以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
<実施形態1>
図1は、本実施例における電子写真方式カラー画像形成装置の、静電潜像作成に関係する各ブロックの構成を説明する図である。カラー画像形成装置は画像形成部101と画像処理部102により構成し、画像処理部102でビットマップ画像情報を生成し、それに基づき画像形成部101が記録媒体上への画像形成を行う。図2は、中間転写体28を採用したタンデム方式の電子写真方式を用いたカラー画像形成装置の断面図である。図1を用いて、電子写真方式のカラー画像形成装置における画像形成部101の動作を説明する。
画像形成部101は、画像処理部102が処理した露光時間に応じて露光光を駆動し、静電潜像を形成して、この静電潜像を現像して単色トナー像を形成する。この単色トナー像を重ね合わせて多色トナー像を形成し、この多色トナー像を図2の記録媒体11へ転写してその記録媒体上の多色トナー像を定着させる。
図2の23Y,23M,23C,23Kは注入帯電器であり、Y,M,C,Kの色毎に感光体22Y,22M,22C,22Kを帯電させるために4個を備える構成である。また、各注入帯電器にはスリーブ23YS,23MS,23CS,23KSを備えている。
感光体22Y,22M,22C,22Kは、図示しない駆動モータの駆動力が伝達されて回転するもので、駆動モータは感光体22Y,22M,22C,22Kを画像形成動作に応じて反時計周り方向に回転させる。露光手段は、感光体22Y,22M,22C,22Kへスキャナ部24Y,24M,24C,24Kより露光光を照射し、感光体22Y,22M,22C,22Kの表面を選択的に露光することにより、静電潜像を形成するように構成している。
図2の現像器26Y,26M,26C,26Kは、前記静電潜像を可視化するために、Y,M,C,Kの色毎に現像を行う4個の現像器を備える構成で、各現像器には、スリーブ26YS,26MS,26CS,26KSが設けられている。なお、各々の現像器26は脱着が可能である。
図2の中間転写体28は、感光体22から単色トナー像を受け取るために時計周り方向に回転し、感光体22Y,22M,22C,22Kとその対向に位置する一次転写ローラ27Y,27M,27C,27Kの回転に伴って、単色トナー像が転写される。一次転写ローラ27に適当なバイアス電圧を印加すると共に感光体22の回転速度と中間転写体28の回転速度に差をつけることにより、単色トナー像が効率良く中間転写体28上に転写される。これを一次転写という。
更に、ステーション毎の単色トナー像は、中間転写体28上に重ね合わされる。重ね合わされた多色トナー像は、中間転写体28の回転に伴い二次転写ローラ29まで搬送される。同時に、記録媒体11が給紙トレイ21から二次転写ローラ29へ狭持搬送され、記録媒体11に中間転写体28上の多色トナー像が転写される。このとき、二次転写ローラ29に適当なバイアス電圧を印加することで、静電的にトナー像を転写する。これを二次転写という。二次転写ローラ29は、記録媒体11上に多色トナー像を転写している間、29aの位置で記録媒体11に当接し、印字処理後は29bの位置に離間する。
定着装置31は、記録媒体11に転写された多色トナー像を記録媒体11に溶融定着させるために、記録媒体11を加熱する定着ローラ32と記録媒体11を定着ローラ32に圧接させるための加圧ローラ33を備えている。定着ローラ32と加圧ローラ33は中空状に形成され、内部にそれぞれヒータ34、35が内蔵されている。定着装置31は、多色トナー像を保持した記録媒体11を定着ローラ32と加圧ローラ33により搬送するとともに、熱および圧力を加え、トナーを記録媒体11に定着させる。
トナー定着後の記録媒体11は、その後図示しない排出ローラによって図示しない排紙トレイに排出して画像形成動作を終了する。クリーニング手段30は、中間転写体28上に残ったトナーをクリーニングするものであり、中間転写体28上に形成された4色の多色トナー像を記録媒体11に転写した後に残った廃トナーは、クリーナ容器に蓄えられる。
次に、図3、図4、図5を用いて、画像形成装置の色毎の走査線のプロファイル特性に関して説明する。図3において、(a)は画像形成装置のプロファイル特性として、レーザースキャン方向に対して上方(垂直方向)にずれている領域を示す図である。また、(b)は画像形成装置のプロファイル特性として、レーザースキャン方向に対して下方にずれている領域を示す図である。301は理想的な走査線であり感光体22の回転方向に対して垂直に走査が行われる場合の特性を示す。
なお、以下、説明におけるプロファイル特性は、画像処理部102で補正がなされるべき方向を前提として行うが、プロファイル特性としての定義は、これに限定されるものではない。つまり、画像形成部101のずれ方向として定義しておき、画像処理部102では、その逆特性の補正を行うように構成しても良い。図4にプロファイル定義による、画像処理部102で補正がなされるべき方向を示す図と、画像形成部101のずれ方向を示す図の相関を示す。画像処理部102で補正がなされるべき方向として、図4(a)のように曲がり特性が示されている場合は、画像形成部101のプロファイル特性は、その逆方向である図4(b)のようなものとなる。逆に、画像形成部101の曲がり特性として、図4(c)が示されている場合、画像処理部102で補正がなされるべき方向としては図4(d)のようになる。
また、プロファイル特性のデータの保持の仕方としては、例えば図5に示すように、乗り換えポイント(乗り換え箇所)の主走査方向の画素位置と、次の乗り換えポイントまでの変化の方向性を保持するようにする。具体的には、図5を例にとれば、(a)のプロファイル特性に対し、乗り換えポイントがP1,P2,P3,・・・Pmが定義される。各乗り換えポイントの定義は、副走査方向に1画素ずれが発生するポイントであり、方向としては、次の乗り換えポイントまで上方向に変化する場合と下方向に変化する場合がある。
例えば、乗り換えポイントP2は、次の乗り換えポイントP3まで、上方向に乗り換えを行うべきポイントとなる。したがって、P2における乗り換え方向は、(b)に示すように上方向(↑)となる。同様に、P3においても、次の乗り換えポイントP4までは上方向(↑)となる。乗り換えポイントP4における乗り換え方向は、これまでの方向とは異なり下方向(↓)となる。この方向のデータの保持の仕方としては、例えば、上方向を示すデータとして‘‘1’’、下方向を示すデータとして‘‘0’’とすれば、図5(c)のようになる。この場合、保持するデータ数は乗り換えポイント数と同じだけとなり、乗り換えポイント数がm個であるならば、保持するビット数もmビットとなる。
302は感光体22の位置精度や径のずれ、および図2に示す各色のスキャナ部24(24C,24M,24Y,24K)における光学系の位置精度に起因した、傾きおよび曲がりの発生した実際の走査線を示す。画像形成装置は、その記録デバイス(記録エンジン)毎にこのプロファイル特性が異なり、更に、カラー画像形成装置の場合は、色毎にその特性が異なる。
次に、図3(a)を用いて、レーザースキャン方向が上方にずれている領域の乗り換えポイントに関して説明する。
本実施形態における乗り換えポイントとは、副走査方向に1画素ずれているポイントのことを示す。つまり、図3(a)においては、上方への曲がり特性302上で副走査方向に1画素ずれているポイントであるP1、P2、P3が乗り換えポイントに相当する。なお、図3(a)においてはP0を基準としたものとして記載している。同図からもわかるように、乗り換えポイント間の距離(L1、L2)は、曲がり特性302が急激に変化している領域においては短くなり、緩やかに変化している領域においては長くなる。
次に、図3(b)を用いて、レーザースキャン方向に下方にずれている領域の乗り換えポイントに関して説明する。下方にずれている特性を示す領域においても、乗り換えポイントの定義は、副走査方向に1画素ずれているポイントのことを示す。つまり、図3(b)においては、下方への湾曲特性302上で副走査方向に1画素ずれているポイントであるPn、Pn+1が乗り換えポイントに相当する。図3(b)においても、図3(a)同様、乗り換えポイント間の距離(Ln、Ln+1)は、曲がり特性302が急激に変化している領域においては短くなり、緩やかに変化している領域においては長くなる。
このように、乗り換えポイントは、画像形成装置がもつ曲がり特性302の変化度合いに密接に関係する。よって、急激な曲がり特性をもつ画像形成装置においては、乗り換えポイント数は多くなり、逆に緩やかな曲がり特性をもつ画像形成装置においては、乗り換えポイント数が少なくなる。
既に説明している通り、画像形成装置がもつ曲がり特性は、色毎にも異なるため、乗り換えポイントの数および位置はそれぞれ異なる。この色間の相違が、中間転写体28上に全色のトナー像を転写した画像においてレジストレーションずれとなって現れることとなる。
次に、図1を用いて、カラー画像形成装置における画像処理部102の処理について説明する。画像生成部104は、不図示のコンピュータ装置等から受信する印刷データより、印刷処理が可能なラスターイメージデータを生成し、RGBデータおよび各画素のデータ属性を示す属性データとして画素毎に出力する。前記属性データは、文字、細線、CG、自然画といった属性を保持している。なお、画像生成部104は、コンピュータ装置等から受信した画像データではなく、カラー画像形成装置内部に読取手段を構成し、読取手段からの画像データを扱う構成としても良い。ここでいう読取手段とは、少なくともCCD(Charged Couple Device)あるいはCIS(Contact Image sensor)を含むものである。読取手段は、読み取った画像データに対して、所定の画像処理を行う処理部をあわせてもたせるように構成しても良い。また、カラー画像装置内部に構成せず、図示しないインターフェースを介して、前記読取手段からデータを受け取るように構成しても良い。
105は色変換部であり、前記RGBデータを画像形成部101のトナー色にあわせてCMYKデータに変換し、CMKYデータと属性データをビットマップメモリを有する記憶部106へ格納する。記憶部106は、画像処理部102に構成した第1の記憶部であり、印刷処理を行うラスターイメージデータを一旦格納するものである。なお、記憶部106は、1ページ分のイメージデータを格納するページメモリで構成しても良いし、複数ライン分のデータを記憶するバンドメモリとして構成しても良い。
107C,107M,107Y,107KはHT(ハーフトーニング)処理部であり、記憶部106から出力される属性データおよび各色のデータに1画素未満の乗り換えである補間処理と、ハーフトーニング処理により入力の階調を疑似中間調表現への変換を行う。HT処理部107での補間処理は、画像形成装置がもつ曲がり特性に対応した乗り換えポイントの前後画素を使用する。補間処理およびハーフトーニングの詳細については後述する。
108は、画像形成装置内部に構成した第2の記憶部であり、HT処理部107(107C,107M,107Y,107K)により処理されたN値化データを記憶する。ここで、Nは画像生成部104で生成されたラスターイメージデータの階調数よりも少ない数を示す。なお、記憶部108以降の画像処理する画素位置が乗り換えポイントである場合、記憶部108から読み出される時点で、1画素分の乗り換えが行われる。なお、記憶部108で行われる1画素分の乗り換えの詳細については後述する。また、本実施例においては、第1記憶部106、第2記憶部108を別構成として説明したが、画像形成装置内部に共通の記憶部を構成するようにしても良い。
図12(a)は記憶部108が保持しているデータの状態を模式的に示す図である。図12(a)に示す通り、記憶部108が記憶している状態においては、画像処理部102としての乗り換え方向、あるいは画像形成部101の曲がり特性によらず、HT処理部107による処理後のデータが保持されている。図12に示す1201のラインが読み出される時点で、画像処理部102で補正されるべき方向としてのプロファイル特性が上方向の場合、図12(b)のように、乗り換えポイントを境界として、上方向に1画素分ずらされた状態となる。また、画像処理部102で補正されるべき方向としてのプロファイル特性が下方向の場合、ライン1201の画像データが、記憶部108から読み出された時点で、図12(c)のように、乗り換えポイントを境界として、下方向に1画素分ずらされた状態となる。
113はパルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)であり、記憶部108から1画素分の乗り換えを行って読み出された色毎の画像データに対して、スキャナ部114C,114M,114Y,114K の露光時間へ変換される。そして、変換後の画像データは、画像形成部101の印字部115により出力される。
なお、図5に示すような既に説明をしたプロファイル特性データに関しては、画像形成部101内部に、画像形成装置がもつ特性として、装置内部に保持されている。そして、画像処理部102は、画像形成部101が保持しているプロファイル特性に応じて処理がなされるものである(プロファイル116C,116M,116Y,116K)。
次に、図6を用いて、前記画像処理部102のHT処理部107(107C,107M,107Y,107K)の動作について詳細に説明する。なお、107C,107M,107Y,107Kは全て同じ構成となるため、以下にHT処理部107として説明する。
HT処理部107は、CMYKデータから対応する色の画像データと属性データを受け取り、スクリーン処理部601、602に画像データを渡す。
スクリーン処理部601,602は、画像データを受け取り、連続階調画像をより階調数の少ない面積階調画像へと変換するために、スクリーン処理によるハーフトーニングを行う。
この時属性情報を参照し、例えば文字のような線の詳細が重要視される画像に対してはより解像度の高い200線を超えるようなスクリーン処理(高線数スクリーン処理部602)を行う。逆にそうでない属性ではより階調性が高く解像度の低い、200線を下回るようなスクリーン(低線数スクリーン処理部601)を適用する。その後セレクタ603にて属性を参照しながら文字やラインの属性部分に対しては高線数スクリーン処理された出力を選択し、そうでない属性に対しては低線数スクリーン処理された出力を選択し、補間処理部604に出力する。その後スクリーン処理された画像に対して補間処理部604にて補間処理を行い、段差平滑化(1画素未満の補間処理)を行う。
図7と図8を用いて乗り換えポイントにおける補間の方法を示す。なお、図8は従来行なわれている補間処理の説明であり、本実施形態と対比するために用いている点に留意されたい。図7は、レーザースキャン方向に対する、画像形成装置の曲がり特性を示す図である。領域1は画像処理部102として、上向きに補正を行わなければならない領域であり、反対に、領域2は画像処理部102として下向きに補正を行わなければならない領域である。なお、以降の補間処理の説明においては、説明の便宜上、乗り換えポイント間の最小間隔を16画素とするが、本発明はこれに限られるものではない。つまり、任意の画素数間隔にしても良いし、回路構成縮小のために2のべき乗の画素間隔にしても良い。
図7の例における、乗り換えポイントPa前後の乗り換え前画像、すなわちハーフトーン処理部107の入力画像データ構成を図8(a)に示す。ハーフトーン処理部の出力画像データ構成を図8(c)に示す。図8において、注目ラインは、図示する3ライン分の画像データの中央ラインである。1画素を超える乗り換え処理は、乗り換えポイントにおいて記憶部108から読み出す時点で行う。そのため、間を埋める処理を行わないと、乗り換えポイントPa前後の画素構成は、乗り換えポイントPaを境界にして、1画素分の大きな段差となって現れてしまう。
この補間処理を行う際に最もシンプルな構成を考えると、注目ラインとその副走査方向上下の画素に対して以下のような演算を行うことで、実現することができる。
補間に用いる演算式を(式1)に記す。
(補間画素値)=W1×(注目ラインの1ライン前画素値)+W2×(注目ライン画素値)+W3×(注目ラインの1ライン後画素値) ・・・・・(式1)
※W1、W2、W3は任意の重み付け係数
本説明における重み付けは、図8(b)に示す通り、対象となる副走査方向2画素の総和が、乗り換えポイントの最小値に合わせ16となるように、記載している。図7の乗り換えポイントPaの前後においては、ともに副走査方向の上方に注目ラインの画素が移動するように補間する必要がある。このため、注目ラインの前ラインについては重みを0にしておき、注目ラインおよび注目ラインの後ラインについては、徐々に後ラインの画素が注目ライン側に移動するよう図8(b)では重みを設定している。注目ラインをずらしながら処理を行うことで、副走査方向の上方に画素が移動するように補間処理が行われる。
本説明の例において、上記(式1)により得られる補間画素値の概念図を図8(c)に示す。(式1)による補間により、乗り換えポイントPaの前では、乗り換えポイントPaに近い画素ほど、後ラインの画素値の影響を受け、乗り換えポイントPaから遠くなる画素ほど、注目ライン、すなわち、黒データラインの影響を強く受ける。
また、乗り換えポイントPaの後ろの画素では、乗り換えポイントPaに近い画素ほど、注目ラインの影響を強く受け、乗り換えポイントPaから遠い画素ほど、注目ラインの後ラインの影響を受ける結果となる。
最後に、図8(d)に示すように、記憶部108において、1画素単位の乗り換え処理が記憶部108の出力時に行われる。1画素を超える乗り換え処理は記憶部108から読み出す時点で行うため、これまで現れていた乗り換えポイントPa前後の大きな段差はここで無くなることになる。
図8(d)に示すように入力画像の解像度(例えば600dpi)の1ドットのラインは副走査方向に2ドットのハーフドットへ変換される。このハーフドットを再現する具体的な方法としては、113C,113M,113Y,113Kで示すパルス幅変調(PWM)であり、レーザー露光時間を変調することで実現される。例えば1画素4bit幅、16階調を持つPWMであれば0〜15までの階調をパルス幅を16分割し、段階的に切り替えながらレーザー露光時間を制御する。
その様子を図9で示す。図では1画素分の露光時間に対してそのパルスを16分割し、その16分割されたパルス幅に応じて露光時間を制御している。図中次のパルスでは12個ONにしている様子を示しており、その次のパルスでは8個ONにしている。図中では理屈上の矩形を図示しているが、実際の電気的な信号ではその波形はなまり、立ち上がり立下りのエッジ部で必ずしもON同等の露光ができない場合もある。
以降の説明ではPWMを16/16の時間全て露光する画素をフルドットと呼び、1/16〜15/16の時間露光する画素をハーフドットと呼ぶ。
図10にレーザーパワー変調によるハーフドットを使った重心移動の様子を示している。この図は(a)から順に右の走査ラインから徐々に左の走査ラインに重心がずれていく様子を示している。破線で示した曲線は1つのレーザー走査することでできる露光像を示しており、実線で示した曲線は隣接するレーザー露光の影響も含めた露光像を示している。レーザー走査位置からのずれ量を元に補間処理における重心移動を行う。確かに積分値を保存しつつ次第に左に重心移動しているように見えるが、生成される形が必ずしも一致せずそれが濃度の変化として見える場合がある。このため、たとえ信号値や積分光量的に濃度保存を行っていても出力される画像がその濃度を維持できないことがある。つまり露光量や露光時間に対して濃度のリニアリティが出しにくい状況が発生し得る。
つまりこれは6/16の時間で露光したものと10/16の時間で露光したものが隣接しても必ずしも16/16での露光と同程度の濃度を実現することが難しい事を意味している。また隣接するドットの大小によってもそのリニアリティを表現することが難しい場合がある。例えば十分太い10ドット幅のラインであれば上記の式で得られる補間画素値で段差を打ち消しながらライン幅均一性を保つ事は可能であっても、同じ式で1ドット幅のラインを補間する場合、濃度変化によりラインの太さが重み係数によって変わってしまう。これらを個別に調整して、リニアに出力されるPWM量を求めたり、階調数を増やすためにPWMの分割数を前述の16から増やす方法など考えられる。しかしながら、環境、現像器の状態、プリンタの耐久状態によって調整法も異なるのでそのリニアリティを保証することは困難である。
つまり現状においては、濃度に対するリニアリティ自体を保証するという処理よりも、むしろ濃度に対するリニアリティが出にくいPWMを用いた状態において、1ドットの乗り換えポイント前後の段差を小さくしつつ濃度一様性を保つ方法が必要である。
ここでリニアリティが出にくいとはいえ、前提としては、0〜16までのパルス幅に対して濃度の線形性が保証されないものの、0より1、2より3、15より16の方が濃いドットが形成される。またドットの隣接に関しても、リニアリティが出にくいと、例えば13のドットが2つ副走査方向に隣接していた時の濃度と、同じ合計値(26)である16のドットと10のドットが副走査方向に隣接していた時の濃度は異なる場合がある。しかしながら、リニアリティが出しにくいといっても、16のドットに対して副走査方向直上に10のドットがある2ドットの濃度と、直下に10のドットがある2ドットの濃度はほぼ等価となる。
そこで濃度一様性を保つためにハーフドットの組み合わせを最小限にする。このため、図11(a)の様な入力に対して、図11(b)に示す重み係数Wを設定する。なお、図11は、図8の従来例と対比する図であり、図中のPaおよびPbは図7で示すように副走査方向の上方向(前ライン側)に1画素単位の乗り換えが行なわれる乗り換えポイントを示している。図11(b)のように重み係数Wを設定することで得られる出力の概念図は図11(c)の様になる。この場合1ドットの入力は必ず副走査方向2ドットへ展開され、しかもその上下比率が1:3もしくは3:1の2通りに限定される。
そのため図示する1ドットのラインは4/16の露光時間のドットと12/16の露光時間のドットが乗り換えポイントおよび乗り換えポイントの中央点(図中Pa’、Pb’)で上下反転する結果になる。そのためその2つの係数間では上下にドットの付き方が変わるだけで、ハーフドットによる濃度は等価になり、かつ1ドット以下のラインに段差が平滑化される。
図13に図11の乗り換えポイントPa前後の状態に関して詳細を記載する。図13(a)の入力に対して、(b)では重心を1/4画素下にずらしている。同様に(c)では重心を1/4画素上にずらしている。つまり(b)と(c)の重心間の距離は1/2画素に当たり、乗り換えポイントPaを挟んだ段差は1/2画素の段差に平滑化される。
最後に、図11(d)に示すように、記憶部108において、1画素単位の乗り換え処理が記憶部108の出力時に行われる。先の説明と同様に1画素を超える乗り換え処理は記憶部108から読み出す時点で行うため、乗り換えポイントPa前後の大きな段差はここで無くなることになる。
例えば図11で説明した例においては、600dpiのレーザースキャン解像度であれば乗り換えポイントで発生する段差はその半分の1200dpi相当へ小さくする(1/2画素の段差に平滑化される)ことが可能である。
なお、前述したようにPWM階調は濃度に対するリアリティが出にくいため、1ドット部分にだけ着目して1ドットを4:12の比率で2ドット形成しても1/4画素分の重心移動ができていない事は十分に考えられる。その場合でも露光時間に対する濃度の関係が反転することがない限り少なくとも1画素よりは小さい段差に重心移動が収まっている事は保証される。PWM階調を用いる際の濃度に対するリニアリティが出にくい場合の最適な重心移動比率は必ずしも前述したような1:3(4:12)ではなくてよい。PWMの階調性に併せて、3:13の様に比率をずらしたり、また4:11の様に合計が16にならない組み合わせを用いる事も可能である。
このように本実施形態では1ドットを副走査方向にハーフドットの付き方が上下反転の関係を維持したハーフドット2ドットへ変換し1ドット未満の重心移動させることを特徴とする。これにより、PWM階調と濃度の関係にリニアリティが出にくい場合でも線幅、濃度ムラを起こすことなく段差を1ドット未満にすることが可能になる。
ここでは画像データを上向きへ補正することを例に説明したが、ハーフドットの付き方副走査方向に反転させ、濃度等価にしながら下向きへ補正することも当然可能である。
<実施形態2>
先の実施形態1において補間処理はラインや1ドットのフルドットに対して濃度ムラや太さが変わらないように上下反転の関係を維持したハーフドットを付与し1ドット未満の重心移動を行い、段差を平滑化する例を説明した。16段階のPWMを用いて全て露光ON、全て露光OFF(16/16、0/16の2通り)の1bitの2値ハーフトーン処理を行った入力画像の場合においては上述の実施形態1のように重心移動を行う事が可能である。
つまり、入力の階調数が1画素あたり例えば256階調等あった場合でも必ず面積階調処理が行われ、必ずONまたはOFFへ変換されている1bit、すなわち2値化画像に対しては実施形態1の方法は有効である。しかしながら、入力画像は上記フルドット画像以外にもハーフドットを多く含むハーフトーン処理においてN値化、具体的には例えば4bit、16値化されている場合がある。このような場合には単純に重心移動を行なうことは困難である。
実施形態2においては4bitのハーフトーンスクリーン処理を例に取ってその4bitのハーフトーンを表現しているドットに対して、ハーフドットの付き方が乗り換えポイントを境に上下反転の関係を維持し、その濃度等価性を実現する構成に関して記述する。
なお本実施形態では107に図示するHT処理部について詳細記述するが、その処理の前後の説明は実施形態1と同等なので割愛する。
実施形態1でも述べたHT処理部107におけるスクリーン処理では、複数の閾値が配置されたディザマトリックスから任意の閾値を読み出し、入力された画像データと閾値との比較を行うことでN値化するディザ法によるものである。
図14を用いて、ディザ法に関して詳細原理について説明する。入力の連続階調画像(たとえば8ビット256階調画像)をN×M(図では8×8)のブロックに分割する。その後、ブロック内の画素の階調値を同サイズのN×Mの閾値が配列されたディザマトリクスにおける閾値と画素毎に大小比較し、例えば閾値より画素値が大きければ1を出力し、閾値以下であれば0を出力する。これをマトリクスのサイズ毎に全画素に対して行うことで、画像全体を二値化することが可能になる。電子写真方式のカラー画像形成装置においては、記録媒体上に安定したドット再現性を実現するために、ドットが集中するようなディザマトリックスが周期的に用いられる。逆にドットが拡散してしまったり、周囲にドットの存在しない孤立ドットが多くなると安定したドット再現性が得られない。先の実施形態1で述べたような高線数スクリーンの場合にはそのドット間隔が狭く、逆に低線数スクリーンの場合にはドット間隔が広くなる。
ディザマトリックスを用いた階調変化の模式図を図15に示す。図15(a)に示すような連続階調グラデーション画像を(b)に示すような2値画像として表現している。
この閾値マトリクスを15枚に拡張し、1枚あたり1階調の閾値を設けることで、16階調4bitスクリーンの出力が可能になる。
通常はスクリーンの周期で低濃度から高濃度へ向けて、ある1つのドットが点灯し始め、そのドットがフルドットまで至った後にそのフルドットの周囲のドットが点灯を始める。つまりフルドット後の2つ目以降のドットは必ずフルドットに隣接することになる。このようにドットを集中させながら点灯することで、安定したドット形成を実現することができ、ドットが疎であるほど孤立するドットが少なくなり階調を安定して表現できる。このドットの点灯順でスクリーンを形成し中間濃度を表現する。
その様なスクリーン画像に対して実施形態1で示した方法を用いて重み係数を乗じて演算すると、ハーフドットの領域が上下に拡散し、乗り換えポイントを挟んでスクリーンのテクスチャが崩れ階調ギャップができてしまう。
図16にスクリーン処理を行った後の画像とそれに対して図11で示した乗り換えポイントPaを境とした重み係数を切り替えた画像を示す。図16の(a)に示す画像が上述した16階調4bitスクリーン後の画像の例になる。この画像に対して実施形態1で述べた重み付け演算を行い、重心を1/4画素下にずらした画像が(b)になる。同様に重心を1/4画素上にずらした画像が(c)になる。図16の(d)は、図16(a)の一部の画素を取り出したサンプルとそのPWM値を示す。同様に図16(e)は、図16(b)から、図16(d)と同じ位置の一部の画素を取り出したサンプルであり、図16(f)は、図16(c)から、図16(d)と同じ位置の一部の画素を取り出したサンプルを示す。このように、16階調4bitスクリーン後の画像に対しても重み付け演算を行うことで、デジタルデータ上では重心が移動し、且つ合計の濃度も保持されているように見える。
しかし、PWMのリニアリティが出にくい状態、すなわち2に対して4が2倍の濃度が出てない、または4と5のドットが隣接しても9と同等の濃度が出ない状態では、乗り換えポイントを境にスクリーンのドットに対してハーフドットのつき方が変化してしまう。結果として出力される画像上で乗り換えポイントを境に濃度変化が起こりムラとして顕在化してしまう。
また補間処理前にドットを集中させながらその領域を広げていたものも、補間の影響でドットが拡散され、ハーフドットの領域が広がってしまう。図16の場合(d)ではフルドット2つとハーフドット1つだったものが、(e)と(f)ではフルドット1つとハーフドット3つに広がってしまっている。このように、実施形態1で説明した重み付け演算を多値階調のハーフトーン処理された画像に対して行って補間処理をすると、結果として安定したドットが打ちにくくなり、中間調濃度の安定性も損なってしまう。
そこでドットの濃度を乗り換えポイントを境に変化させないために、ハーフドットつき方やドット集中度を維持したまま重心をずらす方法が必要になる。
そこで本実施形態では、スクリーン処理に対して工夫をすることで乗り換えポイントを境に両側で出現するドットの上下対象形を維持する方法に関して図17を用いて記載する。
スクリーン処理部601では、まず副走査解像度4倍変換部1701で、入力される主走査600dpi、副走査600dpiのCMYK各色の多階調ラスターイメージデータに対していったん副走査方向に4倍の解像度へ膨らませる。この方法はデータの繰り返しの単純水増しで行う。このようにして主走査600dpi、副走査2400dpiの画像を作成した後、スクリーン処理部1702ではこの副走査方向に4倍の解像度に変換された画像に対して0〜4の5階調を持つスクリーン処理をかける。つまりスクリーン処理の結果として副走査方向に4倍の解像度に膨らませた0〜4の値の階調を有する画像を出力する。
その後補間処理部604では、副走査位置ずらしサンプリング部1703にて副走査方向に4ドット分の階調値を加算し新たな1ドットに変換し、副走査方向1/4のサイズ、すなわち元の解像度の副走査600dpiへサンプリングしていく。すなわち、図17で示す処理においては、解像度を膨らませた状態においてスクリーン処理を行い、スクリーン処理済みの画像を元の解像度の画像に戻す処理を行う。補間処理部604は、元の解像度にサンプリングする際に、図7で説明したずれ量を考慮してサンプリングする位置をずらすことで補間処理を行い、0〜16のPWM値を出力していく。そして、実施形態1で説明したように、副走査位置ずらしサンプリング部1703で加算する4ドット分の位置を、乗り換えポイントを境に上下反転するように制御することで補間、平滑化を実現する。補間処理部の出力は主走査600dpi、副走査600dpiのCMYK各色の1画素0〜16のPWM値を持つラスターイメージデータが出力される。なお、そのまま出力されると、データ長として5bit必要になってしまうので、値を間引いて0〜15までの値に丸める。ここでは例えば0〜15まではそのまま出力し、16すなわち全画素点灯の場合には15に丸める事にする。
図18は、実施形態2における画素の乗り換えに関わる処理を模式的に表した図である。図18(a)では、副走査方向に4倍の解像度に膨らませた画像が入力される様子を示している。図18(a)の太線で囲まれた領域が元の解像度の1ドット分に相当する。図18(a)の様な入力に対して、4ドット分の階調値を加算して新たな1ドットにサンプリングする位相を図18(b)は示している。図18(b)は、乗り換えポイントPa,Pbおよびその中間の位置にあるPa’,Pb’を境に位相をずらしている様子を示している。このように位相をずらしながらサンプリングすることで得られる出力の概念図は図18(c)の様になる。なお、図18(b)においては、Pa’からPaの領域については1/4画素だけ前ライン方向にずらした位置で4ドット分のサンプリングを行っている。また、PaからPb’の領域については、1/4画素だけ後ライン方向にずらした位置で4ドット分のサンプリングを行なっている。なお、ドットのサンプリング位置(すなわち、位相のずれ)については、図7で説明したようなレジストレーションずれ量(プロファイル特性)に応じて算出されることになる。
図18(c)の場合、1ドットの入力は必ず副走査方向2ドットへ展開され、その上下比率が1:3もしくは3:1の2通りに限定され、実施形態1で説明した場合と同じ結果を得ている。
そのため図示する1ドットのラインは4/16の露光時間のドットと12/16の露光時間のドットが乗り換えポイントの中央点(図中Pa’、Pb’)で上下反転する結果になる。そのためその2つの領域間では上下にドットの付き方が変わるだけで、ハーフドットによる濃度は等価になり、かつ1ドット以下のラインに段差に平滑化される。
最後に、図18(d)に示すように、記憶部108において、1画素単位の乗り換え処理が記憶部108の出力時に行われる。先と同様1画素を超える乗り換え処理は記憶部108から読み出す時点で行うため、乗り換えポイントPa前後の大きな段差はここで無くなることになる。
次に、図18に示すようなフルドットのライン画像ではなく、ハーフドットを含むスクリーン処理後の中間調画像が入力された場合の例を図19を用いて説明する。図19の(a)は主走査600dpi、副走査2400dpiの各ドット4階調のスクリーン処理後の画像を示している。この図では主走査副走査で解像度が異なり、主走査に荒い解像度になっているので、画素を横長に表現している。またこの画像上での正方グリッドが副走査600dpiのグリッドになる。この画像に対して、重心を600dpi換算で1/4画素下にずらした後に主走査600dpi、副走査600dpiへサンプリングした画像が(b)になる。同様に重心を1/4画素上にずらしサンプリングした画像が(c)になる。
また図19の(d)に(a)の一部を取り出したサンプルとして、ある主走査位置の副走査方向へ、2400dpiに換算して20画素、600dpiに換算して5画素のスクリーン後のドット列を示している。この(d)のように上下対称にドットが点灯していくようにスクリーン順を定義する。これにより、その後(e)のように1/4画素下にずらしてサンプリングしても、(g)のように1/4画素上にずらしてサンプリングしても合計値はもちろんドットの形は上下反転するのみでハーフドットの付き方も同じになる。また、ドットの拡散も最小限にとどめることが可能になる。
このように本実施形態では副走査方向に解像度を膨らませた状態でスクリーン処理を行い、スクリーン済みの画像を、ずれ量を考慮してもとの解像度に戻すという簡単な処理で1ドット未満の重心移動させることが可能になる。特に、ハーフドットを含むスクリーン処理後の画像に対しても副走査方向にハーフドットの付き方が上下反転の関係を維持したまま1ドット未満の重心移動させることが可能になる。これにより、PWM階調と濃度の関係にリニアリティが出にくい場合でもスクリーン後の画像に対して濃度ムラを起こすことなく段差を1ドット未満にすることが可能になる。
ここでは説明の便宜上濃度へのリニアリティが出にくい例としてPWMを16分割で説明したが、その限りではない。
また今回の説明では副走査方向にのみ解像度を4倍に増し、2400dpi化させた例について述べたが、主走査も含めて2400dpiにした後に1bit2値のスクリーン処理を行うことでも同等の事が可能である。また解像度に関しても入力600dpiで説明を行ったがその限りではない。
<実施形態3>
先の実施形態2においてスクリーン処理前に副走査方向の解像度を増大させることで、補間処理により濃度ムラや太さが変わらないように上下反転の関係を維持したハーフドットを付与し1ドット未満の重心移動を行い、段差を平滑化してきた。
実施形態3においてはスクリーン処理前に解像度の増大を行うことなく、4bitのハーフトーンを表現しているドットに対してハーフドットの付き方が乗り換えポイントを境に上下反転の関係を維持し、その濃度等価性を実現する構成に関して記述する。
なお本実施形態では107に図示するHT処理部について詳細記述するが、その処理の前後の説明は実施形態1と同等なので割愛する。
図20を用いて詳細説明する。スクリーン処理部2001では、入力される主走査600dpi、副走査600dpiのCMYK各色の多階調ラスターイメージデータに対して、画像に対して0〜15の16階調を持つスクリーン処理をかける。そのデータに対して上下中央フラグ付与部では各画素に対して、上下中央のドットが寄る方向を示す3値のフラグ情報を付与する。このフラグは例えば0であれば中央、1であれば下、2であれば上のように定義する。このフラグはスクリーンのドットとして最初に点灯し始めるドットに向かって寄る方向を定義する。
その後補間処理部604では、上下寄りに基づく副走査拡大部2003にて4bitの画像データと、3値のフラグ情報を基にその寄り付きを考慮しながら、4bitの画像データを副走査方向に4倍に展開する。図21にその詳細を示す。図のように同じ10という値の画素値でも、フラグ情報によって、展開されるデータの寄り付きが上下中央で異なる。例えば(a)であれば中央を意味する0のフラグが付与されているので出力の4画素は中央の2画素に4が、その上下に1が出力される。(b)であれば下を意味する1のフラグが付与されているので、下の2画素が4、その上に2、1番上は0となり、(c)のように上を意味する2のフラグが付与されている場合にはその逆になる。
その後は実施形態2でも説明したように、その副走査方向に4ドット分の階調値を加算し新たな1ドットに変換し、副走査方向1/4へサンプリングしていく。出力される値は0〜16のPWM値として補間部は出力していく。
具体例を先の図19にならい、図22に示す。図22の(a)のような600dpiのスクリーン後の画像と、フラグ付与部によって(b)のようなフラグが、上下寄りに基づく副走査拡大部2003へ入力された場合、その出力は(c)のように中央に寄った形になる。
この先の処理は実施形態2と同様である。この図22(a)のように上下対称にドットが点灯していくようにスクリーン順を定義し、(b)のようにフラグを付与する。そうすることでその後(e)のようにサンプリングしても、(g)のようにサンプリングしても合計値はもちろんドットの形は上下反転するのみでハーフドットの付き方も同じになり、ドットの拡散も最小限にとどめることが可能になる。
このドットの寄る方向を示すフラグはスクリーンの閾値マトリクスとセットでマトリクスとして定義し、上下中央フラグ付与部に設定する。マトリクスとしては最初に副走査方向に孤立で点灯するドットに対しては中央に、その後点灯する場合にはそれより先に点灯しているドットに寄り付くように定義することで実現可能である。この点灯順はスクリーンの閾値マトリクスから容易に作成可能である。
このようにすることで、ハーフトーン処理部の出力を600dpi 4bitの画像とその解像度の2bitのフラグデータにすることが可能になり、先の実施形態2の2400dpiのデータに対して小さいデータで同等の効果が実現可能になる。
<その他の実施形態>
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
画像を形成する画像形成手段で処理される画像データの解像度および階調数よりも高解像度および多階調数の画像データが得られた場合でも、画像形成手段によって形成される画像の副走査方向のずれが補正された、画像形成手段で処理される解像度および階調数を持つ画像データを得る必要がある。
本発明に係る画像処理装置は、画像を形成する画像形成手段に、所定の解像度を持ち、且つ、1画素あたりの階調数がN(N>2)の画像データを送信する画像処理装置であって、前記画像形成手段によって形成される画像の副走査方向のずれを補正するための情報を記憶する記憶手段と、前記所定の解像度よりも高い解像度を持ち、且つ、1画素あたりの階調数がM(M>N)の画像データを取得する取得手段と、前記取得された画像データに1ビット2値化のスクリーン処理を行うことで、前記高い解像度を持ち、且つ、1画素あたり1ビットで2階調の画像データを生成するスクリーン処理手段と、前記生成された画像データに前記記憶された情報に基づいた補正を行うことで、前記所定の解像度を持ち、且つ、1画素あたりの階調数がNの画像データに変換する変換手段と、前記変換された画像データを前記画像形成手段に送信する送信手段と、を有し、前記送信された画像データに基づいた画像が前記画像形成手段によって形成されることを特徴とする。
本発明によれば、画像を形成する画像形成手段で処理される画像データの解像度および階調数よりも高解像度および多階調数の画像データが得られた場合でも、画像形成手段によって形成される画像の副走査方向のずれが補正された、画像形成手段で処理される解像度および階調数を持つ画像データを得ることができる。