JPH0235721B2

JPH0235721B2 -

Info

Publication number: JPH0235721B2
Application number: JP58099578A
Authority: JP
Inventors: Masanao Sadai; Hideo Tamai; Kuniaki Adachi; Kenkichi Ooba
Original assignee: Lion Corp
Current assignee: Lion Corp
Priority date: 1983-06-06
Filing date: 1983-06-06
Publication date: 1990-08-13
Also published as: JPS601111A

Description

【発明の詳細な説明】

この発明は皮膚化粧料に関する。従来より、皮膚賦活を目的とした各種の有効成
分を配合した化粧料が知られている。この有効成
分としては、たとえばビタミンＥ、ビタミンＣな
どのビタミン類、ピロリドンカルボン酸などのア
ミノ酸またはその代謝物、アロエまたはそれらの
エキスの薬用植物抽出物等が配合され、皮膚の水
分保持能の向上、血行促進等の皮膚賦活化の有効
成分として用いられている。脂肪酸またはその誘導体が皮膚化粧料に配合さ
れた例としてはオリーブ油、ヒマシ油等の天然植
物油あるいはステアリン酸、オレイン酸を製品基
剤として物性を改善する目的で配合した例が知ら
れている。上述の植物油、動物油等、天然に存在
する各種脂質の構成脂肪酸はステアリン酸、パル
ミチン酸の様な飽和脂肪酸であつてもオレイン
酸、リノール酸の様な不飽和脂肪酸であつてもそ
のほとんど全てが偶数鎖長を有する脂肪酸であ
る。従つて炭素数が奇数の脂肪酸またはその誘導
体を皮膚化粧料に配合した例は知られていない。すなわち、本発明は奇数鎖長の脂肪酸またはそ
の誘導体を有効成分とする皮膚外用化粧料を提供
する。本発明は、皮膚の水分保持能の低下や血行不良
によつて生じるひび、あかぎれ、肌荒れ、しもや
け等の各種皮膚疾患及び皮膚のたるみ、しわ、艷
の消失等、皮膚の老化現象に対して皮膚水分保持
能の向上、皮膚血流量の増大等、皮膚の賦活化を
効率的に高め、予防更には正常化させるものであ
る。本発明の奇数鎖長の脂肪酸またはその誘導体は
角化乾皮症、ひび、あかぎれ、肌荒れ、しもやけ
及びアフターシエービング用薬用クリームやロー
シヨン並びに皮膚のたるみ収れん性、しわ伸展性
及び艷賦与性、皮膚用化粧料、リツプクリーム、
ステイツク、サンケア製品、洗浄剤などの外用化
粧料及び外用薬等の皮膚賦活を目的とした製品に
配合することができる。本発明の成分は油溶成分であるため、乳剤製軟
コウ、油脂性軟コウ、アルコール性ローシヨン等
の剤型に容易に調製できる。しかも本発明の成分は安全性が高く、皮膚に塗
布しても刺激性はなく、従つて外用化粧料等とし
て好適に用いられるものである。なお、本発明の成分を外用剤や化粧料に配合す
る場合適宜な剤型に調製でき、またその配合量は
製品全体の0.01〜30.0（重量％）とすることが好
ましい。上述の如く、奇数鎖長脂肪酸またはその誘導体
は化粧料の一成分として好適に使用することがで
る。化粧料としてはエモリエントクリーム、クレ
ンジングクリーム、フアンデーシヨンクリーム、
マツサージクリーム、バニシングクリーム、ニユ
ートリエントクリーム、ハンドクリーム、サンス
クリーンクリーム、シエービングクリーム等のク
リーム、エモリエントローシヨン、クレンジング
ローシヨン、フアンデーシヨンローシヨン、ハン
ドローシヨン、アストリンゼントローシヨン、ア
フターシエービングローシヨン、サンタンローシ
ヨン、アフターサンバーンローシヨン等のローシ
ヨン、石ケン、パツク、フエイスパウダー、コン
パクトパウダー、タルカムパウダー、ベビーパウ
ダー、デオドラントパウダー等のパウダー、リツ
プステイツク、デオドラントステイツク等のステ
イツク、ルージユ、デオドラントスプレー等のス
プレー、バスソルト、バスオイルその他の皮膚用
化粧料が挙げられる。化粧料は水性タイプ、アル
コールタイプ、Ｗ／Ｏエマルシヨンタイプ、Ｏ／
Ｗエマルシヨンタイプ、Ｗ／Ｏ／Ｗの分散態様を
有する多層エマルシヨンタイプ、粉状タイプ、ス
チツクタイプ、スプレータイプ、ペーストタイプ
等の形態に調製され得る。プロピオン酸（炭素鎖長３）や吉草酸（炭素鎖
長５）のような低級脂肪酸でも、ペンタデカン酸
（炭素鎖長15）やヘプタデカン酸（炭素鎖長17）
のような高級脂肪酸でもよい。この発明の化粧料には、このような奇数鎖長の
脂肪酸のいずれの誘導体をも用いることができ
る。ただし、人体に悪影響を及ぼすものを用いる
ことができないことは言うまでもない。好ましい
誘導体の例として次のものがあげられる。 (イ) 下記一般式〔〕又は〔〕で示されるモノ
グリセライド

【式】

【式】ここで、Ｒは偶数の炭素鎖長を有する直鎖式
飽和脂肪族炭化水素基を表わす。 (ロ) 下記一般式〔〕又は〔〕で示されるジグ
リセライド。

【式】

【式】ここで、R₁及びR₂の少なくともいずれか一
方は偶数の炭素鎖長を有する直鎖式飽和脂肪族
炭化水素基を表わす。R₁又はR₂のいずれか一
方が偶数の炭素鎖長を有する鎖式飽和脂肪族炭
化水素基であればこの発明の効果は得られ、他
の一方は奇数の炭素鎖長を有する鎖式飽和脂肪
族炭化水素基であつてもよい。しかしながら、
奇数鎖長の脂肪酸のジグリセライドであること
が特に好ましい。 (ハ) 下記一般式〔〕で示されるトリグリセライ
ド

〔〕

（RC00）_oＭここで、Ｒは偶数の炭素鎖長を有する直鎖式
飽和脂肪族炭化水素基、Ｍは金属原子、ｎはＭ
の価数に対応した整数を表わす。代表的なもの
はRCOONa、RCOOK、及びRCOOLiなどで
ある。 (ホ) 下記一般式〔〕で表わされるエステル〔〕 RCOOR′ ここで、Ｒは偶数の炭素鎖長を有する直鎖式
飽和脂肪族炭化水素基、R′は１価若しくは２
価アルコール残基、アミン残基、ポリオキシエ
チレン残基、ソルビタン残基、又はシヨ糖残基
を表わす。１価アルコールの典型例はメタノー
ル及びエタノールであり、アミン残基の典型例
はモノ・ジ・トリエタノールアミンである。 (ヘ) 下記一般式〔〕で表わされる第１アミド〔〕 RCONR′R″ ここで、Ｒは偶数の炭素鎖長を有する直鎖式
飽和脂肪族炭化水素基を表す。R′及びR″は水
素又は人体に悪影響を与えることがない有機基
を表わす。 (ト) 下記一般式〔〕で表わされる第２アミド

【式】ここで、R₁及びR₂のうち少なくともどちら
か一方は偶数の炭素鎖長を有する直鎖式飽和脂
肪族炭化水素基を表わす。R₁及びR₂のうち少
なくとも一方が偶数鎖長の飽和脂肪族炭化水素
基であればこの発明の効果を得ることができ、
他のもの及びR′は人体に悪影響を与えないも
のであればどのような有機基であつてもよい。
もつとも、双方とも偶数鎖長の直鎖式飽和脂肪
族炭化水素基であることが特に好ましい。
R′は水素であつてもよい。 (チ) 下記一般式〔〕で表わされる第３アミド

【式】ここで、R₁、R₂及びR₃のうち少なくとも１
つは偶数の炭素鎖長を有する直鎖式飽和脂肪族
炭化水素基を表わす。R₁、R₂及びR₃のうち少
なくとも１つが偶数鎖長の飽和脂肪族炭化水素
基であればこの発明の効果を得ることができ、
他のものは人体に悪影響を与えないものであれ
ばどのような有機基であつてもよい。もつとも、これら３つともが偶数鎖長の直鎖
式飽和脂肪族炭化水素基であることが特に好ま
しい。 (リ) 下記一般式〔XI〕で表わされる二塩基酸及び
その塩〔XI〕 HOOCRCOOH ここで、Ｒは奇数の炭素鎖長を有する直鎖式
飽和脂肪族炭化水素基を表わす。 (ヌ) 下記一般式〔XII〕で表わされるステロールエ
ステルここで、Ｒは偶数の炭素鎖長を有する直鎖式
飽和脂肪族炭化水素基を表わす。 (ル) 下記一般式〔〕で表わされるリン脂質

【式】ここで、R₁及びR₂は鎖式飽和脂肪族炭化水
素基であつて、これらのうち少なくともいずれ
か一方、特に好ましくは双方とも偶数の炭素鎖
長を有する直鎖式飽和脂肪族炭化水素基を表わ
す。Ｘはコリン残基、エタノールアミン残基、
セリン残基、又はイノシトール残基を表わす。
Ｘがコリン残基のときはフオスフアチジルコリ
ン、エタノールアミン残基のときはフオスフア
チジルエタノールアミン、セリン残基のときは
フオスフアチジルセリン、イノシトールのとき
はフオスフアチジルイノシトールとなる。 (ヲ) 下記一般式〔〕で表わされるフオスフ
アチジン酸

【式】ここで、R₁及びR₂は鎖式飽和脂肪族炭化水
素基であつて、これらのうち少なくともどちら
か一方、特に好ましくは双方とも偶数の炭素鎖
長を有する直鎖式飽和脂肪族炭化水素基を表わ
す。 (ワ) 下記一般式〔〕で表わされるスフイン
ゴ脂質ここで、Ｒは偶数の炭素鎖長を有する直鎖式
飽和脂肪族炭化水素基、Ｘは糖残基、リン酸残
基、又はコリン若しくはエタノールアミンのよ
うなアミン塩基残基を表わす。本発明に係る奇数鎖長の脂肪酸及びその誘導体
の皮膚賦活効果を皮膚水分保持能、皮膚血流量の
測定により試験した。試験した物質は、各種鎖長の奇数鎖長及び偶数
鎖長の脂肪酸並びにこれらの表に示す各種誘導体
である。被験試料はこれらの被験物質をエタノールに溶
解して調整した。被験物質の濃度は0.3、1.0、3.0
重量％である。更に本試験ではコントロールとし
て被験物質を含まないエタノールを試験した。平常のヒトの前腕部位を軽く石鹸で洗浄し、皮
脂を除去し、１時間後に平常時の皮膚の電導度
（Casual値）と血流量（レーザードツプラー血流
計）を測定した。皮膚の電導度の値は皮膚が保持
する水分量に比例している事から皮水分保持能の
評価に用いた。試験は各被験試料0.3％、1.0％、3.0％（重量）
エタノール溶液を１日に４回、２週間連続して塗
布した。そして、最終塗布後２時間目に塗布部位
を石鹸で洗浄し、１時間後に、皮膚水分保持能を
皮膚電導度により、血流量をレーザードツプラー
血流計により測定し、各々Casual値を100とした
場合の増加率を表−１（皮膚水分保持能）、表−２
（血流量）にまとめた。これらの表より、奇数鎖長の脂肪酸、そのグリ
セライド及びその他の誘導体は同程度の鎖長を有
する偶数鎖長の脂肪酸及びその誘導体に比べ、顕
著な皮膚賦活作用を有していることが明らかにな
つた。次にこの発明の実施例として、この発明の化粧
料の種々の形態をその組成（重量％）とともに示
す。配合例１親水性軟膏白色ワセリン 25％ステアリルアルコール 22％プロピレングリコール 12％ラウリル硫酸ナトリウム 12％パラオキシ安息香酸エチル 0.025％〃〃プロピル 0.015％ｎ−トリヘンデカノイン 10.0％香料 0.5％精製水 18.6％配合例２ポリエチレングリコール軟膏ポリエチレングリコール4000 50.0％〃〃 400 45.0％ｎ−トリデカノイン 5.0％配合例３アフターシエービングローシヨングリセリン 4.0％ホウ酸 1.0％エタノール 18.0％メントール 0.1％ｎ−ペンタデカノイン 3.0％香料 0.3％精製水 73.6％配合例４液状クリーム（Ｏ／Ｗエマルシヨンタイプ）ステアリン酸 1.5％セチルアルコール 1.5％ワセリン 4.0％液状パラフイン 8.0％ポリオキシエチレン（10モル）モノオレート
2.0％トリエタノールアミン 1.0％ｎ−ヘプタデカン酸 4.0％香料 0.5％精製水 77.5％配合例５シエービングクリームステアリン酸 22.0％ヤシ油 10.0％パーム油 5.0％水酸化カリウム 7.0％水酸化ナトリウム 1.5％グリセリン 10.0％ｎ−ノナデカン酸 8.0％香料 0.5％精製水 36.0％配合例６デオドラントステイツク酸化亜鉛 12.0％パラフインワツクス 12.0％ミツロウ 20.0％ワセリン 20.0％液状パラフイン 25.5％アルミニウムハイドロクロライド 5.0％トリヘプタデカノイン 5.0％香料 0.5％

【表】

Claims

【特許請求の範囲】１炭素原子数３〜25の奇数の炭素鎖長を有する
直鎖式飽和脂肪族カルボン酸又はその誘導体を有
効成分とする皮膚用化粧料であつて、前記誘導体
は、 (イ) 下記一般式［］又は［］で示されるモノ
グリセライド【式】【式】（ただし、Ｒは炭素原子数２〜24の偶数の炭素
鎖長を有する直鎖式飽和脂肪族炭化水素基を表
す） (ロ) 下記一般式［］又は［］で示されるジグ
リセライド【式】【式】（ただし、R₁及びR₂は直鎖式飽和脂肪族炭化
水素基であつて、これらのうち少なくとも一方
は炭素原子数２〜24の偶数の炭素鎖長を有する
直鎖式飽和脂肪族炭化水素基を表す） (ハ) 下記一般式［］で示されるトリグリセライ
ド【式】（ただし、R₁、R₂及びR₃は直鎖式飽和脂肪族
炭化水素基であつて、これらのうち少なくとも
一つは炭素原子数２〜24の偶数の炭素鎖長を有
する直鎖式飽和脂肪族炭化水素基を表す） (ニ) 下記一般式［］で示される脂肪族カルボン
酸塩［］（RCOO）_oＭ（ただし、Ｒは炭素原子数２〜24の偶数の炭素
鎖長を有する直鎖式飽和脂肪族炭化水素基、Ｍ
は金属原子、ｎはＭの価数に対応した整数を表
す） (ホ) 下記一般式［］で示される脂肪族カルボン
酸エステル［］ RCOOR′ （ただし、Ｒは炭素原子数２〜24の偶数の炭素
鎖長を有する直鎖式飽和脂肪族炭化水素基、
R′は１価若しくは２価アルコール残基、アミ
ン残基、ポリオキシエチレン残基、ソルビタン
残基又はシヨ糖残基を表す） (ヘ) 下記一般式［］で示される脂肪族カルボン
酸第１アミド［］ RCONR′R″ （ただし、Ｒは炭素原子数２〜24の偶数の炭素
鎖長を有する直鎖式飽和脂肪族炭化水素基、
R′、R″は水素、アルキル基又はヒドロキシア
ルキル基を表す） (ト) 下記一般式［］で示される脂肪族カルボン
酸第２アミド【式】（ただし、R₁及びR₂は直鎖式飽和脂肪族炭化
水素基であつて、これらのうち少なくともいず
れか一方は炭素原子数２〜24の偶数の炭素鎖長
を有する直鎖式飽和炭化水素基、R′は水素、
アルキル基又はヒドロキシアルキル基を表す） (チ) 下記一般式［］で示される脂肪族カルボン
酸第３アミド【式】（ただし、R₁、R₂及びR₃は直鎖式飽和脂肪族
炭化水素基であつて、これらのうち少なくとも
一つは炭素原子数２〜24の偶数の炭素鎖長を有
する直鎖式飽和脂肪族炭化水素基を表す） (リ) 下記一般式［XI］で示される二塩基性脂肪族
カルボン酸又はその塩［XI］ HOCORCOOH （ただし、Ｒは炭素原子数１〜23の奇数の炭素
鎖長を有する直鎖式飽和脂肪族炭化水素基を表
す） (ヌ) 下記一般式［XII］で表されるステロールエス
テル（ただし、Ｒは炭素原子数２〜24の偶数の炭素
鎖長を有する直鎖式飽和脂肪族炭化水素基を表
す） (ル) 下記一般式［］で示されるリン脂質【式】（ただし、R₁及びR₂は直鎖式飽和脂肪族炭化
水素基であつて、これらのうち少なくともいず
れか一方は炭素原子数２〜24の偶数の炭素鎖長
を有する直鎖式飽和脂肪族炭化水素基、Ｘはコ
リン残基、エタノールアミン残基、セリン残基
又はイノシトール残基を表す） (ヲ) 下記一般式［］で示されるフオスフア
チジン酸【式】（ただし、R₁及びR₂は直鎖式飽和脂肪族炭化
水素基であつて、これらのうち少なくともいず
れか一方は炭素原子数２〜24の偶数の炭素鎖長
を有する直鎖式飽和脂肪族炭化水素基を表す）、
並びに (ワ) 下記一般式［］で示されるスフインゴ
脂質（ただし、Ｒは炭素原子数２〜24の偶数の炭素
鎖長を有する直鎖式飽和脂肪族炭化水素基、Ｘ
は糖残基、リン酸残基又はアミン塩基残基を表
す）から成る群より選ばれるものである皮膚用化粧
料。