JP2015169170A - 内燃機関の燃焼制御装置 - Google Patents

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【課題】 均質希薄混合気の火花点火燃焼を確実に実現し、高効率であってしかもNOx排出量を低減することができる内燃機関の燃焼制御装置を提供する。
【解決手段】 燃焼室内の混合気の空燃比を、理論空燃比よりリーン側の所定リーン空燃比よりさらにリーン側の空燃比に制御するとともに、燃料を微粒化して噴射可能な燃料噴射弁6を用いて吸気通路2内に燃料を噴射し、燃焼室1a内に均質希薄混合気を形成する。点火プラグ8の放電継続時間を制御して確実な点火を実現できるように、成層希薄混合気に点火する場合の放電開始時期より進角側に放電開始時期を設定する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、内燃機関の燃焼制御装置に関し、特に均質かつ希薄な混合気を火花点火することによって燃焼させる燃焼制御装置に関する。
希薄な(空燃比の大きい)混合気を火花点火する希薄混合気燃焼技術は例えば特許文献1に示されるように広く知られている。この希薄混合気燃焼技術においては、排気に含まれるNOxを三元触媒で浄化することができないため、燃焼限界空燃比を高めることが重要である。特許文献1には、点火プラグ近傍に比較的濃い(空燃比の小さい)混合気を成層配置することにより、燃焼室内全体の混合気の平均空燃比を高くしつつ安定的に燃焼させる技術が示されている。
しかしこの技術では、点火プラグ近傍における燃焼によって発生するNOx量が多いため、NOx排出量をより低減することが求められている。
そこで、本発明の発明者は均質かつ希薄な混合気を火花点火することによって燃焼させ、安定した燃焼を確保しつつNOx排出量を低減することができる均質希薄混合気の火花点火燃焼を提案している(非特許文献1)。この非特許文献1では、空燃比「30」程度の均質希薄混合気を確実に燃焼させるための手法として、点火時の混合気温度を所望の温度まで高めるように圧縮比設定を行うこと、微粒化型の燃料噴射弁を使用することなどが提案されている。
特開2002−256927号公報
自動車技術会学術講演会前刷集, No.121-12(2012/10)
非特許文献1には、提案した均質希薄混合気の火花点火燃焼によって、空燃比「30」程度の均質な希薄混合気を確実に燃焼させてNOxの排出量を低減できることが示されているが、量産される機関に適用するための具体的な燃焼制御手法については、さらに検討する余地が残されていた。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、均質希薄混合気の火花点火燃焼を確実に実現し、高効率であってしかもNOx排出量を低減することができる内燃機関の燃焼制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、内燃機関の燃焼室(1)内の混合気の火花点火を行う火花点火手段と、該火花点火手段を制御する点火制御手段と、前記燃焼室内の混合気の空燃比を制御する空燃比制御手段とを備える、内燃機関の燃焼制御装置において、前記燃焼室内に均質かつ希薄な混合気を形成する均質希薄混合気形成手段を備え、前記火花点火手段は、点火プラグ(8)と、該点火プラグに放電を発生させるための複数の点火コイル対(71,72)とを備え、前記点火プラグにおける放電の開始時期(CAIG)及び継続時間(TSPK)を変更可能なものであり、前記均質希薄混合気形成手段は、燃料を微粒化して噴射可能な燃料噴射弁(6)を用いて、前記機関の吸気通路(2)内に燃料を噴射し、前記空燃比制御手段は、前記空燃比を理論空燃比よりリーン側の所定リーン空燃比(AFL1)よりさらにリーン側の空燃比に制御し、前記点火制御手段は、前記点火プラグにおける放電開始時期(CAIG)及び前記放電継続時間(TSPK)を制御し、前記放電開始時期(CAIG)を、前記点火プラグ近傍における混合気の空燃比が相対的に小さくなるように形成される成層希薄混合気に点火する場合の放電開始時期より進角側に設定することを特徴とする。
この構成によれば、空燃比が理論空燃比よりリーン側の所定リーン空燃比よりさらにリーン側の空燃比に制御され、微粒化された燃料が吸気通路内に噴射されるので、比較的均質な希薄混合気が吸気通路内において形成され、さらに燃焼室内に吸入されることによって、より均質度の高い希薄混合気を形成することができる。また点火プラグにおける放電開始時期及び放電継続時間が変更可能であるため、放電開始時期及び放電継続時間を適切に設定することにより、すなわち、成層希薄混合気に点火する場合の放電開始時期より進角側に放電開始時期を設定することによって、放電継続時間を長く設定することを可能とし、均質希薄混合気を確実に着火させることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の燃焼制御装置において、前記点火制御手段は、前記所定リーン空燃比(AFL1)よりリーン側の空燃比範囲において、前記空燃比が増加するほど、前記放電開始時期(CAIG)を進角させるとともに前記放電継続時間(TSPK)を長く設定することを特徴とする。
この構成によれば、所定リーン空燃比よりリーン側の空燃比範囲において、空燃比が増加するほど、放電開始時期を進角させるとともに放電継続時間を長く設定する制御が行われ、空燃比の変更に対応して安定した燃焼を実現できる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の内燃機関の燃焼制御装置において、前記燃焼室内において、吸入された混合気の流動を生成する流動生成手段(2a,4)をさらに備えることを特徴とする。
この構成によれば、燃焼室内において、吸入された混合気の流動が生成されるので、点火プラグの放電継続時間の設定と混合気流動とによって強力な初期火炎核を形成し、高効率の燃焼を実現することが可能となる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3の何れか1項に記載の内燃機関の燃焼制御装置において、前記均質希薄混合気形成手段は、前記機関の吸気弁(21)の閉弁期間において前記燃料噴射弁(6)による第1燃料噴射(FI1)を実行するとともに、前記吸気弁の開弁期間において前記燃料噴射弁による第2燃料噴射(FI2)を実行することを特徴とする。
この構成によれば、吸気弁の閉弁期間における第1燃料噴射及び開弁期間における第2燃料噴射が行われるので、第1燃料噴射によって吸気通路内において均質度の高い希薄混合気を形成し、その後の吸気弁開弁期間において第2燃料噴射を行うことにより、燃焼室内においてさらに均質度を高めた希薄混合気を形成することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4の何れか1項に記載の内燃機関の燃焼制御装置において、前記所定リーン空燃比(AFL1)は、前記燃焼室から排出されるNOx量が許容上限値以下となるように設定されることを特徴とする。
この構成によれば、所定リーン空燃比は、燃焼室から排出されるNOx量が許容上限値以下となるように設定されるので、所定リーン空燃比よりリーン側の空燃比範囲に空燃比を制御することによって、NOx排出量を許容上限値以下に確実に低減できる。
本発明の一実施形態にかかる内燃機関及びその制御装置の構成を示す図である。 吸気通路に設けられるタンブル流動制御弁(4)の配置を説明するための図である。 1つの気筒に対応する点火回路ユニット(7)の構成を示す回路図である。 燃料噴射弁(6)によって噴射される燃料の噴射状態を説明するための図である。 燃料噴射弁(6)の開弁時期、開弁時間(TFI)、及び開弁時のリフト量(LFT)を示す図である。 空燃比(AF)と排気中のNOx濃度(CNOx)との関係を示す図である。 圧縮行程及び燃焼行程における筒内圧(PCYL)の推移を示す図である。 超希薄混合気の目標空燃比(AFCMD)に応じて点火プラグの放電開始時期(CAIG)及び放電継続時間(TSPK)を設定するテーブルを示す図である。
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる内燃機関(以下「エンジン」という)及びその制御装置の構成を示す図であり、例えば4気筒のエンジン1の吸気通路2の途中にはスロットル弁3が配置されている。吸気通路2のスロットル弁3の下流側には、燃料噴射弁6が設けられており、その作動は電子制御ユニット(以下「ECU」という)5により制御される。
図2に示すように、吸気通路2の、吸気弁21の直ぐ上流側には、隔壁2aと、隔壁2aによって形成される一方の流路に配置されたタンブル流動制御弁4とが設けられており、タンブル流動制御弁4はアクチュエータ4aによって開閉駆動可能に構成されている。アクチュエータ4aはECU5に接続されており、その作動はECU5によって制御される。タンブル流動制御弁4によって、燃焼室1a内に混合気のタンブル流動が生成される。
エンジン1の各気筒には点火プラグ8が装着されており、点火プラグ8は点火回路ユニット7を介してECU5に接続されている。ECU5は、後述するように点火プラグ8における放電開始時期CAIG及び放電継続時間TSPKの制御を行う。
ECU5には、エンジン1の吸入空気流量GAIRを検出する吸入空気流量センサ11、吸気温TAを検出する吸気温センサ12、スロットル弁開度THを検出するスロットル弁開度センサ13、吸気圧PBAを検出する吸気圧センサ14、エンジン冷却水温TWを検出する冷却水温センサ15、及び図示しない他のセンサが接続されており、これらのセンサの検出信号がECU5に供給される。
ECU5には、エンジン1のクランク軸(図示せず)の回転角度を検出するクランク角度位置センサ16が接続されており、クランク軸の回転角度に応じたパルス信号がECU5に供給される。クランク角度位置センサ16は、クランク角度位置を示す複数のパルス信号を出力するものであり、このパルス信号は、燃料噴射時期、点火時期(点火プラグ8の放電開始時期)等の各種タイミング制御、及びエンジン回転数NEの検出に使用される。
排気通路9には排気浄化用の三元触媒10が設けられている。三元触媒10の上流側であって各気筒に連通する排気マニホールドの集合部より下流側には、比例型酸素濃度センサ17(以下「LAFセンサ17」という)が装着されており、このLAFセンサ17は排気中の酸素濃度(空燃比AF)にほぼ比例した検出信号を出力し、ECU5に供給する。
ECU5は、各種センサからの入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定レベルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を有する入力回路、中央演算処理ユニット(CPU)、該CPUで実行される各種演算プログラム及び演算結果等を記憶する記憶回路、燃料噴射弁6、点火回路ユニット7、アクチュエータ4aなどに駆動信号を供給する出力回路等から構成される。
燃料噴射弁6による燃料噴射量は、吸入空気流量GAIRに応じて算出される基本燃料量を、LAFセンサ17により検出される空燃比AFに応じた空燃比補正係数KAFによって補正することによって制御される。空燃比補正係数KAFは、検出される空燃比AFが目標空燃比AFCMDと一致するように算出される。
図3は、1つの気筒に対応する点火回路ユニット7の構成を示す回路図であり、点火回路ユニット7は、一次コイル71a及び二次コイル71bからなる第1コイル対71と、一次コイル72a及び二次コイル72bからなる第2コイル対72と、バッテリ30の出力電圧VBATを昇圧して昇圧電圧VUPを出力する昇圧回路73と、一次コイル71a,72aの通電制御を行うトランジスタQ1,Q2と、二次コイル71b,72bと点火プラグ8との間に接続されたダイオードD1,D2とを備えている。
トランジスタQ1,Q2のベースはECU5に接続されており、ECU5によってオンオフ制御(一次コイルの通電制御)が行われる。2つの一次コイルの通電期間の一部を重複させてつつ交互に通電を行うことによって、点火プラグ8における放電の継続時間(放電継続時間)TSPKをエンジン1の運転状態に応じて変更することができる。また一次コイルの最初の通電終了時期が放電開始時期CAIGに相当し、放電開始時期CAIGもエンジン1の運転状態に応じて変更可能である。
燃料噴射弁6は、燃料を微粒化して噴射可能なものであり、SMD(Sauter Mean Diameter:ザウター平均直径)が35μm程度(燃圧350kPaで噴射し、噴射口からの50mm下におけるSMD)の特性を有し、弁の開度(リフト量)を少なくとも2段階に変更可能なものを使用する。図4(a)は、この燃料噴射弁6による燃料の噴射状態(噴射された燃料の拡散状態)を模式的に示し、図4(b)は比較のために示す通常の燃料噴射弁による燃料の噴射状態を示す。通常の燃料噴射弁では、円錐状に分布する燃料の周辺部の燃料濃度が高くなるのに対し、燃料噴射弁6では微粒化した燃料の到達距離が短くなり、かつ拡散領域内における濃度分布の均質度が高く(濃度差が少なく)なる。
図5は、燃料噴射弁6の開弁時期、開弁時間TFI及び開弁時のリフト量LFTを示す図であり、横軸はクランク角度CRAである。本実施形態では、1燃焼サイクル内の圧縮行程で第1燃料噴射FI1を実行するとともに吸気行程で第2燃料噴射FI2を実行する。しかも第1燃料噴射FI1は、リフト量LFT1が比較的大きく、かつ開弁時間TFI1が比較的短い燃料噴射とし、第2燃料噴射FI2は、リフト量LFT2をリフト量LFT1より小さく、かつ開弁時間TFI2を開弁時間TFI1より長く設定した燃料噴射とする。第1及び第2燃料噴射FI1,FI2における合計の燃料噴射量が目標空燃比AFCMDに対応する燃料噴射量となるように、リフト量LFT1,LFT2及び開弁時間(燃料噴射時間)TFI1,TFI2が設定される。
燃料を微粒化して噴射可能な燃料噴射弁6を、図5に示すように開弁作動させることにより、まず第1燃料噴射FI1によって吸気通路2内で比較的均質な混合気を形成し、さらに第2燃料噴射FI2を実行することによって、検出空燃比AFを目標空燃比AFCMDと一致させるために必要とされる量の燃料を燃焼室に供給し、しかも燃焼室内における空燃比分布がほぼ一様な(均質度の高い)均質希薄混合気を形成することができる。
なお、第1燃料噴射FI1は、対象気筒の圧縮行程において実行し、第2燃料噴射FI2は、その終了時期を吸気行程の終了時期の直前に設定することが望ましい。
本実施形態では、暖機完了後の目標空燃比AFCMDは、例えば「24」から「35」程度の範囲(以下「超希薄空燃比範囲」という)に設定される。空燃比「24」(所定空燃比AFL1)は、エンジン1からのNOx排出量(排気中のNOx濃度)が許容上限値CNOxHL(例えば120ppm)以下となるように設定される。空燃比「35」は、必要なエンジン出力を得るための限界値として設定される空燃比である。
図6は、空燃比AFと排気中のNOx濃度CNOxとの関係を示す図であり、空燃比AFが「16」以上の範囲では、空燃比AFが増加するほど(リーン化するほど)、NOx濃度CNOxが低下する。したがって、所定空燃比AFL1は、許容上限値CNOxHLが低下するほど増加するように設定する必要がある。
点火プラグ8における放電開始時期CAIGは、超希薄空燃比範囲における目標空燃比AFCMDに対応して、上死点前50度から15度の範囲に設定され、放電継続時間TSPKは均質希薄混合気を確実に着火させるべく、1.8〜3msecに設定される。このように放電継続時間TSPKを設定したときの放電エネルギが150〜600mJとなるように昇圧電圧VUPが設定されている。従来の火花点火による希薄混合気燃焼は、点火プラグ近傍の空燃比が相対的に小さくなるように燃焼室内の流動を生成することによって実現される成層混合気燃焼であるのに対し、本実施形態の均質希薄混合気燃焼は、放電継続時間TSPKを比較的長く設定し、その放電継続時間TSPKを確保できるように放電開始時期CAIGは、成層混合気燃焼の点火時期(例えば8.0度)より進角側に設定されている。
さらにエンジン1の幾何学的圧縮比(ピストンが下死点に位置するときの燃焼室容積と、上死点に位置するときの燃焼室容積との比)は、最低実効圧縮比が9.0程度となるように、通常の火花点火エンジンの幾何学的圧縮比より若干大きく設定されている。
またタンブル流動制御弁4の開度を変更することによって、流速5〜15m/sec程度(エンジン回転数NEが1500rpmであるとき流速)のタンブル流動を発生させるタンブル流動生成制御が行われる。
放電継続時間TSPKを比較的長く設定するとともに、燃焼室内にタンブル流動を生成することによって、強力な初期火炎核を形成し、その火炎核を成長させることによって、圧縮上死点における未燃混合気の温度を1000度K以上の温度まで高めて、燃焼層流速度を支配する素反応を、過酸化水素が分解してOHラジカルを生成する反応に変化させ、圧縮上死点後において燃焼を確実に完結させることが可能となる。
図7は、圧縮行程及び燃焼行程における筒内圧PCYLの推移を示す図であり、実線L1が本実施形態に対応し、太い破線L2がHCCI(均質混合気圧縮着火)燃焼に対応し、細い破線がストイキ燃焼(空燃比を理論空燃比に設定した場合の燃焼)に対応する。この図において、クランク角度CRAの0度が圧縮上死点に対応する。なお、ストイキ燃焼の場合の点火時期は、圧縮上死点より若干進角側(例えばクランク角度10度以内の範囲)に設定される。
本実施形態の均質希薄混合気の火花点火による燃焼によって、高効率の安定した燃焼が得られることが確認できる。
また本実施形態では、エンジン1の暖機完了後は、エンジン1の要求トルクに応じて超希薄空燃比範囲内に目標空燃比AFCMDを設定し、目標空燃比AFCMDに応じて点火プラグ8の放電開始時期CAIG及び放電継続時間TSPKを設定する。
具体的には、放電開始時期CAIG(圧縮上死点からの進角量で定義される)は、図8(a)に示すように、目標空燃比AFCMDが増加するほど進角するように設定され、放電継続時間TSPKは、図8(b)に示すように目標空燃比AFCMDが増加するほど長くなるように設定される。図8に示すAFL1及びAFL2は、それぞれ例えば「24」及び「35」に設定される所定空燃比であり、図8(a)に示すCAIG1,CAIG2は、それぞれ例えば「15度」及び「50度」に設定される所定進角量であり、図8(b)に示すTSPK1,TSPK2は、それぞれ例えば「1.8msec」及び「3msec」に設定される所定放電時間である。
なお、放電開始時期CAIGは、上記のように目標空燃比AFCMDに応じて設定するとともに、エンジン回転数NEが高くなるほど進角させることが望ましい。エンジン回転数NEが高くなるほど、放電継続時間TSPKに対応するクランク角度CRAは増加するので、放電開始時期CAIGを進角させることによって、高回転状態においても必要な放電継続時間TSPKを確保し、安定した燃焼を得ることができる。
以上のように本実施形態によれば、超希薄空燃比の均質混合気を燃焼室内に形成し、確実に着火させて、燃焼を完結させることができるので、均質希薄混合気を制御性良好な火花点火火炎伝播燃焼させることが可能となり、高効率でかつNOx排出量が少ない燃焼を実現することができる。
より具体的には、燃料噴射弁6によって微粒化された燃料が吸気通路2内に噴射されるので、比較的均質な希薄混合気が吸気通路2内において先ず形成され、さらに燃焼室1a内に吸入されることによって、より均質度の高い希薄混合気を形成することができる。また点火プラグ8における放電開始時期CAIG及び放電継続時間TSPKが制御可能であるため、放電開始時期CAIG及び放電継続時間TSPKを適切に設定することにより、すなわち、成層希薄混合気に点火する場合の放電開始時期より進角側に放電開始時期CAIGを設定することによって、放電継続時間TSPKを長く設定することを可能として均質希薄混合気を確実に着火させることができる。
また図8に示す所定空燃比AFL1からAFL2までの超希薄空燃比範囲において、目標空燃比AFCMDが増加するほど、点火プラグ8の放電開始時期CAIGを進角させるとともに放電継続時間TSPKを長く設定する制御が行われるので、目標空燃比AFCMDの変更に対応して安定した燃焼を実現できる。
またタンブル流動制御弁4を用いて燃焼室内において混合気の流動が生成されるので、点火プラグ8の放電継続時間TPSKの設定と混合気流動とによって、強力な初期火炎核、すなわち圧縮上死点における燃焼混合気温度を1000度K以上に高めることができる初期火炎核を形成し、高効率の燃焼を実現することができる。すなわち、本実施形態では、燃焼室内の混合気流動は、点火プラグ近傍の空燃比を相対的に小さくするために生成されるものではなく、燃焼の完結をさせる強力な初期火炎核を形成するために生成されるものである。
また吸気弁21の閉弁期間における第1燃料噴射FI1によって吸気通路2内において均質度の高い希薄混合気を形成し、その後の吸気弁開弁期間において第2燃料噴射FI2を行うことにより、燃焼室1a内においてさらに均質度を高めた希薄混合気を形成することができる。
また超希薄空燃比範囲の下限値である所定空燃比AFL1は、燃焼室から排出されるNOx量が許容上限値以下となるように設定されるので、所定空燃比AFL1よりリーン側の超希薄空燃比範囲に空燃比を制御することによって、NOx排出量を許容上限値以下に確実に低減できる。
本実施形態では、点火回路ユニット7及び点火プラグ8が火花点火手段に相当し、隔壁2a及びタンブル流動制御弁4が流動生成手段に相当する。またECU5が点火制御手段及び空燃比制御手段を構成し、燃料噴射弁6及びECU5が均質希薄混合気形成手段を構成する。
なお本発明は上述した実施形態に限るものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上述した実施形態では流動生成手段として、タンブル流動を生成する機構を使用したが、スワール流動を生成する機構を採用してもよい。また、燃焼室1a及びピストン頂部の形状を、スキッシュ流動が生成されるように構成してもよい。また、点火回路ユニット7のコイル対は、1つの点火プラグに対応して2個設けるようにしたが、3個以上設けるようにしてもよい。
また上述した実施形態では4気筒エンジンの例を示したが、本発明は気筒数に関わらず適用可能である。また本発明は、クランク軸を鉛直方向とした船外機などのような船舶推進機用エンジンなどの燃焼制御装置にも適用が可能である。
1 内燃機関
2 吸気通路
2b 隔壁(流動生成手段)
4 タンブル流動制御弁(流動生成手段)
5 電子制御ユニット(点火制御手段、空燃比制御手段、均質希薄混合気形成手段)
6 燃料噴射弁(均質希薄混合気形成手段)
7 点火回路ユニット(火花点火手段)
8 点火プラグ(火花点火手段)
CAIG 放電開始時期
TSPK 放電継続時間
AFCMD 目標空燃比

Claims (5)

  1. 内燃機関の燃焼室内の混合気の火花点火を行う火花点火手段と、該火花点火手段を制御する点火制御手段と、前記燃焼室内の混合気の空燃比を制御する空燃比制御手段とを備える、内燃機関の燃焼制御装置において、
    前記燃焼室内に均質かつ希薄な混合気を形成する均質希薄混合気形成手段を備え、
    前記火花点火手段は、点火プラグと、該点火プラグに放電を発生させるための複数の点火コイル対とを備え、前記点火プラグにおける放電の開始時期及び継続時間を変更可能なものであり、
    前記均質希薄混合気形成手段は、燃料を微粒化して噴射可能な燃料噴射弁を用いて、前記機関の吸気通路内に燃料を噴射し、
    前記空燃比制御手段は、前記空燃比を理論空燃比よりリーン側の所定リーン空燃比よりさらにリーン側の空燃比に制御し、
    前記点火制御手段は、前記点火プラグにおける放電開始時期及び前記放電継続時間を制御し、前記放電開始時期を、前記点火プラグ近傍における混合気の空燃比が相対的に小さくなるように形成される成層希薄混合気に点火する場合の放電開始時期より進角側に設定することを特徴とする内燃機関の燃焼制御装置。
  2. 前記点火制御手段は、前記所定リーン空燃比よりリーン側の空燃比範囲において、前記空燃比が増加するほど、前記放電開始時期を進角させるとともに前記放電継続時間を長く設定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  3. 前記燃焼室内に吸入された混合気の流動を生成する流動生成手段をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  4. 前記均質希薄混合気形成手段は、前記機関の吸気弁の閉弁期間において前記燃料噴射弁による第1燃料噴射を実行するとともに、前記吸気弁の開弁期間において前記燃料噴射弁による第2燃料噴射を実行することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  5. 前記所定リーン空燃比は、前記燃焼室から排出されるNOx量が許容上限値以下となるように設定されることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の内燃機関の燃焼制御装置。
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