JP2015169296A - 流体継手 - Google Patents

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晶彦 岩崎
Akihiko Iwasaki
晶彦 岩崎
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Abstract

【課題】アルミニウム系金属材製のポンプインペラと、鉄系金属材製のポンプスリーブの結合部位における外力耐強度を向上できる流体継手を提供すること。
【解決手段】ポンプインペラ2と、タービンランナと、ポンプインペラ2に固定されてオイルポンプO/Pを駆動するポンプスリーブ7と、を備えたトルクコンバータ1において、ポンプインペラ2を、アルミニウム系金属材により形成し、ポンプスリーブ7を、鉄系金属材により形成すると共に、ポンプインペラ2に対してねじ結合により固定する構成とした。
【選択図】図2

Description

本発明は、駆動源と変速機構との間に配置され、オイルポンプを駆動するポンプスリーブを備えた流体継手に関するものである。
従来、エンジンにケースを介して連結されたポンプインペラの中心部に、変速機構に向かって突出し、オイルポンプを駆動するポンプスリーブが固定された流体継手が知られている。この流体継手では、ポンプインペラに対してポンプスリーブを溶接によって固定している(例えば、特許文献1参照)。
また、ポンプインペラに対し、ポンプスリーブをスプライン結合によって固定した流体継手も知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2012-211707号公報 特開2009-544921号公報
ところで、流体継手において、軽量化を図るためにポンプインペラをアルミニウム系金属材によって形成する一方、強度機能を保持するためにポンプスリーブを鉄系金属材によって形成することが考えられている。
しかしながら、ポンプインペラとポンプスリーブを異系金属材によって形成すると、鉄系金属材同士の結合に使用されていた従来の溶接工法では、ポンプインペラに対してポンプスリーブを固定することができない、という問題があった。
これに対し、スプライン結合によってポンプインペラにポンプスリーブを固定すれば、ポンプインペラとポンプスリーブを異系金属材によって形成しても固定可能となる。一方、スプライン結合した場合、オイルポンプを駆動することでポンプスリーブに捩りトルクが作用すると、この捩りトルクが外力としてポンプインペラとポンプスリーブの両者のスプライン歯面に等しく加わる。ここで、アルミニウム系金属材の限界面圧は、鉄系金属材の限界面圧に対して低くなっている。つまり、アルミニウム系金属材によって形成されたポンプインペラの素材強度は、鉄系金属材によって形成されたポンプスリーブの素材強度よりも低く、ポンプインペラは強度的に不利となっていた。そのため、捩りトルクが外力としてポンプインペラとポンプスリーブの両者のスプライン歯面に等しく加わると、ポンプインペラが不利になり、ポンプインペラとポンプスリーブの結合部位に作用する外力に対する耐強度を向上することができない、という問題が発生してしまう。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、アルミニウム系金属材によって形成したポンプインペラに対し、鉄系金属材によって形成されたポンプスリーブを固定する際、両者の結合部位に作用する外力に対する耐強度を向上することができる流体継手を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の流体継手は、ポンプインペラと、タービンランナと、ポンプスリーブと、を備えている。
前記ポンプインペラは、駆動源と変速機構との間に配置され、前記駆動源によって回転するケースに連結し、且つ、アルミニウム系金属材により形成する。
前記タービンランナは、前記ポンプインペラに対向配置されると共に、前記変速機構の入力軸に連結する。
前記ポンプスリーブは、前記ポンプインペラから前記変速機構に向かって突出してオイルポンプを駆動し、且つ、鉄系金属材により形成し、さらに前記ポンプインペラに対してねじ結合により固定する。
よって、本発明の流体継手では、アルミニウム系金属材によって形成されたポンプインペラに対して、鉄系金属材によって形成されたポンプスリーブがねじ結合により固定される。
そのため、オイルポンプを駆動することでポンプスリーブに捩りトルクが生じ、この捩りトルクによる軸方向の力が外力としてポンプスリーブに入力すると、この外力は、ポンプインペラとポンプスリーブのねじ結合部位におけるねじ軸力として、両者に分散して加わる。つまり、ポンプインペラの結合部位には、入力した外力と同じ力が作用するわけではなく、入力した外力が部分的にねじ軸力として加わることになる。
これにより、素材強度の低いポンプインペラであっても、比較的大きな外力に耐えることが可能となり、ポンプインペラとポンプスリーブの結合部位に作用する外力に対する耐強度を向上することができる。
実施例1のトルクコンバータ(流体継手の一種)を示す全体断面図である。 図1におけるA部の拡大図である。 実施例1のトルクコンバータにおけるスリーブ取付時の締付け線図の一例である。 実施例1のポンプスリーブに作用する力を示す説明図である。
以下、本発明の流体継手を実施するための形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
(実施例1)
まず、実施例1の流体継手の構成を、「トルクコンバータの全体構成」、「ポンプインペラとポンプスリーブの結合部分の詳細構成」に分けて説明する。
[トルクコンバータの全体構成]
図1は、実施例1のトルクコンバータ(流体継手の一種)を示す全体断面図である。以下、図1に基づいて、実施例1のトルクコンバータの全体構成を説明する。
図1に示すトルクコンバータ1(流体継手)は、エンジンやモータ等の駆動源と、有段自動変速機や無段変速機等の変速機構との間に配置され、駆動源の回転運動をオイル等の流体を介して変速機構に伝達するクラッチである。このトルクコンバータ1は、ポンプインペラ2と、タービンランナ3と、ワンウェイクラッチ4を備えたステータ5と、ロックアップクラッチ6と、ポンプスリーブ7と、を備えている。
前記ポンプインペラ2は、図示しない駆動源の出力軸に固定されて、この駆動源によって回転するフロントカバー11(カバー)に連結され、フロントカバー11と一体に回転可能となっている。前記ポンプインペラ2は、多数のインペラブレード21と、インペラシェル22と、を有している。そして、フロントカバー11とインペラシェル22によってタービンランナ3やステータ5等を収容するトルクコンバータ容器8を構成している。
ここで、インペラブレード21とインペラシェル22は、アルミニウム系金属材を鋳造することで一体に形成されている。一方、フロントカバー11は、鉄系金属材によって形成されている。
前記インペラシェル22は、円弧シェル部22aと、外側延在部22bと、内側延在部22cと、を有している。
前記円弧シェル部22aは、タービンランナ3に対向した内側に、多数のインペラブレード21が一体的に形成されている。
前記外側延在部22bは、円弧シェル部22aの外周縁部221aからフロントカバー11に向かって延在し、固定されている。ここでは、フロントカバー11の開口部内周面に形成されたスプライン溝11aと、外側延在部22bの外周面に形成されたスプライン溝221bとが、スプライン結合することで固定している。
前記内側延在部22cは、円弧シェル部22aの内周縁部222aからポンプインペラ2の回転中心Oに向かって延在し、内側にポンプスリーブ7がねじ結合している。
前記タービンランナ3は、トルクコンバータ容器8内においてポンプインペラ2に対向配置され、多数のタービンブレード31と、このタービンブレード31を一体的に固定したタービンシェル32と、を有している。ここで、タービンブレード31とタービンシェル32は、アルミニウム系金属材を鋳造することで一体に形成されている。
また、タービンシェル32には、変速機構の入力軸(不図示)にスプライン結合により連結したタービンハブ33がリベット34を介して固定されている。
前記ステータ5は、ポンプインペラ2とタービンランナ3の間に設けられており、基部51と、基部51から外径方向に延びる多数の羽根状のステータブレード52と、を有している。このステータ5は、基部51の内部にアウタレース53が組み込まれ、図示しない変速機ハウジングに固定されたインナレース54との間にワンウェイクラッチ4が介装されている。なお、55は、クラッチサポートである。
前記ステータ5は、インペラシェル22とステータ5の間に配置された第1ニードルベアリング41と、タービンシェル32とステータ5の間に配置された第2ニードルベアリング42とによって軸方向の位置決めがなされている。
また、ここで、基部51とステータブレード52は、アルミニウム系金属材を鋳造することで一体に形成されている。
前記ロックアップクラッチ6は、タービンハブ33に軸方向に摺動自在に保持されたロックアップピストン61と、タービンシェル32にリベット34によって固定されたトーションダンパ62と、を有している。
前記ポンプスリーブ7は、ポンプインペラ2から変速機構(不図示)に向かって突出し、オイルポンプO/Pを駆動する。このポンプスリーブ7は、スリーブ本体71と、爪部72(ポンプ連結部)と、インペラ結合部73と、フランジ74と、を有している。ここで、このポンプスリーブ7は、鉄系金属材によって形成されている。
前記スリーブ本体71は、ポンプインペラ2の回転軸方向に沿って延びる円筒状の金属管である。このスリーブ本体71の内側には、ブッシュ75が圧入されている。このブッシュ75は、変速機構から延びる図示しないステータシャフトに嵌合され、センタリングされている。
前記爪部72は、スリーブ本体71の変速機構側の一方の端部に形成され、オイルポンプO/Pの図示しないオイルポンプ用チェーンリンクに噛み合っている。つまり、この実施例1では、ポンプスリーブ7は、オイルポンプ用チェーンリンクを介してオイルポンプO/Pに連結され、このオイルポンプ用チェーンリンクを回転させることでオイルポンプO/Pを駆動する。
前記インペラ結合部73は、スリーブ本体71の駆動源側の他方の端部に形成され、ポンプインペラ2に対してねじ結合する。
前記フランジ74は、スリーブ本体71の中間部の外周面71aから径方向に突出し、インペラシェル22の内側延在部22cの変速機構対向面221cに当接する。
そして、トルクコンバータ容器8内には、オイルが充満されており、このトルクコンバータ1では、ポンプインペラ2、タービンランナ3、ステータ5の各ブレード21、31、52によるオイルの流れによって、トルク増大作用を発生させる。
[ポンプインペラとポンプスリーブの結合部分の詳細構成]
図2は、図1におけるA部の拡大図である。以下、図2に基づき、実施例1のポンプインペラとポンプスリーブの結合部分の詳細構成について説明する。
上述のように、実施例1のトルクコンバータ1では、ポンプインペラ2の内側(中心)にポンプスリーブ7がねじ結合している。
すなわち、ここでは、前記ポンプインペラ2の内側延在部22cの内周端面222c(内周面)に、雌ねじ溝223cが形成されている。また、前記ポンプスリーブ7のインペラ結合部73の外周面73aに雄ねじ溝73bが形成されている。そして、この雌ねじ溝223cに雄ねじ溝73bが螺合することで、ポンプインペラ2に対してポンプスリーブ7が固定される。
なお、ポンプインペラ2とポンプスリーブ7との境界である雌ねじ溝223cと雄ねじ溝73bの位置は、アルミニウム系金属材によって軽量化を図ることができるよう、できるだけポンプインペラ2の体積が大きくなり、且つ、ポンプスリーブ7の雄ねじ溝73b及びその周辺部分の強度が成立できる位置とした。
また、ポンプスリーブ7の中間部には、スリーブ本体71から径方向に突出するフランジ74が形成され、ポンプインペラ2の内側延在部22cの変速機構対向面221cに当接している。
ここで、変速機構対向面221cには、フランジ74が嵌合するフランジ嵌合溝23aが形成され、このフランジ嵌合溝23aの内側には、シール部材23が装着されるシール溝23bが形成されている。前記シール部材23は、いわゆるOリングであり、変速機構対向面221cとフランジ74の間に配置され、両者の隙間を気密にする。
前記フランジ74は、スリーブ本体71の中間部外周面、つまり爪部72とインペラ結合部73の間の外周面から径方向に突出形成されている。また、このフランジ74の基部には、駆動源側及び変速機構側の双方にそれぞれ隅R部74bが形成されている。
この隅R部74bは、所定の曲率半径を有する円弧状面であり、駆動源側の隅R部74bは、インペラ結合部73のいわゆるねじ首部に相当する。
なお、フランジ74のインペラシェル当接面74aの位置からインペラ結合部73の雄ねじ溝73bが形成されている。
そして、前記雌ねじ溝223cは、内側延在部22cの内周端面222cの軸方向の全長にわたって形成されている。また、雄ねじ溝73bは、ポンプスリーブ7のインペラ結合部73の軸方向の全長にわたって形成されている。ここで、インペラ結合部73の軸方向は、内周端面222cの軸方向長さよりも長くなっている。そのため、標準取付状態で、インペラ結合部73は、内側延在部22cの駆動源側面224cよりもトルクコンバータ容器8の内部に突出する。
なお、「標準取付状態」とは、雌ねじ溝223c及び雄ねじ溝73bに、予め設定された締付け時標準軸力が作用している状態である。
次に、作用を説明する。
まず、「スリーブ結合時の力のつり合い」を説明し、続いて、実施例1のトルクコンバータ(流体継手)における「外力作用時の軸力分散作用」を説明する。
[スリーブ結合時の力のつり合い]
図3は、実施例1のトルクコンバータにおけるスリーブ結合時の締付け線図の一例である。以下、図3に基づき、スリーブ結合時の力のつり合いについて説明する。
ポンプインペラ2に対してポンプスリーブ7をねじ結合したとき、ポンプスリーブ7に形成された雄ねじ溝73bには引き伸ばす力(引張力)が作用し、ポンプインペラ2に形成された雌ねじ溝223cには同じ力の圧縮力が作用する。この状態で締結部分の力(軸力)のつり合いが取れる。
つまり、図3に示すように、ポンプスリーブ締付け時発生軸力をFとすると、ポンプスリーブ7の雄ねじ溝73bの伸び量Δαは下記式(1)によって示され、ポンプインペラ2の雌ねじ溝223cの収縮量Δβは下記式(2)によって示される。
Δα=F/tanθB=F/KB …(1)
Δβ=F/tanθC=F/KC …(2)
なお、KBはポンプスリーブ7のばね定数であり、KCはポンプインペラ2のばね定数である。
[外力作用時の軸力分散作用]
図4は、実施例1のポンプスリーブに作用する力を示す説明図である。以下、図3及び図4に基づき、実施例1の外力作用時の軸力分散作用について説明する。
実施例1のトルクコンバータ1において、エンジン等の駆動源が駆動すると、フロントカバー11を介してポンプインペラ2が回転駆動し、トルクコンバータ容器8内のオイルが撹拌されてタービンランナ3に動力が伝達される。このとき、ポンプインペラ2にはポンプスリーブ7がねじ結合されており、ポンプインペラ2の回転に伴ってポンプスリーブ7が回転してオイルポンプO/Pを駆動する。
ここで、オイルポンプO/Pの駆動に伴ってポンプスリーブ7の爪部72には捩りトルクTが生じる。すると、この捩りトルクTの発生に伴って、ポンプインペラ2とポンプスリーブ7の結合部分、つまり、雌ねじ溝223cと雄ねじ溝73bの螺合部分(以下、「締結部」という)には、軸方向の外力Faが作用する。
そして、この締結部に軸方向の外力Faが作用すると、図3に示すように、ポンプスリーブ7の雄ねじ溝73bに作用する軸力はFからFbに増大する。一方、ポンプインペラ2の雌ねじ溝223cに作用する圧縮力はFからFcに低下する。この変化量は、ポンプスリーブ7のばね定数KBと、ポンプスリーブのばね定数KCによって決まる。
つまり、外力Faの作用で、ポンプスリーブ7及びポンプインペラ2の締結部がλだけ伸びるとすると、下記式(3)が成立する。
λ=(Fb−F)/ KB=(F−Fc)/ KC …(3)
また、力のつり合い関係から、下記式(4)が成立することがわかる。
Fb=Fa+Fc …(4)
したがって、上記式(3),(4)から、外力Faが作用した場合のポンプスリーブ7の雄ねじ溝73bに作用する軸力Fbは、下記式(5)となる。また、外力Faが作用した場合のポンプインペラ2の雌ねじ溝223cに作用する軸力Fcは、下記式(6)となる。
Fb=F+[KB/(KB+Kc)]×Fa=F+φ×Fa …(5)
Fc=F−(1−φ)×Fa …(6)
ここで、φ=KB/(KB+Kc)は、外力に対するポンプスリーブ軸力が増大する割合なので、「内外力比」または、「内力係数」と呼ぶ。
以上説明したように、オイルポンプO/P駆動時に生じる捩りトルクTによってポンプスリーブ7及びポンプインペラ2の締結部に外力Faが作用しても、この外力Faの全てが軸力としてポンプスリーブ7やポンプインペラ2に加わるわけではない。つまり、内外力比(内外係数)に基づいて外力Faが分割され、外力Faの一部がポンプスリーブ7に引張力として作用し、残りの力がポンプインペラ2に圧縮力として作用する。
そのため、結合部におけるポンプインペラ2の雌ねじ溝223cには、外力Faと同じ力が作用するわけではなく、入力する外力Faの一部が作用するので、ポンプインペラ2に対してポンプスリーブ7をスプライン結合する場合よりも、強度的に有利にすることができる。
これにより、アルミニウム系金属材によって形成したポンプインペラ2に対し、鉄系金属材によって形成されたポンプスリーブ7を結合した際、両者2,7の結合部位(締結部)に作用する外力Faに対する耐強度を向上することができる。
また、この実施例1では、素材強度が比較的低いポンプインペラ2に雌ねじ溝223cを形成し、素材強度が比較的高いポンプスリーブ7に雄ねじ溝73bを形成している。
そのため、ポンプインペラ2に外力Faが作用すると、この外力Faは、ポンプスリーブ締付け時発生軸力Fをマイナスする方向に加わる。そのため、さらに強度的に有利にすることができ、外力Faに対する耐強度の向上を図ることができる。
さらに、実施例1では、ポンプスリーブ7の中間部にフランジ74を形成し、このフランジ74のインペラシェル当接面74aを、ポンプインペラ2のインペラシェル22の内側延在部22cに当接している。
ここで、ポンプスリーブ7の爪部72には、オイルポンプO/Pを駆動する際に生じる捩りトルクTが作用する一方、インペラ結合部73はポンプインペラ2の内側延在部22cの中心に差し込まれ、ねじ結合している。そのため、ポンプスリーブ7の中間部には、トルクコンバータ1のアンバランスによる曲げ荷重Fxが作用する。そして、この曲げ荷重Fxは、フランジ74が内側延在部22cに当接していることで、フランジ74の基部に形成した隅R部74bに集中する。
これに対し、ポンプスリーブ7は、比較的素材強度の高い鉄系金属材によって形成されている。つまり、曲げ荷重Fxが集中する隅R部74bは、アルミニウム系金属材よりも素材強度的に有利な鉄系金属材に形成されているので、例えばポンプスリーブ7をアルミニウム系金属材によって形成した場合と比べると、強度的に改善することができる。
しかも、曲げ荷重Fxが集中する隅R部74bは、フランジ74の駆動源側と変速機構側の双方の基部にそれぞれ形成されている。そのため、曲げ荷重Fxが駆動源側の隅R部74bと、変速機構側の隅R部74bに分散されるので、さらに強度的に改善することができる。
また、鉄系金属材よりもアルミニウム系金属材の方が線膨張係数が高いので、高温時には、変速機構対向面221cとフランジ74のインペラシェル当接面74aとの間において、ポンプインペラ2からポンプスリーブ7を押圧する。そのため、ポンプスリーブ7の雄ねじ溝73bに作用する軸力が抜けることがなく、ポンプスリーブ7のゆるみを防止することができる。
さらに、この実施例1では、変速機構対向面221cに形成されたフランジ嵌合溝23aの内側に、さらにシール溝23bが形成されてシール部材23が装着されている。すなわち、フランジ嵌合溝23aに嵌合するフランジ74と、内側延在部22cの変速機構対向面221cとの間に、シール部材23を配置している。
そのため、ポンプインペラ2とポンプスリーブ7との間のシール性を、シール部材23によって確保することができる。そして、ポンプインペラ2に対するポンプスリーブ7のねじ結合において、結合に必要な軸力を確保すればよく、ポンプインペラ2を形成するアルミニウム系金属材の許容面圧以下の力でシール性を確保することができる。
つまり、ねじ結合によって生じる軸力でポンプインペラ2とポンプスリーブ7との間のシール性を確保しようとすれば、軸力がアルミニウム系金属材の許容面圧を超えるおそれがある。しかし、この実施例1では、シール部材23によってシール性を確保するため、軸力がアルミニウム系金属材の許容面圧を超えることを防止できる。
次に、効果を説明する。
実施例1のトルクコンバータ(流体継手)にあっては、下記に挙げる効果を得ることができる。
(1) 駆動源と変速機構との間に配置され、前記駆動源によって回転するカバー(フロントカバー11)に連結したポンプインペラ2と、前記ポンプインペラ2に対向配置されると共に前記変速機構の入力軸に連結したタービンランナ3と、前記ポンプインペラ2から前記変速機構に向かって突出し、オイルポンプO/Pを駆動するポンプスリーブ7と、を備えた流体継手(トルクコンバータ1)において、
前記ポンプインペラ2を、アルミニウム系金属材により形成し、
前記ポンプスリーブ7を、鉄系金属材により形成すると共に、前記ポンプインペラ2に対してねじ結合により固定する構成とした。
これにより、アルミニウム系金属材によって形成したポンプインペラ2に対し、鉄系金属材によって形成されたポンプスリーブ7を結合した際、両者2,7の結合部位に作用する外力に対する耐強度を向上することができる。
(2) 前記ポンプインペラ2に雌ねじ溝223cを形成し、前記ポンプスリーブ7に雄ねじ溝73bを形成する構成とした。
これにより、上記(1)の効果に加え、ポンプインペラ2に作用する外力Faは、ポンプスリーブ締付け時発生軸力Fをマイナスする方向に加わるため、さらに強度的に有利にすることができる。
(3) 前記ポンプインペラ2は、多数のインペラブレード21と、前記多数のインペラブレード21を支持するインペラシェル22と、を有し、
前記インペラシェル22は、前記多数のインペラブレード21が固定された円弧シェル部22aと、前記円弧シェル部22aの外周縁部221aから前記カバー(フロントカバー11)に向かって延在した外側延在部22bと、前記円弧シェル部22aの内周縁部222aから前記ポンプインペラ2の回転中心Oに向かって延在した内側延在部22cと、を有し、
前記ポンプスリーブ7は、前記ポンプインペラ2の回転軸方向に沿って延びる円筒状のスリーブ本体71と、前記スリーブ本体71の一方の端部に形成されて前記オイルポンプO/Pに連結するポンプ連結部(爪部72)と、前記スリーブ本体71の他方の端部に形成されて前記内側延在部22cの内周面(内周端面222c)にねじ結合するインペラ結合部73と、前記スリーブ本体71の中間部外周面から径方向に突出し、前記内側延在部22cの変速機構対向面221cに当接するフランジ74と、を有する構成とした。
これにより、上記(1)又は(2)の効果に加え、例えばポンプスリーブ7をアルミニウム系金属材によって形成した場合と比べると、強度的に改善することができる。
(4) 前記フランジ74と前記内側延在部22cの変速機構対向面221cとの間に、シール部材23を配置する構成とした。
これにより、上記(1)から(3)のいずれかの効果に加え、ポンプインペラ2を形成するアルミニウム系金属材の許容面圧以下の力で、ポンプインペラ2とポンプスリーブ7の間のシール性を確保することができる。
以上、本発明の流体継手を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、流体継手として、トルク増大作用を奏することができるトルクコンバータ1とする例を示したが、これに限らない。例えば、ステータが設けられておらず、オイル等の流体を介して回転運動の伝達を行う流体継手であっても適用することができる。
また、実施例1では、ポンプスリーブ7の爪部72にオイルポンプ用チェーンリンクが噛み合わせ、このオイルポンプ用チェーンリンクを介してポンプインペラ2とオイルポンプO/Pを連結する構成としたが、これに限らない。ポンプスリーブに形成したポンプ連結部を、オイルポンプの回転軸に直接連結してもよい。
1 トルクコンバータ(流体継手)
11 フロントカバー(カバー)
2 ポンプインペラ
21 インペラブレード
22 インペラシェル
22a 円弧シェル部
22b 外側延在部
22c 内側延在部
221c 変速機構対向面
222c 内周端面(内周面)
223c 雌ねじ溝
23 シール部材
23a フランジ嵌合溝
23b シール溝
3 タービンランナ
31 タービンブレード
32 タービンシェル
4 ワンウェイクラッチ
5 ステータ
6 ロックアップクラッチ
7 ポンプスリーブ
71 スリーブ本体
72 爪部(ポンプ連結部)
73 インペラ結合部
73a 外周面
73b 雄ねじ溝
74 フランジ
74a インペラシェル当接面
74b 隅R部

Claims (4)

  1. 駆動源と変速機構との間に配置され、前記駆動源によって回転するカバーに連結したポンプインペラと、前記ポンプインペラに対向配置されると共に前記変速機構の入力軸に連結したタービンランナと、前記ポンプインペラから前記変速機構に向かって突出し、オイルポンプを駆動するポンプスリーブと、を備えた流体継手において、
    前記ポンプインペラを、アルミニウム系金属材により形成し、
    前記ポンプスリーブを、鉄系金属材により形成すると共に、前記ポンプインペラに対してねじ結合により固定する
    ことを特徴とする流体継手。
  2. 請求項1に記載された流体継手において、
    前記ポンプインペラに雌ねじ溝を形成し、前記ポンプスリーブに雄ねじ溝を形成する
    ことを特徴とする流体継手。
  3. 請求項1又は請求項2に記載された流体継手において、
    前記ポンプインペラは、多数のインペラブレードと、前記多数のインペラブレードを支持するインペラシェルと、を有し、
    前記インペラシェルは、前記多数のインペラブレードが固定された円弧シェル部と、前記円弧シェル部の外周縁部から前記カバーに向かって延在した外側延在部と、前記円弧シェル部の内周縁部から前記ポンプインペラの回転中心に向かって延在した内側延在部と、を有し、
    前記ポンプスリーブは、前記ポンプインペラの回転軸方向に沿って延びる円筒状のスリーブ本体と、前記スリーブ本体の一方の端部に形成されて前記オイルポンプに連結するポンプ連結部と、前記スリーブ本体の他方の端部に形成されて前記内側延在部の内周面にねじ結合するインペラ結合部と、前記スリーブ本体の中間部外周面から径方向に突出し、前記内側延在部の変速機構対向面に当接するフランジと、を有する
    ことを特徴とする流体継手。
  4. 請求項3に記載された流体継手において、
    前記フランジと前記内側延在部の変速機構対向面との間に、シール部材を配置する
    ことを特徴とする流体継手。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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