JP4061462B2 - 複合微粒子並びに導電性ペースト及び導電性膜 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ニッケルを主成分とする芯材とAg等の酸化物とからなる複合微粒子並びにこれを用いた導電性ペースト及び導電性膜に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、携帯機器やデジタル家電の小型化に伴い、積層セラミクッスコンデンサーの小型化・高容量化が検討されている。積層セラミクッスコンデンサーの小型化・高容量化には誘電体層と内部電極層の薄膜化による多層化が最も有効である。内部電極層の薄膜化には、内部電極層の材料である導電性ペーストに含まれる金属粒子の微粒子化が必要である。現在、最も薄い内部電極層は約1ミクロン程度であり、それに使用される導電性ペーストに含まれる金属粒子はニッケル、銀、パラジウム等の金属単体から構成され、平均粒径1ミクロン程度である。今後、内部電極層は0.3ミクロン程度まで薄膜化する可能性が高まってきている。そのためには、導電性ペーストに含まれる金属粒子は平均粒径0.2ミクロン以下である必要があると考えられる。
【0003】
しかし、金属粒子を微粒子化するためには特に3つの問題が生じる。1つ目は金属粒子の熱収縮特性が大きくなり、積層セラミックスコンデンサーの焼結時に、誘電体層と内部電極層との熱収縮特性のズレによってクラック等の欠陥が問題となりつつある。2つ目は、微粒子化に伴い、比表面積が大きくなり、セラミックスの脱脂時におこる金属酸化も問題となりつつある。3つ目は、ニッケルは強磁性体であるため、ニッケル粒子を細かくすると、単磁区粒子となり、強保磁力となる。そのため、磁力により粒子が凝集し易くなる。これら3つの問題の対策として数多くの提案がある。
【0004】
金属微粒子の製法としては、大きく分けて3つある。
1.ヒドラジン等の還元剤を用いて金属の水溶液や金属不溶化合物から還元により金属粒子を得る方法である。溶液反応のため、湿式法と呼ばれることが多い。
2.金属の水溶液や金属不溶化合物を水素ガスで高温加熱して直接還元する方法である。水素ガスを使用することから、気相法と呼ばれることが多い。
3.カルボニル化合物のように高温で熱分解することにより金属粒子を得る方法である。
【0005】
この場合、湿式法は、粒度分布のシャープな金属粒子ができるが、熱処理を受けておらず、収縮率が大きいので、その対策として、金属粒子中にマグネシウム及び/又はカルシウムを添加すること(特開平11−172306号公報)、表面の一部を酸化物で被覆すること(特許第2992270号、特開2000−282102号公報)が提案されている。同じように、気相法で製造した金属粒子も、湿式法に比べ、高温で処理して製造するため、収縮の開始温度は遅いが、収縮率に大きな違いがなく、同じような対策が提案されている(特開2000−63901号公報)。また、上記いずれの方法も、収縮は改善されても、金属の粒径が1.0μm程度と大きく、十分とは言えなかった。特にニッケル等の金属単体を使用したものは磁性が高く、磁場を発生する問題が生じていた。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、上記焼結時の収縮の問題、金属酸化の問題を解決し得る複合微粒子並びにこれを用いた導電性ペースト及び導電性膜を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、下記一般式(1)
Ni1-a-baZ’b (1)
(式中、ZはAg,Au,Cuから選ばれる1種又は2種以上の元素、Z’はLi,K,Na,B,Pから選ばれる1種又は2種以上の元素であり、0<a≦0.4(重量割合)、0≦b≦0.1(重量割合)、a+b>0である。)
で表される芯材表面の少なくとも一部を、Ag,Ba,Co,Cu,Ni,Sn,Ti,Zr,希土類元素(但し、Yを含む),Pdから選ばれる1種又は2種以上の元素の酸化物で被覆してなる平均粒径が0.05〜0.7μmである複合微粒子が電極材料として有効で、この複合微粒子を用いることにより、これを積層セラミックスコンデンサーの内部電極材料とした場合、積層セラミックスコンデンサー焼結時の収縮が改善され、また各種電子セラミックス脱脂時におこる金属酸化を改善し得ることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
【0008】
従って、本発明は、上記複合粒子、並びにこの複合微粒子と有機ビヒクルとを含有する導電性ペースト及びこの導電性ペーストを焼結することによって得られ、面積抵抗が100mΩ以下である導電性膜を提供する
【0009】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の複合微粒子は、(A)下記一般式(1)
Ni1-a-baZ’b (1)
(式中、ZはAg,Au,Cuから選ばれる1種又は2種以上の元素、Z’はLi,K,Na,B,Pから選ばれる1種又は2種以上の元素であり、0<a≦0.4(重量割合)、0≦b≦0.1(重量割合)、a+b>0である。)
で表される芯材表面の少なくとも一部を、(B)Ag,Ba,Co,Cu,Ni,Sn,Ti,Zr,希土類元素(但し、Yを含む),Pdから選ばれる1種又は2種以上の元素の酸化物で被覆してなり、平均粒径が0.05〜0.7μmであることを特徴とする。
【0010】
本発明の芯材となる金属粒子(A)は、ニッケルを主体とするもので、これは湿式法で製造することが好ましい。この場合、溶液中で還元反応によって金属微粒子を得るには、核をいかに数多く発生させるかということによって決まる。反応は瞬時である必要がある。そのため、Niよりも、先に還元されて核となる元素があると、より微粒子を得ることができ、本発明においては、かかる元素ZとしてAg,Au,Cuのうち1種又は2種以上を用いる。これらの中でも、特にAg,Cuは電気伝導性がよく、好ましい。また、Cuは安価であるためにより好適である。
【0011】
上記元素Zの含有量は、収縮を抑える上から、0重量%以上、好ましくは0重量%を超え、40重量%以下[式(1)において、0≦a≦0.4(重量割合)]であり、40重量%を超えると、Cu又はPdの場合は融点が下がり使用できない。Ag,Au,Coの場合、価格が高くなり経済的ではない。その下限量としては1重量%以上であることが好ましい。なお、平均粒径が0.2μm以下の粒子を製造する場合には、Zは3〜10重量%であることが好ましい。
【0012】
更に収縮改善のために、本発明では他の元素Z’としてLi,K,Na,B,Pから選ばれる1種又は2種以上を金属微粒子中に添加することが有効である。特に、B,PはNi3BやNi3Pという化合物をつくり、この化合物はNiよりも硬く、Niの収縮を抑える。また、Li,K,NaはNiに固溶し、更に収縮を抑える。
【0013】
上記元素Z’の含有量は、0重量%以上、好ましくは0重量%を超え、10重量%以下[式(1)において、0≦b≦0.1(重量割合)]である。Z’が10重量%を超えると、B,Pの場合、共晶点があり、融点が下がり使用できなくなる。Li,K,Naの場合、Z’が10重量%を超えると、誘電体層に拡散する量が問題となる。誘電体層のLi,K,Na濃度が500ppmを超えると誘電特性に影響がでると言われているので、本発明では特に0.001〜1重量%添加することが好ましい。
なお、上記式(1)において、aとbとは同時に0とはならない(a+b>0)。
【0014】
また、Z,Z’で合金化することにより強保磁力による凝集を抑える働きもある。このことは保磁力を振動試料型磁力計(VSM)等で測定することによりわかる。
【0015】
なお、上記芯材(A)のX線回折法による結晶子の大きさは多結晶を構成している結晶の大きさであり、200〜700Åのときに収縮開始温度が遅く好ましい。
【0016】
本発明の複合微粒子は、芯材となる上記合金微粒子(A)の少なくとも一部表面をAg,Ba,Co,Cu,Ni,Sn,Ti,Zr,希土類元素(但し、Yを含む),Pdのうち1種又は2種以上からなる酸化物(B)で被覆したものである。この場合、その被覆量は、複合微粒子全体に対して10重量%以下、更には1〜10重量%、特に0.5〜5重量%であることが好ましい。
【0017】
本発明においては、合金粒子(A)表面を酸化物(B)の前駆体である水酸化物・炭酸塩・塩基性炭酸塩で覆い、不活性雰囲気又は真空中で熱処理することにより酸化物(B)で被覆することが有効で、熱処理により合金粒子の結晶粒子が成長し、収縮を抑える。更に、各種電子セラミックスにおける大気中で脱脂時の酸化を表面の酸化物が抑えると考えられる。被覆酸化物に求められる特性としては、誘電体層に拡散しても誘電特性に影響の少ない元素で、電気伝導性を損なわないものである必要があり、Ag,Ba,Co,Cu,Ni,Sn,Ti,Zr,希土類元素(但し、Yを含む),Pdの酸化物の中から選ばれる。該前駆体化合物は各種電子セラミックスを還元雰囲気で1200〜1350℃で焼結する際に、約800℃以上で金属に還元されることにより、電気伝導性を損なわない元素である。
【0018】
本発明の複合微粒子の製造方法としては、特に下記方法が好適に採用される。即ち、本発明の芯材となる合金(A)は、Ni水溶性化合物(例えば、硫酸塩・硝酸塩・塩化物)と添加したい元素(Li,K,Na,B,P)の化合物を所定重量計り取る。上記計り取った化合物を純水に投入し、溶解する。pHを13以上に調整するためにアルカリ溶液を投入する。ここでアルカリは、水酸化カリウム又は水酸化ナトリウムが好ましい。OH/Niのモル比は、3〜15がよい。次に、核又は触媒となるAg,Au,Cuの金属化合物水溶液(例えば、硫酸溶液・硝酸溶液・塩化溶液)を素早く投入し、液温50〜200℃にし、還元剤を素早く投入する。還元剤はヒドラジン又はホウ素水素ナトリウムが好ましい。還元剤/金属のモル比は、3〜10がよい。反応時間は10〜30分が好ましい。次いで、被覆酸化物の原料となるAg,Ba,Co,Cu,Ni,Sn,Ti,Zr,希土類元素(但し、Yを含む),Pdから選ばれる水溶性化合物(例えば、硫酸塩・硝酸塩・塩化物)を添加する。アルカリ・尿素等の沈殿剤を加え、できた金属粒子と酸化物の前駆体である水酸化物・炭酸塩・塩基性炭酸塩と共沈させる。可能なら共沈させる前に、できた金属粒子をボールミル等で分散しておくとよい。金属粒子と酸化物の前駆体化合物の共沈品を濾過・純水洗浄する。更に炭素数12〜26の飽和脂肪酸を表面に5〜50nmコーティングした後、真空又は不活性雰囲気で200〜1000℃、好ましくは400〜1000℃で2〜6時間熱処理することにより、被覆酸化物のある金属粒子ができる。熱処理により一部凝集している場合には、粉砕機等で凝集を解す。
【0019】
電極材料として使用するためには、複合微粒子の電気抵抗が低いことが必要である。電気抵抗は、一定体積に粒子を充填し、4端子法で測定して、体積抵抗として100mΩcm以下がよい。100mΩcmを超えると、還元雰囲気で焼結しても、電極として必要な面積抵抗を達成できない。複合微粒子の電気抵抗を低くするには、被覆酸化膜の厚さが10nm以下であることが好ましい。
【0020】
また、本発明の複合微粒子の平均粒径は、0.05〜0.7μmであることが好ましい。
【0021】
即ち、積層セラミックスコンデンサーの高容量化には、内部電極層の薄膜化による多層化が最も有効である。内部電極層の薄膜化には、内部電極層の材料である導電性ペーストに含まれる金属粒子の微粒子化が必要である。また、単位体積当りに複合微粒子がより多く充填されることも大切である。これは、微粒子の平均粒径が細かく、かつ、粒度分布や形状も重要である。粒度分布はより最密充填になるような粒度分布が好ましい。粒径の測定には、レーザ回折法や直接走査型電子顕微鏡による観察などがある。ここでは、フィッシャー・サブ−シーブ・サイザー径を採用した。また、形状は球状が好ましい。このことは、嵩密度やタップ密度や圧縮密度でも表現できる。
【0022】
結晶子は単結晶の平均粒径である。本複合微粒子は多結晶体であるが、単結晶の平均粒径が大きいほど、収縮開始温度は遅くなる。熱処理条件によって、結晶子を大きくする。熱処理のないものは100〜200Åである。これに対し、特に400℃以上で処理すると200〜300Åになる。1000℃以上で処理すると600〜700Åになる。
【0023】
本発明の複合微粒子は、電極材料として好適に用いられるが、この場合、有機ビヒクルと導電性ペーストを調製し、これを用いることが好ましい。導電性ペーストは、複合微粒子が50〜85重量%で、残分が有機ビヒクルからなる導電性ペーストがよい。
【0024】
有機ビヒクルは、有機又は無機バインダーと分散剤・可塑剤と希釈剤とを含み、具体的には、バインダーとして、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニールブチラール、アクリル系樹脂等を5〜20重量%、分散剤・可塑剤としてジブチルフタレート等を5重量%以下、特に1〜3重量%、残分が希釈剤で、テルピネオール等の不飽和アルコール、2−メトキシエタノール等のエーテルにしたものがよい。粘度は5〜25PaS程度がよい。
【0025】
上記導電性ペーストは、常法に従ってスクリーン印刷等で所用の基材、例えばアルミナ等の酸化物系セラミックス等に印刷し、これを大気中で300〜500℃で脱脂後還元雰囲気で1150〜1350℃で2〜6時間焼結して導電性膜(電極)を形成する。なお、その厚さは、例えば、スクリーンの開き目とペーストの粘度で調節する。できた電極をセラミックス焼結条件で焼結後に、面積抵抗が100mΩ以下である導電性膜を得ることができる。
【0026】
【発明の効果】
本発明の複合微粒子を用いることにより、焼結時の収縮、脱脂時の金属酸化を改善することができる。
【0027】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0028】
参考例1]
硫酸ニッケル6水和物を431g取り、純水に溶かし、硫酸ニッケル溶液1.7Lとした。室温で攪拌しながら、水酸化ナトリウム溶液48wt%0.8Lに燐酸3ナトリウム12水和物50gを添加した。その後、硫酸ニッケル溶液を約1時間で投入した。温度95℃にし、ヒドラジン水溶液60wt%1Lを約30秒で添加した。20分反応させた後、40℃以下にして硫酸ニッケル6水和物11gを添加した。過剰のアルカリを塩酸で中和し、pH9にした。濾過し、エタノールにステアリン酸を溶解したもので洗浄し、粒子表面にステアリン酸をコーティングした。次に、不活性雰囲気(Ar)中600℃、4時間で熱処理を行った。
【0029】
得られた複合粒子の組成をICPで分析した。結果を表1に示す。粒度分布はフィッシャー・サブ−シーブ・サイザー法で測定した。結晶子サイズはX線回折を取り、Scherrer法から算出した。粒子の外観は走査型電子顕微鏡写真で観察した。体積抵抗は一定体積に粒子を充填し、4端子法で測定した。結果を表2に示す。
【0030】
また、上記複合粒子にMC(メチルセルロース)2wt%水溶液を用いて粒子重量に対して0.5wt%添加・混合後、真空乾燥した。乾燥粒子を30φの金型で、300kg/cm2でプレス成形し、成形体を数個準備し、得られた成形体で焼結時の収縮率を測定した。大気中で400℃、1時間で脱脂後、N2+H2(H23wt%)をフローしながら、1300℃、2時間焼結した。600℃、800℃、1000℃、1300℃での成形体を取り出し、各温度での収縮率を測定した。測定結果を表3に示す。
【0031】
次に、テルピネオール95wt%に対してHPC(ヒドロキシプロピルセルロース)5wt%になるように混合した。この有機溶媒40wt%に対して複合粒子60wt%になるように混合した。できたペーストの粘度をB型粘度計で測定したところ、13000cps(13PaS)であった。スクリーン印刷機で250メッシュを用いてアルミナの上に印刷した。膜を大気中で400℃、1時間脱脂し、次にN2+H2(H23wt%)をフローしながら、1300℃、2時間焼結した。得られた膜の厚さと面積抵抗を測定した。測定結果を表4に示す。
【0032】
[実施例
参考例1と同じように製造した。硫酸ニッケル6水和物を397g取り、純水に溶かし、硫酸ニッケル溶液1.5Lとした。室温で攪拌しながら、水酸化ナトリウム溶液48wt%1.3Lに燐酸3ナトリウム12水和物50gを添加した。その後、硫酸ニッケル溶液を1時間で投入した。更に、硝酸銀溶液0.5mol/L、0.15Lを添加し、温度55℃にし、ヒドラジン水溶液60wt%1Lを約30秒で添加した。20分反応させた後、40℃以下にして塩化パラジウム5gを添加した。濾過し、エタノールにラウリン酸を溶解したもので洗浄し、粒子表面ラウリンに酸をコーティングした。次に、不活性雰囲気(Ar)・400℃、4時間で熱処理を行った。得られた複合粒子の組成・粒度分布・結晶子サイズ・粒子の概観・体積抵抗を参考例1と同じ方法で測定した。また、上記複合粒子を用いて参考例1と同じ方法で成形体を数個準備し、焼結時の収縮率を測定した。測定結果を表3に示す。参考例1と同じ配合・同じ方法でペーストをつくり、スクリーン印刷機で250メッシュを用いてアルミナの上に印刷し、面積抵抗を測定した。
【0033】
[実施例
参考例1と同じように製造した。硫酸ニッケル6水和物を402g取り、純水に溶かし、硫酸ニッケル溶液1.5Lとした。室温で攪拌しながら、水酸化ナトリウム溶液48wt%0.3Lに燐酸3ナトリウム12水和物50gを添加した。その後、硫酸ニッケル溶液を約1時間で投入した。更に、硫酸銅溶液0.5mol/L、0.25Lを添加し、温度50℃にし、ヒドラジン水溶液60wt%0.4Lを約60秒で添加した。20分反応させた後、40℃以下にして塩化ニッケル4水和物11gを添加した。濾過し、エタノールにステアリン酸を溶解したもので洗浄し、粒子表面にステアリン酸をコーティングした。次に、不活性雰囲気(Ar)・600℃、4時間で熱処理を行った。得られた複合粒子の組成・粒度分布・結晶子サイズ・粒子の概観・体積抵抗を参考例1と同じ方法で測定した。また、上記複合粒子を用いて参考例1と同じ方法で成形体を数個準備し、焼結時の収縮率を測定した。測定結果を表3に示す。参考例1と同じ配合・同じ方法でペーストをつくり、スクリーン印刷機で250メッシュを用いてアルミナの上に印刷し、面積抵抗を測定した。
【0034】
[実施例
実施例と同じように製造した。硫酸ニッケル6水和物を302g取り、純水に溶かし、硫酸ニッケル溶液1.5Lとした。室温で攪拌しながら、水酸化ナトリウム溶液48wt%0.3Lに燐酸3ナトリウム12水和物50gを添加した。その後、硫酸ニッケル溶液を約1時間で投入した。更に、硫酸銅溶液0.5mol/Lを0.94L添加し、温度50℃にし、ヒドラジン水溶液60wt%0.3Lを約5分で添加した。20分反応させた後、40℃以下にして塩化ニッケル4水和物11gを添加した。濾過し、エタノールにステアリン酸を溶解したもので洗浄し、粒子表面にステアリン酸をコーティングした。次に、不活性雰囲気(Ar)・500℃、4時間で熱処理を行った。得られた複合粒子の組成・粒度分布・結晶子サイズ・粒子の概観・体積抵抗を参考例1と同じ方法で測定した。また、上記複合粒子を用いて参考例1と同じ方法で成形体を数個準備し、焼結時の収縮率を測定した。測定結果を表3に示す。参考例1と同じ配合・同じ方法でペーストをつくり、スクリーン印刷機で250メッシュを用いてアルミナの上に印刷し、面積抵抗を測定した。
【0035】
参考
参考例1と同じように製造した。硫酸ニッケル6水和物を376g取り、純水に溶かし、硫酸ニッケル溶液1.8Lとした。水酸化ナトリウム溶液48wt%の代わりに水酸化カリウム溶液40wt%を使用した。オートクレイブに水酸化カリウム溶液40wt%1Lを入れた。室温で攪拌しながら、硫酸ニッケル溶液を約1時間で投入した。更に、硫酸コバルト溶液0.5mol/L、0.5Lを添加した。室温にて、ヒドラジン水溶液60wt%1Lと水素化ホウ素化ナトリウム10wt%0.1Lを合わせて約30秒で添加した。温度180℃、20分反応させた後、40℃以下にして硫酸銅7水和物11gを添加した。濾過し、エタノールにステアリン酸を溶解したもので洗浄し、粒子表面にステアリン酸をコーティングした。次に、不活性雰囲気(Ar)・600℃、4時間で熱処理を行った。得られた複合粒子の組成・粒度分布・結晶子サイズ・粒子の概観・体積抵抗を参考例1と同じ方法で測定した。また、上記複合粒子を用いて参考例1と同じ方法で成形体を数個準備し、焼結時の収縮率を測定した。測定結果を表3に示す。参考例1と同じ配合・同じ方法でペーストをつくり、スクリーン印刷機で250メッシュを用いてアルミナの上に印刷し、面積抵抗を測定した。
【0036】
参考
参考と同じように製造した。硫酸ニッケル6水和物を400g取り、純水に溶かし、硫酸ニッケル溶液1.8Lとした。水酸化カリウム溶液40wt%1Lに室温で攪拌しながら、硫酸ニッケル溶液を約1時間で投入した。更に、塩化パラジウム溶液0.5mol/L、0.2Lを添加した。室温にて、ヒドラジン水溶液60wt%1Lと水素化ホウ素化ナトリウム10wt%0.1Lを合わせて約10分で添加した。温度50℃、20分反応させた後、40℃以下にして塩化スズ2水和物5gを添加した。濾過し、エタノールにステアリン酸を溶解したもので洗浄し、粒子表面にステアリン酸をコーティングした。次に、不活性雰囲気(Ar)・600℃、4時間で熱処理を行った。得られた複合粒子の組成・粒度分布・結晶子サイズ・粒子の概観・体積抵抗を参考例1と同じ方法で測定した。また、上記複合粒子を用いて参考例1と同じ方法で成形体を数個準備し、焼結時の収縮率を測定した。測定結果を表3に示す。参考例1と同じ配合・同じ方法でペーストをつくり、スクリーン印刷機で250メッシュを用いてアルミナの上に印刷し、面積抵抗を測定した。
【0037】
[比較例1]
参考例1と同じように製造した。硫酸ニッケル6水和物を450g取り、純水に溶かし、硫酸ニッケル溶液1.75Lとした。室温で攪拌しながら、水酸化ナトリウム溶液28wt%1.3Lに硫酸ニッケル溶液を約1時間で投入した。更に、温度70℃にし、ヒドラジン水溶液60wt%1Lを約30秒で添加した。60分反応させた後、濾過し、不活性雰囲気(Ar)・100℃、4時間で乾燥処理を行った。得られた粒子の組成・粒度分布・結晶子サイズ・粒子の概観・体積抵抗を参考例1と同じ方法で測定した。また、上記粒子を用いて参考例1と同じ方法で成形体を数個準備し、焼結時の収縮率を測定した。測定結果を表3に示す。参考例1と同じ配合・同じ方法でペーストをつくり、スクリーン印刷機で250メッシュを用いてアルミナの上に印刷し、面積抵抗を測定した。結果を表4に示す。
【0038】
[比較例2]
参考例1と同じように製造した。硫酸ニッケル6水和物を450g取り、純水に溶かし、硫酸ニッケル溶液1.75Lとした。室温で攪拌しながら、水酸化ナトリウム溶液28wt%1.3Lに硫酸ニッケル溶液を約1時間で投入した。更に、温度70℃にし、ヒドラジン水溶液60wt%1Lを約30秒で添加した。60分反応させた後、40℃以下にして塩化イットリウム10gを添加した。濾過し、不活性雰囲気(Ar)・100℃、4時間で乾燥処理を行った。得られた粒子の組成・粒度分布・結晶子サイズ・粒子の概観・体積抵抗を参考例1と同じ方法で測定した。また、上記粒子を用いて参考例1と同じ方法で成形体を数個準備し、焼結時の収縮率を測定した。測定結果を表3に示す。参考例1と同じ配合・同じ方法でペーストをつくり、スクリーン印刷機で250メッシュを用いてアルミナの上に印刷し、面積抵抗を測定した。結果を表4に示す。
【0039】
【表1】
Figure 0004061462
【0040】
【表2】
Figure 0004061462
【0041】
【表3】
Figure 0004061462
【0042】
【表4】
Figure 0004061462
【0043】
実施例と比較例を比較すると、実施例1〜は、還元され易い酸化物被覆されているため、収縮が少なく、できた膜の電気抵抗も低い。一方、比較例1は膜の電気抵抗は低いが、収縮は大きい。これは酸化膜がなく、結晶子が小さいためと考えられる。比較例2では、酸化イットリウムが被覆されているため、収縮は小さいが、膜の電気抵抗が高い。

Claims (7)

  1. (A)下記一般式(1)
    Ni1-a-baZ’b (1)
    (式中、ZはAg,Au,Cuから選ばれる1種又は2種以上の元素、Z’はLi,K,Na,B,Pから選ばれる1種又は2種以上の元素であり、0<a≦0.4(重量割合)、0≦b≦0.1(重量割合)、a+b>0である。)
    で表される芯材表面の少なくとも一部を、(B)Ag,Ba,Co,Cu,Ni,Sn,Ti,Zr,希土類元素(但し、Yを含む),Pdから選ばれる1種又は2種以上の元素の酸化物で被覆してなり、平均粒径が0.05〜0.7μmであることを特徴とする複合微粒子。
  2. 上記(B)成分の酸化物が、Ag,Ba,Co,Cu,Ni,Sn,Pdから選ばれる金属の酸化物である請求項1記載の複合微粒子。
  3. 上記(B)成分の酸化物の総重量比率が粒子全体に対して10重量%以下である請求項1又は2記載の複合微粒子。
  4. 上記(A)成分の芯材のX線回折法による結晶子が200〜700Åである請求項1、2又は3記載の複合微粒子。
  5. 体積抵抗率が100mΩcm以下である請求項1乃至4のいずれか1項記載の複合微粒子。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項記載の複合微粒子と有機ビヒクルとを含有することを特徴とする導電性ペースト。
  7. 請求項6記載の導電性ペーストを焼結することによって得られ、面積抵抗が100mΩ以下であることを特徴とする導電性膜。
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