JP2015084122A - 化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液 - Google Patents

化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液 Download PDF

Info

Publication number
JP2015084122A
JP2015084122A JP2015002259A JP2015002259A JP2015084122A JP 2015084122 A JP2015084122 A JP 2015084122A JP 2015002259 A JP2015002259 A JP 2015002259A JP 2015002259 A JP2015002259 A JP 2015002259A JP 2015084122 A JP2015084122 A JP 2015084122A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
organic
patterning
chemically amplified
amplified resist
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015002259A
Other languages
English (en)
Inventor
山中 司
Tsukasa Yamanaka
司 山中
崇司 川本
Takashi Kawamoto
崇司 川本
直也 井口
Naoya Iguchi
直也 井口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2015002259A priority Critical patent/JP2015084122A/ja
Publication of JP2015084122A publication Critical patent/JP2015084122A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)

Abstract

【課題】有機系現像液を用いるネガ型パターン形成技術において、パーティクル発生を低減可能な、化学増幅型レジスト膜パターニング用有機系処理液の製造方法、これによる化学増幅型レジスト膜パターニング用有機系処理液、パターン形成方法、電子デバイス製造方法、及び、電子デバイスの提供。【解決手段】液入口部と、液出口部と、流路内に設けた濾過フィルター膜とを有する濾過装置に、有機溶剤含有液を通過させる工程を有する、化学増幅型レジスト膜パターンニング用有機系処理液の製造方法であって、液入口部液温度と液出口部液温度との差の絶対値が3℃以下であり、装置での液濾過速度が0.5L/分/m2以上であり、装置での濾過圧力が0.1MPa以下である、化学増幅型レジスト膜パターンニング用有機系処理液の製造方法、これによる化学増幅型レジスト膜パターニング用有機系処理液、パターン形成方法、電子デバイス製造方法、及び、電子デバイス。【選択図】図1

Description

本発明は、化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液の製造方法、化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液、パターン形成方法、電子デバイスの製造方法、及び、電子デバイスに関する。より詳細には、本発明は、IC等の半導体製造工程、液晶及びサーマルヘッド等の回路基板の製造、更にはその他のフォトファブリケーションのリソグラフィー工程に好適な、化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液の製造方法、化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液、パターン形成方法、電子デバイスの製造方法、及び、電子デバイスに関する。特には、本発明は、波長が300nm以下の遠紫外線光を光源とするArF露光装置及びArF液浸式投影露光装置での露光に好適な、化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液の製造方法、化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液、パターン形成方法、電子デバイスの製造方法、及び、電子デバイスに関する。
従来、アルカリ現像液を用いたポジ型パターン形成方法及びそれに用いられるポジ型レジスト組成物として、種々の構成が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。これに加えて、近年では、有機系現像液を用いたネガ型パターン形成方法及びそれに用いられるネガ型レジスト組成物が、ポジ型レジスト組成物では達成できないような微細コンタクトホールやトレンチパターン形成を主用途として開発されつつある(例えば、特許文献4〜7参照)。
上記のポジ型又はネガ型パターン形成方法に使用されるレジスト組成物や現像液は、通常、レジスト組成物又は現像液中の微粒子がフィルターによって除去された後に、使用されている(例えば、特許文献8及び9参照)。
特開2006−257078号公報 特開2005−266766号公報 特開2006−330098号公報 特開2007−325915号公報 国際公開2008−153110号パンフレット 特開2010−039146号公報 特開2010−164958号公報 特開2000−005546号公報 特開2004−195427号公報
ところで、近年では、コンタクトホールやトレンチパターンの形成において更なる微細化(例えば、30nmノード以下)のニーズが急激に高まっている。これを受けて、特に微細化パターンの性能に対して影響を与えやすいパーティクルの発生について、より抑制することが求められている。
本発明は、上記問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、特に、有機系現像液を用いて微細化(例えば、30nmノード以下)パターンを形成するネガ型パターン形成技術において、パーティクルの発生を低減可能な、化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液の製造方法、並びに、これを用いた化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液、パターン形成方法、電子デバイスの製造方法、及び、電子デバイスを提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、有機溶剤とフィルターとの接触によって、フィルターから微量ながらも低分子有機物が有機溶剤に溶出することに加え、この有機溶剤を、上記したネガ型パターン形成技術における有機系現像液として使用して微細化パターンを形成する場合においては、上記低分子有機物が、微細化パターンないしは基板上における無視し難いパーティクルの発生原因になっていることを見出した。そして、本発明者らは、濾過装置を用いた、有機系現像液や有機系リンス液等の有機系処理液の製造において、濾過条件を特定のものとすることにより、有機系処理液中の微粒子をフィルターによって除去しながらも、フィルターからの低分子有機物の溶出を抑制し、ひいては、この有機系処理液の使用により、微細化パターンの形成において問題視されやすいパーティクルの発生を低減できることを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明は、下記の構成であり、これにより本発明の上記目的が達成される。
<1>
液入口部と、液出口部と、前記液入口部と前記液出口部とを接続する流路内に設けられた濾過フィルター膜とを有する濾過装置に、有機溶剤を含有する液を通過させる工程を有し、前記液入口部における前記液の温度(T)と、前記液出口部における前記液の温度(T)との差の絶対値(|T−T|)が、3℃以下であり、前記濾過装置における前記液の濾過速度が0.5L/分/m以上であり、前記濾過装置における前記液による濾過圧力が0.10MPa以下であり、前記濾過装置が、前記濾過フィルター膜として、フッ素樹脂から構成された濾過フィルター膜を含み、前記有機溶剤を含有する液が、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、又は、アルコール系溶剤である、化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液の製造方法、により製造された化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液であって、
下記(1)〜(3)により得られるウェットパーティクル(N)の数が120個以下となる、化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液。
(1)クラス1000のクリーンルームに設置されたAMAT社製ウエハー欠陥評価装置ComPLUS3T(検査モード30T)により8インチシリコンウエハー上のパーティクル数(N1)を検査し;
(2)前記シリコンウエハー上に前記パターニング用有機系処理液を5mL吐出し、前記シリコンウエハーを、1000回転/分で1.6秒間回転させることにより、前記パターニング用有機系処理液を前記シリコンウエハー上で拡散させ、20秒間静置後、2000回転/分で20秒間スピン乾燥させ;
(3)24時間後に、前記シリコンウエハー上のパーティクル数(N2)をAMAT社製ウエハー欠陥評価装置ComPLUS3T(検査モード30T)により検査し、N2−N1をウエットパーティクル数(N)とする。
<2>
前記有機系処理液が有機系現像液である、上記<1>に記載の化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液。
<3>
前記有機溶剤を含有する液が酢酸ブチル、又は、メチルアミルケトンである、上記<2>に記載の化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液。
<4>
前記有機系処理液が有機系リンス液である、上記<1>に記載の化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液。
<5>
前記有機溶剤を含有する液が4−メチル−2−ペンタノール、又は、酢酸ブチルである、上記<4>に記載の化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液。
<6>
前記フッ素樹脂から構成された濾過フィルター膜のポアサイズが50nm以下である、上記<1>〜<5>のいずれか1項に記載の化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液。
<7>
前記液入口部における前記液の温度(T)が、20℃以上30℃以下である、上記<1>〜<6>のいずれか1項に記載の化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液。
<8>
前記濾過装置が、前記濾過フィルター膜として、フッ素樹脂から構成された濾過フィルター膜のみを含む、上記<1>〜<7>のいずれか1項に記載の化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液。
尚、本発明は、上記<1>〜<8>に係る発明であるが、以下、その他についても参考のため記載した。
〔1〕
液入口部と、液出口部と、前記液入口部と前記液出口部とを接続する流路内に設けられた濾過フィルター膜とを有する濾過装置に、有機溶剤を含有する液を通過させる工程を有する、化学増幅型レジスト膜のパターンニング用有機系処理液の製造方法であって、
前記液入口部における前記液の温度(T)と、前記液出口部における前記液の温度(T)との差の絶対値(|T−T|)が、3℃以下であり、前記濾過装置における前記液の濾過速度が0.5L/分/m以上であり、前記濾過装置における前記液による濾過圧力が0.10MPa以下である、化学増幅型レジスト膜のパターンニング用有機系処理液の製造方法。
〔2〕
前記有機系処理液が有機系現像液である、上記〔1〕に記載の化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液の製造方法。
〔3〕
前記有機溶剤を含有する液が酢酸ブチルである、上記〔2〕に記載の化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液の製造方法。
〔4〕
前記有機系処理液が有機系リンス液である、上記〔1〕に記載の化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液の製造方法。
〔5〕
前記有機溶剤を含有する液が4−メチル−2−ペンタノール、又は、酢酸ブチルである、上記〔4〕に記載の化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液の製造方法。
〔6〕
前記濾過フィルター膜が、ポアサイズが50nm以下である、ポリエチレン樹脂膜、フッ素樹脂膜、又は、ポリアミド樹脂膜である、上記〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液の製造方法。
〔7〕
前記液入口部における前記液の温度(T)が、20℃以上30℃以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液の製造方法。
〔8〕
上記〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液の製造方法により製造された化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液。
〔9〕(ア)化学増幅型レジスト組成物により膜を形成する工程、(イ)該膜を露光する工程、及び(ウ)露光した膜を、有機系現像液を用いて現像する工程、を含むパターン形成方法であって、
前記有機系現像液が、上記〔2〕又は〔3〕に記載の化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液の製造方法により製造された有機系現像液である、パターン形成方法。
〔10〕
前記有機系現像液を用いて現像する工程の後に、更に、有機系リンス液を用いて洗浄する工程を有する上記〔9〕に記載のパターン形成方法であって、
前記有機系リンス液が、上記〔4〕又は〔5〕に記載の化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液の製造方法により製造された有機系リンス液である、パターン形成方法。
〔11〕
前記有機系現像液が、上記〔3〕に記載の化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液の製造方法により製造された有機系現像液であり、前記有機系リンス液が、請求項5に記載の化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液の製造方法により製造された有機系リンス液である、上記〔10〕に記載のパターン形成方法。
〔12〕
前記有機系現像液を用いて現像する工程が、処理液用フィルターを搭載した現像装置を用いて現像する工程であって、前記有機系現像液を、前記処理液用フィルターを通過させて現像に用いる、上記〔9〕〜〔11〕のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
〔13〕
上記〔9〕〜〔12〕のいずれか1項に記載のパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法。
〔14〕
上記〔13〕に記載の電子デバイスの製造方法により製造された電子デバイス。
本発明によれば、特に、有機系現像液を用いて微細化(例えば、30nmノード以下)パターンを形成するネガ型パターン形成技術において、パーティクルの発生を低減可能な、化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液の製造方法、並びに、これを用いた化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液、パターン形成方法、電子デバイスの製造方法、及び、電子デバイスを提供できる。
本発明の実施形態に係る化学増幅型レジスト膜のパターンニング用有機系処理液の製造方法を説明する概略図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本明細書に於ける基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書中における「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線(EB)等を意味する。また、本発明において光とは、活性光線又は放射線を意味する。
また、本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線、X線、EUV光などによる露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線による描画も露光に含める。
図1は、本発明の実施形態に係る化学増幅型レジスト膜のパターンニング用有機系処理液の製造方法を説明する概略図である。
図1の概略図に示すように、有機系処理液製造システム100は、有機溶剤を含む液を収容可能な液タンク11、液量調整バルブ12、圧力/流量/液温計13、濾過装置21、流量/液温計14、流れ切替えバルブ15、及び、ポンプ16を有している。そして、液タンク11、液量調整バルブ12、圧力/流量/液温計13、濾過装置21、液温計14、流れ切替えバルブ15、ポンプ16、液タンク11…の順で前記液が循環できるように、有機系処理液製造システム100は構成されている。
液タンク11は、濾過に供される“有機溶剤を含む液”(以降、「有機系被濾過液」ともいう)を収容可能とするものであり、通常、有機系被濾過液の温度を調整可能な温度調整器が付帯されている。
液タンク11は、公知のものを採用できる。液タンク11の好ましい材質等については、有機系処理液製造システム100を構成する他の部材における好ましい材質と併せて、後に詳述する。
有機系被濾過液は、有機系処理液製造システム100の濾過装置21によって濾過されることにより、化学増幅型レジスト膜のパターンニング用有機系処理液となる液であり、好ましくは、化学増幅型レジスト膜の有機系現像液又は有機系リンス液となる液である。
化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液は、典型的には、(ア)化学増幅型レジスト組成物により膜を形成する工程、(イ)該膜を露光する工程、及び(ウ)露光した膜を、有機系現像液を用いて現像する工程、を含むパターン形成方法における“有機系現像液”、又は、前記パターン形成方法が工程(ウ)の後に更に有し得る有機系リンス液を用いて洗浄する工程における“有機系リンス液”である。
有機系現像液とは、有機溶剤を含有する現像液を意味する。
有機系現像液製造用の有機系被濾過液(ひいては、有機系現像液)は、有機溶剤を1種又は2種以上で含有することができる。
有機系現像液製造用の有機系被濾過液(ひいては、有機系現像液)の有機溶剤の使用量は、有機系被濾過液(ひいては、有機系現像液)の全量に対して、90質量%以上100質量%以下であることが好ましく、95質量%以上100質量%以下であることがより好ましく、95質量%以上100質量%以下であることが更に好ましい。
有機系現像液製造用の有機系被濾過液(ひいては、有機系現像液)としては、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤等の極性溶剤及び炭化水素系溶剤を用いることができる。
ケトン系溶剤としては、例えば、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、アセトン、2−ヘプタノン(メチルアミルケトン)、4−ヘプタノン、1−ヘキサノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、イオノン、ジアセトニルアルコール、アセチルカービノール、アセトフェノン、メチルナフチルケトン、イソホロン、プロピレンカーボネート等を挙げることができる。
エステル系溶剤としては、例えば、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル等を挙げることができる。
アルコール系溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、n−ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコール、n−デカノール、4−メチル−2−ペンタノール等のアルコールや、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール系溶剤や、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメチルブタノール等のグリコールエーテル系溶剤等を挙げることができる。
エーテル系溶剤としては、例えば、上記グリコールエーテル系溶剤の他、ジオキサン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
アミド系溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が使用できる。
炭化水素系溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
上記の溶剤は、複数混合してもよいし、上記以外の溶剤や水と混合し使用してもよい。但し、本発明の効果を十二分に奏するためには、有機系現像液製造用の有機系被濾過液(ひいては、有機系現像液)全体としての含水率が10質量%未満であることが好ましく、実質的に水分を含有しないことがより好ましい。
特に、有機系現像液製造用の有機系被濾過液(ひいては、有機系現像液)は、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤及びエーテル系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種類の有機溶剤を含有することが好ましい。
有機系現像液製造用の有機系被濾過液(ひいては、有機系現像液)の蒸気圧は、20℃に於いて、5kPa以下が好ましく、3kPa以下が更に好ましく、2kPa以下が特に好ましい。上記蒸気圧を5kPa以下にすることにより、現像液の基板上あるいは現像カップ内での蒸発が抑制され、ウエハー面内の温度均一性が向上し、結果としてウエハー面内の寸法均一性が良化する。
有機系現像液製造用の有機系被濾過液(ひいては、有機系現像液)には、必要に応じて界面活性剤を適当量添加することができる。
界面活性剤としては特に限定されないが、例えば、イオン性や非イオン性のフッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤等を用いることができる。これらのフッ素及び/又はシリコン系界面活性剤として、例えば特開昭62−36663号公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同5294511号明細書、同5824451号明細書記載の界面活性剤を挙げることができ、好ましくは、非イオン性の界面活性剤である。非イオン性の界面活性剤としては特に限定されないが、フッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を用いることが更に好ましい。
界面活性剤の使用量は有機系現像液製造用の有機系被濾過液(ひいては、有機系現像液)の全量に対して、通常0.001〜5質量%、好ましくは0.005〜2質量%、更に好ましくは0.01〜0.5質量%である。
有機系現像液製造用の有機系被濾過液(ひいては、有機系現像液)は、酢酸ブチル、又は、2−ヘプタノン(メチルアミルケトン)であることが好ましく、酢酸ブチルであることが好ましい。
また、有機系現像液製造用の有機系被濾過液ないしは有機系現像液は、特許第5056974号の0041段落〜0063段落に例示されているような、含窒素化合物を含んでもよい。なお、有機系現像液製造用の有機系被濾過液ないしは有機系現像液の貯蔵安定性などの観点からは、有機系現像液製造用の有機系被濾過液ないしは有機系現像液への含窒素化合物の添加は、パターン形成方法を行う直前が好ましい。
また、有機系リンス液とは、有機溶剤を含有するリンス液を意味する。
有機系リンス液製造用の有機系被濾過液(ひいては、有機系リンス液)は、有機溶剤を1種又は2種以上で含有することができる。
有機系リンス液製造用の有機系被濾過液(ひいては、有機系リンス液)の有機溶剤の使用量は、有機系被濾過液(ひいては、有機系リンス液)の全量に対して、90質量%以上100質量%以下であることが好ましく、95質量%以上100質量%以下であることがより好ましく、95質量%以上100質量%以下であることが更に好ましい。
有機系被濾過液(ひいては、有機系リンス液)としては、レジストパターンを溶解しなければ特に制限はなく、一般的な有機溶剤を含む溶液を使用することができる。前記リンス液としては、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤及びエーテル系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種類の有機溶剤を含有することが好ましい。
炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤及びエーテル系溶剤の具体例としては、有機系現像液製造用の有機系被濾過液において説明したものと同様のものを挙げることができる。
中でも、有機系被濾過液(ひいては、有機系リンス液)は、アルコール系溶剤又はエステル系溶剤を含有することが好ましく、1価アルコールを含有することがより好ましく、炭素数5以上の1価アルコールを含有することが更に好ましい。
1価アルコールとしては、直鎖状、分岐状、環状の1価アルコールが挙げられ、具体的には、1−ブタノール、2−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、tert―ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、1−ヘキサノール、4−メチル−2−ペンタノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−ヘキサノール、シクロペンタノール、2−ヘプタノール、2−オクタノール、3−ヘキサノール、3−ヘプタノール、3−オクタノール、4−オクタノールなどを用いることができ、特に好ましい炭素数5以上の1価アルコールとしては、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、4−メチル−2−ペンタノール、1−ペンタノール、3−メチル−1−ブタノールなどを用いることができる。
有機系リンス液は、4−メチル−2−ペンタノール、又は、酢酸ブチルであることが好ましい。
有機系被濾過液(ひいては、有機系リンス液)中の含水率は、10質量%以下が好ましく、より好ましくは5質量%以下、特に好ましくは3質量%以下である。含水率を10質量%以下にすることで、良好な現像特性を得ることができる。
有機系被濾過液(ひいては、有機系リンス液)の蒸気圧は、20℃に於いて0.05kPa以上、5kPa以下が好ましく、0.1kPa以上、5kPa以下が更に好ましく、0.12kPa以上、3kPa以下が最も好ましい。上記蒸気圧を0.05kPa以上、5kPa以下にすることにより、ウエハー面内の温度均一性が向上し、更にはリンス液の浸透に起因した膨潤が抑制され、ウエハー面内の寸法均一性が良化する。
有機系被濾過液(ひいては、有機系リンス液)には、上述の界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
有機系被濾過液を構成する液は、蒸留されたものであることが好ましい。これにより、化学増幅型レジスト膜のパターニング用途に適した、より高純度の有機系処理液を製造することができる。
蒸留は、1回行ってもよいし、2回以上行ってもよい。蒸留方法は、公知の方法を適宜適用することができる。例えば、特開2006−305573号公報、特開昭62−161736号公報、特開昭58−211000などに記載の方法に準じて蒸留することが可能であるが、これらの方法のみに限定されるものではない。
液量調整バルブ12は、有機系被濾過液の流量を制御するものであり、公知のバルブを採用できる。
後述するように、液量調整バルブ12により有機系被濾過液の流量を制御することで、有機系被濾過液の濾過速度及び濾過圧力を調整できる。
濾過装置21は、液入口部21aと、液入口部21aに接続する1段目フィルターF1と、1段目フィルターF1に接続する2段目フィルターF2と、2段目フィルターF2に接続する液出口部21bとを有している。
ここで、液入口部21aは液量調整バルブ12側に、液出口部21bは流れ切替えバルブ15側に、それぞれ、接続されている。
また、1段目フィルターF1及び2段目フィルターF2は、それぞれ、第1のフィルターハウジングH1及び第2のフィルターハウジングH2の内部に収容されている。
そして、第1のフィルターハウジングH1及び第2のフィルターハウジングH2には、それぞれ、フィルターF1及びフィルターF2交換時に必要なフィルター及びフィルターハウジング内のエア抜き作業、または、液を有機系夜処理液製造システム100の循環ラインから排出するためのドレインD1,D2がそれぞれ設けられている。
以上のように、有機系処理液製造システム100においては、2個のフィルターF1,F2を直列的に使用する2段濾過方法を採用している。
フィルターF1,F2の形状は、特に限定されないが、一般的には、ディスクタイプ又はカートリッジタイプとされている。
フィルターF1,F2は、それぞれ、濾過フィルター膜(フィルターメディア)(図示せず)に加えて、メディアサポート、フィルター形状を構成するコア又はケージ、エンドキャップ、及び、Oリングなどから構成されている。
よって、フィルターF1,F2における濾過フィルター膜は、液入口部21aと液出口部21bとを接続する流路内に設けられている。
フィルターを構成する部材は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド樹脂等であることが好ましく、フッ素樹脂、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、又は、ポリアミド樹脂であることが好ましく、フッ素樹脂であることが特に好ましい。
ただし、フッ素樹脂は疎水性が高く、濾過できる溶剤に制限が生じる場合がある(例えば、極性の高い溶剤)。この場合は、表面が親水化されたフッ素樹脂によりフィルターを構成することで、極性の高い液の濾過が容易となる。
フィルターF1,F2における濾過フィルター膜のポアサイズは、それぞれ、200nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがより好ましく、20nm以下であることが更に好ましい。
ここで、上記ポアサイズが200nm以下であることにより、有機溶剤を含有する液中の微粒子を濾過フィルター膜により十分に除去することができる。
フィルターF1,F2における濾過フィルター膜のポアサイズは、できるだけ小さい方が好ましいが、通常、5nm以上とされている。
フィルターF1,F2における濾過フィルター膜は、ポアサイズが50nm以下である、ポリエチレン樹脂膜、フッ素樹脂膜、又は、ポリアミド樹脂膜であることが好ましい。
なお、本明細書において、濾過フィルター膜のポアサイズは、フィルターの平均孔径を意味し、メーカーの公称孔径値である。
濾過圧力は濾過精度に影響を与えることから、濾過時における圧力の脈動は可能な限り少ない方が好ましい。
また、特に有機系被濾過液中に含有される微粒子の量が多い場合においては、大きな粒子から段階的に除去すれば、フィルターの詰まりを防止でき、有機系処理液の製造生産性を向上できる。
これらの観点から、濾過方法としては、複数個のフィルターを直列に接続し、1段目の濾過に近いほど、濾過フィルター膜のポアサイズをより大きくした多段濾過方法を採用することが好ましい。
すなわち、濾過装置21においては、1段目の濾過を行う1段目フィルターF1における濾過フィルター膜のポアサイズは、2段目の濾過を行う2段目フィルターF2における濾過フィルター膜のポアサイズよりも大きいことが好ましい。
また、濾過フィルター膜で、液から微粒子等の異物を除去する方法としては、濾過フィルター膜のポアサイズを異物のサイズより小さく設定することによる篩い効果を利用した方法の他に、異物を濾過フィルター膜の表面に吸着させる方法なども知られており、本発明が除去の対象物として考えている低分子有機物(例えば、低分子オレフィン化合物)を吸着除去できるような濾過フィルター膜であることも好ましい。
フィルターF1,F2として使用可能な市販されているカートリッジフィルターとしては、例えば、日本インテグリス株式会社製のマイクロガードPlus、フロロガードAT/ATX、日本ポール株式会社製のPE−クリーン、エンフロンPF、ウルチクリーン・エクセラー、ウルチプリーツ・P−ナイロンなどが挙げられる。
圧力/流量/液温計13は、濾過装置21の液入口部21aにおける液の圧力、流量及び温度を測定する計測器であり、公知のものをいずれも採用できる。
流量/液温計14は、濾過装置21の液出口部21bにおける液の温度を測定する計測器であり、公知のものをいずれも採用できる。圧力/流量/液温計13と流量/液温計14は、主に、後に詳述する、液入口部21aにおける液の温度(T)と、液出口部21bにおける液の温度(T)との差の絶対値(|T−T|)、濾過装置21における液の濾過速度、及び、濾過装置21における液による濾過圧力を確認するためのものであり、有機系処理液の製造自体に必須の物ではない。そのため、製造条件の確認時以外の場合は、圧力/流量/液温計13と流量/液温計14とを省略することもできる。
流れ切替えバルブ15は、濾過装置21からの液の流れを、ポンプ16側(循環側)と、液の取出口17側(取出側)とに切り替えることができるバルブであり、公知のものをいずれも採用できる。
ポンプ16は、流れ切替えバルブ15からの液を、液タンク11に送液するためのポンプであり、液を有機系処理液製造システム100の循環ラインから排出するためのドレインD3が設けられている。ポンプ16は、公知のものをいずれも採用できるが、有機系処理液製造システム100内から液へのコンタミネーションの持ち込みを最小限にするという点で、気泡発生、及び、脈動の少ないポンプが特に好ましい。
有機系処理液製造システム100において、液タンク11の液に接触する内壁、及び、上記した濾過装置21以外における流路(配管、シール部、ジョイント部材など)の液に対する接触面、を構成する素材は、“ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、及び、ポリエチレン−ポリプロピレン樹脂からなる群より選択される1種以上の樹脂”とは異なる樹脂、又は、防錆・金属溶出防止処理が施された金属であることが好ましい。
また、液タンク11については、液タンク11が、更に、有機系被濾過液を密閉するためのシール部を有している場合、このシール部も、“ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、及び、ポリエチレン−ポリプロピレン樹脂からなる群より選択される1種以上の樹脂”とは異なる樹脂、又は、防錆・金属溶出防止処理が施された金属から形成されることが好ましい。
ここで、上記シール部とは、外気を遮断可能な部材を意味し、パッキンやOリングなどを好適に挙げることができる。
ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、及び、ポリエチレン−ポリプロピレン樹脂からなる群より選択される1種以上の樹脂とは異なる前記樹脂は、パーフルオロ樹脂であることが好ましい。
パーフルオロ樹脂としては、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂(FEP)、四フッ化エチレン−エチレン共重合体樹脂(ETFE)、三フッ化塩化エチレン−エチレン共重合樹脂(ECTFE)、フッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、三フッ化塩化エチレン共重合樹脂(PCTFE)、フッ化ビニル樹脂(PVF)等を挙げることができる。
特に好ましいパーフルオロ樹脂としては、四フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂を挙げることができる。
防錆・金属溶出防止処理が施された金属における金属としては、炭素鋼、合金鋼、ニッケルクロム鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼、クロム鋼、クロムモリブデン鋼、マンガン鋼等を挙げることができる。
防錆・金属溶出防止処理としては、皮膜技術を適用することが好ましい。
皮膜技術には、金属被覆(各種メッキ),無機被覆(各種化成処理,ガラス,コンクリート,セラミックスなど)および有機被覆(さび止め油,塗料,ゴム,プラスチックス)の3種に大別されている。
好ましい皮膜技術としては、錆止め油、錆止め剤、腐食抑制剤、キレート化合物、可剥性プラスチック、ライニング剤による表面処理が挙げられる。
中でも、各種のクロム酸塩、亜硝酸塩、ケイ酸塩、燐酸塩、オレイン酸、ダイマー酸、ナフテン酸等のカルボン酸、カルボン酸金属石鹸、スルホン酸塩、アミン塩、エステル(高級脂肪酸のグリセリンエステルや燐酸エステル)などの腐食抑制剤、エチレンジアンテトラ酢酸、グルコン酸、ニトリロトリ酢酸、ヒドロキシエチルエチオレンジアミン三作酸、ジエチレントリアミン五作酸などのキレート化合物及びフッ素樹脂ライニングが好ましい。特に好ましいのは、燐酸塩処理とフッ素樹脂ライニングである。
また、直接的な被覆処理と比較して、直接、錆を防ぐわけではないが、被覆処理による防錆期間の延長につながる処理方法として、防錆処理にかかる前の段階である「前処理」を採用することも好ましい。
このような前処理の具体例としは、金属表面に存在する塩化物や硫酸塩などの種々の腐食因子を、洗浄や研磨によって除去する処理を好適に挙げることができる。
有機系処理液製造システム100においては、ポンプ16を稼動させることにより、液がシステム内を循環し、液タンク11内に収容された有機系被濾過液が、濾過装置21を通過することで、化学増幅型レジスト膜のパターンニング用有機系処理液が製造される。
製造された有機系処理液は、流れ切替えバルブ15を液の取出口17側に切り替えることにより、液の取出口17から取り出される。
濾過精度の均一性を向上させる観点から、ポンプを一定時間以上稼動させることにより、一定時間以上、液をシステム内で循環させてもよい。また、定期的に取出口17から出てくる液を検査し、パーティクル検査結果が安定後、ポンプを停止させ、取出口17から濾過した液を取り出してもよい。
一般に、有機系被濾過液は、比熱が小さく、かつ、揮発性が高い。そのため、液温制御が充分に行われてない部分(特にフィルター通過時)において、液温変動を起こす。また、有機系被濾過液が、高い粘度を有する溶剤である場合には、濾過時間が長くなるため、液温変動の影響がより大きくなる。
本発明者らは、この温度変動の抑制が、特に、有機系現像液を用いて微細化(例えば、30nmノード以下)パターンを形成するネガ型パターン形成技術において、パーティクルの発生を低減することに貢献することを見出した。
すなわち、本発明の化学増幅型レジスト膜のパターンニング用有機系処理液の製造方法においては、先ず、濾過装置21の液入口部21aにおける液の温度(T)と、濾過装置21の液出口部21bにおける液の温度(T)との差の絶対値(|T−T|)が、3℃以下とされている。
上記絶対値|T−T|が3℃超過であるであると、有機系現像液を用いて微細化パターンを形成するネガ型パターン形成技術において、問題視され得るパーティクルの発生を低減することが困難になる。
上記したように、フィルターは、濾過フィルター膜(フィルターメディア)、メディアサポート、フィルター形状を構成するコア又はケージ、エンドキャップ、及び、Oリングなど様々な部品から構成されており、金属コンタミネーションを嫌う半導体製造用途という制限から、フィルター構成部材は基本的に樹脂製である。一般に、樹脂には樹脂の耐久性を確保するために、様々な添加剤が含まれている。また、一般に広く使用される樹脂合成方法(ラジカル法、熱重合法)では、目的の樹脂分子量よりも低分子重合体も少なからず含まれる。これら添加剤や低分子重合体は有機系処理液に可溶であり、処理液のコンタミネーションとなる。特に、微細化(例えば、30nmノード以下)パターンを形成するネガ型パターン形成技術に用いられる有機処理液において、このコンタミネーションが無視できなくなってきたものと考えられる。このコンタミネーションは物質の溶解性が原因であるため、コンタミネーションを最小限、かつ、一定制御するために、濾過中の液温管理(より具体的には、上記絶対値|T−T|が3℃以下とする温度管理)を行うことにより、上記パーティクルの発生が低減されたものと推測される。
上記絶対値|T−T|は、2℃以下であることが好ましく、1℃以下であることがより好ましく、0.5℃以下であることがより好ましく、0℃であることが特に好ましい。
また、液の温度は、被濾過液の粘度と、製造システムを構成する設備から有機系処理液への不純物の混入量とに影響を与えるものである。
液の温度が低いと、被濾過液の粘度が高くなりすぎ、濾過流量が低下し、濾過圧力が高くなるので、濾過精度と生産性との両立が困難な傾向となる。
一方、液中の物質の溶解度は、一般に、液の温度が低い方が小さいため、濾過に供される液の温度がある程度低いことは、製造システムを構成する設備からの有機系処理液への不純物の混入量を低下できる観点から好ましい。
よって、濾過精度、製造プロセス設備からの有機系処理へのコンタミ混入量、及び、生産性を満足させるためには、上記絶対値|T−T|に加えて、濾過中の液の温度自体を管理することがより好ましい。
具体的には、フィルター通過前の液の温度、すなわち、濾過装置21の液入口部21aにおける液の温度(T)が、15℃以上35℃以下であることが好ましく、20℃以上30℃以下であることがより好ましく、20℃以上25℃以下であることが最も好ましい。
上記絶対値|T−T|及び温度Tを調整する方法としては、例えば、タンク11、濾過装置21の液入口部21a、第1のフィルターハウジングH1、第2のフィルターハウジングH2、及び、液出口部21bの少なくとも1つに保温設備(ヒーターやウォータージャケットなどの周知の設備)を装着し、各位置における温度を調整する方法、有機系処理液製造システム100を、温度管理がなされたクリーンルーム内に設置するなどの方法を好ましく挙げることができる。
また、濾過速度は、濾過精度、フィルターからの有機系処理液への不純物の混入量、及び、生産性に影響を与えるものである。
一般的に、濾過速度が低いことは、濾過精度を高めるには好ましいが、フィルターからの有機系処理液への不純物の混入量を増加させるとともに、生産性を低下させる要因となり得る。
本発明者らは、鋭意検討の結果、上記したように、濾過装置21の液入口部21aにおける液の温度(T)と、濾過装置21の液出口部21bにおける液の温度(T)との差の絶対値(|T−T|)を、3℃以下とするとともに、濾過圧力を低い値にしつつ、濾過速度を所定値以上とすることで、特に、有機系現像液を用いて微細化(例えば、30nmノード以下)パターンを形成するネガ型パターン形成技術において、パーティクルの発生を低減できることを見出した(また、生産性を満足できることも見出した)。
すなわち、本発明の化学増幅型レジスト膜のパターンニング用有機系処理液の製造方法においては、濾過装置21における液の濾過速度が0.5L/分/m以上とされるとともに、濾過装置21における液による濾過圧力が0.10MPa以下とされている。
一方、上記濾過速度が0.5L/分/m未満であるか、あるいは、上記濾過圧力が0.10MPa超過であると、有機系現像液を用いて微細化パターンを形成するネガ型パターン形成技術において、問題視され得るパーティクルの発生を低減することが困難になる。
上記濾過速度は、0.6L/分/m以上であることが好ましく、0.75L/分/m以上であることがより好ましく、1.0L/分/m以上であることが更に好ましい。
フィルターにはフィルター性能(フィルターが壊れない)を保障する耐差圧が設定されており、この値が大きい場合には濾過圧力を高めることで濾過速度を高めることができる。つまり、上記濾過速度上限は、通常、フィルターの耐差圧に依存するが、通常、10.0L/分/m以下が好ましい。
上記濾過圧力は、0.01MPa以上0.10MPa以下であることが好ましく、0.03MPa以上0.08MPa以下であることがより好ましく、0.03MPa以上0.06MPa以下であることが特に好ましい。
また、濾過フィルター膜のポアサイズが小さくなると濾過速度が低下するが、例えば、同種の濾過フィルター膜が搭載されたフィルターを、複数個で、並列に接続することで濾過面積が拡大して濾過圧力を下がるので、これにより、濾過速度低下を補償することが可能になる。
濾過装置における液の濾過速度は、濾過装置に流れる液の濾過流量を用いて求めることができる。
濾過装置における液の濾過速度は、下式のように定義付けることができる。
濾過装置における液の濾過速度(L/分/m)=濾過装置に流れる液の濾過流量(L/分)/濾過装置中の全濾過フィルター膜の濾過総表面積(m
ここで、濾過装置に流れる液の濾過流量は、濾過装置の液入口部ないしは液出口部に取り付けられた流量計(有機系処理液製造システム100においては、圧力/流量/液温計13、又は、流量/液温計14)により測定できる。
濾過フィルター膜の濾過表面積(m)は、典型的には、濾過フィルター膜の製造メーカーが公表する値を採用できる。
濾過装置における液による濾過圧力は、濾過フィルター膜がどのように配置されていても、濾過装置の液入口部における液の圧力であり、有機系処理液製造システム100においては、圧力/流量/液温計13により測定した圧力値を、濾過装置21における液による濾過圧力とすることができる。
濾過装置における液の濾過速度及び濾過圧力は、それぞれ、液量調整バルブ12による有機系被濾過液の流量の制御、フィルターの種類、及び、フィルターの配置方法等を変更することにより、調整できる。
以上、本発明の実施形態に係る化学増幅型レジスト膜のパターンニング用有機系処理液の製造方法について説明したが、本発明の化学増幅型レジスト膜のパターンニング用有機系処理液の製造方法は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、適宜な変形、改良等が可能である。
例えば、前述した実施形態においては、濾過装置21を通過した液を液タンク11に戻せるように、すなわち、循環ラインが形成されるように、有機系処理液製造システム100を構成したが、非循環型の有機系処理液製造システムを採用してもよい。
また例えば、前述した実施形態においては、2個のフィルターを直列的に使用する2段濾過方法としたが、複数のフィルターを直列的に使用しない(例えば、1つのフィルターのみを使用する)1段濾過であってもよいし、あるいは、3個以上のフィルターを直列的に使用する多段濾過であってもよい。
有機系処理液の製造生産性と製造コストとの両立等に支障が無ければ、4段以上の濾過方法であってもよいが、製造生産性と製造コストとのバランスを鑑みると、2段又は3段の濾過方法を採用することが好ましい。
また例えば、上述の有機系処理液製造システム100においては、ポンプ16を、流れ切替えバルブ15と、液タンク11との間に設けたが、液タンク11と、濾過装置21との間に設けてもよい。
また、本発明は、上記の本発明の実施形態に係る化学増幅型レジスト膜のパターンニング用有機系処理液の製造方法により製造された化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液にも関する。
次に、上記した本発明の化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液の製造方法により製造された有機系処理液を用いた、パターン形成方法について説明する。
本発明のパターン形成方法は、
(ア)化学増幅型レジスト組成物により膜(化学増幅型レジスト膜)を形成する工程、
(イ)該膜を露光する工程、及び
(ウ)露光した膜を、有機系現像液を用いて現像する工程、
を含む。
ここで、工程(ウ)における有機系現像液は、上記した本発明の化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液の製造方法により製造された有機系現像液であり、その具体例及び好ましい例は上記した通りである。
上記露光工程における露光は、液浸露光であってもよい。
本発明のパターン形成方法は、露光工程の後に、加熱工程を有することが好ましい。
また、本発明のパターン形成方法は、アルカリ現像液を用いて現像する工程を更に有していてもよい。
本発明のパターン形成方法は、露光工程を、複数回有することができる。
本発明のパターン形成方法は、加熱工程を、複数回有することができる。
本発明のパターン形成方法に於いて、露光工程、及び現像工程は、一般的に知られている方法により行うことができる。
製膜後、露光工程の前に、前加熱工程(PB;Prebake)を含むことも好ましい。
また、露光工程の後かつ現像工程の前に、露光後加熱工程(PEB;Post Exposure Bake)を含むことも好ましい。
加熱温度はPB、PEB共に70〜130℃で行うことが好ましく、80〜120℃で行うことがより好ましい。
加熱時間は30〜300秒が好ましく、30〜180秒がより好ましく、30〜90秒が更に好ましい。
加熱は通常の露光・現像機に備わっている手段で行うことができ、ホットプレート等を用いて行っても良い。
ベークにより露光部の反応が促進され、感度やパターンプロファイルが改善する。
本発明における露光装置に用いられる光源波長に制限は無いが、赤外光、可視光、紫外光、遠紫外光、極紫外光、X線、電子線等を挙げることができ、好ましくは250nm以下、より好ましくは220nm以下、特に好ましくは1〜200nmの波長の遠紫外光、具体的には、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、Fエキシマレーザー(157nm)、X線、EUV(13nm)、電子線等であり、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、EUV又は電子線が好ましく、ArFエキシマレーザーであることがより好ましい。
また、本発明の露光を行う工程においては液浸露光方法を適用することができる。
更に、現在検討されている位相シフト法、変形照明法などの超解像技術と組み合わせることが可能である。
液浸露光を行う場合には、(1)基板上に膜を形成した後、露光する工程の前に、及び/又は(2)液浸液を介して膜に露光する工程の後、膜を加熱する工程の前に、膜の表面を水系の薬液で洗浄する工程を実施してもよい。
液浸液は、露光波長に対して透明であり、かつ膜上に投影される光学像の歪みを最小限に留めるよう、屈折率の温度係数ができる限り小さい液体が好ましいが、特に露光光源がArFエキシマレーザー(波長;193nm)である場合には、上述の観点に加えて、入手の容易さ、取り扱いのし易さといった点から水を用いるのが好ましい。
水を用いる場合、水の表面張力を減少させるとともに、界面活性力を増大させる添加剤(液体)を僅かな割合で添加しても良い。この添加剤はウエハー上のレジスト層を溶解させず、かつレンズ素子の下面の光学コートに対する影響が無視できるものが好ましい。
このような添加剤としては、例えば、水とほぼ等しい屈折率を有する脂肪族系のアルコールが好ましく、具体的にはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。水とほぼ等しい屈折率を有するアルコールを添加することにより、水中のアルコール成分が蒸発して含有濃度が変化しても、液体全体としての屈折率変化を極めて小さくできるといった利点が得られる。
一方で、193nm光に対して不透明な物質や屈折率が水と大きく異なる不純物が混入した場合、レジスト上に投影される光学像の歪みを招くため、使用する水としては、蒸留水が好ましい。更にイオン交換フィルター等を通して濾過を行った純水を用いてもよい。
液浸液として用いる水の電気抵抗は、18.3MΩcm以上であることが望ましく、TOC(有機物濃度)は20ppb以下であることが望ましく、脱気処理をしていることが望ましい。
また、液浸液の屈折率を高めることにより、リソグラフィー性能を高めることが可能である。このような観点から、屈折率を高めるような添加剤を水に加えたり、水の代わりに重水(DO)を用いてもよい。
本発明の組成物を用いて形成した膜を、液浸媒体を介して露光する場合には、必要に応じて更に後述の疎水性樹脂(D)を添加することができる。疎水性樹脂(D)が添加されることにより、表面の後退接触角が向上する。膜の後退接触角は60°〜90°が好ましく、更に好ましくは70°以上である。
液浸露光工程に於いては、露光ヘッドが高速でウエハー上をスキャンし露光パターンを形成していく動きに追随して、液浸液がウエハー上を動く必要があるので、動的な状態に於けるレジスト膜に対する液浸液の接触角が重要になり、液滴が残存することなく、露光ヘッドの高速なスキャンに追随する性能がレジストには求められる。
本発明の組成物を用いて形成した膜と液浸液との間には、膜を直接、液浸液に接触させないために、液浸液難溶性膜(以下、「トップコート」ともいう)を設けてもよい。トップコートに必要な機能としては、レジスト上層部への塗布適性、放射線、特に193nmの波長を有した放射線に対する透明性、及び液浸液難溶性が挙げられる。トップコートは、レジストと混合せず、更にレジスト上層に均一に塗布できることが好ましい。
トップコートは、193nmにおける透明性という観点からは、芳香族を含有しないポリマーが好ましい。
具体的には、炭化水素ポリマー、アクリル酸エステルポリマー、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリビニルエーテル、シリコン含有ポリマー、及びフッ素含有ポリマーなどが挙げられる。前述の疎水性樹脂(D)はトップコートとしても好適なものである。トップコートから液浸液へ不純物が溶出すると光学レンズが汚染されるため、トップコートに含まれるポリマーの残留モノマー成分は少ない方が好ましい。
トップコートを剥離する際は、現像液を使用してもよいし、別途剥離剤を使用してもよい。剥離剤としては、膜への浸透が小さい溶剤が好ましい。
トップコートと液浸液との間には屈折率の差がないか又は小さいことが好ましい。この場合、解像力を向上させることが可能となる。露光光源がArFエキシマレーザー(波長:193nm)の場合には、液浸液として水を用いることが好ましいため、ArF液浸露光用トップコートは、水の屈折率(1.44)に近いことが好ましい。また、透明性及び屈折率の観点から、トップコートは薄膜であることが好ましい。
トップコートは、膜と混合せず、更に液浸液とも混合しないことが好ましい。この観点から、液浸液が水の場合には、トップコートに使用される溶剤は、本発明の組成物に使用される溶媒に難溶で、かつ非水溶性の媒体であることが好ましい。更に、液浸液が有機溶剤である場合には、トップコートは水溶性であっても非水溶性であってもよい。
本発明において膜を形成する基板は特に限定されるものではなく、シリコン、SiN、SiOやSiN等の無機基板、SOG等の塗布系無機基板等、IC等の半導体製造工程、液晶、サーマルヘッド等の回路基板の製造工程、更にはその他のフォトファブリケーションのリソグラフィー工程で一般的に用いられる基板を用いることができる。更に、必要に応じて、公知の無機または有機反射防止膜を膜と基板の間に形成させても良い。
本発明のパターン形成方法が、アルカリ現像液を用いて現像する工程を更に有する場合、アルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピヘリジン等の環状アミン類等のアルカリ性水溶液を使用することができる。
更に、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。
アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
特に、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38%質量の水溶液が望ましい。
なお、有機系現像液による現像と、アルカリ現像液による現像を組み合わせることにより、US8,227,183BのFIG.1〜11などで説明されているように、マスクパターンの1/2の線幅のパターンを解像することが期待できる。
アルカリ現像の後に行うリンス処理におけるリンス液としては、純水を使用し、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
また、現像処理又はリンス処理の後に、パターン上に付着している現像液又はリンス液を超臨界流体により除去する処理を行うことができる。
露光した膜を有機系現像液を用いて現像する工程における有機系現像液は、上記したように、本発明の化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液の製造方法により製造された有機系現像液であり、現像方法としては、たとえば、現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液吐出ノズルをスキャンしながら現像液を吐出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)などを適用することができる。
上記各種の現像方法が、現像装置の現像ノズルから現像液をレジスト膜に向けて吐出する工程を含む場合、吐出される現像液の吐出圧(吐出される現像液の単位面積あたりの流速)は好ましくは2mL/sec/mm以下、より好ましくは1.5mL/sec/mm以下、更に好ましくは1mL/sec/mm以下である。流速の下限は特に無いが、スループットを考慮すると0.2mL/sec/mm以上が好ましい。
吐出される現像液の吐出圧を上記の範囲とすることにより、現像後のレジスト残渣に由来するパターンの欠陥を著しく低減することができる。
このメカニズムの詳細は定かではないが、恐らくは、吐出圧を上記範囲とすることで、現像液がレジスト膜に与える圧力が小さくなり、レジスト膜・レジストパターンが不用意に削られたり崩れたりすることが抑制されるためと考えられる。
なお、現像液の吐出圧(mL/sec/mm)は、現像装置中の現像ノズル出口における値である。
現像液の吐出圧を調整する方法としては、例えば、ポンプなどで吐出圧を調整する方法や、加圧タンクからの供給で圧力を調整することで変える方法などを挙げることができる。
また、有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程の後に、他の溶媒に置換しながら、現像を停止する工程を実施してもよい。
有機系現像液を用いて現像する工程に用いられる現像装置は、有機系現像液を塗布可能な塗布現像装置であることが好ましく、塗布現像装置としては、東京エレクトロン社製 LITHIUS、LITHIUS i+、LITHIUS Pro、LITHIUS Pro−i、LITHIUS Pro V、LITHIUS Pro V−i、及び、SOKUDO社製 RF3S、SOKUDO DUO等が挙げられる。
これら塗布現像装置には、標準的に、POUフィルターと呼ばれる接続薬液用フィルター(処理液用フィルター)が搭載されている。
よって、現像工程において、POU搭載塗布現像装置(処理液用フィルターが搭載された現像装置)を使用するとともに、本発明のパターニング用有機系処理液(特に有機系現像液)をPOUフィルターを通過させて現像に使用してもよい。
POU搭載塗布現像装置での使用時には、以下の2点を実施することが好ましい。
1.新品POUフィルター使用時は、POUフィルターを装置にセット直後に使用する処理液を30L以上の量で通液する。2.6時間以上使用しない時間が空いた場合には、使用直前に1L以上のダミーディスペンスを実施する。
本発明のパターン形成方法は、有機系現像液を用いて現像する工程の後に、更に、有機系リンス液を用いて洗浄する工程を含むことが好ましい。
ここで、有機系リンス液は、上記した本発明の化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液の製造方法により製造された有機系リンス液であり、その具体例及び好ましい例は上記した通りである。
リンス工程においては、有機溶剤を含む現像液を用いる現像を行ったウエハーを前記の有機溶剤を含むリンス液を用いて洗浄処理する。洗浄処理の方法は特に限定されないが、たとえば、一定速度で回転している基板上にリンス液を吐出しつづける方法(回転塗布法)、リンス液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面にリンス液を噴霧する方法(スプレー法)、などを適用することができ、この中でも回転塗布方法で洗浄処理を行い、洗浄後に基板を2000rpm〜4000rpmの回転数で回転させ、リンス液を基板上から除去することが好ましい。また、リンス工程の後に加熱工程(Post Bake)を含むことも好ましい。ベークによりパターン間及びパターン内部に残留した現像液及びリンス液が除去される。リンス工程の後の加熱工程は、通常40〜160℃、好ましくは70〜95℃で、通常10秒〜3分、好ましくは30秒から90秒間行う。
本発明のパターン形成方法は、有機系現像液を用いて現像する工程の後に、更に、有機系リンス液を用いて洗浄する工程を含むとともに、有機系現像液が、上記した本発明の化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液の製造方法により得られた有機系処理液としての酢酸ブチルであり、かつ、有機系リンス液が、上記した本発明の化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液の製造方法により得られた有機系処理液としての酢酸ブチルであることがより好ましい。
本発明のパターン形成方法において使用される化学増幅型レジスト組成物は、露光を契機とする系中の化学反応が触媒的に連鎖するタイプのレジスト組成物であれば特に限定されないが、典型的には、以下に示す成分の一部または全てを含む化学増幅型レジストが好ましく用いられる。
[1](A)酸の作用により極性が増大して有機溶剤を含む現像液に対する溶解性が減少する樹脂
酸の作用により極性が増大して有機溶剤を含む現像液に対する溶解性が減少する樹脂(A)としては、例えば、樹脂の主鎖又は側鎖、あるいは、主鎖及び側鎖の両方に、酸の作用により分解し、極性基を生じる基(以下、「酸分解性基」ともいう)を有する樹脂(以下、「酸分解性樹脂」又は「樹脂(A)」ともいう)を挙げることができる。
酸分解性基は、極性基を酸の作用により分解し脱離する基で保護された構造を有することが好ましい。好ましい極性基としては、カルボキシル基、フェノール性水酸基、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール基)、スルホン酸基が挙げられる。
酸分解性基として好ましい基は、これらの基の水素原子を酸で脱離する基で置換した基である。
酸で脱離する基としては、例えば、−C(R36)(R37)(R38)、−C(R36)(R37)(OR39)、−C(R01)(R02)(OR39)等を挙げることができる。
式中、R36〜R39は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。R36とR37とは、互いに結合して環を形成してもよい。
01及びR02は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。
酸分解性基としては好ましくは、クミルエステル基、エノールエステル基、アセタールエステル基、第3級のアルキルエステル基等である。更に好ましくは、第3級アルキルエステル基である。また、本発明のパターン形成方法をKrF光またはEUV光による露光、あるいは電子線照射により行う場合、フェノール性水酸基を酸脱離基により保護した酸分解性基を用いてもよい。
樹脂(A)は、酸分解性基を有する繰り返し単位を有することが好ましい。
この繰り返し単位としては、以下が挙げられる。
具体例中、Rxは、水素原子、CH、CF、又はCHOHを表す。Rxa、Rxbはそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基を表す。Xaは、水素原子、CH、CF、又はCHOHを表す。Zは、置換基を表し、複数存在する場合、複数のZは互いに同じであっても異なっていてもよい。pは0又は正の整数を表す。Zの具体例及び好ましい例は、Rx〜Rxなどの各基が有し得る置換基の具体例及び好ましい例と同様である。
Figure 2015084122
Figure 2015084122
Figure 2015084122
下記具体例において、Xaは、水素原子、アルキル基、シアノ基又はハロゲン原子を表す。
Figure 2015084122
Figure 2015084122
Figure 2015084122
Figure 2015084122
下記具体例中、Xaは、水素原子、CH、CF、又はCHOHを表す。
Figure 2015084122
酸分解性基を有する繰り返し単位は、1種類であってもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂(A)に含まれる酸分解性基を有する繰り返し単位の含有量(酸分解性基を有する繰り返し単位が複数存在する場合はその合計)は、樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、15モル%以上であることが好ましく、20モル%以上であることがより好ましく、25モル%以上であることが更に好ましく、40モル%以上であることが特に好ましい。
樹脂(A)は、ラクトン構造又はスルトン構造を有する繰り返し単位を含有していてもよい。
以下にラクトン構造又はスルトン構造を有する基を有する繰り返し単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2015084122
Figure 2015084122
Figure 2015084122
2種以上のラクトン構造又はスルトン構造を有する繰り返し単位を併用することも可能である。
樹脂(A)がラクトン構造又はスルトン構造を有する繰り返し単位を含有する場合、ラクトン構造又はスルトン構造を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、5〜60モル%が好ましく、より好ましくは5〜55モル%、更に好ましくは10〜50モル%である。
また、樹脂(A)は、環状炭酸エステル構造を有する繰り返し単位を有していてもよい。如何に具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
なお、以下の具体例中のR は、水素原子又はアルキル基(好ましくはメチル基)を表す。
Figure 2015084122
樹脂(A)は、水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位を有していても良い。
水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2015084122
Figure 2015084122
樹脂(A)は、酸基を有する繰り返し単位を有してもよい。
樹脂(A)は、酸基を有する繰り返し単位を含有してもしなくても良いが、含有する場合、酸基を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、25モル%以下であることが好ましく、20モル%以下であることがより好ましい。樹脂(A)が酸基を有する繰り返し単位を含有する場合、樹脂(A)における酸基を有する繰り返し単位の含有量は、通常、1モル%以上である。
酸基を有する繰り返し単位の具体例を以下に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
具体例中、RxはH、CH、CHOH又はCFを表す。
Figure 2015084122
Figure 2015084122
樹脂(A)は、更に極性基(例えば、前記酸基、ヒドロキシル基、シアノ基)を持たない脂環炭化水素構造及び/または芳香環構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位を有することができる。
極性基を持たない脂環炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。式中、Raは、H、CH、CHOH、又はCFを表す。
Figure 2015084122
Figure 2015084122
Figure 2015084122
本発明の組成物が、ArF露光用であるとき、ArF光への透明性の点から本発明の組成物に用いられる樹脂(A)は実質的には芳香環を有さない(具体的には、樹脂中、芳香族基を有する繰り返し単位の比率が好ましくは5モル%以下、より好ましくは3モル%以下、理想的には0モル%、すなわち、芳香族基を有さない)ことが好ましく、樹脂(A)は単環又は多環の脂環炭化水素構造を有することが好ましい。
本発明における樹脂(A)の形態としては、ランダム型、ブロック型、クシ型、スター型のいずれの形態でもよい。樹脂(A)は、例えば、各構造に対応する不飽和モノマーのラジカル、カチオン、又はアニオン重合により合成することができる。また各構造の前駆体に相当する不飽和モノマーを用いて重合した後に、高分子反応を行うことにより目的とする樹脂を得ることも可能である。
本発明の組成物が、ArF露光用であるとき、ArF光への透明性の点から本発明の組成物に用いられる樹脂(A)は実質的には芳香環を有さない(具体的には、樹脂中、芳香族基を有する繰り返し単位の比率が好ましくは5モル%以下、より好ましくは3モル%以下、理想的には0モル%、すなわち、芳香族基を有さない)ことが好ましく、樹脂(A)は単環又は多環の脂環炭化水素構造を有することが好ましい。
本発明の組成物が、後述する樹脂(D)を含んでいる場合、樹脂(A)は、樹脂(D)との相溶性の観点から、フッ素原子及びケイ素原子を含有しないことが好ましい。
本発明の組成物に用いられる樹脂(A)として好ましくは、繰り返し単位のすべてが(メタ)アクリレート系繰り返し単位で構成されたものである。この場合、繰り返し単位のすべてがメタクリレート系繰り返し単位であるもの、繰り返し単位のすべてがアクリレート系繰り返し単位であるもの、繰り返し単位のすべてがメタクリレート系繰り返し単位とアクリレート系繰り返し単位とによるもののいずれのものでも用いることができるが、アクリレート系繰り返し単位が全繰り返し単位の50モル%以下であることが好ましい。
本発明の組成物にKrFエキシマレーザー光、電子線、X線、波長50nm以下の高エネルギー光線(EUVなど)を照射する場合には、樹脂(A)は、芳香環を有する繰り返し単位を有してもよい。芳香環を有する繰り返し単位としては、特に限定されず、また、前述の各繰り返し単位に関する説明でも例示しているが、スチレン単位、ヒドロキシスチレン単位、フェニル(メタ)アクリレート単位、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート単位などが挙げられる。樹脂(A)としては、より具体的には、ヒドロキシスチレン系繰り返し単位と、酸分解性基によって保護されたヒドロキシスチレン系繰り返し単位とを有する樹脂、上記芳香環を有する繰り返し単位と、(メタ)アクリル酸のカルボン酸部位が酸分解性基によって保護された繰り返し単位を有する樹脂、などが挙げられる。
本発明における樹脂(A)は、常法に従って(例えばラジカル重合)合成、及び精製することができる。この合成方法及び精製方法としては、例えば特開2008−292975号公報の0201段落〜0202段落等の記載を参照されたい。
本発明における樹脂(A)の重量平均分子量は、GPC法によりポリスチレン換算値として、上記のように7,000以上であり、好ましくは7,000〜200,000であり、より好ましくは7,000〜50,000、更により好ましくは7,000〜40,000、特に好ましくは7,000〜30,000である。重量平均分子量が7000より小さいと、有機系現像液に対する溶解性が高くなりすぎ、精密なパターンを形成できなくなる懸念が生じる。
分散度(分子量分布)は、通常1.0〜3.0であり、好ましくは1.0〜2.6、更に好ましくは1.0〜2.0、特に好ましくは1.4〜2.0の範囲のものが使用される。分子量分布の小さいものほど、解像度、レジスト形状が優れ、かつ、レジストパターンの側壁がスムーズであり、ラフネス性に優れる。
本発明の化学増幅型レジスト組成物において、樹脂(A)の組成物全体中の配合率は、全固形分中30〜99質量%が好ましく、より好ましくは60〜95質量%である。
また、本発明において、樹脂(A)は、1種で使用してもよいし、複数併用してもよい。
以下、樹脂(A)の具体例(繰り返し単位の組成比はモル比である)を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下では、後述する、酸発生剤(B)に対応する構造が樹脂(A)に担持されている場合の態様も例示している。
Figure 2015084122
Figure 2015084122
Figure 2015084122
以下に例示する樹脂は、特に、EUV露光または電子線露光の際に、好適に用いることができる樹脂の例である。
Figure 2015084122
Figure 2015084122
Figure 2015084122
Figure 2015084122
Figure 2015084122
Figure 2015084122
Figure 2015084122
Figure 2015084122
[2](B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物
本発明における組成物は、通常、更に、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(B)(以下、「酸発生剤」ともいう)を含有する。活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(B)としては、活性光線又は放射線の照射により有機酸を発生する化合物であることが好ましい。
酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
たとえば、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、イミドスルホネート、オキシムスルホネート、ジアゾジスルホン、ジスルホン、o−ニトロベンジルスルホネートを挙げることができる。
酸発生剤の中で、特に好ましい例を以下に挙げる。
Figure 2015084122
Figure 2015084122
Figure 2015084122
Figure 2015084122
Figure 2015084122
Figure 2015084122
Figure 2015084122
Figure 2015084122
酸発生剤は、公知の方法で合成することができ、例えば、特開2007−161707号公報、特開2010−100595号公報の[0200]〜[0210]、国際公開第2011/093280号の[0051]〜[0058]、国際公開第2008/153110号の[0382]〜[0385]、特開2007−161707号公報等に記載の方法に準じて合成することができる。
酸発生剤は、1種類単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物の組成物中の含有量は、化学増幅型レジスト組成物の全固形分を基準として、0.1〜30質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜25質量%、更に好ましくは3〜20質量%、特に好ましくは3〜15質量%である。
なお、レジスト組成物によっては、酸発生剤に対応する構造が、前記樹脂(A)に担持されている態様(B´)もある。このような態様として具体的には、特開2011−248019に記載の構造(特に、0164段落から0191段落に記載の構造、段落0555の実施例で記載されている樹脂に含まれる構造)などが挙げられる。ちなみに、酸発生剤に対応する構造が、前記樹脂(A)に担持されている態様であっても、レジスト組成物は、追加的に、前記樹脂(A)に担持されていない酸発生剤を含んでもよい。
態様(B´)として、以下のような繰り返し単位が挙げられるが、これに限定されるものではない。
Figure 2015084122
[3](C)溶剤
化学増幅型レジスト組成物は、通常、溶剤(C)を含有する。
化学増幅型レジスト組成物を調製する際に使用することができる溶剤としては、例えば、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキルエステル、アルコキシプロピオン酸アルキル、環状ラクトン(好ましくは炭素数4〜10)、環を有しても良いモノケトン化合物(好ましくは炭素数4〜10)、アルキレンカーボネート、アルコキシ酢酸アルキル、ピルビン酸アルキル等の有機溶剤を挙げることができる。
これらの溶剤の具体例は、米国特許出願公開2008/0187860号明細書[0441]〜[0455]に記載のものを挙げることができる。
本発明においては、有機溶剤として構造中に水酸基を含有する溶剤と、水酸基を含有しない溶剤とを混合した混合溶剤を使用してもよい。
水酸基を含有する溶剤、水酸基を含有しない溶剤としては前述の例示化合物が適宜選択可能であるが、水酸基を含有する溶剤としては、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキル等が好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME、別名1−メトキシ−2−プロパノール)、乳酸エチルがより好ましい。また、水酸基を含有しない溶剤としては、アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、アルキルアルコキシプロピオネート、環を含有しても良いモノケトン化合物、環状ラクトン、酢酸アルキルなどが好ましく、これらの内でもプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA、別名1−メトキシ−2−アセトキシプロパン)、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチルが特に好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノンが最も好ましい。
水酸基を含有する溶剤と水酸基を含有しない溶剤との混合比(質量)は、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、更に好ましくは20/80〜60/40である。水酸基を含有しない溶剤を50質量%以上含有する混合溶剤が塗布均一性の点で特に好ましい。
溶剤は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含むことが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート単独溶媒、又は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含有する2種類以上の混合溶剤であることが好ましい。
[4]疎水性樹脂(D)
本発明に係る化学増幅型レジスト組成物は、特に液浸露光に適用する際、疎水性樹脂(以下、「疎水性樹脂(D)」又は単に「樹脂(D)」ともいう)を含有してもよい。なお、疎水性樹脂(D)は、前記樹脂(A)とは異なることが好ましい。
これにより、膜表層に疎水性樹脂(D)が偏在化し、液浸媒体が水の場合、水に対するレジスト膜表面の静的/動的な接触角を向上させ、液浸液追随性を向上させることができる。
疎水性樹脂(D)は前述のように界面に偏在するように設計されることが好ましいが、界面活性剤とは異なり、必ずしも分子内に親水基を有する必要はなく、極性/非極性物質を均一に混合することに寄与しなくても良い。
疎水性樹脂(D)は、膜表層への偏在化の観点から、“フッ素原子”、“珪素原子”、及び、“樹脂の側鎖部分に含有されたCH部分構造”のいずれか1種以上を有することが好ましく、2種以上を有することがさらに好ましい。
疎水性樹脂(D)の標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜100,000で、より好ましくは1,000〜50,000、更により好ましくは2,000〜15,000である。
また、疎水性樹脂(D)は、1種で使用してもよいし、複数併用してもよい。
疎水性樹脂(D)の組成物中の含有量は、本発明の組成物中の全固形分に対し、0.01〜10質量%が好ましく、0.05〜8質量%がより好ましく、0.1〜7質量%が更に好ましい。
疎水性樹脂(D)は、樹脂(A)同様、金属等の不純物が少ないのは当然のことながら、残留単量体やオリゴマー成分が0.01〜5質量%であることが好ましく、より好ましくは0.01〜3質量%、0.05〜1質量%が更により好ましい。それにより、液中異物や感度等の経時変化のない化学増幅型レジスト組成物が得られる。また、解像度、レジスト形状、レジストパターンの側壁、ラフネスなどの点から、分子量分布(Mw/Mn、分散度ともいう)は、1〜5の範囲が好ましく、より好ましくは1〜3、更に好ましくは1〜2の範囲である。
疎水性樹脂(D)は、各種市販品を利用することもできるし、常法に従って(例えばラジカル重合)合成することができる。例えば、一般的合成方法としては、モノマー種及び開始剤を溶剤に溶解させ、加熱することにより重合を行う一括重合法、加熱溶剤にモノマー種と開始剤の溶液を1〜10時間かけて滴下して加える滴下重合法などが挙げられ、滴下重合法が好ましい。
反応溶媒、重合開始剤、反応条件(温度、濃度等)、及び、反応後の精製方法は、樹脂(A)で説明した内容と同様であるが、疎水性樹脂(D)の合成においては、反応の濃度が30〜50質量%であることが好ましい。より詳細には、特開2008−292975号公報の0320段落〜0329段落付近の記載を参照されたい。
以下に疎水性樹脂(D)の具体例を示す。また、下記表に、各樹脂における繰り返し単位のモル比(各繰り返し単位と左から順に対応)、重量平均分子量、分散度を示す。
Figure 2015084122
Figure 2015084122
Figure 2015084122
Figure 2015084122
Figure 2015084122
Figure 2015084122
Figure 2015084122
Figure 2015084122
Figure 2015084122
Figure 2015084122
[5]塩基性化合物
本発明における化学増幅型レジスト組成物は、塩基性化合物を含有することが好ましい。
化学増幅型レジスト組成物は、塩基性化合物として、活性光線又は放射線の照射により塩基性が低下する、塩基性化合物又はアンモニウム塩化合物(以下、「化合物(N)」ともいう)を含有することが好ましい。
化合物(N)は、塩基性官能基又はアンモニウム基と、活性光線又は放射線の照射により酸性官能基を発生する基とを有する化合物(N−1)であることが好ましい。すなわち、化合物(N)は、塩基性官能基と活性光線若しくは放射線の照射により酸性官能基を発生する基とを有する塩基性化合物、又は、アンモニウム基と活性光線若しくは放射線の照射により酸性官能基を発生する基とを有するアンモニウム塩化合物であることが好ましい。この化合物例として、特に好ましいものを以下に例示する。また、そのほか、US2012/0156617A号明細書の5ページ以降、(A−1)〜(A−23)として例示されている化合物、US2006/0264528A号明細書の9ページ以降、(A−1)〜(A−44)として挙げられている化合物なども好ましく挙げられる。
Figure 2015084122
これらの化合物は、特開2006−330098号公報の合成例などに準じて合成することができる。
化合物(N)の分子量は、500〜1000であることが好ましい。
本発明における化学増幅型レジスト組成物は化合物(N)を含有してもしていなくてもよいが、含有する場合、化合物(N)の含有量は、化学増幅型レジスト組成物の固形分を基準として、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜10質量%である。
本発明における化学増幅型レジスト組成物は、露光から加熱までの経時による性能変化を低減するために、塩基性化合物として、前記化合物(N)とは異なる、塩基性化合物(N’)を含有していてもよい。
塩基性化合物(N’)としては、好ましくは、下記式(A’)〜(E’)で示される構造を有する化合物を挙げることができる。
Figure 2015084122
一般式(A’)と(E’)において、
RA200、RA201及びRA202は、同一でも異なってもよく、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)又はアリール基(炭素数6〜20)を表し、ここで、RA201とRA202は、互いに結合して環を形成してもよい。RA203、RA204、RA205及びRA206は、同一でも異なってもよく、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)を表す。
上記アルキル基は、置換基を有していてもよく、置換基を有するアルキル基としては、炭素数1〜20のアミノアルキル基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基又は炭素数1〜20のシアノアルキル基が好ましい。
これら一般式(A’)と(E’)中のアルキル基は、無置換であることがより好ましい。
塩基性化合物(N’)の好ましい具体例としては、グアニジン、アミノピロリジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピペラジン、アミノモルホリン、アミノアルキルモルフォリン、ピペリジン等を挙げることができ、更に好ましい具体例としては、イミダゾール構造、ジアザビシクロ構造、オニウムヒドロキシド構造、オニウムカルボキシレート構造、トリアルキルアミン構造、アニリン構造又はピリジン構造を有する化合物、水酸基及び/又はエーテル結合を有するアルキルアミン誘導体、水酸基及び/又はエーテル結合を有するアニリン誘導体等を挙げることができる。
イミダゾール構造を有する化合物としては、イミダゾール、2、4、5−トリフェニルイミダゾール、ベンズイミダゾール等が挙げられる。ジアザビシクロ構造を有する化合物としては、1、4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1、5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノナ−5−エン、1、8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカー7−エン等が挙げられる。オニウムヒドロキシド構造を有する化合物としては、トリアリールスルホニウムヒドロキシド、フェナシルスルホニウムヒドロキシド、2−オキソアルキル基を有するスルホニウムヒドロキシド、具体的にはトリフェニルスルホニウムヒドロキシド、トリス(t−ブチルフェニル)スルホニウムヒドロキシド、ビス(t−ブチルフェニル)ヨードニウムヒドロキシド、フェナシルチオフェニウムヒドロキシド、2−オキソプロピルチオフェニウムヒドロキシド等が挙げられる。オニウムカルボキシレート構造を有する化合物としては、オニウムヒドロキシド構造を有する化合物のアニオン部がカルボキシレートになったものであり、例えばアセテート、アダマンタンー1−カルボキシレート、パーフロロアルキルカルボキシレート等が挙げられる。トリアルキルアミン構造を有する化合物としては、トリ(n−ブチル)アミン、トリ(n−オクチル)アミン等を挙げることができる。アニリン構造を有する化合物としては、2,6−ジイソプロピルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジブチルアニリン、N,N−ジヘキシルアニリン等を挙げることができる。水酸基及び/又はエーテル結合を有するアルキルアミン誘導体としては、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリス(メトキシエトキシエチル)アミン等を挙げることができる。水酸基及び/又はエーテル結合を有するアニリン誘導体としては、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アニリン等を挙げることができる。
好ましい塩基性化合物として、更に、フェノキシ基を有するアミン化合物、フェノキシ基を有するアンモニウム塩化合物、スルホン酸エステル基を有するアミン化合物及びスルホン酸エステル基を有するアンモニウム塩化合物を挙げることができる。この具体例としては、米国特許出願公開2007/0224539号明細書の[0066]に例示されている化合物(C1−1)〜(C3−3)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、塩基性化合物の1種として、酸の作用により脱離する基を有する含窒素有機化合物を用いることもできる。この化合物の例として、例えば、化合物の具体例を以下に示す。
Figure 2015084122
上記化合物は、例えば、特開2009−199021号公報に記載の方法に準じて合成することができる。
また、塩基性化合物(N’)としては、アミンオキシド構造を有する化合物も用いることもできる。この化合物の具体例としては、トリエチルアミンピリジン N−オキシド、トリブチルアミン N−オキシド、トリエタノールアミン N−オキシド、トリス(メトキシエチル)アミン N−オキシド、トリス(2−(メトキシメトキシ)エチル)アミン=オキシド、2,2’,2”−ニトリロトリエチルプロピオネート N−オキシド、N−2−(2−メトキシエトキシ)メトキシエチルモルホリン N−オキシド、その他特開2008−102383に例示されたアミンオキシド化合物が使用可能である。
塩基性化合物(N’)の分子量は、250〜2000であることが好ましく、更に好ましくは400〜1000である。LWRのさらなる低減及び局所的なパターン寸法の均一性の観点からは、塩基性化合物の分子量は、400以上であることが好ましく、500以上であることがより好ましく、600以上であることが更に好ましい。
これらの塩基性化合物(N’)は、前記化合物(N)と併用していてもよいし、単独であるいは2種以上一緒に用いられる。
本発明における化学増幅型レジスト組成物は塩基性化合物(N’)を含有してもしていなくてもよいが、含有する場合、塩基性化合物(N’)の使用量は、化学増幅型レジスト組成物の固形分を基準として、通常、0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%である。
また、本発明における化学増幅型レジスト組成物は、特開2012−189977号公報の式(I)に含まれる化合物、特開2013−6827号公報の式(I)で表される化合物、特開2013−8020号公報の式(I)で表される化合物、特開2012−252124号公報の式(I)で表される化合物などのような、1分子内にオニウム塩構造と酸アニオン構造の両方を有する化合物(以下、ベタイン化合物ともいう)も好ましく用いることができる。このオニウム塩構造としては、スルホニウム、ヨードニウム、アンモニウム構造が挙げられ、スルホニウムまたはヨードニウム塩構造であることが好ましい。また、酸アニオン構造としては、スルホン酸アニオンまたはカルボン酸アニオンが好ましい。この化合物例としては、例えば以下が挙げられる。
Figure 2015084122
[6](F)界面活性剤
本発明における化学増幅型レジスト組成物は、更に界面活性剤を含有してもしなくても良く、含有する場合、フッ素及び/又はシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、フッ素原子とケイ素原子の両方を有する界面活性剤)のいずれか、あるいは2種以上を含有することがより好ましい。
本発明における化学増幅型レジスト組成物が界面活性剤を含有することにより、250nm以下、特に220nm以下の露光光源の使用時に、良好な感度及び解像度で、密着性及び現像欠陥の少ないレジストパターンを与えることが可能となる。
フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤として、米国特許出願公開第2008/0248425号明細書の[0276]に記載の界面活性剤が挙げられ、例えばエフトップEF301、EF303、(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431、4430(住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、F113、F110、F177、F120、R08(DIC(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106、KH−20(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)、GF−300、GF−150(東亜合成化学(株)製)、サーフロンS−393(セイミケミカル(株)製)、エフトップEF121、EF122A、EF122B、RF122C、EF125M、EF135M、EF351、EF352、EF801、EF802、EF601((株)ジェムコ製)、PF636、PF656、PF6320、PF6520(OMNOVA社製)、FTX−204G、208G、218G、230G、204D、208D、212D、218D、222D((株)ネオス製)等である。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
また、界面活性剤としては、上記に示すような公知のものの他に、テロメリゼーション法(テロマー法ともいわれる)若しくはオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)により製造されたフルオロ脂肪族化合物から導かれたフルオロ脂肪族基を有する重合体を用いた界面活性剤を用いることが出来る。フルオロ脂肪族化合物は、特開2002−90991号公報に記載された方法によって合成することが出来る。
上記に該当する界面活性剤として、メガファックF178、F−470、F−473、F−475、F−476、F−472(DIC(株)製)、C13基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体等を挙げることができる。
また、本発明では、米国特許出願公開第2008/0248425号明細書の[0280]に記載の、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤以外の他の界面活性剤を使用することもできる。
これらの界面活性剤は単独で使用してもよいし、また、いくつかの組み合わせで使用してもよい。
化学増幅型レジスト組成物が界面活性剤を含有する場合、界面活性剤の使用量は、化学増幅型レジスト組成物の全量(溶剤を除く)に対して、好ましくは0.0001〜2質量%、より好ましくは0.0005〜1質量%である。
一方、界面活性剤の添加量を、化学増幅型レジスト組成物の全量(溶剤を除く)に対して、10ppm以下とすることで、疎水性樹脂の表面偏在性があがり、それにより、レジスト膜表面をより疎水的にすることができ、液浸露光時の水追随性を向上させることが出来る。
[7](G)その他添加剤
本発明における化学増幅型レジスト組成物は、カルボン酸オニウム塩を含有してもよい。このようなカルボン酸オニウム塩は、米国特許出願公開2008/0187860号明細書[0605]〜[0606]に記載のものを挙げることができる。
化学増幅型レジスト組成物がカルボン酸オニウム塩を含有する場合、その含有量は、組成物の全固形分に対し、一般的には0.1〜20質量%、好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜7質量%である。
また、本発明の化学増幅型レジスト組成物は、必要に応じていわゆる酸増殖剤を含んでもよい。酸増殖剤は、特に、EUV露光または電子線照射により本発明のパターン形成方法を行う際に使用することが好ましい。酸増殖剤の具体例としては、特に限定されないが、例えば以下が挙げられる。
Figure 2015084122
本発明の化学増幅型レジスト組成物には、必要に応じて更に染料、可塑剤、光増感剤、光吸収剤、アルカリ可溶性樹脂、溶解阻止剤及び現像液に対する溶解性を促進させる化合物(例えば、分子量1000以下のフェノール化合物、カルボキシル基を有する脂環族、又は脂肪族化合物)等を含有させることができる。
本発明における化学増幅型レジスト組成物は、解像力向上の観点から、膜厚30〜250nmで使用されることが好ましく、より好ましくは、膜厚30〜200nmで使用されることが好ましい。
本発明における化学増幅型レジスト組成物の固形分濃度は、通常1.0〜10質量%であり、好ましくは、2.0〜5.7質量%、更に好ましくは2.0〜5.3質量%である。固形分濃度を前記範囲とすることで、レジスト溶液を基板上に均一に塗布することができる。
固形分濃度とは、化学増幅型レジスト組成物の総重量に対する、溶剤を除く他のレジスト成分の重量の重量百分率である。
本発明における化学増幅型レジスト組成物は、上記の成分を所定の有機溶剤、好ましくは前記混合溶剤に溶解し、フィルター濾過した後、所定の支持体(基板)上に塗布して用いる。フィルター濾過に用いるフィルターのポアサイズは0.1μm以下、より好ましくは0.05μm以下、更に好ましくは0.03μm以下のポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、ナイロン製のものが好ましい。フィルター濾過においては、例えば特開2002−62667号公報のように、循環的な濾過を行ったり、複数種類のフィルターを直列又は並列に接続して濾過を行ったりしてもよい。また、組成物を複数回濾過してもよい。更に、フィルター濾過の前後で、組成物に対して脱気処理などを行ってもよい。
本発明は、上記した本発明のパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法、及び、この製造方法により製造された電子デバイスにも関する。
本発明の電子デバイスは、電気電子機器(家電、OA・メディア関連機器、光学用機器及び通信機器等)に、好適に、搭載されるものである。
上記した有機系処理液製造システム100を用いて、有機系処理液を製造した。
液タンク11の液に接触する内壁、及び、上記した濾過装置21以外における流路(配管、シール部、ジョイント部材など)は、全て、金属溶出しないことを確認した金属製もしくはフッ素樹脂(PTFE、PFA等)製、あるいは、これらの素材によりライニングしたものとした。
〔実施例1〕
<循環ライン洗浄>
23℃に設定したウォータージャケットを巻いた1段目フィルターハウジングH1内に、1段目フィルターF1として、日本ポール社製ウルチクリーン 50nmPTFEフィルター(型名ABF1UCFD3EH1;ポアサイズ50nm;フィルター1本当たりの濾過表面積1.2m)を、23℃に設定したウォータージャケットを巻いた2段目フィルターハウジングH2内に、2段目フィルターF2として、日本ポール社製 20nmPTFEフィルター(型名ABF1UCF3EH1;ポアサイズ20nm;フィルター1本当たりの濾過表面積1.2m)を各1本ずつセットした。
液タンク11に、有機系処理液製造システム100の循環ラインを十分満たせる量の酢酸ブチルを投入し、流量調整バルブ12を開放し、流れ切替えバルブ15を循環側にセットし、ポンプ16を稼動させ、循環ライン体積の5倍に相当するする量の酢酸ブチルを循環ライン内に循環させて、循環ラインを洗浄後、流れ切替えバルブ15を取出側にセットし、循環ライン内の酢酸ブチルを排出した。
また、ドレインD1,D2,D3からも、循環ライン内の酢酸ブチルを出来限り排出した。
以上の循環ラインの洗浄作業を2回実施した。
<被濾過液の準備>
液タンク11に新たに酢酸ブチルを投入し、液タンク11に付帯された温度調整器により被濾過液の温度を23℃に設定した。
同時に1段目フィルターハウジングH1及び2段目フィルターハウジングH2におけるウォータージャケットの温度を23℃に設定した。
流量調整バルブ12を開放し、流れ切替えバルブ15を循環側にセットし、ポンプ16を稼動させ、圧力/流量/液温計13が示す温度が濾過前設定温度(23℃)になるまで、液タンク11に付帯された温度調整器を調整しながら酢酸ブチルを有機系処理液製造システム100の循環ライン内で循環させた。
圧力/流量/液温計13が示す温度が23℃になったことを確認後、ポンプ16を停止させ、流れ切替えバルブ15を取出側に切換え、圧力/流量/液温計13が示す濾過圧力、流量及び温度が、それぞれ、0.05MPa、2.5L/分及び23℃となるように、流量調整バルブ12と液タンク11に付帯された温度調整器とを調整しながら、液の取出口17から取出した液を評価用の有機系処理液とした。
<ウエットパーティクル評価>
クラス1000のクリーンルームに設置されたAMAT社製ウエハー欠陥評価装置ComPLUS3T(検査モード30T)により8インチシリコンウエハー上のパーティクル数(N1)を検査した。
このシリコンウエハー上に上記評価用の有機系処理液としての酢酸ブチルを5mL吐出し、シリコンウエハーを、1000回転/分で1.6秒間回転させることにより、酢酸ブチルをシリコンウエハー上で拡散させ、20秒間静置後、2000回転/分で20秒間スピン乾燥させた。
24時間後に、このシリコンウエハー上のパーティクル数(N2)をAMAT社製ウエハー欠陥評価装置ComPLUS3T(検査モード30T)により検査し、N2−N1をウエットパーティクル数(N)とした。
評価結果を表5に示す。
〔実施例2〜8及び比較例1〜7〕
表4に記載の条件とした以外は、実施例1と同様に有機系処理液を製造し、ウエットパーティクルの評価を行った。実施例8においては、第1のフィルターハウジングH1の内部で、2本の1段目フィルターF1を並列的に接続し、第2のフィルターハウジングH2の内部で、2本の2段目フィルターF2を並列的に接続した。評価結果を表5に示す。
Figure 2015084122
Figure 2015084122
以上のように、(i)液入口部21aにおける液の温度(T)と、液出口部21bにおける液の温度(T)との差の絶対値(|T−T|)が、3℃以下であり、(ii)濾過装置21における液の濾過速度が0.5L/分/m以上であり、(iii)濾過装置21における液による濾過圧力が0.1MPa以下である、の3条件を満たす実施例1〜8の製造方法は、これらの条件の少なくとも1つを満たさない比較例1〜7の製造方法と比較して、パーティクルの個数を大幅に低減できることが分かった。
〔実施例9〜15〕
<合成例(樹脂A−1の合成)>
シクロヘキサノン 102.3質量部を窒素気流下、80℃に加熱した。この液を攪拌しながら、下記構造式M−1で表されるモノマー 22.2質量部、下記構造式M−2で表されるモノマー 22.8質量部、下記構造式M−3で表されるモノマー 6.6質量部、シクロヘキサノン 189.9質量部、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル〔V−601、和光純薬工業(株)製〕2.40質量部の混合溶液を5時間かけて滴下した。滴下終了後、80℃で更に2時間攪拌した。反応液を放冷後、多量のヘキサン/酢酸エチル(質量比9:1)で再沈殿、ろ過し、得られた固体を真空乾燥することで、本発明の樹脂(A−1)を41.1質量部得た。
Figure 2015084122
得られた樹脂のGPC(キャリア:テトラヒドロフラン(THF))から求めた重量平均分子量(Mw:ポリスチレン換算)は、Mw=9500、分散度はMw/Mn=1.60であった。13C−NMRにより測定した組成比(モル比)は40/50/10であった。
<樹脂(A)>
以下、同様にして、樹脂A−2〜A−3を合成した。以下、樹脂A−1も含めて、樹脂A−2〜A−3における繰り返し単位の組成比(モル比)、重量平均分子量(Mw)、分散度(Mw/Mn)を以下に示す。
Figure 2015084122
<酸発生剤>
酸発生剤としては、以下の化合物を用いた。
Figure 2015084122
<塩基性化合物>
塩基性化合物として、以下の化合物を用いた。
Figure 2015084122
<疎水性樹脂>
樹脂(A)と同様にして、樹脂D−1〜D−3を合成した。樹脂D−1〜D−3における繰り返し単位の組成比(モル比)、重量平均分子量(Mw)、分散度(Mw/Mn)を以下に示す。
Figure 2015084122
<界面活性剤>
界面活性剤としては、以下のものを用いた。
W−1: メガファックF176(DIC(株)製;フッ素系)
W−2: メガファックR08(DIC(株)製;フッ素及びシリコン系)
<溶剤>
溶剤としては、以下のものを用いた。
SL−1: プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)
SL−2: プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)
<リソグラフィー評価1>
下記表6に示す成分を同表に示す溶剤に固形分で3.8質量%溶解させ、それぞれを0.03μmのポアサイズを有するポリエチレンフィルターでろ過して、化学増幅型レジスト組成物を調製した。
シリコンウエハー上に有機反射防止膜ARC29SR(日産化学社製)を塗布し、205℃で60秒間ベークを行い、膜厚95nmの反射防止膜を形成した。その上に、上記のようにして調製した化学増幅型レジスト組成物を塗布し、100℃で60秒間に亘ってベークを行い、膜厚90nmの化学増幅型レジスト膜(レジスト膜1)を形成した。
Figure 2015084122
<実施例9:現像/リンスプロセス>
表6の化学増幅型レジスト組成物I−1により形成されたレジスト膜1に、ArFエキシマレーザー液浸スキャナー[ASML社製;XT1700i、NA1.20、Dipole(outerσ:0.981/innerσ:0.895)、Y偏向]を用い、ハーフトーンマスクを介してパターン露光した。液浸液としては超純水を用いた。その後、105℃で60秒間ベークを実施した。次いで、現像液としての実施例1の製造方法により製造された酢酸ブチルで30秒間現像し、リンス液として実施例2の製造方法により製造された4−メチル−2−ペンタノールで20秒間リンスし、パターン(レジストパターン基板1)を得た。
<実施例10:現像/リンスレスプロセス>
表6の化学増幅型レジスト組成物I−2により形成されたレジスト膜1に、ArFエキシマレーザー液浸スキャナー[ASML社製;XT1700i、NA1.20、Dipole(outerσ:0.981/innerσ:0.895)、Y偏向]を用い、ハーフトーンマスクを介してパターン露光した。液浸液としては超純水を用いた。その後、105℃で60秒間ベークを実施した。次いで、現像液としての実施例6の製造方法により製造された酢酸ブチルで30秒間現像し、2000回転/分で20秒間現像液をスピン乾燥し、パターン(レジストパターン基板2)を得た。
<実施例11:現像/リンスプロセス>
表6の化学増幅型レジスト組成物I−3により形成されたレジスト膜1に、ArFエキシマレーザー液浸スキャナー[ASML社製;XT1700i、NA1.20、Dipole(outerσ:0.981/innerσ:0.895)、Y偏向]を用い、ハーフトーンマスクを介してパターン露光した。液浸液としては超純水を用いた。その後、105℃で60秒間ベークを実施した。次いで、現像液としての実施例8の製造方法により製造された酢酸ブチルで30秒間現像し、リンス液としての実施例1の製造方法により製造された酢酸ブチルで2秒間リンスし、パターン(レジストパターン基板3)を得た。
レジストパターン基板1〜3を測長走査型電子顕微鏡(日立社製CG4100)にて観察したところ、いずれの基板もラインサイズ及びスペースサイズが1:1の45nmパターンがパターン倒れなく、良好に形成できていることを確認した。
Figure 2015084122
<リソグラフィー評価2>
表6のレジスト組成物I−1と同一の組成を持つレジスト組成物を収容する容器を塗布現像装置(SOKUDO社製 RF3S)のレジストラインに接続した。
また、実施例1の製造方法により製造された現像液としての酢酸ブチルを収容する18Lキャニスター缶を上記塗布現像装置に接続した。
また、実施例3の製造方法により製造されたリンス液としての4−メチル−2−ペンタノールを収容する18Lキャニスター缶を上記塗布現像装置に接続した。
現像液用及びリンス液用のPOUフィルターとして、それぞれ、インテグリス製オプチマイザーST−L(製品型番AWATMLKM1)を、上記塗布現像装置に搭載した後、塗布現像装置における通常の方法でフィルターのエア抜きを実施し、連続して30Lの処理液(現像液及びリンス液の各々)をPOUフィルターに通過させた。
上記塗布現像装置を使用して、シリコンウエハー上に有機反射防止膜ARC29SR(日産化学社製)を塗布し、205℃で60秒間ベークを行い、膜厚95nmの反射防止膜を形成した。その上に上記レジスト組成物を塗布し、100℃で60秒間に亘ってベークを行い、膜厚90nmの化学増幅型レジスト膜(レジスト膜2)を形成した。
<実施例12:現像/リンスプロセス>
レジスト膜2に、ArFエキシマレーザー液浸スキャナー[ASML社製;XT1700i、NA1.20、Dipole(outerσ:0.981/innerσ:0.895)、Y偏向]を用い、ハーフトーンマスクを介してパターン露光した。液浸液としては超純水を用いた。その後、105℃で60秒間ベークを実施した。次いで、上記塗布現像装置により、上記現像液(すなわち実施例1の製造方法により製造された酢酸ブチル)で30秒間現像し、上記リンス液(すなわち実施例3の製造方法により製造された4−メチル−2−ペンタノール)で20秒間リンスし、パターン(レジストパターン基板4)を得た。
<実施例13:現像/リンスレスプロセス>
レジスト膜2に、ArFエキシマレーザー液浸スキャナー[ASML社製;XT1700i、NA1.20、Dipole(outerσ:0.981/innerσ:0.895)、Y偏向]を用い、ハーフトーンマスクを介してパターン露光した。液浸液としては超純水を用いた。その後、105℃で60秒間ベークを実施した。次いで、上記塗布現像装置により、現像液としての上記現像液(すなわち実施例1の製造方法により製造された酢酸ブチル)で30秒間現像し、2000回転/分で20秒間現像液をスピン乾燥し、パターン(レジストパターン基板5)を得た。
レジストパターン基板4及び5を、測長走査型電子顕微鏡(日立社製CG4100)にて観察したところ、いずれの基板もラインサイズ及びスペースサイズが1:1の45nmパターンがパターン倒れなく、良好に形成できていることを確認した。
<実施例14>
化学増幅型レジスト組成物I−3で使用の塩基性化合物C−3を、上述のベタイン化合物C1−1〜C1−8に替えた以外は同様の組成物8例を調製し、実施例11と同様の工程により評価を行ったところ、パターン形成を行うことができた。
<実施例15>
実施例9で、酢酸ブチルを塗布現像装置に接続する直前に、酢酸ブチルにトリn−オクチルアミンを現像液全量に対して2質量%となるように加えた以外は同様にして評価を行ったところ、パターン形成を行うことができた。
〔実施例16及び17〕
<レジスト調製>
下記表8に示す成分を同表に示す溶剤に固形分で1.6質量%となるように溶解させ、それぞれを0.05μmのポアサイズを有するポリエチレンフィルターでろ過して、各々実施例に示す、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(化学増幅型レジスト組成物)(I−4)及び(I−5)を調製した。
Figure 2015084122
表8中の略号に関し、上述していないものは、以下の通りである。
Figure 2015084122
Figure 2015084122
<実施例16>
(レジスト膜の形成)
表8の化学増幅型レジスト組成物I−4を、予めヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理を施したSiウエハー上に塗布し、100℃、60秒間ホットプレート上で乾燥して、膜厚50nmのレジスト膜を得た。
(レジストパターンの形成)
レジスト膜の塗布されたウエハーに対し、EUV露光を行った。照射後、ホットプレート上で、110℃で60秒間加熱した後、実施例1の製造方法により製造された酢酸ブチルを用いてパドルして30秒間現像したところ、パターン形成を行うことができた。
<実施例17>
実施例16と同様にして、表8の化学増幅型レジスト組成物I−5に於いてもレジストパターン形成を行うことができた。
11 液タンク
12 液量調整バルブ
13 圧力/流量/液温計
14 流量/液温計
15 流れ切替えバルブ
16 ポンプ
17 液の取出口
21 濾過装置
21a 液入口部
21b 液出口部
100 有機系処理液製造システム
F1 1段目フィルター
F2 2段目フィルター
H1 第1のフィルターハウジング
H2 第2のフィルターハウジング
D1,D2,D3 ドレイン

Claims (8)

  1. 液入口部と、液出口部と、前記液入口部と前記液出口部とを接続する流路内に設けられた濾過フィルター膜とを有する濾過装置に、有機溶剤を含有する液を通過させる工程を有し、前記液入口部における前記液の温度(T)と、前記液出口部における前記液の温度(T)との差の絶対値(|T−T|)が、3℃以下であり、前記濾過装置における前記液の濾過速度が0.5L/分/m以上であり、前記濾過装置における前記液による濾過圧力が0.10MPa以下であり、前記濾過装置が、前記濾過フィルター膜として、フッ素樹脂から構成された濾過フィルター膜を含み、前記有機溶剤を含有する液が、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、又は、アルコール系溶剤である、化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液の製造方法、により製造された化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液であって、
    下記(1)〜(3)により得られるウェットパーティクル(N)の数が120個以下となる、化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液。
    (1)クラス1000のクリーンルームに設置されたAMAT社製ウエハー欠陥評価装置ComPLUS3T(検査モード30T)により8インチシリコンウエハー上のパーティクル数(N1)を検査し;
    (2)前記シリコンウエハー上に前記パターニング用有機系処理液を5mL吐出し、前記シリコンウエハーを、1000回転/分で1.6秒間回転させることにより、前記パターニング用有機系処理液を前記シリコンウエハー上で拡散させ、20秒間静置後、2000回転/分で20秒間スピン乾燥させ;
    (3)24時間後に、前記シリコンウエハー上のパーティクル数(N2)をAMAT社製ウエハー欠陥評価装置ComPLUS3T(検査モード30T)により検査し、N2−N1をウエットパーティクル数(N)とする。
  2. 前記有機系処理液が有機系現像液である、請求項1に記載の化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液。
  3. 前記有機溶剤を含有する液が酢酸ブチル、又は、メチルアミルケトンである、請求項2に記載の化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液。
  4. 前記有機系処理液が有機系リンス液である、請求項1に記載の化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液。
  5. 前記有機溶剤を含有する液が4−メチル−2−ペンタノール、又は、酢酸ブチルである、請求項4に記載の化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液。
  6. 前記フッ素樹脂から構成された濾過フィルター膜のポアサイズが50nm以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液。
  7. 前記液入口部における前記液の温度(T)が、20℃以上30℃以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液。
  8. 前記濾過装置が、前記濾過フィルター膜として、フッ素樹脂から構成された濾過フィルター膜のみを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液。
JP2015002259A 2015-01-08 2015-01-08 化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液 Pending JP2015084122A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015002259A JP2015084122A (ja) 2015-01-08 2015-01-08 化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015002259A JP2015084122A (ja) 2015-01-08 2015-01-08 化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013076735A Division JP5728517B2 (ja) 2013-04-02 2013-04-02 化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液の製造方法、パターン形成方法、及び、電子デバイスの製造方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015224263A Division JP2016075920A (ja) 2015-11-16 2015-11-16 化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液の製造方法、パターン形成方法及び電子デバイスの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015084122A true JP2015084122A (ja) 2015-04-30

Family

ID=53047704

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015002259A Pending JP2015084122A (ja) 2015-01-08 2015-01-08 化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015084122A (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017010430A1 (ja) * 2015-07-10 2017-01-19 ニッタ・ハース株式会社 研磨パッド用の材料の溶融装置
WO2017010428A1 (ja) * 2015-07-10 2017-01-19 ニッタ・ハース株式会社 研磨パッド用の材料精製システム
WO2018062471A1 (ja) * 2016-09-30 2018-04-05 富士フイルム株式会社 パターン形成方法、電子デバイスの製造方法、キット
WO2019044871A1 (ja) * 2017-08-30 2019-03-07 富士フイルム株式会社 薬液の精製方法
KR20200010346A (ko) 2017-07-05 2020-01-30 후지필름 가부시키가이샤 약액, 약액 수용체
WO2020071042A1 (ja) 2018-10-03 2020-04-09 富士フイルム株式会社 薬液、薬液収容体、レジストパターン形成方法、半導体チップの製造方法
KR20210016621A (ko) 2018-07-11 2021-02-16 후지필름 가부시키가이샤 약액, 약액 수용체
KR20210031940A (ko) 2018-08-21 2021-03-23 후지필름 가부시키가이샤 약액, 약액 수용체
KR20210123363A (ko) 2019-03-04 2021-10-13 후지필름 가부시키가이샤 약액, 린스액, 레지스트 패턴 형성 방법
US11372331B2 (en) 2016-03-31 2022-06-28 Fujifilm Corporation Treatment liquid for manufacturing semiconductor, method of manufacturing treatment liquid for manufacturing semiconductor, pattern forming method, and method of manufacturing electronic device
US11480880B2 (en) 2016-04-08 2022-10-25 Fujifilm Corporation Treatment liquid, method of manufacturing treatment liquid, pattern forming method, and method of manufacturing electronic device
WO2023017711A1 (ja) * 2021-08-13 2023-02-16 富士フイルム株式会社 レジスト組成物の検査方法、レジスト組成物の製造方法、レジスト組成物
JP7416883B2 (ja) 2018-08-21 2024-01-17 富士フイルム株式会社 薬液、薬液収容体

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000267269A (ja) * 1999-03-18 2000-09-29 Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd ディフェクト抑制ポジ型レジスト塗布液
JP2009025708A (ja) * 2007-07-23 2009-02-05 Fujifilm Corp パターン形成方法
JP2012047896A (ja) * 2010-08-25 2012-03-08 Fujifilm Corp パターン形成方法
JP2013218308A (ja) * 2012-03-15 2013-10-24 Jsr Corp 現像液の精製方法、精製現像液、及びレジストパターン形成方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000267269A (ja) * 1999-03-18 2000-09-29 Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd ディフェクト抑制ポジ型レジスト塗布液
JP2009025708A (ja) * 2007-07-23 2009-02-05 Fujifilm Corp パターン形成方法
JP2012047896A (ja) * 2010-08-25 2012-03-08 Fujifilm Corp パターン形成方法
JP2013218308A (ja) * 2012-03-15 2013-10-24 Jsr Corp 現像液の精製方法、精製現像液、及びレジストパターン形成方法

Cited By (28)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017010430A1 (ja) * 2015-07-10 2017-01-19 ニッタ・ハース株式会社 研磨パッド用の材料の溶融装置
WO2017010428A1 (ja) * 2015-07-10 2017-01-19 ニッタ・ハース株式会社 研磨パッド用の材料精製システム
US20190084187A1 (en) * 2015-07-10 2019-03-21 Nitta Haas Incorporated Polishing pad material melting device
US11372331B2 (en) 2016-03-31 2022-06-28 Fujifilm Corporation Treatment liquid for manufacturing semiconductor, method of manufacturing treatment liquid for manufacturing semiconductor, pattern forming method, and method of manufacturing electronic device
US11480880B2 (en) 2016-04-08 2022-10-25 Fujifilm Corporation Treatment liquid, method of manufacturing treatment liquid, pattern forming method, and method of manufacturing electronic device
WO2018062471A1 (ja) * 2016-09-30 2018-04-05 富士フイルム株式会社 パターン形成方法、電子デバイスの製造方法、キット
US11733611B2 (en) 2016-09-30 2023-08-22 Fujifilm Corporation Pattern forming method, method for producing electronic device, and kit
US11981882B2 (en) 2017-07-05 2024-05-14 Fujifilm Corporation Chemical liquid and chemical liquid storage body
KR20200010346A (ko) 2017-07-05 2020-01-30 후지필름 가부시키가이샤 약액, 약액 수용체
KR102326779B1 (ko) 2017-07-05 2021-11-16 후지필름 가부시키가이샤 약액, 약액 수용체
KR20200028974A (ko) * 2017-08-30 2020-03-17 후지필름 가부시키가이샤 약액의 정제 방법
US11351503B2 (en) 2017-08-30 2022-06-07 Fujifilm Corporation Chemical liquid purification method
WO2019044871A1 (ja) * 2017-08-30 2019-03-07 富士フイルム株式会社 薬液の精製方法
JP7282862B2 (ja) 2017-08-30 2023-05-29 富士フイルム株式会社 薬液の精製方法
JPWO2019044871A1 (ja) * 2017-08-30 2020-10-08 富士フイルム株式会社 薬液の精製方法
KR102326780B1 (ko) 2017-08-30 2021-11-17 후지필름 가부시키가이샤 약액의 정제 방법
JP2022043055A (ja) * 2017-08-30 2022-03-15 富士フイルム株式会社 薬液の精製方法
CN111032197A (zh) * 2017-08-30 2020-04-17 富士胶片株式会社 药液的纯化方法
KR20230050482A (ko) 2018-07-11 2023-04-14 후지필름 가부시키가이샤 약액, 약액 수용체
KR20210016621A (ko) 2018-07-11 2021-02-16 후지필름 가부시키가이샤 약액, 약액 수용체
KR20210031940A (ko) 2018-08-21 2021-03-23 후지필름 가부시키가이샤 약액, 약액 수용체
JP7416883B2 (ja) 2018-08-21 2024-01-17 富士フイルム株式会社 薬液、薬液収容体
KR20240027880A (ko) 2018-08-21 2024-03-04 후지필름 가부시키가이샤 약액, 약액 수용체
KR20210052512A (ko) 2018-10-03 2021-05-10 후지필름 가부시키가이샤 약액, 약액 수용체, 레지스트 패턴 형성 방법, 반도체 칩의 제조 방법
WO2020071042A1 (ja) 2018-10-03 2020-04-09 富士フイルム株式会社 薬液、薬液収容体、レジストパターン形成方法、半導体チップの製造方法
KR20210123363A (ko) 2019-03-04 2021-10-13 후지필름 가부시키가이샤 약액, 린스액, 레지스트 패턴 형성 방법
KR20240050420A (ko) 2019-03-04 2024-04-18 후지필름 가부시키가이샤 약액, 린스액, 레지스트 패턴 형성 방법
WO2023017711A1 (ja) * 2021-08-13 2023-02-16 富士フイルム株式会社 レジスト組成物の検査方法、レジスト組成物の製造方法、レジスト組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5728517B2 (ja) 化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液の製造方法、パターン形成方法、及び、電子デバイスの製造方法
JP5764589B2 (ja) 化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液の収容容器、並びに、これらを使用したパターン形成方法及び電子デバイスの製造方法
JP2015084122A (ja) 化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液
JP6427590B2 (ja) レジスト膜のパターニング用有機系処理液の製造方法、及び、レジスト膜のパターニング用有機系処理液が収容された収容容器、並びに、これらを使用したレジスト膜のパターニング用有機系処理液の保管方法、パターン形成方法、及び、電子デバイスの製造方法
JP6186168B2 (ja) パターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法
WO2014171425A1 (ja) パターン形成方法、電子デバイスの製造方法及び電子デバイス
JP6296972B2 (ja) パターン形成方法、エッチング方法、及び、電子デバイスの製造方法
JP2016075920A (ja) 化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液の製造方法、パターン形成方法及び電子デバイスの製造方法
TWI694317B (zh) 清洗液、圖案形成方法及電子元件的製造方法
WO2015133235A1 (ja) パターン形成方法、エッチング方法、電子デバイスの製造方法、及び、電子デバイス
JP2016191953A (ja) 化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液、並びに、これを使用したパターン形成方法、及び、電子デバイスの製造方法
TW201740204A (zh) 圖案形成方法、電子元件的製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20150828

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150904

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150915

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151116

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20160426