JP2015166330A - 化粧料 - Google Patents

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俊裕 森
嘉寛 徳留
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嘉寛 徳留
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Abstract

【課題】製造時における取り扱い性に優れ、かつ皮膚における皮脂の分泌を抑制することができる化粧料および皮膚外用剤を提供すること。
【解決手段】皮膚における皮脂の分泌を抑制する化粧料であって、スーパーオキシドアニオン消去作用を有する化合物を有効成分として含有することを特徴とする化粧料および皮膚における皮脂の分泌を抑制する皮膚外用剤であって、スーパーオキシドアニオン消去作用を有する化合物を有効成分として含有する皮膚外用剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、化粧料に関する。さらに詳しくは、本発明は、スキンケア、スカルプケアなどに有用な化粧料および皮膚外用剤に関する。
皮脂は、皮脂膜を形成して皮膚表面を覆うことにより、外界からの異物の侵入または種々の物質による刺激から皮膚を保護するバリア機能を発現している。また、皮膚における皮脂は、皮膚における水分保持作用および殺菌作用を有している。
しかし、皮膚における皮脂の過剰分泌は、ニキビ、皮膚のテカり、ベタつきなどの原因となるため、美容上好まれない傾向がある。また、皮膚における皮脂量は、皮膚における水分量と同様に、美容学上、肌質を決定する因子の1つである。したがって、皮膚における皮脂の分泌を適度に抑制する化粧料および皮膚外用剤が望まれている。
皮膚における皮脂の分泌を抑制する皮脂分泌抑制剤として、例えば、カロテノイドおよび/またはその誘導体を含有する皮脂分泌抑制剤が提案されている(例えば、特許文献1など参照)。
しかし、前記カロテノイドおよび/またはその誘導体は、化粧料および皮膚外用剤の成分として用いる場合、難水溶性であることから、製造時における取り扱い性に劣るという欠点がある。
特開2013−028572号公報
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、製造時における取り扱い性に優れ、しかも皮膚における皮脂の分泌を抑制することができる化粧料および皮膚外用剤を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の要旨は、
(1) 皮膚における皮脂の分泌を抑制する化粧料であって、スーパーオキシドアニオン消去作用を有する化合物を有効成分として含有することを特徴とする化粧料、
(2) 前記化合物が、アスコルビン酸化合物、ピリドキシン化合物および(アスコルビル/トコフェリル)リン酸化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物である前記(1)に記載の化粧料、
(3) 皮膚における皮脂の分泌を抑制する皮膚外用剤であって、スーパーオキシドアニオン消去作用を有する化合物を有効成分として含有することを特徴とする皮膚外用剤、ならびに
(4) 前記抗酸化物質が、アスコルビン酸化合物、ピリドキシン化合物および(アスコルビル/トコフェリル)リン酸化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物である前記(3)に記載の皮膚外用剤
に関する。
本発明の化粧料および皮膚外用剤は、製造時における取り扱い性に優れ、しかも皮膚における皮脂の分泌を抑制することができるという優れた効果を奏する。
試験例1において、被験試料の濃度と、スーパーオキシドアニオン消去率との関係を調べた結果を示すグラフである。 試験例2において、被験試料の濃度と、対照細胞の脂質産生量に対する被験試料を接触させた被験細胞の脂質産生量の割合との関係を調べた結果を示すグラフである。 試験例2において、被験試料の濃度と、対照の分化細胞数に対する被験試料接触後に生じた分化細胞数の割合との関係を調べた結果を示すグラフである。 (A)は試験例2において、アスコルビン酸接触後の皮脂腺細胞の形態を観察した結果を示す図面代用写真、(B)は試験例2において、アスコルビン酸を接触させていない皮脂腺細胞の形態を観察した結果を示す図面代用写真である。 (A)は試験例2において、ピリドキシン環状リン酸接触後の皮脂腺細胞の形態を観察した結果を示す図面代用写真、(B)は試験例2において、ピリドキシン環状リン酸を接触させていない皮脂腺細胞の形態を観察した結果を示す図面代用写真である。 (A)は試験例2において、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸ジエステル塩接触後の皮脂腺細胞の形態を観察した結果を示す図面代用写真、(B)は試験例2において、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸ジエステル塩を接触させていない皮脂腺細胞の形態を観察した結果を示す図面代用写真である。
1.化粧料
本発明の化粧料は、皮膚における皮脂の分泌を抑制する化粧料であって、スーパーオキシドアニオン消去作用を有する化合物を有効成分として含有することを特徴とする化粧料である。
本発明者らは、スーパーオキシドアニオン消去作用の大きさと、未分化の皮脂腺細胞の分化に対する抑制作用および皮脂腺細胞による皮脂分泌に対する抑制作用の大きさとが相関しており、当該ラジカル消去作用を有する化合物が未分化の皮脂腺細胞の分化および皮脂腺細胞による皮脂分泌に対して、高い抑制作用を示すことを見出した。本発明は、これらの知見に基づくものである。
本発明の化粧料は、前記スーパーオキシドアニオン消去作用を有する化合物を有効成分として含有する点に1つの大きな特徴を有する。前記スーパーオキシドアニオン消去作用を有する化合物は、一般的に、水系溶媒中でスーパーオキシドアニオン消去作用を示す。したがって、本発明の化粧料は、製造時における取り扱い性に優れる。しかも、本発明の化粧料は、スーパーオキシドアニオンの消去作用を発現し、これにより、未分化の皮脂腺細胞の分化に対する抑制作用および皮脂腺細胞による皮脂分泌に対する抑制作用を発現し、皮膚における皮脂の分泌を抑制することができるという優れた効果を奏する。
前記「スーパーオキシドアニオン消去作用」は、スーパーオキシドアニオン消去率を指標として用いることによって評価することができる。前記スーパーオキシドアニオン消去率は、例えば、
(A) 96ウェルマイクロプレートのウェル内において、反応液(i)〔0.25mMニトロテトラゾリウムクロリドブルー、1mMヒポキサチンおよび0.1mMエチレンジアミン四酢酸を含む10mMリン酸緩衝液(pH7.4)〕75μLと、反応液(ii)〔20ユニット/mL濃度のキサンチンオキシダーゼを含む1mg/mLウシ血清アルブミン水溶液〕25μLと、被験試料含有溶液〔被験試料を所定濃度となるように10mMリン酸緩衝液(pH7.4)に溶解させることによって得られた試料〕75μLとの混合物を37℃で10分間インキュベーションして反応産物(A)を得るステップ、
(B) 96ウェルマイクロプレートのウェル内において、反応液(i)75μLと、反応液(ii)25μLと、10mMリン酸緩衝液(pH7.4)75μLとの混合物を37℃で10分間インキュベーションするステップ、
(C) 前記ステップ(A)において、反応液(ii)を用いる代わりに10mMリン酸緩衝液(pH7.4)を用いて得られた混合物を37℃で10分間インキュベーションして反応産物(C)を得るステップ、
(D) 前記ステップ(B)において、反応液(ii)を用いる代わりに10mMリン酸緩衝液(pH7.4)を用いて得られた混合物を37℃で10分間インキュベーションして反応産物(D)を得るステップ、
(E) マイクロプレートリーダーを用いて前記反応産物(A)〜(D)それぞれの550nmでの吸光度を測定するステップ、ならびに
(F) 前記ステップ(E)で得られた反応産物(A)〜(D)それぞれの吸光度を用い、
式(I):
〔式中、Abs[A]は反応産物(A)の吸光度、Abs[B]は反応産物(B)の吸光度、Abs[C]は反応産物(C)の吸光度、Abs[D]は反応産物(D)の吸光度を示す〕
にしたがってスーパーオキシドアニオン消去率を算出するステップ
を行なうことによって求めることができる。
前記スーパーオキシドアニオン消去作用を有する化合物としては、例えば、アスコルビン酸化合物、ピリドキシン化合物、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸化合物などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのスーパーオキシドアニオン消去作用を有する化合物は、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
なお、前記スーパーオキシドアニオン消去作用を有する化合物の代わりに、一重項酸素の消去作用を有する抗酸化物質であるアスタキサンチンなどのカロテノイドおよび/またはその誘導体を用いた場合、当該カロテノイドおよび/またはその誘導体は、難水溶性物質であることから、化粧料または皮膚外用剤の有効成分として用いる場合には、きわめて取り扱いにくく、適用することができる製品形態が制限される。これに対し、本発明に用いられる前記アスコルビン酸化合物、ピリドキシン化合物、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸化合物などのスーパーオキシドアニオン消去作用を有する化合物は、一般的に、水系溶媒中でスーパーオキシドアニオン消去作用を示すことから、製造時における取り扱い性に優れている。
本明細書において、前記「アスコルビン酸化合物」とは、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩およびアスコルビン酸誘導体の総称をいう。前記「アスコルビン酸塩」は、前記アスコルビン酸の生理学的に許容される塩をいい、より具体的には、例えば、ラジカル消去能によって未分化の皮脂腺細胞の分化を抑制して皮脂の分泌を抑制する性質を有するアスコルビン酸の塩をいう。前記アスコルビン酸塩としては、例えば、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウムなどのアスコルビン酸アルカリ金属塩;アスコルビン酸マグネシウム、アスコルビン酸カルシウムなどのアスコルビン酸アルカリ土類金属塩どが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。前記アスコルビン酸誘導体としては、例えば、L−アスコルビン酸2−グルコシド、3−O−エチルアスコルビン酸などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのアスコルビン酸化合物のなかでは、皮脂の分泌抑制能に優れ、しかも易水溶性であり、取り扱い性に優れることから、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸マグネシウム、L−アスコルビン酸2−グルコシドが好ましく、アスコルビン酸がより好ましい。本発明の化粧料においては、前記アスコルビン酸化合物として、例えば、市販のアスコルビン酸化合物を用いることができる。
また、本明細書において、前記「ピリドキシン化合物」とは、ピリドキシン、ピリドキシン塩酸塩、ピリドキシン環状リン酸、ピリドキシン環状リン酸およびピリドキシン環状リン酸塩の総称をいう。前記「ピリドキシン環状リン酸塩」は、前記ピリドキシン環状リン酸の生理学的に許容される塩をいい、より具体的には、例えば、ラジカル消去能によって未分化の皮脂腺細胞の分化を抑制して皮脂の分泌を抑制する性質を有するピリドキシン環状リン酸の塩をいう。前記ピリドキシンリン酸としては、例えば、ピリドキシン5’−リン酸などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。前記ピリドキシン環状リン酸としては、例えば、ピリドキシン3,4’−環状リン酸などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。前記ピリドキシン環状リン酸塩としては、例えば、ピリドキシン3,4’−環状リン酸ナトリウム、ピリドキシン3,4’−環状リン酸カリウムなどのピリドキシン環状リン酸アルカリ金属塩;ピリドキシン3,4’−環状リン酸マグネシウム、ピリドキシン3,4’−環状リン酸カルシウムなどのピリドキシン環状リン酸アルカリ土類金属塩などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのピリドキシン化合物のなかでは、皮脂の分泌抑制能に優れ、しかも易水溶性であり、取り扱い性に優れることから、ピリドキシン環状リン酸およびピリドキシン環状リン酸塩が好ましく、ピリドキシン環状リン酸がより好ましく、ピリドキシン3,4’−環状リン酸がさらに好ましい。本発明の化粧料においては、前記ピリドキシン化合物として、例えば、市販のピリドキシン化合物を用いることができる。
さらに、本明細書において、前記「(アスコルビル/トコフェリル)リン酸化合物」とは、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸ジエステル、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸ジエステル塩の総称をいう。前記「(アスコルビル/トコフェリル)リン酸ジエステル塩」は、前記(アスコルビル/トコフェリル)リン酸ジエステルの生理学的に許容される塩をいい、より具体的には、例えば、ラジカル消去能によって未分化の皮脂腺細胞の分化を抑制して皮脂の分泌を抑制する性質を有する(アスコルビル/トコフェリル)リン酸ジエステルの塩をいう。前記(アスコルビル/トコフェリル)リン酸ジエステル塩としては、例えば、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸ジエステルナトリウム、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸ジエステルカリウムなどの(アスコルビル/トコフェリル)リン酸ジエステルアルカリ金属塩;(アスコルビル/トコフェリル)リン酸ジエステルマグネシウム、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸ジエステルカルシウムなどの(アスコルビル/トコフェリル)リン酸ジエステルアルカリ土類金属塩などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの(アスコルビル/トコフェリル)リン酸化合物のなかでは、皮脂の分泌抑制能に優れ、しかも易水溶性であり、取り扱い性に優れることから、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸ジエステル塩が好ましく、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸ジエステルアルカリ金属塩がより好ましく、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸ジエステルカリウムがさらに好ましい。本発明の化粧料においては、前記(アスコルビル/トコフェリル)リン酸化合物として、例えば、市販の(アスコルビル/トコフェリル)リン酸化合物を用いることができる。
前記スーパーオキシドアニオン消去作用を有する化合物のなかでは、取り扱い性に優れ、しかも低濃度で、高いスーパーオキシドアニオン消去作用を発現して皮脂腺細胞による皮脂の分泌を効果的に抑制することができることから、アスコルビン酸化合物、ピリドキシン化合物および(アスコルビル/トコフェリル)リン酸化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物が好ましく、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸化合物がより好ましく、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸ジエステルおよび(アスコルビル/トコフェリル)リン酸ジエステル塩がさらに好ましく、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸ジエステル塩がより一層好ましい。なお、本発明の化粧料において、前記スーパーオキシドアニオン消去作用を有する化合物は、本発明の目的を阻害しない範囲内で、イオンの状態で存在していてもよい。
本発明の化粧料における前記スーパーオキシドアニオン消去作用を有する化合物の含有量は、前記スーパーオキシドアニオン消去作用を有する化合物の種類、化粧料の種類、化粧料の用途などによって異なるので、一概には決定することができないことから、前記スーパーオキシドアニオン消去作用を有する化合物の種類、化粧料の種類、化粧料の用途などに応じて適宜設定することが好ましい。例えば、前記スーパーオキシドアニオン消去作用を有する化合物がアスコルビン酸化合物またはピリドキシン化合物である場合、本発明の化粧料におけるアスコルビン酸化合物またはピリドキシン化合物の含有量は、通常、皮脂分泌抑制効果を十分に発揮させる観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上であり、安定性の観点から、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。また、前記スーパーオキシドアニオン消去作用を有する化合物が(アスコルビル/トコフェリル)リン酸化合物である場合、本発明の化粧料における(アスコルビル/トコフェリル)リン酸化合物の含有量は、通常、皮脂分泌抑制効果を十分に発揮させる観点から、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、さらに好ましくは0.01質量%以上であり、保存安定性を向上させる観点から、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下である。
本発明の化粧料には、本発明の目的が阻害されない範囲内で、本発明の目的が阻害されない範囲内で、化粧料に配合されるその他の成分が配合されていてもよい。前記成分としては、例えば、保湿剤、着色剤、界面活性剤、防腐剤、殺菌剤、香料、精製水、油剤、アルコール、高分子、pH調整剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、粉体、酸化防止剤などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。本発明の化粧料における前記成分の含有量は、当該成分の種類などによって異なるので、一概には決定することができないことから、前記成分の種類などに応じて適宜設定することが好ましい。なお、本発明の化粧料に前記成分が配合されている場合、前記スーパーオキシドアニオン消去作用を有する化合物は、本発明の目的を阻害しない範囲内で、当該成分と複合体を形成していてもよい。
本発明の化粧料としては、例えば、石鹸、洗顔料、ボディ洗浄料、化粧水(ローション)、美容液、パック・マスク、髭剃り剤、サンケア剤、ハンドケア剤、デオドラント剤、消臭剤などのスキンケア化粧料;シャンプー、リンス、育毛剤、スカルプ剤などのスカルプケア化粧料;白粉、ファンデーション、頬紅などのメーキャップ化粧料;香水、コロンなどの芳香化粧料などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。また、前記化粧料の剤型としては、例えば、液状、乳液状、クリーム状、ジェル状、ワックス状、軟膏、粉状、固形粉末状、固形状、エアゾールなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。本発明の化粧料は、当該化粧料の種類に応じた方法で使用することができる。
以上説明したように、本発明の化粧料は、製造時における取り扱い性に優れ、しかも皮膚における皮脂の分泌を抑制することができることから、スキンケア、スカルプケアなどに有用な化粧料として好適に使用することができる。
2.皮膚外用剤
本発明の皮膚外用剤は、前記したように、皮膚における皮脂の分泌を抑制する皮膚外用剤であって、スーパーオキシドアニオン消去作用を有する化合物を有効成分として含有することを特徴とする皮膚外用剤である。なお、本明細書において、「皮膚外用剤」とは、皮膚に適用される医薬部外品および医薬品をいう。
本発明の皮膚外用剤は、スーパーオキシドアニオン消去作用を有する化合物を有効成分として含有しているので、製造時における取り扱い性に優れ、しかも、スーパーオキシドアニオンの消去作用を発現し、これにより、未分化の皮脂腺細胞の分化に対する抑制作用および皮脂腺細胞による皮脂分泌に対する抑制作用を発現し、皮膚における皮脂の分泌を抑制することができるという優れた効果を奏する。
本発明の皮膚外用剤に用いられるスーパーオキシドアニオン消去作用を有する化合物は、本発明の化粧料に用いられるスーパーオキシドアニオン消去作用を有する化合物と同様である。なお、本発明の皮膚外用剤において、前記スーパーオキシドアニオン消去作用を有する化合物は、本発明の目的を阻害しない範囲内で、イオンの状態で存在していてもよい。
また、本発明の皮膚外用剤におけるスーパーオキシドアニオン消去作用を有する化合物の含有量は、前記スーパーオキシドアニオン消去作用を有する化合物の種類、皮膚外用剤の種類、皮膚外用剤の用途などによって異なるので、一概には決定することができないことから、前記スーパーオキシドアニオン消去作用を有する化合物の種類、皮膚外用剤の種類、皮膚外用剤の用途などに応じて適宜設定することが好ましい。例えば、前記スーパーオキシドアニオン消去作用を有する化合物がアスコルビン酸化合物またはピリドキシン化合物である場合、本発明の皮膚外用剤におけるアスコルビン酸化合物またはピリドキシン化合物の含有量は、通常、皮脂分泌抑制効果を十分に発揮させる観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上であり、十分な保存安定性を確保する観点から、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。また、前記スーパーオキシドアニオン消去作用を有する化合物が(アスコルビル/トコフェリル)リン酸化合物である場合、本発明の皮膚外用剤における(アスコルビル/トコフェリル)リン酸化合物の含有量は、通常、皮脂分泌抑制効果を十分に発揮させる観点から、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、さらに好ましくは0.01質量%以上であり、十分な保存安定性を確保する観点から、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下である。
本発明の皮膚外用剤には、本発明の目的が阻害されない範囲内で、医薬部外品または医薬品に配合されるその他の成分が配合されていてもよい。前記成分としては、例えば、保湿剤、着色剤、界面活性剤、殺菌剤、安定化剤、防腐剤、防腐剤、粘度調整剤、pH調整剤、香料、精製水、油剤、アルコール、高分子、pH調整剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、粉体、酸化防止剤などが挙げられる。本発明の皮膚外用剤中における前記成分の含有量は、当該成分の種類などによって異なるので、一概には決定することができないことから、前記成分の種類などに応じて適宜設定することが好ましい。なお、本発明の皮膚外用剤に前記成分が配合されている場合、前記スーパーオキシドアニオン消去作用を有する化合物は、本発明の目的を阻害しない範囲内で、当該成分と複合体を形成していてもよい。
本発明の皮膚外用剤としては、例えば、石鹸、洗顔剤、ボディ洗浄剤、美容液、パック・マスク、髭剃り剤、サンケア剤、ハンドケア剤、デオドラント剤、消臭剤などのスキンケア剤;シャンプー、リンス、育毛剤、スカルプ剤などのスカルプケア剤が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。また、前記皮膚外用剤の剤型としては、例えば、液状、乳液状、クリーム状、ジェル状、ワックス状、軟膏、粉状、固形粉末状、固形状、エアゾールなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。本発明の皮膚外用剤は、当該皮膚外用剤の種類に応じた方法で使用することができる。
以上説明したように、本発明の皮膚外用剤は、製造時における取り扱い性に優れ、しかも皮膚における皮脂の分泌を抑制することができることから、スキンケア、スカルプケアなどに有用な皮膚外用剤として好適に使用することができる。
つぎに、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。
(試験例1)
(1)被験試料の調製
被験物質をその濃度が0.01mM、0.1mM、1mMまたは5mMとなるように10mMリン酸緩衝液(pH7.4)に添加し、被験試料を得た。なお、被験物質として、アスコルビン酸化合物であるL−アスコスビン酸〔和光純薬(株)製、L(+)−アスコルビン酸標準品〕、ピリドキシン化合物であるピリドキシン3,4’−環状リン酸〔第一ファインケミカル(株)製、商品名:パナドシキンP〕または(アスコルビル/トコフェリル)リン酸化合物であるdl−α−トコフェロール 2−L−アスコルビン酸リン酸ジエステルカリウム〔千寿製薬(株)製、商品名:EPC(SENJU)〕を用いた。
(2)混合物(A)の調製
96ウェルマイクロプレートのウェル内において、反応液(i)〔0.25mMニトロテトラゾリウムクロリドブルー、1mMヒポキサチンおよび0.1mMエチレンジアミン四酢酸を含む10mMリン酸緩衝液(pH7.4)〕75μLと、反応液(ii)〔20ユニット/mL濃度のキサンチンオキシダーゼを含む1mg/mLウシ血清アルブミン水溶液〕25μLと、前記(1)で得られた被験試料75μLとを混合し、混合物(A)を得た。
(3)混合物(B)の調製
96ウェルマイクロプレートのウェル内において、反応液(i)75μLと、反応液(ii)25μLと、10mMリン酸緩衝液(pH7.4)75μLとを混合し、混合物(B)を得た。
(4)混合物(C)の調製
前記(2)において、反応液(ii)を用いる代わりに、10mMリン酸緩衝液(pH7.4)を用いたことを除き、前記(2)と同様の操作を行ない、混合物(C)を得た。
(5)混合物(D)の調製
前記(3)において、反応液(ii)を用いる代わりに、10mMリン酸緩衝液(pH7.4)を用いたことを除き、前記(3)と同様の操作を行ない、混合物(D)を得た。
(6)スーパーオキシドアニオン消去率の算出
前記(2)〜(5)で得られた混合物(A)〜(D)を37℃で10分間インキュベーションし、各反応産物を得た。なお、以下において、混合物(A)から得られた反応産物を「反応産物(A)」、混合物(B)から得られた反応産物を「反応産物(B)」、混合物(C)から得られた反応産物を「反応産物(C)」、混合物(D)から得られた反応産物を「反応産物(D)」という。
インキュベーション終了後、マイクロプレートリーダー〔バイオ−ラッド(Bio−Rad)社製、商品名:xMarkマイクロプレートリーダー〕を用いて、反応産物(A)〜(D)それぞれの波長550nmでの吸光度を測定した。つぎに、反応産物(A)〜(D)それぞれの波長550nmでの吸光度を用い、前記式(I)にしたがってスーパーオキシドアニオン消去率を算出した。
試験例1において、被験試料の濃度と、スーパーオキシドアニオン消去率との関係を調べた結果を図1に示す。
図1に示された結果から、アスコルビン酸、ピリドキシン環状リン酸および(アスコルビル/トコフェリル)リン酸ジエステルカリウムそれぞれによるスーパーオキシドアニオン消去率は、濃度の増加に伴い増加していることがわかる。なかでも、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸ジエステルカリウムは、アスコルビン酸またはピリドキシン環状リン酸と比べ、より低い濃度で、より高いスーパーオキシドアニオン消去作用を示すことがわかる。
(実施例1)
被験試料として、アスコルビン酸を、当該アスコルビン酸の濃度が0.01mM、0.1mM、1mMまたは3mMとなるように、皮脂腺細胞分化誘導用培地〔倉敷紡績(株)製、商品名:HuMedia−BG培地〕に添加し、被験試料含有培地を得た。
(実施例2)
被験試料として、ピリドキシン環状リン酸であるピリドキシン3,4’−環状リン酸を、当該ピリドキシン環状リン酸の濃度が0.01mM、0.1mM、1mMまたは5mMとなるように、皮脂腺細胞分化誘導用培地〔倉敷紡績(株)製、商品名:HuMedia−BG培地〕に添加し、被験試料含有培地を得た。
(実施例3)
被験試料として、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸ジエステル塩であるdl−α−トコフェロール 2−L−アスコルビン酸リン酸ジエステルカリウム〔千寿製薬(株)製、商品名:EPC(SENJU)〕を、当該(アスコルビル/トコフェリル)リン酸ジエステルカリウムの濃度が0.005mM、0.01mM、0.05mMまたは0.1mMとなるように、皮脂腺細胞分化誘導用培地〔倉敷紡績(株)製、商品名:HuMedia−BG培地〕に添加し、被験試料含有培地を得た。
(試験例2)
(1)細胞培養物の調製
正常ハムスター皮脂腺細胞5.0×10細胞を、皮脂腺細胞増殖用培地〔倉敷紡績(株)製、商品名:HuMedia−BG培地〕0.5mLが入った24ウェルプレートの各ウェルに播種し、37℃、CO2濃度:5体積%で120時間(5日間)培養した。
つぎに、各ウェル中の液体成分を実施例1で得られた被験試料含有培地に交換した後、前記正常ハムスター皮脂腺細胞を37℃、CO2濃度:5体積%で10日間培養し、被験細胞の培養物を得た。なお、培養期間中、各ウェル中の液体成分を、2日毎に、実施例1で得られた被験試料含有培地に交換した。
また、前記において、実施例1で得られた被験試料含有培地を用いる代わりに、実施例2で得られた被験試料含有培地または実施例3で得られた被験試料含有培地を用いたことを除き、前記と同様の操作を行ない、被験細胞の培養物を得た。
なお、対照として、前記において、実施例1で得られた被験試料含有培地を用いる代わりに、皮脂腺細胞分化誘導用培地〔倉敷紡績(株)製、商品名:HuMedia−BG培地〕を用いたことを除き、前記と同様の操作を行ない、対照細胞の培養物を得た。
(2)脂質産生量の定量
前記(1)で得られた培養物から細胞を回収した後、クロロホルム−メタノール−水混合溶液〔クロロホルム/メタノール/水(体積比)=1/2/0.8〕に添加し、細胞懸濁液を得た。超音波ホモジナイザー〔ブランソン(BRANSON)製、商品名:Sonifier model 250A−Advanced〕を用いて前記細胞懸濁液中の当該細胞を破砕して細胞破砕物を得た。つぎに、前記細胞破砕物にクロロホルム/メタノール/水(体積比)が2/2/1.8となるようにクロロホルム−メタノール混合溶液〔クロロホルム/メタノール(体積比)=1/1〕を添加し、クロロホルム層を回収した。得られたクロロホルム層を窒素ガスで乾固させることによって脂質を抽出した。
得られた抽出物をクロロホルム−メタノール混合溶液〔クロロホルム/メタノール(体積比)=2/1〕100μLに溶解させ、試料を得た。得られた試料を、高性能薄層クロマトグラフィープレート(以下、「HPTLCプレート」という)に展着させ、展開溶媒〔ヘキサン/エチルエーテル/酢酸(体積比)=80/20/1〕で展開し、トリグリセリド、遊離脂肪酸およびコレステロールを分離した。
その後、10質量%硫酸銅水溶液をHPTLCプレートに均一に噴霧した。つぎに、前記HPTLCプレートを200℃に加熱することにより、前記HPTLCプレート上の脂質を発色させた。得られたトリグリセリド、遊離脂肪酸およびコレステロールそれぞれに対応するスポットの濃度および面積を化学発光画像解析システム〔富士フィルム(株)製、商品名:ルミノイメージアナライザシステムLAS−1000〕で解析した。つぎに、得られた解析結果と、既知量のトリグリセリド、遊離脂肪酸およびコレステロールそれぞれの標準品の混合標準溶液を用いて作成された検量線とに基づき、トリグリセリド、遊離脂肪酸およびコレステロールそれぞれの量(質量)を算出することによって被験細胞の脂質産生量を求めた。
つぎに、対照細胞の脂質産生量を100としたときの被験試料を接触させた被験細胞の脂質産生量の相対値(対照細胞の脂質産生量に対する被験試料を接触させた被験細胞の脂質産生量の割合)を求めた。
試験例2において、被験試料の濃度と、対照細胞の脂質産生量に対する被験試料を接触させた被験細胞の脂質産生量の割合との関係を調べた結果を図2に示す。
図2に示された結果から、被験試料としてアスコルビン酸(実施例1)、ピリドキシン3,4’−環状リン酸(実施例2)および(アスコルビル/トコフェリル)リン酸ジエステルカリウム(実施例3)を用いた場合、被験試料の濃度の増加に伴い、細胞の脂質産生量が減少する傾向が見られることがわかる。また、アスコルビン酸(実施例1)、ピリドキシン3,4’−環状リン酸(実施例2)および(アスコルビル/トコフェリル)リン酸ジエステルカリウム(実施例3)は、易水溶性であることから、化粧料または皮膚外用剤への配合する際の取り扱い性に優れていると考えられる。なかでも、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸ジエステルカリウム(実施例3)は、アスコルビン酸(実施例1)またはピリドキシン3,4’−環状リン酸(実施例2)よりも低い濃度で細胞の脂質産生量をより効果的に低減させることができることがわかる。また、これらの結果および前記試験例1で得られた結果から、アスコルビン酸などのアスコルビン酸化合物、ピリドキシン3,4’−環状リン酸などのピリドキシン化合物および(アスコルビル/トコフェリル)リン酸ジエステルカリウムなどの(アスコルビル/トコフェリル)リン酸化合物が有するスーパーオキシドアニオン消去作用と未分化の皮脂腺細胞の分化の抑制および皮膚における脂質の分泌の抑制とが関連していることが示唆される。
したがって、これらの結果から、アスコルビン酸などのアスコルビン酸化合物、ピリドキシン3,4’−環状リン酸などのピリドキシン化合物および(アスコルビル/トコフェリル)リン酸ジエステルカリウムなどの(アスコルビル/トコフェリル)リン酸化合物、好ましくはアスコルビル/トコフェリル)リン酸化合物、さらに好ましくはアスコルビル/トコフェリル)リン酸ジエステル塩は、皮脂生成抑制作用を示し、しかも易水溶性であり、取り扱い性に優れることから、種々の製品形態の化粧料および種々の製品形態の皮膚外用剤において、皮膚における皮脂の分泌を抑制する成分として有用であることが示唆される。
(3)皮脂腺細胞の形態の観察
前記(1)で得られた培養物に含まれる皮脂腺細胞の形態を位相差顕微鏡で観察するとともに、分化して脂質を分泌する皮脂腺細胞の数(以下、「分化細胞数」ともいう)を測定した。
試験例2において、被験試料の濃度と、対照の分化細胞数に対する被験試料接触後に生じた分化細胞数の割合との関係を調べた結果を図3に示す。また、試験例2において、アスコルビン酸接触後の皮脂腺細胞の形態を観察した結果を図4(A)、アスコルビン酸を接触させていない皮脂腺細胞の形態を観察した結果を図4(B)ピリドキシン環状リン酸接触後の皮脂腺細胞の形態を観察した結果を図5(A)、ピリドキシン環状リン酸を接触させていない皮脂腺細胞の形態を観察した結果を図5(B)、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸ジエステルカリウム接触後の皮脂腺細胞の形態を観察した結果を図6(A)、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸ジエステルカリウムを接触させていない皮脂腺細胞の形態を観察した結果を図6(B)に示す。図4〜6中、矢印は、未分化の皮脂腺細胞が分化して脂質を分泌する皮脂腺細胞(分化細胞)を示す。また、図4〜6中、スケールバーは200μmを示す。
図3〜6に示された結果から、被験試料としてアスコルビン酸(実施例1)、ピリドキシン3,4’−環状リン酸(実施例2)および(アスコルビル/トコフェリル)リン酸ジエステルカリウム(実施例3)を用いた場合、被験試料の濃度の増加に伴い、分化細胞数が減少していることがわかる。なかでも、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸ジエステルカリウム(実施例3)は、アスコルビン酸(実施例1)またはピリドキシン3,4’−環状リン酸(実施例2)よりも低い濃度で未分化の皮脂腺細胞が分化するのをより効果的に抑制することができることがわかる。
したがって、これらの結果から、アスコルビン酸などのアスコルビン酸化合物、ピリドキシン3,4’−環状リン酸などのピリドキシン化合物および(アスコルビル/トコフェリル)リン酸ジエステルカリウムなどの(アスコルビル/トコフェリル)リン酸化合物、好ましくはアスコルビル/トコフェリル)リン酸化合物、さらに好ましくはアスコルビル/トコフェリル)リン酸ジエステル塩は、未分化の皮脂腺細胞が分化するのを抑制することによって脂質の分泌を抑制していることが示唆される。
また、以上の結果から、アスコルビン酸などのアスコルビン酸化合物、ピリドキシン環状リン酸などのピリドキシン化合物および(アスコルビル/トコフェリル)リン酸ジエステルカリウムなどの(アスコルビル/トコフェリル)リン酸化合物が有するスーパーオキシドアニオン消去作用と未分化の皮脂腺細胞の分化の抑制および皮膚における脂質の分泌の抑制とが関連していることが示唆される。
以上説明したように、スーパーオキシドアニオン消去作用を有する抗酸化物質、好ましくはアスコルビン酸化合物、ピリドキシン化合物および(アスコルビル/トコフェリル)リン酸化合物、より好ましくは(アスコルビル/トコフェリル)リン酸化合物、さらに好ましくは(アスコルビル/トコフェリル)リン酸ジエステル塩は、未分化の皮脂腺細胞の分化を抑制することによって皮膚における脂質の分泌を抑制することができることがわかる。したがって、スーパーオキシドアニオン消去作用を有する抗酸化物質、好ましくはアスコルビン酸化合物、ピリドキシン化合物および(アスコルビル/トコフェリル)リン酸化合物、より好ましくは(アスコルビル/トコフェリル)リン酸化合物、さらに好ましくは(アスコルビル/トコフェリル)リン酸ジエステル塩は、皮膚における脂質の分泌を抑制する化粧料および皮膚外用剤の有効成分として有用であることがわかる。
(処方例)
以下、本発明に係る化粧料および皮膚外用剤の処方例を示す。なお、原料名中のカッコ内の「E.O.」はオキシエチレン基、「P.O.」はオキシプロピレン基を示す。また、「E.O.」の前に記載されている数字はオキシエチレン基の付加モル数、「P.O.」の前に記載されている数字はオキシプロピレン基の付加モル数を示す。
(処方例1:スキンケア化粧料(化粧水))
下記原料を下記組成となるように混合し、スキンケア化粧料として用いられる化粧水とした。
(アスコルビル/トコフェリル)リン酸ジエステルカリウム
0.2質量%
グリセリン 3.0質量%
1,3−ブチレングリコール 5.0質量%
エタノール 7.0質量%
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(50E.O.) 0.3質量%
ヒアルロン酸ナトリウム 0.1質量%
クエン酸 0.01質量%
クエン酸ナトリウム 0.03質量%
グリセリンモノ2−エチルヘキシルエーテル 0.20質量%
香料 0.02質量%
精製水 残部
合計 100.0質量%
(処方例2:スキンケア化粧料(乳液))
下記原料を下記組成となるように混合し、スキンケア化粧料として用いられる乳液とした。
(アスコルビル/トコフェリル)リン酸ジエステルカリウム
0.5質量%
デカメチルシクロペンタシロキサン 3.0質量%
イソノナン酸イソトリデシル 3.0質量%
ミネラルオイル 2.5質量%
ホホバ油 1.0質量%
1,3−ブチレングリコール 7.5質量%
グリセリン 2.5質量%
ポリエチレングリコール4000 1.0質量%
エタノール 5.0質量%
ポリオキシエチレンモノステアリン酸ソルビタン(20E.O.)
1.5質量%
親油型モノステアリン酸グリセリル 0.5質量%
ステアリン酸 1.0質量%
キサンタンガム 0.02質量%
カルボキシルビニルポリマー 0.3質量%
水酸化カリウム 0.12質量%
エデト酸二ナトリウム 0.1質量%
フェノキシエタノール 0.3質量%
1,2−オクタンジオール 0.1質量%
精製水 残部
合計 100.0質量%
(処方例3:スキンケア剤(薬用モイスチャークリーム))
下記原料を下記組成となるように混合し、医薬部外品のスキンケア剤として用いられる薬用モイスチャークリームとした。
(アスコルビル/トコフェリル)リン酸ジエステルカリウム
1.0質量%
サリチル酸 0.1質量%
グリチルリチン酸ジカリウム 0.05質量%
ワセリン 7.5質量%
スクラワン 1.5質量%
マイクロクリスタリンワックス 0.5質量%
ベヘニルアルコール 1.0質量%
ステアリルアルコール 2.5質量%
ジメチコン 2.0質量%
ステアリン酸 0.5質量%
酢酸トコフェロール 0.1質量%
グリセリン 8.0質量%
マルチトール 4.0質量%
ポリオキシエチレンモノステアリン酸ソルビタン(20E.O.)
2.0質量%
親油型モノステアリン酸グリセリル 3.0質量%
パラオキシ安息香酸エステル 0.2質量%
エデト酸二ナトリウム 0.1質量%
カルボキシルビニルポリマー 0.2質量%
水酸化カリウム 0.04質量%
香料 適量
精製水 残部
合計 100.0質量%
(処方例4:スカルプ化粧料(頭皮用エモリエントローション))
下記原料を下記組成となるように混合し、スカルプ化粧料として用いられる頭皮用エモリエントローションとした。
(アスコルビル/トコフェリル)リン酸ジエステルカリウム
0.05質量%
グリセリン 5.0質量%
ジプロピレングリコール 10.0質量%
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.75質量%
ヒアルロン酸 0.1質量%
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル
(30E.O.、6P.O.) 0.3質量%
オリーブ油 0.1質量%
エタノール 30.0質量%
ヒドロキシエタンジホスホン酸液 0.1質量%
精製水 残部
合計 100.0質量%
(処方例5:スカルプケア剤(育毛トニック))
下記組成からなる原液と、下記組成からなる噴射剤とを質量比(原液/噴射剤)が85/15となるように容器に充填し、医薬部外品のスカルプケア剤として用いられる育毛トニックとした。
〔原液〕
(アスコルビル/トコフェリル)リン酸ジエステルカリウム
0.1質量%
イソプロピルメチルフェノール 0.1質量%
ニコチン酸アミド 0.1質量%
D−パンテノール 0.2質量%
メントール 0.5質量%
エタノール 60.0質量%
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(50E.O.) 0.4質量%
酢酸トコフェロール 0.1質量%
精製水 残部
合計 100.0質量%
〔噴射剤〕
DME/LPG(80/20) 100.0質量%
(処方例6:スカルプケア剤(薬用シャンプー))
下記原料を下記組成となるように混合し、医薬部外品のスカルプケア剤として用いられる薬用シャンプーとした。
(アスコルビル/トコフェリル)リン酸ジエステルカリウム
0.05質量%
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1質量%
ラウリン酸アミドプロピルベタイン液(30質量%) 10.0質量%
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(2E.O)
10.0質量%
ヤシ油脂肪酸N−メチルエタノールアミド 3.0質量%
塩化O−〔2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル〕
ヒドロキシエチルセルロース 0.5質量%
塩化ナトリウム 0.03質量%
安息香酸ナトリウム 0.3質量%
フェノキシエタノール 0.3質量%
エタノール 5.0質量%
精製水 残部
合計 100.0質量%
また、処方例1〜処方例6において、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸ジエステルカリウムを用いる代わりに、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸ジエステルカリウム以外の(アスコルビル/トコフェリル)リン酸化合物、アスコルビン酸化合物またはピリドキシン化合物を用いることを除き、処方例1〜処方例6に示された組成と同様の組成となるように各原料を混合することにより、化粧水、乳液、薬用エモリエントクリーム、頭皮エモリエントローション、育毛トニックおよび、薬用シャンプーを得ることができる。
これらの化粧料および皮膚外用剤について、使用時および未使用時それぞれの皮脂の量を測定することにより、化粧料および皮膚外用剤を用いることによって皮膚における皮脂の分泌が抑制されていることが確認される。

Claims (4)

  1. 皮膚における皮脂の分泌を抑制する化粧料であって、スーパーオキシドアニオン消去作用を有する化合物を有効成分として含有することを特徴とする化粧料。
  2. 前記化合物が、アスコルビン酸化合物、ピリドキシン化合物および(アスコルビル/トコフェリル)リン酸化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項1に記載の化粧料。
  3. 皮膚における皮脂の分泌を抑制する皮膚外用剤であって、スーパーオキシドアニオン消去作用を有する化合物を有効成分として含有することを特徴とする皮膚外用剤。
  4. 前記化合物が、アスコルビン酸化合物、ピリドキシン化合物および(アスコルビル/トコフェリル)リン酸化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項3に記載の皮膚外用剤。
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