JP2012053307A - レジストパターン形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持体22上に、露光によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する1つまたは複数種のポジ型レジスト組成物によりポジ型レジストパターン20を形成する工程(1)と、前記ポジ型レジストパターン20が形成された前記支持体22上に、露光により有機溶剤に対する溶解性が減少するネガ型現像用レジスト組成物を塗布してネガ型現像用レジスト膜21を形成する工程(2)と、前記ネガ型現像用レジスト膜21を露光し、前記有機溶剤を含有するネガ型現像液により現像して、前記ポジ型レジストパターン20を除去するレジストパターンを形成する工程(3)と、を含むことを特徴とするレジストパターン形成方法。
【選択図】図1
Description
前記レジスト材料はポジ型とネガ型とに分けられ、露光した部分の現像液に対する溶解性が増大するレジスト材料をポジ型、露光した部分の現像液に対する溶解性が低下するレジスト材料をネガ型という。
前記現像液としては、通常、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液等のアルカリ水溶液(アルカリ現像液)が用いられている。また、芳香族系溶剤、脂肪族炭化水素系溶剤、エーテル系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アミド系溶剤、アルコール系溶剤等の有機溶剤を現像液として用いることも行われている(たとえば特許文献1参照)。
微細化の手法としては、一般に、露光光源の短波長化(高エネルギー化)が行われている。具体的には、従来は、g線、i線に代表される紫外線が用いられていたが、現在では、KrFエキシマレーザーや、ArFエキシマレーザーを用いた半導体素子の量産が開始されている。また、これらエキシマレーザーより短波長(高エネルギー)のEB(電子線)、EUV(極紫外線)やX線などについても検討が行われている。
露光光源の短波長化に伴い、レジスト材料には、露光光源に対する感度、微細な寸法のパターンを再現できる解像性等のリソグラフィー特性の向上が求められる。このような要求を満たすレジスト材料として化学増幅型レジストが知られている。
化学増幅型レジストとしては、一般的に、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化する基材成分と、露光により酸を発生する酸発生剤成分とを含有する組成物が用いられている。たとえばポジ型の化学増幅型レジスト組成物の場合、基材成分として、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大するものが用いられている。
従来、化学増幅型レジスト組成物の基材成分としては主に樹脂(ベース樹脂)が用いられている。現在、ArFエキシマレーザーリソグラフィー等において使用される化学増幅型レジスト組成物のベース樹脂としては、193nm付近における透明性に優れることから、(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位を主鎖に有する樹脂(アクリル系樹脂)が主流である。ここで、「(メタ)アクリル酸」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸と、α位にメチル基が結合したメタクリル酸の一方あるいは両方を意味する。「(メタ)アクリル酸エステル」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸エステルと、α位にメチル基が結合したメタクリル酸エステルの一方あるいは両方を意味する。「(メタ)アクリレート」とは、α位に水素原子が結合したアクリレートと、α位にメチル基が結合したメタクリレートの一方あるいは両方を意味する。
該ベース樹脂は、一般的に、リソグラフィー特性等の向上のために、複数の構成単位を含有している。たとえばポジ型の場合には、通常、酸発生剤から発生した酸の作用により分解してアルカリ可溶性基を生じる酸分解性基を有する構成単位とともに、ラクトン構造を有する構成単位、水酸基等の極性基を有する構成単位等が用いられている(たとえば特許文献2参照)。ベース樹脂がアクリル系樹脂である場合、前記酸分解性基としては、一般的に、(メタ)アクリル酸等におけるカルボキシ基を第三級アルキル基、アセタール基等の酸解離性基で保護したものが用いられている。
液浸露光によれば、同じ露光波長の光源を用いても、より短波長の光源を用いた場合や高NAレンズを用いた場合と同様の高解像性を達成でき、しかも焦点深度幅の低下もないといわれている。また、液浸露光は、既存の露光装置を応用して行うことができる。そのため、液浸露光は、低コストで、高解像性で、かつ焦点深度幅にも優れるレジストパターンの形成を実現できると予想され、多額な設備投資を必要とする半導体素子の製造において、コスト的にも、解像度等のリソグラフィー特性的にも、半導体産業に多大な効果を与えるものとして大変注目されている。
液浸露光は、あらゆるパターン形状の形成において有効であり、更に、現在検討されている位相シフト法、変形照明法などの超解像技術と組み合わせることも可能であるとされている。現在、液浸露光技術としては、主に、ArFエキシマレーザーを光源とする技術が活発に研究されている。また、現在、液浸媒体としては、主に水が検討されている。
また、レジスト膜を形成後、該レジスト膜に対して露光を2回以上行い、現像してレジストパターンを形成する二重露光法も提案されている。この二重露光法によれば、上述したダブルパターニングプロセスと同様、高解像性のレジストパターンを形成することが可能であり、また、ダブルパターニングに比べて工程数が少ないという利点がある。
しかし、該ポジ型現像プロセスによりトレンチパターン(孤立スペースパターン)やホールパターンを形成する場合、ラインパターンやドットパターンを形成する場合に比べて、弱い光入射強度下でのパターン形成を強いられ、露光部および未露光部にそれぞれ入射する光の強度のコントラストも小さい。そのため、解像力等のパターン形成能に制限が生じやすく、高解像のレジストパターンを形成することが難しい傾向がある。ここで、種々の特性に優位性があり、かつ汎用性もある前記ポジ型の化学増幅型レジスト組成物を用いて、高解像のトレンチパターン等を形成するため、ネガ型現像プロセスとして、前記ポジ型の化学増幅型レジスト組成物と、有機溶剤を含有する現像液(以下、有機系現像液ということがある。)を組み合わせたプロセスも提案されている(たとえば特許文献3参照)。ポジ型の化学増幅型レジスト組成物は、露光によってアルカリ現像液に対する溶解性が増大するが、このとき相対的に有機溶剤に対する溶解性が低下する。そのため、該ネガ型現像プロセスにおいては、レジスト膜の未露光部が有機系現像液により溶解、除去されてレジストパターンが形成されるため、高解像のトレンチパターンを形成する場合等に、光入射強度を大きくすることができる。
高解像のレジストパターンを形成できる技術として、上述のようなダブルパターニングプロセスを用いることも考えられる。しかし、上記のようなダブルパターニングプロセスのうち、(1)の方法は、工程数の増大や薬液使用量の増大、それらに伴う製造コストの増大が問題となる。また、(2)の方法は、ラインアンドスペースパターンの形成には適しているものの、微細なトレンチパターン(孤立スペースパターン)やホールパターンを含む、パターンの形成には適していない。
また、特許文献3にある、前記ポジ型の化学増幅型レジスト組成物と、有機系現像液とを組み合わせたプロセスでは、高解像のトレンチパターン等を形成しやすくなるが、2回(またはそれ以上)のリソグラフィープロセスをさらに適用して、シングルパターンよりも高解像性のレジストパターンを形成するための検討は十分にされていない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、(2回またはそれ以上のリソグラフィープロセスを利用した)ダブルパターニングプロセスにおいて、微細なレジストパターンを良好なリソグラフィー特性にて形成できるレジストパターン形成方法を提供することを目的とする。
また、「アルキレン基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状および環状の2価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「低級アルキル基」は、炭素原子数1〜5のアルキル基である。
「ハロゲン化アルキル基」は、アルキル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された基であり、該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
「脂肪族」とは、芳香族に対する相対的な概念であって、芳香族性を持たない基、化合物等を意味するものと定義する。
「構成単位」とは、高分子化合物(重合体、共重合体)を構成するモノマー単位(単量体単位)を意味する。
「露光」は、放射線の照射全般を含む概念とする。
「(メタ)アクリル酸エステル」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸エステルと、α位にメチル基が結合したメタクリル酸エステルの一方あるいは両方を意味する。
「(メタ)アクリレート」とは、α位に水素原子が結合したアクリレートと、α位にメチル基が結合したメタクリレートの一方あるいは両方を意味する。
ホールパターンやトレンチパターン(孤立スペースパターン)を形成できる。
また、別途、ドライエッチング工程による反転工程やパターン転写工程を設けることがないため、作業性が向上する。
本発明のレジストパターン形成方法は、支持体上に、露光によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する1つまたは複数種のポジ型レジスト組成物によりポジ型レジストパターンを形成する工程(1)と、前記ポジ型レジストパターンが形成された前記支持体上に、露光により有機溶剤に対する溶解性が減少するネガ型現像用レジスト組成物を塗布してネガ型現像用レジスト膜を形成する工程(2)と、前記ネガ型現像用レジスト膜を露光し、前記有機溶剤を含有するネガ型現像液により現像して、前記ポジ型レジストパターンを除去するレジストパターンを形成する工程(3)と、を含む。
以下、各工程について図1を用いてより詳細に説明する。
まず、支持体22上に、露光によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する1つまたは複数種のポジ型レジスト組成物によりポジ型レジストパターン20を形成する。
支持体22としては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができ、例えば、電子部品用の基板や、これに所定の配線パターンが形成されたもの等を例示することができる。より具体的には、シリコンウェーハ、銅、クロム、鉄、アルミニウム等の金属製の基板や、ガラス基板等が挙げられる。配線パターンの材料としては、例えば銅、アルミニウム、ニッケル、金等が使用可能である。
また、支持体22としては、上述のような基板上に、無機系および/または有機系の膜が設けられたものであってもよい。無機系の膜としては、無機反射防止膜(無機BARC)が挙げられる。有機系の膜としては、有機反射防止膜(有機BARC)が挙げられる。
工程(1)におけるレジスト膜の形成に用いられるポジ型レジスト組成物について、詳しくは後述する。
具体的には、前記ポジ型レジスト組成物を、支持体上にスピンナー等で塗布し、80〜150℃の温度条件下、ベーク処理(プレベーク)を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施し、有機溶剤を揮発させることにより前記レジスト膜を形成できる。
レジスト膜の厚さは、好ましくは50〜500nm、より好ましくは50〜450nmである。この範囲内とすることにより、レジストパターンを高解像度で形成できる、エッチングに対する充分な耐性が得られる等の効果がある。
なお、場合によっては、上記アルカリ現像後にポストベーク工程を含んでもよい。
露光に用いる波長は、特に限定されず、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、F2エキシマレーザー、EUV(極紫外線)、VUV(真空紫外線)、EB(電子線)、X線、軟X線などの放射線を用いて行うことができる。
液浸露光では、露光時に、従来は空気や窒素等の不活性ガスで満たされているレンズとウェーハ上のレジスト膜との間の部分を、空気の屈折率よりも大きい屈折率を有する溶媒(液浸媒体)で満たした状態で露光を行う。
より具体的には、液浸露光は、上記のようにして得られたレジスト膜と露光装置の最下位置のレンズ間を、空気の屈折率よりも大きい屈折率を有する溶媒(液浸媒体)で満たし、その状態で、所望のマスクパターンを介して露光(浸漬露光)することによって実施できる。
液浸媒体としては、空気の屈折率よりも大きく、かつ当該浸漬露光によって露光されるレジスト膜の有する屈折率よりも小さい屈折率を有する溶媒が好ましい。かかる溶媒の屈折率としては、前記範囲内であれば特に制限されない。
空気の屈折率よりも大きく、かつ、レジスト膜の屈折率よりも小さい屈折率を有する溶媒としては、例えば、水、フッ素系不活性液体、シリコン系溶剤、炭化水素系溶剤等が挙げられる。
フッ素系不活性液体の具体例としては、C3HCl2F5、C4F9OCH3、C4F9OC2H5、C5H3F7等のフッ素系化合物を主成分とする液体等が挙げられ、沸点が70〜180℃のものが好ましく、80〜160℃のものがより好ましい。フッ素系不活性液体が上記範囲の沸点を有するものであると、露光終了後に、液浸に用いた媒体の除去を、簡便な方法で行えることから好ましい。
フッ素系不活性液体としては、特に、アルキル基の水素原子が全てフッ素原子で置換されたパーフロオロアルキル化合物が好ましい。パーフロオロアルキル化合物としては、具体的には、パーフルオロアルキルエーテル化合物やパーフルオロアルキルアミン化合物を挙げることができる。
さらに、具体的には、前記パーフルオロアルキルエーテル化合物としては、パーフルオロ(2−ブチル−テトラヒドロフラン)(沸点102℃)を挙げることができ、前記パーフルオロアルキルアミン化合物としては、パーフルオロトリブチルアミン(沸点174℃)を挙げることができる。
次に、前記ポジ型レジストパターン20が形成された前記支持体上22に、露光により有機溶剤に対する溶解性が減少するネガ型現像用レジスト組成物を塗布し、複数のレジストパターン間の空隙を充填するネガ型現像用レジスト膜21を形成する。
ネガ型現像用レジスト膜21は、工程(1)におけるレジスト膜と同様、露光により有機系現像液に対する溶解性が減少するネガ型現像用レジスト組成物(好ましくはポジ型の化学増幅型レジスト組成物)を用い、従来公知の方法によって形成することができる。前記ネガ型現像用レジスト組成物(好ましくはポジ型の化学増幅型レジスト組成物)を用いて形成されたレジスト膜は、露光によって極性が増大し、相対的に有機溶剤に対する溶解性が低下するため、ネガ型現像用レジスト膜21として用いられる。また、前記レジスト膜に未露光部を設ければ、該未露光部21bが有機系現像液により溶解、除去されることにより、工程(1)で形成されたポジ型レジストパターンのスペース部に、新たに微細なスペースパターンが形成されるためより微細なレジストパターンが形成される。工程(2)におけるレジスト膜の形成に用いられるネガ型現像用レジスト組成物について、詳しくは後述する。
または、前記ネガ型現像用レジスト組成物が含有する有機溶剤として、前記ポジ型レジストパターンを溶解しないものを用いることがより好ましい。
次に、前記ネガ型現像用レジスト膜21を露光し、前記有機溶剤を含有するネガ型現像液(有機系現像液)により現像して、前記ポジ型レジストパターン20を除去するレジストパターンを形成する。
前記工程(3)の現像時において、前記ネガ型現像用レジスト膜21の露光部21aの前記ネガ型現像液に対する溶解度は、前記ポジ型レジストパターン20の前記ネガ型現像液に対する溶解度よりも小さいことが好ましい。これにより、前記ポジ型レジストパターン20は、露光部21aよりも先に前記ネガ型現像液により溶解、除去され、前記ネガ型現像用レジスト膜21の露光部21aをレジストパターンとして残すことができる。
ネガ型現像液に用いる有機溶剤としては、前記ポジ型レジストパターン20及びネガ型現像用レジスト膜の未露光部21bを溶解し得るものであればよく、公知の有機溶剤のなかから適宜選択できる。具体的には、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤等の極性溶剤及び炭化水素系溶剤を用いることができる。
ケトン系溶剤は、構造中にC−C(=O)−Cを含む有機溶剤である。エステル系溶剤は、構造中にC−C(=O)−O−Cを含む有機溶剤である。アルコール系溶剤は、構造中にアルコール性水酸基を含む有機溶剤であり、「アルコール性水酸基」は、脂肪族炭化水素基の炭素原子に結合した水酸基を意味する。アミド系溶剤は構造中にアミド基を含む有機溶剤である。エーテル系溶剤は構造中にC−O−Cを含む有機溶剤である。有機溶剤の中には、構造中に上記各溶剤を特徴づける官能基を複数種含む有機溶剤も存在するが、その場合は、当該有機溶剤が有する官能基を含むいずれの溶剤種にも該当するものとする。たとえば、ジエチレングリコールモノメチルエーテルは、上記分類中の、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤いずれにも該当するものとする。また、炭化水素系溶剤は、炭化水素からなり、置換基(水素原子および炭化水素基以外の基または原子)を有さない炭化水素溶剤である。
各溶剤の具体例として、ケトン系溶剤としては、たとえば、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、アセトン、4−ヘプタノン、1−ヘキサノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、イオノン、ジアセトニルアルコール、アセチルカービノール、アセトフェノン、メチルナフチルケトン、イソホロン、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
エステル系溶剤としては、後述する一般式(1)で表される溶剤又は後述する一般式(2)で表される溶剤を用いることが好ましく、一般式(1)で表される溶剤を用いることがより好ましく、酢酸アルキルを用いることが更により好ましく、酢酸ブチルを用いることが最も好ましい。
アミド系溶剤としては、たとえば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。
炭化水素系溶剤としては、たとえば、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン、2,2,4−トリメチルペンタン、2,2,3−トリメチルヘキサン、パーフルオロヘキサン、パーフルオロヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶剤;トルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、1−メチルプロピルベンゼン、2−メチルプロピルベンゼン、ジメチルベンゼン、ジエチルベンゼン、エチルメチルベンゼン、トリメチルベンゼン、エチルジメチルベンゼン、ジプロピルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤;が挙げられる。これらの中でも、芳香族炭化水素系溶剤が好ましい。
これらの有機溶剤は、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよく、酢酸ブチル(BA)とプロピレングリコールモノメチルエーテル(PE)を混合して用いるのが好ましい。混合比(BA/PE)は、99/1〜70/30が好ましく、97/3〜80/20がより好ましく、95/5〜85/15がさらに好ましい。混合比を適宜調整することで、溶解速度(後述のSnega1、Snega2、Sposi)を調整することができる。
また、上記以外の有機溶剤や水と混合して用いてもよい。
R00−C(=O)−O−R01 …(1)
R02−C(=O)−O−R03−O−R04 …(2)
[式(1)中、R00およびR01はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシ基、水酸基、シアノ基またはハロゲン原子であり、R00およびR01は互いに結合して環を形成してもよい。式(2)中、R02及びR04はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシ基、水酸基、シアノ基またはハロゲン原子であり、R02およびR04は互いに結合して環を形成してもよく、R03は、アルキレン基である。]
アルコキシ基、アルコキシカルボニル基におけるアルキル基として前記アルキル基と同様のものが挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
R00およびR01は、それぞれ、水素原子またはアルキル基が好ましい。
式(1)で表される溶剤の具体例としては、たとえば酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル、炭酸エチル、炭酸プロピル、炭酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、ピルビン酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸イソプロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル等を挙げることができる。
式(1)で表される溶剤としては、上記の中でも、R00およびR01が無置換のアルキル基であるものが好ましく、酢酸アルキルがより好ましく、酢酸ブチルが特に好ましい。
R03におけるアルキレン基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよく、直鎖状または分岐鎖状が好ましく、その炭素数は1〜5が好ましい。該アルキレン基は置換基を有していてもよい。置換基としてはたとえば水酸基、カルボキシ基、シアノ基等が挙げられる。また、該アルキレン基の炭素数が2以上である場合、該アルキレン基の炭素原子間に酸素原子(−O−)が介在してもよい。
式(2)で表される溶剤の具体例としては、たとえばエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−エトキシプロピオネート、プロピル−3−メトキシプロピオネート、メトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸エチル、2−メトキシブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、4−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−エチル−3−メトキシブチルアセテート、2−エトキシブチルアセテート、4−エトキシブチルアセテート、4−プロポキシブチルアセテート、2−メトキシペンチルアセテート、3−メトキシペンチルアセテート、4−メトキシペンチルアセテート、2−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、4−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、等が挙げられる。
該他の溶剤としては、使用する式(1)または(2)で表される溶剤に分離することなく混合できるものであれば特に限定されず、たとえば上述したエステル系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤、炭化水素系溶剤等のなかから適宜選択できる。
有機系現像液に用いる有機溶剤の沸点は、50℃以上250℃未満が望ましい。
有機系現像液に用いる有機溶剤の発火点は、200℃以上が望ましい。
使用できる市販の界面活性剤として、例えばエフトップEF301、EF303、(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431(住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、R08(大日本インキ化学工業(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)等のフッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を挙げることができる。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
界面活性剤を配合する場合、その配合量は、有機系現像液の全量に対して、通常0.001〜5質量%であり、0.005〜2質量%が好ましく、0.01〜0.5質量%がより好ましい。
リンス液に用いる有機溶剤としては、たとえば前記有機系現像液に用いる有機溶剤として挙げた有機溶剤のうち、レジストパターンを溶解しにくいものを適宜選択して使用できる。通常、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤およびエーテル系溶剤から選択される少なくとも1種類の溶剤を使用する。これらのなかでも、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤及びアミド系溶剤から選択される少なくとも1種類が好ましく、アルコール系溶剤およびエステル系溶剤から選択される少なくとも1種類がより好ましく、アルコール系溶剤が特に好ましい。
リンス液に用いるアルコール系溶剤は、炭素数6〜8の1価アルコールが好ましく、該1価アルコールは直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。具体的には、1−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−ヘキサノール、2−ヘプタノール、2−オクタノール、3−ヘキサノール、3−ヘプタノール、3−オクタノール、4−オクタノール、ベンジルアルコール等が挙げられる。これらのなかでも、1−ヘキサノール、2−ヘプタノール、2−ヘキサノールが好ましく、1−ヘキサノールまたは2−ヘキサノールがより好ましい。
これらの有機溶剤は、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、上記以外の有機溶剤や水と混合して用いてもよい。ただし現像特性を考慮すると、リンス液中の水の配合量は、リンス液の全量に対し、30質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下さらに好ましく、3質量%以下が特に好ましい。
有機系現像液には、必要に応じて公知の添加剤を配合できる。該添加剤としてはたとえば界面活性剤が挙げられる。界面活性剤としては、前記と同様のものが挙げられ、非イオン性の界面活性剤が好ましく、フッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤がより好ましい。
界面活性剤を配合する場合、その配合量は、リンス液の全量に対して、通常0.001〜5質量%であり、0.005〜2質量%が好ましく、0.01〜0.5質量%がより好ましい。
リンス液を用いたリンス処理(洗浄処理)は、公知のリンス方法におり実施でき、該方法としてはたとえば一定速度で回転している支持体上にリンス液を塗出しつづける方法(回転塗布法)、リンス液中に支持体を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、支持体表面にリンス液を噴霧する方法(スプレー法)等が挙げられる。
前記工程(3)における現像時間をT秒、前記工程(3)の現像時における、前記ネガ型現像用レジスト膜の露光部21aの前記ネガ型現像液(有機系現像液)に対する溶解速度をSnega1nm/秒、前記ポジ型レジストパターン20の上面を覆う前記ネガ型現像用レジスト膜の、前記ポジ型レジストパターン20上面からの高さをHnega1nm、前記ネガ型現像用レジスト膜で、前記ポジ型レジストパターン20を覆わない部分の、前記支持体22から立設した高さをHnega2nmとした場合に、
Snega1>Hnega1/T、且つ、Snega1<Hnega2/T
であることが好ましい。これにより、前記ポジ型レジストパターン20の上面を覆う前記ネガ型現像用レジスト膜が、前記工程(3)における現像時間内に溶解し、現像後にネガ型現像用レジスト膜の露光部21aで前記ポジ型レジストパターン20を覆わない部分をレジストパターンとして残すことができる。
Sposi>Hposi/{T−(Hnega1/Snega1)}
であることが好ましい。これにより、前記ポジ型レジストパターン20の上面を覆う前記ネガ型現像用レジスト膜が溶解した後、前記ポジ型レジストパターン20が残りの現像時間内に溶解する。
前記工程(3)における露光は、前記ポジ型レジストパターン20を含む領域に対して選択的に行われ、かつ前記ポジ型レジストパターン20を含まない領域には未露光部21bが存在することが好ましい。これにより、現像後、前記ポジ型レジストパターン20、及び前記ネガ型現像用レジスト膜の未露光部21bが除去される。その結果、支持体上22に、前記ネガ型現像用レジスト膜の露光部21aによって形成されるレジストパターンから、前記ポジ型レジストパターン20を除去したレジストパターンが形成される。
Snega2>Hnega2/T
であることが好ましい。これにより、前記ネガ型現像用レジスト膜の未露光部21bが前記工程(3)における現像時間内に溶解する。
前記工程(1)において、前記ポジ型レジストパターンを形成する前記ポジ型レジスト組成物は、露光によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大するものであれば特に限定されないが、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する基材成分(A)(以下「(A)成分」という。)、及び露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)(以下「(B)成分」という。)を含有するものが好ましい。
前記(A)成分は、酸解離性溶解抑制基を含む構成単位(a1)を有する樹脂成分(A1)を含有するものが好ましい。
前記工程(2)において、前記ネガ型現像用レジスト膜を形成する前記ネガ型現像用レジスト組成物は、露光により有機溶剤に対する溶解性が減少するものであれば特に限定されないが、酸の作用により極性が増大し、前記ネガ型現像液(有機系現像液)に対する溶解性が減少する基材成分(A’) (以下「(A’)成分」という。)、及び露光により酸を発生する酸発生剤成分(B’)(以下「(B’)成分」という。)を含有するものが好ましい。
前記(A’)成分は、酸解離性溶解抑制基を含む構成単位(a1’)を有する樹脂成分(A1’)を含有するものが好ましい。
次に、前記ポジ型レジストパターンを形成する前記ポジ型レジスト組成物(以下、第一のレジスト組成物)について説明する。
第一のレジスト組成物としては、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する(A)成分と、露光により酸を発生する(B)成分とを有機溶剤(S)(以下「(S)成分」という。)に溶解してなるものが好ましい。更に、前記第一のレジスト組成物は、後記(S’)成分に対する相溶性が低いものが好ましい。
第一のレジスト組成物において、(A)成分は、露光前はアルカリ現像液に対して不溶性であり、露光により前記(B)成分から発生した酸が作用すると、(A)成分全体のアルカリ現像液に対する溶解性が増大し、アルカリ不溶性からアルカリ可溶性に変化する。そのため、レジストパターンの形成において、ポジ型レジスト組成物を用いて得られるレジスト膜に対して選択的露光を行うと、露光部はアルカリ可溶性へ転じる一方で、未露光部はアルカリ不溶性のまま変化しないので、アルカリ現像によりレジストパターンを形成することができる。
第一のレジスト組成物において、(A)成分は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂成分(A1)(以下「(A1)成分」ということがある。)であってもよく、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する低分子化合物成分(A2)(以下「(A2)成分」ということがある。)であってもよく、又はこれらの混合物であってもよい。
これらのなかでも、(A)成分は、(A1)成分を含有することが好ましい。
かかるポジ型レジスト組成物において好適に用いられる(A1)成分としては、酸解離性溶解抑制基を含む構成単位(a1)を有することが好ましい。
本発明において、構成単位(a1)は、酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導され、かつ酸解離性溶解抑制基が脱保護した後に−COOH基(カルボキシ基)を生じる構成単位(a11)と、酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導され、かつ酸解離性溶解抑制基が脱保護した後にアルコール性水酸基を生じる構成単位(a0−1)とに分類される。前記(A1)成分は、構成単位(a11)を有することがより好ましく、構成単位(a11)と(a0−1)との両方を有していてもよい。
また、前記(A1)成分は、さらにラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)を有することが好ましい。
また、前記(A1)成分は、さらに極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3)を有することが好ましい。
また、前記(A1)成分は、構成単位(a1)に加えて、構成単位(a1)および(a2)に加えて、構成単位(a1)、(a2)および(a3)に加えて、さらに、後述の下記一般式(a0−2)で表される構成単位(a0−2)を有することが好ましい。
また、(A1)成分は、構成単位(a1)に加えて、上記構成単位(a1)、(a2)、(a3)、又は(a0−2)以外の、その他の構成単位を有していてもよい
「アクリル酸エステル」は、α位の炭素原子に水素原子が結合しているアクリル酸エステルのほか、α位の炭素原子に置換基(水素原子以外の原子または基)が結合しているものも含む概念とする。
置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基等が挙げられる。なお、アクリル酸エステルから誘導される構成単位のα位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、カルボニル基が結合している炭素原子のことを意味する。
アクリル酸エステルにおいて、α位の置換基としての炭素数1〜5のアルキル基として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などの直鎖状または分岐鎖状の炭素数1〜5のアルキル基が挙げられる。
また、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基として、具体的には、上記「α位の置換基としての炭素数1〜5のアルキル基」の水素原子の一部または全部を、ハロゲン原子で置換した基が挙げられる。ここでハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
本発明において、アクリル酸エステルのα位に結合しているのは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基であることが好ましく、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のフッ素化アルキル基であることがより好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子またはメチル基であることが特に好ましい。
構成単位(a11)は、酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導され、かつ酸解離性溶解抑制基が脱保護した後に−COOH基を生じる構成単位である。
構成単位(a11)における酸解離性溶解抑制基は、解離前は(A1)成分全体をアルカリ現像液に対して難溶とするアルカリ溶解抑制性を有するとともに、酸により解離してこの(A1)成分全体のアルカリ現像液に対する溶解性を増大させるものであり、これまで、化学増幅型レジスト用のベース樹脂の酸解離性溶解抑制基として提案されているものを使用することができる。
一般的には、(メタ)アクリル酸等におけるカルボキシ基と環状または鎖状の第3級アルキルエステルを形成する基;アルコキシアルキル基等のアセタール型酸解離性溶解抑制基などが広く知られている。なお、「(メタ)アクリル酸エステル」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸エステルと、α位にメチル基が結合したメタクリル酸エステルの一方あるいは両方を意味する。
なお、前記鎖状または環状のアルキル基は置換基を有していてもよい。
以下、カルボキシ基と第3級アルキルエステルを構成することにより、酸解離性となっている基を、便宜上、「第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基」という。
第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基としては、脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基、脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基が挙げられる。
「脂肪族分岐鎖状」とは、芳香族性を持たない分岐鎖状の構造を有することを示す。
「脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基」の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。
また、「炭化水素基」は飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基としては、炭素数4〜8の第3級アルキル基が好ましく、具体的にはtert−ブチル基、tert−ペンチル基、tert−ヘプチル基等が挙げられる。
構成単位(a11)における「脂肪族環式基」は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)、等が挙げられる。
「脂肪族環式基」の置換基を除いた基本の環の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、「炭化水素基」は飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。「脂肪族環式基」は、多環式基であることが好ましい。
脂肪族環式基としては、例えば、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
アセタール型酸解離性溶解抑制基としては、たとえば、下記一般式(p1)で表される基が挙げられる。
R1’,R2’の炭素数1〜5のアルキル基としては、上記Rの炭素数1〜5のアルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
本発明においては、R1’,R2’のうち少なくとも1つが水素原子であることが好ましい。すなわち、酸解離性溶解抑制基(p1)が、下記一般式(p1−1)で表される基であることが好ましい。
Yの脂肪族環式基としては、従来ArFレジスト等において多数提案されている単環又は多環式の脂肪族環式基の中から適宜選択して用いることができ、たとえば上記「脂肪族環式基」と同様のものが例示できる。
特にR17、R18の一方が水素原子で、他方がメチル基であることが好ましい。
R19は直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基であり、炭素数は好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれでもよい。
R19が直鎖状、分岐鎖状の場合は炭素数1〜5であることが好ましく、エチル基、メチル基がさらに好ましく、特にエチル基が最も好ましい。
R19が環状の場合は炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的にはフッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
また、上記式においては、R17及びR19がそれぞれ独立に直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基(好ましくは炭素数1〜5のアルキレン基)であってR19の末端とR17の末端とが結合していてもよい。
この場合、R17とR19と、R19が結合した酸素原子と、該酸素原子およびR17が結合した炭素原子とにより環式基が形成されている。該環式基としては、4〜7員環が好ましく、4〜6員環がより好ましい。該環式基の具体例としては、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等が挙げられる。
X1は、酸解離性溶解抑制基であれば特に限定することはなく、たとえば上述した第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基、アセタール型酸解離性溶解抑制基などを挙げることができ、第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基が好ましい。
X2は、式(a1−0−1)中のX1と同様である。
Y2の2価の連結基としては、アルキレン基、2価の脂肪族環式基またはヘテロ原子を含む2価の連結基が挙げられる。
該脂肪族環式基としては、水素原子が2個以上除かれた基が用いられること以外は前記「脂肪族環式基」の説明と同様のものを用いることができる。
Y2がアルキレン基である場合、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜6であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが特に好ましく、炭素数1〜3であることが最も好ましい。
Y2が2価の脂肪族環式基である場合、シクロペンタン、シクロヘキサン、ノルボルナン、イソボルナン、アダマンタン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンから水素原子が2個以上除かれた基であることが特に好ましい。
Y2がヘテロ原子を含む2価の連結基である場合、ヘテロ原子を含む2価の連結基としては、−O−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−(Hはアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい。)、−S−、−S(=O)2−、−S(=O)2−O−、「−A−O(酸素原子)−B−(ただし、AおよびBはそれぞれ独立して置換基を有していてもよい2価の炭化水素基である。)」、「−A−O−C(=O)−B−」等が挙げられる。
Y2が「A−O−B」または「−A−O−C(=O)−B−」である場合、AおよびBは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基である。
炭化水素基が「置換基を有する」とは、該炭化水素基における水素原子の一部または全部が、水素原子以外の基または原子で置換されていることを意味する。
Aにおける脂肪族炭化水素基として、より具体的には、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、メチレン基、エチレン基[−(CH2)2−]、トリメチレン基[−(CH2)3−]、テトラメチレン基[−(CH2)4−]、ペンタメチレン基[−(CH2)5−]等が挙げられる。
分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、−CH(CH3)−、−CH(CH2CH3)−、−C(CH3)2−、−C(CH3)(CH2CH3)−、−C(CH3)(CH2CH2CH3)−、−C(CH2CH3)2−等のアルキルメチレン基;−CH(CH3)CH2−、−CH(CH3)CH(CH3)−、−C(CH3)2CH2−、−CH(CH2CH3)CH2−等のアルキルエチレン基;−CH(CH3)CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2−等のアルキルトリメチレン基;−CH(CH3)CH2CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2CH2−等のアルキルテトラメチレン基などのアルキルアルキレン基等が挙げられる。アルキルアルキレン基におけるアルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましい。
鎖状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよく、有していなくてもよい。該置換基としては、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜12であることがより好ましい。
環状の脂肪族炭化水素基は、多環式基であってもよく、単環式基であってもよい。単環式基としては、炭素数3〜6のモノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該モノシクロアルカンとしてはシクロペンタン、シクロヘキサン等が例示できる。
多環式基としては、炭素数7〜12のポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとして具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
Bとしては、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、メチレン基またはアルキルメチレン基が特に好ましい。
アルキルメチレン基におけるアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3の直鎖状のアルキル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
R1’、R2’、n’、Yとしては、それぞれ、上述の「アセタール型酸解離性溶解抑制基」の説明において挙げた一般式(p1)におけるR1’、R2’、n’、Yと同様のものが挙げられる。
Y2としては、上述の一般式(a1−0−2)におけるY2と同様のものが挙げられる
その中でも、一般式(a1−1)、(a1−2)又は(a1−3)で表される構成単位が好ましく、具体的には、式(a1−1−1)〜(a1−1−7)、式(a1−1−36)〜(a1−1−42)、式(a1−1−47)〜(a1−1−50)、式(a1−1−51)〜(a1−1−54);式(a1−2−3)、(a1−2−4)、(a1−2−9)、(a1−2−10)、(a1−2−13)、(a1−2−14)、(a1−2−17)、(a1−2−18)、(a1−2−20)、(a1−2−21)〜(a1−2−31);式(a1−3−49)〜(a1−3−56)および式(a1−3−57)〜(a1−3−58)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種を用いることがより好ましい。
さらに、構成単位(a11)としては、特に、式(a1−1−1)〜式(a1−1−5)および式(a1−1−47)〜式(a1−1−50)で表される構成単位を包括する下記一般式(a1−1−01)で表されるもの、式(a1−1−28)、式(a1−1−31)〜式(a1−1−34)、(a1−1−36)〜(a1−1−42)および式(a1−1−51)〜(a1−1−54)で表される構成単位を包括する下記一般式(a1−1−02)で表されるもの、;式(a1−2−3)、(a1−2−4)、(a1−2−9)、(a1−2−10)、(a1−2−13)、(a1−2−14)、(a1−2−17)、(a1−2−18)および(a1−2−20)で表される構成単位を包括する下記一般式(a1−2−01)で表されるもの、(a1−2−21)〜(a1−2−31)で表される構成単位を包括する下記一般式(a1−2−02)で表されるもの;式(a1−3−57)〜(a1−3−58)で表される構成単位を包括する下記一般式(a1−3−01)で表されるもの、および式(a1−3−59)〜(a1−3−60)で表される構成単位を包括する下記一般式(a1−3−02)で表されるもの、式(a1−3−49)〜(a1−3−52)の構成単位を包括する下記一般式(a1−3−03)で表されるもの、式(a1−3−53)〜(a1−3−56)の構成単位を包括する下記一般式(a1−3−04)で表されるものも好ましい。
R11の炭素数1〜5のアルキル基は、Rにおける炭素数1〜5のアルキル基と同様であり、メチル基、エチル基、またはイソプロピル基が好ましい。
R12の炭素数1〜5のアルキル基は、Rにおける炭素数1〜5のアルキル基と同様であり、メチル基、エチル基、またはイソプロピル基が好ましい。jは、1又は2が好ましく、2が最も好ましい。
R1’,R2’は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基が好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましく、R1’,R2’のうち少なくとも1つが水素原子であることが特に好ましい。
nは、0〜2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、0が最も好ましい。
一般式(a1−2−02)において、R、R1’,R2’およびnについては、一般式(a1−2−01)におけるR、R1’,R2’およびnとそれぞれ同じである。
jは、1又は2が好ましく、2が最も好ましい。
R14の炭素数1〜5のアルキル基は、Rにおける炭素数1〜5のアルキル基と同様であり、メチル基又はエチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
qは1〜10の整数であり、1〜5の整数が好ましく、1または2が特に好ましい。
rは1〜10の整数であり、1〜5の整数が好ましく、1または2が特に好ましい。
tは、1〜6の整数であり、1〜4が好ましく、1または2がより好ましい。
構成単位(a2)は、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。
ここで、ラクトン含有環式基とは、−O−C(O)−構造を含むひとつの環(ラクトン環)を含有する環式基を示す。ラクトン環をひとつ目の環として数え、ラクトン環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。
構成単位(a2)のラクトン環式基は、(A1)成分をレジスト膜の形成に用いた場合に、レジスト膜の基板への密着性を高めたり、水を含有する現像液との親和性を高めたりするうえで有効なものである。
具体的には、ラクトン含有単環式基としては、4〜6員環ラクトンから水素原子を1つ除いた基、たとえばβ−プロピオノラクトンから水素原子を1つ除いた基、γ−ブチロラクトンから水素原子1つを除いた基、δ−バレロラクトンから水素原子を1つ除いた基が挙げられる。また、ラクトン含有多環式基としては、ラクトン環を有するビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンから水素原子一つを除いた基が挙げられる。
R’の炭素数1〜5のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。
R’の炭素数1〜5のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が挙げられる。
R’は、工業上入手が容易であること等を考慮すると、水素原子が好ましい。
R”が直鎖状または分岐鎖状のアルキル基の場合は、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜5であることがさらに好ましい。
R”が環状のアルキル基の場合は、炭素数3〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的には、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
A”としては、炭素数1〜5のアルキレン基または−O−が好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基がより好ましく、メチレン基が最も好ましい。
R29は単結合または2価の連結基である。2価の連結基としては、前記一般式(a1−0−2)中のY2で説明した2価の連結基と同様であり、それらの中でも、アルキレン基、エステル結合(−C(=O)−O−)、もしくはそれらの組み合わせであることが好ましい。R29における2価の連結基としてのアルキレン基は、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基がより好ましい。具体的には、前記Y2のうちAにおける脂肪族炭化水素基で挙げた直鎖状のアルキレン基、分岐鎖状のアルキレン基と同様のものが挙げられる。
s”は1〜2の整数が好ましい。
以下に、前記一般式(a2−1)〜(a2−5)で表される構成単位の具体例を例示する。以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
構成単位(a2)として、前記一般式(a2−1)〜(a2−5)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、一般式(a2−1)〜(a2−3)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種がより好ましい。なかでも、化学式(a2−1−1)、(a2−2−1)、(a2−2−7)、(a2−3−1)および(a2−3−5)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
構成単位(a3)は、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。ただし、後述の構成単位(a0−1)および(a0−2)とは便宜上区別し、構成単位(a0−1)または(a0−2)は、(a3)には含まれないものとする。
(A1)成分が構成単位(a3)を有することにより、(A)成分の親水性が高まり、現像液との親和性が高まって、露光部でのアルカリ溶解性が向上し、解像性の向上に寄与する。
極性基としては、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基等が挙げられ、特に水酸基が好ましい。
脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基(好ましくはアルキレン基)や、多環式の脂肪族炭化水素基(多環式基)が挙げられる。該多環式基としては、例えばArFエキシマレーザー用レジスト組成物用の樹脂において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。該多環式基の炭素数は7〜30であることが好ましい。
その中でも、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、またはアルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基を含有する脂肪族多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位がより好ましい。該多環式基としては、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどから2個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。これらの多環式基の中でも、アダマンタンから2個以上の水素原子を除いた基、ノルボルナンから2個以上の水素原子を除いた基、テトラシクロドデカンから2個以上の水素原子を除いた基が工業上好ましい。
sは1であることが好ましい。これらは、アクリル酸のカルボキシ基の末端に、2−ノルボルニル基または3−ノルボルニル基が結合していることが好ましい。フッ素化アルキルアルコールは、ノルボルニル基の5又は6位に結合していることが好ましい。
yは0〜2の整数であり、好ましくは1である。
zは1〜3の整数であり、好ましくは2である。
y+zは2以上の整数であり、好ましくは2〜4であり、最も好ましくは3である。
水酸基の置換位置は、cが1である場合、いずれの位置でもよい。特に、−C(O)−O−の末端の酸素原子に結合している炭素原子の隣りの炭素原子に結合していることが好ましい。さらに、cが2の場合には、任意の置換位置を組み合わせることができる。
なかでも、3−メタクリロイロオキシ−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン、3−アクリロイロオキシ−4−ヒドロキシテトラヒドロフランが特に好ましい。
式(a3−3)で表される構成単位を有することにより、現像液との親和性が高まることに加えて、さらに、レジスト膜の基板への密着性向上の効果も得られる。
(A1)成分中の構成単位(a3)の割合は、(A1)成分を構成する全構成単位に対し、5〜50モル%であることが好ましく、5〜40モル%がより好ましく、5〜25モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることにより構成単位(a3)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
構成単位(a0−1)は、酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導され、かつ酸解離性溶解抑制基が脱保護した後にアルコール性水酸基を生じる単位であり、好ましくは、下記一般式(a0−1)で表される構成単位である。
ここで、本明細書および特許請求の範囲において、「脂肪族環式基」は、芳香族性を持たない単環式基または多環式基であることを示す。
構成単位(a0−1)における「脂肪族環式基」は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5の低級アルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
「脂肪族環式基」の置換基を除いた基本の環(脂肪族環)の構造は、炭素および水素からなる環(炭化水素環)であることに限定はされないが、炭化水素環であることが好ましい。また、「炭化水素環」は飽和、不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
また、当該脂肪族環式基を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよく、当該脂肪族環式基を構成する水素原子の一部または全部がヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよいことを意味する。
Y1における「ヘテロ原子」としては、炭素原子および水素原子以外の原子であれば特に限定されず、たとえばハロゲン原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子等が挙げられる。
ヘテロ原子を含む置換基は、前記ヘテロ原子のみからなるものであってもよく、前記ヘテロ原子と前記ヘテロ原子以外の基若しくは原子とを含む基であってもよい。具体的には、たとえば−O−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−(Hがアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい)、−S−、−S(=O)2−、−S(=O)2−O−等が挙げられる。
脂肪族環式基は、多環式基、単環式基のいずれでもよい。脂肪族環式基としては、例えば、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。 構成単位(a0−1)における脂肪族環式基は、多環式基であることが好ましく、中でも、アダマンタンから2個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
ここで、本明細書および特許請求の範囲において、「第3級アルキル基」は、第3級炭素原子を有するアルキル基を示す。「アルキル基」は、上述のように、1価の飽和炭化水素基を示し、鎖状(直鎖状、分岐鎖状)のアルキル基および環状構造を有するアルキル基を包含する。
「第3級アルキル基含有基」は、その構造中に第3級アルキル基を含む基を示す。第3級アルキル基含有基は、第3級アルキル基のみから構成されていてもよく、第3級アルキル基と、第3級アルキル基以外の他の原子または基とから構成されていてもよい。
第3級アルキル基とともに第3級アルキル基含有基を構成する前記「第3級アルキル基以外の他の原子または基」としては、カルボニルオキシ基、カルボニル基、アルキレン基、酸素原子等が挙げられる。
環状構造を有さない第3級アルキル基含有基は、第3級アルキル基として分岐鎖状の第3級アルキル基を含有し、かつ、その構造内に環状構造を有さない基である。
分岐鎖状の第3級アルキル基としては、たとえば下記一般式(I)で表される基が挙げられる。
また、一般式(I)で表される基の全炭素数は、4〜7であることが好ましく、4〜6であることがより好ましく、4〜5であることが最も好ましい。
一般式(I)で表される基としては、tert−ブチル基、tert−ペンチル基等が好ましく挙げられ、tert−ブチル基がより好ましい。
第3級アルキル基含有鎖状アルキル基におけるアルキレン基としては、炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜4のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜2のアルキレン基がさらに好ましい。
鎖状の第3級アルキルオキシカルボニル基としては、たとえば下記一般式(II)で表される基が挙げられる。式(II)中のR21〜R23は、前記式(I)中のR21〜R23と同様である。鎖状の第3級アルキルオキシカルボニル基としては、tert−ブチルオキシカルボニル基(t−boc)、tert−ペンチルオキシカルボニル基が好ましい。
これらの中で、環状構造を有さない第3級アルキル基含有基としては、第3級アルキルオキシカルボニル基または第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基が好ましく、第3級アルキルオキシカルボニル基がより好ましく、tert−ブチルオキシカルボニル基(t−boc)が最も好ましい。
環状構造を有する第3級アルキル基含有基において、環状構造は、環を構成する炭素数が4〜12であることが好ましく、5〜10であることがより好ましく、6〜10であることが最も好ましい。環状構造としては、例えばモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。好ましくは、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。
(1)環状のアルキル基(シクロアルキル基)の環を構成する炭素原子に、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が結合し、該炭素原子が第3級炭素原子となっている基。
(2)シクロアルキル基の環を構成する炭素原子に、第3級炭素原子を有するアルキレン基(分岐鎖状のアルキレン基)が結合している基。
(2)の基としては、たとえば下記化学式(IV)で表される基が挙げられる。
R25、R26は、それぞれ独立して直鎖状または分岐鎖状のアルキル基であり、該アルキル基としては、前記式(I)中のR21〜R23のアルキル基と同様のものが挙げられる。
R41が直鎖状、分岐鎖状の場合は、炭素数1〜5であることが好ましく、エチル基、メチル基がさらに好ましく、特にエチル基が最も好ましい。
R41が環状の場合は炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。たとえば、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
R42は直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基である。該アルキレン基は、炭素数1〜5であることが好ましく、炭素数1〜3であることがより好ましく、炭素数1〜2であることがさらに好ましい。
Zのアルコキシアルキル基としては、特に、下記一般式(VI)で表される基が好ましい。
R43、R44において、アルキル基の炭素数は好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、エチル基、メチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。特にR43、R44の一方が水素原子で、他方がメチル基であることが好ましい。
aは1または2であることが好ましい。aを1または2とすることで、レジストパターン倒れの抑制や、パターン形状の改善効果に優れる。さらに、近接効果を小さくする効果にも優れると考えられる。なお、近接効果は、形成されるレジストパターンの寸法および形状が、その近傍に形成されるパターンによって受ける影響のことであり、その影響が小さければ(近接効果が小さければ)ピッチが異なるレジストパターンをそれぞれ形成する場合において、各ピッチにおけるパターンの寸法差を小さくすることができるので好ましい。また、aが2である場合は、ネガ型現像液(有機系現像液)に対する溶解性に優れる点で好ましい。
bは0であることが好ましい。
a+bは1または2であることが好ましい。
cは0〜3の整数であり、0または1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
dは0〜3の整数であり、0または1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
eは0〜3の整数であり、0または1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
式(a0−1−3)中、c”は1〜3の整数であり、1または2であることが好ましく、1であることがより好ましい。
前記式(a0−1−3)におけるcが0の場合、アクリル酸エステルのカルボニルオキシ基(−C(=O)−O−)の末端の酸素原子は、環式基中の酸素原子に結合する炭素原子には結合していないことが好ましい。すなわち、cが0の場合、当該末端の酸素原子と当該環式基中の酸素原子との間には炭素原子が2つ以上存在する(この炭素原子の数が1である(すなわちアセタール結合となる)場合を除く)ことが好ましい。
(A1)成分中の構成単位(a0−1)の割合は、(A1)成分を構成する全構成単位の合計に対して1〜50モル%であることが好ましく、5〜45モル%であることがより好ましい。下限値以上とすることにより、ネガ型現像液(有機系現像液)への溶解性が向上し、上限値以下であると、第一のレジストにおけるリソグラフィー特性が良好となるので好ましい。また他の構成単位とのバランスが良好である。
構成単位(a0−2)は、下記一般式(a0−2)で表される構成単位である。
Y3は、アルキレン基又は脂肪族環式基である。
Y3のアルキレン基としては、炭素数1〜10のアルキレン基が挙げられる。
Y3の脂肪族環式基としては、前記式(a0−1)中のY1と同様のものが挙げられる。
Y3としては、基本の環(脂肪族環)の構造がY1と同じであることが好ましい。
gは0〜3の整数であり、0または1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
hは0〜3の整数であり、0または1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
iは1〜3の整数であり、1または2であることが好ましく、1であることがより好ましい。
(A1)成分中の構成単位(a0−2)の割合は、(A1)成分を構成する全構成単位の合計に対して1〜40モル%であることが好ましく、1〜35モル%であることがより好ましく、5〜30モル%であることがさらに好ましく、5〜25モル%が最も好ましい。下限値以上とすることにより、断面形状の矩形性が高く、良好な形状のレジストパターンを形成でき、上限値以下であると、他の構成単位とのバランスが良好である。
(A1)成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記構成単位(a1)〜(a3)、(a0−2)以外の他の構成単位(a4)を含んでいてもよい。
構成単位(a4)は、上述の構成単位(a1)〜(a3)に分類されない他の構成単位であれば特に限定されるものではなく、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト用樹脂に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
構成単位(a4)としては、例えば酸非解離性の脂肪族多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位などが好ましい。該多環式基は、例えば、前記の構成単位(a11)の場合に例示したものと同様のものを例示することができ、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト組成物の樹脂成分に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
特にトリシクロデシル基、アダマンチル基、テトラシクロドデシル基、イソボルニル基、ノルボルニル基から選ばれる少なくとも1種であると、工業上入手し易いなどの点で好ましい。これらの多環式基は、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を置換基として有していてもよい。
構成単位(a4)として、具体的には、下記一般式(a4−1)〜(a4−5)の構造のものを例示することができる。
第一のレジスト組成物においては、(A1)成分としては、特に下記の様な構成単位の組み合わせを含むものが好ましい。
また、(A1)成分には、上記重合の際に、たとえばHS−CH2−CH2−CH2−C(CF3)2−OHのような連鎖移動剤を併用して用いることにより、末端に−C(CF3)2−OH基を導入してもよい。このように、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基が導入された共重合体は、現像欠陥の低減やLER(ラインエッジラフネス:ライン側壁の不均一な凹凸)の低減に有効である。
また、分散度(Mw/Mn)は1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.2〜2.5が最も好ましい。なお、Mnは数平均分子量を示す。
第一のレジスト組成物中、(A1)成分の含有量は、形成しようとするレジスト膜厚等に応じて適宜調整すればよい。
(A2)成分としては、分子量が500以上2000未満であって、上述の(A1)成分の説明で例示したような酸解離性溶解抑制基と、親水性基とを有する低分子化合物が好ましい。具体的には、複数のフェノール骨格を有する化合物の水酸基の水素原子の一部が上記酸解離性溶解抑制基で置換されたものが挙げられる。
(A2)成分は、たとえば、非化学増幅型のg線やi線レジストにおける増感剤や、耐熱性向上剤として知られている低分子量フェノール化合物の水酸基の水素原子の一部を上記酸解離性溶解抑制基で置換したものが好ましく、そのようなものから任意に用いることができる。
かかる低分子量フェノール化合物としては、たとえば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(2’,3’,4’−トリヒドロキシフェニル)プロパン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、1−[1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、フェノール、m−クレゾール、p−クレゾールまたはキシレノールなどのフェノール類のホルマリン縮合物の2、3、4核体などが挙げられる。勿論これらに限定されるものではない。
酸解離性溶解抑制基も特に限定されず、上記したものが挙げられる。
第一のレジスト組成物中、(A)成分の含有量は、形成しようとするレジスト膜厚等に応じて調整すればよい。
(B)成分としては、特に限定されず、これまで化学増幅型レジスト用の酸発生剤として提案されているものを使用することができる。このような酸発生剤としては、これまで、ヨードニウム塩やスルホニウム塩などのオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類などのジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤など多種のものが知られている。
オニウム塩系酸発生剤として、例えば下記一般式(b−1)または(b−2)で表される化合物を用いることができる。
また、R1”〜R3”のうち、少なくとも1つはアリール基を表す。R1”〜R3”のうち、2以上がアリール基であることが好ましく、R1”〜R3”のすべてがアリール基であることが最も好ましい。
該アリール基は、置換基を有していてもよい。「置換基を有する」とは、当該アリール基の水素原子の一部または全部が置換基で置換されていることを意味し、該置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシアルキルオキシ基、−O−R50−C(=O)−(O)n−R51[式中、R50はアルキレン基または単結合であり、R51は酸解離性基または酸非解離性基であり、nは0または1である。]等が挙げられる。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。
R47、R48において、アルキル基の炭素数は好ましくは1〜5であり、エチル基、メチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
そして、R47およびR48は、一方が水素原子であり、他方が水素原子またはメチル基であることが好ましく、R47およびR48がいずれも水素原子であることが特に好ましい。
R49のアルキル基としては、好ましくは炭素数が1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
R49における直鎖状、分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数が1〜5であることが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。
R49における環状のアルキル基としては、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10であることが最も好ましい。
具体的には炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。モノシクロアルカンとしては、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。ポリシクロアルカンとしては、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
R48およびR49は、相互に結合して一つの環構造を形成していても良い。この場合、R48とR49と、R49が結合した酸素原子と、該酸素原子およびR48が結合した炭素原子とにより環式基が形成されている。該環式基としては、4〜7員環が好ましく、4〜6員環がより好ましい。
R51における酸解離性基としては、酸(露光時に(B)成分から発生する酸)の作用により解離しうる有機基であれば特に限定されず、たとえば前記構成単位(a0)の説明で挙げた酸解離性基と同様のものが挙げられる。中でも、第3級アルキルエステル型のものが好ましい。
R51における酸非解離性基としては、たとえば、置換基を有していてもよい直鎖状のアルキル基、置換基を有していてもよい分岐鎖状のアルキル基(ただし第3級アルキル基を除く。)、酸非解離性の脂肪族環式基等が挙げられる。酸非解離性の脂肪族環式基としては前記構成単位(a4)の説明で挙げたものと同様のものが挙げられる。好ましい酸非解離性基としては、デシル基、トリシクロデカニル基、アダマンチル基、1−(1−アダマンチル)メチル基、テトラシクロドデカニル基、イソボルニル基、ノルボルニル基が挙げられる。
該アルキル基は、置換基を有していてもよい。「置換基を有する」とは、当該アルキル基の水素原子の一部または全部が置換基で置換されていることを意味し、該置換基としては、前記アリール基が有していてもよい置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
R1”〜R3”のうちの2つが結合して環を形成する場合、式中のイオウ原子をその環骨格に含む1つの環が、イオウ原子を含めて、3〜10員環であることが好ましく、5〜7員環であることが特に好ましい。
R1”〜R3”のうちの2つが結合して形成される環の具体例としては、ベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、9H−チオキサンテン、チオキサントン、チアントレン、フェノキサチイン、テトラヒドロチオフェニウム、テトラヒドロチオピラニウムなどが挙げられる。
R1”〜R3”のうち、いずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成する場合、残りの1つはアリール基であることが好ましい。
uは1〜3の整数であり、1または2が最も好ましい。
式(I−11−12)〜(I−11−13)中、R41〜R46において、アルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、なかでも直鎖または分岐鎖状のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、又はtert−ブチル基であることが特に好ましい。
アルコキシ基は、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、なかでも直鎖または分岐鎖状のアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基が特に好ましい。
ヒドロキシアルキル基は、上記アルキル基中の一個又は複数個の水素原子がヒドロキシ基に置換した基が好ましく、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。
R41〜R46に付された符号n1〜n6が2以上の整数である場合、複数のR41〜R46はそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
n1は、好ましくは0〜2であり、より好ましくは0又は1であり、さらに好ましくは0である。
n2およびn3は、好ましくはそれぞれ独立して0又は1であり、より好ましくは0である。
n4は、好ましくは0〜2であり、より好ましくは0又は1である。
n5は、好ましくは0又は1であり、より好ましくは0である。
n6は、好ましくは0又は1であり、より好ましくは1である。
R4”におけるアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであっても良い。
前記直鎖状または分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
前記環状のアルキル基としては、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜10であることがさらに好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
R4”におけるハロゲン化アルキル基としては、前記直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基の水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換された基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
ハロゲン化アルキル基においては、当該ハロゲン化アルキル基に含まれるハロゲン原子および水素原子の合計数に対するハロゲン原子の数の割合(ハロゲン化率(%))が、10〜100%であることが好ましく、50〜100%であることが好ましく、100%が最も好ましい。該ハロゲン化率が高いほど、酸の強度が強くなるので好ましい。
前記R4”におけるアリール基は、炭素数6〜20のアリール基であることが好ましい。
前記R4”におけるアルケニル基は、炭素数2〜10のアルケニル基であることが好ましい。
前記R4”において、「置換基を有していても良い」とは、前記直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、またはアルケニル基における水素原子の一部または全部が置換基(水素原子以外の他の原子または基)で置換されていても良いことを意味する。
R4”における置換基の数は1つであってもよく、2つ以上であってもよい。
前記ハロゲン原子、アルキル基としては、R4”において、ハロゲン化アルキル基におけるハロゲン原子、アルキル基として挙げたもの同様のものが挙げられる。
前記ヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等が挙げられる。
Q1は、酸素原子以外の原子を含有してもよい。酸素原子以外の原子としては、たとえば炭素原子、水素原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
酸素原子を含む2価の連結基としては、たとえば、酸素原子(エーテル結合;−O−)、エステル結合(−C(=O)−O−)、アミド結合(−C(=O)−NH−)、カルボニル基(−C(=O)−)、カーボネート結合(−O−C(=O)−O−)等の非炭化水素系の酸素原子含有連結基;該非炭化水素系の酸素原子含有連結基とアルキレン基との組み合わせ等が挙げられる。
該組み合わせとしては、たとえば、−R91−O−、−R92−O−C(=O)−、−C(=O)−O−R93−、−C(=O)−O−R93−O−C(=O)−(式中、R91〜R93はそれぞれ独立にアルキレン基である。)等が挙げられる。
R91〜R93におけるアルキレン基としては、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、該アルキレン基の炭素数は、1〜12が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が特に好ましい。
該アルキレン基として、具体的には、たとえばメチレン基[−CH2−];−CH(CH3)−、−CH(CH2CH3)−、−C(CH3)2−、−C(CH3)(CH2CH3)−、−C(CH3)(CH2CH2CH3)−、−C(CH2CH3)2−等のアルキルメチレン基;エチレン基[−CH2CH2−];−CH(CH3)CH2−、−CH(CH3)CH(CH3)−、−C(CH3)2CH2−、−CH(CH2CH3)CH2−、−CH(CH2CH3)CH2−等のアルキルエチレン基;トリメチレン基(n−プロピレン基)[−CH2CH2CH2−];−CH(CH3)CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2−等のアルキルトリメチレン基;テトラメチレン基[−CH2CH2CH2CH2−];−CH(CH3)CH2CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2CH2−等のアルキルテトラメチレン基;ペンタメチレン基[−CH2CH2CH2CH2CH2−]等が挙げられる。
Q1としては、エステル結合またはエーテル結合を含む2価の連結基が好ましく、なかでも、−R91−O−、−R92−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−C(=O)−O−R93−または−C(=O)−O−R93−O−C(=O)−が好ましい。
芳香族炭化水素基は、芳香環を有する炭化水素基である。該芳香族炭化水素基の炭素数は3〜30であることが好ましく、5〜30であることがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜12が最も好ましい。ただし、該炭素数には、置換基における炭素数を含まないものとする。
芳香族炭化水素基として、具体的には、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素環から水素原子を1つ除いたアリール基、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基等が挙げられる。前記アリールアルキル基中のアルキル鎖の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
該芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。たとえば当該芳香族炭化水素基が有する芳香環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換されていてもよく、当該芳香族炭化水素基が有する芳香環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。
前者の例としては、前記アリール基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基、前記アリールアルキル基中の芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部が前記ヘテロ原子で置換されたヘテロアリールアルキル基等が挙げられる。
後者の例における芳香族炭化水素基の置換基としては、たとえば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
Xにおいて、脂肪族炭化水素基は、当該脂肪族炭化水素基を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよく、当該脂肪族炭化水素基を構成する水素原子の一部または全部がヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよい。
Xにおける「ヘテロ原子」としては、炭素原子および水素原子以外の原子であれば特に限定されず、たとえばハロゲン原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子等が挙げられる。
「ヘテロ原子を含む置換基」(以下、ヘテロ原子含有置換基ということがある。)は、前記ヘテロ原子のみからなるものであってもよく、前記ヘテロ原子以外の基または原子を含む基であってもよい。
脂肪族炭化水素基が環状である場合、これらの置換基を環構造中に含んでいてもよい。
前記ヘテロ原子含有置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記ヘテロ原子含有置換基としてのアルコキシ基におけるアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状、環状の何れであってもよく、それらの組み合わせであってもよい。その炭素数は1〜30が好ましい。該アルキル基が直鎖状または分岐鎖状である場合、その炭素数は1〜20であることが好ましく、1〜17であることがより好ましく、1〜15であることがさらに好ましく、1〜10が特に好ましい。具体的には、この後例示する直鎖状もしくは分岐鎖状の飽和炭化水素基の具体例と同様のものが挙げられる。該アルキル基が環状である場合(シクロアルキル基である場合)、その炭素数は、3〜30であることが好ましく、3〜20がより好ましく、3〜15がさらに好ましく、炭素数4〜12であることが特に好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。該アルキル基は単環式であってもよく、多環式であってもよい。具体的には、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等を例示できる。前記モノシクロアルカンとして、具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。また、前記ポリシクロアルカンとして、具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。これらのシクロアルキル基は、その環に結合した水素原子の一部または全部が、フッ素原子、フッ素化アルキル基等の置換基で置換されていてもよいし、されていなくてもよい。
前記ヘテロ原子含有置換基としての−C(=O)−R80、−COOR81において、R80、R81におけるアルキル基としては、前記アルコキシ基におけるアルキル基として挙げたアルキル基と同様のものが挙げられる。
前記ヘテロ原子含有置換基としてのハロゲン化アルキル基におけるアルキル基としては、前記アルコキシ基におけるアルキル基として挙げたアルキル基と同様のものが挙げられる。該ハロゲン化アルキル基としては、フッ素化アルキル基が特に好ましい。
前記ヘテロ原子含有置換基としてのハロゲン化アルコキシ基としては、前記アルコキシ基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。該ハロゲン化アルコキシ基としては、フッ素化アルコキシ基が好ましい。
前記ヘテロ原子含有置換基としてのヒドロキシアルキル基としては、前記アルコキシ基におけるアルキル基として挙げたアルキル基の水素原子の少なくとも1つが水酸基で置換された基が挙げられる。ヒドロキシアルキル基が有する水酸基の数は、1〜3が好ましく、1が最も好ましい。
直鎖状の飽和炭化水素基(アルキル基)としては、炭素数が1〜20であることが好ましく、1〜15であることがより好ましく、1〜10が最も好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基等が挙げられる。
分岐鎖状の飽和炭化水素基(アルキル基)としては、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜15であることがより好ましく、3〜10が最も好ましい。具体的には、例えば、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基などが挙げられる。
不飽和炭化水素基としては、炭素数が2〜10であることが好ましく、2〜5が好ましく、2〜4が好ましく、3が特に好ましい。直鎖状の1価の不飽和炭化水素基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基(アリル基)、ブチニル基などが挙げられる。分岐鎖状の1価の不飽和炭化水素基としては、例えば、1−メチルプロペニル基、2−メチルプロペニル基などが挙げられる。不飽和炭化水素基としてはプロペニル基が特に好ましい。
具体的には、たとえば、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
脂肪族環式基が、その環構造中にヘテロ原子を含む置換基を含まない場合は、脂肪族環式基としては、多環式基が好ましく、ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましく、アダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が最も好ましい。
脂肪族環式基が、その環構造中にヘテロ原子を含む置換基を含むものである場合、該ヘテロ原子を含む置換基としては、−O−、−C(=O)−O−、−S−、−S(=O)2−、−S(=O)2−O−が好ましい。かかる脂肪族環式基の具体例としては、たとえば以下の式(L1)〜(L6)、(S1)〜(S4)で表される基等が挙げられる。
該アルキレン基は、酸素原子(−O−)もしくは硫黄原子(−S−)を含んでいてもよい。その具体例としては、前記アルキレン基の末端または炭素原子間に−O−または−S−が介在する基が挙げられ、たとえば−O−R94−、−S−R95−、−R96−O−R97−、−R98−S−R99−等が挙げられる。ここで、R94〜R99はそれぞれ独立にアルキレン基である。該アルキレン基としては、前記Q”におけるアルキレン基として挙げたアルキレン基と同様のものが挙げられる。中でも、−O−CH2−、−CH2−O−CH2−、−S−CH2−、−CH2−S−CH2−等が好ましい。
該置換基としてのアルキル基としては、前記ヘテロ原子含有置換基としてのアルコキシ基におけるアルキル基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
該アルキル基としては、特に、炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。また、該アルキル基は、直鎖状または分岐鎖状であることが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
該置換基としてのハロゲン原子、アルコキシ基、−C(=O)−R80、−COOR81、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基としては、それぞれ、前記脂肪族炭化水素基を構成する水素原子の一部または全部を置換してもよいヘテロ原子含有置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
脂肪族環式基の水素原子を置換する置換基としては、上記の中でも、アルキル基、酸素原子(=O)、水酸基が好ましい。
脂肪族環式基が有する置換基の数は、1つであってもよく、2以上であってもよい。置換基を複数有する場合、該複数の置換基はそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
前記芳香族炭化水素基としては、置換基を有していてもよいナフチル基、または置換基を有していてもよいフェニル基が好ましい。
置換基を有していてもよい脂肪族環式基としては、置換基を有していてもよい多環式の脂肪族環式基が好ましい。該多環式の脂肪族環式基としては、前記ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基、前記(L2)〜(L5)、(S3)〜(S4)で表される基等が好ましい。
X−Q1−Y1−で表される基において、Y1のアルキレン基としては、前記Q1で挙げたアルキレン基のうち炭素数1〜4のものと同様のものが挙げられる。
フッ素化アルキレン基としては、該アルキレン基の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された基が挙げられる。
Y1として、具体的には、−CF2−、−CF2CF2−、−CF2CF2CF2−、−CF(CF3)CF2−、−CF(CF2CF3)−、−C(CF3)2−、−CF2CF2CF2CF2−、−CF(CF3)CF2CF2−、−CF2CF(CF3)CF2−、−CF(CF3)CF(CF3)−、−C(CF3)2CF2−、−CF(CF2CF3)CF2−、−CF(CF2CF2CF3)−、−C(CF3)(CF2CF3)−;−CHF−、−CH2CF2−、−CH2CH2CF2−、−CH2CF2CF2−、−CH(CF3)CH2−、−CH(CF2CF3)−、−C(CH3)(CF3)−、−CH2CH2CH2CF2−、−CH2CH2CF2CF2−、−CH(CF3)CH2CH2−、−CH2CH(CF3)CH2−、−CH(CF3)CH(CF3)−、−C(CF3)2CH2−;−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH(CH3)CH2−、−CH(CH2CH3)−、−C(CH3)2−、−CH2CH2CH2CH2−、−CH(CH3)CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2−、−CH(CH3)CH(CH3)−、−C(CH3)2CH2−、−CH(CH2CH3)CH2−、−CH(CH2CH2CH3)−、−C(CH3)(CH2CH3)−等が挙げられる。
これらの中でも、−CF2−、−CF2CF2−、−CF2CF2CF2−、又はCH2CF2CF2−が好ましく、−CF2−、−CF2CF2−又は−CF2CF2CF2−がより好ましく、−CF2−が特に好ましい。
アルキレン基またはフッ素化アルキレン基が有していてもよい置換基としては、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基等が挙げられる。
R5”〜R6”のアリール基としては、R1”〜R3”のアリール基と同様のものが挙げられる。
R5”〜R6”のアルキル基としては、R1”〜R3”のアルキル基と同様のものが挙げられる。
これらの中で、R5”〜R6”はすべてフェニル基であることが最も好ましい。
式(b−2)中のR4”としては上記式(b−1)のR4”と同様のものが挙げられる。
また、これらのオニウム塩のアニオン部をメタンスルホネート、n−プロパンスルホネート、n−ブタンスルホネート、n−オクタンスルホネート、1−アダマンタンスルホネート、2−ノルボルナンスルホネート、d−カンファー−10−スルホネート、ベンゼンスルホネート、パーフルオロベンゼンスルホネート、p−トルエンスルホネート等のアルキルスルホネートに置き換えたオニウム塩も用いることができる。
また、これらのオニウム塩のアニオン部を下記式(b1)〜(b8)のいずれかで表されるアニオン部に置き換えたオニウム塩も用いることができる。
R7に付された符号(r1〜r2、w1〜w5)が2以上の整数である場合、当該化合物中の複数のR7はそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
R8におけるアルキル基、ハロゲン化アルキル基としては、それぞれ、上記Rにおけるアルキル基、ハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
r1〜r2、w1〜w5は、それぞれ、0〜2の整数であることが好ましく、0または1であることがより好ましい。
v0〜v5は0〜2が好ましく、0または1が最も好ましい。
t3は、1または2が好ましく、1であることが最も好ましい。
q3は、1〜5であることが好ましく、1〜3であることがさらに好ましく、1であることが最も好ましい。
Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐鎖状のアルキル基であり、該アルキル基の炭素数は1〜10であり、好ましくは炭素数1〜7、より好ましくは炭素数1〜3である。
X”のアルキレン基の炭素数またはY”、Z”のアルキル基の炭素数は、上記炭素数の範囲内において、レジスト溶媒への溶解性も良好である等の理由により、小さいほど好ましい。
また、X”のアルキレン基またはY”、Z”のアルキル基において、フッ素原子で置換されている水素原子の数が多いほど、酸の強度が強くなり、また200nm以下の高エネルギー光や電子線に対する透明性が向上するので好ましい。該アルキレン基またはアルキル基中のフッ素原子の割合、すなわちフッ素化率は、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは90〜100%であり、最も好ましくは、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキレン基またはパーフルオロアルキル基である。
R7”としては、前記R4”と同様のものが挙げられる。
上記「R7”−COO−」の具体的としては、トリフルオロ酢酸イオン、酢酸イオン、CF3CF2CF2COO−、1−アダマンタンカルボン酸イオンなどが挙げられる。
R31の有機基としては、直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基またはアリール基が好ましい。これらのアルキル基、アリール基は置換基を有していても良い。該置換基としては、特に制限はなく、たとえばフッ素原子、炭素数1〜6の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基等が挙げられる。ここで、「置換基を有する」とは、アルキル基またはアリール基の水素原子の一部または全部が置換基で置換されていることを意味する。
アルキル基としては、炭素数1〜20が好ましく、炭素数1〜10がより好ましく、炭素数1〜8がさらに好ましく、炭素数1〜6が特に好ましく、炭素数1〜4が最も好ましい。アルキル基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアルキル基(以下、ハロゲン化アルキル基ということがある)が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味し、完全にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。すなわち、ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
アリール基は、炭素数4〜20が好ましく、炭素数4〜10がより好ましく、炭素数6〜10が最も好ましい。アリール基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアリール基が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味し、完全にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味する。
R31としては、特に、置換基を有さない炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のフッ素化アルキル基が好ましい。
R32の有機基としては、直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基、アリール基またはシアノ基が好ましい。R32のアルキル基、アリール基としては、前記R31で挙げたアルキル基、アリール基と同様のものが挙げられる。
R32としては、特に、シアノ基、置換基を有さない炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜8のフッ素化アルキル基が好ましい。
R33としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
R33におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、70%以上フッ素化されていることがより好ましく、90%以上フッ素化されていることが特に好ましい。
R34のアリール基としては、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素の環から水素原子を1つ除いた基、およびこれらの基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基等が挙げられる。これらのなかでも、フルオレニル基が好ましい。
R34のアリール基は、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基等の置換基を有していても良い。該置換基におけるアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜8であることが好ましく、炭素数1〜4がさらに好ましい。また、該ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
R35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8がより好ましく、炭素数1〜6が最も好ましい。
R35としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
R35におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、70%以上フッ素化されていることがより好ましく、90%以上フッ素化されていることが、発生する酸の強度が高まるため特に好ましい。最も好ましくは、水素原子が100%フッ素置換された完全フッ素化アルキル基である。
R37の2または3価の芳香族炭化水素基としては、上記R34のアリール基からさらに1または2個の水素原子を除いた基が挙げられる。
R38の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
p”は好ましくは2である。
また、特開平9−208554号公報(段落[0012]〜[0014]の[化18]〜[化19])に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤、WO2004/074242A2(65〜85頁目のExample1〜40)に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、好適なものとして以下のものを例示することができる。
また、特開平11−035551号公報、特開平11−035552号公報、特開平11−035573号公報に開示されているジアゾメタン系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類としては、例えば、特開平11−322707号公報に開示されている、1,3−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,4−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ブタン、1,6−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン、1,2−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)エタン、1,3−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,6−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカンなどを挙げることができる。
レジスト組成物における(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0.5〜50質量部が好ましく、1〜40質量部がより好ましい。上記範囲とすることでパターン形成が充分に行われる。また、均一な溶液が得られ、保存安定性が良好となるため好ましい。
第一のレジスト組成物は、材料を有機溶剤(以下、(S)成分ということがある。)に溶解させて製造することができる。
(S)成分としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、化学増幅型レジストの溶剤として公知のものの中から任意のものを1種または2種以上適宜選択して用いることができる。
例えば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、またはジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類または前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテルまたはモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体[これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい];ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤などを挙げることができる。
これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、乳酸エチル(EL)、γ−ブチロラクトンが好ましい。
また、PGMEAと極性溶剤とを混合した混合溶媒も好ましい。その配合比(質量比)は、PGMEAと極性溶剤との相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2の範囲内とすることが好ましい。
より具体的には、極性溶剤としてELを配合する場合は、PGMEA:ELの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2である。また、極性溶剤としてPGMEを配合する場合は、PGMEA:PGMEの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2、さらに好ましくは3:7〜7:3である。
また、(S)成分として、その他には、PGMEA及びELの中から選ばれる少なくとも1種とγ−ブチロラクトンとの混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前者と後者の質量比が好ましくは70:30〜95:5とされる。
さらに、(S)成分としては、上述のPGMEAとPGMEとの混合溶剤と、γ−ブチロラクトンとの混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前者と後者の質量比が99.9:0.1〜80:20であることが好ましく、99.9:0.1〜90:10であることがさらに好ましく、99.9:0.1〜95:5であることが最も好ましい。前記範囲とすることで、レジストパターンの矩形性が向上する。
(S)成分の使用量は特に限定しないが、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定されるものであるが、一般的にはレジスト組成物の固形分濃度が2〜20質量%、好ましくは5〜15質量%の範囲内となる様に用いられる。
[(D)成分]
第一のレジスト組成物は、レジストパターン形状、引き置き経時安定性などを向上させるために、任意の成分として、さらに、含窒素有機化合物成分(D)(以下「(D)成分」という。)を含有することが好ましい。
この(D)成分は、既に多種多様なものが提案されているので、公知のものから任意に用いればよいが、環式アミン、脂肪族アミン、特に第2級脂肪族アミンや第3級脂肪族アミンが好ましい。ここで、脂肪族アミンとは、1つ以上の脂肪族基を有するアミンであり、該脂肪族基は炭素数が1〜12であることが好ましい。
脂肪族アミンとしては、アンモニアNH3の水素原子の少なくとも1つを、炭素数12以下のアルキル基またはヒドロキシアルキル基で置換したアミン(アルキルアミンまたはアルキルアルコールアミン)が挙げられる。その具体例としては、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノアルキルアミン;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジアルキルアミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デカニルアミン、トリ−n−ドデシルアミン等のトリアルキルアミン;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジ−n−オクタノールアミン、トリ−n−オクタノールアミン等のアルキルアルコールアミン等が挙げられる。
これらの中でも、アルキルアルコールアミンおよびトリアルキルアミンが好ましい。アルキルアルコールアミンの中でも、トリエタノールアミンやトリイソプロパノールアミンが特に好ましい。トリアルキルアミンの中でも、トリ−n−ペンチルアミンが特に好ましい。
環式アミンとしては、たとえば、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環化合物が挙げられる。該複素環化合物としては、単環式のもの(脂肪族単環式アミン)であっても多環式のもの(脂肪族多環式アミン)であってもよい。
脂肪族単環式アミンとして、具体的には、ピペリジン、ピペラジン等が挙げられる。
脂肪族多環式アミンとしては、炭素数が6〜10のものが好ましく、具体的には、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、ヘキサメチレンテトラミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(D)成分は、(A)成分100質量部に対して、通常0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。
第一のレジスト組成物には、感度劣化の防止や、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等の向上の目的で、任意の成分として、有機カルボン酸、ならびにリンのオキソ酸およびその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種の化合物(E)(以下「(E)成分」という。)を含有させることができる。
有機カルボン酸としては、例えば、酢酸、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適である。
リンのオキソ酸としては、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸等が挙げられ、これらの中でも特にホスホン酸が好ましい。
リンのオキソ酸の誘導体としては、たとえば、上記オキソ酸の水素原子を炭化水素基で置換したエステル等が挙げられ、前記炭化水素基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基等が挙げられる。
リン酸の誘導体としては、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステル等のリン酸エステルなどが挙げられる。
ホスホン酸の誘導体としては、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸−ジ−n−ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステル等のホスホン酸エステルなどが挙げられる。
ホスフィン酸の誘導体としては、フェニルホスフィン酸等のホスフィン酸エステルなどが挙げられる。
(E)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(E)成分は、(A)成分100質量部当り0.01〜5.0質量部の割合で用いられる。
第一のレジスト組成物には、ディフェクト低減や、液浸露光プロセス(特にトップコートレスの場合)のレジスト膜を保護する目的で含フッ素化合物からなる添加剤(F)(以下「(F)成分」という。)を含有させることができる。(F)成分は、後述する(F’)成分と同様のものが挙げられ、その中から適宜選択することができる。
次に、前記ネガ型現像用レジスト膜を形成する前記ネガ型現像用レジスト組成物(以下、第二のレジスト組成物)について説明する。
本発明におけるネガ型現像プロセスは、ポジ型レジスト組成物と、有機溶剤を含有する現像液(以下、有機系現像液ということがある。)とを組み合わせたプロセスである。
第二のレジスト組成物としては、酸の作用により極性が増大し、前記ネガ型現像液(有機系現像液)に対する溶解性が減少する(A’)成分と、露光により酸を発生する(B’)成分とを有機溶剤(S’)(以下「(S’)成分」という。)に溶解してなるものが好ましく、前記有機溶剤(S’)は、沸点150℃以上のアルコール系有機溶剤を含有するものが好ましい。
第二のレジスト組成物において、(A’)成分は、露光前は有機系現像液に対して可溶性であり、露光により前記(B’)成分から発生した酸が作用すると、(A’)成分全体の有機系現像液に対する溶解性が減少し、有機溶剤可溶性から有機溶剤不溶性に変化する。そのため、レジストパターンの形成において、ポジ型レジスト組成物を用いて得られるレジスト膜に対して選択的露光を行うと、露光部は有機溶剤不溶性へ転じる一方で、未露光部は有機溶剤可溶性のまま変化しないので、有機溶剤現像によりレジストパターンを形成することができる。
第二のレジスト組成物において、(A’)成分は、酸の作用により極性が増大し、前記ネガ型現像液(有機系現像液)に対する溶解性が減少する樹脂成分(A1’)(以下「(A1’)成分」ということがある。)であってもよい。
かかる第二のレジスト組成物において好適に用いられる(A1’)成分としては、酸解離性溶解抑制基を含む構成単位(a1’)を有することが好ましい。
本発明において、構成単位(a1’)は、上記(a1)の場合と同様に、酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導され、かつ酸解離性溶解抑制基が脱保護した後に−COOH基(カルボキシ基)を生じる構成単位(a11’)と、酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導され、かつ酸解離性溶解抑制基が脱保護した後にアルコール性水酸基を生じる構成単位(a0−1’)とに分類される。前記(A1’)成分は、構成単位(a0−1’)を有することがより好ましく、構成単位(a0−1’)と(a11’)との両方を有していてもよい。
また、前記(A1’)成分は、さらにラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2’)を有することが好ましい。
また、前記(A1’)成分は、さらに極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3’)を有することが好ましい。
また、前記(A1’)成分は、構成単位(a1’)に加えて、構成単位(a1’)および(a2’)に加えて、構成単位(a1’)、(a2’)および(a3’)に加えて、さらに、前記一般式(a0−2)で表される構成単位(a0−2’)を有することが好ましい。
また、(A1’)成分は、構成単位(a1’)に加えて、上記構成単位(a1’)、(a2’)、(a3’)、又は(a0−2’)以外の、その他の構成単位を有していてもよい。
構成単位(a11’)は、酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導され、かつ酸解離性溶解抑制基が脱保護した後に−COOH基を生じる構成単位であり、第一のレジスト組成物の構成単位(a11)において挙げられているものと同様である。
(A1’)成分中、構成単位(a11’)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、構成単位(a11’)としては、特に限定されることなく任意のものが使用可能である。特に、前記一般式(a1−1)で表される構成単位が好ましく、前記一般式(a1−1−01)、(a1−1−02)、(a1−2−01)、(a1−2−02)、(a1−3−01)〜(a1−1−04)がより好ましく、具体的には特に(a1−1−3)〜(a1−1−5)、(a1−1−32)、(a1−1−33)、(a1−1−37)、(a1−1−39)、(a1−1−40)、(a1−1−42)、(a1−1−47)〜(a1−1−52)からなる群から選択される少なくとも1種を用いることがより好ましい。
また、構成単位(a11’)として、前記(A)成分における構成単位(a11)と比較して脱保護エネルギーの低いものを用いることが好ましい。これにより、ネガ型現像用レジスト膜において、ポジ型レジストパターンと比較して、露光による有機溶剤に対する溶解性減少の程度が大きいものとなる。
(A1’)成分中、構成単位(a11’)の割合は、(A1’)成分を構成する全構成単位の合計に対し、10〜80モル%が好ましく、20〜70モル%がより好ましく、25〜50モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることによって、レジスト組成物とした際に容易にパターンを得ることができ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
構成単位(a2’)は、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位であり、第一のレジスト組成物の構成単位(a2)において挙げられているものと同様である。
(A1’)成分中、構成単位(a2’)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、構成単位(a2’)としては、特に限定されることなく任意のものが使用可能である。特に、前記一般式(a2−1)〜(a2−5)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、一般式(a2−1)〜(a2−3)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種がより好ましく、化学式(a2−1−1)、(a2−1−2)、(a2−2−1)、(a2−2−7)、(a2−3−1)、および(a2−3−5)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種を用いることがさらに好ましい。
(A1’)成分中の構成単位(a2)の割合は、(A1’)成分を構成する全構成単位の合計に対して、5〜60モル%が好ましく、10〜50モル%がより好ましく、20〜50モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることにより構成単位(a2)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
構成単位(a0−1’)は、酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導され、かつ酸解離性溶解抑制基が脱保護した後にアルコール性水酸基を生じる構成単位であり、第一のレジスト組成物の構成単位(a0−1)において挙げられているものと同様である。
前記構成単位(a0−1’)は、脱保護により水酸基が現れるので極性を増大させることができる。(なお、(a0−1)は、脱保護後に極性は増大するが、アルカリ現像液に対する溶解性は(前記構成単位(a11)に比較して)増大しない構成単位である。)
(A1’)成分中の構成単位(a0−1’)の割合は、(A1’)成分を構成する全構成単位の合計に対して1〜80モル%であることが好ましく、5〜70モル%であることがより好ましく、10〜60モル%であることがさらに好ましく、15〜55モル%が最も好ましい。下限値以上とすることにより、ネガ型現像液(有機系現像液)に対する溶解速度が向上し、リソ特性が向上する。上限値以下であると、他の構成単位とのバランスが良好である。
構成単位(a0−2’)は、第一のレジスト組成物の構成単位(a0−2)において挙げられているものと同様である。
構成単位(a0−2’)としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A1’)成分中の構成単位(a0−2’)の割合は、(A’)成分を構成する全構成単位の合計に対して1〜40モル%であることが好ましく、1〜35モル%であることがより好ましく、5〜30モル%であることがさらに好ましく、5〜25モル%が最も好ましい。下限値以上とすることにより、断面形状の矩形性が高く、良好な形状のレジストパターンを形成でき、上限値以下であると、他の構成単位とのバランスが良好である。
構成単位(a3’)は、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位であり、第一のレジスト組成物の構成単位(a3)において挙げられているものと同様である。
(A1’)成分中、構成単位(a3’)の割合は、当該(A1’)成分を構成する全構成単位の合計に対し、5〜50モル%であることが好ましく、5〜40モル%がより好ましく、5〜25モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることにより構成単位(a3’)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
構成単位(a4’)は、上述の構成単位(a1’)、(a2’)、(a0−2’)、(a3’)に分類されない他の構成単位であれば特に限定されるものではなく、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト用樹脂に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能であり、たとえば、第一のレジスト組成物において挙げられているものを用いることができる。
(A’)成分中、(A1’)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
第二のレジスト組成物において、(A1’)成分としては、前記一般式(A1−1)〜(A1−9)の様な構成単位の組み合わせを含むものが好ましい。その他として、(A1−10’)や(A1−11’)も好ましい。
この範囲の上限値以下であると、レジストとして用いるのに充分なレジスト溶剤への溶解性があり、この範囲の下限値以上であると、耐ドライエッチング性やレジストパターン断面形状が良好である。
また、分散度(Mw/数平均分子量(Mn))は、特に限定するものではなく、1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.2〜2.5が最も好ましい。
(B’)成分としては、特に限定されず、これまで化学増幅型レジスト用の酸発生剤として提案されているものを使用することができる。かかる(B’)成分としては、第一のレジスト組成物の(B)成分についての説明において例示したものと同様のものが挙げられる。
(B’)成分は、これらの酸発生剤を1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
その中でも(B’)成分としてフッ素化アルキルスルホン酸イオンをアニオンとするオニウム塩を用いることが好ましい。
第二のレジスト組成物における(B’)成分の含有量は、(A’)成分100質量部に対して0.5〜60質量部が好ましく、1〜40質量部がより好ましい。上記範囲とすることでパターン形成が充分に行われる。
第二のレジスト組成物は、材料を有機溶剤(以下「(S’)成分」という。)に溶解させて製造することができる。
(S’)成分は、沸点150℃以上のアルコール系有機溶剤(以下、かかるアルコール系有機溶剤を「(S1’)成分」という。)を含有することが好ましい。
本明細書および本特許請求の範囲において、「アルコール系有機溶剤」とは、脂肪族炭化水素の水素原子の少なくとも1つが水酸基で置換された化合物であって、常温、常圧下で液体である化合物をいう。前記脂肪族炭化水素を構成する主鎖の構造は、鎖状構造であってもよく、環状構造であってもよく、該鎖状構造中に環状構造を有していてもよく、また、該鎖状構造中にエーテル結合を含むものであってもよい。
「沸点」は、常圧下で測定した標準沸点をいう。
(S1’)成分は、沸点150℃以上のアルコール系有機溶剤である。
(S1’)成分の沸点は150℃以上であり、155℃以上であることが好ましく、155〜250℃であることが特に好ましい。
沸点が150℃以上であると、(A’)成分の当該(S1’)成分を含有する有機溶剤(S’)への溶解性に優れる。また、下限値を150℃以上、上限値を好ましくは250℃以下とすることにより、第二のレジスト組成物の特性として支持体への塗布性(ぬれ性)に優れる。また、(A’)成分の溶解性に優れることから、(A’)成分として用いる高分子化合物の選択肢が広がり、リソ特性の向上に寄与する。かかる点は、ダブルパターニング用途においても有効である。
炭素数5以上(より好ましくは炭素数7以上)の鎖状構造について、−OHを含む最長の主鎖が炭素数5以上であるとさらに好ましい。該主鎖は、エーテル結合をその構造中に含むものであってもよい。
(S1’)成分として特に好ましくは、炭素数5以上(より好ましくは7以上)の鎖状構造の1価アルコールである。
ここで「1価アルコール」とは、アルコール分子に含まれるヒドロキシ基の数が1個の場合を意味するものであり、2価アルコール、または3価アルコールおよびその誘導体は含まれない。
また、(S1’)成分として具体的には、環状構造を有するものとしてシクロペンタンメタノール(沸点162℃)、1−シクロペンチルエタノール(沸点167℃)、シクロヘキサノール(沸点160℃)、シクロヘキサンメタノール(CM;沸点183℃)、シクロヘキサンエタノール(沸点205℃)、1,2,3,6−テトラヒドロベンジルアルコール(沸点191℃)、exo−ノルボルネオール(沸点176℃)、2−メチルシクロヘキサノール(沸点165℃)、シクロヘプタノール(沸点185℃)、3,5−ジメチルシクロヘキサノール(沸点185℃)、ベンジルアルコール(沸点204℃)等の1価アルコールなどが挙げられる。
上記のなかでも、鎖状構造の1価アルコールが好ましく、1−ブトキシ−2−プロパノールが最も好ましい。
(S1’)成分の含有量は、(S’)成分中、50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは80質量%以上、最も好ましくは100質量%である。該範囲の下限値以上であることにより、(A’)成分の(S’)成分への溶解性がより良好になる。
(S1’)成分以外の有機溶剤としては、たとえば、水酸基を有さないエーテル系有機溶剤(以下「(S2’)成分」という。)を用いてもよい。
ここで、「水酸基を有さないエーテル系有機溶剤」とは、水酸基を有さず、その構造中にエーテル結合(C−O−C)を有し、かつ、常温常圧下で液体である化合物をいう。
(S2’)成分のなかでも、水酸基とカルボニル基のいずれも有さないものがより好ましい。
(S2’)成分としては、下記一般式(s1’−1)で表される化合物が好適なものとして挙げられる。
R70−O−R71 ・・・(s1’−1)
[式中、R70、R71はそれぞれ独立して炭化水素基である。または、R70とR71とが結合して環を形成していてもよい。−O−はエーテル結合を示す。]
R70、R71の各アルキル基としては、特に制限はなく、たとえば炭素数1〜20の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基等が挙げられる。該アルキル基は、その水素原子の一部または全部がハロゲン原子等で置換されていてもよく、されていなくてもよい。
該アルキル基としては、レジスト組成物の塗布性が良好なこと等から、炭素数1〜15であることが好ましく、炭素数1〜10であることがより好ましい。具体的には、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、n−ブチル基、イソペンチル基が特に好ましい。
前記アルキル基の水素原子が置換されていてもよいハロゲン原子としては、フッ素原子であることが好ましい。
該アリール基としては、安価に合成可能なことから、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的には、たとえばフェニル基、ベンジル基、ナフチル基等が挙げられる。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることがより好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基がより好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいハロゲン原子としては、フッ素原子であることが好ましい。
R70およびR71は、それぞれ独立に、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基(好ましくは炭素数1〜10のアルキレン基)であって、R70の末端と、R71の末端とが結合して環を形成する。また、アルキレン基の炭素原子は、酸素原子で置換されていてもよい。
かかるエーテル系有機溶剤の具体例としては、たとえば1,8−シネオール、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が挙げられる。
本発明において、(S2’)成分としては、レジストパターンの膜減り低減効果が良好なことから、環状または鎖状のエーテル系有機溶剤が好ましく、なかでも1,8−シネオール、ジブチルエーテルおよびジイソペンチルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
(S’)成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、(S1’)成分に加えて、又は(S1’)成分と(S2’)成分に加えて、(S1’)成分および(S2’)成分以外の有機溶剤(以下「(S3’)成分」という。)を併用することもできる。
(S3’)成分としては、使用するレジスト材料を溶解し、均一な溶液とすることが出来るものであればよく、従来、化学増幅型レジストの溶剤として公知のものの中から任意のものを1種または2種以上適宜選択して用いることができる。
(S3’)成分をさらに併用することにより、(A’)成分や(B’)成分等の溶解性やその他の特性を調整することができる。
これらの(S3’)成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
(S1’)成分と(S3a’)成分との混合割合は、質量比で(S1’)/(S3a’)=1/99〜99/1であることが好ましく、5/95〜95/5であることがより好ましく、10/90〜90/10であることが特に好ましい。(S3a’)成分に対する(S1’)成分の割合が上記範囲内であると、レジスト材料の溶解性やその他の特性がより向上する。
第二のレジスト組成物は、添加剤として、特に、含フッ素化合物からなる添加剤(F’)(以下、(F’)成分という。)を含有することが好ましい。(F’)成分を含有することにより、前記ネガ型現像用レジスト膜の前記ネガ型現像液(有機系現像液)に対する溶解速度が増加する。これは、以下の理由によるものと考えられる。すなわち、(F’)成分は、フッ素原子を含有することで、レジスト膜を形成した際に、該レジスト膜の表面近傍に偏在する傾向がある。そのため、(F’)成分を含有するレジスト組成物を用いて形成されるレジスト膜は、(F’)成分を含有しない場合に比べて、表面の疎水性が高くなる。これが前記ネガ型現像液(有機系現像液)との親和性を向上させると考えられる。
(F’)成分としては、特に限定されず、これまでレジスト組成物の添加剤として公知の含フッ素化合物のなかから適宜選択して使用できる。
(F’)成分として用いられる高分子化合物としては、たとえば、フッ素原子を含む構成単位(以下、構成単位(f1’)という。)を有する高分子化合物(以下、(F1’)成分という。)が挙げられる。(F1’)成分としては、構成単位(f1’)の1種又は2種以上からなる高分子化合物(単独重合体または共重合体);構成単位(f1’)と、構成単位(f1’)以外の他の構成単位、すなわちフッ素原子を含まない構成単位(以下、構成単位(f2’)という。)とからなる高分子化合物(共重合体)等が挙げられる。
(F’)成分として用いられる低分子化合物としては、たとえば、前記構成単位(f1’)を誘導するモノマーが挙げられる。
(F’)成分は、レジスト膜表面の疎水化によるネガ型現像液(有機系現像液)に対する溶解速度向上の点から、少なくとも(F1’)成分を含有することが好ましい。
該酸分解性基としては、前記構成単位(a0−1)又は(a0−2)の説明で挙げたものと同様のものが挙げられる。
(F’)成分が(F1’)成分である場合、該酸分解性基は、構成単位(f1’)中に含まれてもよく、構成単位(f2’)中に含まれてもよい。すなわち、(F1’)成分は、前記酸分解性基を有し且つフッ素原子を含む構成単位(以下、構成単位(f1−0’)ということがある。)を有してもよく、前記酸分解性基を有し且つフッ素原子を含まない構成単位(以下、構成単位(f2−0’)ということがある。)を有してもよい。リソグラフィー特性向上の点から、少なくとも、構成単位(f2−0’)を有することが好ましい。すなわち、(F1’)成分は、構成単位(f1’)と、構成単位(f2−0’)とを有することが好ましい。このとき、構成単位(f1’)として、構成単位(f1−0’)を有してもよく、有さなくてもよい。
構成単位(f1−0’)の例としては、たとえば前記構成単位(a0−1)又は(a0−2)に該当する構成単位のうち、構造中にフッ素原子を含むものが挙げられる。また、構成単位(f2−0’)の例としては、たとえば前記構成単位(a0−1)又は(a0−2)に該当する構成単位のうち、構造中にフッ素原子を含まないものが挙げられる。
「主鎖環状型構成単位」とは、単環または多環式の環構造を有し、該環構造の環上の少なくとも1つ、好ましくは2つ以上の炭素原子が主鎖を構成する構成単位をいう。
以下、(F1)成分についてより詳細に説明する。
構成単位(f1’)は、フッ素原子を含むものであれば特に制限されず、たとえば、側鎖にフッ素原子を含むものでもよく、主鎖にフッ素原子が直接結合しているものでもよい。なかでも、側鎖にフッ素原子を含むものが好ましい。
側鎖にフッ素原子を含む構成単位として好適なものとして、たとえば、下記一般式(f1−1−0’)で表される基を側鎖に含む構成単位(以下、構成単位(f1−1’)という。)、酸の作用により解離して親水基を生じる酸分解性基およびフッ素原子を側鎖に含む構成単位(以下、構成単位(f1−2’)という。)、酸非解離性の炭素数1〜20のフッ素化アルキル基を側鎖に含む構成単位(以下、構成単位(f1−3’)という。)等が挙げられる。
構成単位(f1−1’)は、前記式(f1−1−0’)で表される基を側鎖に含む。
式(f1−1−0’)中、R8は、フッ素原子を有する有機基である。
「有機基」とは、少なくとも1つの炭素原子を含む基をいう。
R8の構造は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよく、直鎖状または分岐鎖状が好ましい。
R8の炭素数は1〜20であることが好ましく、炭素数1〜15であることがより好ましく、炭素数1〜10がさらに好ましく、炭素数1〜5が特に好ましい。
R8は、レジスト膜の疎水性が高まることから、フッ素化率が25%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましく、60%以上であることが特に好ましい。「フッ素化率」とは、当該有機基における水素原子とフッ素原子との合計数に対するフッ素原子数の割合(%)をいう。
該フッ素化炭化水素基において、炭化水素基(フッ素化されていないもの)は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよく、なかでも脂肪族炭化水素基であることが好ましい。「脂肪族炭化水素基」は、芳香族性を有さない炭化水素基である。R8における脂肪族炭化水素基は、飽和又は不飽和のいずれでもよく、通常は飽和であることが好ましい。すなわち、R8としては、フッ素化飽和炭化水素基又はフッ素化不飽和炭化水素基であることが好ましく、フッ素化飽和炭化水素基、すなわちフッ素化アルキル基であることが特に好ましい。
フッ素化アルキル基としては、下記に挙げる無置換のアルキル基(後述の置換基を有さないもの)の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された基が挙げられる。
フッ素化アルキル基は、無置換のアルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換された基であってもよく、無置換のアルキル基の水素原子の全部がフッ素原子で置換された基(パーフルオロアルキル基)であってもよい。
無置換の直鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜10が好ましく、炭素数1〜8がより好ましい。具体的には、たとえば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デカニル基等が挙げられる。
無置換の分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数3〜10が好ましく、炭素数3〜8がより好ましい。分岐鎖状のアルキル基としては、第3級アルキル基が好ましい。
無置換の環状のアルキル基としては、例えば、モノシクロアルカン、またはビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基が挙げられる。具体的には、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のモノシクロアルキル基;アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基等のポリシクロアルキル基などが挙げられる。
無置換の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基と、環状アルキル基との組み合わせとしては、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基に置換基として環状のアルキル基が結合した基、環状のアルキル基に置換基として直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が結合した基等が挙げられる。
−R85−R86 …(VII−1)
−C(R87)(R88)(R89) …(VII−2)
[式(VII−1)中、R85は無置換の炭素数1〜9のアルキレン基であり、R86は炭素数1〜9のフッ素化アルキル基である。但し、R85とR86との炭素数の合計は10以下である。式(VII−2)中、R87〜R89は、それぞれ独立に、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基またはフッ素化アルキル基であり、R87〜R89の少なくとも1つはフッ素化アルキル基である。]
R85としては、特に、メチレン基、エチレン基、プロピレン基が好ましい。
R86としては、炭素数1〜5の直鎖状または分岐鎖状のフッ素化アルキル基が好ましく、特にパーフルオロアルキル基が好ましい。なかでも、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基が好ましい。
式(VII−2)中、R87〜R89のアルキル基としては、エチル基またはメチル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。フッ素化アルキル基は、該アルキル基の水素原子の一部または全部をフッ素原子で置換したものが挙げられる。
R87〜R89のうち、少なくとも1つはフッ素化アルキル基であり、全てがフッ素化アルキル基であってもよい。
ここで、「主鎖に直接結合する」とは、前記式(f1−1−0’)における−C(=O)−の炭素原子と、たとえば当該高分子化合物の主鎖を構成する炭素原子(たとえばアクリル酸エステルから誘導される構成単位の場合、アクリル酸エステルのエチレン性二重結合が開裂する前に当該二重結合を形成していた炭素原子を示し、前記主鎖環状構成単位の場合、その環構造の環上の炭素原子であって主鎖を構成するものを示す。)とが直接結合することを意味する。
前記式(f1−1−1’)中のR8は、フッ素原子を有する有機基であり、上記式(f1−1−0’)におけるR8と同様のものが挙げられる。
前記式(f1−1−1’)中、Q0は、単結合又は二価の連結基である。
Q0における二価の連結基は、たとえば、置換基を有していてもよい炭化水素基、ヘテロ原子を含む基等が好適なものとして挙げられる。
Q0における炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。
ここでいう脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味する。かかる脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族炭化水素基として、より具体的には、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
Q0における、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜8がより好ましく、1〜5がさらに好ましく、1〜3が特に好ましい。
直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、メチレン基、エチレン基[−(CH2)2−]、トリメチレン基[−(CH2)3−]、テトラメチレン基[−(CH2)4−]、ペンタメチレン基[−(CH2)5−]等が挙げられる。
分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、−CH(CH3)−、−CH(CH2CH3)−、−C(CH3)2−、−C(CH3)(CH2CH3)−、−C(CH3)(CH2CH2CH3)−、−C(CH2CH3)2−等のアルキルメチレン基;−CH(CH3)CH2−、−CH(CH3)CH(CH3)−、−C(CH3)2CH2−、−CH(CH2CH3)CH2−等のアルキルエチレン基;−CH(CH3)CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2−等のアルキルトリメチレン基;−CH(CH3)CH2CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2CH2−等のアルキルテトラメチレン基などのアルキルアルキレン基等が挙げられる。アルキルアルキレン基におけるアルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましい。
鎖状(直鎖状、分岐鎖状)の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよく、有していなくてもよい。該置換基としては、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜12であることがより好ましい。
環状の脂肪族炭化水素基は、多環式基であってもよく、単環式基であってもよい。
単環式基としては、炭素数3〜6のモノシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基が好ましく、該モノシクロアルカンとしてはシクロペンタン、シクロヘキサン等が例示できる。
多環式基としては、炭素数7〜12のポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとして具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。該置換基としては、炭素数1〜5の低級アルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
当該2価の芳香族炭化水素基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換された芳香族炭化水素基;
ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基等でかつその芳香族炭化水素の核から水素原子をさらに1つ除いた芳香族炭化水素基;等が挙げられる。
なかでも、前記2価の芳香族炭化水素基が好ましく、フェニル基から水素原子をさらに1つ除いた芳香族炭化水素基、ナフチル基から水素原子をさらに1つ除いた芳香族炭化水素基が特に好ましい。
前記アリールアルキル基中のアルキル鎖の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。該置換基としては、炭素数1〜5の低級アルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
ヘテロ原子を含む基としては、たとえば、−O−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、カーボネート結合(−O−C(=O)−O−)、−NH−、−NR05(R05はアルキル基)−、−NH−C(=O)−、=N−等の非炭化水素基、該非炭化水素基と2価の炭化水素基との組み合わせ等が挙げられる。該2価の炭化水素基としては、上述した置換基を有していてもよい炭化水素基と同様のものが挙げられ、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましい。
ヘテロ原子を含む基としては、前記非炭化水素基と2価の炭化水素基との組み合わせがより好ましく、具体的には、前記非炭化水素基と上記脂肪族炭化水素基との組み合わせ、上記脂肪族炭化水素基と前記非炭化水素基と上記脂肪族炭化水素基との組み合わせが特に好ましい。
Rにおけるアルキル基は、直鎖状または分岐鎖状が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。
また、ハロゲン化アルキル基として、具体的には、上記Rのアルキル基の水素原子の一部または全部を、ハロゲン原子で置換した基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
Rとしては、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のフッ素化アルキル基が好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子またはメチル基がより好ましい。
一般式(f1−1−10’)中、Xは、二価の有機基である。Xとしては、置換基を有していてもよい炭化水素基、ヘテロ原子を含む基等が好適なものとして挙げられ、それぞれ、上記Q0の二価の連結基についての説明における、置換基を有していてもよい炭化水素基、ヘテロ原子を含む基と同様のものが挙げられる。
Aarylにおける芳香族環式基の環骨格としては、炭素数が6〜15であることが好ましく、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、アントラセン環等が挙げられる。これらの中でも、ベンゼン環又はナフタレン環が特に好ましい。
Aarylにおいて、芳香族環式基が有してもよい置換基としては、たとえば、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子等が挙げられる。Aarylの芳香族環式基が有してもよい置換基としては、フッ素原子であることが好ましい。
Aarylの芳香族環式基としては、置換基を有さないものであってもよく、置換基を有するものでもよく、置換基を有さないものであることが好ましい。
Aarylにおいて、芳香族環式基が置換基を有するものである場合、置換基の数は、1つであってもよく、2つ以上であってもよく、1つ又は2つであることが好ましく、1つであることがより好ましい。
一般式(f1−1−20’)中、X01は、単結合または二価の連結基である。該二価の連結基としては、上記Q0の二価の連結基についての説明で挙げた、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、ヘテロ原子を含む基が好適なものとして挙げられ、具体的には、炭素数1〜10のアルキレン基、−O−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、カーボネート結合(−O−C(=O)−O−)、−NH−C(=O)−、又はこれらの組み合わせなどが好ましく、−O−と炭素数1〜10のアルキレン基との組み合わせ、−C(=O)−O−と炭素数1〜10のアルキレン基との組み合わせがより好ましい。該炭素数1〜10のアルキレン基としては、直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基が挙げられ、炭素数1〜5の直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基、炭素数4〜10の環状のアルキレン基が好ましい。
また、前記一般式(f1−1−20’)で表される構成単位の中で好適なものとして、下記一般式(f1−1−21’)〜(f1−1−26’)で表される構成単位が挙げられる。
式(f1−1−11’)中、a1は1〜3の整数が好ましく、1又は2がより好ましい。
式(f1−1−12’)中、a2、a3は、それぞれ独立して、1〜3の整数が好ましく、1または2がより好ましい。
b1は、0であることが好ましい。
式(f1−1−13’)中、a4は、0〜3の整数が好ましく、0〜2の整数がより好ましく、0または1が最も好ましい。
a5は、1〜3の整数が好ましく、1または2がより好ましい。
R9の置換基としては、たとえば、ハロゲン原子、低級アルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、ハロゲン化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。低級アルキル基としては、前記Rで挙げた低級アルキル基と同様のものが挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子等が挙げられる。ハロゲン化低級アルキル基としては、前記Rで挙げたハロゲン化低級アルキル基と同様のものが挙げられる。
e1は、0または1であることが好ましく、特に工業上、0であることが好ましい。
b2は、0であることが好ましい。
式(f1−1−14’)中、a6は、0〜3の整数が好ましく、0〜2の整数がより好ましく、0または1が最も好ましい。
a7は、1〜3の整数が好ましく、1または2がより好ましい。
b3は、0であることが好ましい。
R9およびe1は、それぞれ前記と同様である。
R51〜R52は、それぞれ独立して直鎖、分岐鎖状または環状の炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、n―プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tertーブチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、トリシクロデカニル基、アダマンチル基、テトラシクロドデカニル基等が挙げられ、これらの中でも炭素数1〜6がより好ましく、炭素数1〜4が特に好ましく、メチル基またはエチル基が最も好ましい。
R53〜R54は、それぞれ独立して水素原子または直鎖、分岐または環状の炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましい。R53〜R54における直鎖、分岐または環状の炭素数1〜10のアルキル基としては、前記R51〜R52と同様である。
式(f1−1−16’)中、A1は、炭素数4〜20の環状アルキレン基であり、炭素数5〜15の環状のアルキレン基が好ましく、炭素数6〜12の環状のアルキレン基がより好ましい。具体例としては、上述した置換基を有していていもよい炭化水素基における「環状の脂肪族炭化水素基」に例示したものが挙げられ、かかる環状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜12であることがより好ましい。
環状の脂肪族炭化水素基は、多環式基であってもよく、単環式基であってもよい。単環式基としては、炭素数3〜6のモノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該モノシクロアルカンとしてはシクロペンタン、シクロヘキサン等が例示できる。
多環式基としては、炭素数7〜12のポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとして具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5の低級アルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
a9は、1〜3の整数が好ましく、1または2がより好ましい。
b4は、0であることが好ましい。
R9およびe1は、それぞれ前記と同様である。
式(f1−1−22’)中、a10は、0〜3の整数が好ましく、0〜2の整数がより好ましく、0または1が最も好ましい。
a11は、1〜3の整数が好ましく、1または2がより好ましい。
b5は、0であることが好ましい。
R9およびe1は、それぞれ前記と同様である。
式(f1−1−23’)中、a12は、1〜3の整数が好ましく、1または2がより好ましい。
R9およびe1は、それぞれ前記と同様である。
式(f1−1−24’)中、a13は、1〜3の整数が好ましく、1または2がより好ましい。
R9およびe1は、それぞれ前記と同様である。
式(f1−1−25’)〜(f1−1−26’)中、a15、a16は、それぞれ、0〜3が好ましく、0〜2がより好ましく、0または1が最も好ましい。
R51〜R52、およびR53〜R54は、それぞれ前記と同様である。
R9およびe1は、それぞれ前記と同様である。
構成単位(f1−2’)は、酸の作用により解離して親水基を生じる酸分解性基およびフッ素原子を側鎖に含む構成単位である。構成単位(f1−2’)を(F’)成分が有すると、露光部における、前記ネガ型現像用レジスト膜の前記ネガ型現像液(有機系現像液)に対する溶解速度が未露光部よりも減少して、ネガ型現像液に対する溶解速度の差がつくので解像性等のリソグラフィー特性が向上する効果が得られる。
「酸分解性基」は、上述したとおり、酸(露光により(B’)成分から発生する酸)の作用により、当該酸分解性基の構造中の少なくとも一部の結合が開裂し得る酸分解性を有する基である。
構成単位(f1−2’)は、前記構成単位(f1−0’)、すなわち前記構成単位(a0−1)又は(a0−2)のように、親水基としてアルコール性水酸基を生じる構成単位であってもよく、前記構成単位(a1)のように、親水基としてアルコール性水酸基以外の親水基を生じるものであってもよい。アルコール性水酸基以外の親水基としては、カルボキシ基、フェノール性水酸基等が挙げられる。
酸分解性基としては、たとえば、前記親水基の水素原子を酸解離性基で置換した基が挙げられ、なかでもカルボキシ基の水素原子を酸解離性基で置換した基が好ましい。すなわち、前記酸解離性基の解離により生じる親水基としては、カルボキシ基が好ましい。
「酸解離性基」は、上述したとおり、酸(露光により(B’)成分から発生する酸)の作用により、少なくとも、当該酸解離性基と該酸解離性基に隣接する原子との間の結合が開裂し得る酸解離性を有する基であり、該酸解離性基は、当該酸解離性基の解離により生成する親水基よりも親水性の低い基である。
酸解離性基としては、特に限定されず、KrFエキシマレーザー用、ArFエキシマレーザー用等のレジスト組成物用の樹脂において多数提案されているもの中から適宜選択して用いることができこのような酸解離性基として、たとえば前記構成単位(a0−1)又は(a0−2)の説明で挙げたものと同様のものが挙げられる。本発明において好ましいものとして、第3級アルキル基含有酸解離性基(第3級アルキル基、第3級アルキルオキシカルボニル基、第3級アルコキシカルボニルアルキル基等)、アセタール型酸解離性基等が挙げられる。これらの中でも、第3級アルキル基およびアセタール型酸解離性基から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
構成単位(f1−2’)において、フッ素原子は、酸解離性基に含まれても酸解離性基以外の基に含まれてもよい。フッ素原子を含む酸解離性基の例として、前記構成単位(a0−1)又は(a0−2)で挙げた酸解離性基を構成する水素原子の一部または全部をフッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換した基が挙げられる。
構成単位(f1−2’)として具体的には、前記構成単位(a0−1)又は(a0−2)における酸解離性基の水素原子の一部または全部をフッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換したもの、前記構成単位(a1)における酸解離性基の水素原子の一部または全部をフッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換したもの、が挙げられる。
これらの中でも、前記構成単位(a1)における酸解離性基の水素原子の一部または全部をフッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換したものが好ましい。また、該構成単位において、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換される水素原子の位置は、主鎖から離れているほど好ましく、少なくとも側鎖末端(主鎖から最も離れた位置)の炭素原子に結合した水素原子がフッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていることが特に好ましい。
構成単位(f1−2’)の好ましい具体例を以下に示す。
構成単位(f1−3’)は、酸非解離性の炭素数1〜20のフッ素化アルキル基を側鎖に含む構成単位である。
該フッ素化アルキル基としては、特に限定されず、たとえばKrFエキシマレーザー用、ArFエキシマレーザー用等のレジスト組成物用の樹脂において、多数提案されているフッ素化アルキル基の中から適宜選択して用いることができる。
前記側鎖における該フッ素化アルキル基において、好ましくは炭素数1〜20であり、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれでもよい。
該フッ素化アルキル基が直鎖状、分岐鎖状の場合、炭素数は1〜8であることがより好ましく、1〜5であることがさらに好ましい。
該フッ素化アルキル基が環状の場合、炭素数は4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。たとえば、モノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。中でもアダマンタン、ノルボルナンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
上記のなかでも、酸非解離性のフッ素化アルキル基としては、環状のフッ素化アルキル基であることが好ましく、多環状のフッ素化アルキル基であることがより好ましい。
また、該フッ素化アルキル基中の水素原子は、その一部がフッ素原子で置換されていてもよく、全部がフッ素原子で置換されていてもよい。
前記フッ素化アルキル基としては、本発明の効果が良好であることから、下記一般式(f1−3−0’)で表される基が特に好ましい。
−(CH2)m’−X20 ・・・(f1−3−0’)
[式(f1−3−0’)中、X20はフッ素化された脂肪族多環式基であり、m’は0または1である。]
前記式(f1−3−0’)中、m’は、0または1である。
以下に、構成単位(f1−3’)の好ましい具体例を示す。
なお、下記式(f1−3−14’)〜(f1−3−17’)におけるFは、アダマンタン骨格のすべての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアダマンチル基になっていることを意味する。
(F’)成分は、構成単位(f1’)として、上記の中でも、構成単位(f1−1’)〜(f1−3’)から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、構成単位(f1−1’)〜(f1−2’)から選ばれる少なくとも1種を含むことがより好ましい。
(F’)成分中の構成単位(f1’)の割合は、(F’)成分を構成する全構成単位の合計に対して、20〜90モル%が好ましく、30〜85モル%がより好ましく、40〜80モル%がさらに好ましい。構成単位(f1’)の割合が前記範囲の下限値以上であることにより、レジストパターンの形成において、レジスト膜の疎水性がより高くなる特性がより向上する。上限値以下とすることにより、他の構成単位とのバランスが良好となる。
構成単位(f2’)は、フッ素原子を含まない構成単位である。
構成単位(f2’)としては、構成単位(f1’)を誘導する化合物と共重合可能な化合物から誘導される構成単位であればよく、特に限定されない。
(F’)成分中に含まれる構成単位(f2’)は1種でも2種以上でもよい。
構成単位(f2’)としては、これまで化学増幅型レジスト用のベース樹脂の構成単位として提案されているものが挙げられ、たとえば、以下の構成単位(f2−0’)〜(f2−4’)等が挙げられる。
構成単位(f2−1’):前記構成単位(f2−0’)に該当しない、酸の作用により親水性が増大する酸分解性基を有し且つフッ素原子を含まない構成単位。
構成単位(f2−2’):−SO2−含有環式基を有し且つフッ素原子を含まない構成単位からなる群から選択される少なくとも一種の構成単位。
構成単位(f2−3’):極性基含有脂肪族炭化水素基を有し且つフッ素原子を含まない構成単位。
構成単位(f2−4’):酸非解離性の脂肪族環式基を有し且つフッ素原子を含まない構成単位。
構成単位(f2−0’)〜(f2−4’)は、それぞれ、アクリル酸エステルから誘導される構成単位であることが好ましく、それらの具体例としては、たとえば、前記構成単位(a0)〜(a4)(ただし構造中にフッ素原子を含むものを除く。)が挙げられる。
また、これらの構成単位に加えて、さらに、構成単位(f2−3’)を有することも好ましい。これにより、リソグラフィー特性が向上する。
(F’)成分が構成単位(f2’)として構成単位(f2−0’)を有する場合、該構成単位(f2−0’)としては、上記の中でも、一般式(a0−1)で表される構成単位が好ましく、前記一般式(a0−1−1)、(a0−1−2)または(a0−1−3)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましく、一般式(a0−1−1)で表される構成単位が特に好ましい。
(F’)成分が構成単位(f2’)として構成単位(f2−1’)を有する場合、該構成単位(f2−1’)としては、上記の中でも、一般式(a1−1)又は(a1−3)で表される構成単位が好ましく、一般式(a1−1)で表される構成単位がより好ましく、一般式(a1−1−02)で表される構成単位が特に好ましい。
(F’)成分中の構成単位(f2−0’)および構成単位(f2−1’)の合計の割合は、(F’)成分を構成する全構成単位の合計に対して、1〜80モル%が好ましく、5〜70
モル%がより好ましく、10〜60モル%がさらに好ましい。これらの構成単位の割合が上記範囲の下限値以上であると疎水性が向上し、上限値以下であると、リソグラフィー特性が良好であり、また、他の構成単位とのバランスが良好となる。
構成単位(f2−3’)としては、下記一般式(a3−1’)〜(a3−3’)のいずれかで表される構成単位が好ましく、下記一般式(a3−3’)で表される構成単位が特に好ましい。
式(a3−2’)中、R82’におけるアルキレン基は、炭素数が1〜12であることが好ましく、1〜10であることがより好ましく、1〜6が特に好ましい。
該アルキレン基が炭素数2以上のアルキレン基である場合、該アルキレン基の炭素原子間に、ヘテロ原子を含む2価の基が介在してもよい。該「ヘテロ原子を含む2価の基」としては、前記構成単位(a11)の説明で、一般式(a1−0−2)中のY2の2価の連結基として挙げた「ヘテロ原子を含む2価の連結基」と同様のものが挙げられる。
R82’としては、特に、ヘテロ原子を含む2価の基が介在しないアルキレン基、またはヘテロ原子として酸素原子を含む2価の基が介在するアルキレン基が好ましい。
酸素原子を含む2価の基が介在するアルキレン基としては、−A−O−B−または−A−O−C(=O)−B−で表される基が好ましい。式中、A、Bはそれぞれ独立して置換基を有していてもよい2価の炭化水素基であり、前記構成単位(a11)の説明で挙げた−A−O−B−または−A−O−C(=O)−B−におけるA、Bと同様のものが挙げられる。
これらのなかでも、−A−O−C(=O)−B−で表される基が好ましく、−(CH2)f−O−C(=O)−(CH2)g’−[式中、fおよびg’はそれぞれ独立に1〜3の整数である。]が好ましい。
共重合体(F13’)としては、構成単位(f1’)と構成単位(f2−0’)とを有する共重合体、構成単位(f1’)と構成単位(f2−1’)とを有する共重合体、構成単位(f1’)と構成単位(f2−0’)と構成単位(f2−3’)とを有する共重合体、が好適なものとして挙げられる。これらの共重合体において、構成単位(f1’)としては、構成単位(f1−1’)〜(f1−3’)からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、構成単位(f1−1’)〜(f1−2’)からなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
(F’)成分の分散度(Mw/Mn)は1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.2〜2.5が最も好ましい。なお、Mnは数平均分子量を示す。
(F’)成分は、当該(F’)成分を構成する各構成単位を誘導するモノマーを、たとえば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビスイソ酪酸ジメチル(V−601)等のラジカル重合開始剤を用いた公知のラジカル重合等によって重合させることにより得ることができる。
レジスト組成物中、(F’)成分の含有量は、当該(F’)成分と前記(A’)成分との合計(100質量%)に対する(F’)成分の割合として、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましく、10質量%以下が特に好ましい。該割合が低いほど、リソグラフィー特性が向上する。
該割合の下限は、特に限定されず、0質量%であってもよい。すなわち、第二のレジスト組成物は(F’)成分を含有しなくてもよい。ただし(F’)成分を配合することの効果(ネガ型現像液(有機系現像液)に対する現像溶解性や溶解速度の向上)を充分に得るためには0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましい。
上述したように、前記(A)成分が、酸解離性溶解抑制基を含む構成単位(a1)を有する前記樹脂成分(A1)を含有し、前記(A’)成分が、酸解離性溶解抑制基を含む構成単位(a1’)を有する前記樹脂成分(A1’)を含有する場合には、前記ネガ型現像用レジスト膜の脱保護エネルギーは、前記ポジ型レジストパターンの脱保護エネルギーより低いことが好ましい。
酸解離性溶解抑制基を有する構成単位のうち、酸の作用により−COOH基を生じる構成単位(a11)等を例に挙げてより具体的に説明すると、該構成単位において、酸解離性溶解抑制基の脱保護エネルギーは、当該酸解離性溶解抑制基の構造や、当該酸解離性溶解抑制基が当該構成単位の側鎖部分にどのような構造で結合しているか等により異なっている。
以下に、酸解離性溶解抑制基または酸解離性溶解抑制基を有するアクリル酸エステルから誘導される構成単位の具体的な構造と、それらが第一のレジスト組成物および第二のレジスト組成物のいずれに適しているかを説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
ここで、「アクリル酸」は、α位の炭素原子(アクリル酸のカルボニル基が結合する炭素原子)に水素原子が結合しているアクリル酸(CH2=CHCOOH)のほか、α位の炭素原子に置換基(水素原子以外の原子または基)が結合しているものも含む概念とする。該α位の炭素原子に結合する置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基、ヒドロキシアルキル基等が挙げられる。なお、アクリル酸エステルのα位の炭素原子とは、特に断りがない限り、アクリル酸のカルボニル基が結合している炭素原子のことである。
前記基がアクリル酸のカルボキシ基に直接結合しているとは、当該基が、アクリル酸のカルボニル基の水素原子を置換していることを示す。
「アクリル酸のカルボキシ基に直接結合して第3級アルキルエステルを形成している第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基」として、具体的には、前記構成単位(a11)の説明で挙げた式(a1−1)におけるX’が挙げられる。
「1価の脂肪族環式基の環骨格上、当該酸解離性溶解抑制基に隣接する原子と結合する炭素原子にメチル基が結合して第3級炭素原子が形成されている基」を含む構成単位としては、たとえば、前記構成単位(a1−1)の説明で挙げた式(a1−1−1)、(a1−1−2)、(a1−1−12)〜(a1−1−15)、(a1−1−18)〜(a1−1−23)、(a1−1−26)〜(a1−1−31)、(a1−1−34)〜(a1−1−36)、(a1−1−38)、(a1−1−41)、(a1−1−53)、(a1−1−54)が挙げられる。
かかる酸解離性溶解抑制基は、比較的脱保護エネルギーが高く、解離しにくい。そのため、第一のレジスト組成物に適している。ただし、該酸解離性溶解抑制基よりも脱保護エネルギーが高い酸解離性溶解抑制基(たとえば後述する(エ)アクリル酸のカルボキシ基に直接結合して第3級アルキルエステルを形成している第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基であって、脂肪族分岐鎖状である基)を第一のレジスト組成物に用いる場合は、第二のレジスト組成物に用いることもできる。
「1価の脂肪族環式基の環骨格上、当該酸解離性溶解抑制基に隣接する原子と結合する炭素原子に炭素数2以上のアルキル基が結合して第3級炭素原子が形成されている基」を含む構成単位としては、たとえば、前記構成単位(a1−1)の説明で挙げた式(a1−1−3)〜(a1−1−5)、(a1−1−16)、(a1−1−17)、(a1−1−24)、(a1−1−25)、(a1−1−32)、(a1−1−33)、(a1−1−37)、(a1−1−39)、(a1−1−40)、(a1−1−42)、(a1−1−47)〜(a1−1−52)が挙げられる。
かかる酸解離性溶解抑制基は、比較的(たとえば前記(ア)で示した基に比べて)脱保護エネルギーが低く、解離しやすい。たとえば前記式(a1−1−1)等の2−メチル−2−アダマンチル基(M)と、前記式(a1−1−3)等の2−エチル−2−アダマンチル基(E)とを比較すると、Mの脱保護エネルギーが11.2[kcal/mol]であるのに対し、Eの脱保護エネルギーは8.3[kcal/mol]である。また、前記式(1−2)におけるgが2であり、R14がエチル基であるエチルシクロヘキシル基の脱保護エネルギーは8.1[kcal/mol]である。
そのため、該酸解離性溶解抑制基は、第二のレジスト組成物に適している。ただし、該酸解離性溶解抑制基よりも脱保護エネルギーが低い酸解離性溶解抑制基(たとえばアセタール型酸解離性溶解抑制基等)を第二のレジスト組成物に用いる場合は、第一のレジスト組成物に用いることもできる。
「1価の脂肪族環式基と、これに結合する第3級炭素原子を有する分岐鎖状アルキレンとを有する基とを有する基」を含む構成単位としては、たとえば前記構成単位(a1−1)の説明で挙げた式(a1−1−6)〜(a1−1−11)が挙げられる。
かかる酸解離性溶解抑制基は、比較的脱保護エネルギーが高く、解離しにくい。そのため、第一のレジスト組成物に適している。
「脂肪族分岐鎖状である基」を含む構成単位としては、たとえば前記構成単位(a1−1)の説明で挙げた式(a1−1−43)〜(a1−1−46)が挙げられる。
かかる脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基は、比較的脱保護エネルギーが高く、解離しにくい。そのため、第一のレジスト組成物に好適である。
当該酸解離性溶解抑制基を含む構成単位として具体的には、前記構成単位(a11)の説明で挙げた式(a1−3)で表される構成単位が挙げられる。
かかる酸解離性溶解抑制基は、連結基が介在していることにより、同じ構造の基が連結基を介在せずに直接結合している場合に比べて、比較的脱保護エネルギーが低く、解離しやすい。そのため、第二のレジスト組成物に適している。
アセタール型酸解離性溶解抑制基として、具体的には、前記構成単位(a11)の説明で挙げたものと同様のものが挙げられる。
アセタール型酸解離性溶解抑制基は、比較的脱保護エネルギーが低く、解離しやすい。たとえばアダマントキシメチル基の脱保護エネルギーは8.4[kcal/mol]である。そのため、第二のレジスト組成物に適している。
多官能酸解離性溶解抑制基は、例えば特開2005−325325号公報等に記載されているもの(一般式:R−[O−CH2]n−(式中、Rは炭素数20以下のn価以上の価数を有する有機基を表し、nは2から5の整数を表す。)で示される基)が挙げられる。
多官能型酸解離性溶解抑制基は、比較的脱保護エネルギーが低く、解離しやすい。そのため、第二のレジスト組成物に適している。
[組み合わせ1]:保護基2が前記(イ)および(オ)からなる群から選択される少なくとも1種であり、保護基1が前記(ア)である。
[組み合わせ2]:保護基2が前記(イ)および(オ)からなる群から選択される少なくとも1種であり、保護基1が前記(エ)である。
[組み合わせ3]:保護基2が前記(ア)、(イ)および(オ)からなる群から選択される少なくとも1種であり、保護基1が前記(エ)である。
実施例及び比較例に用いた(A1)成分及び(A1’)成分の高分子化合物1〜3は、下記化学式で表されるモノマー(1)〜(6)を用いて、それぞれ合成した。高分子化合物について、質量平均分子量(Mw)および分子量分散度(Mw/Mn)は、GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の値であり、また、共重合組成比(モル比)はカーボン13核磁気共鳴スペクトル(600MHz_13C−NMR)により求めた。
表1に示す各成分を混合、溶解してレジスト組成物を調製した。
(A)−1:前記高分子化合物1。
(A)−2:前記高分子化合物2。
(A)−1’:前記高分子化合物3。
(B)−1:下記化学式(B)−1で表される化合物。
(B)−2:下記化学式(B)−2で表される化合物。
(B)−3:トリフェニルスルホニウムd−カンファー−10−スルホネート。
(F)−1:特開2010−113319号公報の実施例に準じて合成された下記含フッ素高分子化合物(F)−1。Mw:28800、分子量分散度:1.99、l/m=50/50(モル比)。
(S)−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)。
(S)−2:1−ブトキシ−2−プロパノール。
表2に記載のように、実施例1〜6及び比較例1に示される第一のレジスト膜を形成する第一のレジスト組成物と、第二のレジスト膜を形成する第二のレジスト組成物とを、それぞれ用いて、表2に示す条件により、第一のレジスト組成物により形成されたポジ型レジストパターンが、ダブルパターニングにより、パターン反転可能であるかについて評価した。16秒又は32秒の現像時間でパターンが反転されたものを○、反転されなかったものを×と評価した。
Hnega1=約10nm、Hnega2=約100nm、Hposi=約100nmの条件でレジスト膜を形成した。
尚、表2中の溶剤現像の溶解速度を以下に示す方法で測定した。
90℃にて36秒間のヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理を施した8インチシリコン基板上に、各レジスト組成物をスピンナーを用いて均一にそれぞれ塗布し、100℃で60秒間のベーク処理を行ってレジスト膜(膜厚100nm)を成膜した。
前記レジスト膜に対し、ArF露光装置NSR−S302A(ニコン社製;NA(開口数)=0.60,sigma0.75)により、ArFエキシマレーザー(193nm)を選択的に照射(40mJ/cm2のオープンフレーム露光)した。
次いで、110℃で60秒間露光後加熱(PEB)処理を行った。このときのレジスト膜厚を膜厚1とする。
さらに23℃にて各例の現像液で16秒間の溶剤現像処理を行い、その後100℃60秒間ポストべーク処理を行った。このときのレジスト膜厚を膜厚2とする。
膜厚1と膜厚2はそれぞれNanospec 6100A(ナノメトリクス社製)を用いて測定し、その膜厚差と現像時間から溶解速度Snega1を求めた。
90℃にて36秒間のヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理を施した8インチシリコン基板上に、各レジスト組成物をスピンナーを用いて均一にそれぞれ塗布し、100℃で60秒間のベーク処理を行ってレジスト膜(膜厚220〜230nm)を成膜した。
得られたレジスト膜を基板ごと各例の現像液に浸漬し、目視で膜厚0になるまでの時間を4回計測し、それぞれの溶解速度の平均値をとって、Sposi、Snega2として求めた。
[第一のLSパターンの形成]
8インチのシリコンウェーハ上に、有機系反射防止膜組成物「ARC29A」(商品名、ブリュワーサイエンス社製)を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で205℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚85nmの有機系反射防止膜を形成した。そして、該反射防止膜上に、レジスト1をスピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で100℃、60秒間の条件でプレベーク(PAB)処理を行い、乾燥することにより、膜厚100nmのレジスト膜を形成した。
次に、前記レジスト膜に対して、ArF露光装置NSR−S302A(ニコン社製;NA=0.60,2/3輪帯照明)により、ArFエキシマレーザー(193nm)を、マスクパターンを介して選択的に照射した。そして、110℃、60秒間の条件で露光後加熱(PEB)処理を行い、さらに23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液で30秒間の条件で現像し、その後30秒間、純水を用いて水リンスし、振り切り乾燥を行った後、150℃で60秒間のポストベーク処理を行った。
その結果、前記レジスト膜に、ライン幅130nm、ピッチ520nmの1:3のラインアンドスペース(LS)パターンが形成できた。
続いて、上記で形成した第一のLSパターン上に、レジスト3(ネガ型現像用レジスト組成物)を塗布し、ホットプレート上で、120℃で60秒間の条件でプレベーク(PAB)処理を行い、乾燥することにより、膜厚約100nmのレジスト膜を形成した。
次に、前記レジスト膜に対し、ArF露光装置NSR−S302A(ニコン社製;NA=0.60,2/3輪帯照明)により、前記レジスト膜に対して、ArFエキシマレーザー(193nm)を全面照射した。
次いで、90℃で60秒間のPEB処理を行い、さらに23℃にて酢酸ブチルで32秒間の現像処理をそれぞれ行った。
その結果、第一のレジスト組成物によるLSパターンが反転され、スペース幅130nm、ピッチ520nmのSLパターンが形成できた。
表2に示す条件を変えた以外は実施例1と同様の方法にて、パターン反転可能化を評価した。
その結果、実施例2〜6において、LSパターンの反転が確認された。
尚、表2中、TMAH2.38%とは、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を表し、BAとは、酢酸ブチルを、BA/PE=88/12とは、酢酸ブチルとプロピレングリコールモノメチルエーテルの配合比を表す。
表4に記載のように、実施例7〜9に示される第一のレジスト膜を形成する第一のレジスト組成物と、第二のレジスト膜を形成する第二のレジスト組成物とを、それぞれ用いて、表4に示す条件により、微細な寸法のレジストパターンが得られるかについて評価した。
尚、溶剤現像の溶解速度は、実施例1〜6に示す方法と同様の方法で測定した。
[第一のLSパターンの形成]
12インチのシリコンウェーハ上に、有機系反射防止膜組成物「ARC29A」(商品名、ブリュワーサイエンス社製)を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で205℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚85nmの有機系反射防止膜を形成した。そして、該反射防止膜上に、レジスト2をスピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で100℃、60秒間の条件でプレベーク(PAB)処理を行い、乾燥することにより、膜厚100nmのレジスト膜を形成した。
次に、前記レジスト膜に対して、ArF露光装置NSR−S308F(ニコン社製;NA=0.92,2/3輪帯照明)により、ArFエキシマレーザー(193nm)を、マスクパターンを介して選択的に照射した。そして、110℃、60秒間の条件で露光後加熱(PEB)処理を行い、さらに23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液で30秒間の条件で現像し、その後30秒間、純水を用いて水リンスし、振り切り乾燥を行った後、150℃で60秒間のポストベーク処理を行った。
その結果、前記レジスト膜に、ライン幅100nm、ピッチ400nmの1:3のラインアンドスペース(LS)パターンが形成できた。
続いて、上記で形成した第一のLSパターン上に、レジスト3(ネガ型現像用レジスト組成物)を塗布し、ホットプレート上で、120℃で60秒間の条件でプレベーク(PAB)処理を行い、乾燥することにより、膜厚約100nmのレジスト膜を形成した。
次に、前記レジスト膜に対し、ArF露光装置NSR−S308F(ニコン社製;NA=0.92,2/3輪帯照明)により、前記レジスト膜に対して、ArFエキシマレーザー(193nm)を選択的に(第一のLSパターンのスペース幅300nmにおける中心部の100nm幅が未露光部となるように)照射した。
次いで、90℃で60秒間のPEB処理を行い、さらに23℃にて表3に示すネガ型現像液で13秒間の現像処理をそれぞれ行った。
尚、実施例1〜6と同様、Hnega1=約10nm、Hnega2=約100nm、Hposi=約100nmの条件でレジスト膜を形成した。
その結果、いずれの現像液による場合も、第一のレジスト組成物によるLSパターンのライン部分と、ネガ型現像用レジスト組成物膜の未露光部が除去され(それぞれスペース部分となり)、最終的にはライン幅100nm、ピッチ200nmのLSパターンが形成できた。
表3に、1回目と2回目の露光時の各露光量(mJ/cm2)をそれぞれ示す。
また、表4に、各実施例における溶剤現像の溶解速度をそれぞれ示す。
Claims (8)
- 支持体上に、露光によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する1つまたは複数種のポジ型レジスト組成物によりポジ型レジストパターンを形成する工程(1)と、
前記ポジ型レジストパターンが形成された前記支持体上に、露光により有機溶剤に対する溶解性が減少するネガ型現像用レジスト組成物を塗布してネガ型現像用レジスト膜を形成する工程(2)と、
前記ネガ型現像用レジスト膜を露光し、前記有機溶剤を含有するネガ型現像液により現像して、前記ポジ型レジストパターンを除去するレジストパターンを形成する工程(3)と、を含むことを特徴とするレジストパターン形成方法。 - 前記工程(3)の現像時において、前記ネガ型現像用レジスト膜の露光部の前記ネガ型現像液に対する溶解度は、前記ポジ型レジストパターンの前記ネガ型現像液に対する溶解度よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のレジストパターン形成方法。
- 前記工程(2)において、前記ポジ型レジストパターンの上面が、前記ネガ型現像用レジスト膜により覆われることを特徴とする請求項1又は2に記載のレジストパターン形成方法。
- 前記工程(3)における現像時間をT秒、
前記工程(3)の現像時における、前記ネガ型現像用レジスト膜の露光部の前記ネガ型現像液に対する溶解速度をSnega1nm/秒、
前記ポジ型レジストパターンの上面を覆う前記ネガ型現像用レジスト膜の、前記ポジ型レジストパターン上面からの高さをHnega1nm、
前記ネガ型現像用レジスト膜の、前記ポジ型レジストパターンを覆わない部分の、前記支持体から立設した高さをHnega2nmとした場合に、
Snega1>Hnega1/T、且つ、Snega1<Hnega2/T
であることを特徴とする請求項3に記載のレジストパターン形成方法。 - 前記工程(3)における現像時間をT秒、
前記工程(3)の現像時における、前記ポジ型レジストパターンの前記ネガ型現像液に対する溶解速度をSposinm/秒、
前記ポジ型レジストパターンの前記支持体から立設した高さをHposinm、
前記工程(3)の現像時における前記ネガ型現像用レジスト膜の露光部の前記ネガ型現像液に対する溶解速度をSnega1nm/秒、
前記ポジ型レジストパターンの上面を覆う前記ネガ型現像用レジスト膜の、前記ポジ型レジストパターン上面からの高さをHnega1nmとした場合に、
Sposi>Hposi/{T−(Hnega1/Snega1)}
であることを特徴とする請求項3又は4に記載のレジストパターン形成方法。 - 前記工程(3)における露光は、前記ポジ型レジストパターンを含む領域に対して選択的に行われ、かつ前記ポジ型レジストパターンを含まない領域には未露光部が存在することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のレジストパターン形成方法。
- 前記工程(3)における現像時間をT秒、
前記工程(3)の現像時における、前記ネガ型現像用レジスト膜の未露光部の前記ネガ型現像液に対する溶解速度をSnega2nm/秒、
前記ネガ型現像用レジスト膜の、前記ポジ型レジストパターンを覆わない部分の、前記支持体から立設した高さをHnega2nmとした場合に、
Snega2>Hnega2/T
であることを特徴とする請求項6に記載のレジストパターン形成方法。 - 前記ポジ型レジスト組成物は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する基材成分(A)、及び露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)を含有し、
前記基材成分(A)は、酸解離性溶解抑制基を含む構成単位(a1)を有する樹脂成分(A1)を含有し、
前記ネガ型現像用レジスト組成物は、酸の作用により極性が増大し、前記ネガ型現像液に対する溶解性が減少する基材成分(A’)、及び露光により酸を発生する酸発生剤成分(B’)を含有し、
前記基材成分(A’)は、酸解離性溶解抑制基を含む構成単位(a1’)を有する樹脂成分(A1’)を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のレジストパターン形成方法。
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