JP2015168126A - 植物系材料の製造方法、植物系材料および糖類の含有量を低減する方法 - Google Patents

植物系材料の製造方法、植物系材料および糖類の含有量を低減する方法 Download PDF

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【課題】植物および植物由来材料を利用して作製したものにおける臭気や変色の発生を低減する製造方法を提供する。【解決手段】植物および植物由来材料から選ばれる植物材料を水系溶媒に接触させる接触工程を実行することで、植物材料に含まれる水溶性成分を除去し、水溶性成分のうち、少なくとも糖類の含有量が植物材料よりも少ない植物系材料を得る植物系材料の製造方法である。接触工程を、植物材料を水系溶媒中で解砕することにより実行するのが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、植物系材料の製造方法、植物系材料および糖類の含有量を低減する方法に関する。
食用となる部分等を取り除いたり、有用成分を抽出した後の植物は、多くの場合、廃棄処分されるが、廃棄量を減らすことが望まれている。
植物の廃棄量を減らす工夫として、廃棄処分としていた植物を利用する方法が考えられる(たとえば特許文献1を参照)。
特開2005−329688号公報
上記特許文献1には、籾殻などの穀類の殻や藺草・間伐材などの植物性廃棄物を粉砕した粉砕物に、熱可塑性樹脂主体のバインダー等を加えた材料を用いて、トレー容器を製造する方法が開示されている。
しかしながら、粉砕処理しただけの植物性廃棄物を利用して作製したものは、臭気が強かったり、加工の工程において変色することがあった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、植物材料を利用して作製したものにおける臭気や変色の発生を低減することを目的とする。
上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、植物および植物由来材料から選ばれる植物材料を水系溶媒に接触させる処理を行って、少なくとも糖類の含有量を少なくしたものを用いて作製したものでは、臭気や変色の発生が低減されるという知見を得た。本発明はかかる新規な知見に基づくものである。
すなわち、本発明は、植物および植物由来材料から選ばれる植物材料を水系溶媒に接触させる接触工程を実行することで、前記植物材料に含まれる水溶性成分を除去し、前記水溶性成分のうち、少なくとも糖類の含有量が前記植物材料よりも少ない植物系材料を得る植物系材料の製造方法である。
また、本発明は、前記植物系材料の製造方法により得られる植物系材料である。さらに、本発明は、植物および植物由来材料から選ばれる植物材料を水系溶媒に接触させる接触工程を実行することで、前記植物材料中の水溶性成分を除去し、前記水溶性成分のうち、少なくとも糖類の含有量を低減する方法である。
本発明においては、植物および植物由来材料から選ばれる植物材料を水系溶媒に接触させる接触工程を実行することで、植物に含まれる水溶性成分を除去して、水溶性成分のうち少なくとも糖類の含有量を接触工程前の植物材料よりも少なくする。
ここで、糖類含有量を少なくした植物系材料を用いて作製したものにおいて臭気や変色の発生が低減される理由の詳細は不明ではあるが以下のように考えられる。
糖類は、アミノ酸などとメイラード反応を起こし褐色物質(メラノイジン)を生成する。メイラード反応により、褐色物質や揮発性物質(臭気)が発生する。
本発明により得られる植物系材料では、接触工程実行前の植物材料よりも、糖類含有量が少なくなるため、メイラード反応が起きにくくなり、変色や臭気の発生が低減されたと考えられる。
したがって、本発明によれば、少なくとも糖類の含有量を少なくした植物系材料を提供することができるので、植物材料を利用して作製したものにおける臭気や変色の発生を低減することができる。
本発明は以下の構成とするのが好ましい。
前記接触工程は、前記植物材料を前記水系溶媒中で解砕することにより実行されるのが好ましい。このような構成とすると、植物材料の解砕により出現する植物材料の解砕部分からも、水溶性成分が除去される。
前記接触工程の前に、前記植物材料を解砕する解砕工程を実行すると、植物材料の解砕部分にも水系溶媒が接触して、水溶性成分が除去されるので好ましい。
前記接触工程を実行した後に得られたものから、菌を殺菌する殺菌工程を実行すると、菌の発生を防止し、植物系材料における臭気の発生や品質の劣化を防ぐことができ、好ましい。
本発明によれば、植物材料を利用して作製したものにおける臭気や変色の発生を低減することができる。
図1は試料Aの揮発成分のクロマトグラムである。
本発明の植物系材料の製造方法は、植物および植物由来材料から選ばれる植物材料を水系溶媒に接触させる接触工程を実行することで、植物材料に含まれる水溶性成分を除去し、水溶性成分のうち、少なくとも糖類の含有量が(接触工程実行前の)植物材料よりも少ない植物系材料を得る方法である。また、本発明は、前記植物系材料の製造方法により得られる植物系材料である。
本発明において、植物とは植物そのものおよび、食用となる部分や薬用となる部分などを収穫した後の植物をいい、植物由来材料とは、植物から抽出された成分や、植物から有用な成分等を抽出した後に得られるものをいう。本発明において、植物材料とは植物および植物由来材料から選ばれる材料をいい、植物系材料とは、植物材料を水系溶媒に接触させる接触工程を実行することで、植物材料に含まれる水溶性成分を除去し、水溶性成分のうち、少なくとも糖類の含有量を(接触工程実行前の)植物材料より少なくした材料をいう。
本発明において用いる植物としては、食用となる部分や薬用となる部分などを収穫した後の植物、および植物そのものがあげられる。本発明において用いる植物由来材料としては、植物から抽出された成分や、植物から精油やアルカロイドなどの有用な成分等を抽出した後に得られるものなどがあげられる。植物および植物由来材料としては一種または二種以上を組み合わせて用いることができる
本発明において用いる植物としては、トマト、ナス、キュウリ、ピーマン、ミカンなどの可食植物の廃棄部分や、藻類、資源作物、バガス、稲わら、もみ殻や竹、間伐材など非可食性植物や、更には食品関連企業や木材加工関連企業から発生する未利用植物系材料などがあげられる。
これらのうち、トマト、ナス、ピーマンなどのナス科植物から食用となる実を収穫した後の廃棄物が好ましい。
接触工程において除去される水溶性成分としては、植物中に含まれる水溶性の成分であって、グルコースなどの単糖類、二糖類、多糖類などの糖類、植物酵素、アミノ酸などがあげられる。
植物材料と水系溶媒とを接触させると、上記水溶性の成分のうち少なくとも糖類の含有量を少なくすることができる。
本発明においては、接触工程に先立ち、植物材料を解砕する解砕工程を実行すると、その後の接触工程において、植物材料の解砕部分に水系溶媒が接触して、水溶性成分が除去されるので好ましい。また、接触工程に先立ち解砕工程を実行しておくと、接触工程前に植物材料を保管する必要があるときに植物材料をコンパクトに収容できるので好ましい。解砕工程とは、水系溶媒を用いずに植物材料を解砕する工程である。解砕工程においては、刃を用いてぶつ切りする方法、ボールミルなどの圧力をかけてすりつぶしたり叩く方法、爆砕等の種々の方法を用いることができる。解砕工程においては、植物材料を、細胞壁を破壊する程度の力を加えてばらばらに破砕してもよい。
植物材料を水系溶媒に接触させる接触工程において用いる水系溶媒としては、たとえば水、メタノール、エタノール、プロパノール、ギ酸、酢酸等の水溶性の溶媒やアルカリ性の溶媒、緩衝液などのうちの一種または二種以上の混合物を用いることができる。水系溶媒としては、水が好ましい。水としては、純水、精製水、水道水等を用いることができる。
接触工程は、植物材料を、水系溶媒と接触させることにより実行することができる。具体的には、植物材料を水系溶媒中で解砕することにより実行してもよいし、水系溶媒を解砕の前後において植物材料にかけ流すことにより実行してもよい。これらの方法のうち、植物材料を水系溶媒中で解砕すると植物材料の解砕により出現する解砕部分から水溶性成分が除去されるので好ましい。
接触工程においては、容器にためた水系溶媒に植物材料を浸漬させることにより水系溶媒と植物材料とを接触させてもよいし、水系溶媒を流しながら水系溶媒と植物とを接触させてもよいし、気化させた水系溶媒を植物と接触させてもよい。
接触工程の後、接触工程を実行した後に得られたものを殺菌する殺菌工程を実行してもよい。殺菌工程は、電磁波、温度、圧力、薬理処理などの方法により実行することができる。
殺菌工程を実行すると、菌の発生を防止し植物系材料における悪臭の発生や品質の劣化を防ぐことができるので好ましい。
特に植物系材料の水分を除くことを考慮すると、熱乾燥機において植物材料をそのまま高温加熱乾燥させる方法が好ましい。
植物材料を乾燥させる乾燥工程を実行してもよい。乾燥工程は、熱乾燥や風乾、フリーズドライなどの方法により実行することができる。
植物系材料の水分を減らすことで、菌の増殖や酵素に伴う化学反応や空気中の酸素などによる酸化反応を抑えることができる。これら反応を抑えることで、植物系材料を長期間保存した際に起こる、褐色化や臭気の発生を抑えことができるので好ましい。このようにして得られた植物系材料は、保管しやすい形状および大きさに粉砕してもよい。粉砕を行う際には微粉砕機等を用いることができる。
次に発明の効果について説明する。
本発明によれば、植物材料と水系溶媒とを接触させることで、植物材料に含まれる水溶性成分のうち少なくとも糖類を除去することができるので、植物を利用して作製したものにおける臭気や変色の発生を低減することができる。
本発明によりこのような効果が得られるのは、以下の理由によると考えられる。
植物材料に含まれる糖類は、アミノ酸などと反応して褐色物質(メラノイジン)を生成することがある(メイラード反応)。しかしながら、本発明により得られる植物系材料では、接触工程を実行する前の植物材料よりも、糖類含有量が少ないためメイラード反応が起こりにくくなり、臭気や変色の原因となる物質が生成しにくくなるからではないかと考えられる。
<実施例>
以下実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
1.抽出液(植物材料に接触させて植物材料中の成分を抽出するための液体)による植物材料中の糖類含有量の低減効果
(1)試験方法
後述の方法により作製した各試料75gを、各抽出液400mLに浸漬し、25℃で2時間、180rpmの条件で振とうした。振とう後の試料を減圧濾過して抽出液50mLで洗浄し、洗浄後の固形分を再度400mLの抽出液に浸漬して10分間180rpmで振とうした。減圧濾過、洗浄、浸漬、および10分間の振とう工程を、さらに2回、同様に行うことで接触工程を実行した。
接触工程を行った試料および対照試料(接触工程を行わない試料)約0.5gをそれぞれ、5.0mLの水に浸漬し、25℃で2時間、180rpmの条件で振とうした。振とう後の試料を、3000rpm、10分間遠心分離し、得られた上澄みを抽出水とした。抽出水中の全糖濃度を、グルコースを標準物質としたフェノール硫酸法で測定した結果を表1に示した。表1中「A 接触工程なし」とは、接触工程を行わなかった対照の試料を意味する。試料の作製方法および抽出液は以下のとおりである。
(a)試料の作製方法
トマトの実を収穫した後の茎葉を粗粉砕装置(株式会社ホーライ製)にて1cm程度の大きさに切断し、真空凍結乾燥したものを、微粉砕装置にて500μm程度に粉砕して試料1を得た。
ナスの実を収穫した後の茎葉を粗粉砕装置(株式会社ホーライ製)にて1cm程度の大きさに切断し、真空凍結乾燥したものを、微粉砕装置にて500μm程度に粉砕して試料2を得た。
もみ殻を微粉砕装置(大阪ケミカル株式会社製)にて500μm程度に粉砕して試料3を得た。
(b)抽出液
抽出液としては、以下の溶媒を用いた。
抽出液B:McIlvaine緩衝液[水系溶媒(pH4.0)]
抽出液C:McIlvaine緩衝液[水系溶媒(pH7.0)]
抽出液D:ほう酸緩衝液[水系溶媒(pH10.0)]
抽出液E:トルエン(有機溶媒)
抽出液F:酢酸メチル(有機溶媒)
Figure 2015168126
(2)結果と考察
表1に示すように、トマト、ナスといった可食植物の廃棄部分やもみ殻のような非可食性植物において、接触工程を実行することにより糖類含有量を低減する効果があることがわかった。さらに、抽出液として、有機溶媒より水系溶媒を用いた方が、糖類含有量低減効果が高いことがわかった。
2.接触工程(水中解砕)の実行による植物材料中の糖類含有量の低減効果
(1)試験方法
後述の方法により作製した試料0.5gを、5.0mLの水に浸漬し、25℃で2時間、180rpmの条件で振とうした。振とう後の試料を、3000rpm、10分間遠心分離し、得られた上澄みを抽出水とした。抽出水中の全糖濃度を、グルコースを標準物質としたフェノール硫酸法で測定し表2に示した。
(2)試料の作製方法
(a)実を収穫した後のトマトの茎葉を粗粉砕装置(株式会社ホーライ製)により1cm程度の大きさに切断した。
(b)(a)の処理を行った試料500gを2リットルの水中に入れ、ホモジナイザーにて2分間解砕した後、ろ過した。以下の説明において、試料を水中で解砕することにより接触工程を実行することを水中解砕処理ともいう。
ろ過残渣に対し再び同様に水中解砕処理を繰り返し、水中解砕処理とろ過処理を2回行った試料、水中解砕処理とろ過処理を3回行った試料を作製した。水中解砕処理とろ過処理を1回だけ行った試料も作製した。
(c)(a)の処理のみを行った試料および(b)の処理を行った試料を、それぞれ、130℃で8時間乾燥後、さらに105℃で12時間乾燥した。
(d)(c)の処理を経た試料を微粉砕装置(大阪ケミカル株式会社製)にて粉砕し、500μmの篩により分級し各試料A,B,C,Dを得た。
試料Aは、(a)の処理のみを行った後、(b)の処理を行わずに、(c)の処理および(d)の処理を行って得られた試料である(接触工程なし)。
試料Bは(a)の処理を行った後、(b)の水中解砕処理1回、(c)の処理および(d)の処理を行って得られた試料である。試料Cは(a)の処理を行った後、(b)の水中解砕処理2回、(c)の処理および(d)の処理を行って得られた試料である。試料Dは(a)の処理を行った後、(b)の水中解砕処理3回、(c)の処理および(d)の処理を行って得られた試料である。
Figure 2015168126
(3)結果と考察
表2に示すように、接触工程を水中で行う水中解砕により全糖濃度が半分以下となった。この結果から、接触工程(水中解砕処理)を実行することにより糖の含有量を大きく減らすことができるということがわかった。
3.植物材料中の糖類含有量の低減による臭気の低減効果
(1)試験方法
2.(2)の作製方法により得られた試料A,B,C,Dを各0.1g、ガラス瓶に入れて蓋をし、180℃のヒーターの上に静置した。1時間後に、ガスタイトシリンジによりヘッドスペースの気体を2mL採取した。採取した気体をガスクロマトグラフ装置(アジレントテクノロジー社製6890N)を用いて成分分離し、質量分析計(日本電子製JMS−K9)により、マススペクトル測定を行った。試料Aの揮発成分のクロマトグラムを図1に示す。
ガスクロマトグラフの条件は以下のとおりである。
ガス:ヘリウムガス1.5mL/分(split50:1)
カラム:Zebron ZB−5(5%−phenyl 95%dimethylsiloxane相当)30m×ID0.25mm、膜厚0.25μm
試料Aの揮発成分のうち、臭気の原因となると推測される下記11の成分(各成分のピーク位置は図1を参照)について、試料A〜Dのクロマトグラムのピーク高さを比較した。試料B〜Dについて、試料Aの各揮発成分のピーク高さを100%としたときの各揮発成分のピーク高さの比を算出し表3に示した。
1:2−メチルペンタナール
2:ブタナール
3:2,3−ジヒドロフラン
4:酢酸
5:3−メチルブタナール
6:2−メチルブタナール
7:ペンタナール
8:ヘキサナール
9:フルフラール
10:ベンズアルデヒド
11:メチルフルフラール
Figure 2015168126
(3)結果と考察
水中解砕処理を実行して得られた試料B〜Dの各揮発成分のピーク高さは、水中解砕処理を行わなかった試料Aより低く、揮発成分の発生量が減少し、これにより臭気が軽減されていることを確認することができた。
4.植物材料中の糖類の含有量低減による変色の低減
(1)試験方法
2.(2)の作製方法により得られた試料A,B,C,Dを、溶融混練装置でポリプロピレンに50質量%混練(180℃、10分)したのち、熱プレス装置で板状に成形(180℃、10分)した。
成形前の試料A,B,C,Dそのものと、ポリプロピレンに混練して成形した後の成形品のL値、a値およびb値を、色差分析装置(BYK−Gaardner社製specto−guide45/0)により測定し、成形後と成形前の色差(ΔL、Δa、Δb)を算出し表4に示した。測定条件は以下の通りである。
測定範囲は直径約10mm。
成形前:試料粉体(約3グラム)をガラス瓶に入れ、色差分析装置にて測定した。3回測定し、平均値を求めた。
成形後:板状の試料(約160mm×160mm×2mm)の片面あたり10箇所を測定し、平均値を求めた。
Figure 2015168126
(2)結果と考察
表4に示すように、水中解砕を実行して得られた試料B〜Dの色差は、試料A(水中解砕なし)より小さかった。この結果から、水中解砕を実行した試料を用いることにより、成形工程における変色が低減したことがわかった。これは、メイラード反応による褐色物質の生成が抑制されたためと考えられる。
5.加熱殺菌乾燥工程による菌の低減及び保存
(1)試験方法
後述の方法により作製した試料A1、B1、C1、D1、E1、F1の生菌数を、標準寒天培地を用いた混釈平板培養法により測定し表5に結果を示した。
(2)試料の作製方法
(a)実を収穫した後のトマトの茎葉を粗粉砕装置(株式会社ホーライ製)により1cm程度の大きさに切断した。これにより得られた試料を試料A1とした。
(b)(a)の処理を行った試料500gを2リットルの水中に入れ、ホモジナイザーにて2分間解砕した後、ろ過した(水中解砕処理)。
ろ過残渣に対し再び同様に水中解砕処理を繰り返し、水中解砕処理を3回実行した。これにより得られた試料をB1とした。
(c)(b)の水中解砕処理後、下記の条件で乾燥工程を実行し試料C1、D1、E1、F1の試料を得た。
各試料の詳細は以下のとおりである。
試料A1:(a)(水中解砕処理前の試料)
試料B1:(a)+(b)(乾燥工程なし)
試料C1:(a)+(b)+乾燥工程(105℃24時間)
試料D1:(a)+(b)+乾燥工程(130℃2時間+105℃22時間)
試料E1:(a)+(b)+乾燥工程(130℃8時間+105℃12時間)
試料F1:(a)+(b)+乾燥工程(130℃8時間+105℃12時間)+56日間室温保管(密閉袋中で乾燥材を入れ、22℃の室内で保管)
Figure 2015168126
(3)結果と考察
表5に示すように、乾燥工程を実行しなかった試料A1および試料B1では、菌数が多く、乾燥工程(熱乾燥処理)を行った試料C1、D1、E1、F1については顕著に菌数が少なかった。また、熱乾燥し殺菌されたものを長期(56日)保存しても菌の増加は見られず、変色も異臭の発生もなかった。
この結果から、水中解砕処理を経た材料を105℃以上で乾燥することにより充分に殺菌され、保存性の高い植物系材料が得られることがわかった。また、一度殺菌された材料は、長期間の保管が可能であることがわかった。

Claims (8)

  1. 植物および植物由来材料から選ばれる植物材料を水系溶媒に接触させる接触工程を実行することで、前記植物材料に含まれる水溶性成分を除去し、前記水溶性成分のうち、少なくとも糖類の含有量が前記植物材料よりも少ない植物系材料を得る植物系材料の製造方法。
  2. 前記接触工程は、前記植物材料を前記水系溶媒中で解砕することにより実行される請求項1に記載の植物系材料の製造方法。
  3. 前記接触工程の前に、前記植物材料を解砕する解砕工程を実行する請求項1または請求項2に記載の植物系材料の製造方法。
  4. 前記接触工程を実行した後に得られたものを殺菌する殺菌工程を実行する請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の植物系材料の製造方法。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の植物系材料の製造方法により得られる植物系材料。
  6. 植物および植物由来材料から選ばれる植物材料を水系溶媒に接触させる接触工程を実行することで、前記植物材料中の水溶性成分を除去し、前記水溶性成分のうち、少なくとも糖類の含有量を低減する方法。
  7. 前記接触工程は、前記植物材料を前記水系溶媒中で解砕することにより実行される請求項6に記載の方法。
  8. 前記接触工程の前に、前記植物材料を解砕する解砕工程を実行する請求項6または請求項7に記載の方法。
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