JP2015169674A - パターン形成方法、エッチング方法、電子デバイスの製造方法、及び、電子デバイス - Google Patents

パターン形成方法、エッチング方法、電子デバイスの製造方法、及び、電子デバイス Download PDF

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Abstract

【課題】2つ以上の異なるパターンが異なる領域にレイアウトされたパターンを容易に形成できるパターン形成方法、及び、これを用いたエッチング方法、並びに、これを含む電子デバイスの製造方法、及び、この製造方法により製造された電子デバイスの提供。【解決手段】2つ以上の異なるパターンが異なる領域にレイアウトされたパターンを形成する、パターン形成方法であって、基板上の第1の領域に、第1のネガ型パターンを形成する工程、及び、上記基板上の上記第1の領域とは異なる第2の領域に、上記第1のネガ型パターンとは異なる第2のネガ型パターンを形成する工程、を有するパターン形成方法。【選択図】図1

Description

本発明は、パターン形成方法、及び、これを用いたエッチング方法、並びに、これを含む電子デバイスの製造方法、及び、この製造方法により製造された電子デバイスに関する。より詳細には、本発明は、IC等の半導体製造工程、液晶及びサーマルヘッド等の回路基板の製造、MEMSなどの製造工程、更にはその他のフォトファブリケーションのリソグラフィー工程に好適なパターン形成方法、及び、これを用いたエッチング方法に関する。特には、本発明は、波長が300nm以下の遠紫外線光を光源とするKrF、ArF露光装置及びArF液浸式投影露光装置での露光に好適なパターン形成方法、及び、これを用いたエッチング方法、並びに、これを含む電子デバイスの製造方法、及び、この製造方法により製造された電子デバイスに関する。
従来、高解像のトレンチパターン等を形成するため、種々の特性に優位性があり、かつ汎用性もあるポジ型の化学増幅型レジスト組成物と、有機溶剤を含有する現像液とを組み合わせたネガ型現像プロセス(ネガトーンイメージングプロセス)が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2008−292975号公報 国際公開2012/157433号公報
近年では、電子デバイスの多様化及び高機能化の要求に伴って、種々の形状の微細パターンをエッチング等により形成することが求められており、例えば、ホールパターンとラインパターンとが基板上の異なる領域にレイアウトされたようなレジストパターンや、孤立ラインパターンと密集ラインパターンの混在したレジストパターンなどを、容易に形成することが要求されている。
本発明は、以上の点を鑑みてなされたものであり、2つ以上の異なるパターンが異なる領域にレイアウトされたパターンを容易に形成できるパターン形成方法、及び、これを用いたエッチング方法、並びに、これを含む電子デバイスの製造方法、及び、この製造方法により製造された電子デバイスを提供することを目的とする。
本発明は、下記の構成であり、これにより本発明の上記課題が解決される。
〔1〕2つ以上の異なるパターンが異なる領域にレイアウトされたパターンを形成する、パターン形成方法であって、
(i)下記工程(i−1)、下記工程(i−2)及び下記工程(i−3)をこの順で行い、基板上の第1の領域に、第1のネガ型パターンを形成する工程、及び、
(i−1)上記基板上に、酸の作用により極性が増大して有機溶剤を含む現像液に対する溶解性が減少する樹脂を含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(1)を用いて第1の膜を形成する工程
(i−2)上記第1の膜を、上記第1の領域以外の領域を非露光部として露光する工程
(i−3)上記露光した第1の膜を、有機溶剤を含む現像液を用いて現像し、上記第1の領域に上記第1のネガ型パターンを形成する工程
(iii)下記工程(iii−1)、下記工程(iii−2)及び下記工程(iii−3)をこの順で行い、上記基板上の上記第1の領域とは異なる第2の領域に、上記第1のネガ型パターンとは異なる第2のネガ型パターンを形成する工程、
(iii−1)上記基板上に、酸の作用により極性が増大して有機溶剤を含む現像液に対する溶解性が減少する樹脂を含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(2)を用いて第2の膜を形成する工程
(iii−2)上記第2の膜を、上記第2の領域以外の領域を非露光部として露光する工程
(iii−3)上記露光した第2の膜を、有機溶剤を含む現像液を用いて現像し、上記第2の領域に上記第2のネガ型パターンを形成する工程
を有するパターン形成方法。
〔2〕上記工程(i)と上記工程(iii)との間に、加熱工程(ii)を更に有する、〔1〕に記載のパターン形成方法。
〔3〕上記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(1)と上記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(2)とが異なっている、〔1〕または〔2〕に記載のパターン形成方法。
〔4〕上記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(1)と上記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(2)とが同一である、〔1〕または〔2〕に記載のパターン形成方法。
〔5〕〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のパターン形成方法により形成されたパターンをマスクとして、上記基板に対してエッチング処理を行う、エッチング方法。
〔6〕〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法。
〔7〕〔6〕に記載の電子デバイスの製造方法により製造された電子デバイス。
本発明によれば、2つ以上の異なるパターンが異なる領域にレイアウトされたパターンを容易に形成できるパターン形成方法、及び、これを用いたエッチング方法、並びに、これを含む電子デバイスの製造方法、及び、この製造方法により製造された電子デバイスを提供できる。
図1(a)〜図1(f)は、それぞれ、本発明の一実施形態に係るパターン形成方法を説明するための概略断面図である。 図2は、基板10上の第1の領域A1に形成された第1のネガ型パターン51を示す平面図である。 図3は、基板10上の第1の領域A1に形成された第1のネガ型パターン51と、基板10上の第2の領域A2に形成された第2のネガ型パターン61とを示す平面図である。 図4は、本発明の別の実施形態を示す平面図である。 図5は、本発明の別の実施形態を示す平面図である。 図6は、本発明の別の実施形態を示す平面図である。 図7は、本発明のさらに別の実施形態を示す平面図である。 図8は、本発明のさらに別の実施形態を示す平面図である。 図9は、本発明のさらに別の実施形態を示す平面図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本明細書に於ける基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書中における「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線(EB)等を意味する。また、本発明において光とは、活性光線又は放射線を意味する。
また、本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線、X線、EUV光などによる露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線による描画も露光に含める。
<パターン形成方法、及び、エッチング方法>
以下に、本発明のパターン形成方法、及び、これを用いたエッチング方法について説明する。
まず、本発明のパターン形成方法は、2つ以上の異なるパターンが異なる領域にレイアウトされたパターンを形成する、パターン形成方法であって、
(i)下記工程(i−1)、下記工程(i−2)及び下記工程(i−3)をこの順で行い、基板上の第1の領域に、第1のネガ型パターンを形成する工程、及び、
(i−1)上記基板上に、酸の作用により極性が増大して有機溶剤を含む現像液に対する溶解性が減少する樹脂を含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(1)を用いて第1の膜を形成する工程
(i−2)上記第1の膜を、上記第1の領域以外の領域を非露光部として露光する工程
(i−3)上記露光した第1の膜を、有機溶剤を含む現像液を用いて現像し、上記第1の領域に上記第1のネガ型パターンを形成する工程
(iii)下記工程(iii−1)、下記工程(iii−2)及び下記工程(iii−3)をこの順で行い、上記基板上の上記第1の領域とは異なる第2の領域に、上記第1のネガ型パターンとは異なる第2のネガ型パターンを形成する工程、
(iii−1)上記基板上に、酸の作用により極性が増大して有機溶剤を含む現像液に対する溶解性が減少する樹脂を含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(2)を用いて第2の膜を形成する工程
(iii−2)上記第2の膜を、上記第2の領域以外の領域を非露光部として露光する工程
(iii−3)上記露光した第2の膜を、有機溶剤を含む現像液を用いて現像し、上記第2の領域に上記第2のネガ型パターンを形成する工程
をこの順序で有するパターン形成方法である。
本発明のパターン形成方法によれば、工程(i)で第1の領域に第1のネガ型パターンを形成した後に、工程(iii)で第1の領域とは異なる第2の領域に第2のネガ型パターンを形成するため、例えば、ホールパターン(第1のネガ型パターン)が第1の領域にレイアウトされ、かつ、ラインパターン(第2のネガ型パターン)が第2の領域にレイアウトされたような、2以上の異なるパターンが異なる領域にレイアウトされたレジストパターンを容易に形成できる。
なお、第1のネガ型パターン及び第2のネガ型パターンは、いずれも、レジスト膜部と、レジスト膜部が除去されて基板を露出させたスペース部とからなり、レジスト膜部及びスペース部の形状及びサイズは問わない。
例えば、スペース部としての円孔状のホール部が行方向及び列方向に等間隔に形成されたホールパターン、レジスト膜部としてのライン状のライン部と同じくライン状のスペース部とを有するラインアンドスペースパターン、ライン状のスペース部の面積よりもレジスト膜部の面積が大きい孤立スペースパターン等が挙げられる。
したがって、別の見方をすれば、第1のネガ型パターン及び第2のネガ型パターンは、個々のレジスト膜部(例えば1本のライン部)やスペース部のみを指すものではなく、個々のレジスト膜部又はスペース部の集合体であるともいえる。
もっとも、第1の領域と第2の領域とは基板上の互いに異なる領域であり、第1の領域に形成される第1のネガ型パターンと第2の領域に形成される第2のネガ型パターンとは重ならない。例えば、第1のネガ型パターンと第2のネガ型パターンとが両方ともにラインアンドスペースパターンである場合、第1のネガ型パターンにおけるスペース部に、第2のネガ型パターンのライン部は形成されない。
ところで、架橋剤を含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いてレジスト膜を形成し、露光後、未露光部をアルカリ現像液で溶解させることによりネガ型パターンを形成する方法においては、架橋体からなる露光部がアルカリ現像液によって膨潤しやすく、微細なパターンを形成するのが困難である場合がある。
これに対して、本発明においては、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(1)及び(2)に含まれる樹脂が、いずれも、酸の作用により極性が増大して有機溶剤を含む現像液(以下、単に、有機系現像液ともいう)に対する溶解性が減少する樹脂であり、露光部と未露光部との有機系現像液に対する溶解速度の差を利用して、ネガ型パターンを形成するため、微細なパターンであっても容易に形成できる。
<本発明の一実施形態>
次に、図1〜図3に基づいて、本発明の一実施形態に係るパターン形成方法について説明する。
図1(a)〜図1(f)は、それぞれ、本発明の一実施形態に係るパターン形成方法を説明するための概略断面図である。
図2は、基板10上の第1の領域A1に形成された第1のネガ型パターン51を示す平面図である。
図3は、基板10上の第1の領域A1に形成された第1のネガ型パターン51と、基板10上の第2の領域A2に形成された第2のネガ型パターン61とを示す平面図である。
<工程(i):第1のネガ型パターンの形成>
工程(i)では、まず、図1(a)〜図1(c)に示すように、下記工程(i−1)、下記工程(i−2)及び下記工程(i−3)をこの順で行い、基板10上の第1の領域A1に、例えば、行方向及び列方向に等間隔に配列された複数のホール部(スペース部)を有する第1のネガ型パターン51を形成する。
<工程(i−1):第1の膜の形成>
工程(i−1)は、図1(a)に示すように、基板10上に、酸の作用により極性が増大して有機溶剤を含む現像液に対する溶解性が減少する樹脂を含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(1)を用いてレジスト膜(第1の膜50)を形成する工程である。
工程(i−1)において、第1の膜50は、図1(a)に示すように基板10上の全領域に形成されてもよいし、第1の領域A1を含む一部の領域にのみ形成されてもよい。
基板は、特に限定されるものではなく、シリコン、SiN、SiOやSiN等の無機基板、SOG等の塗布系無機基板等、IC等の半導体製造工程、液晶、サーマルヘッド等の回路基板の製造工程、更にはその他のフォトファブリケーションのリソグラフィー工程で一般的に用いられる基板を用いることができる。更に、必要に応じて反射防止膜等の下層膜を第1の膜と基板の間に形成させてもよい。下層膜としては、有機反射防止膜、無機反射防止膜、その他適宜選択することができる。下層膜材料はブリューワーサイエンス社、日産化学工業株式会社等から入手可能である。有機溶剤を含む現像液を用いて現像するプロセスに好適な下層膜としては、例えば、WO2012/039337Aに記載の下層膜が挙げられる。
工程(i−1)において、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(1)を用いて第1の膜を形成する方法は、典型的には、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(1)を基板上に塗布することにより実施でき、塗布方法としては、従来公知のスピンコート法、スプレー法、ローラーコート法、浸漬法などを用いることができ、好ましくはスピンコート法により感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(1)を塗布する。
なお、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(1)については、後に詳述する。
第1の膜の膜厚は、20〜160nmであることが好ましく、50〜140nmであることがより好ましく、60〜120nmであることが更に好ましい。
<前加熱工程及び露光後加熱工程>
なお、本発明のパターン形成方法は、工程(i−1)と工程(i−2)との間に、前加熱工程(PB;Prebake)を含むことも好ましい。
また、本発明のパターン形成方法は、工程(i−2)と工程(i−3)との間に、露光後加熱工程(PEB;Post Exposure Bake)を含むことも好ましい。
加熱温度はPB、PEB共に70〜130℃で行うことが好ましく、80〜120℃で行うことがより好ましい。
加熱時間は30〜300秒が好ましく、30〜180秒がより好ましく、30〜90秒が更に好ましい。
加熱は通常の露光・現像機に備わっている手段で行うことができ、ホットプレート等を用いて行ってもよい。
ベークにより露光部の反応が促進され、感度やパターンプロファイルが改善する。
前加熱工程及び露光後加熱工程の少なくとも一方は、複数回の加熱工程を含んでいてもよい。
<工程(i−2):第1の膜の露光>
工程(i−2)は、図1(b)に示すように、第1の膜50を、第1の領域A1以外の領域(第2の領域A2を含む)を非露光部として、露光する工程である。
このとき、第1の膜50を形成する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(1)は、酸の作用により極性が増大して有機系現像液に対する溶解性が減少する樹脂のほか、後述するように、通常、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物を含有している。このため、第1の膜50の露光部(第1の領域A1)においては、酸が発生し、発生した酸の作用により極性が増大して有機系現像液に対する溶解性が減少する。こうして、後述する工程(i−3)において、有機系現像液を用いて現像した場合、第1の膜50の非露光部(第2の領域A2)が除去されて、露光部であった第1の領域A1に第1のネガ型パターン51が形成される。
もっとも、工程(i−2)は、第1の領域A1以外の領域のみを非露光部とする工程ではない。すなわち、本発明では、第1の領域A1に存在する第1の膜50にもスペース部を形成する(パターニングする)から、当然、第1の領域A1においても、スペース部に対応する箇所には非露光部は形成される。
工程(i−2)の露光において、露光装置に用いられる光源波長に制限は無いが、赤外光、可視光、紫外光、遠紫外光、極紫外光、X線、電子線等を挙げることができ、好ましくは250nm以下、より好ましくは220nm以下、特に好ましくは1〜200nmの波長の遠紫外光、具体的には、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、Fエキシマレーザー(157nm)、X線、EUV(13nm)、電子線等であり、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、EUV又は電子線が好ましい。
工程(i−2)は、複数回の露光工程を含んでいてもよい。
また、例えば、光源がKrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、又は、EUVである場合は、マスクを介して活性光線又は放射線を照射する(すなわち、露光する)ことが好ましい。
このとき、本実施の形態においては、例えば、図1(b)に示すように、マスクM1として、行方向及び列方向に等間隔に配列された複数のホール部を遮光部として有するホールパターンマスクを用いることができる。
もっとも、本発明において、工程(i−2)で用いるマスクは、これに限定されず、所望する第1のネガ型パターンの形状等に応じて適宜選択でき、例えば、遮光部としてのライン部と、光透過部としてのスペース部とを有するラインアンドスペースパターンを有するマスクであって、ライン部の幅とスペース部の幅の比が1:1のマスク等を用いることもできる。
また、工程(i−2)の露光においては液浸露光方法を適用できる。
液浸露光方法とは、解像力を高める技術として、投影レンズと試料との間に高屈折率の液体(以下、「液浸液」ともいう)で満たし露光する技術である。また、液浸露光は、位相シフト法、変形照明法などの超解像技術と組み合わせることが可能である。
液浸露光を行う場合には、(1)基板上に第1の膜を形成した後、露光する工程の前に、及び/又は(2)液浸液を介して第1の膜に露光する工程の後、第1の膜を加熱する工程の前に、第1の膜の表面を水系の薬液で洗浄する工程を実施してもよい。
液浸液は、露光波長に対して透明であり、かつ第1の膜上に投影される光学像の歪みを最小限に留めるよう、屈折率の温度係数ができる限り小さい液体が好ましい。入手の容易さ、取り扱いのし易さといった点から水を用いるのが好ましい。
水を用いる場合、水の表面張力を減少させるとともに、界面活性力を増大させる添加剤(液体)を僅かな割合で添加してもよい。この添加剤はウエハー上のレジスト層を溶解させず、かつレンズ素子の下面の光学コートに対する影響が無視できるものが好ましい。
このような添加剤としては、例えば、水とほぼ等しい屈折率を有する脂肪族系のアルコールが好ましく、具体的にはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。水とほぼ等しい屈折率を有するアルコールを添加することにより、水中のアルコール成分が蒸発して含有濃度が変化しても、液体全体としての屈折率変化を極めて小さくできるといった利点が得られる。
一方で、193nm光に対して不透明な物質や屈折率が水と大きく異なる不純物が混入した場合、レジスト上に投影される光学像の歪みを招くため、使用する水としては、蒸留水が好ましい。更にイオン交換フィルター等を通して濾過を行った純水を用いてもよい。
また、液浸液の屈折率を高めることにより、リソグラフィー性能を高めることが可能である。このような観点から、屈折率を高めるような添加剤を水に加えたり、水の代わりに重水(DO)を用いたりしてもよい。
感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(1)を用いて形成した第1の膜を、液浸媒体を介して露光する場合には、必要に応じて更に後述の疎水性樹脂(D)を添加することができる。疎水性樹脂(D)が添加されることにより、表面の後退接触角が向上する。第1の膜の後退接触角は60°〜90°が好ましく、更に好ましくは70°以上である。
液浸露光工程に於いては、露光ヘッドが高速でウエハー上をスキャンし露光パターンを形成していく動きに追随して、液浸液がウエハー上を動く必要があるので、動的な状態に於けるレジスト膜(第1の膜)に対する液浸液の接触角が重要になり、液滴が残存することなく、露光ヘッドの高速なスキャンに追随する性能がレジストには求められる。
感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(1)を用いて形成した第1の膜と液浸液との間には、膜を直接、液浸液に接触させないために、液浸液難溶性膜(以下、「トップコート」ともいう)を設けてもよい。トップコートに必要な機能としては、レジスト上層部への塗布適性、放射線、特に193nmの波長を有した放射線に対する透明性、及び液浸液難溶性が挙げられる。トップコートは、レジストと混合せず、更にレジスト上層に均一に塗布できることが好ましい。
トップコートは、193nmにおける透明性という観点からは、芳香族を含有しないポリマーが好ましい。
具体的には、炭化水素ポリマー、アクリル酸エステルポリマー、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリビニルエーテル、シリコン含有ポリマー、及びフッ素含有ポリマーなどが挙げられる。前述の疎水性樹脂(D)はトップコートとしても好適なものである。トップコートから液浸液へ不純物が溶出すると光学レンズが汚染されるため、トップコートに含まれるポリマーの残留モノマー成分は少ない方が好ましい。
トップコートを剥離する際は、現像液を使用してもよいし、別途剥離剤を使用してもよい。剥離剤としては、第1の膜への浸透が小さい溶剤が好ましい。剥離工程が第1の膜の現像処理工程と同時にできるという点では、アルカリ現像液により剥離できることが好ましい。アルカリ現像液で剥離するという観点からは、トップコートは酸性であることが好ましいが、第1の膜との非インターミクス性の観点から、中性であってもアルカリ性であってもよい。
トップコートと液浸液との間には屈折率の差がないか又は小さいことが好ましい。この場合、解像力を向上させることが可能となる。露光光源がArFエキシマレーザー(波長:193nm)の場合には、液浸液として水を用いることが好ましいため、ArF液浸露光用トップコートは、水の屈折率(1.44)に近いことが好ましい。また、透明性及び屈折率の観点から、トップコートは薄膜であることが好ましい。
トップコートは、第1の膜と混合せず、更に液浸液とも混合しないことが好ましい。この観点から、液浸液が水の場合には、トップコートに使用される溶剤は、本発明における樹脂組成物に使用される溶媒に難溶で、かつ非水溶性の媒体であることが好ましい。更に、液浸液が有機溶剤である場合には、トップコートは水溶性であっても非水溶性であってもよい。
また、工程(i−2)の露光における照明光源形状としては、通常照明のほか、例えば、二極照明、四極照明、輪帯照明、特殊変形照明などが挙げられ、所望するパターンに応じて、最適な照明光源形状を選択できる。
例えば、ホールパターン領域を含むパターンマスクを用いる場合には四極照明が好適に用いられ、ラインアンドスペースパターンを含むパターンマスクを用いる場合には二極照明が好適に用いられる。また、ホールパターンマスク又はラインアンドスペースパターンのいずれであっても、光透過部の面積が遮光部の面積よりも大きいパターンマスク(例えば、孤立スペースパターンが形成されるようなパターンマスク)を用いる場合には通常照明が好適に用いられる。
なお、本実施形態では、第1のネガ型パターンはホールパターンであるため、この場合、四極照明が好ましい。
<工程(i−3):第1の膜の現像>
工程(i−3)は、図1(c)に示すように、露光した第1の膜50を、有機溶剤を含む現像液を用いて現像し、第1の領域A1に第1のネガ型パターン51を形成する工程である。
上述したように、工程(i−2)では、第1の膜50の露光部は、有機溶剤を含む現像液に対する溶解性が減少している。このため、工程(i−3)においては、有機溶剤を含む現像液を用いて現像することで、第1の膜50の非露光部が除去されて、第1のネガ型パターン51が形成される。
本実施形態では、基板10上の第1の領域A1に、図1(c)および図2に示すように、ホールパターンである第1のネガ型パターン51が形成される。
工程(i−3)において、第1の膜を有機溶剤を含有する現像液を用いて現像してネガ型のパターンを形成する工程における当該現像液(以下、有機系現像液とも言う)としては、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤等の極性溶剤及び炭化水素系溶剤を用いることができる。
ケトン系溶剤としては、例えば、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、アセトン、2−ヘプタノン(メチルアミルケトン)、4−ヘプタノン、1−ヘキサノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、イオノン、ジアセトニルアルコール、アセチルカービノール、アセトフェノン、メチルナフチルケトン、イソホロン、プロピレンカーボネート等を挙げることができる。
エステル系溶剤としては、例えば、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、酢酸アミル、酢酸シクロヘキシル、イソ酪酸イソブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル等を挙げることができる。
アルコール系溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、n−ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコール、n−デカノール等のアルコールや、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール系溶剤や、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメチルブタノール等のグリコールエーテル系溶剤等を挙げることができる。
エーテル系溶剤としては、例えば、上記グリコールエーテル系溶剤の他、ジオキサン、テトラヒドロフラン、フェネトール、ジブチルエーテル等が挙げられる。
アミド系溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が使用できる。
炭化水素系溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
上記の溶剤は、複数混合してもよいし、上記以外の溶剤や水と混合し使用してもよい。但し、本発明の効果を十二分に奏するためには、現像液全体としての含水率が10質量%未満であることが好ましく、実質的に水分を含有しないことがより好ましい。
すなわち、有機系現像液に対する有機溶剤の使用量は、現像液の全量に対して、90質量%以上100質量%以下であることが好ましく、95質量%以上100質量%以下であることが好ましい。
特に、有機系現像液は、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤及びエーテル系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種類の有機溶剤を含有する現像液であるのが好ましい。
有機系現像液の蒸気圧は、20℃に於いて、5kPa以下が好ましく、3kPa以下が更に好ましく、2kPa以下が特に好ましい。有機系現像液の蒸気圧を5kPa以下にすることにより、現像液の基板上あるいは現像カップ内での蒸発が抑制され、ウエハー面内の温度均一性が向上し、結果としてウエハー面内の寸法均一性が良化する。
5kPa以下の蒸気圧を有する具体的な例としては、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、2−ヘプタノン(メチルアミルケトン)、4−ヘプタノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、酢酸アミル、酢酸シクロヘキシル、イソ酪酸イソブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル等のエステル系溶剤、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、n−ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコール、n−デカノール等のアルコール系溶剤、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール系溶剤や、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメチルブタノール等のグリコールエーテル系溶剤、テトラヒドロフラン、フェネトール、ジブチルエーテル等のエーテル系溶剤、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドのアミド系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
特に好ましい範囲である2kPa以下の蒸気圧を有する具体的な例としては、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、4−ヘプタノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン等のケトン系溶剤、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸シクロヘキシル、イソ酪酸イソブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル等のエステル系溶剤、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、n−ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコール、n−デカノール等のアルコール系溶剤、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール系溶剤や、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメチルブタノール等のグリコールエーテル系溶剤、フェネトール、ジブチルエーテル等のエーテル系溶剤、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドのアミド系溶剤、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
有機系現像液には、必要に応じて界面活性剤を適当量添加することができる。
界面活性剤としては特に限定されないが、例えば、イオン性や非イオン性のフッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤等を用いることができる。これらのフッ素及び/又はシリコン系界面活性剤として、例えば特開昭62−36663号公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同5294511号明細書、同5824451号明細書記載の界面活性剤を挙げることができ、好ましくは、非イオン性の界面活性剤である。非イオン性の界面活性剤としては特に限定されないが、フッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を用いることが更に好ましい。
界面活性剤の使用量は現像液の全量に対して、通常0.001〜5質量%、好ましくは0.005〜2質量%、更に好ましくは0.01〜0.5質量%である。
また、特許第5056974号公報の請求項に係る発明のように、有機系現像液に、含窒素化合物(アミン等)を添加した態様も、好ましく用いることができる。
<アルカリ現像工程>
また、本発明のパターン形成方法は、工程(i−2)と工程(i−3)との間、又は、工程(i−3)と工程(iii−1)との間(後述の工程(ii)を実施する場合には、工程(i−3)と工程(ii)との間)に、アルカリ現像液を用いて現像する工程を更に有していてもよい。
本発明のパターン形成方法が、アルカリ現像液を用いて現像する工程を更に有する場合、アルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピヘリジン等の環状アミン類等のアルカリ性水溶液を使用することができる。
更に、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。界面活性剤としては上記したものを挙げることができる。アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。
アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
特に、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38%質量の水溶液が望ましい。
現像方法としては、たとえば、現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液吐出ノズルをスキャンしながら現像液を吐出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)などを適用することができる。
上記各種の現像方法が、現像装置の現像ノズルから現像液をレジスト膜に向けて吐出する工程を含む場合、吐出される現像液の吐出圧(吐出される現像液の単位面積あたりの流速)は好ましくは2mL/sec/mm以下、より好ましくは1.5mL/sec/mm以下、更に好ましくは1mL/sec/mm以下である。流速の下限は特に無いが、スループットを考慮すると0.2mL/sec/mm以上が好ましい。
吐出される現像液の吐出圧を上記の範囲とすることにより、現像後のレジスト残渣に由来するパターンの欠陥を著しく低減することができる。これについては、特開2010−232550号公報に詳しい。
なお、現像液の吐出圧(mL/sec/mm)は、現像装置中の現像ノズル出口における値である。
現像液の吐出圧を調整する方法としては、例えば、ポンプなどで吐出圧を調整する方法や、加圧タンクからの供給で圧力を調整することで変える方法などを挙げることができる。
また、有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程の後に、他の溶媒に置換しながら、現像を停止する工程を実施してもよい。
<リンス工程>
本発明のパターン形成方法は、工程(i−3)と工程(iii−1)との間(後述の工程(ii)を実施する場合には、工程(i−3)と工程(ii)との間)、すなわち、有機溶剤を含有する現像液を用いて現像する工程の後に、有機溶剤を含有するリンス液を用いて洗浄する工程(リンス工程)を含むことが好ましい。
有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程の後のリンス工程に用いるリンス液としては、レジストパターンを溶解しなければ特に制限はなく、一般的な有機溶剤を含む溶液を使用することができる。上記リンス液としては、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤及びエーテル系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種類の有機溶剤を含有するリンス液を用いることが好ましい。
炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤及びエーテル系溶剤の具体例としては、有機溶剤を含む現像液において説明したものと同様のものを挙げることができる。
有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程の後に、より好ましくは、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種類の有機溶剤を含有するリンス液を用いて洗浄する工程を行い、更に好ましくは、アルコール系溶剤又はエステル系溶剤を含有するリンス液を用いて洗浄する工程を行い、特に好ましくは、1価アルコールを含有するリンス液を用いて洗浄する工程を行い、最も好ましくは、炭素数5以上の1価アルコールを含有するリンス液を用いて洗浄する工程を行う。
ここで、リンス工程で用いられる1価アルコールとしては、直鎖状、分岐状、環状の1価アルコールが挙げられ、具体的には、1−ブタノール、2−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、tert―ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、1−ヘキサノール、4−メチル−2−ペンタノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−ヘキサノール、シクロペンタノール、2−ヘプタノール、2−オクタノール、3−ヘキサノール、3−ヘプタノール、3−オクタノール、4−オクタノールなどを用いることができ、特に好ましい炭素数5以上の1価アルコールとしては、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、4−メチル−2−ペンタノール、1−ペンタノール、3−メチル−1−ブタノールなどを用いることができる。
上記各成分は、複数混合してもよいし、上記以外の有機溶剤と混合し使用してもよい。
リンス液中の含水率は、10質量%以下が好ましく、より好ましくは5質量%以下、特に好ましくは3質量%以下である。含水率を10質量%以下にすることで、良好な現像特性を得ることができる。
有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程の後に用いるリンス液の蒸気圧は、20℃に於いて0.05kPa以上、5kPa以下が好ましく、0.1kPa以上、5kPa以下が更に好ましく、0.12kPa以上、3kPa以下が最も好ましい。リンス液の蒸気圧を0.05kPa以上、5kPa以下にすることにより、ウエハー面内の温度均一性が向上し、更にはリンス液の浸透に起因した膨潤が抑制され、ウエハー面内の寸法均一性が良化する。
本発明のパターン形成方法が、アルカリ現像液を用いて現像する工程を更に有する場合も、リンス液を用いて洗浄する工程(リンス工程)を含むことが好ましい。この場合のリンス液としては、純水を使用し、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
上記したリンス工程における洗浄処理の方法は特に限定されないが、たとえば、一定速度で回転している基板上にリンス液を吐出しつづける方法(回転塗布法)、リンス液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面にリンス液を噴霧する方法(スプレー法)、などを適用することができ、この中でも回転塗布方法で洗浄処理を行い、洗浄後に基板を2000rpm〜4000rpmの回転数で回転させ、リンス液を基板上から除去することが好ましい。また、リンス工程の後に加熱工程(Post Bake)を含むことも好ましい。ベークによりパターン間及びパターン内部に残留した現像液及びリンス液が除去される。リンス工程の後の加熱工程は、通常40〜160℃、好ましくは70〜95℃で、通常10秒〜3分、好ましくは30秒から90秒間行う。
また、現像処理又はリンス処理の後に、パターン上に付着している現像液又はリンス液を超臨界流体により除去する処理を行うことができる。
<工程(ii):加熱工程>
工程(i−3)と、後に詳述する工程(iii−1)との間に、更に、加熱工程(ii)を実施してもよい。これにより、工程(i−3)において形成された第1のネガ型パターンの耐溶剤性をより向上でき、引き続く工程(iii−1)において、第1のネガ型のパターンの上に、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(2)からなる液を塗布しても、損傷を受けにくい第1のネガ型パターンに変換できる。
この加熱工程における温度は、150℃以上であることが好ましく、170℃以上であることがより好ましい。当該温度は、通常、240℃以下とされる。また、この加熱工程における加熱時間は、30〜120秒程度で行なわれる。加熱工程がこのような温度範囲および時間で行なわれることで、有機物の分解残渣などが揮発して、溶剤に対して不溶化すると考えられるため、好ましい。
なお、第1のネガ型パターン51は、酸の作用により極性が増大して有機溶剤を含む現像液に対する溶解性が減少された樹脂を含有し、充分な耐溶剤性を有するため、フリージング材の適用は必要ではないが、本発明は、第1のネガ型パターンに対して公知のフリージング材を適用することを排除するものではない。
<工程(iii):第2のネガ型パターンの形成>
次に、工程(iii)では、図1(d)〜図1(f)に示すように、下記工程(iii−1)、下記工程(iii−2)及び下記工程(iii−3)をこの順で行い、基板10上の第1の領域A1とは異なる第2の領域A2に、第1のネガ型パターン51とは異なる第2のネガ型パターン61を形成する。
<工程(iii−1):第2の膜の形成>
工程(iii−1)は、図1(d)に示すように、基板10上に、酸の作用により極性が増大して有機溶剤を含む現像液に対する溶解性が減少する樹脂を含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(2)を用いてレジスト膜(第2の膜60)を形成する工程である。
工程(iii−1)において、第2の膜60は、基板10上の第2の領域A2のみに形成されてもよいし、図1(d)に示すように、第1のネガ型パターン51のスペース部に形成されてもよい。
工程(iii−1)において、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(2)を用いて第2の膜を形成する方法は、上記工程(i−1)において感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(1)を用いて第1の膜を形成する方法と同様である。
感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(2)については、後に詳述する。
第2の膜の膜厚の好ましい範囲も、第1の膜の膜厚の好ましい範囲として記載したものと同様であるが、第2の膜の膜厚は、第1の膜の膜厚と同一であってもよく、異なっていてもよい。
<前加熱工程及び露光後加熱工程>
本発明のパターン形成方法は、工程(iii−1)と工程(iii−2)との間に、前加熱工程(PB;Prebake)を含むことも好ましい。
また、本発明のパターン形成方法は、工程(iii−2)と工程(iii−3)との間に、露光後加熱工程(PEB;Post Exposure Bake)を含むことも好ましい。加熱温度はPB、PEB共に70〜130℃で行うことが好ましく、80〜120℃で行うことがより好ましい。
加熱時間は30〜300秒が好ましく、30〜180秒がより好ましく、30〜90秒が更に好ましい。
加熱は通常の露光・現像機に備わっている手段で行うことができ、ホットプレート等を用いて行ってもよい。
ベークにより露光部の反応が促進され、感度やパターンプロファイルが改善する。
前加熱工程及び露光後加熱工程の少なくとも一方は、複数回の加熱工程を含んでいてもよい。
<工程(iii−2):第2の膜の露光>
工程(iii−2)は、図1(e)に示すように、第2の膜60を、第2の領域A2以外の領域を非露光部として露光する工程である。
このとき、第2の膜60を形成する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(2)は、酸の作用により極性が増大して有機系現像液に対する溶解性が減少する樹脂のほか、後述するように、通常、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物を含有している。このため、第2の膜60の露光部(第2の領域A2)においては、酸が発生し、発生した酸の作用により極性が増大して有機系現像液に対する溶解性が減少する。こうして、後述する工程(iii−3)において、有機系現像液を用いて現像した場合、第2の膜60の非露光部(第1のネガ型パターン51のスペース部に形成されている第2の膜60)が除去されて、露光部であった第2の領域A2に第2のネガ型パターン61が形成される。
もっとも、工程(iii−2)は、第2の領域A2以外の領域のみを非露光部とする工程ではない。すなわち、本発明では、第2の領域A2に存在する第2の膜60にもスペース部を形成するから、当然、第2の領域A2においても、スペース部に対応する箇所には非露光部は形成される。
工程(i−2)と同様に、例えば、光源がKrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、又は、EUVである場合は、図1(e)に示すように、マスクM2を介して活性光線又は放射線を照射する(すなわち、露光する)ことが好ましい。
工程(iii−2)のマスクM2におけるマスクパターンは、工程(i−2)で使用したマスクM1とは異なるものであれば特に限定されないが、本実施の形態においては、マスクM2として、遮光部としてのライン部と、光透過部としてのスペース部とを有し、光透過部の面積が遮光部の面積よりも大きいパターン(孤立トレンチパターン)を有するマスクを使用している。
もっとも、工程(i−2)で用いるマスクと同様に、工程(iii−2)のマスクについても、上記マスクに限定されるものではなく、所望する第2のネガ型パターンの形状等に応じて適宜選択できる。
工程(iii−2)における露光の方法は、工程(i−2)における露光で説明したものを同じく採用することができる。
また、工程(i−2)と同様に、工程(iii−2)の露光における照明光源形状としては、例えば、通常照明、二極照明、四極照明、輪帯照明、特殊変形照明などが挙げられ、所望するパターンに応じて、最適な照明光源形状を選択できる。
なお、本実施形態では、第2のネガ型パターンは孤立スペースパターンであるため、この場合、通常照明が好ましい。
<工程(iii−3):第2の膜の現像>
工程(iii−3)は、図1(f)に示すように、露光した第2の膜60を、有機溶剤を含む現像液を用いて現像し、第2の領域A2に第2のネガ型パターン61を形成する工程である。
なお、工程(iii−3)における有機系現像液は、工程(i−3)における有機系現像液において説明したものを同様に使用できる。
上述したように、工程(iii−2)では、第2の膜60の露光部は、有機系現像液に対する溶解性が減少している。このため、工程(iii−3)においては、有機系現像液を用いて現像することで、第2の膜60の非露光部が除去されて、第2のネガ型パターン61が形成される。
こうして、本実施形態では、図1(f)および図3に示すように、ホールパターンである第1のネガ型パターン51と孤立スペースパターンである第2のネガ型パターン61とが、基板10上の異なる領域に形成される。
なお、本発明のパターン形成方法により形成されるレジストパターンがこれに限定されないことはいうまでもない。
<アルカリ現像工程>
なお、本発明のパターン形成方法は、工程(iii−2)と工程(iii−3)との間、又は、工程(iii−3)の後に、アルカリ現像液を用いて現像する工程を更に有していてもよい。
アルカリ現像液を用いた現像は、工程(i−2)と工程(i−3)との間、又は、工程(i−3)と工程(iii−1)との間(工程(ii)を実施する場合には、工程(i−3)と工程(ii)との間)に実施してもよい、前述のアルカリ現像液を用いて現像する工程において説明したものを同様に使用できる。
工程(iii−3)、及び、工程(iii−3)の前後に実施され得るアルカリ現像液を用いて現像する工程における現像方法は、工程(i−3)において説明したものを同様に採用できる。
<リンス工程>
また、本発明のパターン形成方法は、工程(iii−3)の後、すなわち、有機溶剤を含有する現像液を用いて現像する工程の後に、有機溶剤を含有するリンス液を用いて洗浄する工程(リンス工程)を含むことが好ましい。この場合のリンス液としては、有機溶剤を含有する現像液を用いて現像する工程の後に有し得る、有機溶剤を含有するリンス液を用いて洗浄する工程(リンス工程)において説明したものを同様に使用できる。
また、本発明のパターン形成方法が、工程(iii−2)と工程(iii−3)との間、又は、工程(iii−3)の後に、アルカリ現像液を用いて現像する工程を更に有する場合、アルカリ現像液を用いて現像する工程の後に、リンス液を用いて洗浄する工程(リンス工程)を含むことが好ましい。この場合のリンス液としては、純水を使用し、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
これらのリンス工程における洗浄処理の方法は、前述のものを同様に挙げることができる。
<エッチング処理>
次いで、上記のようにして形成した、異なるパターンが異なる領域にレイアウトされたレジストパターン(第1のネガ型パターン51と第2のネガ型パターン61とからなるレジストパターン)をマスクとして、基板10に対してエッチング処理を行う。これにより、本実施の形態では、第1のネガ型パターン51のホール部と、第2のネガ型パターン61のスペース部とに対応する位置が穿孔された基板10が得られる(穿孔された基板10は図示せず)。
エッチング処理の方法は、特に限定されず、公知の方法をいずれも用いることができ、各種条件等は、基板の種類や用途等に応じて、適宜、決定される。例えば、国際光工学会紀要(Proc. of SPIE)Vol.6924,692420(2008)、特開2009−267112号公報等に準じて、エッチング処理を実施することもできる。
<変形例>
また、上述した本実施形態における第1のネガ型パターン及び/又は第2のネガ型パターンは、レジスト膜のパターニングを2回以上実施することにより形成されてもよい。
換言すれば、第1のネガ型パターンを形成する工程(i)が、上記工程(i−1)、上記工程(i−2)及び上記工程(i−3)をこの順で有するパターン形成工程を複数回含んでいてもよい。
同様に、第2のネガ型パターンを形成する工程(iii)が、上記工程(iii−1)、上記工程(iii−2)及び上記工程(iii−3)をこの順で有するパターン形成工程を複数回含んでいてもよい。
この場合、複数回のパターン形成工程において、連続する2回のパターン形成工程の間に、更に加熱工程を有してもよい。
以下、上記変形例について具体的に説明する。
まず、上記と同様の方法によって、工程(i−1)、工程(i−2)及び工程(i−3)をこの順で実施することにより、基板上に、第1のネガ型パターンとして、例えば、ライン幅とスペース幅とが1:3のラインアンドスペースパターンを形成する。
次いで、工程(i−1)、工程(i−2)及び工程(i−3)をこの順で実施することにより、第1のネガ型パターンとして、例えば、ライン幅とスペース幅とが1:3のラインアンドスペースパターンを形成する。
具体的には、後のパターン形成では、ラインアンドスペースパターンのライン部を、先のパターン形成工程で形成されたラインアンドスペースパターンのスペース部に、形成する。
その結果、基板上に、先のパターン形成工程で形成されたラインアンドスペースパターンと、後のパターン形成工程で形成されたラインアンドスペースパターンとから構成される、例えば、ライン幅とスペース幅とが1:1の第1のネガ型パターンが形成される。
次いで、加熱工程(いわゆる、フリージング工程)を実施してもよい。
<その他の実施形態>
上述した実施形態では、工程(i)で第1のネガ型パターンとしてホールパターンを形成し、工程(iii)で第2のネガ型パターンとしてラインパターンを形成したが、これとは反対に、工程(i)でラインパターンを形成し、工程(iii)でホールパターンをを形成してもよい。
そして、既述のとおり、第1のネガ型パターン及び第2のネガ型パターンは、上述したものに限定されない。
例えば、第1のネガ型パターンと第2のネガ型パターンとが両方ともにラインパターンであってもよく、第1のネガ型パターンのラインと第2のネガ型パターンのラインとが平行でなく、例えば垂直をなすようなパターンであってもよい(例えば、後述する図5及び図8を参照)。
また、第1のネガ型パターンと第2のネガ型パターンとが両方ともにホールパターンであって、かつ、第1のネガ型パターンと第2のネガ型パターンとで、互いに、ホール部の配列及びピッチの少なくとも一種が異なるパターンであってもよい。
また、上述した実施形態では、基板上の矩形領域の半分を第1の領域とし、残りの半分を第2の領域としたが、領域の分け方はこれに限定されるものではない。
図4〜図6は、本発明の別の実施形態を示す平面図である。図4〜図6においては、基板10上の矩形領域において、矩形の第1の領域A1が中央を占め、第1の領域A1を第2の領域A2が囲っている。
図4においては、第1のネガ型パターン51としてホールパターン(四極照明が好ましい)が形成され、第2のネガ型パターン61としてラインパターンである孤立スペースパターン(通常照明が好ましい)が形成されている。
図5においては、第1のネガ型パターン51としてラインパターンであるラインアンドスペースパターン(二極照明が好ましい)が形成され、第2のネガ型パターン61としてラインパターンである孤立スペースパターン(通常照明が好ましい)が形成されている。なお、図5では、第1のネガ型パターンのラインと第2のネガ型パターンのラインとは非平行で垂直をなしている。
図6においては、第1のネガ型パターン51としてラインパターンであるラインアンドスペースパターン(二極照明が好ましい)が形成され、第2のネガ型パターン61としてホールパターン(スペース部であるホール部が孤立している孤立スペースパターン)(通常照明が好ましい)が形成されている。
また、上述した実施形態では、異なる2つのパターンを異なる2つの領域に形成する態様を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、異なる3以上のパターンを異なる3以上の領域に形成するものであってもよい。
この場合、工程(iii)で第2のネガ型パターンを形成した段階で、これを工程(i)で第1のネガ型パターンを形成したものと考えれば、次いで、工程(iii)で第2のネガ型パターンを形成することで、異なる3つのパターンが異なる3つの領域に配置されたパターンを形成できる。
あるいは、本発明のパターン形成方法は、工程(i)及び工程(iii)の後に、工程(i)又は工程(iii)と同様の工程を、さらに1つ以上有していてもよいと考えることもできる。
図7〜図9は、本発明のさらに別の実施形態を示す平面図である。図7〜図9においては、異なる3つのパターンが異なる3つの領域に形成されており、具体的には、基板10上の矩形領域において、矩形の第1の領域A1が図中左下に配置され、第3の領域A3が図中上半分の中央を占め、残りが第2の領域A2となっている。
図7においては、第1のネガ型パターン51としてホールパターン(四極照明が好ましい)が形成され、第2のネガ型パターン61としてラインパターンである孤立スペースパターン(通常照明が好ましい)が形成され、第3のネガ型パターン71としてラインパターンであるラインアンドスペースパターン(二極照明が好ましい)が形成されている。
図8においては、第1のネガ型パターン51としてラインパターンであるラインアンドスペースパターン(二極照明が好ましい)が形成され、第2のネガ型パターン61としてホールパターン(スペース部であるホール部が孤立している孤立スペースパターン)(通常照明が好ましい)が形成され、第3のネガ型パターン71としてラインパターンであるラインアンドスペースパターン(二極照明が好ましい)が形成されている。なお、図8では、第1のネガ型パターンのラインと第3のネガ型パターンのラインとは非平行で垂直をなしている。
図9においては、第1のネガ型パターン51としてラインパターンであるラインアンドスペースパターン(二極照明が好ましい)が形成され、第2のネガ型パターン61としてホールパターン(スペース部であるホール部が孤立している孤立スペースパターン)(通常照明が好ましい)が形成され、第3のネガ型パターン71としてラインパターンである孤立スペースパターン(通常照明が好ましい)が形成されている。
以上、本発明のパターン形成方法及びエッチング方法を説明したが、本発明によれば、基板に対して異なるパターンが異なる領域にレイアウトされたパターンをエッチング等により形成することが可能である。
また、本発明のパターン形成方法によって得られたパターンを、特開平3−270227号公報および特開2013−164509号公報に開示されているような、スペーサープロセスの芯材(コア)に適用することも可能である。更に、DSA(Directed Self−Assembly)におけるガイドパターン形成(例えば、ACS Nano Vol.4 No.8 Page4815-4823参照)にも好適に用いることができる。その他、種々の用途への適用が可能である。
なお、本発明は、上述した本発明のパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法、及び、この製造方法により製造された電子デバイスにも関する。
製造された電子デバイスは、電気電子機器(家電、OA・メディア関連機器、光学用機器及び通信機器等)に、好適に、搭載されるものである。
<感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(1)>
次に、本発明のパターン形成方法で使用する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(1)(単に、「樹脂組成物(1)」ともいう)の各成分について説明する。
感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(1)は、典型的にはレジスト組成物であり、ネガ型のレジスト組成物(即ち、有機溶剤現像用のレジスト組成物)である。また、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(1)は、典型的には化学増幅型のレジスト組成物である。
[1]酸の作用により極性が増大して有機溶剤を含む現像液に対する溶解度が減少する樹脂
酸の作用により極性が増大して有機溶剤を含む現像液に対する溶解度が減少する樹脂としては、例えば、樹脂の主鎖又は側鎖、あるいは、主鎖及び側鎖の両方に、酸の作用により分解し、極性基を生じる基(以下、「酸分解性基」ともいう)を有する樹脂(以下、「酸分解性樹脂」又は「樹脂(A)」ともいう)を挙げることができる。
酸分解性基は、極性基を酸の作用により分解し脱離する基で保護された構造を有することが好ましい。好ましい極性基としては、カルボキシル基、フェノール性水酸基、アルコール性水酸基(アルコール性、とは、いわゆるフェノール性水酸基のようには酸性を示さない、ということである)、スルホン酸基が挙げられる。
酸分解性基として好ましい基は、これらの基の水素原子を酸で脱離する基で置換した基である。
酸で脱離する基としては、例えば、−C(R36)(R37)(R38)、−C(R36)(R37)(OR39)、−C(R01)(R02)(OR39)等を挙げることができる。
式中、R36〜R39は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基(単環または多環)、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。R36とR37とは、互いに結合して環を形成してもよい。
01及びR02は、各々独立に、水素原子、アルキル基(単環または多環)、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。
酸分解性基としては好ましくは、クミルエステル基、エノールエステル基、アセタールエステル基、第3級のアルキルエステル基等である。更に好ましくは、第3級アルキルエステル基である。また、本発明のパターン形成方法をKrF光またはEUV光による露光、あるいは電子線照射により行う場合、フェノール性水酸基を酸脱離基により保護した酸分解性基を用いることも好ましい。
樹脂(A)は、酸分解性基を有する繰り返し単位を有することが好ましい。
この繰り返し単位としては、たとえば以下が挙げられる。
一般式(aI)および(aI’)に於いて、
Xaは、水素原子、アルキル基、シアノ基又はハロゲン原子を表す。
Tは、単結合又は2価の連結基を表す。
Rx〜Rxは、それぞれ独立に、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。Rx〜Rxの2つが結合して環構造を形成してもよい。また、該環構造は、環中に酸素原子等のヘテロ原子を含有してもよい。
Tの2価の連結基としては、アルキレン基、−COO−Rt−基、−O−Rt−基、フェニレン基等が挙げられる。式中、Rtは、アルキレン基又はシクロアルキレン基を表す。
一般式(aI)中のTは、有機溶剤系現像液に対するレジストの不溶化の観点から、単結合又は−COO−Rt−基が好ましく、−COO−Rt−基がより好ましい。Rtは、炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、−CH−基、−(CH−基、−(CH−基がより好ましい。
一般式(aI’)中のTは、単結合が好ましい。
a1のアルキル基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、水酸基、ハロゲン原子(好ましくは、フッ素原子)が挙げられる。
a1のアルキル基は、炭素数1〜4のものが好ましく、メチル基であることが好ましい。
a1は、水素原子又はメチル基であることが好ましい。
Rx、Rx及びRxのアルキル基としては、直鎖状であっても、分岐状であってもよい。
Rx、Rx及びRxのシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの単環のシクロアルキル基、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が好ましい。
Rx、Rx及びRxの2つが結合して形成する環構造としては、シクロペンチル環、シクロヘキシル環などの単環のシクロアルカン環、ノルボルナン環、テトラシクロデカン環、テトラシクロドデカン環、アダマンタン環などの多環のシクロアルキル基が好ましい。炭素数5又は6の単環のシクロアルカン環が特に好ましい。
Rx、Rx及びRxは、各々独立に、アルキル基であることが好ましく、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基であることがより好ましい。
上記各基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、アルキル基(炭素数1〜4)、シクロアルキル基(炭素数3〜8)、ハロゲン原子、アルコキシ基(炭素数1〜4)、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(炭素数2〜6)などが挙げられ、炭素数8以下が好ましい。なかでも、酸分解前後での有機溶剤を含有する現像液に対する溶解コントラストをより向上させる観点から、酸素原子、窒素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を有さない置換基であることがより好ましく(例えば、水酸基で置換されたアルキル基などではないことがより好ましく)、水素原子及び炭素原子のみからなる基であることが更に好ましく、直鎖又は分岐のアルキル基、シクロアルキル基であることが特に好ましい。
酸分解性基を有する繰り返し単位の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
具体例中、Rxは、水素原子、CH、CF、又はCHOHを表す。Rxa、Rxbはそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基を表す。Xaは、水素原子、CH、CF、又はCHOHを表す。Zは、置換基を表し、複数存在する場合、複数のZは互いに同じであっても異なっていてもよい。pは0又は正の整数を表す。Zの具体例及び好ましい例は、Rx〜Rxなどの各基が有し得る置換基の具体例及び好ましい例と同様である。
下記具体例において、Xaは、水素原子、アルキル基、シアノ基又はハロゲン原子を表す。
下記具体例は、アルコール性水酸基を、酸の作用により分解し脱離する基で保護した構造を有する繰り返し単位である。具体例中、Xaは、水素原子、CH、CF、又はCHOHを表す。
酸分解性基を有する繰り返し単位は、1種類であってもよいし、2種以上を併用してもよい。2種併用する場合、その組合せは特に限定されず、例えば、(1)酸の作用により分解してカルボキシル基を発生する繰り返し単位と、酸の作用により分解してアルコール性推算基を発生する繰り返し単位との組合せ、(2)酸の作用により分解してカルボキシル基を発生する繰り返し単位と、酸の作用により分解してフェノール性水酸基を発生する繰り返し単位との組合せ、(3)酸の作用により分解してカルボキシル基を発生する繰り返し単位2種(互いに構造が異なる)の組合せ、などが考えられる。このうち、(3)の場合の好ましい組合せを参考までに例示する。
樹脂(A)に含まれる酸分解性基を有する繰り返し単位の含有量(酸分解性基を有する繰り返し単位が複数存在する場合はその合計)は、特に限定されないが、樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、下限としては15モル%以上であることが好ましく、20モル%以上であることがより好ましく、25モル%以上であることが更に好ましく、40モル%以上であることが特に好ましい。また、上限としては90モル%以下であることが好ましく、75モル%以下であることがより好ましく、65モル%以下であることがより好ましい。
樹脂(A)は、ラクトン構造又はスルトン構造を有する繰り返し単位を含有していてもよい。
以下にラクトン構造又はスルトン構造を有する基を有する繰り返し単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
2種以上のラクトン構造又はスルトン構造を有する繰り返し単位を併用することも可能である。
樹脂(A)がラクトン構造又はスルトン構造を有する繰り返し単位を含有する場合、ラクトン構造又はスルトン構造を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、5〜60モル%が好ましく、より好ましくは5〜55モル%、更に好ましくは10〜50モル%である。
また、樹脂(A)は、環状炭酸エステル構造を有する繰り返し単位を有していてもよい。如何に具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
なお、以下の具体例中のR は、水素原子又はアルキル基(好ましくはメチル基)を表す。
樹脂(A)が環状炭酸エステル構造を有する繰り返し単位を含有する場合、環状炭酸エステル構造を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、5〜60モル%が好ましく、より好ましくは5〜55モル%、更に好ましくは10〜50モル%である。
樹脂(A)は、水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位を有していてもよい。
水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
樹脂(A)が水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位を含有する場合、水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、3〜25モル%が好ましく、より好ましくは5〜15モル%である。
樹脂(A)は、酸基を有する繰り返し単位を有してもよい。
樹脂(A)は、酸基を有する繰り返し単位を含有してもしなくても良いが、含有する場合、酸基を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、25モル%以下であることが好ましく、20モル%以下であることがより好ましい。樹脂(A)が酸基を有する繰り返し単位を含有する場合、樹脂(A)における酸基を有する繰り返し単位の含有量は、通常、1モル%以上である。
酸基を有する繰り返し単位の具体例を以下に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
具体例中、RxはH、CH、CHOH又はCFを表す。
樹脂(A)は、更に極性基(例えば、前記酸基、ヒドロキシル基、シアノ基)を持たない脂環炭化水素構造及び/または芳香環構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位を有することができる。
この繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、1〜50モル%が好ましく、より好ましくは5〜50モル%、更に好ましくは5〜30モル%である。
極性基を持たない脂環炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。式中、Raは、H、CH、CHOH、又はCFを表す。
本発明における樹脂(A)の形態としては、ランダム型、ブロック型、クシ型、スター型のいずれの形態でもよい。樹脂(A)は、例えば、各構造に対応する不飽和モノマーのラジカル、カチオン、又はアニオン重合により合成することができる。また各構造の前駆体に相当する不飽和モノマーを用いて重合した後に、高分子反応を行うことにより目的とする樹脂を得ることも可能である。
樹脂組成物(1)が、ArF露光用であるとき、ArF光への透明性の点から樹脂組成物(1)に用いられる樹脂(A)は実質的には芳香環を有さない(具体的には、樹脂中、芳香族基を有する繰り返し単位の比率が好ましくは5モル%以下、より好ましくは3モル%以下、理想的には0モル%、すなわち、芳香族基を有さない)ことが好ましく、樹脂(A)は単環又は多環の脂環炭化水素構造を有することが好ましい。
樹脂組成物(1)が、後述する樹脂(D)を含んでいる場合、樹脂(A)は、樹脂(D)との相溶性の観点から、フッ素原子及びケイ素原子を含有しないことが好ましい。
樹脂組成物(1)に用いられる樹脂(A)として好ましくは、繰り返し単位のすべてが(メタ)アクリレート系繰り返し単位で構成されたものである。この場合、繰り返し単位のすべてがメタクリレート系繰り返し単位であるもの、繰り返し単位のすべてがアクリレート系繰り返し単位であるもの、繰り返し単位のすべてがメタクリレート系繰り返し単位とアクリレート系繰り返し単位とによるもののいずれのものでも用いることができるが、アクリレート系繰り返し単位が全繰り返し単位の50モル%以下であることが好ましい。
樹脂組成物(1)にKrFエキシマレーザー光、電子線、X線、波長50nm以下の高エネルギー光線(EUVなど)を照射する場合には、樹脂(A)は、芳香環を有する繰り返し単位を有してもよい。芳香環を有する繰り返し単位としては、特に限定されず、また、前述の各繰り返し単位に関する説明でも例示しているが、スチレン単位、ヒドロキシスチレン単位、フェニル(メタ)アクリレート単位、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート単位などが挙げられる。樹脂(A)としては、より具体的には、ヒドロキシスチレン系繰り返し単位と、酸分解性基によって保護されたヒドロキシスチレン系繰り返し単位とを有する樹脂、上記芳香環を有する繰り返し単位と、(メタ)アクリル酸のカルボン酸部位が酸分解性基によって保護された繰り返し単位を有する樹脂、などが挙げられる。なお、特にEUV露光の際は、一般に高感度が要求される為、樹脂(A)は、酸分解しやすい保護基を含有する繰り返し単位を含むことが好ましい。その繰り返し単位として具体的には、前述の酸で脱離する基として説明した構造のうち、−C(R36)(R37)(OR39)または−C(R01)(R02)(OR39)で表されるもの(俗にアセタール型保護基と言われる構造)が好ましく挙げられる。
本発明における樹脂(A)は、常法に従って(例えばラジカル重合)合成、及び精製することができる。この合成方法及び精製方法としては、例えば特開2008−292975号公報の0201段落〜0202段落等の記載を参照されたい。
本発明における樹脂(A)の重量平均分子量は、GPC法によりポリスチレン換算値として、上記のように7,000以上であり、好ましくは7,000〜200,000であり、より好ましくは7,000〜50,000、更により好ましくは7,000〜40,000,000、特に好ましくは7,000〜30,000である。重量平均分子量が7000より小さいと、有機系現像液に対する溶解性が高くなりすぎ、精密なパターンを形成できなくなる懸念が生じる。
分散度(分子量分布)は、通常1.0〜3.0であり、好ましくは1.0〜2.6、更に好ましくは1.0〜2.0、特に好ましくは1.4〜2.0の範囲のものが使用される。分子量分布の小さいものほど、解像度、レジスト形状が優れ、かつ、レジストパターンの側壁がスムーズであり、ラフネス性に優れる。
樹脂組成物(1)において、樹脂(A)の組成物全体中の配合率は、全固形分中30〜99質量%が好ましく、より好ましくは60〜95質量%である。
樹脂(A)は、1種で使用してもよいし、複数併用してもよい。
以下、樹脂(A)の具体例(繰り返し単位の組成比はモル比である)を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下では、後述する、酸発生剤(B)に対応する構造が樹脂(A)に担持されている場合の態様も例示している。
以下に例示する樹脂は、特に、EUV露光または電子線露光の際に、好適に用いることができる樹脂の例である。
[2]活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物
樹脂組成物(1)は、通常、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(以下、「化合物(B)」又は「酸発生剤」ともいう)を含有する。活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(B)としては、活性光線又は放射線の照射により有機酸を発生する化合物であることが好ましい。
酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
たとえば、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、イミドスルホネート、オキシムスルホネート、ジアゾジスルホン、ジスルホン、o−ニトロベンジルスルホネートを挙げることができる。
酸発生剤の中で、特に好ましい例を以下に挙げる。
酸発生剤は、公知の方法で合成することができ、例えば、特開2007−161707号公報、特開2010−100595号公報の[0200]〜[0210]、国際公開第2011/093280号の[0051]〜[0058]、国際公開第2008/153110号の[0382]〜[0385]、特開2007−161707号公報等に記載の方法に準じて合成することができる。
酸発生剤は、1種類単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物の組成物中の含有率は、樹脂組成物(1)の全固形分を基準として、0.1〜30質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜25質量%、更に好ましくは3〜20質量%、特に好ましくは3〜15質量%である。
なお、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物によっては、酸発生剤に対応する構造が、上記樹脂(A)に担持されている態様(B´)もある。このような態様として具体的には、特開2011−248019号公報に記載の構造(特に、段落0164から段落0191に記載の構造、段落0555の実施例で記載されている樹脂に含まれる構造)、特開2013−80002号公報の段落0023〜段落0210に説明されている繰り返し単位(R)などが挙げられ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。ちなみに、酸発生剤に対応する構造が、前記樹脂(A)に担持されている態様であっても、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、追加的に、前記樹脂(A)に担持されていない酸発生剤を含んでもよい。
態様(B´)として、以下のような繰り返し単位が挙げられるが、これに限定されるものではない。
[3]溶剤
樹脂組成物(1)は、通常、溶剤を含有する。
樹脂組成物(1)を調製する際に使用することができる溶剤としては、例えば、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキルエステル、アルコキシプロピオン酸アルキル、環状ラクトン(好ましくは炭素数4〜10)、環を有しても良いモノケトン化合物(好ましくは炭素数4〜10)、アルキレンカーボネート、アルコキシ酢酸アルキル、ピルビン酸アルキル等の有機溶剤を挙げることができる。
これらの溶剤の具体例は、米国特許出願公開2008/0187860号明細書[0441]〜[0455]に記載のものを挙げることができる。
本発明においては、複数種の有機溶剤を混合して用いてもよい。
例えば、有機溶剤として構造中に水酸基を含有する溶剤と、水酸基を含有しない溶剤とを混合した混合溶剤を使用してもよい。水酸基を含有する溶剤、水酸基を含有しない溶剤としては前述の例示化合物が適宜選択可能であるが、水酸基を含有する溶剤としては、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキル等が好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME、別名1−メトキシ−2−プロパノール)、乳酸エチルがより好ましい。また、水酸基を含有しない溶剤としては、アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、アルキルアルコキシプロピオネート、環を含有しても良いモノケトン化合物、環状ラクトン、酢酸アルキルなどが好ましく、これらの内でもプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA、別名1−メトキシ−2−アセトキシプロパン)、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチルが特に好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノンが最も好ましい。
また、構造中に水酸基を含有しない有機溶剤同士の併用などももちろん可能である。この組み合わせとしては、PGMEAとシクロヘキサノン、PGMEAとシクロペンタノン、PGMEAとγ−ブチロラクトン、PGMEAと2−ヘプタノン、などが挙げられる。
例えば溶剤を2種用いる場合、その混合比(質量)は、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、更に好ましくは20/80〜60/40である。
溶剤は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含むことが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート単独溶媒、又は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含有する2種類以上の混合溶剤であることが好ましい。
なお、γ−ブチロラクトンなどの、比較的高沸点の溶剤を適量用いると、後述する疎水性樹脂(D)の性能がより表面に偏在し、液浸露光に対する性能が向上することが期待できる。
更に、溶剤は3種以上用いてもよい。これにより微妙なレジスト形状調整、粘度の調整などを行うこともある。組み合わせとしては、PGMEA・PGME・γ−ブチロラクトン、PGMEA・PGME・シクロヘキサノン、PGMEA・PGME・2−ヘプタノン、PGMEA・シクロヘキサノン・γ−ブチロラクトン、PGMEA・γ−ブチロラクトン・2−ヘプタノン、等が挙げられる。
[4]疎水性樹脂(D)
樹脂組成物(1)は、特に液浸露光に適用する際、疎水性樹脂(以下、「疎水性樹脂(D)」又は単に「樹脂(D)」ともいう)を含有してもよい。なお、疎水性樹脂(D)は、前記樹脂(A)とは異なることが好ましい。
これにより、膜表層に疎水性樹脂(D)が偏在化し、液浸媒体が水の場合、水に対するレジスト膜表面の静的/動的な接触角を向上させ、液浸液追随性を向上させることができる。
なお、疎水性樹脂は、組成物を液浸露光に適用しない場合であっても種々の目的で含んでいてもよい。例えば、組成物をEUV露光に適用する際は、アウトガス抑制、パターンの形状調整などを期待して疎水性樹脂を用いることも好ましい。
疎水性樹脂(D)は前述のように界面に偏在するように設計されることが好ましいが、界面活性剤とは異なり、必ずしも分子内に親水基を有する必要はなく、極性/非極性物質を均一に混合することに寄与しなくても良い。
疎水性樹脂(D)は、膜表層への偏在化の観点から、“フッ素原子”、“珪素原子”、及び、“樹脂の側鎖部分に含有されたCH部分構造”のいずれか1種以上を有することが好ましく、2種以上を有することがさらに好ましい。
疎水性樹脂(D)の標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜100,000で、より好ましくは1,000〜50,000、更により好ましくは2,000〜15,000である。
また、疎水性樹脂(D)は、1種で使用してもよいし、複数併用してもよい。
疎水性樹脂(D)の組成物中の含有量は、樹脂組成物(1)中の全固形分に対し、0.01〜10質量%が好ましく、0.05〜8質量%がより好ましく、0.1〜7質量%が更に好ましい。
疎水性樹脂(D)は、樹脂(A)同様、金属等の不純物が少ないのは当然のことながら、残留単量体やオリゴマー成分が0.01〜5質量%であることが好ましく、より好ましくは0.01〜3質量%、0.05〜1質量%が更により好ましい。それにより、液中異物や感度等の経時変化のない化学増幅型レジスト組成物が得られる。また、解像度、レジスト形状、レジストパターンの側壁、ラフネスなどの点から、分子量分布(Mw/Mn、分散度ともいう)は、1〜5の範囲が好ましく、より好ましくは1〜3、更に好ましくは1〜2の範囲である。
疎水性樹脂(D)は、各種市販品を利用することもできるし、常法に従って(例えばラジカル重合)合成することができる。例えば、一般的合成方法としては、モノマー種及び開始剤を溶剤に溶解させ、加熱することにより重合を行う一括重合法、加熱溶剤にモノマー種と開始剤の溶液を1〜10時間かけて滴下して加える滴下重合法などが挙げられ、滴下重合法が好ましい。
反応溶媒、重合開始剤、反応条件(温度、濃度等)、及び、反応後の精製方法は、樹脂(A)で説明した内容と同様であるが、疎水性樹脂(D)の合成においては、反応の濃度が30〜50質量%であることが好ましい。より詳細には、特開2008−292975号公報の0320段落〜0329段落付近の記載を参照されたい。
以下に疎水性樹脂(D)の具体例を示す。また、下記表に、各樹脂における繰り返し単位のモル比(各繰り返し単位と左から順に対応)、重量平均分子量、分散度を示す。
[5]塩基性化合物
樹脂組成物(1)は、塩基性化合物を含有することが好ましい。
(1)樹脂組成物(1)は、一形態において、塩基性化合物として、活性光線又は放射線の照射により塩基性が低下する、塩基性化合物又はアンモニウム塩化合物(以下、「化合物(N)」ともいう)を含有することが好ましい。
化合物(N)は、塩基性官能基又はアンモニウム基と、活性光線又は放射線の照射により酸性官能基を発生する基とを有する化合物(N−1)であることが好ましい。すなわち、化合物(N)は、塩基性官能基と活性光線若しくは放射線の照射により酸性官能基を発生する基とを有する塩基性化合物、又は、アンモニウム基と活性光線若しくは放射線の照射により酸性官能基を発生する基とを有するアンモニウム塩化合物であることが好ましい。
化合物(N)の具体例としては、例えば下記を挙げることができる。また、下記に挙げる化合物以外にも、化合物(N)として、例えば、米国特許出願公開第2010/0233629号明細書に記載の(A−1)〜(A−44)の化合物や、米国特許出願公開第2012/0156617号明細書に記載の(A−1)〜(A−23)の化合物も本発明において好ましく使用することができる。
これらの化合物は、特開2006−330098号公報に記載の合成例などに準じて合成することができる。
化合物(N)の分子量は、500〜1000であることが好ましい。
樹脂組成物(1)は、化合物(N)を含有してもしていなくてもよいが、含有する場合、化合物(N)の含有率は、該組成物の固形分を基準として、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜10質量%である。
(2)樹脂組成物(1)は、他の形態において、露光から加熱までの経時による性能変化を低減するために、塩基性化合物として、前記化合物(N)とは異なる、塩基性化合物(N’)を含有していてもよい。
塩基性化合物(N’)としては、好ましくは、下記式(A’)〜(E’)で示される構造を有する化合物を挙げることができる。
一般式(A’)と(E’)において、
RA200、RA201及びRA202は、同一でも異なってもよく、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)又はアリール基(炭素数6〜20)を表し、ここで、RA201とRA202は、互いに結合して環を形成してもよい。RA203、RA204、RA205及びRA206は、同一でも異なってもよく、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)を表す。
上記アルキル基は、置換基を有していてもよく、置換基を有するアルキル基としては、炭素数1〜20のアミノアルキル基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基又は炭素数1〜20のシアノアルキル基が好ましい。
これら一般式(A’)と(E’)中のアルキル基は、無置換であることがより好ましい。
塩基性化合物(N’)の好ましい具体例としては、グアニジン、アミノピロリジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピペラジン、アミノモルホリン、アミノアルキルモルフォリン、ピペリジン等を挙げることができ、更に好ましい具体例としては、イミダゾール構造、ジアザビシクロ構造、オニウムヒドロキシド構造、オニウムカルボキシレート構造、トリアルキルアミン構造、アニリン構造又はピリジン構造を有する化合物、水酸基及び/又はエーテル結合を有するアルキルアミン誘導体、水酸基及び/又はエーテル結合を有するアニリン誘導体等を挙げることができる。
イミダゾール構造を有する化合物としては、イミダゾール、2、4、5−トリフェニルイミダゾール、ベンズイミダゾール等が挙げられる。ジアザビシクロ構造を有する化合物としては、1、4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1、5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノナ−5−エン、1、8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカー7−エン等が挙げられる。オニウムヒドロキシド構造を有する化合物としては、トリアリールスルホニウムヒドロキシド、フェナシルスルホニウムヒドロキシド、2−オキソアルキル基を有するスルホニウムヒドロキシド、具体的にはトリフェニルスルホニウムヒドロキシド、トリス(t−ブチルフェニル)スルホニウムヒドロキシド、ビス(t−ブチルフェニル)ヨードニウムヒドロキシド、フェナシルチオフェニウムヒドロキシド、2−オキソプロピルチオフェニウムヒドロキシド等が挙げられる。オニウムカルボキシレート構造を有する化合物としては、オニウムヒドロキシド構造を有する化合物のアニオン部がカルボキシレートになったものであり、例えばアセテート、アダマンタンー1−カルボキシレート、パーフロロアルキルカルボキシレート等が挙げられる。トリアルキルアミン構造を有する化合物としては、トリ(n−ブチル)アミン、トリ(n−オクチル)アミン等を挙げることができる。アニリン構造を有する化合物としては、2,6−ジイソプロピルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジブチルアニリン、N,N−ジヘキシルアニリン等を挙げることができる。水酸基及び/又はエーテル結合を有するアルキルアミン誘導体としては、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリス(メトキシエトキシエチル)アミン等を挙げることができる。水酸基及び/又はエーテル結合を有するアニリン誘導体としては、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アニリン等を挙げることができる。
好ましい塩基性化合物として、更に、フェノキシ基を有するアミン化合物、フェノキシ基を有するアンモニウム塩化合物、スルホン酸エステル基を有するアミン化合物及びスルホン酸エステル基を有するアンモニウム塩化合物を挙げることができる。この具体例としては、米国特許出願公開第2007/0224539号明細書の[0066]に例示されている化合物(C1−1)〜(C3−3)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(3)樹脂組成物(1)は、他の形態において、塩基性化合物の1種として、酸の作用により脱離する基を有する含窒素有機化合物を含有していてもよい。この化合物の例として、例えば、化合物の具体例を以下に示す。
上記化合物は、例えば、特開2009−199021号公報に記載の方法に準じて合成することができる。
また、塩基性化合物(N’)としては、アミンオキシド構造を有する化合物も用いることもできる。この化合物の具体例としては、トリエチルアミンピリジン N−オキシド、トリブチルアミン N−オキシド、トリエタノールアミン N−オキシド、トリス(メトキシエチル)アミン N−オキシド、トリス(2−(メトキシメトキシ)エチル)アミン=オキシド、2,2’,2”−ニトリロトリエチルプロピオネート N−オキシド、N−2−(2−メトキシエトキシ)メトキシエチルモルホリン N−オキシド、その他特開2008−102383に例示されたアミンオキシド化合物が使用可能である。
塩基性化合物(N’)の分子量は、250〜2000であることが好ましく、更に好ましくは400〜1000である。LWRのさらなる低減及び局所的なパターン寸法の均一性の観点からは、塩基性化合物の分子量は、400以上であることが好ましく、500以上であることがより好ましく、600以上であることが更に好ましい。
これらの塩基性化合物(N’)は、前記化合物(N)と併用していてもよいし、単独であるいは2種以上一緒に用いられる。
本発明における化学増幅型レジスト組成物は塩基性化合物(N’)を含有してもしていなくてもよいが、含有する場合、塩基性化合物(N’)の使用量は、化学増幅型レジスト組成物の固形分を基準として、通常、0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%である。
(4)樹脂組成物(1)は、他の形態において、塩基性化合物として、下記一般式(6A)又は(6B)で表されるオニウム塩を含んでもよい。このオニウム塩は、レジスト組成物で通常用いられる光酸発生剤の酸強度との関係で、レジスト系中で、発生酸の拡散を制御することが期待される。
一般式(6A)中、
Raは、有機基を表す。但し、式中のカルボン酸基に直接結合する炭素原子にフッ素原子が置換しているものを除く。
は、オニウムカチオンを表す。
一般式(6B)中、
Rbは、有機基を表す。但し、式中のスルホン酸基に直接結合する炭素原子にフッ素原子が置換しているものを除く。
はオニウムカチオンを表す。
Ra及びRbにより表される有機基は、式中のカルボン酸基又はスルホン酸基に直接結合する原子が炭素原子であることが好ましい。但し、この場合、上述した光酸発生剤から発生する酸よりも相対的に弱い酸とするために、スルホン酸基又はカルボン酸基に直接結合する炭素原子にフッ素原子が置換することはない。
Ra及びRbにより表される有機基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、炭素数7〜30のアラルキル基又は炭素数3〜30の複素環基等が挙げられる。これらの基は水素原子の一部又は全部が置換されていてもよい。
上記アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基及び複素環基が有し得る置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、ラクトン基、アルキルカルボニル基等が挙げられる。
一般式(6A)及び(6B)中のXにより表されるオニウムカチオンとしては、スルホニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ヨードニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、ジアゾニウムカチオンなどが挙げられ、中でもスルホニウムカチオンがより好ましい。
スルホニウムカチオンとしては、例えば、少なくとも1つのアリール基を有するアリールスルホニウムカチオンが好ましく、トリアリールスルホニウムカチオンがより好ましい。アリール基は置換基を有していてもよく、アリール基としては、フェニル基が好ましい。
スルホニウムカチオン及びヨードニウムカチオンの例としては、化合物(B)において説明した構造も好ましく挙げることができる。
一般式(6A)又は(6B)で表されるオニウム塩の具体的構造を以下に示す。
(5)樹脂組成物(1)は、他の形態において、塩基性化合物として、特開2012−189977号公報の式(I)に含まれる化合物、特開2013−6827号公報の式(I)で表される化合物、特開2013−8020号公報の式(I)で表される化合物、特開2012−252124号公報の式(I)で表される化合物などのような、1分子内にオニウム塩構造と酸アニオン構造の両方を有する化合物(以下、ベタイン化合物ともいう)もを含有していてもよい。このオニウム塩構造としては、スルホニウム、ヨードニウム、アンモニウム構造が挙げられ、スルホニウムまたはヨードニウム塩構造であることが好ましい。また、酸アニオン構造としては、スルホン酸アニオンまたはカルボン酸アニオンが好ましい。この化合物例としては、例えば以下が挙げられる。
[6]界面活性剤
樹脂組成物(1)は、更に界面活性剤を含有してもよい。樹脂組成物(1)が界面活性剤を含有する場合、フッ素及び/又はシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、フッ素原子とケイ素原子の両方を有する界面活性剤)のいずれか、あるいは2種以上を含有することがより好ましい。
樹脂組成物(1)が界面活性剤を含有することにより、250nm以下、特に220nm以下の露光光源の使用時に、良好な感度及び解像度で、密着性及び現像欠陥の少ないレジストパターンを与えることが可能となる。
フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤として、米国特許出願公開第2008/0248425号明細書の[0276]に記載の界面活性剤が挙げられ、例えばフロラードFC430、431、4430(住友スリーエム(株)製)、メガファックシリーズ(DIC(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106、KH−20(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)、GF−300、GF−150(東亜合成化学(株)製)、サーフロンS−393(セイミケミカル(株)製)、エフトップEF121、EF122A、EF122B、RF122C、EF125M、EF135M、EF351、EF352、EF801、EF802、EF601((株)ジェムコ製)、PF636、PF656、PF6320、PF6520(OMNOVA社製)、FTX−204G、208G、218G、230G、204D、208D、212D、218D、222D((株)ネオス製)等である。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
また、界面活性剤としては、上記に示すような公知のものの他に、テロメリゼーション法(テロマー法ともいわれる)若しくはオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)により製造されたフルオロ脂肪族化合物から導かれたフルオロ脂肪族基を有する重合体を用いた界面活性剤を用いることが出来る。フルオロ脂肪族化合物は、特開2002−90991号公報に記載された方法によって合成することが出来る。
上記に該当する界面活性剤として、メガファックF178、F−470、F−473、F−475、F−476、F−472(DIC(株)製)、C13基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体等を挙げることができる。
また、本発明では、米国特許出願公開第2008/0248425号明細書の[0280]に記載の、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤以外の他の界面活性剤を使用することもできる。
これらの界面活性剤は単独で使用してもよいし、また、いくつかの組み合わせで使用してもよい。
樹脂組成物(1)が界面活性剤を含有する場合、界面活性剤の使用量は、該組成物の全量(溶剤を除く)に対して、好ましくは0.0001〜2質量%、より好ましくは0.0005〜1質量%である。
一方、界面活性剤の添加量を、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の全量(溶剤を除く)に対して、10ppm以下とすることで、疎水性樹脂の表面偏在性があがり、それにより、レジスト膜表面をより疎水的にすることができ、液浸露光時の水追随性を向上させることが出来る。
[7]その他添加剤(G)
樹脂組成物(1)は、カルボン酸オニウム塩を含有してもよい。このようなカルボン酸オニウム塩は、米国特許出願公開2008/0187860号明細書[0605]〜[0606]に記載のものを挙げることができる。
樹脂組成物(1)がカルボン酸オニウム塩を含有する場合、その含有率は、該組成物の全固形分に対し、一般的には0.1〜20質量%、好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜7質量%である。
また、樹脂組成物(1)は、必要に応じていわゆる酸増殖剤を含んでもよい。酸増殖剤は、特に、EUV露光または電子線照射により本発明のパターン形成方法を行う際に使用することが好ましい。酸増殖剤の具体例としては、特に限定されないが、例えば以下が挙げられる。
樹脂組成物(1)には、必要に応じて更に染料、可塑剤、光増感剤、光吸収剤、アルカリ可溶性樹脂、溶解阻止剤及び現像液に対する溶解性を促進させる化合物(例えば、分子量1000以下のフェノール化合物、カルボキシル基を有する脂環族、又は脂肪族化合物)等を含有させることができる。
<感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(2)>
次に、本発明のパターン形成方法で使用する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(2)(単に「樹脂組成物(2)」ともいう)について説明する。
樹脂組成物(2)は、酸の作用により極性が増大して有機溶剤を含む現像液に対する溶解性が減少する樹脂を含有する。
このような樹脂としては、樹脂組成物(1)において説明した酸の作用により極性が増大して有機溶剤を含む現像液に対する溶解性が減少する樹脂と同様のものを挙げることができ、樹脂組成物(1)の全量に対する樹脂の含有量の好ましい範囲も、樹脂組成物(1)において説明したものと同様である。
また、樹脂組成物(2)は、樹脂組成物(1)が含有し得る上記各成分を、同様に含有することができ、樹脂組成物(2)の全量に対する各成分の含有量の好ましい範囲も、樹脂組成物(1)において説明したものと同様である。
樹脂組成物(1)および(2)は、解像力向上の観点から、膜厚30〜250nmで使用されることが好ましく、より好ましくは、膜厚30〜200nmで使用されることが好ましい。
樹脂組成物(1)および(2)の固形分濃度は、通常1.0〜10質量%であり、好ましくは、2.0〜5.7質量%、更に好ましくは2.0〜5.3質量%である。固形分濃度を前記範囲とすることで、レジスト溶液を基板上に均一に塗布することができる。
固形分濃度とは、化学増幅型レジスト組成物の総重量に対する、溶剤を除く他のレジスト成分の重量の重量百分率である。
樹脂組成物(1)および(2)は、上記の成分を所定の有機溶剤、好ましくは上記混合溶剤に溶解し、フィルター濾過した後、所定の支持体(基板)上に塗布して用いる。フィルター濾過に用いるフィルターのポアサイズは0.1μm以下、より好ましくは0.05μm以下、更に好ましくは0.03μm以下のポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、ナイロン製のものが好ましい。フィルター濾過においては、例えば特開2002−62667号公報のように、循環的な濾過を行ったり、複数種類のフィルターを直列又は並列に接続して濾過を行ったりしてもよい。また、組成物を複数回濾過してもよい。更に、フィルター濾過の前後で、組成物に対して脱気処理などを行ってもよい。
樹脂組成物(1)と樹脂組成物(2)とは、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
なお、両者のインターミックスは、例えば工程(i−3)において第1のネガ型パターンを形成した後に、加熱工程(ii)のような熱硬化(加熱)を行う場合には、問題となりにくいと考えられるが、インターミックスの問題を考慮したレジスト設計を行うことを妨げるものではない。
インターミックス抑制のためには、例えば、樹脂組成物(2)が含有する溶剤として、樹脂組成物(2)の樹脂は溶解するが、樹脂組成物(1)の樹脂は溶解しないような溶剤を選択することが考えられる。このような設計のために、例えば樹脂組成物(2)が含有する溶剤としては、前述の、有機溶剤を含むリンス液として挙げた溶剤が挙げられ、なかでも、アルコール系溶剤またはエーテル系溶剤を好ましく挙げることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。もっとも、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の調製>
表4に示す成分を同表に示す溶剤により全固形分で3.8質量%溶解させ、それぞれを0.1μmのポアサイズを有するポリエチレンフィルターでろ過して、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物Ar−01〜33を調製した。
<樹脂(A)>
表4における樹脂は、以下の表5および表6の通りである。
なお、樹脂は、以下のように合成した。
(合成例(樹脂Pol−02の合成))
シクロヘキサノン102.3質量部を窒素気流下、80℃に加熱した。この液を攪拌しながら、下記構造式Unit−1で表されるモノマー22.2質量部、下記構造式Unit−2で表されるモノマー22.8質量部、下記構造式Unit−3で表されるモノマー6.6質量部、シクロヘキサノン189.9質量部、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル〔V−601、和光純薬工業(株)製〕2.40質量部の混合溶液を5時間かけて滴下した。滴下終了後、80℃で更に2時間攪拌した。反応液を放冷後、多量のヘキサン/酢酸エチル(質量比9:1)で再沈殿、ろ過し、得られた固体を真空乾燥することで、樹脂Pol−02を41.1質量部得た。
得られた樹脂のGPC(キャリア:テトラヒドロフラン(THF))から求めた重量平均分子量(Mw:ポリスチレン換算)は、Mw=9500、分散度はMw/Mn=1.60であった。13C−NMRにより測定した組成比(モル比)は40/50/10であった。
その他、同様にして、樹脂Pol−01、及び、樹脂Pol−03〜22を合成した。以下、樹脂Pol−01〜22における繰り返し単位の組成比(モル比;左から順に対応)、重量平均分子量(Mw)、分散度(Mw/Mn)を以下に示す。
表4における酸発生剤は、以下の通りである。
<塩基性化合物(N)>
表4における塩基性化合物は、以下の通りである。
<疎水性樹脂(D)>
表4における添加剤(疎水性樹脂)は、以下の通りである。
<界面活性剤>
表4における界面活性剤は、以下の通りである。
W−1:メガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製;フッ素系)
W−2:メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製;フッ素及びシリコン系)
W−3:ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製;シリコン系)
W−4:トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)
W−5:KH−20(旭硝子(株)製)
W−6:PolyFox PF−6320(OMNOVA Solutions Inc.製;フッ素系)
<溶剤>
表4における溶剤は、以下の通りである。
SL−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)
SL−2:乳酸エチル
SL−3:プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)
SL−4:シクロヘキサノン
SL−5:γ−ブチロラクトン
SL−6:4−メチル−2−ペンタノール
<実施例1〜32:パターン形成方法>
以下に説明するようにして、反射防止膜が形成されたシリコンウエハーを基板として用い、この基板上の一部の領域(第1の領域)にホールパターン(第1のネガ型パターン)を形成し、当該領域とは異なる領域(第2の領域)に孤立スペースパターン(第2のネガ型パターン)を形成することを試みた。
(第1の膜の形成)
まず、シリコンウエハー上に有機反射防止膜ARC29SR(日産化学社製)を塗布し、205℃で60秒間ベークを行い、膜厚96nmの反射防止膜を形成した。その上に、下記表7に示す樹脂組成物(1)を塗布し、100℃で60秒間に亘って第1の加熱(PAB1)を行い、膜厚100nmの第1の膜を形成した。
(第1のネガ型パターン形成)
第1の膜に、ArFエキシマレーザー液浸スキャナー(ASML社製;XT1700i、NA1.20、C-quad20、X-Y polarization、σout/in 0.981/0.895)を用いて、マスク(6%ハーフトーンのホールパターン、パターンピッチ:90nm、Critical Dimension:45nm)を介してパターン露光した。なお、照明光源形状としては、四極照明を用いた。
このとき、第1の領域のみパターン露光されるように、第1の領域に対応する部分のみにホールパターンが形成され、それ以外の部分は遮光部となっているマスクを用いた。
次に、第2の加熱(PEB1)を100℃で60秒間実施した後、酢酸ブチルを用いて有機溶剤現像を実施し、第1のネガ型パターンを得た。
(第1のネガ型パターンの加熱)
上記のようにして得られた第1のネガ型パターンを、200℃で60秒間に亘って第3の加熱(Post Bake 1)を行った。
(第2の膜の形成)
第1のネガ型パターンを形成した基板上に、下記表7に示す樹脂組成物(2)を塗布し、100℃で60秒間に亘って第4の加熱(PAB2)を行い、膜厚100nmの第2の膜を形成した。
(第2のネガ型パターン形成)
第2の膜に、ArFエキシマレーザー液浸スキャナー(ASML社製;XT1700i、NA0.75、Annular X-Y polarization、σout/in 0.97/0.740)を用いて、マスク(6%ハーフトーンの孤立トレンチパターン、Critical Dimension:100nm)を介してパターン露光した。
このとき、第2の領域のみパターン露光されるように、第2の領域に対応する部分のみに孤立トレンチパターンが形成され、それ以外の部分は遮光部となっているマスクを用いた。なお、照明光源形状としては、通常照明を用いた。
次いで、第5の加熱(PEB2)を100℃で60秒間に亘って実施した後、酢酸ブチルを用いて有機溶剤現像を実施し、第2のネガ型パターンを得た。
上記のようにして得られた第2のネガ型パターンを、100℃で60秒間に亘って加熱を行った。
各実施例について、第2のネガ型パターンを形成して加熱した後、走査型電子顕微鏡(日立社製S9380)を用いて、観察を行なった。観察の結果、いずれの実施例においても、ホールパターン(第1のネガ型パターン)と孤立スペースパターン(第2のネガ型パターン)とが異なる領域にレイアウトされたレジストパターンが形成されていることが明確に確認された。
以上、実施例を説明したが、本発明がこれら実施例のみに限定されるわけではなく、例えば以下のような態様でもパターン形成可能である。
・各実施例における有機溶剤を含有する現像液に、1質量%程度の含窒素塩基性化合物、例えばトリオクチルアミンなどを添加してネガ型現像を行う態様
・各実施例において、ArFエキシマレーザーによる露光をEUV露光に換えた態様、更には、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物中の樹脂として、前述の「特に、EUV露光または電子線露光の際に、好適に用いることができる樹脂」として紹介した樹脂(芳香族基を含有する樹脂)を用いた態様、など。
10:基板
50:第1の膜
51:第1のネガ型パターン
60:第2の膜
61:第2のネガ型パターン
71:第3のネガ型パターン
A1:第1の領域
A2:第2の領域
A3:第3の領域
M1:マスク
M2:マスク

Claims (7)

  1. 2つ以上の異なるパターンが異なる領域にレイアウトされたパターンを形成する、パターン形成方法であって、
    (i)下記工程(i−1)、下記工程(i−2)及び下記工程(i−3)をこの順で行い、基板上の第1の領域に、第1のネガ型パターンを形成する工程、及び、
    (i−1)前記基板上に、酸の作用により極性が増大して有機溶剤を含む現像液に対する溶解性が減少する樹脂を含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(1)を用いて第1の膜を形成する工程
    (i−2)前記第1の膜を、前記第1の領域以外の領域を非露光部として露光する工程
    (i−3)前記露光した第1の膜を、有機溶剤を含む現像液を用いて現像し、前記第1の領域に前記第1のネガ型パターンを形成する工程
    (iii)下記工程(iii−1)、下記工程(iii−2)及び下記工程(iii−3)をこの順で行い、前記基板上の前記第1の領域とは異なる第2の領域に、前記第1のネガ型パターンとは異なる第2のネガ型パターンを形成する工程、
    (iii−1)前記基板上に、酸の作用により極性が増大して有機溶剤を含む現像液に対する溶解性が減少する樹脂を含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(2)を用いて第2の膜を形成する工程
    (iii−2)前記第2の膜を、前記第2の領域以外の領域を非露光部として露光する工程
    (iii−3)前記露光した第2の膜を、有機溶剤を含む現像液を用いて現像し、前記第2の領域に前記第2のネガ型パターンを形成する工程
    を有するパターン形成方法。
  2. 前記工程(i)と前記工程(iii)との間に、加熱工程(ii)を更に有する、請求項1に記載のパターン形成方法。
  3. 前記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(1)と前記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(2)とが異なっている、請求項1または2に記載のパターン形成方法。
  4. 前記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(1)と前記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(2)とが同一である、請求項1または2に記載のパターン形成方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のパターン形成方法により形成されたパターンをマスクとして、前記基板に対してエッチング処理を行う、エッチング方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法。
  7. 請求項6に記載の電子デバイスの製造方法により製造された電子デバイス。
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