JP2015163726A - ニッケル粉末の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】湿式法において、高価なニッケルより貴な金属の含有濃度を上昇させることなく、平均粒径が小さく、均一な粒度分布を有するとともに、連結粒子や粗大粒子が少ないニッケル粉末を提供する。
【解決手段】ニッケルよりも貴な金属の塩と保護コロイド剤と還元剤とを含有する複合コロイド粒子が分散したコロイド溶液と、錯化剤と、アルカリ性物質と、ニッケル塩水溶液とによりニッケルを析出させる湿式法を用い、錯化剤として、ヒドロキシカルボン酸と少なくとも一つ以上のカルボキシル基を含む有機酸とを含有し、ヒドロキシカルボン酸と有機酸との比率をモル比で該ヒドロキシカルボン酸が50%〜95%とする。
【選択図】なし
【解決手段】ニッケルよりも貴な金属の塩と保護コロイド剤と還元剤とを含有する複合コロイド粒子が分散したコロイド溶液と、錯化剤と、アルカリ性物質と、ニッケル塩水溶液とによりニッケルを析出させる湿式法を用い、錯化剤として、ヒドロキシカルボン酸と少なくとも一つ以上のカルボキシル基を含む有機酸とを含有し、ヒドロキシカルボン酸と有機酸との比率をモル比で該ヒドロキシカルボン酸が50%〜95%とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、ニッケル粉末とその製造方法に関するものであって、例えば、積層セラミックコンデンサの内部電極として用いられる。
ニッケル粉末は、厚膜導電体を作製するための導電ペーストの材料として利用されている。厚膜導電体は、電気回路の形成、積層セラミックコンデンサ(MLCC:multilayer ceramic capacitors)、多層セラミック基板等の積層セラミック部品の電極等に用いられている。
近年では、積層セラミックコンデンサの小型化及び高容量化が進み、積層セラミックコンデンサに用いる導電ペーストの使用量も大幅に増加している。このため、導電ペーストに使用する金属粉末としては、高価な貴金属の使用を避け、安価なニッケル等の卑金属が主流となっている。
積層セラミック部品である積層セラミックコンデンサは、次のように製造されている。積層セラミックコンデンサの製造方法では、ニッケル粉末、エチルセルロース等の樹脂、ターピネオール等の有機溶剤等を混練した導電ペーストが、誘電体グリーンシート上にスクリーン印刷される。導電ペーストが印刷された誘電体グリーンシートは、導電ペーストが交互に重なるように積層され圧着される。
誘電体グリーンシートが圧着された積層体では、所定の大きさにカットされ、有機バインダとして使用したエチルセルロース等の樹脂が燃焼により除去され(脱バインダ処理)、1300℃で高温焼成され、セラミック体が得られる。積層セラミックコンデンサの製造方法では、得られたセラミック体に外部電極を取り付けて、積層セラミックコンデンサとする。
内部電極となる導電ペースト中の金属粉末は、貴金属よりもニッケル等の卑金属が主流となっていることから、積層体の脱バインダ処理では、ニッケル粉末等が酸化しないように、極めて微量の酸素を含んだ雰囲気下にて行われる。
近年では、小型化及び大容量化した積層セラミックコンデンサが求められており、内部電極や誘電体と共に薄層化も進められている。特に、内部電極に使用されるニッケル粉末の粒径としては、0.5μm以下が主流となっている。
内部電極に使用されるニッケル粉末には、様々な特性が求められているが、その一つに粗大粒子が含まれないことが求められている。その理由は、ニッケル粉末に粗大粒子が含まれていると、内部電極層から粗大粒子が突き出してしまい、別の内部電極層と接触し短絡してしまうからである。
粗大粒子を含まないニッケル粉末を得る方法としては、ニッケル粉末を晶析後に分級することで粗大粒子を除去する方法があり、例えば、特許文献1には、水を媒体としてニッケル粉をスラリー化し、液体サイクロンにて分級することで、2μm以上の粗粒を100万分の100部以下に抑える方法が提案されている。
一方、粗大粒子を含まないニッケル粉末を得る方法として、例えば、特許文献2には、パラジウムと銀とからなる複合コロイド粒子が分散したコロイド溶液を用いて、ニッケル粉末を析出させることで、平均粒径が小さく、均一な粒度分布を有するとともに、良好な分散性を有し、粗大粒子や連結粒子が少ない球状のニッケル粉末を得る方法が提案されている。
特許文献2では、一層平均粒径が細かく、均一な粒度分布や粗大粒子や連結粒子を低減させたニッケル粉末を得るために、コロイド粒子の貴な金属成分であるパラジウムと銀との含有濃度を上げることが効果的であるとされている。
しかしながら、特許文献1に記載の方法には、分級工程を追加する方法であることと、分級により除去された粗大粒子以外にも、装置へのスラリーの付着等の理由で収率が低下する要因となり、製造コストが上昇してしまうことという欠点がある。また、特許文献1に記載の方法には、ニッケル粉末の粒径が0.2μm以下、特に、0.1μm以下になると分級自体が困難になるとの欠点もある。
特許文献2のように貴な金属を用いる場合には、貴な金属の価格がニッケル価格と比べ高価であるがために、製造コストの増大を伴ってしまう。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、例えば、薄膜化された積層セラミックコンデンサの内部電極を作製するために好適なニッケル粉末の製造方法を、製造コストを増大させることなく提供することにある。具体的には、湿式法において、高価なニッケルより貴な金属の含有濃度を上昇させることなく、平均粒径が小さく、均一な粒度分布を有するとともに、連結粒子や粗大粒子が少ないニッケル粉末の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ニッケルより貴な金属の塩を用いる湿式法によるニッケル粉末の製造方法において、錯化剤として、ヒドロキシカルボン酸と、少なくとも一つ以上のカルボキシル基を含む有機酸とを組み合わせることで、上記課題を解決できることを見出した。
上述した目的を達成するための本発明に係るニッケル粉末の製造方法は、ニッケルよりも貴な金属の塩と保護コロイド剤と還元剤とを含有する複合コロイド粒子が分散したコロイド溶液と、錯化剤と、アルカリ性物質と、ニッケル塩水溶液とによりニッケルを析出させる湿式法を用いたニッケル粉末の製造方法であって、錯化剤は、ヒドロキシカルボン酸と少なくとも一つ以上のカルボキシル基を含む有機酸とを含有し、ヒドロキシカルボン酸と該有機酸との比率は、モル比でヒドロキシカルボン酸が50%〜95%であることを特徴とする。
本発明によれば、ニッケルより貴な金属の濃度を上昇させることなく、平均粒径を細粒化し、均一な粒度分布を有するとともに、連結粒子や粗大粒子が少ないニッケル粉末を製造することができる。
また、本発明によれば、ニッケル粉末の製造コストを増大させることなく提供することができるため、その工業的価値は極めて大きいものである。
更に、本発明によれば、特に、薄膜化された積層セラミックコンデンサの内部電極用に適したものであり、積層セラミックコンデンサの一部材として非常に有用なニッケル粉末を製造することができる。
以下、本発明に係るニッケル粉末及びその製造方法(以下、「本発明」という。)について、以下の項目に沿って詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更を加えることは可能である。
1.ニッケル粉末の製造方法
1−1.コロイド溶液の作製
1−2.ニッケル粉末の析出
1−3.ニッケル粉末の乾燥
2.ニッケル粉末
1−1.コロイド溶液の作製
1−2.ニッケル粉末の析出
1−3.ニッケル粉末の乾燥
2.ニッケル粉末
1.ニッケル粉末の製造方法
まず、本発明に係るニッケル粉末の製造方法(以下、「本製造方法」という。)について説明する。本製造方法では、ニッケルよりも貴な金属の塩と保護コロイド剤とコロイド作製用の還元剤とを含有する複合コロイド粒子が分散したコロイド溶液と、錯化剤と、アルカリ性物質と、ニッケル塩水溶液とによりニッケルを析出させる湿式法を用いる。以下、本製造方法の詳細について説明する。
まず、本発明に係るニッケル粉末の製造方法(以下、「本製造方法」という。)について説明する。本製造方法では、ニッケルよりも貴な金属の塩と保護コロイド剤とコロイド作製用の還元剤とを含有する複合コロイド粒子が分散したコロイド溶液と、錯化剤と、アルカリ性物質と、ニッケル塩水溶液とによりニッケルを析出させる湿式法を用いる。以下、本製造方法の詳細について説明する。
1−1.コロイド溶液の作製
コロイド溶液には、純水と保護コロイド剤とコロイド作製用の還元剤とニッケルよりも貴な金属の塩とを用いてコロイド溶液を作製する。
コロイド溶液には、純水と保護コロイド剤とコロイド作製用の還元剤とニッケルよりも貴な金属の塩とを用いてコロイド溶液を作製する。
(1)保護コロイド剤
コロイド溶液は、コロイド粒子の凝集を抑制するために、保護コロイド剤を添加する。保護コロイド剤としては、後述するニッケルよりも貴な金属の塩を含む複合コロイド粒子、例えば、パラジウムと銀とを含む複合コロイド粒子を取り囲み、保護コロイドの形成に寄与することができるものであればよく、特にゼラチンが好ましい。保護コロイド剤としては、ゼラチンの他、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール等の保護コロイド剤を用いることができる。
コロイド溶液は、コロイド粒子の凝集を抑制するために、保護コロイド剤を添加する。保護コロイド剤としては、後述するニッケルよりも貴な金属の塩を含む複合コロイド粒子、例えば、パラジウムと銀とを含む複合コロイド粒子を取り囲み、保護コロイドの形成に寄与することができるものであればよく、特にゼラチンが好ましい。保護コロイド剤としては、ゼラチンの他、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール等の保護コロイド剤を用いることができる。
(2)コロイド作製用の還元剤
コロイド作製用の還元剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、ヒドラジン(N2H4)、ヒドラジン化合物、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)等から選ばれる少なくとも1種類を適宜選択することができる。コロイド作製用の還元剤としては、これらの中でも水溶性のヒドラジン化合物が好ましく、特に、不純物が少ない点でヒドラジンが最も好ましく用いられる。また、選択したコロイド作製用の還元剤は、水や純水等の溶媒に溶解して用いることができる。例えば、ヒドラジン化合物を水や純水に溶解して得られたヒドラジン水溶液を用いることが好ましい。
コロイド作製用の還元剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、ヒドラジン(N2H4)、ヒドラジン化合物、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)等から選ばれる少なくとも1種類を適宜選択することができる。コロイド作製用の還元剤としては、これらの中でも水溶性のヒドラジン化合物が好ましく、特に、不純物が少ない点でヒドラジンが最も好ましく用いられる。また、選択したコロイド作製用の還元剤は、水や純水等の溶媒に溶解して用いることができる。例えば、ヒドラジン化合物を水や純水に溶解して得られたヒドラジン水溶液を用いることが好ましい。
(3)ニッケルよりも貴な金属の塩
ニッケルよりも貴な金属の塩としては、金塩、銀塩、プラチナ塩、パラジウム塩、ロジウム塩、イリジウム塩、銅塩等の水溶性の塩が挙げられ、これらの中では特に、パラジウム塩若しくは銀塩の何れか、又は、これらの混合物が適している。ニッケルよりも貴な金属の塩としては、パラジウム塩と銀塩とを水や純水等の溶媒に混合した溶液を用いることが最適である。その理由は、核として働く貴な金属種の凝集が抑制される。その結果、ニッケル粉末の粗大粒子や連結粒子の形成を抑制することができるためである。
ニッケルよりも貴な金属の塩としては、金塩、銀塩、プラチナ塩、パラジウム塩、ロジウム塩、イリジウム塩、銅塩等の水溶性の塩が挙げられ、これらの中では特に、パラジウム塩若しくは銀塩の何れか、又は、これらの混合物が適している。ニッケルよりも貴な金属の塩としては、パラジウム塩と銀塩とを水や純水等の溶媒に混合した溶液を用いることが最適である。その理由は、核として働く貴な金属種の凝集が抑制される。その結果、ニッケル粉末の粗大粒子や連結粒子の形成を抑制することができるためである。
パラジウム塩としては、特に限定されるものではなく、例えば、塩化パラジウム、硝酸パラジウム、硫酸パラジウム等から選ばれる少なくとも1種類を適宜選択することができる。これらの中でも、パラジウム塩としては、液調製が容易な塩化パラジウムが最も好ましく用いられる。選択したパラジウム塩は、水や純水等の溶媒に混合したパラジウム塩溶液として用いることができる。また、水や純水等の溶媒に混合した銀塩溶液等としては、例えば、硝酸銀水溶液を用いることができる。
(4)コロイド溶液成分の配合比率
コロイド溶液の原材料として特に適している、保護コロイド剤としてのゼラチン、コロイド作製用の還元剤としてのヒドラジン、ニッケルよりも貴な金属塩としてのパラジウム塩と銀塩との配合比率は、ニッケル塩水溶液中のニッケル質量を100%として、ゼラチンが0.025質量%〜0.2質量%、ヒドラジンが0.1質量%〜0.8質量%、パラジウム塩中のパラジウム量で10質量ppm〜350質量ppm、銀塩中の銀量で0.01質量ppm〜0.35質量ppmであることが望ましい。
コロイド溶液の原材料として特に適している、保護コロイド剤としてのゼラチン、コロイド作製用の還元剤としてのヒドラジン、ニッケルよりも貴な金属塩としてのパラジウム塩と銀塩との配合比率は、ニッケル塩水溶液中のニッケル質量を100%として、ゼラチンが0.025質量%〜0.2質量%、ヒドラジンが0.1質量%〜0.8質量%、パラジウム塩中のパラジウム量で10質量ppm〜350質量ppm、銀塩中の銀量で0.01質量ppm〜0.35質量ppmであることが望ましい。
配合比率は、ゼラチンが0.025質量%未満であると、保護コロイド剤量として不足し、ゼラチンが0.2質量%よりも多いと、ニッケルの還元析出を妨害してしまい、未還元のニッケルが発生してしまう。
(5)コロイド溶液作製の手順及び条件
ニッケルよりも貴な金属の複合コロイド粒子を含むコロイド溶液は、純水に保護コロイド剤を添加した水溶液に、コロイド作製用の還元剤と、ニッケルよりも貴な金属の塩を混合した溶液とを、順序を問わずに添加することによって作製することができる。
ニッケルよりも貴な金属の複合コロイド粒子を含むコロイド溶液は、純水に保護コロイド剤を添加した水溶液に、コロイド作製用の還元剤と、ニッケルよりも貴な金属の塩を混合した溶液とを、順序を問わずに添加することによって作製することができる。
特に、保護コロイド剤を添加した水溶液に、ニッケルよりも貴な金属の塩を混合した溶液を添加した後に、コロイド作製用の還元剤を添加することが望ましい。その理由は、コロイド作製用の還元剤の添加によれば、ニッケルよりも貴な金属種が微細な状態で分散した系を得ることができ、その結果、少量の貴な金属種でニッケル粉末を微細化することができるためである。
コロイド溶液を作製する際には、ニッケルよりも貴な金属塩及びコロイド作製用の還元剤を添加する前の保護コロイド剤水溶液は、極力撹拌されていることが望ましい。極力撹拌する理由は、十分に撹拌されていない場合に、微細な核が得られず、ニッケル粉末の粒径が所望レベルで制御できないためである。
コロイド溶液を作製する際の溶液の温度は、50℃〜95℃が望ましい。加温する理由は、保護コロイド剤のゼラチンの絡み合った高分子鎖が解され、所望の保護コロイド効果を発揮させやすいからである。
1−2.ニッケル粉末の析出
ニッケル粉末の析出では、得られたコロイド溶液と、錯化剤と、アルカリ性物質と、還元剤と、ニッケル塩水溶液とを用いてニッケルの還元を行った後に、固液分離してニッケル粉末を含む固形分を得る。
ニッケル粉末の析出では、得られたコロイド溶液と、錯化剤と、アルカリ性物質と、還元剤と、ニッケル塩水溶液とを用いてニッケルの還元を行った後に、固液分離してニッケル粉末を含む固形分を得る。
(1)錯化剤
錯化剤としては、ニッケルと錯体を形成する効果を有するものであればよく、ヒドロキシカルボン酸と、少なくとも一つ以上のカルボキシル基を含む有機酸とを含むものである。ヒドロキシカルボン酸としては、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸が好ましく、特に、酒石酸がより好ましい。カルボキシル基を含む有機酸としては、飽和脂肪酸、ジカルボン酸、オキソカルボン酸、アミノ酸が好ましく、特に、蟻酸、酢酸、ピルビン酸、グリシンがより好ましい。
錯化剤としては、ニッケルと錯体を形成する効果を有するものであればよく、ヒドロキシカルボン酸と、少なくとも一つ以上のカルボキシル基を含む有機酸とを含むものである。ヒドロキシカルボン酸としては、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸が好ましく、特に、酒石酸がより好ましい。カルボキシル基を含む有機酸としては、飽和脂肪酸、ジカルボン酸、オキソカルボン酸、アミノ酸が好ましく、特に、蟻酸、酢酸、ピルビン酸、グリシンがより好ましい。
錯化剤は、ヒドロキシカルボン酸と、少なくとも一つ以上のカルボキシル基を有する有機酸とは、それぞれ単独成分だけでなく2成分以上の混合物でもかまわない。錯化剤として、ヒドロキシカルボン酸と少なくとも一つ以上のカルボキシル基を含む有機酸とを含有させる理由は、これらを含有させることによれば、微細な核を含むコロイド溶液との共存下において、ヒドロキシカルボン酸とカルボキシル基を含む有機酸との混合したニッケル錯体を形成することで、粒径が細かく粒度分布が狭い上に、連結粒子が少なく、球状度も良好なニッケル粉末が得られるためである。
錯化剤のうち、ヒドロキシカルボン酸と少なくとも一つ以上のカルボキシル基を含む有機酸との比率は、モル比で、ヒドロキシカルボン酸が50%〜95%、より好ましくは、60%〜90%とする。
ヒドロキシカルボン酸の比率がモル比で50%未満では、粒径を細径化したり、粒径の標準偏差を低減化したりする効果が発揮できないことがある。また、ヒドロキシカルボン酸の比率がモル比で95%を超えると、少なくとも一つ以上のカルボキシル基を含む有機酸を添加した効果が発揮されないことがある。
(2)アルカリ性物質
アルカリ性物質としては、特に限定されるものではないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の水溶性のアルカリ性物質が望ましい。また、アルカリ性のヒドラジン水溶液は、これらの水溶性のアルカリ性物質と、後述する還元剤を純水中で混合して作製することができる。
アルカリ性物質としては、特に限定されるものではないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の水溶性のアルカリ性物質が望ましい。また、アルカリ性のヒドラジン水溶液は、これらの水溶性のアルカリ性物質と、後述する還元剤を純水中で混合して作製することができる。
(3)還元剤
還元剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、上述したコロイド作製用の還元剤と同様のものを用いることができる。
還元剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、上述したコロイド作製用の還元剤と同様のものを用いることができる。
(4)ニッケル塩水溶液
ニッケル塩水溶液としては、特に限定されるものではなく、例えば、塩化ニッケル、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル等から選ばれる少なくとも1種類のニッケル塩を含む水溶液を用いることができる。これらの水溶液の中では、塩化ニッケル水溶液又は硫酸ニッケル水溶液が好ましく、特に廃液処理が簡易である塩化ニッケル水溶液が好ましい。
ニッケル塩水溶液としては、特に限定されるものではなく、例えば、塩化ニッケル、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル等から選ばれる少なくとも1種類のニッケル塩を含む水溶液を用いることができる。これらの水溶液の中では、塩化ニッケル水溶液又は硫酸ニッケル水溶液が好ましく、特に廃液処理が簡易である塩化ニッケル水溶液が好ましい。
(5)ニッケル粉末析出の手順及び条件
コロイド溶液、錯化剤、アルカリ性物質及び還元剤の混合順序としては、コロイド溶液、錯化剤、アルカリ性物質及び還元剤を混合した溶液が得られるのであれば、特に限定されるものではない。例えば、コロイド溶液に、錯化剤、還元剤及びアルカリ性物質を順次混合してもよいし、前もって、錯化剤、アルカリ性物質及び還元剤を混合した溶液とコロイド溶液とを混合してもよい。
コロイド溶液、錯化剤、アルカリ性物質及び還元剤の混合順序としては、コロイド溶液、錯化剤、アルカリ性物質及び還元剤を混合した溶液が得られるのであれば、特に限定されるものではない。例えば、コロイド溶液に、錯化剤、還元剤及びアルカリ性物質を順次混合してもよいし、前もって、錯化剤、アルカリ性物質及び還元剤を混合した溶液とコロイド溶液とを混合してもよい。
ニッケル塩水溶液は、コロイド溶液、錯化剤、アルカリ性物質及び還元剤を混合した溶液を調製した後に、添加することが望ましい。その理由は、コロイド溶液、錯化剤、アルカリ性物質及び還元剤を混合した溶液を調製した後に、ニッケル塩水溶液を添加しないと、単分散で極力球状であるニッケル粉末を得ることができず、異形状のニッケル粉末であったり、連結粒子が増加したりするためである。
ニッケル粉末の析出では、コロイド溶液、錯化剤、アルカリ性物質及び還元剤を混合した溶液のpHは10以上であることが好ましい。本製造方法では、pHが10未満の場合には、反応速度が遅くなるため、ニッケルの還元析出が起こりにくくなるので好ましくない。
ニッケル粉末の析出では、コロイド溶液、錯化剤、アルカリ性物質及び還元剤を混合した溶液に、ニッケル塩水溶液を添加する前の温度は、60℃〜95℃であることが望ましい。ニッケル粉末の析出では、コロイド溶液、錯化剤、アルカリ性物質及び還元剤を混合した溶液に添加する前のニッケル塩水溶液の温度も、60℃〜95℃であることが望ましい。
ニッケル粉末の析出では、コロイド溶液、錯化剤、アルカリ性物質及び還元剤を混合した溶液と、ニッケル塩水溶液とを混合した後も、その混合液を加熱し、70℃以上にすることが望ましい。本製造方法では、これらの溶液を加温する理由は、反応をスムーズに進め、均一なニッケル粒子を得るためである。
1−3.ニッケル粉末の乾燥
得られたニッケル粉末を含む固形分を乾燥してニッケル粉末を得る。ここで、ニッケル粉末を含む固形分の乾燥は、公知の手法を採用してもよく、例えば、真空下や不活性ガス雰囲気下等にて行うことができる。
得られたニッケル粉末を含む固形分を乾燥してニッケル粉末を得る。ここで、ニッケル粉末を含む固形分の乾燥は、公知の手法を採用してもよく、例えば、真空下や不活性ガス雰囲気下等にて行うことができる。
2.ニッケル粉末
次に、本発明に係るニッケル粉末の製造方法から得られるニッケル粉末について説明する。
次に、本発明に係るニッケル粉末の製造方法から得られるニッケル粉末について説明する。
ニッケル粉末は、平均粒径が50nm〜300nmのニッケル粉末である。また、ニッケル粉末は、均一な粒度分布を有しているため、粒径の標準偏差は小さく40nm以下、好ましくは30nmとなる。
以上のような本製造方法では、平均粒径が50nm〜300nmであり、均一な粒度分布を有し、粒径の標準偏差は小さく40nm以下であるニッケル粉末を作製することができる。得られたニッケル粉末は、ニッケルより貴な金属の濃度を上昇させることなく、平均粒径を細粒化し、均一な粒度分布を有するとともに、連結粒子や粗大粒子が少なくすることが可能となる。
本製造方法では、特に、得られたニッケル粉末が積層セラミックコンデンサに用いられた場合に、薄膜化された積層セラミックコンデンサの内部電極として好適なニッケル粉末を、製造コストを増大させずに提供することができる。
本製造方法は、ニッケル粉末の製造コストを増大させることなく提供することができるため、その工業的価値は極めて大きいものである。
以下、各実施例及び従来例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例及び従来例によって何ら限定されるものではない。なお、実施例及び従来例でそれぞれ得られたニッケル粉末の平均粒径、粒径の標準偏差、及び粗大粒子の個数の評価方法は、以下の通りである。
ニッケル粉末の平均粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope、日本電子社製、JSM−5510)を用いて、倍率20000倍の写真(縦19.2μm×横25.6μm)を撮影し、写真中の粒子形状の全様が見える粒子の面積を測定し、面積から各粒子の半径を求め、その平均値により定めた。
ニッケル粉末の粒径の標準偏差は、上述した平均粒径と同様にして、SEM写真中の粒子形状の全容が見える粒子の面積を測定し、面積から各粒子の半径を求め、その標準偏差より定めた。
ニッケル粉末の粗大粒子の個数は、上述した平均粒径と同様にして、SEM写真中の粒子形状の全様が見える粒子の面積を測定し、面積から各粒子の半径を求め、粒径が500nmより大きい粒子の個数とした。なお、連結粒子については、その最大径を直径とみなし、該直径が500nmより大きい場合は粗大粒子として扱った。
(従来例1)
従来例1では、75℃の純水6.5Lに、後に添加されるニッケル塩水溶液中のニッケルの全質量に対してゼラチン量が0.025質量%となるようにゼラチンを溶解した後、ニッケルの全質量に対してパラジウムが25質量ppm及び銀が0.025質量ppmとなるように塩化パラジウム水溶液と硝酸銀水溶液とを混合した水溶液を添加し、撹拌しながらコロイド溶液を得た。
従来例1では、75℃の純水6.5Lに、後に添加されるニッケル塩水溶液中のニッケルの全質量に対してゼラチン量が0.025質量%となるようにゼラチンを溶解した後、ニッケルの全質量に対してパラジウムが25質量ppm及び銀が0.025質量ppmとなるように塩化パラジウム水溶液と硝酸銀水溶液とを混合した水溶液を添加し、撹拌しながらコロイド溶液を得た。
従来例1では、得られたコロイド溶液に、錯化剤である酒石酸8gを加え、水酸化ナトリウム水溶液のpHが10以上になるように調整し、還元剤である60vol%水加ヒドラジン200mLを添加した後に、ニッケル濃度が100g/Lの塩化ニッケル水溶液500mLを混合し、ニッケルの還元を行った後に、不活性ガス雰囲気下にて固液分離した。
従来例1では、分離した固形分を真空乾燥機にて乾燥し、水素濃度2.0vol%の水素窒素混合ガス雰囲気下で、加熱温度180℃、加熱時間60minで加熱処理を行い、ニッケル粉末を得た。
従来例1では、得られたニッケル粉末を、スパイラル式ジェットミル(株式会社パウレック製)で処理した。なお、従来例1では、スパイラル式ジェットミルの処理条件を、粉砕圧0.50MPa、供給圧0.55MPa、給粉量50g/minとし、ガス媒体を空気とした。
従来例1では、得られたニッケル粉末の平均粒径、粒径の標準偏差、及び粗大粒子の個数の評価を行い、その評価結果を表1及び図1に示した。
(実施例1)
実施例1では、錯化剤である酒石酸を8g中のX%を秤量し、残るY=100−X(%)を、8×Y(g)の酒石酸と等mol当量となるギ酸に置換えた以外は従来例1と同様にして、ニッケル粉末を得た。
実施例1では、錯化剤である酒石酸を8g中のX%を秤量し、残るY=100−X(%)を、8×Y(g)の酒石酸と等mol当量となるギ酸に置換えた以外は従来例1と同様にして、ニッケル粉末を得た。
実施例1では、得られたニッケル粉末の平均粒径、粒径の標準偏差、及び粗大粒子の個数の評価を行い、その評価結果を表1に示した。
(実施例2)
実施例2では、錯化剤である酒石酸を8g中のX%を秤量し、残るY=100−X(%)を、8×Y(g)の酒石酸と等mol当量となるシュウ酸に置換えた以外は従来例1と同様にして、ニッケル粉末を得た。
実施例2では、錯化剤である酒石酸を8g中のX%を秤量し、残るY=100−X(%)を、8×Y(g)の酒石酸と等mol当量となるシュウ酸に置換えた以外は従来例1と同様にして、ニッケル粉末を得た。
実施例2では、得られたニッケル粉末の平均粒径、粒径の標準偏差、及び粗大粒子の個数の評価を行い、その評価結果を表1に示した。
(実施例3)
実施例3では、錯化剤である酒石酸を8g中のX%を秤量し、残るY=100−X(%)を、8×Y(g)の酒石酸と等mol当量となるピルビン酸に置換えた以外は従来例1と同様にして、ニッケル粉末を得た。
実施例3では、錯化剤である酒石酸を8g中のX%を秤量し、残るY=100−X(%)を、8×Y(g)の酒石酸と等mol当量となるピルビン酸に置換えた以外は従来例1と同様にして、ニッケル粉末を得た。
実施例3では、得られたニッケル粉末の平均粒径、粒径の標準偏差、及び粗大粒子の個数の評価を行い、その評価結果を表1に示した。
(実施例4)
実施例4では、錯化剤である酒石酸を8g中のX%を秤量し、残るY=100−X(%)を、8×Y(g)の酒石酸と等mol当量となるグリシンに置換えた以外は従来例1と同様にして、ニッケル粉末を得た。
実施例4では、錯化剤である酒石酸を8g中のX%を秤量し、残るY=100−X(%)を、8×Y(g)の酒石酸と等mol当量となるグリシンに置換えた以外は従来例1と同様にして、ニッケル粉末を得た。
実施例4では、得られたニッケル粉末の平均粒径、粒径の標準偏差、及び粗大粒子の個数の評価を行い、その評価結果を表1に示した。
(実施例5)
実施例5では、錯化剤である酒石酸を8g中のX%を秤量し、残るY=100−X(%)を、8×Y(g)の酒石酸と等mol当量となるグリシンに置換えた以外は従来例1と同様にして、ニッケル粉末を得た。
実施例5では、錯化剤である酒石酸を8g中のX%を秤量し、残るY=100−X(%)を、8×Y(g)の酒石酸と等mol当量となるグリシンに置換えた以外は従来例1と同様にして、ニッケル粉末を得た。
実施例5では、得られたニッケル粉末の平均粒径、粒径の標準偏差、及び粗大粒子の個数の評価を行い、その評価結果を表1及び図2に示した。
(実施例6)
実施例6では、錯化剤である酒石酸を8g中のX%を秤量し、残るY=100−X(%)を、8×Y(g)の酒石酸と等mol当量となるグリシンに置換えた以外は従来例1と同様にして、ニッケル粉末を得た。
実施例6では、錯化剤である酒石酸を8g中のX%を秤量し、残るY=100−X(%)を、8×Y(g)の酒石酸と等mol当量となるグリシンに置換えた以外は従来例1と同様にして、ニッケル粉末を得た。
実施例6では、得られたニッケル粉末の平均粒径、粒径の標準偏差、及び粗大粒子の個数の評価を行い、その評価結果を表1に示した。
(実施例7)
実施例7では、錯化剤である酒石酸8gを等mol量であるクエン酸10.24gとした上で、更に、クエン酸10.24g中のX%を秤量し、残るY=100−X(%)を、10.24×Y(g)の酒石酸と等mol当量となるグリシンに置換えた以外は従来例1と同様にして、ニッケル粉末を得た。
実施例7では、錯化剤である酒石酸8gを等mol量であるクエン酸10.24gとした上で、更に、クエン酸10.24g中のX%を秤量し、残るY=100−X(%)を、10.24×Y(g)の酒石酸と等mol当量となるグリシンに置換えた以外は従来例1と同様にして、ニッケル粉末を得た。
実施例7では、得られたニッケル粉末の平均粒径、粒径の標準偏差、及び粗大粒子の個数の評価を行い、その評価結果を表1に示した。
(従来例2)
従来例2では、従来例1のニッケル濃度が100g/Lの塩化ニッケル水溶液を、硫酸ニッケルに置換えた以外は従来例1と同様にして、ニッケル粉末を得た。
従来例2では、従来例1のニッケル濃度が100g/Lの塩化ニッケル水溶液を、硫酸ニッケルに置換えた以外は従来例1と同様にして、ニッケル粉末を得た。
従来例2では、得られたニッケル粉末の平均粒径、粒径の標準偏差、及び粗大粒子の個数の評価を行い、その評価結果を表1及び図3に示した。
(実施例8)
実施例8では、錯化剤である酒石酸を8g中のX%を秤量し、残るY=100−X(%)を、8×Y(g)の酒石酸と等mol当量となる酢酸に置換えた以外は従来例2と同様にして、ニッケル粉末を得た。
実施例8では、錯化剤である酒石酸を8g中のX%を秤量し、残るY=100−X(%)を、8×Y(g)の酒石酸と等mol当量となる酢酸に置換えた以外は従来例2と同様にして、ニッケル粉末を得た。
実施例8では、得られたニッケル粉末の平均粒径、粒径の標準偏差、及び粗大粒子の個数の評価を行い、その評価結果を表1に示した。
(実施例9)
実施例9では、錯化剤である酒石酸を8g中のX%を秤量し、残るY=100−X(%)を、8×Y(g)の酒石酸と等mol当量となるピルビン酸に置換えた以外は従来例2と同様にして、ニッケル粉末を得た。
実施例9では、錯化剤である酒石酸を8g中のX%を秤量し、残るY=100−X(%)を、8×Y(g)の酒石酸と等mol当量となるピルビン酸に置換えた以外は従来例2と同様にして、ニッケル粉末を得た。
実施例9では、得られたニッケル粉末の平均粒径、粒径の標準偏差、及び粗大粒子の個数の評価を行い、その評価結果を表1及び図4に示した。
(実施例10)
実施例10では、錯化剤である酒石酸を8g中のX%を秤量し、残るY=100−X(%)を、8×Y(g)の酒石酸と等mol当量となるグリシンに置換えた以外は従来例2と同様にして、ニッケル粉末を得た。
実施例10では、錯化剤である酒石酸を8g中のX%を秤量し、残るY=100−X(%)を、8×Y(g)の酒石酸と等mol当量となるグリシンに置換えた以外は従来例2と同様にして、ニッケル粉末を得た。
実施例10では、得られたニッケル粉末の平均粒径、粒径の標準偏差、及び粗大粒子の個数の評価を行い、その評価結果を表1に示した。
表1、図1乃至図4に示すように、実施例1乃至10において、錯化剤の一部を酒石酸、クエン酸(X:ヒドロキシカルボン酸)から酢酸、ギ酸、シュウ酸、ピルビン酸、又はグリシン(Y:混合種)にそれぞれ置き換え、XとYとの比率がモル比でXが50%〜95%とすることで、従来例1や従来例2と比べて、コロイド液中のパラジウム及び銀濃度を高めることなく、平均粒径を50nm〜300nmに細径化し、粒径の標準偏差を40nm以下に低減させ、粗大粒子の数も同等以下、又はより少なくできることがわかる。
その結果、実施例1乃至10のニッケル粉末は、ニッケルより貴な金属である塩化パラジウム水溶液と硝酸銀水溶液とを混合した水溶液の濃度を上昇させることなく、平均粒径を細粒化し、均一な粒度分布を有するとともに、連結粒子や粗大粒子が少なくすることが可能となり、薄膜化された積層セラミックコンデンサの内部電極に好適なニッケル粉末を、製造コストを増大させることなく提供することができるため、産業上大きな効果を奏している。
Claims (10)
- ニッケルよりも貴な金属の塩と保護コロイド剤と還元剤とを含有する複合コロイド粒子が分散したコロイド溶液と、錯化剤と、アルカリ性物質と、ニッケル塩水溶液とによりニッケルを析出させる湿式法を用いたニッケル粉末の製造方法であって、
前記錯化剤は、ヒドロキシカルボン酸と少なくとも一つ以上のカルボキシル基を含む有機酸とを含有し、該ヒドロキシカルボン酸と該有機酸との比率は、モル比で該ヒドロキシカルボン酸が50%〜95%であることを特徴とするニッケル粉末の製造方法。 - 前記ヒドロキシカルボン酸は、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1に記載のニッケル粉末の製造方法。
- 前記ヒドロキシカルボン酸は、酒石酸であることを特徴とする請求項1又は2に記載のニッケル粉末の製造方法。
- 前記少なくとも一つ以上のカルボキシル基を含む有機酸は、飽和脂肪酸、ジカルボン酸、オキソカルボン酸、アミノ酸から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のニッケル粉末の製造方法。
- 前記少なくとも一つ以上のカルボキシル基を含む有機酸は、蟻酸、酢酸、ピルビン酸、グリシンから選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のニッケル粉末の製造方法。
- 前記ニッケルよりも貴な金属の塩は、パラジウム塩及び銀塩を含有することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のニッケル粉末の製造方法。
- 前記ニッケル塩水溶液は、塩化ニッケル、硫酸ニッケルから選ばれる1種以上を含む水溶液であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のニッケル粉末の製造方法。
- 前記ニッケル塩水溶液は、塩化ニッケルであることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載のニッケル粉末の製造方法。
- 前記ニッケル粉末の平均粒径は、50nm〜300nmであることを特徴とする請求項1乃至8に記載のニッケル粉末の製造方法。
- 前記ニッケル粉末の粒径の標準偏差は、40nm以下であることを特徴とする請求項1乃至9に記載のニッケル粉末の製造方法。
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