JP2015162442A - 燃料電池システム及び燃料電池システムの制御装置並びに燃料電池システムの制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】燃料電池システム1では、改質水の供給経路(主流路)3に沿って、上流側より、改質水タンク5、改質水ポンプ7、フィルタ9、供給弁11、流量センサ13、発電モジュール15が配置されている。発電モジュール15は、気化器19、改質器21、燃料電池スタック23、温度センサ25を備えている。フィルタ9と供給弁11との間の主流路3からは、改質水タンク5に到る分岐流路27が設けられており、この分岐流路27には、排出弁29が設けられている。更に、燃料電池システム1は、燃料電池システム1の動作を制御するコントローラ31を備えている。
【選択図】図1
Description
更に、本第1態様では、フィルタの下流側にて改質水を排出する構成であるので、再起動時には、フィルタを通過した浄化後の改質水を気化器側(従って改質器側)に供給することができる。
本第2態様は、フィルタの種類を例示したものである。このイオン交換樹脂フィルタは、イオン交換樹脂が常時改質水に浸されているフィルタであるので、燃料電池システムの運転が停止した場合には、前記第1態様の構成によって、フィルタと供給弁との間に残留した改質水が、フィルタに逆流し、フィルタ性能を低下させることを防止できる。
(4)本発明は、第4態様として、前記燃料電池スタックの温度を測定する温度センサを備えたことを特徴とする。
本第5態様では、上述したように、燃料電池システムの運転を停止するために改質水を供給するポンプの供給動作を停止した場合は、供給弁によって改質水の流路を閉鎖することによって、フィルタと気化器との間に残留した改質水が気化器内に入って水蒸気化することを防止でき、それによって、その水蒸気が改質器内および燃料電池スタックに流入することを防止できる。つまり、改質器に充填される触媒(例えばニッケル触媒等)や燃料電池スタックの燃料極が、上述した状況での水蒸気の流入によって破壊されることがあるが、本第5態様では、そのような破損を防止できる。
燃料電池スタックの温度が、所定の温度以下になった場合には、燃料極が酸化しにくく燃料電池セルの破損が生じにくい状態となっているので、燃料電池システムの運転を停止(例えば燃料ガスの供給を停止)しても、燃料極の酸化や燃料電池セルの破損は生じにくい。
前記燃料電池スタックとしては、例えば、ZrO2系セラミックなどを電解質とする固体酸化物形燃料電池(SOFC)、高分子電解質膜を電解質とする固体高分子形燃料電池(PEFC)、Li−Na/K系炭酸塩を電解質とする溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)、リン酸を電解質とするリン酸形燃料電池(PAFC)などの燃料電池スタックが挙げられる。
前記原燃料としては、改質によって水素を生成できる各種の原料ガス、例えば天然ガス(例えばLNG)、都市ガス、LPG、灯油、メタノール、バイオメタノールなどを採用できる。
また、改質器とは、燃料電池に燃料ガスを供給する場合に、原燃料ガスを、より発電に好適な組成に改質(例えば都市ガス等をより水素成分の多い組成のガスに改質)する装置のことである。
図1に示すように、本実施例の燃料電池システム1は、燃料ガス(例えば原燃料ガスの都市ガスが改質された改質ガス)と酸化剤ガス(例えば空気)との供給を受けて、詳しくは水素と酸素との供給を受けて発電を行う発電ユニットである。
更に、燃料電池システム1は、燃料電池システム1の動作を制御するコントローラ31を備えており、コントローラ31には、停止ボタン33、起動ボタン35が接続されている。
改質水タンク5は、原燃料ガスを改質する際に用いられる改質水を貯溜する水タンクであり、改質水ポンプ7は、改質水タンク5から汲み上げた改質水を下流側のフィルタ9に供給するポンプである。なお、改質水ポンプ7の動作は、コントローラ31によって制御される。
排出弁29は、分岐流路27を開閉する電磁弁(排水弁)であり、コントローラ31によってその開閉が制御されている。
気化器19は、改質水を加熱して気化させて水蒸気とする装置であり、その水蒸気が改質器21に供給される。
なお、図示しないが、上述した構成以外に、発電モジュール15には、燃料電池スタック23から排出された(未反応成分を含む)排ガスを、ほぼ完全に燃焼させる排ガス燃焼器や、燃料電池スタック23の下方に配置されて、起動時に、燃料電池スタック23を加熱する起動バーナー等が配置されている。
このコントローラ31には、燃料電池システム1の運転の停止を指示する停止ボタン33と、燃料電池システム1の運転の開始を指示する起動ボタン35とが接続されている。
更に、コントローラ31には、燃料電池スタック23に燃料ガスを供給する燃料ポンプ37、空気を供給する空気ポンプ39、起動バーナーに燃料混合気を供給する混合気ポンプ41が接続されており、コントローラ31からの制御信号によって、それらの動作が制御されるように構成されている。
b)次に、コントローラ31によって制御される燃料電池システム1の動作について説明する。
まず、燃料電池システム1の運転中(発電中)に、燃料電池システム1を停止させる際の処理(発電を停止する際の処理)について説明する。
具体的には、改質水ポンプ7を作動させて、(開弁された)供給弁11を介して改質水を気化器19に供給して水蒸気を生成し、生成した水蒸気によって、改質器21、燃料電池スタック23内部をパージする。改質水ポンプ7の作動を継続した状態で、空気ポンプ39を作動させて、空気を燃料電池スタック23に供給して、その後、燃料ポンプ37を作動させて、原燃料ガスを改質器21に供給する。改質器21にて、水蒸気を用いて原燃料ガスの改質を行い、生成した燃料ガスを燃料電池スタック23に供給する。これらの起動運転により、燃料電池スタック23の温度を上昇させる。
ステップ130では、燃料電池システム1と外部負荷及び系統とを解列(電気的な接続を遮断)し、ステップ160に進む。
ステップ140では、燃料電池システム1と外部負荷及び系統とを解列する。
具体的には、供給弁11を閉じて、フィルタ9と供給弁11との間の改質水(残留水)が発電モジュール15側に供給されないようにして、その残留水の残圧を抑制する。また、排出弁29を開いて、フィルタ9と供給弁11との間の改質水(残留水)を改質水タンク5側に戻し、その残留水がフィルタ9へ逆流してフィルタ9の機能が損失することを防止する。更に、改質水ポンプ7のポンプ指示値を0[cc/min]にして、改質水ポンプ7を停止させる。
次に、燃料電池システム1の運転の停止中に、燃料電池システム1を起動させる際の処理について説明する。
ステップ210では、燃料電池スタック23の側面の温度を以って気化器19に投入する改質水が確実に気化する所定の温度(気化可能温度:例えば140℃)以上か否かを判定する。ここで、気化可能温度以上と判断されると(改質水の供給開始に十分な温度に達したので)ステップ220に進み、一方、気化可能温度未満と判断されると(改質水の供給開始には温度が低いので)温度が上昇するまで待機する。
ステップ220では、燃料電池システム1の運転の開始のための所定の処理を行って、起動動作を継続して、ステップ230に進む。
上述したように、本実施例1では、図5に示すように、時刻t1にて、重異常が発生したと判断された場合、又は、通常の停止動作によって燃料電池スタック23の温度が400℃以下に低下した場合には、改質水ポンプ7の動作を停止させ(改質水の供給量が0になるように、改質水ポンプ7への指示値を0に向かって低下させ)、供給弁11を開から閉に切り替え、排出弁29を閉から開に切り替える。
その後、時刻t2にて、再起動が指示された場合には、改質水ポンプ7の動作を再開し(指示値を0から速やかに上昇させる)、供給弁11を閉から開に切り替え、排出弁29を開から閉に切り替える。
c)次に、本実施例の効果について説明する。
特に燃料電池が固体酸化物形燃料電池のような高温で作動する場合には、燃料極が酸化し易く、燃料電池セルが破損し易いが、本実施例では、その酸化や破損を効果的に防止できる。
また、本実施例では、分岐流路27によって、フィルタ9と供給弁11との間の主流路3から改質水タンク5に改質水を戻すことができるので、改質水量の減少を抑制することができる。
(1)例えば、本発明は、固体酸化物形燃料電池(SOFC)に限らず、固体高分子形燃料電池(PEFC)、溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)、リン酸形燃料電池(PAFC)などの燃料電池に適用できる。
具体的には、三方向弁は、フィルタと改質器との間の流路(主流路)と、主流路から改質水タンクに到る分岐流路とを切り替えるように、即ち、主流路を開く場合には分岐流路が閉じ、逆に、主流路を閉じる場合には分岐流路が開くように、流路の切り換えが可能なように構成されている。
3…主流路
5…改質水タンク
7…改質水ポンプ
9…フィルタ
11…供給弁
13…流量センサ
15…発電モジュール
19…気化器
21…改質器
23…燃料電池スタック
25…温度センサ
27…分岐流路
29…排出弁
31…コントローラ
33…停止ボタン
35…起動ボタン
Claims (8)
- 原燃料を燃料ガスに改質するために用いる改質水を気化する気化器と、前記燃料ガスと酸化剤ガスとを用いて発電を行う燃料電池セルを積層した燃料電池スタックと、を有する発電モジュールを備えた燃料電池システムにおいて、
前記改質水を前記気化器に供給する流路には、
上流側より、
前記改質水を溜めるタンクと、
前記タンクから前記改質水を汲み上げて下流側となる前記気化器側に前記改質水を供給するポンプと、
前記改質水に浸された状態で保持されるとともに、前記改質水を浄化するフィルタと、
前記フィルタと前記気化器との間に配置され前記流路を開閉する供給弁と、
を備えるとともに、
前記フィルタと前記供給弁との間の前記流路から分岐して前記タンクに接続された分岐流路と、
前記分岐流路に配置されて、該分岐流路を開閉する排出弁と、
を備えたことを特徴とする燃料電池システム。 - 前記フィルタは、イオン交換樹脂フィルタであることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
- 前記供給弁と排出弁とは、前記改質水の流路を、前記フィルタと前記供給弁との間の前記流路と前記分岐流路とに切り替え可能な三方向弁として一体に構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
- 前記燃料電池スタックの温度を測定する温度センサを備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
- 前記気化器の下流側に、前記原燃料を前記燃料ガスに改質する改質器を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
- 前記請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料電池システムを制御する燃料電池システムの制御装置において、
前記燃料電池システムの運転を停止する条件が満たされた場合に、
前記供給弁の開閉を制御する供給弁制御手段と、
前記排出弁の開閉を制御する排出弁制御手段と、
前記ポンプの動作を制御するポンプ制御手段と、
を備えたことを特徴とする燃料電池システムの制御装置。 - 前記請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料電池システムを制御する燃料電池システムの制御方法において、
前記燃料電池システムの運転を停止する条件が満たされた場合には、前記供給弁によって前記フィルタと前記供給弁との間の前記流路を閉じる制御と、前記排出弁によって前記分岐流路を開く制御と、前記ポンプを停止する制御とを行うことを特徴とする燃料電池システムの制御方法。 - 前記燃料電池システムの運転を停止する条件として、前記燃料電池スタックの温度が、所定の温度以下になった条件を含むことを特徴とする請求項7に記載の燃料電池システムの制御方法。
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