録音できます。」という表示を行う。
図13(j)は、図13(i)の表示画面の表示後、音声情報の入力が終了した後の表示画面の例を示す。図13(j)の表示画面では、開始タグ160から受信した対象特定情報とサービス開始情報に基づいて「ユーザX様訪問介護開始」という表示を行うとともに、「確認後もう一度タッチしてください。」と表示して、サービス提供者に、終了タグ170と近距離通信が可能なエリア内に近づくように促す。そして、再度終了タグ170と通信が行われるか、又は、前回終了タグ170から情報を受信してから所定時間(例えば60秒)経過すると、携帯通信端末200は外部端末として機能するサーバー装置300にメモリ部205内に記憶した情報を送信する。
なお、図13(i)の表示画面は、終了タグ170と通信することによって移行する例を示したが、これに限られない。例えば、終了タグ170を用意せずに、同様の機能を開始タグ160に持たせ、携帯通信端末200と開始タグ170間で2回目の通信が行われたときに図13(i)の表示画面に移行するようにしても良い。また、図13(j)の表示画面の表示後、再度携帯通信端末200と終了タグ170間で通信が行われるか、又は、前回終了タグ170から情報を受信してから所定時間(例えば60秒)経過すると、サーバー装置300に情報が送信される例を示したが、これに限られない。例えば、前記同様、携帯通信端末200と開始タグ170間で3回目の通信が行われたときに送信するようにしても良い。
また、図13(a)〜(j)に記載の例では、各非接触ICタグ内に記憶されている対象特定情報が同一の場合を前提としているが、図13(d)〜(j)の表示画面の表示後に、非接触ICタグから異なる対象特定情報を受信すると、図13(c)の表示画面に戻って、例えば「ユーザY様訪問介護開始」及び「音声レポートを15秒以内で録音できます。」という表示を行っても良い。
また、音声情報の録音中は、例えば、残りの録音可能時間を表示画面上に表示するようにしても良い。
[携帯通信端末200のメモリ部205内の記憶情報]
図14は、図9〜図12の制御部201において実行される処理フローによってメモリ205内に作業履歴情報として記憶された情報を仮想的に示す図である。
まず、情報記憶部100内に記憶された対象特定情報に基づいて、図14に記載の例では、ユーザXに対応付けられた情報が蓄積して記憶されている。具体的には、その対象特定情報ごとに仮想的に分けられたメモリ部205のエリア内に、「時間情報領域271」、「サービス/作業内容領域272」、「提供場所領域273」、「音声情報領域274」、「位置情報領域275」がそれぞれ設けられている。
まず、開始タグ160からサービス開始情報と対象特定情報270として「ユーザX」という情報を受信すると、ユーザXに対して割り当てられたエリアにある「サービス/作業内容領域272」にサービス開始情報が記憶される。そして、このサービス開始情報に対応付けて、「時間情報領域271」に開始タグ160から情報を受信した時間情報が、「提供場所領域273」に開始タグ160の設置場所である提供場所情報が記憶される。
また、開始タグ160から情報の受信後に、サービス提供者の音声情報が入力された場合には、「サービス/作業内容領域272」内のサービス開始情報に対応付けて、「音声情報領域274」に音声情報のメモリ205内の物理アドレスがリンク先として記憶される。さらに、加速度センサ210によって位置情報を随時記憶している場合には、「サービス/作業内容領域272」内のサービス開始情報に対応付けて、加速度センサ210により位置情報の記憶を開始してから終了又はリセット(初期化)されるまでに蓄積された位置情報のメモリ205内の物理アドレスがリンク先として記憶される。
次に、作業タグ110から「排泄介助」という作業内容特定情報と「ユーザX」という対象特定情報270を受信すると、ユーザXに対して割り当てられたエリアにある「サービス/作業内容領域272」に「排泄介助」という作業内容特定情報と、作業タグ110から情報を受信した回数である「1回目」という情報が記憶される。そして、この作業内容特定情報に対応付けて、「時間情報領域271」に作業タグ110から情報を受信した時間情報が、「提供場所領域273」に作業タグ110の設置場所である提供場所情報が記憶される。
また、加速度センサ210によって位置情報を随時記憶している場合には、「サービス/作業内容領域272」内の作業特定情報に対応付けて、加速度センサ210により位置情報の記憶を開始してから終了又はリセット(初期化)されるまでに蓄積された位置情報のメモリ205内の物理アドレスがリンク先として記憶される。
なお、作業タグ110から1回目に情報を受信したときには、サービス提供者から音声情報は入力されなかったので、「音声情報領域274」には情報は記憶されていない。
次に、2回目として、作業タグ110から「排泄介助」という作業内容特定情報と「ユーザX」という対象特定情報270を受信すると、ユーザXに対して割り当てられたエリアにある「サービス/作業内容領域272」に「排泄介助」という作業内容特定情報と、作業タグ110から情報を受信した回数である「2回目」という情報が記憶される。そして、この作業内容特定情報に対応付けて、「時間情報領域271」に作業タグ110から情報を受信した時間情報が、「提供場所領域273」に作業タグ110の設置場所である提供場所情報が記憶される。
また、作業タグ110から情報の受信後に、サービス提供者の音声情報が入力された場合には、「サービス/作業内容領域272」内の作業特定情報に対応付けて、「音声情報領域274」に音声情報のメモリ205内の物理アドレスがリンク先として記憶される。さらに、加速度センサ210によって位置情報を随時記憶している場合には、「サービス/作業内容領域272」内の作業特定情報に対応付けて、加速度センサ210により位置情報の記憶を開始してから終了又はリセット(初期化)されるまでに蓄積された位置情報のメモリ205内の物理アドレスがリンク先として記憶される。
以下、同様に、作業タグ120〜150から情報を受信した場合には、受信した対象特定情報ごと、作業内容特定情報、回数情報及び提供場所情報を「サービス/作業内容領域272」、「提供場所領域273」に記憶する。また、それらの受信した情報を、作業内容特定情報に対応付けて、「時間情報領域271」に記憶する。さらに、入手した音声情報や位置情報に関連して、それらの物理アドレスであるリンク先の情報を、作業内容特定情報に対応付けえて、「音声情報領域274」、「位置情報領域275」に記憶する。
次に、終了タグ170からサービス終了情報と対象特定情報270として「ユーザX」という情報を受信すると、ユーザXに対して割り当てられたエリアにある「サービス/作業内容領域272」にサービス終了情報が記憶される。そして、このサービス終了情報に対応付けて、「時間情報領域271」に終了タグ170から情報を受信した時間情報が、「提供場所領域273」に終了タグ170の設置場所である提供場所情報が記憶される。
また、終了タグ170から情報の受信後に、サービス提供者の音声情報が入力された場合には、「サービス/作業内容領域272」内のサービス終了情報に対応付けて、「音声情報領域274」に音声情報のメモリ205内の物理アドレスがリンク先として記憶される。さらに、加速度センサ210によって位置情報を随時記憶している場合には、「サービス/作業内容領域272」内のサービス終了情報に対応付けて、加速度センサ210により位置情報の記憶を開始してから終了又はリセット(初期化)されるまでに蓄積された位置情報のメモリ205内の物理アドレスがリンク先として記憶される。
[サーバー装置300の外部メモリ部301内の記憶情報]
図15は、携帯通信端末200から受信され、サーバー装置300の外部メモリ部301内に記憶された作業履歴情報を仮想的に示す図である。
まず、携帯通信端末200から受信した対象特定情報に基づいて、図15に記載の例では、ユーザXに対応付けられた情報が蓄積して記憶されている。具体的には、外その対象特定情報ごとに仮想的に分けられたメモリ部301のエリア内に、「時間情報領域371」、「サービス/作業内容領域372」、「提供場所領域373」、「テキスト情報領域374」、「位置情報領域375」がそれぞれ設けられている。
そして、これらの領域のうち、「時間情報領域371」、「サービス/作業内容領域372」、「提供場所領域373」及び「位置情報領域375」には、図14で記載した「時間情報領域271」、「サービス/作業内容領域272」、「提供場所領域273」及び「位置情報領域275」に記憶された情報がそれぞれ記憶される。
また、サーバー装置300は、テキスト変換処理302を含む。つまり、携帯通信端末200から受信した音声情報は、テキスト変換処理部302によってテキスト情報に変換して外部メモリ部301内に記憶される。従って、外部メモリ部301内の「テキスト情報領域374」には、変換されたテキスト情報の外部メモリ部301内における物理アドレス情報がリンク先として、「サービス/作業内容領域272」に記憶された情報に対応付けて記憶されている。
なお、図15に例示した作業履歴情報は、携帯通信端末200から受信した対象特定情報ごとに設けられた仮想的なエリアに記憶される。従って、図15に示した例では、外部メモリ部301内に記憶された作業履歴情報のうち、対象特定情報として「ユーザX」に関連して記憶された作業履歴情報のみを示している。しかし、当然に、対象特定情報として「ユーザY」や、「ユーザZ」に対応する仮想的なエリアも外部メモリ部301内には存在しており、そのエリア内にも同様に、「時間情報領域371」、「サービス/作業内容領域372」、「提供場所領域373」、「テキスト情報領域374」、「位置情報領域375」がそれぞれ設けられ、各領域に対応する情報が記憶されている。
また、図15に示した例では、携帯通信端末200から受信した音声情報がテキスト情報に変換されて、テキスト情報のみが外部メモリ部301に蓄積される例を示したが、これに限られない。すなわち、受信した音声情報がテキスト変換処理後もそのまま外部メモリ部301内に記憶されていても良いし、作業内容特定情報に対応付けて、その音声情報への物理的なアドレス情報をリンク先として記憶するようにしても良い。
[管理者端末400のメモリ部409内の記憶情報]
図16は、サーバー装置300から受信され、管理者端末400のメモリ部409内に記憶された作業履歴情報を仮想的に示す図である。
まず、サーバー装置300から受信した対象特定情報に基づいて、図15に記載の例では、ユーザXに対応付けられた情報が蓄積して記憶されている。具体的には、その対象特定情報ごとに仮想的に分けられたメモリ部409のエリア内に、「時間情報領域471」、「サービス/作業内容領域472」、「提供場所領域473」、「テキスト情報領域474」、「位置情報領域475」がそれぞれ設けられている。
そして、これらの領域のうち、「時間情報領域471」、「サービス/作業内容領域472」、「提供場所領域473」及び「テキスト情報領域374」には、図15で記載した「時間情報領域371」、「サービス/作業内容領域372」、「提供場所領域373」及び「テキスト情報領域374」に記憶された情報がそれぞれ記憶される。
また、「位置情報領域475」には、加速度センサによって蓄積された位置情報に基づいて算出された携帯通信端末200の移動軌跡を示すイメージ情報のメモリ部409内における物理アドレスがリンク先として記憶されている。
なお、図16に例示した作業履歴情報は、サーバー装置300から受信した対象特定情報ごとに設けられた仮想的なエリアに記憶される。従って、図16に示した例では、メモリ部409内に記憶された作業履歴情報のうち、対象特定情報として「ユーザX」に関連して記憶された作業履歴情報のみを示している。しかし、当然に、対象特定情報として「ユーザY」や、「ユーザZ」に対応する仮想的なエリアもメモリ部409内には存在しており、そのエリア内にも同様に、「時間情報領域471」、「サービス/作業内容領域472」、「提供場所領域473」、「テキスト情報領域474」、「位置情報領域475」がそれぞれ設けられ、各領域に対応する情報が記憶されている。
[管理者端末400の制御部405における実績情報編集処理]
本実施形態においては、管理者端末400の制御部405は、実績情報編集処理を実施する。
この実績情報編集処理は、メモリ部409内に記憶された図16の作業履歴情報に基づいて、対象特定情報(介護の例では「被介護者」)ごとの報告書(介護の例では「介護日誌」)を作成する処理として実施されるものである。
図17は、一例として、その実績情報編集処理によって作成された介護日誌の表示画面の例を示す。管理者端末400の制御部405は、メモリ部409内から対象特定情報として「ユーザX」を抽出し、「ユーザX様介護日誌」という情報480を表示するよう制御する。次に、メモリ部409内でユーザXに関連して記憶されたサービス開始情報に対応付けて時間情報領域471に記憶された時間情報、及び、サービス終了情報に対応付けて時間情報領域471に記憶された時間情報からサービス提供の開始時刻と終了時刻を抽出し、「日時:2013.10.31 09:30開始 12:00終了」という情報481を表示するよう制御する。
そして、制御部405は、作業内容欄482に、メモリ部409内のサービス/作業内容領域472に記憶された「排泄介助」、「食事介助」などの作業内容特定情報を表示するように制御する。また、制御部405は、作業内容特定情報に対応付けてサービス/作業内容領域472に記憶された回数情報及び時間情報領域471に記憶された時間情報に基づいて、その作業タグから2回目に情報を受信した時間から1回目に情報を受信した時間を減算することで、その作業を提供するのに要した時間を算出し、所要時間欄483にその算出された時間を表示する。また、制御部405は、作業内容特定情報に対応付けて記憶された提供場所情報を、場所情報欄484に表示するように制御する。さらに、メモリ部409のテキスト情報領域474のリンク先に記憶されているテキスト情報を、備考欄485に表示するように制御する。
次に、制御部405は、サービス開始情報に対応付けて記憶されたテキスト情報領域474のリンク先に記憶されたテキスト情報に基づいて、開始時コメント欄486に情報を表示するように制御する。なお、図17の例では、サービス開始情報に対応付けられたテキスト情報が存在していないので、このような場合には「なし」と表示するように制御する。
また、制御部405は、サービス終了情報に対応付けて記憶されたテキスト情報領域474のリンク先に記憶されたテキスト情報に基づいて、終了時コメント欄487に情報を表示するように制御する。図17の例では、テキスト情報として、「少々風邪気味のようですが、熱もなくお元気そうでした。」と記憶されているので、終了時コメント欄487にその情報を表示する。
さらに、制御部405は、実績情報編集処理の一環として、作業内容特定情報に対応付けて位置情報領域475に記憶されたリンク先にある位置情報と、そのリンク先475に関連付けられた位置情報に基づいて、携帯通信端末200の相対的な移動軌跡を作成する。そして、さらに、作業内容特定情報に対応付けて記憶された提供場所領域473の提供場所情報に基づいて処理することで、その場所における移動軌跡を作成する。なお、位置情報は、携帯通信端末200の加速度センサ210から所定の周期で検出された携帯通信端末200の3軸方向の加速度を示す情報である。従って、移動軌跡は、既にある加速度センサからの出力値に基づく移動軌跡の算出方法のいずれかを適宜用いて算出すればよい。
図18は、実績情報編集処理の一環として、制御部405が作成した、携帯通信端末200の移動軌跡のイメージ図である。図18の例では、種々の方法で取得した被介護者の自宅の間取り図上に、非接触ICタグである作業タグ110〜150、開始タグ160、終了タグ160が配置された場所を特定したイメージ図を予め入手する。そしてその配置された場所を提供場所情報領域473に提供場所情報として、作業内容情報472に対応付けて記憶している。
制御部405は、携帯通信端末200から受信した位置情報に基づいて作成した移動軌跡情報を、サービス/作業内容領域472に対応付けて提供場所領域473に記憶された提供場所情報に基づいて、予め入手したイメージ図上に重ね合わせる処理を行うことで、図18に例示した移動軌跡のイメージ図を作成している。
図17に例示した介護日誌の表示画面においては、アイコン488を選択することで、図18に例示した移動軌跡のイメージ情報が表示されるようにしている。
制御部405は、実績情報編集処理の一環として作成した実績情報や報告書として表示するための表示情報、また、携帯通信端末200の移動軌跡を示すイメージ図を、メモリ部409に、対象特定情報に対応付けて記憶するように制御する。
なお、本実施形態では、制御部405は、実績情報編集処理として、報告書を作成する処理、作成した報告書を表示させる処理、また携帯通信端末200の移動軌跡を示すイメージ図を作成する処理を実施することを記載しているが、これに限られない。すなわち、当然、制御部405は、実績情報編集処理として、これらの処理のうち一部のみを実施するものであっても良い。
また、管理者端末400が備える操作部401を介して、実績情報編集処理の過程で、管理者が適宜コメントを追加したりしても良い。
このように、本実施形態に係る管理者端末400では、サーバー装置300から入手した作業履歴情報に基づいて、自動的に実績情報として報告書が作成される。従って、従来の管理者端末では、人手による作業履歴情報の集計作業や報告書の作成作業が行われていたのに対して、公正に作業履歴情報の管理が行え、効率的に報告書の作成が可能である。また、各作業の所要時間の集計も簡単に行うころができるので、例えば、この集計された所要時間を統計的に処理することで、各作業の標準的な所要時間を算出することも可能となる。
[管理者端末400の制御部405における実績情報修正処理]
本実施形態においては、管理者端末400の制御部405は、実績情報修正処理を実施する。
例えば、介護の現場においては、サービス提供者は様々な作業を被介護者に提供することが求められている。そのため、場合によっては、非接触ICタグの押し忘れなどが発生することが予想され、図19に例示するように、記憶されているべき作業内容特定情報やそれに対応付けて記憶された各情報が記憶されていないことが考えうる。また、サーバー装置300で行われるテキスト変換処理において、本来サービス提供者が意図していなかった文言に音声情報が変換されてしまうことが考えうる。そのような場合に、記憶されなかった情報を補完するために、制御部405は、実績情報修正処理を実施する。
例えば、図19に記載されている例のように、制御部405は、サービス/作業内容領域472に、「排泄介助」とそれに対応する「1回目」という回数情報が記憶されているにもかかわらず、2回目の「排泄介助」の情報が記憶されておらず、「食事介助」という異なる作業内容特定情報が続いて記憶されているような場合には、「排泄介助」の終了を意味する作業内容特定情報が欠落していると判断して、それを補完する処理を行う。具体的には、1回目として記憶された「排泄介助」及びそれに対応付けて記憶された位置情報を複製する処理を行い、新たに「排泄介助(2回目)」とそれに対応付けて場所情報を追加して記憶する。さらに、次の作業開始を示す「食事介助(1回目)」に対応付けて時間情報量領域471に記憶された時間情報を、「排泄介助(2回目)」の時間情報として記憶する。
なお、この「排泄介助(2回目)」に対応付けられたテキスト情報はメモリ409内には存在していないため、そのような場合には、管理者またはサービス提供者が管理者端末400の操作部401を介して、適宜入力するようにしてもよい。
図20は、この実績情報修正処理によって修正された実績情報に基づく報告書の例である。作業内容欄に表示された「排泄介助」に対応する所要時間欄491は、実績情報修正処理によって自動的に補完された時間情報に基づいて算出されている。また、備考欄492は、実績情報修正処理によって、管理者又はサービス提供者によって入力されたテキスト情報が表示されている。
なお、例えば、開始タグ160からの情報が受信されていないような場合には、作業タグ110〜150から最初に情報を受信した時間が、サービスの開始時間として修正して記憶される。また、終了タグ170からの情報が受信されていないような場合には、作業タグ110〜150から最後に情報を受信した時間が、サービス終了時間として修正して記憶される。
[その他の情報記憶部10の利用例]
本実施形態に係る作業履歴管理システムでは、非接触ICタグである作業タグに対して、1回目に携帯通信端末200が通信可能なエリア内に近づくと、作業タグから情報の受信を行い、その作業の開始であると判断し、受信した時間情報の記憶や、音声入力及び位置情報の取得を開始する。そして、同じ作業タグから2回目に情報を受信すると、その作業の終了であると判断する。
しかし、これに加えて、例えば、同じ作業タグから3回目に情報の受信を行った場合には、前の2回で入手した情報は誤りであったと判断して一旦削除し、改めて、3回目に受信した時間情報を作業の開始時間として記憶し、音声入力や位置情報の取得を開始するようにしても良い。
[その他の情報記憶部10及び近距離通信方式の例]
本実施形態に係る情報記憶部10は非接触ICタグであって、携帯通信端末200との通信は、数cmから数10cm程度の距離に近づくと自動的に通信が開始されるNFCを前提として説明したが、これに限られない。
NFCに代わる近距離通信方式としては、一例としてRFIDを利用した通信方式が挙げられ、情報記憶部10として機能するRFタグに対して、携帯通信端末200が1m〜数m程度の距離に近づくと、RFタグから情報を受信する。
また、そのほかの近距離通信方式としては、無線LANやBluetooth LEなどの通信方式も利用することができる。無線LANを利用する場合には宅内ルーターなどが、またBluetooth LEを利用する場合には、ビーコンと呼ばれる小型の端末が情報記憶部100としてそれぞれ機能し、携帯通信端末200がこれらの端末に対して数mから数100m程度の距離に近づくと、携帯通信端末200はそれらの端末から情報の受信を行う。なお、宅内ルーターやビーコンなどは、コンセントやボタン電池から電力の供給が可能であるので、携帯通信端末200から常時搬送波信号を送信する必要がない。
このように、RFIDや無線LAN、Bluetooth LEなど、より広範な範囲でデータの送受信が可能な近距離通信方式を適用した場合には、サービス提供者は、情報記憶部100に対して、わざわざ携帯通信端末200を近づけるという動作から開放されて、サービスの提供中に特段の意識をすることなく、情報記憶部100から情報の受信が可能となる。
[その他の検出部209の例]
本実施形態に係る携帯通信端末200は、消費電力が少ないという観点から、加速度センサ210によって位置情報を入手することとしているが、当然に、他のセンサを利用することも可能である。例えば、図3に具体的に記載したジャイロセンサ211やGPSセンサ212を利用して位置情報を入手することも可能である。
一方で、一般的にジャイロセンサは加速度センサと比較して消費電力が高い。そのような場合には、あえて作業履歴管理システムにおける位置情報の取得に際してジャイロセンサを使わないとすることも可能である。具体的には、図3に記載した携帯通信端末200からジャイロセンサ211そのものがない、つまりは、ジャイロセンサに相当するデバイスをもともと備えない携帯通信端末を用いることも可能である。また、例えば図3に記載した携帯通信端末200のように、携帯通信端末内にはジャイロセンサを備えているものの、本発明に係る作業履歴管理システムを実行するアプリケーションの使用においては、当該ジャイロセンサの機能を使わないようにすることも可能である。そうすることで、携帯通信端末の消費電力を抑えることができる。
[その他の携帯通信端末200の例]
本実施形態に係る携帯通信端末200は、一例として、スマートフォンや携帯電話を利用することが可能であるが、これに限定されない。すなわち、これらの端末以外にも、時計様のウェアラブルデバイスであるスマートウォッチのような端末も携帯通信端末200として利用することが可能である。また、スマートフォンや携帯電話のような汎用の通信端末ではなく、本作業履歴管理システムを実施するための専用の通信端末であっても良い。
[その他のサービスの例]
以上の作業履歴管理システムでは、サービスとして「介護」に適用した例に基づいて説明したが、本作業履歴管理システムは様々なものに適用可能である。一例としては、家事代行、酪農、警備、家庭教師派遣業などのサービスの例が挙げられる。
すなわち、家事代行サービスの例では、派遣される家政婦が本発明の携帯通信端末200を所持し、開始タグや終了タグに加えて、提供する作業の種類ごとに作業タグが配置されている。これらのタグ内には、作業特定情報として「洗濯代行」、「調理代行」、「掃除代行」などが、それらに対応付けて、そのサービスや作業の提供を受ける対象特定情報として家事代行サービスの利用者IDが記憶されている。
また、酪農サービスの例では、酪農に従事する作業者が本発明の携帯通信端末200を所持し、開始タグや終了タグに加えて、提供する作業の種類ごとに作業タグが配置されている。これらのタグ内には、作業特定情報として「餌やり」、「舎内清掃」、「牧草採取」などが、それらに対応付けて、対象特定情報としてそのサービス及び作業を提供する場所の情報(例えば、○○○農場)が記憶されている。
また、さらに別の酪農サービスの例では、酪農に従事する作業者が本発明の携帯通信端末200を所持し、開始タグや終了タグに加えて、放牧する牛などの家畜ごとに作業タグを取り付ける。そしてこの作業タグ内には、対象特定情報として各家畜の名前やID番号を記憶させ、それに対応付けて作業特定情報として「ビタミン補給」、「タンパク質補給」、「繊維質補給」など、与えるサプリメントに対応する作業内容を記憶させる。このような一連の作業タグを一セットとして、各牛ごとに保持させる。そして、例えば、その牛の放牧状況を随時監視することで足りない栄養源を推測し、作業員は足りない栄養源を補給するサプリメントを牛に与えるごとに、作業タグ内の情報を読み込ませる。
また、警備サービスの例では、警備に従事する警備員が本発明の携帯通信端末200を所持し、開始タグや終了タグに加えて、提供する作業の種類ごとに作業タグが配置されている。これらのタグ内には、作業特定情報として「ビル内見回り」、「警備室内モニターチェック」などが、それらに対応付けて、対象特定情報としてそのサービス及び作業を提供する場所の情報(例えば、○○○ビル)が記憶されている。
また、家庭教師派遣業の例では、生徒の自宅に派遣される教師が携帯通信端末200を所持し、開始タグ、終了タグ、作業タグには、対象特定情報として顧客である生徒の氏名が記憶されている。また、作業タグには、作業特定情報として科目名が、対象特定情報に対応付けて記憶されている。そして、これまでの例では、サービス提供場所や作業提供場所ごとにタグが配置されていたが、この家庭教師派遣業では、各科目で使用するテキストに対応する各作業タグを貼り付けて使用する。
[その他の外部端末の例]
また、上記作業履歴管理システムでは、外部端末をサーバー装置300と外部端末400とから構成される例を挙げたが、例えば、管理者端末400の未から構成することも可能である。このような場合には、管理者端末400内の処理部405において、テキスト変換処理が実施される。
また、例えば、外部端末を構成するサーバー装置300がテキスト変換処理部302を有していないような場合には、管理者端末400内の操作部401を介して、入力された音声情報を管理者自らが手入力することでテキストに変換し、これをテキスト情報としてメモリ部409に記憶するようにしても良い。
本明細書で説明される処理及び手順は、実施形態において明示的に説明されたものによってのみならず、ソフトウェア、ハードウェア又はこれらの組み合わせによっても実現可能なものである。具体的には、本明細書で説明された処理及び手順は、集積回路、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、磁気ディスク、光ストレージ等の媒体に、当該処理に相当するロジックを実装することによって実現される。また、本明細書で説明される処理及び手順は、それらの処理・手順をコンピュータプログラムとして実装し、各種のコンピュータに実行させることが可能である。
本明細書中で説明される処理及び手順が単一の装置、ソフトウェア、コンポーネント、モジュールによって実行される旨が説明されたとしても、そのような処理又は手順は、複数の装置、複数のソフトウェア、複数のコンポーネント、及び/又は、複数のモジュールによって実行されるものとすることができる。また、本明細書中で説明されるデータ、テーブル又はデータベースが単一のメモリに格納される旨説明されたとしても、そのようなデータ、テーブル又はデータベースは、単一の装置に備えられた複数のメモリ又は複数の装置に分散して配置された複数のメモリに分散して格納されるものとすることができる。さらに、本明細書において説明されるソフトウェアおよびハードウェアの要素は、それらをより少ない構成要素に統合して、又は、より多い構成要素に分解することによって実現されるものとすることができる。