JP2019110469A - 画像形成装置、画像形成方法、プログラム - Google Patents

画像形成装置、画像形成方法、プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 レジストレーション補正のために、入力画像の注目画素の横方向の画素を参照してドットの有無を検知し中間調画像かどうか判定する場合、画像形成に用いるディザマトリクスの閾値配列によっては中間調画像であるにも関わらずドットが存在しない領域が存在し、誤判定を起こしてしまう場合がある。【解決手段】 主走査方向にドットが存在しない領域が生じないように、ディザマトリクスが有する第1のサブマトリクスと横方向に隣接する第2のサブマトリクスで、スクリーン処理によって最初に生成するドットの点灯位置を縦方向に異ならせる。【選択図】 図14

Description

本発明は、画像形成装置、画像形成方法およびプログラムに関する。
近年、電子写真方式のカラー画像形成装置の画像形成スピード高速化のために、トナーの色数と同数の現像機および感光ドラムを備え、画像搬送ベルト上や、記録媒体上に順次異なる色の画像を転写するタンデム方式のカラー画像形成装置が増えている。このタンデム方式のカラー画像形成装置においては、レジストレーションずれを生じさせる複数の要因が存在することが知られており、各要因に対して様々な対処方法が提案されている。
レジストレーションずれを生じさせる要因の一つが、偏光走査装置のレンズ不均一性や取り付け位置ずれなどがあげられる。この位置ずれにより走査線に傾きや曲がりが生じ、走査線の傾きの度合いや曲がりの方向は色ごとに異なる。この色ごとの違いによりレジストレーションずれが引き起こされる。
レジストレーションずれへの対処方法として、特許文献1には、光学センサを用いてビームの走査線の傾きと曲がりの大きさを測定し、それらを相殺するようにビットマップ画像データを副走査方向へオフセットし、その補正した画像を形成する方法が記載されている。特許文献1に記載の方法では、画像データを電気的に補正するため、機械的な調整部材や組立時の調整工程が不要になる。従って、カラー画像形成装置を小型化することが可能となり、且つ、安価にレジストレーションずれに対処することができる。なお、以後の記載においては、オフセットさせる位置を乗り換え位置と称する。1画素未満の補正は、画像データの階調値を副走査方向の前後の画素で調整する。つまり、本来の直線の重心位置とオフセット処理後の重心位置が一致するように注目画素と副走査方向の前後の画素値で平滑化処理を行う。
例えば、文字・細線などは、補間処理を行い平滑化することで情報の視認性が高まる。逆に、スクリーン処理を行った中間調画像の乗り換え位置において補間処理を行うと、乗り換え位置上のみ濃度ムラが生じて画質が劣化するといった問題がある。この理由として、例えばドット成長スクリーンを使用した場合、乗り換え位置上でスクリーンを構成するドット形状が補間処理によって変わってしまうため、マクロ的に見ると濃度が変わったように見えるためである。
このように、平滑化を用いた補間処理を行うと対象となる画像データの属性によって補間処理を適用するか否かを判定する必要がある。その対策として、中間調画像判定部を持ち、それらの判定結果によって最終的に補間判定結果を導き出す方法が考えられる。中間調画像判定部では補間OFFにすべき画像を判定することができる。
中間調画像判定部の判定処理方法の一つにスクリーン処理後の画像を注目画素からあらかじめ定められた長さだけ主走査方向に参照し、参照した領域内にドットが存在するかによって中間調画像かどうかを判定する手法がある。あらかじめ定められたディザマトリクスを用いてスクリーン処理を行った中間調画像は描画対象の画素(点灯画素)と描画対象ではない画素(非点灯画素)が一定の周期で現れる。このため、注目画素から少なくとも周期分以上の長さを参照し、参照領域内においてドットが存在する箇所、すなわち非点灯画素から点灯画素への変化箇所またはその逆の部分(エッジ部分)を検知することで中間調画像かどうかの判定が可能となる。この手法は主走査1ライン分の画像データを取得することで判定が可能となるためラインメモリを複数必要とせず、低コストでの中間調画像判定が可能となる。
特開2009−271377号広報
しかし、上記の中間調画像判定方法では、画像形成に用いるスクリーンの種類によっては中間調画像であるにも関わらず異なる判定結果が得られてしまう場合がある。
たとえば線数が212線45度のディザマトリクスを用いてスクリーン処理を行った場合、ハイライト領域において主走査方向にドットが現れない領域が発生する。この場合、中間調画像であるにも関わらず先述の中間調領域の判定方法では中間調画像と判定されず、その結果、中間調画像に対して補間処理が行われてしまうという課題がある。
上記目的を達成するために本発明の一態様に係る画像形成装置は以下のような構成を備える。すなわち、画像データの画素の値と前記画素に対応するディザマトリクスの閾値とを比較することにより、前記画像データにスクリーン処理を行うスクリーン処理手段と、前記スクリーン処理手段によるスクリーン処理後の画像データにおいて、注目画素の横方向の所定の長さの領域内の画素値に基づき、前記注目画素が中間調画像に含まれているか否かを判定する判定手段とを有し、前記ディザマトリクスは複数のサブマトリクスで構成され、前記複数のサブマトリクスのうち、縦方向と横方向の画素数が同じである第1のサブマトリクスと第2のサブマトリクスは横方向に隣接し、前記第1のサブマトリクスの成長中心の閾値の位置と前記第2のサブマトリクスの成長中心の閾値の位置は、縦方向に異なり、前記判定手段における前記所定の長さは、前記第1のサブマトリクスの横方向の画素数よりも大きいことを特徴とする。
本発明によれば、中間調画像を高精度に判定することが可能となる。
画像形成装置の構成を示すブロック図である。 画像形成装置の断面図である。 感光体105における潜像の副走査方向へのずれを示す図である。 画像形成装置のプロファイル特性の一例を示す図である。 画像形成装置のずれと補正方向の関係を示す図である。 プロファイル特性のデータ保持方法を示す図である。 HT処理部107の構成を示す図である。 スクリーン処理の原理を説明する図である。 直線画像に対する乗り換え処理に関する説明の図である。 乗り換え処理により生じた段差を補正するための処理を説明する図である。 中間調画像に対する乗り換え処理に関する説明の図である。 中間調画像判定処理の処理内容について表した図である。 中間調画像に対して段差補正処理を実施した場合の図である。 実施例1におけるディザマトリクスのドットの点灯順について説明した図である。 補間処理部703にかかわる処理のフローを表した図である。 実施例2におけるディザマトリクスのドットの点灯順について説明した図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を好適な実施例に従って詳細に説明する。なお、以下の実施例において示す構成は一例にすぎず、本発明は図示された構成に限定されるものではない。
図1は、本実施例における電子写真方式カラー画像形成装置の、静電潜像作成に関係する各ブロックの構成を説明する図である。本実施例では、カラー画像形成装置として、コピー機能やプリンタ機能等の複数の機能を備える多機能処理装置(MFP:Multi Function Peripheral)を例に説明を行なうものとする。カラー画像形成装置は、画像形成部101と画像処理部102により構成し、画像処理部102でビットマップ画像情報を生成し、それに基づき画像形成部101が記録媒体上への画像形成を行う。図2は、電子写真方式を用いたカラー画像形成装置の断面図である。図1を用いて、電子写真方式のカラー画像形成装置における画像形成部101の動作を説明する。
画像形成部101は、画像処理部102が処理したビットマップ画像に基づいた露光時間に応じてレーザーによる露光を駆動し、静電潜像を形成して、この静電潜像を現像して単色トナー像を形成する。この単色トナー像を重ね合わせて多色トナー像を形成し、この多色トナー像を図2の記録媒体11へ転写してその記録媒体上の多色トナー像を定着させる。デバイス特性記憶部103は、後述するプロファイル特性をはじめとする画像形成装置が画像形成を行う際に必要となるデバイス特性情報を記憶している。
画像生成部104は、不図示のコンピュータ装置等から受信する印刷データより、印刷処理が可能なラスターイメージデータを生成し、RGBデータおよび各画素のデータ属性を示す属性データとして画素毎に出力する。前記属性データは、文字、細線、CG、自然画といった属性を保持している。
色変換処理部105は、前記RGBデータを画像形成部102のトナー色にあわせてCMYKデータに変換し、CMKYデータと属性データをビットマップメモリを有する記憶部106へ格納する。記憶部106は、画像処理部102に構成した第1の記憶部であり、印刷処理を行うラスターイメージデータを一旦格納するものである。なお、記憶部106は、1ページ分のイメージデータを格納するページメモリで構成しても良いし、複数ライン分のデータを記憶するバンドメモリとして構成しても良い。
HT処理部107(107C、107M、107Y、107K)は、記憶部106から出力される各色のハーフトーニング処理により入力の階調を疑似中間調表現への変換と、データにレジストレーション補正処理とを行う。HT処理部107は補間処理部を有し、画像形成装置がもつ曲がり特性に対応した乗り換え位置の前後画素を使用して補間処理を実施する。補間処理およびハーフトーニングの詳細については後述する。
記憶部108は、画像形成装置内部に構成した第2の記憶部であり、HT処理部107により処理されたN値化データを記憶する。本実施例においては、第1記憶部106、第2記憶部108を別構成として説明したが、画像形成装置内部に共通の記憶部を構成するようにしても良い。パルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)113(113C,113M,113Y,113K)は、記憶部108から読み出された色毎の画像データに対して、スキャナ部114の露光時間に変換する。パルス幅変調113が生成した露光時間に応じて、スキャナ部114(114C、114M、114Y、114K)はレーザーにより露光を照射し、感光体115の表面を選択的に露光することにより、静電潜像を形成するように構成している。
感光体115(115C,115M,115Y,115K)は、図示しない駆動モータの駆動力が伝達されて回転するものであり、駆動モータは、感光体115を画像形成動作に応じて反時計周り方向に回転させる。
プロファイル特性保存部116(116C,116M,116Y,116K)は、後述するレジストレーションずれ補正を実施するために用いるプロファイル特性を保存している。
次に、図2を用いて画像形成装置による電子写真方式の画像形成方法について説明する。
図2の22Y、22M、22C、22Kは注入帯電器であり、Y、M、C、Kの色毎に感光体115(115Y、115M、115C、115K)を帯電させるために4個を備える構成である。また、各注入帯電器にはスリーブ22YS、22MS、22CS、22KSを備えている。図2の現像器24(24Y、24M、24C、24K)は現像機であり、前記静電潜像を可視化するために、Y、M、C、Kの色毎に現像を行う4個の現像器を備える構成である。各現像器には、スリーブ24S(24YS、24MS、24CS、24KS)が設けられている。なお、各色の現像器24は脱着が可能である。
図2の中間転写体26は、感光体115から単色トナー像を受け取るために時計周り方向に回転し、感光体115とその対向に位置する一次転写ローラ25の回転に伴って、単色トナー像が転写される。一次転写ローラ25に適当なバイアス電圧を印加すると共に感光体115の回転速度と中間転写体26の回転速度に差をつけることにより、単色トナー像が効率良く中間転写体26上に転写される。これを一次転写という。
更に、各色の単色トナー像は、中間転写体26上に重ね合わされる。重ね合わされた多色トナー像は、中間転写体26の回転に伴い二次転写ローラ27まで搬送される。同時に、記録媒体11が給紙トレイ21から二次転写ローラ27へ狭持搬送され、記録媒体11に中間転写体26上の多色トナー像が転写される。このとき、二次転写ローラ27に適当なバイアス電圧を印加することで、静電的にトナー像を転写する。これを二次転写という。
定着装置29は、記録媒体11に転写された多色トナー像を記録媒体11に溶融定着させるために、記録媒体11を加熱する定着ローラ30と記録媒体11を定着ローラ30に圧接させるための加圧ローラ31を備えている。定着ローラ30と加圧ローラ31は中空状に形成され、内部にそれぞれヒータ32、33が内蔵されている。定着装置29は、多色トナー像を保持した記録媒体11を定着ローラ30と加圧ローラ31により搬送するとともに、熱および圧力を加え、トナーを記録媒体11に定着させる。
トナー定着後の記録媒体11は、その後図示しない排出ローラによって図示しない排紙トレイに排出して画像形成動作を終了する。クリーニング処理部28は、中間転写体26上に残ったトナーをクリーニングするものであり、中間転写体26上に形成された4色の多色トナー像を記録媒体11に転写した後に残った廃トナーは、クリーナ容器に蓄えられる。
次に、図3、図4、図5、図6を用いて、画像形成装置の色毎の副走査方向へのずれのプロファイル特性に関して説明する。
図3は、スキャナ部114が感光体115に対して感光体115の回転方向に対して垂直の直線画像の静電潜像を描画する際、実際に感光体115上に描かれる静電潜像を示した図である。スキャナ部114は感光体115上に、感光体115の回転方向に対して垂直となる走査線301を描画する。これは主走査方向に1ドットの直線を描画することと同意である。この時、偏光走査装置のレンズ不均一性や取り付け位置ずれなどに起因する潜像の描画位置が生じることがあり、その結果潜像位置がずれることで実際に感光体105上に描画される静電潜像が302となることがある。そのため、副走査方向にどれだけ潜像位置がずれるかをあらかじめ測定し、それに合わせて入力画像を補正しなければならない。そして、主走査位置に応じた副走査方向のずれを測定したものを副走査方向へのずれのプロファイル特性と呼ぶ。
図4(a)は、画像形成装置のプロファイル特性として、レーザースキャン方向に対して上方にずれている領域を示す図である。また、図4(b)は画像形成装置のプロファイル特性として、レーザースキャン方向に対して下方にずれている領域を示す図である。走査線401は、理想的な走査線であり、感光体115の回転方向に対して垂直に走査が行われる場合の特性を示す。
なお、以下、説明におけるプロファイル特性は、画像処理部102で補正がなされるべき方向を前提として行うが、プロファイル特性としての定義は、これに限定されるものではない。つまり、画像形成部101のずれ方向として定義しておき、画像処理部102では、その逆特性の補正を行うように構成しても良い。図6は、プロファイル定義による、画像処理部102で補正がなされるべき方向を示す図と、画像形成部101のずれ方向を示す図の相関を示す。画像処理部102で補正がなされるべき方向として、図5(a)のように曲がり特性が示されている場合は、画像形成部101のプロファイル特性は、その逆方向である図5(b)のようなものとなる。逆に、画像形成部101の曲がり特性として、図5(c)が示されている場合、画像処理部102で補正がなされるべき方向としては図5(d)のようになる。
また、プロファイル特性のデータの保持の仕方としては、例えば、図5に示すように、乗り換え位置の主走査方向の画素位置と、次の乗り換え位置までの変化の方向性を保持するようにする。具体的には、図6を例にとれば、(a)のプロファイル特性に対し、乗り換え位置がP1、P2、P3、・・・Pmが定義される。各乗り換え位置の定義は、副走査方向に1画素ずれが発生する位置であり、方向としては、次の乗り換え位置まで上方向に変化する場合と下方向に変化する場合がある。
例えば、乗り換え位置P2は、次の乗り換え位置P3まで、上方向に乗り換えを行うべき位置となる。従って、P2における乗り換え方向は、図6(b)に示すように上方向(↑)となる。同様に、P3においても、次の乗り換え位置P4までは上方向(↑)となる。乗り換え位置P4における乗り換え方向は、これまでの方向とは異なり下方向(↓)となる。この方向のデータの保持の仕方としては、例えば、上方向を示すデータとして“1”、下方向を示すデータとして“0”とすれば、図6(c)のようになる。この場合、保持するデータ数は乗り換え位置数と同じだけとなり、乗り換え位置数がm個であるならば、保持するビット数もmビットとなる。
図4の走査線402は、感光体115の位置精度や径のずれ、および図2に示す各色のスキャナ部114)における光学系の位置精度に起因した、傾きおよび曲がりの発生した実際の走査線を示す。画像形成装置は、カラー画像形成装置の場合、色毎にその特性が異なる。
次に、図6(a)を用いて、レーザースキャン方向が上方にずれている領域の乗り換え位置に関して説明する。
本実施例における乗り換え位置とは、副走査方向に1画素ずれている主走査方向の画素位置のことを示す。つまり、図6(a)においては、上方への曲がり特性402上で副走査方向に1画素ずれている位置であるP1、P2、P3が乗り換え位置に相当する。なお、図6(a)においてはP0を基準としたものとして記載している。同図からもわかるように、乗り換え位置間の距離(L1、L2)は、曲がり特性402が急激に変化している領域においては短くなり、緩やかに変化している領域においては長くなる。
次に、図4(b)を用いて、レーザースキャン方向に下方にずれている領域の乗り換え位置に関して説明する。下方にずれている特性を示す領域においても、乗り換え位置の定義は、副走査方向に1画素ずれている位置のことを示す。つまり、図5(b)においては、下方への湾曲特性402上で副走査方向に1画素ずれている位置であるPn、Pn+1が乗り換え位置に相当する。図4(b)においても、図4(a)同様、乗り換え位置間の距離(Ln、Ln+1)は、曲がり特性402が急激に変化している領域においては短くなり、緩やかに変化している領域においては長くなる。
このように、乗り換え位置は、画像形成装置がもつ曲がり特性402の変化度合いに密接に関係する。よって、急激な曲がり特性をもつ画像形成装置においては、乗り換え位置数は多くなり、逆に緩やかな曲がり特性をもつ画像形成装置においては、乗り換え位置数が少なくなる。
既に説明している通り、画像形成装置がもつ曲がり特性は、色毎にも異なるため、乗り換え位置の数および位置はそれぞれ異なる。この色間の相違が、中間転写体26上に全色のトナー像を転写した画像においてレジストレーションずれとなって現れることとなる。
次に、図7を用いて、画像処理部102のHT処理部107の動作について詳細に説明する。
HT処理部107のスクリーン処理部701は、記憶部106からCMYK色成分の画像データを読み出す。スクリーン処理部701は、画像データを受け取り、連続階調画像をより階調数の少ない面積階調画像へと変換するために、スクリーン処理によるハーフトーニングを行う。
HT処理部107におけるスクリーン処理は、複数の閾値が配置されたディザマトリックスから任意の閾値を読み出し、入力された画像データと閾値との比較を行うことでN値化するディザ法によるものである。ディザマトリクスは、ディザマトリクス保持部602に複数保存されており、入力画像の属性や用途によって使用するディザマトリクスを切り替える。
図8を用いて、ディザ法によるスクリーン処理について説明する。ここでは説明を簡略化するために2値化について説明する。スクリーン処理とは、連続階調で表現された画像データを面積階調、すなわち単位面積あたりの着色された面積と非着色の面積の比で表現された階調、で表現する処理である。スクリーン処理にはスクリーンの成長を表すディザマトリクスが用いられる。ディザマトリクスとは、スクリーンの成長を制御する閾値テーブルを指す。
図8(a)は入力された画像データ、(b)はスクリーン処理に用いるディザマトリクス、(c)はスクリーン処理によって得られたスクリーン画像データである。スクリーン処理部701は、図7(a)の画像データが入力されると、画像データの各画素の画素値に注目し、注目画素に対応したディザマトリクス保持部702に格納されたディザマトリクスの(b)の閾値と比較を行う。比較した結果、注目画素の画素値がディザマトリクスの閾値よりも大きければ、スクリーン画像データ(c)の注目画素に対応する画素が値を有する。
たとえば、図8(a)のような、3×3の9画素で、各画素の画素値が130である画像データと、図8(b)のような3×3で入力画素の画素値を0と255に2値化するディザマトリクスを用いてスクリーン処理を行う。スクリーン処理の結果、入力画素の画素値が対応するディザマトリクスの閾値を超える場合、スクリーン画像データ(c)の対応する画素の画素値は255になる。前記入力画素の画素値がディザマトリクスの閾値以下の場合、スクリーン画像データ(c)の対応する画素の画素値は0になる。この時、スクリーン画像データ(c)のうち画素値0ではない画素の集合体をドットと呼ぶ。
そして、ディザマトリクスの閾値の配置方法を変えることで、スクリーン画像で表現される画像を変化することができる。図8(d)はディザマトリクスを繰り返し配置する一例である。このディザマトリクスは600dpiで主走査方向(横方向)に4画素、副走査方向(縦方向)に2画素のマトリクスとなっている。ドット間の距離が全画素とも主走査方向に2画素、副走査方向に2画素で2√2画素分の距離となるように配置されている。図8(d)の例は、1inch、すなわち600画素内にドットがいくつ存在するかを計算すると、600÷2√2≒212となることから212線のスクリーン画像と呼ぶ。
[レジストレーションずれ補正処理について]
次に、図9,10,11,12,15を用いて、図7の703に示す補間処理部について詳細に説明する。図15に補間処理部703が行う処理内容のフロー図を示す。
まず図15を用いて補間処理部703が行う補間処理の処理フローについて説明する。
ステップ1501にて、補間処理部703にスクリーン処理後の画像が入力され、補間処理部703は、デバイス特性記憶部103に保存されたプロファイル特性116を呼び出し、乗り換え位置の主走査方向の画素位置と乗り換え方向を取得する。
次に、ステップ1502にて、補間処理部703は、入力画像を主走査方向に1ラインずつ画像を参照し、ステップ1051にて呼びだした乗り換え位置が中間調画像であるかどうか判定する中間調画像判定処理を行う。そして、中間調画像フラグを生成する。
次に、ステップ1503にて、補間処理部703は、ステップ1501で呼び出したプロファイル特性に応じて副走査方向へ1画素ずらす乗り換え処理を実施する。
次に、ステップ1504にて、補間処理部703は、ステップ1502で生成された中間調画像判定フラグを参照し、乗り換え位置が中間調画像であるかどうか判定する。中間調画像判定フラグが1である場合は中間調画像と判定し、乗り換え処理まで行われた画像を出力する。中間調画像判定フラグが0である場合は中間調画像ではないと判定し、ステップ1505に進む。
次に、ステップ1505にて、補間処理部703は、ステップ1504で中間調画像ではないと判定された場合、乗り換え段差を解消するための段差補正処理を実施し、出力する。
フロー内で実施する乗り換え処理について図9を用いて、段差補正処理について図10,図11,中間調画像判定処理について図12を用いて詳細に説明する。
図9(a)は、スクリーン処理部701が生成した細線の画像データの状態を模式的に示す。図9(a)に示す通り、スクリーン処理部701が生成した画像データの状態においては、補間処理部703としての補正方向、あるいは画像形成部101の曲がり特性によらず、スクリーン処理部による処理後のデータが保持されている。図9(a)の直線901が、補間処理部703によって補正されるべき方向としてのプロファイル特性が上方向の場合、図9(b)のように、乗り換え位置を境界として、上方向に1画素分ずらされた状態となるよう補正される。これにより、感光体115に実際に描画される画像の形状は図9(c)のようになり、傾きを考慮した線描画を行うことが可能となる。
次に、図10を用いて乗り換え処理により生じる段差の補正処理について説明する。図10(b)に示すように、乗換位置にて1画素ずらすことで直線901を実画上は図9(c)のように傾きを考慮したラインの描画が可能となる。しかし、1画素ずらすことにより直線901に段差が生じてしまう。そこで、その段差を埋めるために画像データの階調値を副走査方向の前後の画素で調整する。すなわち、副走査方向に直線の画素値を平滑化することで直線の品位を保障する処理を行う。段差解消のための段差補正処理について図9で説明する。図10(a)は図9(b)と同じく直線901が副走査方向に1画素分ずらした処理を施したことを示す図である。このライン901に対し、副走査方向へ平滑化処理をかけたものが図10(b)である。乗り換え位置前の6画素分の直線901に対し、乗り換え位置近傍の3画素分は本来直線が描画されている画素の1画素上の画素に重みづけした平滑化を、残りの3画素分を本来直線901が描画されている画素に重みづけした平滑化を行う。この時重みづけの比は2:1とする。一方、乗り換え位置後の直線902に対しては、乗り換え位置近傍の3画素分は本来直線902が描画されている画素に重みづけした平滑化を、残りの3画素分は本来直線902が描画されている画素の1画素上の画素に重みづけした平滑化を行う。この時重みづけの比は2:1とする。このように副走査方向へ平滑化を行うことで、感光体115へ実際に描画される画像の形状は図10(c)のようになる。これにより、傾きを考慮しつつ直線としての品位を保障することが可能となる。なお、今回の平滑化は一例であり、平滑化の方法はこの限りではない。
一方で、図11(a)が示すようなスクリーン処理により形成された中間調画像に対して先述のラインの段差解消のための補正処理を実施するとスクリーン処理により形成されたドットパターンが崩れてしまう。そうすると、補正箇所とそれ以外の場所で濃度特性が変化し、濃度ムラが生じてしまうという問題がある。このため、中間調画像に対しては図11(b)のように、乗り換え位置を境界として副走査方向に1画素分ずらす補正を行った後に段差解消のための補正処理を行わないのが好ましい。従って、感光体115に描画される画像の形状は図11(c)のようになる。
このように、乗り換え位置の画像が中間調画像かどうかによって補正処理の有無を決定する必要がある。そのため、乗り換え位置での段差補正処理の有無を決定するための中間調画像判定処理を、段差補正処理の前に実施する必要がある。図12を用いて中間調判定方法について説明する。中間調画像と判定される条件は、注目画素から主走査方向に所定の長さ(例えば、30画素分の長さ)をもつ判定領域で画像を参照し、非点灯画素から点灯画素への変化かその逆(エッジ部)が少なくとも所定数以上(例えば、2個以上)含まれることである。ただし、判定領域の長さはこの限りではない。なお、判定領域で画像を参照したとき、点灯画素の数が少なくとも2個以上含まれていれば、注目画素は中間調領域に含まれると判定してもよい。
図12(a)はスクリーン処理部701が生成した細線の画像データに対して中間調画像判定処理を行う様子を示したものである。図12(a)の判定領域においては点灯画素が連続して続いている状態となっている。このため、図12(a)の判定領域は中間調画像と判定されずその結果中間調画像判定フラグは0となる。このため、段差補正処理はOFFにならず実施される。つぎに、中間調画像に対して中間調判定を行った場合について説明する。図12(b)は166線のディザマトリクスを用いてスクリーン処理を行い生成されたドットパターン画像に対して中間調判定処理を行う様子を示したものである。166線のディザマトリクスを用いたスクリーン処理を行うと、図12(b)に示すように1つのドットから主走査方向に14画素の位置に新たなドットを検知することが存在する。すなわち、ドットを1つ検知してから主走査方向に30画素分の判定領域を用意すれば新たなドットを検知することができる。このようにスクリーン処理により生成された中間調画像に対して主走査方向に1ライン分参照して判定領域とし、領域内にエッジ部が複数含まれているかを見ることで中間調画像かどうかの判定を行うことが可能となる。その結果中間調画像判定フラグは1となり段差補正処理がOFFとなるためドットパターンが保存される。次に、図12(c)は212線のディザマトリクスを用いてスクリーン処理を行い生成されたドットパターン画像に対して中間調判定処理を行う様子を示したものである。図12(c)が示すように、中間調画像であるにも関わらず主走査方向にドットがひとつも存在しない非点灯画素のみの領域が現れる。このため、非点灯画素のみの領域は中間調領域と判断されず中間調画像判定フラグも0となるため、不要であるにもかかわらず段差補正処理の対象となってしまう。
図13は、中間調画像ではないと誤判定され、誤って補正処理が実施された例を示す。図13(a)に示すようにドットが存在しない領域は中間調領域とは判定されない。このため、本来中間調領域には実施しない平滑化処理が実施されてしまう。このため、例えば先述の図10(b)で行われた平滑化が実施された場合、図13(b)のようにドット形状が崩れることとなる。これによりドット形状が崩れ濃度ムラの原因となってしまう。そこで、上記のような中間調画像判定処理を有する画像形成装置で212線のように主走査方向にドットが存在しない領域を有するディザマトリクスを用いる場合は最初のドット点灯位置をずらす必要がある。
図14を用いて本件で提案する212線のディザマトリクスの点灯順について説明する。図14(a)は212線のディザマトリクスの構成を示す図である。このとき、ディザマトリクス内でのドットパターンの点灯パターンの最少単位を示すマトリクスをサブマトリクスと呼ぶ。サブマトリクスの縦方向と横方向の画素数は、それぞれのサブマトリクスにおいて等しくなっている。図14(a)が示す、ディザマトリクスは複数のサブマトリクスで構成されており、サブマトリクスは1つにつき8つのドットの点灯順を表す。図内の丸数字は各サブマトリクスにおけるドットの点灯順を表す。各サブマトリクスは最初に点灯する第1のドット(成長中心のドット)と2番目に点灯する第2のドットを有する。これら第1のドットと第2のドットは副走査方向(縦方向)に隣接した状態になっており、第1のドットと第2のドットを合わせたものを第1のドット群と呼ぶこととする。第1のドット群は各サブマトリクス内で同じ位置に存在する。このディザマトリクスを用いてスクリーン処理を行う場合、最初に点灯するのが第1のドットとなるがこの時各サブマトリクス内の第1のドットの位置がすべて同じだった場合、先述のように主走査方向にドットが存在しない領域が発生してしまう。そこで、サブマトリクスごとに第1のドット群内の第1のドットと第2のドットの位置関係が異なるものにすることで主走査方向にドットが存在しない領域の解消を行う。図14(a)に示すように第1のドットと第2のドットの副走査方向の位置関係を2種類用意する。図14(b)に第1のドットが点灯した状態のスクリーン処理後の画像データを示す。図14(b)に示すように、第1のドットの位置が主走査方向(横方向)に少なくとも一つ現れる状態になっていることがわかる。これにより、212線のディザマトリクスであっても中間調判定処理により中間調画像と判定することが可能となる。図14(c)に第2のドットが点灯した状態のディザマトリクスの様子を示す。図14(c)に示すように第1のドット群が点灯している状態となり、サブマトリクスごとのドット形状が等しく212線の線数が保たれていることがわかる。図14(a)が示すディザマトリクスでは各サブマトリクスの3番目以降のドットの点灯順をサブマトリクス間で等しいものとしているが、サブマトリクス間で異なるものとしてもよい。
このように主走査方向に画素を参照して中間調画像であるかどうかを判定する画像形成装置において、212線のような主走査方向にドットが存在しないドットパターンを形成させる線数のディザマトリクスを用いたスクリーン処理を行う。このとき、最初に点灯するドットの位置をサブマトリクスごとにずらすことで、中間調画像判定処理の誤判定を回避することが可能となる。これにより、レジストレーション補正のための乗り換え位置での副走査方向へのずらし処理を行い、中間調画像に影響を与えることなく直線領域の段差補正処理を実施することが可能となる。
実施例1では、212線のディザマトリクスの最初に点灯するドットと2番目に点灯するドットの点灯位置を工夫することで、スクリーン処理後の画像データの横方向に少なくともドットが1つ以上存在するような画像形成を行うディザマトリクスを説明した。
しかし、サブマトリクスごとに最初のドットの点灯位置を変えるためドット間隔が不均一になる。そのため、1ドットの再現性がとても強い画像形成装置などの場合だとテクスチャが見えてしまう可能性がある。そこで、実施例2ではディザマトリクスのサイズを大きくすることでサブマトリクスの数を増やし、点灯順が異なる第1のドットと第2のドットの組み合わせを有する第1のドット群の現れる位置を離す。これにより、テクスチャを低減しつつ誤判定の回避を行うことができる。
図16に本実施例で提案するディザマトリクスの成長順について説明する。図16(a)は本実施例で提案するディザマトリクスにおけるドットの点灯順を表すものである。図16のディザマトリクスの線数は212線であり、複数のサブマトリクスで構成される。丸数字は各サブマトリクスのドットの点灯順を表す。なお、三番目以降の点灯順については簡略化のため割愛する。
図16(a)に示すようにディザマトリクスには24個の第1のドット群が存在する。そして、ディザマトリクスにおいて横方向にドットが存在しない領域が発生しないスクリーン処理を行うためには24個の第1のドット群のうち、4個の第1のドット群において残りのドット群と第1のドットと第2のドットの点灯位置が異なるようにする。図16(b)に図16(a)のディザマトリクスを用いて最初のドットを点灯した結果の画像を示し、図16(c)に図16(a)のディザマトリクスを主走査方向に2回繰り返し用いて得られるスクリーン画像を示す。1601,1602は各々図16(a)のディザマトリクスを用いたスクリーン処理により得られるパターン画像である。図16(c)に示すように、主走査方向にドットの現れない領域は存在せず、同時にドット間の間隔が異なるパターンが連続しなくなるためテクスチャが目立たなくなる。これにより、テクスチャを低減しつつ中間調画像判定の誤判定を回避することが可能となる。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。

Claims (11)

  1. 画像データの画素の値と前記画素に対応するディザマトリクスの閾値とを比較することにより、前記画像データにスクリーン処理を行うスクリーン処理手段と、
    前記スクリーン処理手段によるスクリーン処理後の画像データにおいて、注目画素の横方向の所定の長さの領域内の画素値に基づき、前記注目画素が中間調画像に含まれているか否かを判定する判定手段とを有し、
    前記ディザマトリクスは複数のサブマトリクスで構成され、前記複数のサブマトリクスのうち、縦方向と横方向の画素数が同じである第1のサブマトリクスと第2のサブマトリクスは横方向に隣接し、前記第1のサブマトリクスの成長中心の閾値の位置と前記第2のサブマトリクスの成長中心の閾値の位置は、縦方向に異なり、前記判定手段における前記所定の長さは、前記第1のサブマトリクスの横方向の画素数よりも大きいことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記第1のサブマトリクスの2番目に成長する閾値と前記第2のサブマトリクスの成長中心の閾値は、前記ディザマトリクスにおける縦方向の位置が等しいことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記第1のサブマトリクスの前記成長中心の閾値と2番目に成長する閾値は、縦方向に隣接することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記判定手段は、前記所定の長さの領域内に含まれるエッジ部の数が所定数以上の場合、前記注目画素は中間調画像に含まれると判定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. さらに、前記判定手段によって中間調画像に含まれていると判定された画素について、乗り換え位置で縦方向へ1画素ずらし処理と、1画素ずらした段差を補正する処理を行う補正手段とを有することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  6. 画像データの画素の値と前記画素に対応するディザマトリクスの閾値とを比較することにより、前記画像データにスクリーン処理を行うスクリーン処理ステップと、
    前記スクリーン処理ステップによるスクリーン処理後の画像データにおいて、注目画素の横方向の所定の長さの領域内の画素値に基づき、前記注目画素が中間調画像に含まれているか否かを判定する判定ステップとを有し、
    前記ディザマトリクスは複数のサブマトリクスで構成され、前記複数のサブマトリクスのうち、縦方向と横方向の画素数が同じである第1のサブマトリクスと第2のサブマトリクスは横方向に隣接し、前記第1のサブマトリクスの成長中心の閾値の位置と前記第2のサブマトリクスの成長中心の閾値の位置は、縦方向に異なり、前記判定ステップにおける前記所定の長さは、前記第1のサブマトリクスの横方向の画素数よりも大きいことを特徴とする画像形成方法。
  7. 前記第1のサブマトリクスの2番目に成長する閾値と前記第2のサブマトリクスの成長中心の閾値は、前記ディザマトリクスにおける縦方向の位置が等しいことを特徴とする請求項6に記載の画像形成方法。
  8. 前記第1のサブマトリクスの前記成長中心の閾値と2番目に成長する閾値は、縦方向に隣接することを特徴とする請求項6に記載の画像形成方法。
  9. 前記判定ステップは、前記所定の長さの領域内に含まれるエッジ部の数が所定数以上の場合、前記注目画素は中間調画像に含まれると判定することを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  10. さらに、前記判定ステップによって中間調画像に含まれていると判定された画素について、乗り換え位置で縦方向へ1画素ずらし処理と、1画素ずらした段差を補正する処理を行う補正ステップとを有することを特徴とする請求項6または7に記載の画像形成方法。
  11. コンピュータを、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置の各手段として機能させるためのプログラム。
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