JP6187822B2 - ニッケル粉末の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ニッケル粉末の製造方法に関する。
本発明に係るニッケル粉末は、積層セラミックコンデンサ(multilayer ceramic capacitors;MLCC)の内部電極として好適に用いることができる。
金属粉末は、電子部品や機械部品などあらゆる分野の素材となっている。
例えば、ニッケル粉末は、厚膜導電体を作製するための導電ペーストの材料として使用されている。
この厚膜導電体は、電気回路の形成、積層セラミックコンデンサ及び多層セラミック基板等の積層セラミック部品の電極等に用いられている。特に、積層セラミックコンデンサでは、小型・高容量化の要求から高積層化が進み、そのために用いる導電ペーストの使用量も大幅に増加している。このため、導電ペーストに使用する金属粉末としては、高価な貴金属の使用を避け、安価なニッケルなどの卑金属が主流となっている。
使用される積層セラミックコンデンサは、例えば、次のような方法で製造されている。
先ず、ニッケル粉末と、エチルセルロース等の樹脂と、ターピネオール等の有機溶剤等とを混練して得られた導電ペーストを、誘電体グリーンシート上にスクリーン印刷して内部電極を作製する。次に、印刷された内部電極が交互に重なるように誘電体グリーンシートを積層し、圧着する。その後、積層体を所定の大きさにカットし、有機バインダとして使用したエチルセルロース等の樹脂の燃焼除去を行うための脱バインダ処理を行った後、1300℃まで高温焼成してセラミック体を得る。そして、このセラミック体に外部電極を取り付け、積層セラミックコンデンサとする。
ここで、内部電極となる導電ペースト中の金属粉末は、上記のように、貴金属よりもニッケルなどの卑金属が主流となっていることから、積層体の脱バインダ処理では、ニッケル粉末などが酸化しないように、極めて微量の酸素を含んだ雰囲気下にて行われる。
近年、小型化及び大容量化が求められている積層セラミックコンデンサでは、それを構成する内部電極及び誘電体ともに、薄層化が進められている。特に、内部電極に使用されるニッケル粉末の粒径としては、0.5μm以下が主流となっている。
このような内部電極に使用されるニッケル粉末には、さまざまな特性が求められているが、薄層化が進むに従って、より微細で均一な粒径であること、及び粗大粒子が含まれないことが求められている。
仮に内部電極に粗大粒子が含まれていると、積層した際に誘電体層を突き破り内部電極同士が接触し短絡してしまう。
こうした要求を満たす特許文献1にはニッケル塩水溶液を用いてヒドラジンで還元して、微細で均一な粒径であり、かつ粗大粒子の発生を抑制したニッケル粉末を得る技術が開示されている。
特許文献1では、天然物由来のゼラチンが使用されており、このゼラチンの品種や製造ロット間の違いにより粒径が異なってしまい、同一粒径品のグレードを安定的に量産できず、品種や製造ロット間によって、添加量の調整が必要であることが問題となっていた。
なお、積層セラミックコンデンサの内部電極のニッケル粉末の問題を挙げたが、このような問題は、積層セラミックコンデンサに限定されず、インダクタ等の他の電子部品は勿論、粉末冶金を用いた機械部品等でも金属粉末の充填不良などが発生する恐れがある。
特開2007−138291号公報
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、積層セラミックコンデンサの内部電極を作製するために、好適なニッケル粉末の製造方法を提供することを目的とする。具体的には、生産面において、これまで以上に精度よく粒径を正確に再現でき、安定的に製造する方法の提供を目的とする。
本発明の第1の発明は、ニッケル以外の金属元素とその金属元素を還元する還元剤と保護コロイド剤となるゼラチンによるコロイド粒子が分散したコロイド水溶液と、ニッケルを還元する還元剤と、アルカリ性物質を混合して作製したアルカリ性コロイド水溶液に、ニッケル塩溶液を添加して前記ニッケル塩溶液を構成するニッケル元素の金属粒子を生成するニッケル粉末の製造方法であって、その保護コロイド剤のゼラチンが、JIS K 6503 2001で規定する60〜130gのゼリー強度を有し、且つゼラチンに含まれるケイ素含有量が、100質量ppm未満であることを特徴とするニッケル粉末の製造方法である。
本発明の第2の発明は、第1の発明におけるニッケル以外の金属元素のコロイド粒子が、パラジウムと銀を金属元素とするコロイド粒子であること特徴とするニッケル粉末の製造方法である。
本発明によれば、保護コロイド剤が天然物を原料とするゼラチンを用いても粒径のばらつきの小さいニッケル粉末のような金属粉末の製造が可能となる。特に、積層セラミックコンデンサやインダクタなどの電子部品に好適なニッケル粉末及び金属粉末を提供できる。
さらに、本発明によれば、一定の条件のゼラチンを使用することで、これまで以上に精度よく粒径を正確に再現したニッケル粉末及び製造方法を提供できる。
本発明に係るニッケル粉末の製造方法を例に金属粉末の製造方法を説明する。
(1)ニッケル粉末(金属粉末)の生成
本発明は、ニッケル以外の金属元素のコロイド粒子が分散したコロイド水溶液と還元剤とアルカリ物質を混合して形成したアルカリ性コロイド水溶液に、コロイド水溶液ニッケル塩水溶液を添加して、ニッケル粒子を生成させる方法における各種使用原材料の不純物管理において、保護コロイド剤に用いたゼラチンのゼリー強度、ゼラチンに含まれるケイ素含有量が粒径に及ぼす影響が最も大きいことを見出し、ゼラチンのゼリー強度、ゼラチンに含まれるケイ素含有量を、厳しく管理すると共に、適正化することによって、精度よく且つ正確に粒径を再現できることを見出し、本発明に至ったものである。
先ず、アルカリ性コロイド水溶液の作製方法は、ニッケル以外の金属元素のコロイド粒子として、パラジウムと銀のコロイド粒子を例に用いて説明する。
このアルカリ性コロイド水溶液は、アルカリ性還元溶液中にパラジウムと銀の複合コロイド粒子を分散させる方法であれば、その製法は特に限定されるものではない。
例えば、(1)パラジウムと銀のコロイド粒子が分散したコロイド水溶液と還元剤とアルカリ性物質を混合する、(2)そのコロイド水溶液に、還元剤とアルカリ性物質を添加する、(3)そのコロイド水溶液と、還元剤を含有するアルカリ性溶液とを混合する、という工程を挙げることができる。
このように、本発明の製造方法は、アルカリ性コロイド水溶液にニッケル塩水溶液を添加することによりニッケル粉末を製造するのに際し、ニッケル塩水溶液を添加する前に、コロイド水溶液と還元剤とアルカリ性物質の混合液である、パラジウムと銀とからなる複合コロイド粒子を分散させた、アルカリ性コロイド水溶液を添加することが特徴である。
このアルカリ性コロイド水溶液を用いることによって、還元により生成したニッケル粒子が微細化する機構については、詳細は不明である。しかし、以下のように推測される。
第一に、パラジウムと銀は、ニッケルよりも酸化還元電位が高く、ニッケル粒子析出の際に核となり、この核にニッケルが析出、成長して、ニッケル粒子になると考えられ、すなわち、ニッケルの核生成は起こらずに、ニッケル粒子への成長が生じていると推測される。
また第二に、核となる複合コロイド粒子が均一に単分散状態のまま還元剤溶液中で存在しているために、ニッケル塩水溶液を添加すると、核となるコロイド粒子に対してニッケルは、均等に核成長を起こしやすいと考えられる。
さらに第三に、パラジウムのみならず、銀を添加することにより、パラジウムの凝集が抑制されるため、粗大粒子や連結粒子の形成が抑制される。特に、パラジウムと銀の質量比が適切な値の範囲内に制御されることによって、粒径がより均一で、単分散状態のパラジウムと銀の複合コロイド粒子が生成され、粗大粒子や連結粒子の形成が抑制される。 その理由としては、詳細は不明だが、パラジウムの凝集抑制に効果を発揮する銀が不足すると、パラジウムの凝集過程で発生した連結した核が、成長することによって、連結粒子が発生していると考えられる。また、複数個の複合コロイドが凝集し核となり、その核を中心にして粒成長して粗大粒子が発生すると考えられる。逆に、銀が過剰量であると、銀のみの粗大なコロイド粒子が発生したりすることが、粗大粒子や連結粒子の発生に関与していると思われる。
加えて第四に、保護コロイド剤を用いることにより、コロイド粒子の凝集が一層抑制されると考えられる。
以上のように、生成したニッケル粒子が均一な粒径で、単分散状態になり、粗大粒子や連結粒子が形成されにくくなると考えられ、さらに、このコロイド粒子の数を変化させることによって、ニッケル析出の際の核の数を変化させることができ、ニッケル粒子の粒径を制御することができると推測される。
このようなパラジウムと銀の複合コロイド水溶液は、保護コロイド剤のゼラチンを添加した溶液に、パラジウムおよび銀を混合して、そのパラジウムと銀の複合コロイド粒子を分散させることで作製する。
そのパラジウム源となるパラジウム塩水溶液は、特に限定されるものではない。例えば、塩化パラジウム、硝酸パラジウム、硫酸パラジウム等から選ばれる少なくとも1種類を含む水溶液をパラジウム塩水溶液として用いることができる。これらの中では、液調製が容易な塩化パラジウムが最も好ましい。
銀源となる銀塩水溶液としては、例えば、硝酸銀水溶液を用いることができる。
パラジウムのみならず、銀を添加する理由は、銀の存在下ではパラジウムの凝集が抑制され、その結果粗大粒子や連結粒子の形成が抑制されるためである。特に、パラジウムと銀の質量比を適切な値の範囲内に制御することによって、粒径がより均一で、単分散状態のパラジウムと銀の複合コロイド粒子を生成して粗大粒子や連結粒子の形成を抑制するものである。
また、銀の量は、後にニッケル塩水溶液として添加されるニッケルの量に対して0.1〜5質量ppmとすることが好ましい。
パラジウムと銀を複合させてコロイド粒子とした場合、銀は少量で、前述のようにニッケル粒子の粗大粒子および連結粒子の生成を抑制する効果を発揮する。これは、銀が入ることによってパラジウムの凝集が抑制され、核として作用するコロイド粒子の数が増加するためであると考えられる。
そこで、銀の量が0.1質量ppm未満では、上記の効果がほとんど得られない場合があり、5質量ppmより多くしても、得られるニッケル粒子の微細化に対する、さらなる効果がほとんど見られない。
コロイド水溶液の作製方法の一例をあげると、パラジウム塩水溶液と銀塩水溶液を所定量混合して作製した混合溶液を、保護コロイド剤の入った水溶性ヒドラジン化合物を用いて作製したヒドラジン水溶液等の還元剤溶液中に滴下することにより作製する。
使用する還元剤は、特に限定されるものではないが、例えば、ヒドラジン、ヒドラジン化合物、水素化ホウ素ナトリウム等から選ばれる少なくとも1種類を含む水溶性ヒドラジン化合物を用いて作製したヒドラジン水溶液等を用いることが好ましい。これらの水溶性ヒドラジン化合物の中では、特に不純物が少ない点で、ヒドラジン(N)が最も好ましい。
アルカリ性物質は、特に限定されるものではないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の水溶性のアルカリ性物質であればよい。
本発明においては、これらの水溶性のアルカリ性物質と、ヒドラジン、ヒドラジン水和物等の水溶性ヒドラジン化合物を純水中で混合して、アルカリ性のヒドラジン水溶液を作製することができる。
なお、アルカリ性のヒドラジン水溶液としては、特にpHが10以上に調製された水酸化ナトリウムとヒドラジン水和物の混合水溶液であることが好ましい。一方、pHが10未満では、反応速度が遅くなるため、ニッケルの還元析出が起こりにくくなるので好ましくない。
ニッケル塩水溶液も特に限定されるものではなく、例えば、塩化ニッケル、硝酸ニッケルおよび硫酸ニッケル等から選ばれる少なくとも1種類を含む水溶液を用いることができる。
これらの水溶液の中では、特に廃液処理が簡易である塩化ニッケル水溶液が好ましい。
これまで、コロイド粒子にパラジウムと銀からなる複合コロイド粒子を例に説明してきたが、コロイド粒子は、パラジウムと銀の複合コロイド粒子に限定されない。
ニッケルよりも貴な金属によるコロイド粒子であればよく、例えば、銅などのコロイド粒子であってもよい。
(2)ゼラチンについて
保護コロイド剤の添加により、所望とするコロイド粒子を均一に分散させることが可能となる。
この保護コロイド剤のゼラチンの添加量は、アルカリ性コロイド水溶液に添加するニッケル塩溶液のニッケル量に対し0.02質量%から1質量%が望ましい。ゼラチンの添加量が0.02質量%未満では、コロイド粒子が凝集し、生成する金属粒子が粗大化したり、粒径のばらつきが大きくなる。ゼラチンの添加量が1質量%を超えるとゼラチンの量が過剰であり、生成する金属粉末にゼラチンが過剰に残留したり、残留ゼラチンによる保護作用により未還元のニッケルが発生したり する不具合につながる。
保護コロイド剤のゼラチンは、JIS K 6503 2001に規定されるゼリー強度が60〜130gで、ゼラチンに含まれるケイ素含有量が、ICP発光分光分析で100質量ppm未満であることが必要である。
ゼラチンは、コラーゲンと水を煮沸して不可逆的に水溶性に変化させたタンパク質であり、コラーゲンを構成する分子量約100000のポリペプチド鎖(α鎖)とその二量体(β鎖)、三量体(γ鎖)及びそれらが加水分解したポリペプチド鎖で構成され、分子量30000から100000の分布を持っている。ゼラチンの原料となるコラーゲンは、硬タンパク質の一種で、生体の結合組織の主成分をなし、動物の骨、皮膚などに存在する。
このように、ゼラチンは天然物を原料とするため、ポリビニールアルコール等の合成物の保護コロイド剤とは異なり、工業原料に用いる品質(特性)の安定性が問題となる。特に、保護コロイド剤により生成する金属粒子の粒径を制御することからすれば、保護コロイド剤の品質(特性)の安定性が重要となる。
ゼラチンの特性としては粘度、凝固点等が知られているが、本発明においてはゼリー強度とケイ素含有量を適切な範囲にすることが重要である。
そして、ゼラチンのゼリー強度とケイ素含有量が所定の範囲に保つことで金属粉末の粒径のばらつきを小さく抑えることができる。
ゼラチンのゼリー強度が60g未満では、金属粉末の粒径が大きくなり、かつ粒度分布が広くなる傾向にある。一方、ゼリー強度が130gを超えると金属粉末は細かくなるが、反応系中のニッケル粉末の成長が部分的にばらつき、したがって粒径のばらつきも大きくなる。
原料のコラーゲンには、僅かながらケイ素が含まれ、結果的にゼラチンにはケイ素が含まれる。
ゼラチンに含まれるケイ素含有量が100質量ppm以上だと、原因は不明であるが得られる金属粉末の平均粒径が大きくなる。
(3)その他の金属粉末への応用
これまで、本発明に係るニッケル粉末の製造方法を説明してきたが、本発明はニッケル粉末以外にも他の金属元素の金属粉末の製造にも適用でき、パラジウム粉末、銀粉末、銀パラジウム合金粉末等にも応用可能である。パラジウム粉末、銀粉末、銀パラジウム合金粉末等の製造では保護コロイド剤に本発明で用いるゼラチンを用いればよい。例えば、パラジウム粉末であれば、アルカリ性の塩化パラジウム水溶液に保護コロイド剤のゼラチンと還元剤を加えればよい。また、銀粉末であれば、アンモニアなどの錯化剤と硝酸銀溶液と保護コロイド剤のゼラチンと還元剤を混合すればよい。
以下、ニッケル粉末の製造の実施例を用いて本発明を説明する。
実施例に使用するゼラチンのゼリー強度[g]及びケイ素含有量(Si)[質量ppm]を表1に示す。
Figure 0006187822
パラジウムと微量の銀からなる複合コロイド水溶液に、アルカリ性のヒドラジン溶液を混合し、ニッケルを還元するために、アルカリ性コロイド水溶液を作製した。
上記アルカリ性コロイド水溶液におけるパラジウム、銀、ゼラチンの含有量は、ニッケル塩水溶液中のニッケルの全質量に対して、パラジウム:10質量ppm、銀:0.1質量ppm、ゼラチン:200質量ppmとした。
使用したゼラチンは、そのゼリー強度が78g、ケイ素含有量が34質量ppmのものを用いた。
なお、溶液中のパラジウムおよび銀の含有量は、ICP発光分光分析法により分析した。
また、ゼラチン中のケイ素含有量は、ICP発光分光法により分析した。
更に、ゼラチンのゼリー強度測定は、JIS K6503−2001に定められる方法による値とした。
ニッケルを還元するためのアルカリ性コロイド水溶液の作製は、具体的には、次のように行った。まず、純水6Lに所定量のゼラチンを溶解させた後、ヒドラジンの濃度が0.02g/Lとなるようにヒドラジンを混合した。次に、純水と所定量のパラジウムと銀の0.2Lの混合溶液を作製し、ゼラチンとヒドラジンが含まれる前記溶液に滴下して、コロイド水溶液を得た。ヒドラジンは水和ヒドラジンで、60質量%のヒドラジン分子を含むものを用いた。
このコロイド水溶液に、水酸化ナトリウム水溶液を6.5g/Lになるように添加し、さらに、ヒドラジンは、26g/Lとなるまで添加して、パラジウムと微量の銀からなる複合コロイド粒子が混合されたアルカリ性ヒドラジン溶液を作製し、ニッケルを還元するためのアルカリ性コロイド水溶液とした。なお、この時点で、全溶液量は、7Lとなるように純水を更に添加した。
そして、このアルカリ性コロイド水溶液に、ニッケル塩水溶液としてニッケル濃度が100g/Lの塩化ニッケル水溶液0.5lを3分間かけて連続的に投入して、ニッケルの還元を行い、乾燥してニッケル粉末を得た。
得られたニッケル粉末について、走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製 JSM−5510)、倍率10000倍の写真(縦19.2μm×横25.6μm)を撮影し、その写真に対角線を引き、その対角線が通過した粒子の対角線への投影長さを測定し、その投影長さを粒径として平均粒径Dmeanと標準偏差を算出した。さらに平均粒径と標準偏差から変動係数(標準偏差/Dmean)を算出し、その結果を表2に示した。
使用するゼラチンを、ゼリー強度が115g、ケイ素含有量が49質量ppmのものを使用した以外は、実施例1と同様にしてニッケル粉末を作製し、諸特性を測定した。
その結果を表2に示す。
(比較例1)
パラジウムと微量の銀からなる複合コロイド水溶液に、アルカリ性のヒドラジン溶液を混合し、ニッケルを還元するために、アルカリ性コロイド水溶液を作製した。
上記アルカリ性コロイド水溶液におけるパラジウム、銀、ゼラチンの含有量は、ニッケル塩水溶液中のニッケルの全質量に対して、パラジウム:10質量ppm、銀:0.1質量ppm、ゼラチン:200質量ppmとした。
使用するゼラチンを、ゼリー強度が48g、ケイ素含有量が41質量ppmのものを用いた。
なお、溶液中のパラジウムおよび銀の含有量は、ICP発光分光分析法により分析した。また、ゼラチンのケイ素含有量は、ケイ素のICP発光分光法により分析した。更に、ゼラチンのゼリー強度測定は、JIS K6503−2001に定められる方法による値とした。
使用したニッケルを還元するためのアルカリ性コロイド水溶液の作製は、具体的には、次のように行った。
まず、純水6Lに所定量のゼラチンを溶解させた後、ヒドラジンの濃度が0.02g/Lとなるようにヒドラジンを混合した。次に、純水と所定量のパラジウムと銀の0.2Lの混合溶液を作製し、ゼラチンとヒドラジンが含まれる前記溶液に滴下して、コロイド水溶液を得た。
このコロイド水溶液に、水酸化ナトリウム水溶液を6.5g/Lになるように添加し、さらに、ヒドラジンは、26g/Lとなるまで添加して、パラジウムと微量の銀からなる複合コロイド粒子が混合されたアルカリ性ヒドラジン溶液を作製し、ニッケルを還元するためのアルカリ性コロイド水溶液とした。なお、この時点で、全溶液量は、7Lとなるように純水を更に添加した。
そして、このアルカリ性コロイド水溶液に、ニッケル塩水溶液としてニッケル濃度が100g/Lの塩化ニッケル水溶液を0.5lを3分間かけて連続的に投入して、ニッケルの還元を行い、乾燥してニッケル粉末を得た。
得られたニッケル粉末について、走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製 JSM−5510)、倍率10000倍の写真(縦19.2μm×横25.6μm)を撮影し、その写真に対角線を引き、その対角線が通過した粒子の対角線への投影長さを測定し、その投影長さを粒径として平均粒径Dmeanを算出した。
その測定結果を纏めて表2に示す。
(比較例2)
使用するゼラチンを、ゼリー強度が84g、ケイ素含有量が250質量ppmのものを使用した以外は、比較例1と同様にしてニッケル粉末を作製し、諸特性を測定した。
その結果を表2に示す。
(比較例3)
使用するゼラチンを、ゼリー強度が150g、ケイ素含有量が52質量ppmのものを使用した以外は、比較例1と同様にしてニッケル粉末を作製し、諸特性を測定した。
その結果を表2に示す。
Figure 0006187822

Claims (2)

  1. ニッケル以外の金属元素とその金属元素を還元する還元剤と保護コロイド剤となるゼラチンによるコロイド粒子が分散したコロイド水溶液と、ニッケルを還元する還元剤と、アルカリ性物質を混合して作製したアルカリ性コロイド水溶液に、ニッケル塩溶液を添加して前記ニッケル塩溶液を構成するニッケル元素の金属粒子を生成するニッケル粉末の製造方法であって、
    前記保護コロイド剤のゼラチンが、JIS K 6503 2001で規定する60〜130gのゼリー強度を有し、且つゼラチンに含まれるケイ素含有量が、100質量ppm未満であることを特徴とするニッケル粉末の製造方法。
  2. 前記ニッケル以外の金属元素のコロイド粒子が、パラジウムと銀を金属元素とするコロイド粒子であること特徴とする請求項1に記載のニッケル粉末の製造方法。
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