JP2015165118A - エンジン及びエンジンの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸気バルブの閉弁時期がピストン下死点後に設定されるエンジンにおいて、始動性を改善することができるエンジン、及びエンジンの制御装置を提供することを目的とする。【解決手段】油圧式の位相制御機構300及びリフト・作動角制御機構210を備え、吸気バルブ31の閉弁時期がピストン下死点後に設定されるとともに、ミラーサイクル運転を実行可能なエンジン1において、位相制御機構300は、エンジン始動時における吸気バルブ31の作動中心角を最遅角位置よりも進角側の位置に設定するため、エンジン停止後に内部ロータ310が最遅角位置よりも進角側の位置で停止するように構成される、ことを特徴とする。【選択図】図6

Description

本発明は、エンジン及びエンジンの制御装置に関する。
特許文献1には、下死点後に吸気バルブを閉じることで、遅閉じミラーサイクル運転を実行するエンジンが開示されている。
特開2008−2273号公報
このような遅閉じミラーサイクル運転を実行するエンジンには、吸気バルブのバルブタイミングを制御するために、吸気バルブのリフト量及び作動角を制御するリフト・作動角制御機構や、吸気バルブの開弁期間の中心角(作動中心角)を制御する位相制御機構が設けられる。
本願発明者の知見によれば、遅閉じミラーサイクル運転を実行するエンジンでは、エンジン運転状態によらず、吸気バルブの閉弁時期は下死点後に設定されることが望ましい。仮にエンジン運転状態が低負荷状態から高負荷状態に移行する際に下死点前に設定されていた吸気バルブの閉弁時期が下死点を跨ぐように制御される場合には、吸気バルブの閉弁時期の変更過程において有効圧縮比が高まり、プレイグニッションが発生するおそれがある。
また、上記したエンジンの位相制御機構は、油圧式の位相制御機構であって、初期状態(エンジン始動時)において吸気バルブの作動中心角が最遅角位置に設定される位相制御機構が一般的に用いられる。この位相制御機構は、いわゆる進角VTCであって、初期状態からは進角側にのみ位相制御が可能なバルブタイミング装置である。このような位相制御機構を用いた場合、エンジン始動時に吸気バルブの作動中心角が最遅角位置に設定され、さらにエンジン始動時の吸気量の確保及び筒内温度の低下の抑制を考慮して、エンジン始動時の吸気バルブのバルブタイミングは図9に示すように設定される。
図9に示すバルブタイミングでは、排気バルブの開弁期間と吸気バルブの開弁期間とが重ならないマイナスオーバラップが形成され、特に吸気バルブの開弁時期はピストン上死点から遅角側に大きく離れた位置に設定される。このように吸気バルブの開弁時期が設定されると、排気バルブ及び吸気バルブが閉じた状態でピストンが下降することとなり、ポンピングロスが増大して、エンジンの始動性が悪化してしまう。
そこで、本発明は、上記した問題点に鑑みてなされたものであり、吸気バルブの閉弁時期がピストン下死点後に設定されるエンジンにおいて、始動性を改善することができるエンジン、及びエンジンの制御装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、吸気バルブの作動中心角を制御する油圧式の位相制御機構と、吸気バルブのリフト量及び作動角を制御するリフト・作動角制御機構と、を備え、吸気バルブの閉弁時期がピストン下死点後に設定されるエンジンが提供される。位相制御機構は、クランクシャフトと連動して回転するカムスプロケットと、吸気カムシャフトの端部に固定され、カムスプロケットに対して相対回転可能なようにカムスプロケット内に収容される内部ロータと、を備える。さらに、位相制御機構は、エンジン始動時における吸気バルブの作動中心角を最遅角位置よりも進角側の位置に設定するため、エンジン停止後に内部ロータが最遅角位置よりも進角側の位置で停止するように構成される。
本発明の一態様によるエンジンでは、エンジン始動時には内部ロータが最遅角位置よりも進角側の位置で停止しているため、エンジン始動時における吸気バルブの作動中心角は最遅角位置よりも進角側の位置に設定される。そのため、このエンジンでは、上記した従来のエンジンと比較して、エンジン始動時における吸気バルブの開弁時期をピストン上死点に近づけることができる。これにより、ピストン下降時におけるポンピングロスを低減でき、エンジン始動性を改善することが可能となる。
図1は、本発明の実施形態によるエンジンの制御装置の概略構成図である。 図2は、リフト・作動角制御機構及び位相制御機構を有する可変動弁装置の斜視図である。 図3は、可変動弁装置の位相制御機構の概略構成図である。 図4は、吸気バルブのリフト特性を示す図である。 図5は、ミラーサイクル運転時におけるバルブタイミングを示す図である。 図6は、エンジン始動時におけるバルブタイミングを示す図である。 図7は、燃費優先運転状態でのミラーサイクル運転時におけるバルブタイミングを示す図である。 図8は、エンジン始動時におけるバルブタイミングの変形例を示す図である。 図9は、従来例によるエンジンのエンジン始動時におけるバルブタイミングを示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態によるエンジン1の制御装置100の概略構成図である。
図1に示すように、エンジン1の制御装置100は、車両に搭載されるエンジン1と、エンジン1を制御するコントローラ60と、を備える。
エンジン1は、直列4気筒エンジンであって、シリンダブロック10と、シリンダブロック10の上側に配置されるシリンダヘッド20と、を備える。
シリンダブロック10には、シリンダ11が形成される。シリンダ11内には、ピストン12が摺動自在に設けられる。シリンダ11の壁面と、ピストン12の冠面と、シリンダヘッド20の下面とによって、燃焼室13が形成される。
シリンダヘッド20には、吸気通路からの吸気を燃焼室13に導く吸気ポート30と、燃焼室13からの排気を排気通路へ導く排気ポート40とが形成される。なお、エンジン1は、1つのシリンダ11に対して2つの吸気ポート30及び2つの排気ポート40を備えている。
吸気ポート30には、吸気バルブ31が設けられる。吸気バルブ31は、可変動弁装置200の揺動カム250によって駆動され、ピストン12の上下動に応じて吸気ポート30を開閉する。可変動弁装置200は、吸気バルブ31のリフト量及び作動角を変化させるとともに、吸気バルブ31の作動中心角を変化させる装置である。可変動弁装置200の詳細については、図2〜図4を参照して後述する。なお、可変動弁装置200はコントローラ60によって制御される。
排気ポート40には、排気バルブ41が設けられる。排気バルブ41は、排気カムシャフトに設けられた排気カム42によって駆動され、ピストン12の上下動に応じて排気ポート40を開閉する。
エンジン1は、燃焼室内13内に燃料を供給する燃料噴射弁51と、燃焼室13内の混合気を点火する点火プラグ52と、をさらに備えている。
燃料噴射弁51は、吸気ポート30の下側のシリンダヘッド20に設置される。燃料噴射弁51は、燃料タンクから供給された燃料を燃焼室13内に噴射する。燃焼室13内には、燃料噴射弁51によって噴射された燃料と、吸気ポート30から導入された吸気とにより、混合気が形成される。
点火プラグ52は、シリンダヘッド20に設けられ、吸気ポート30と排気ポート40との間に配置される。点火プラグ52は、その点火部分が燃焼室13内に臨むように配置される。点火プラグ52は、エンジン運転状態に応じて設定された所定の点火タイミングで混合気に点火する。
コントローラ60は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。
コントローラ60には、所定クランク角ごとにクランク角信号を生成するクランク角センサ61からの信号や、アクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルペダルセンサ62からの信号のほか、エンジン1の運転状態に関する各種信号が入力される。クランク角センサ61の検出信号はエンジン回転速度を代表する信号であり、アクセルペダルセンサ62の検出信号はエンジン負荷を代表する信号である。
コントローラ60は、各種センサからの信号等に基づいて、吸気バルブ31のバルブタイミングや、燃料噴射弁51の噴射タイミング、点火プラグ52の点火タイミングを調整する。
次に、図2から図4を参照して、エンジン1に設けられる可変動弁装置200について説明する。
図2は、リフト・作動角制御機構210及び位相制御機構300を有する可変動弁装置200の斜視図である。図3は、可変動弁装置200の位相制御機構300の概略構成図である。図4は、吸気バルブ31のリフト特性を示す図である。
エンジン1は複数の吸気バルブ31を備え、図2に示すようにこれら吸気バルブ31は単一の可変動弁装置200によって駆動される。
可変動弁装置200は、吸気バルブ31のリフト量及び作動角を制御するリフト・作動角制御機構210と、吸気バルブ31の作動中心角を制御する位相制御機構300とから構成されている。
リフト・作動角制御機構210は、複数の吸気バルブ31を駆動する複数の揺動カム250を備える。揺動カム250は、シリンダ配列方向に延びる吸気カムシャフト221の外周に揺動自在に設けられる。揺動カム250は、バルブリフタを介して吸気バルブ31を駆動する。隣接する揺動カム250は、吸気カムシャフト221の外周に回動自在に支持された連結筒221Aを介して同一位相で連結されている。
吸気カムシャフト221の端部は、後述する位相制御機構300に連結されている。吸気カムシャフト221は、エンジン1のクランクシャフトの回転と同期して回転するように構成されている。吸気カムシャフト221には、偏心カム222が圧入等によって固定される。偏心カム222は円形の外周面を有しており、その外周面の中心は吸気カムシャフト221の軸心から所定量オフセットされている。吸気カムシャフト221がクランクシャフトと連動して回転すると、偏心カム222は吸気カムシャフト221の軸心回りに回転する。偏心カム222の外周面には、第1リンク223の基端側の環状部224が回転可能に嵌合する。
吸気カムシャフト221と平行に配置される制御軸231には、ロッカアーム226が設けられる。ロッカアーム226は、制御軸231に形成した偏心カム232の外周に揺動自在に支持される。ロッカアーム226は、外側に向かって突出する両端を有する。ロッカアーム226の一端には、第1リンク223の先端が連結ピン225を介して連結する。ロッカアーム226の他端には、連結ピン227を介して第2リンク228の上端が連結する。第2リンク228の下端は、連結ピン229を介して揺動カム250の先端部分に連結する。
吸気カムシャフト221がクランクシャフトと連動して回転すると、偏心カム222が回転し、これにより第1リンク223が上下方向に揺動する。第1リンク223の揺動によりロッカアーム226が偏心カム232の軸周りに揺動し、これに伴って第2リンク228が上下に揺動する。これにより、複数の揺動カム250が、吸気カムシャフト221の軸回りに所定の回転角度範囲で揺動する。このように揺動カム250が揺動することで、吸気バルブ31が吸気ポート30を開閉する。
制御軸231の一端には、ギア241を介して、回転アクチュエータ242が設けられている。回転アクチュエータ242は、サーボモータ等から構成された電動式アクチュエータであって、コントローラ60からの制御信号に基づいて制御軸231を回転させる。回転アクチュエータ242によって制御軸231の回転角度を変化させることで、ロッカアーム226の揺動中心となる偏心カム232の軸心が制御軸231周りを移動し、これに伴いロッカアーム226の支点が変位する。これにより、第1リンク223及び第2リンク228の姿勢を変化させることができ、揺動カム250の揺動特性を変更することが可能となる。
したがって、リフト・作動角制御機構210では、回転アクチュエータ242の動作に基づいて吸気バルブ31のリフト量及び作動角を制御することができる。つまり、リフト・作動角制御機構210によれば、図4の実線で示すように吸気バルブ31のリフト量及び作動角を連続的に変化させることができ、リフト量及び作動角を同時に拡大、縮小することが可能となる。
次に、可変動弁装置200の位相制御機構300について説明する。
図2及び図3に示すように、位相制御機構300は、吸気カムシャフト221の一方の端部に設けられている。図3に示すように、位相制御機構300は、吸気カムシャフト221が固定される内部ロータ310と、内部ロータ310を収容可能に構成されたカムスプロケット320と、を備えている。
内部ロータ310は、吸気カムシャフト221の一方の端部に固定される。内部ロータ310の外周には、複数(例えば3つ)のベーン311が径方向に突出して形成される。内部ロータ310は、カムスプロケット320に対して相対回転可能なように、当該カムスプロケット320内に配置される。
カムスプロケット320の外周面にはチェーンが巻き掛けられており、クランクシャフトからの回転駆動力がチェーンを介してカムスプロケット320に伝達される。カムスプロケット320は、クランクシャフトの回転に伴って回転する。カムスプロケット320の内部には、内部ロータ310を収容するための収容空間が形成されている。また、カムスプロケット320内にはその内周面から突出する3つの突部321が形成されており、隣り合う突部321の間には凹空間322が画成されている。
内部ロータ310は、凹空間322内にベーン311が位置するように、カムスプロケット320に配置される。凹空間322は、ベーン311と突部321とによって、2つの油圧室330、340に隔てられる。ベーン311に対してカムスプロケット320の回転方向A側の油圧室は遅角油圧室330となり、その反対側の油圧室が進角油圧室340となる。なお、進角油圧室340内には、内部ロータ310がカムスプロケット320の回転方向A側に回転するようベーン311を付勢するスプリング341が設けられている。
進角油圧室340は進角油路362を通じてソレノイドバルブ350に接続され、遅角油圧室330は遅角油路361を通じてソレノイドバルブ350に接続される。ソレノイドバルブ350には、進角油路362及び遅角油路361のほかに、オイル貯留部380からの作動油を流すオイル供給路363と、オイル貯留部380に作動油を戻すドレン通路364とが接続される。オイル供給路363の途中には、オイル貯留部380内の作動油を圧送するオイルポンプ370が設けられる。
ソレノイドバルブ350は、作動油が流れる経路を変更する3つの切替位置A、B、Cを備える。コントローラ60は、ソレノイドバルブ350への通電量を制御して切替位置A、B、Cを切り替え、進角油圧室340及び遅角油圧室330内の作動油の油圧を調整する。
ソレノイドバルブ350の切替位置が切替位置Aに制御された場合には、オイル貯留部380内の作動油が遅角油路361及びオイル供給路363を通って遅角油圧室330に供給される。一方で、進角油圧室340の作動油が進角油路362及びドレン通路364を通ってオイル貯留部380に排出される。これにより、遅角油圧室330内の作動油の油圧が進角油圧室340内の作動油の油圧よりも高くなり、内部ロータ310がスプリング341の付勢力に抗してカムスプロケット320の回転方向Aとは反対方向に回転する。その結果、カムスプロケット320に対する吸気カムシャフト221の位相が遅角され、吸気バルブ31の作動中心角が図4の破線に示すように遅角制御される。
これに対して、ソレノイドバルブ350の切替位置が切替位置Bに制御された場合には、オイル貯留部380内の作動油が進角油路362及びオイル供給路363を通って進角油圧室340に供給される。一方で、遅角油圧室330の作動油が遅角油路361及びドレン通路364を通ってオイル貯留部380に排出される。これにより、進角油圧室340内の作動油の油圧が遅角油圧室330内の作動油の油圧よりも高くなり、内部ロータ310がカムスプロケット320の回転方向Aと同方向に回転する。その結果、カムスプロケット320に対する吸気カムシャフト221の位相が進角され、吸気バルブ31の作動中心角が図4の破線に示すように進角制御される。
なお、ソレノイドバルブ350の切替位置が切替位置Cに制御された場合には、各油圧室330、340と、オイル供給路363及びドレン通路364との接続が遮断される。これにより、カムスプロケット320に対する吸気カムシャフト221の位相は一定に保持される。
上記した位相制御機構300によれば、遅角油圧室330及び進角油圧室340内の油圧を調整することで、吸気カムシャフト221とカムスプロケット320の相対回転位相を変更できる。これにより、吸気バルブ31の作動中心角を遅角制御又は進角制御することが可能となる。
なお、エンジン1が停止されると、位相制御機構300のソレノイドバルブ350の切替位置は切替位置Bに設定さるとともにオイルポンプ370も停止され、両油圧室330、340内の油圧は低下する。このように油圧が低下すると、内部ロータ310は、スプリング341の付勢力によりカムスプロケット320の回転方向Aに回転し、図3に示すような最進角位置で停止する。したがって、エンジン始動時(初期状態)においては、位相制御機構300は最進角状態となっており、吸気バルブ31の作動中心角は最進角位置に設定されることとなる。このように、位相制御機構300は、いわゆる遅角VTCであって、初期状態からは遅角側にのみ位相制御が可能なバルブタイミング装置として構成されている。
ところで、本実施形態によるエンジン1は、可変動弁装置200により吸気バルブ31のバルブタイミングを調整し、遅閉じミラーサイクル運転を実行することで、燃費性能を高めるように構成されている。遅閉じミラーサイクル運転時には、図5に示すように、吸気バルブ31の開弁時期(IVO)がピストン上死点近傍に設定され、閉弁時期(IVC)がピストン下死点後90度近傍に設定される。この時、排気バルブ41の開弁時期(EVO)はピストン下死点前に設定されており、排気バルブ41の閉弁時期(EVC)はピストン上死点近傍に設定されている。
また、エンジン1では、運転状態に応じて吸気バルブ31のバルブタイミングが調整されるが、吸気バルブ31の閉弁時期は運転状態によらずピストン下死点後に設定されるようになっている。つまり、本実施形態では、吸気バルブ31の閉弁時期がピストン下死点を跨ぐように制御されることはない。
ところで、遅閉じミラーサイクル運転を実行するエンジンの位相制御機構として、油圧が低下するエンジン停止後に最遅角状態となる位相制御機構(いわゆる進角VTC)を用いた場合、エンジン始動時における吸気バルブのバルブタイミングは前述の通り図9に示すようなタイミングに設定される。したがって、エンジン始動時には位相制御機構が最遅角状態となり、吸気バルブの作動中心角がθ(ピストン下死点寄りの位置)に設定されるため、吸気バルブの開弁時期はピストン上死点から遅角側に大きく離れた位置に設定されることとなる。このように吸気バルブの開弁時期が設定されると、ピストン下降時におけるポンピングロスが大きくなり、エンジンの始動性が悪化する。
なお、図9に示した吸気バルブのバルブタイミングにおいて、ポンピングロス低減のために、リフト・作動角制御機構により吸気バルブの作動角を拡大して、吸気バルブの開弁時期をピストン上死点側に近づけることも考えられる。しかしながら、リフト・作動角制御機構により吸気バルブの作動角を拡大すると、吸気バルブの閉弁時期がより遅角側に設定されてしまう。吸気バルブの閉弁時期が図9に示す閉弁時期よりも遅角側になると、筒内温度が低下しやすくなり、筒内温度低下に起因して始動性が悪化してしまう。このような理由から、図9に示した吸気バルブのバルブタイミングにおいては、吸気バルブの作動角をこれ以上拡大することはできず、エンジンの始動性の悪化を回避することができない。
一方、本実施形態によるエンジン1では、エンジン始動時における吸気バルブ31及び排気バルブ41のバルブタイミングは図6に示すように設定される。
本実施形態では、可変動弁装置200の位相制御機構300は油圧が低下するエンジン停止後に最進角状態となる油圧式位相制御機構であるため、エンジン始動時における吸気バルブ31の作動中心角θは従来手法における作動中心角θ(図9参照)よりも進角側に設定される。吸気バルブ31の作動角は従来手法の作動角と同じであるが、吸気バルブ31の作動中心角が進角しているため、吸気バルブ31の開弁時期及び閉弁時期は図9のものと比べて進角側に設定される。つまり、吸気バルブ31の開弁時期はピストン上死点後30°程度に設定され、吸気バルブ31の閉弁時期はピストン下死点直後に設定される。
上記の通り、エンジン1では、エンジン始動時に位相制御機構300が最進角状態となるため、吸気バルブ31の開弁時期をマイナスオーバラップが小さくなるようにピストン上死点に近づけることができる。これにより、ピストン下降時におけるポンピングロスを低減でき、エンジン1の始動性を改善することが可能となる。
また、本実施形態によるエンジン1では、車両が平坦路等を一定速度で走行する場合等、燃費性能を優先させるような運転状態において、吸気バルブ31及び排気バルブ41は図7に示すようなバルブタイミングに設定される。コントローラ60は、クランク角センサ61及びアクセルペダルセンサ62の検出信号に基づいて、燃費性能を優先させるような運転状態であるか否かを判定する。このように、コントローラ60は、エンジン1の運転状態が燃費優先運転状態であるか否かを判定する運転状態判定部としての機能を有している。
燃費優先運転状態であると判定された場合には、コントローラ60は、吸気バルブ31の作動中心角がエンジン始動時よりも遅角するように位相制御機構300を制御するとともに、吸気バルブ31のリフト量及び作動角が最大となるようにリフト・作動角制御機構210を制御する。その結果、図7に示すように、吸気バルブ31の作動中心角θは、エンジン始動時における作動中心角θよりも遅角側に設定される。また、吸気バルブ31の開弁時期はマイナスオーバラップを形成するようにピストン上死点後30°程度の位置に設定され、吸気バルブ31の閉弁時期はピストン下死点後90°以降、より具体的にはピストン下死点後130°程度の位置に設定される。
なお、排気バルブ41のバルブタイミングは、図5の通常ミラーサイクル運転時や図6のエンジン始動時における排気バルブ41のバルブタイミングと同じタイミングに設定されている。
図7に示すように、吸気バルブ31の開弁時期をピストン上死点に近づけることでピストン下降時のポンピングロスを低減でき、さらに吸気バルブ31の閉弁時期をピストン下死点から大きく遅角させることで運転状態に悪影響を与えない範囲で有効圧縮比を低下させることができる。これにより、燃費性能を優先させるような運転状態において、ミラーサイクル運転の効果を高めることができ、エンジン1の燃費性能をさらに改善することが可能となる。
上記したエンジン1及びエンジン1の制御装置100によれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態によるエンジン1は、吸気バルブ31の作動中心角を制御する油圧式の位相制御機構300と、吸気バルブ31のリフト量及び作動角を制御するリフト・作動角制御機構210と、を備える。エンジン1は、ミラーサイクル運転を実行可能なエンジンであって、吸気バルブ31の閉弁時期が運転状態によらずピストン下死点後に設定されるように構成されている。位相制御機構300は、クランクシャフトと連動して回転するカムスプロケット320と、吸気カムシャフト221の端部に固定され、カムスプロケット320に対して相対回転可能なようにカムスプロケット320内に収容される内部ロータ310と、を備える。そして、位相制御機構300は、エンジン始動時における吸気バルブ31の作動中心角を最遅角位置よりも進角側の位置(最進角位置)に設定するため、エンジン停止後に内部ロータ310が最遅角位置よりも進角側の位置(最進角位置)で停止するように構成されている。
上記のように構成されたエンジン1では、エンジン始動時に位相制御機構300は最進角状態となっているため、図6に示すように吸気バルブ31の開弁時期をマイナスオーバラップが小さくなるようにピストン上死点に近づけることができる。これにより、エンジン1では、エンジン始動後に最遅角状態となる位相制御機構を有する従来のエンジンと比較して、ピストン下降時におけるポンピングロスを低減でき、始動性を改善することが可能となる。
また、エンジン1では、燃費性の高いミラーサイクル運転を実行できる。さらに、エンジン1では、吸気バルブ31の閉弁時期がピストン下死点を跨ぐように制御されることがないので、エンジン運転状態が燃費点から高負荷状態に移行する場合等において有効圧縮比が急激に高まることがなく、プレイグニッションの発生を抑制できる。
本実施形態によるエンジン1の制御装置100は、エンジン1を統括的に制御するコントローラ60を備える。コントローラ60は、エンジン運転状態に応じて位相制御機構300及びリフト・作動角制御機構210を制御する制御部として機能するとともに、エンジン運転状態が燃費性を優先させる運転状態であるか否かを判定する運転状態判定部として機能する。そして、コントローラ60は、エンジン運転状態が燃費優先運転状態である場合、吸気バルブ31の作動中心角がエンジン始動時よりも遅角するように位相制御機構300を制御し、吸気バルブ31のリフト量及び作動角がエンジン始動時よりも拡大するようにリフト・作動角制御機構210の回転アクチュエータ242を制御することで、吸気バルブ31の閉弁時期をピストン下死点後90°以降に設定する。
これにより、図7に示すように、吸気バルブ31の開弁時期をピストン上死点に近づけることでピストン下降時のポンピングロスを低減でき、さらに吸気バルブ31の閉弁時期をピストン下死点から大きく遅角させることで運転状態に悪影響を与えない範囲で有効圧縮比を低下させることができる。したがって、燃費性能を優先させるような運転状態において、ミラーサイクル運転の効果を高めることができ、エンジン1の燃費性能をさらに改善することが可能となる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
例えば、エンジン始動時の吸気バルブ31のバルブタイミングは、図6に示すようなバルブタイミングではなく、図8に示すようなバルブタイミングであってもよい。
コントローラ60は、位相制御機構300が最進角状態となっているエンジン始動時に、吸気バルブ31のリフト量及び作動角を拡大させるようにリフト・作動角制御機構210の回転アクチュエータ242を制御する。これにより、エンジン始動時における吸気バルブ31の開弁時期は、図8に示すように吸気バルブ31及び排気バルブ41の開弁期間がオーバラップするようにピストン上死点前に設定される。一方、吸気バルブ31の閉弁時期は、ピストン下死点後、より具体的には筒内温度が低下しすぎない範囲でピストン下死点よりも遅角した位置に設定される。図8における吸気バルブ31の閉弁時期は、図9における吸気バルブの閉弁時期と同じである。
図8に示すようにエンジン始動時に排気バルブ41の開弁期間と吸気バルブ31の開弁期間とをオーバラップさせることで、ポンピングロスを低減しつつ内部EGRを実行することができ、エンジン1の始動性をより改善することが可能となる。また、エンジン始動時に吸気バルブ31の作動角を拡大させても、吸気バルブ31の作動中心角は最進角位置に設定されているので、吸気バルブ31の閉弁時期が遅角されすぎることがなく、筒内温度の低下を招くことがない。
本実施形態では、可変動弁装置200の位相制御機構300は、エンジン1が停止した後に内部ロータ310が最進角位置で停止する遅角VTCとして構成されている。しかしながら、位相制御機構300は、エンジン1が停止した後に内部ロータ310が最進角位置と最遅角位置との間の位置で停止する、いわゆる中間ロックVTCとして構成されてもよい。位相制御機構300として中間ロックVTCを用いた場合であっても、エンジン始動時における吸気バルブ31の作動中心角を最遅角位置よりも進角側に設定することができ、図6及び図8に示したようなバルブタイミングを実現することができる。
1 エンジン
31 吸気バルブ
41 排気バルブ
60 コントローラ
200 可変動弁装置
210 リフト・作動角制御機構
221 吸気カムシャフト
222 偏心カム
223 第1リンク
226 ロッカアーム
228 第2リンク
231 制御軸
232 偏心カム
241 ギア
242 回転アクチュエータ
250 揺動カム
300 位相制御機構
310 内部ロータ
311 ベーン
320 カムスプロケット
330 遅角油圧室
340 進角油圧室

Claims (3)

  1. 吸気バルブの作動中心角を制御する油圧式の位相制御機構と、前記吸気バルブのリフト量及び作動角を制御するリフト・作動角制御機構と、を備え、前記吸気バルブの閉弁時期がピストン下死点後に設定されるエンジンにおいて、
    前記位相制御機構は、
    クランクシャフトと連動して回転するカムスプロケットと、
    吸気カムシャフトの端部に固定され、前記カムスプロケットに対して相対回転可能なように前記カムスプロケット内に収容される内部ロータと、を備えるとともに、
    エンジン始動時における前記吸気バルブの作動中心角を最遅角位置よりも進角側の位置に設定するため、エンジン停止後に前記内部ロータが最遅角位置よりも進角側の位置で停止するように構成される、
    ことを特徴とするエンジン。
  2. 請求項1に記載のエンジンを制御する制御装置であって、
    エンジン運転状態に応じて前記位相制御機構及び前記リフト・作動角制御機構を制御する制御部を備え、
    前記リフト・作動角制御機構は、電動式アクチュエータの動作に基づいて前記吸気バルブのリフト量及び作動角を変更可能に構成されており、
    前記制御部は、エンジン始動時に前記アクチュエータを制御することで、排気バルブの開弁期間と前記吸気バルブの開弁期間とがオーバラップするように前記吸気バルブの開弁時期をピストン上死点前に設定する、
    ことを特徴とするエンジンの制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載のエンジンの制御装置であって、
    エンジン運転状態に応じて前記位相制御機構及び前記リフト・作動角制御機構を制御する制御部と、
    前記エンジンの運転状態が燃費性を優先させる燃費優先運転状態であるか否かを判定する運転状態判定部と、を備え、
    前記リフト・作動角制御機構は、電動式アクチュエータの動作に基づいて前記吸気バルブのリフト量及び作動角を変更可能に構成されており、
    前記制御部は、前記エンジンの運転状態が燃費優先運転状態である場合、前記吸気バルブの作動中心角がエンジン始動時より遅角するように前記位相制御機構を制御し、前記吸気バルブのリフト量及び作動角がエンジン始動時より拡大するように前記アクチュエータを制御することで、前記吸気バルブの閉弁時期をピストン下死点後90°以降に設定する、
    ことを特徴とするエンジンの制御装置。
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