JP2016150916A - 皮脂分泌抑制剤 - Google Patents
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Description
(1)皮膚における皮脂の分泌を抑制する皮脂分泌抑制剤であって、有効成分として、皮脂腺細胞分化抑制作用を有する化合物を含有することを特徴とする皮脂分泌抑制剤、
(2)前記化合物が、タンニン酸、クロロフィリン金属置換体、没食子酸エピガロカテキンおよびフィチン酸化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種である前記(1)に記載の皮脂分泌抑制剤、
(3)皮膚における皮脂の分泌を抑制する化粧料であって、有効成分として、前記(1)または(2)に記載の皮脂分泌抑制剤を含有することを特徴とする化粧料、ならびに
(4)皮膚における皮脂の分泌を抑制する皮膚外用剤であって、有効成分として、前記(1)または(2)に記載の皮脂分泌抑制剤を含有することを特徴とする皮膚外用剤
に関する。
本発明の皮脂分泌抑制剤は、皮膚における皮脂の分泌を抑制する皮脂分泌抑制剤であって、有効成分として、皮脂腺細胞分化抑制作用を有する化合物を含有することを特徴としている。
(1) 式(I):
(2) 未分化の皮脂腺細胞の形状と、被験試料の存在下に未分化の皮脂腺細胞を培養することによって得られた細胞の形状との間の違いの有無を指標として用いる方法(以下、「評価法2」という)
などによって評価することができる。
(A−1)皮脂腺細胞を、皮脂腺細胞分化誘導用培地中、5体積%二酸化炭素雰囲気下に37℃で培養するステップ
(A−2)前記ステップ(A−1)で得られた培養物から細胞を回収するステップ、
(A−3)前記ステップ(A−2)で得られた細胞から脂質を抽出するステップ、および
(A−4)前記ステップ(A−3)で得られた脂質中のトリグリセリドを定量するステップ
を行なうことなどによって求めることができる。また、被験細胞のトリグリセリドの産生量は、例えば、
(B−1)皮脂腺細胞を、被験試料を含有する皮脂腺細胞分化誘導用培地中、5体積%二酸化炭素雰囲気下に37℃で培養するステップ
(B−2)前記ステップ(B−1)で得られた培養物から細胞を回収するステップ、
(B−3)前記ステップ(B−2)で得られた細胞から脂質を抽出するステップ、および
(B−4)前記ステップ(B−3)で得られた脂質中のトリグリセリドを定量するステップ
を行なうことなどによって求めることができる。成熟皮脂腺細胞は、トリグリセリドを産生している。一方、未分化の皮脂腺細胞は、トリグリセリドを産生していない。したがって、トリグリセリドの産生量によって、未分化の皮脂腺細胞から成熟皮脂腺細胞への分化の有無を評価することができる。前記評価法1においては、皮脂腺細胞分化抑制率が、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上である場合、被験試料が皮脂腺細胞分化抑制作用を有することの指標となる。
本発明の化粧料は、皮膚における皮脂の分泌を抑制する化粧料であって、有効成分として、前記皮脂分泌抑制剤を含有することを特徴としている。
本発明の皮膚外用剤は、前記したように、皮膚における皮脂の分泌を抑制する皮膚外用剤であって、有効成分として、前記皮脂分泌抑制剤を含有することを特徴としている。なお、本明細書において、「皮膚外用剤」とは、皮膚に適用される医薬部外品および医薬品をいう。
皮脂分泌抑制剤の被験試料として、タンニン酸を、当該タンニン酸の濃度が0.2mMとなるように、皮脂腺細胞分化誘導用培地〔倉敷紡績(株)製、商品名:HuMedia−BD培地〕に添加し、被験試料含有培地を得た。
皮脂分泌抑制剤の被験試料として、クロロフィリン金属置換体である銅クロロフィリンナトリウムを、当該銅クロロフィリンナトリウムの濃度が0.2mMとなるように、皮脂腺細胞分化誘導用培地〔倉敷紡績(株)製、商品名:HuMedia−BD培地〕に添加し、被験試料含有培地を得た。
皮脂分泌抑制剤の被験試料として、没食子酸エピガロカテキンを、当該没食子酸エピガロカテキンの濃度が0.2mMとなるように、皮脂腺細胞分化誘導用培地〔倉敷紡績(株)製、商品名:HuMedia−BD培地〕に添加し、被験試料含有培地を得た。
皮脂分泌抑制剤の被験試料として、フィチン酸化合物であるフィチン酸を、当該フィチン酸の濃度が0.2mMとなるように、皮脂腺細胞分化誘導用培地〔倉敷紡績(株)製、商品名:HuMedia−BD培地〕に添加し、被験試料含有培地を得た。
(1)細胞培養物の調製
正常ハムスター皮脂腺細胞1.0×104細胞を、皮脂腺細胞増殖用培地〔倉敷紡績(株)製、商品名:HuMedia−BG培地〕0.5mLが入った24ウェルプレートの各ウェルに播種し、5体積%二酸化炭素雰囲気下に37℃で5日間培養した。
被験試料として、α−グルコシルルチンを、当該α−グルコシルルチンの濃度が0.2mMとなるように、皮脂腺細胞分化誘導用培地〔倉敷紡績(株)製、商品名:HuMedia−BD培地〕に添加し、被験試料含有培地を得た。
被験試料として、グルコン酸銅(II)を、当該グルコン酸銅(II)の濃度が0.2mMとなるように、皮脂腺細胞分化誘導用培地〔倉敷紡績(株)製、商品名:HuMedia−BD培地〕に添加し、被験試料含有培地を得た。
(1)細胞培養物の調製
正常ハムスター皮脂腺細胞1.0×104細胞を、皮脂腺細胞増殖用培地〔倉敷紡績(株)製、商品名:HuMedia−BG培地〕0.5mLが入った24ウェルプレートの各ウェルに播種し、5体積%二酸化炭素雰囲気下に37℃で120時間(5日間)培養した。
前記(1)で得られた培養物から細胞を回収した後、クロロホルム−メタノール−水混合溶液〔クロロホルム/メタノール/水(体積比)=1/2/0.8〕に添加し、細胞懸濁液を得た。超音波ホモジナイザー〔ブランソン(BRANSON)製、商品名:Sonifier model 250A−Advanced〕を用いて前記細胞懸濁液中の当該細胞を破砕して細胞破砕物を得た。つぎに、前記細胞破砕物にクロロホルム/メタノール/水(体積比)が2/2/1.8となるようにクロロホルム−メタノール混合溶液〔クロロホルム/メタノール(体積比)=1/1〕を添加し、クロロホルム層を回収した。得られたクロロホルム層を窒素ガスで乾固させることによって脂質を抽出した。
皮脂分泌抑制剤の被験試料として、フィチン酸化合物であるフィチン酸を、当該フィチン酸の濃度が0.005mM(実施例5)、0.01mM(実施例6)、0.05mM(実施例7)または0.1mM(実施例8)となるように、皮脂腺細胞分化誘導用培地〔倉敷紡績(株)製、商品名:HuMedia−BD培地〕に添加し、被験試料含有培地を得た。
試験例1において、実施例1で得られた被験試料含有培地を用いる代わりに、実施例5〜8で得られた被験試料含有培地を用いたことを除き、試験例2と同様の操作を行ない、被験細胞の培養物を得た。
試験例2において、実施例1で得られた被験試料含有培地を用いる代わりに、実施例5〜8で得られた被験試料含有培地を用いたことを除き、試験例2と同様の操作を行ない、皮脂腺細胞分化抑制率および皮脂産生量を求めた。
以下、本発明に係る化粧料および皮膚外用剤の処方例を示す。なお、原料名中のカッコ内の「E.O.」はオキシエチレン基、「P.O.」はオキシプロピレン基を示す。また、「E.O.」の前に記載されている数字はオキシエチレン基の付加モル数、「P.O.」の前に記載されている数字はオキシプロピレン基の付加モル数を示す。
下記原料を下記組成となるように混合し、スキンケア化粧料として用いられる化粧水とした。
フィチン酸 0.10質量%
グリセリン 3.0質量%
1,3−ブチレングリコール 5.0質量%
エタノール 7.0質量%
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(50E.O.) 0.3質量%
ヒアルロン酸ナトリウム 0.1質量%
水酸化カリウム 0.06質量%
グリセリンモノ2−エチルヘキシルエーテル 0.20質量%
香料 0.02質量%
精製水 残部
合計 100.0質量%
下記原料を下記組成となるように混合し、スキンケア化粧料として用いられる乳液とした。
フィチン酸 0.5質量%
デカメチルシクロペンタシロキサン 3.0質量%
イソノナン酸イソトリデシル 3.0質量%
ミネラルオイル 2.5質量%
ホホバ油 1.0質量%
1,3−ブチレングリコール 7.5質量%
グリセリン 2.5質量%
ポリエチレングリコール4000 1.0質量%
エタノール 5.0質量%
ポリオキシエチレンモノステアリン酸ソルビタン(20E.O.)
1.5質量%
親油型モノステアリン酸グリセリル 0.5質量%
ステアリン酸 1.0質量%
キサンタンガム 0.02質量%
カルボキシルビニルポリマー 0.3質量%
水酸化カリウム 0.42質量%
エデト酸二ナトリウム 0.1質量%
フェノキシエタノール 0.3質量%
1,2−オクタンジオール 0.1質量%
精製水 残部
合計 100.0質量%
下記原料を下記組成となるように混合し、医薬部外品のスキンケア剤として用いられる薬用モイスチャークリームとした。
フィチン酸 0.2質量%
サリチル酸 0.1質量%
グリチルリチン酸ジカリウム 0.05質量%
ワセリン 7.5質量%
スクラワン 1.5質量%
マイクロクリスタリンワックス 0.5質量%
ベヘニルアルコール 1.0質量%
ステアリルアルコール 2.5質量%
ジメチコン 2.0質量%
ステアリン酸 0.5質量%
酢酸トコフェロール 0.1質量%
グリセリン 8.0質量%
マルチトール 4.0質量%
ポリオキシエチレンモノステアリン酸ソルビタン(20E.O.)
2.0質量%
親油型モノステアリン酸グリセリル 3.0質量%
パラオキシ安息香酸エステル 0.2質量%
エデト酸二ナトリウム 0.1質量%
水酸化カリウム 0.12質量%
香料 適量
精製水 残部
合計 100.0質量%
下記原料を下記組成となるように混合し、スカルプ化粧料として用いられる頭皮用エモリエントローションとした。
フィチン酸 0.05質量%
グリセリン 5.0質量%
ジプロピレングリコール 10.0質量%
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.75質量%
ヒアルロン酸 0.1質量%
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル
(30E.O.、6P.O.) 0.3質量%
オリーブ油 0.1質量%
エタノール 30.0質量%
ヒドロキシエタンジホスホン酸液 0.1質量%
水酸化カリウム 0.03質量%
精製水 残部
合計 100.0質量%
下記組成からなる原液と、下記組成からなる噴射剤とを質量比(原液/噴射剤)が85/15となるように容器に充填し、医薬部外品のスカルプケア剤として用いられる育毛トニックとした。
〔原液〕
フィチン酸 0.1質量%
イソプロピルメチルフェノール 0.1質量%
ニコチン酸アミド 0.1質量%
D−パンテノール 0.2質量%
メントール 0.5質量%
エタノール 60.0質量%
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(50E.O.) 0.4質量%
酢酸トコフェロール 0.1質量%
水酸化カリウム 0.06質量%
精製水 残部
合計 100.0質量%
〔噴射剤〕
DME/LPG(80/20) 100.0質量%
下記原料を下記組成となるように混合し、医薬部外品のスカルプケア剤として用いられる薬用シャンプーとした。
フィチン酸 0.01質量%
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1質量%
ラウリン酸アミドプロピルベタイン液(30質量%) 10.0質量%
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(2E.O)
10.0質量%
ヤシ油脂肪酸N−メチルエタノールアミド 3.0質量%
塩化O−〔2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル〕
ヒドロキシエチルセルロース 0.5質量%
塩化ナトリウム 0.03質量%
安息香酸ナトリウム 0.3質量%
フェノキシエタノール 0.3質量%
エタノール 5.0質量%
精製水 残部
合計 100.0質量%
Claims (4)
- 皮膚における皮脂の分泌を抑制する皮脂分泌抑制剤であって、有効成分として、皮脂腺細胞分化抑制作用を有する化合物を含有することを特徴とする皮脂分泌抑制剤。
- 前記化合物が、タンニン酸、クロロフィリン金属置換体、没食子酸エピガロカテキンおよびフィチン酸化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項1に記載の皮脂分泌抑制剤。
- 皮膚における皮脂の分泌を抑制する化粧料であって、有効成分として、請求項1または2に記載の皮脂分泌抑制剤を含有することを特徴とする化粧料。
- 皮膚における皮脂の分泌を抑制する皮膚外用剤であって、有効成分として、請求項1または2に記載の皮脂分泌抑制剤を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
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