JP6392545B2 - 燃料電池システムの制御装置及び燃料電池システムの制御方法 - Google Patents

燃料電池システムの制御装置及び燃料電池システムの制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば固体酸化物形燃料電池などの燃料電池を備えた燃料電池システムの制御装置及び燃料電池システムの制御方法に関するものである。
従来より、酸化剤ガス(例えば空気中の酸素)と燃料ガス(例えば水素)とを用いて発電を行う燃料電池を備えた燃料電池システムとして、例えば固体電解質(固体酸化物)を用いた固体酸化物燃料電池を備えた燃料電池システムが知られている。
また、燃料電池としては、例えば固体電解質層の両側に燃料極と空気極とを備えた単セルを有する板状の発電セル(燃料電池セル)を、複数個積層した燃料電池スタックが使用されている。
上述した燃料電池システムとしては、都市ガス等の原燃料を改質水を用いて燃料ガスに改質する改質器と、改質器で改質された燃料ガスと空気とを用いて発電を行う燃料電池スタックと、燃料電池スタックの動作を制御する制御装置とを備えた燃料電池システムが知られている(特許文献1参照)。
この燃料電池システムでは、燃料電池システムの稼働を停止させる停止制御形態が異なる複数の停止制御形態を備えており、異常原因に応じて、複数の停止制御形態から特定の停止制御形態を選択する制御を行っている。
また、従来技術では、燃料電池システムの稼働時に、改質水の流量に異常があった場合には、重篤な異常と判断して、酸化剤ガス、燃料ガス、改質水の供給を停止して、燃料電池システムを緊急停止させている。
ここで、改質水に異常がある場合に、燃料電池システムを緊急停止するのは、例えばそのまま燃料ガス等を供給し続けると、改質水と燃料ガスとの混合比が変化してカーボンが析出する等の問題が生じる恐れがあるからである。
特開2012−253033号公報
しかしながら、上述したように、燃料電池システムの稼働時に、改質水の流量に異常があった場合に、燃料電池システムを緊急停止させ、そのまま停止状態を継続すると、場合によっては、燃料電池スタックに損傷(劣化)が発生する可能性があった。
つまり、燃料電池システムを緊急停止させると、異常が発生した瞬間の状態によっては、例えば酸化剤ガスの燃料極(アノード)への回り込みや、燃料ガスの空気極(カソード)への回り込みが発生し、それによって、電極が劣化する可能性があった。
詳しくは、例えば、緊急停止によって燃料電池スタック中に残留した酸化剤ガスが、燃料極に回り込むと、電極中のNi成分が酸化凝縮する等によって電極が劣化する可能性があった。
しかも、燃料電池システムを緊急停止させると、燃料電池スタックは徐々に自然冷却されるものの、燃料電池スタックは稼働時には高温(例えば700℃程度)となっているので、その高温状態からなかなか温度が低下しない。そのため、この温度が高い状態で、例えば酸化剤ガスが燃料極に回り込むと、上述した電極の劣化等が激しくなる恐れがあった。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、改質水の流量に異常があった場合に、燃料電池システムの動作を制御する際に、燃料電池の劣化を低減できる燃料電池システムの制御装置及び燃料電池システムの制御方法を提供することにある。
(1)本発明は、第1態様(燃料電池システムの制御装置)として、燃料ガスと酸化剤ガスとを用いて発電を行う燃料電池と、前記燃料ガスを前記燃料電池に供給する燃料供給手段(例えば燃料ポンプ)と、前記酸化剤ガスを前記燃料電池に供給する酸化剤供給手段(例えば空気ポンプ)と、原燃料を改質水を用いて前記燃料ガスに改質する改質器と、前記改質器に前記改質水を供給する改質水供給手段(例えば改質水を供給するポンプ)と、前記改質水の流量の状態を検出する流量状態検出手段(例えば流量センサ)と、を備えた燃料電池システムの動作を制御する燃料電池システムの制御装置において、前記流量状態検出手段の信号に基づいて、前記改質水の流量の異常を判定する異常判定手段と、前記異常判定手段によって前記改質水の流量に異常があると判定された場合には、前記改質水供給手段の動作を正常な状態に復帰させる復帰手段と、を備え、前記改質水供給手段は、前記改質水を供給するポンプを駆動するモータを備えており、前記復帰手段は、前記モータを逆回転させる制御手段であり、前記異常判定手段によって前記改質水の流量に異常があると判定された場合には、外部負荷及び系統電力システムからの解列を行い、且つ、前記燃料供給手段と前記酸化剤供給手段と前記改質水供給手段との動作を停止することによって、発電の停止処理を行い、前記発電の停止処理を実施した後に、前記復帰手段によって、前記モータを逆回転させることを特徴とする。
本第1態様では、異常判定手段によって、流量状態検出手段の信号に基づいて、改質水の流量の異常を判定し、改質水の流量に異常があると判定された場合には、外部負荷及び系統電力システムからの解列を行い、且つ、燃料供給手段と酸化剤供給手段と改質水供給手段との動作を停止することによって、発電の停止処理を行い、その発電の停止処理を実施した後に、復帰手段によって、ポンプのモータを逆回転させる動作を行うことにより改質器に改質水を供給する改質水供給手段の動作を正常な状態に復帰させる。
つまり、本第1態様では、改質水の流量に異常がある場合には、従来のように、単に燃料ガス等の供給を緊急停止して、そのまま燃料電池システムの停止状態を維持するのではなく、改質水供給手段の動作を正常な状態に復帰させる制御を行っている。
これによって、改質水が正常に供給されるようになった場合には、緊急停止を維持する必要がないので、燃料電池システムの動作を緊急停止から速やかに復帰(再稼働)させることができる。これによって、緊急停止状態を維持した場合に生ずる恐れのある電極の劣化を抑制できるので、燃料電池の劣化を抑制して耐久性を向上させることができる。
ここで、上述した復帰動作を行う理由は、改質水の流量が異常になる原因として、ゴミ等が改質水を供給するポンプに噛み込むことによって生じることが多いので、簡単な復帰動作によって、ゴミ等が取り除かれて、改質水の流量が正常に戻る可能性があるからである。
また、本第1態様では、改質水の流量に異常があると判定された場合には、燃料供給手段と酸化剤供給手段との動作を停止して、燃料ガスと酸化剤ガスとの供給を停止するので、改質水が供給されない状態で燃料ガスや酸化剤ガスの供給が継続されることがない。これにより、例えば燃料ガスと改質水との混合比の変化によるカーボンの析出を防止することができる。
)本発明は、第態様として、前記流量状態検出手段の信号に基づいて、前記復帰手段によって前記改質水の流量の異常が解消されたか否かを判定する復帰判定手段を備えたことを特徴とする。
本第態様では、流量状態検出手段(例えば流量センサ)の信号に基づいて、復帰手段によって改質水の流量の異常が解消されたか否かを判定することができる。従って、この判定結果に基づいて、その後の燃料電池システムの動作を好適に制御することができる。
例えば、改質水の流量の異常が解消されない場合には、燃料ガスや酸化剤ガスや改質水の供給を停止し、逆に、改質水の流量の異常が解消された場合には、燃料ガスや酸化剤ガスの供給を再開する等のよう制御することにより、燃料電池の劣化を抑制するような好適な制御を行うことができる。
)本発明は、第態様として、前記復帰判定手段によって、前記改質水の流量の異常が解消されたと判定された場合には、前記燃料供給手段と前記酸化剤供給手段の動作を再開する動作再開手段を備えたことを特徴とする。
本第態様では、改質水の流量の異常が解消されたと判定された場合には、(改質水を利用した改質によって得られた)燃料ガスを用いた通常の発電が可能であるので、燃料供給手段と酸化剤供給手段によって、燃料ガスと酸化剤ガスの供給を再開して、発電を再開することができる。
つまり、本第態様によって、燃料電池システムを緊急停止させた状態から速やかに復帰(再稼働)することができるので、上述した電極の劣化を抑制して、燃料電池の耐久性を向上させることができる。
)本発明は、第態様として、前記燃料電池システムが、前記燃料電池の起動時に該燃料電池を加熱する起動バーナーを備えている場合に、前記復帰判定手段によって前記改質水の流量の異常が解消されていないと判定されたときには、前記動作停止手段による動作を継続するとともに、前記起動バーナーに前記酸化剤ガスを供給して前記燃料電池を冷却する冷却手段を備えたことを特徴とする。
本第態様では、改質水の流量の異常が解消されていないと判定されたときには、燃料ガスと酸化剤ガスの供給停止の動作を継続するとともに、起動バーナーに酸化剤ガスを供給して燃料電池を冷却する。
これにより、速やかに燃料電池の温度を下げることができるので、高温の状態で燃料ガスや酸化剤ガスが電極に接触することによる燃料電池の損傷を抑制することができる。
(5)本発明は、第5態様として、前記発電の停止処理を実施した後に、前記復帰手段を実施する時間に達した場合には、前記モータを逆回転させることを特徴とする。
)本発明は、第態様として、 燃料ガスと酸化剤ガスとを用いて発電を行う燃料電池と、前記燃料ガスを前記燃料電池に供給する燃料供給手段と、前記酸化剤ガスを前記燃料電池に供給する酸化剤供給手段と、原燃料を改質水を用いて前記燃料ガスに改質する改質器と、前記改質器に前記改質水を供給する改質水供給手段と、前記改質水の流量の状態を検出する流量状態検出手段と、を備えた燃料電池システムの動作を制御する燃料電池システムの制御方法において、前記改質水供給手段は、前記改質水を供給するポンプを駆動するモータを備えており、前記改質水の流量に異常があると判定された場合には、外部負荷及び系統電力システムからの解列を行い、且つ、前記燃料供給手段と前記酸化剤供給手段と前記改質水供給手段との動作を停止することによって、発電の停止処理を行い、前記発電の停止処理を実施した後に、前記モータを逆回転させる復帰動作を行うことを特徴とする。
本第態様は、前記第1態様と同様な効果を奏する。
)本発明は、第態様として、前記流量状態検出手段の信号に基づいて、前記改質水の流量の異常が解消されたか否かを判定することを特徴とする。
本第態様は、前記第態様と同様な効果を奏する。
)本発明は、第態様として、前記改質水の流量の異常が解消されたと判定された場合には、前記燃料供給手段と前記酸化剤供給手段の動作を再開することを特徴とする。
本第態様は、前記第態様と同様な効果を奏する。
)本発明は、第態様として、前記燃料電池システムが、前記燃料電池の起動時に該燃料電池を加熱する起動バーナーを備えている場合に、前記改質水の流量の異常が解消されていないと判定されたときには、前記動作停止手段による動作を継続するとともに、前記起動バーナーに前記酸化剤ガスを供給して前記燃料電池を冷却することを特徴とする。
本第態様は、前記第態様と同様な効果を奏する。
(10)本発明は、第10態様として、前記発電の停止処理を実施した後に、前記復帰動作を実施する時間に達した場合には、前記モータを逆回転させることを特徴とする。
以下、本発明の各構成について説明する。
ここで、燃料ガスとは、燃料となる還元剤(例えば水素)を含むガスを示し、酸化剤ガスとは、酸化剤(例えば酸素)を含むガス(例えば空気)を示している。
燃料電池としては、例えば、ZrO2系セラミックなどを電解質とする固体酸化物形燃料電池(SOFC)、高分子電解質膜を電解質とする固体高分子形燃料電池(PEFC)、Li−Na/K系炭酸塩を電解質とする溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)、リン酸を電解質とするリン酸形燃料電池(PAFC)などの燃料電池が挙げられる。
この燃料電池としては、例えば燃料極層と固体電解質層と空気極層とを一体に積層した単セルを備えた構成、例えば単セルを厚み方向に複数積層した燃料電池スタックを採用できる。
酸化剤供給手段としては、酸化剤ガスを燃料電池に供給する空気ポンプが挙げられる。
燃料供給手段としては、燃料ガスを燃料電池に供給する燃料ポンプが挙げられる。なお、通常は、燃料ポンプ等を作動させて、原燃料を改質器に供給することによって、燃料ガスを燃料電池に供給することができるので、この燃料供給手段には、原燃料を供給して燃
料ガスを燃料電池に供給する内容も含むことができる。
この原燃料としては、改質によって水素を生成できる各種の原料ガス、例えば天然ガス(例えばLNG)、都市ガス、LPG、灯油、メタノール、バイオメタノールなどを採用できる。
改質器とは、原燃料を改質水を用いて燃料ガスに改質する装置である。つまり、原燃料を、より発電に好適な組成に改質(例えば都市ガス等をより水素成分の多い組成のガスに改質(水蒸気改質))する装置のことである。
改質水供給手段としては、改質器に改質水を供給する改質水ポンプが挙げられる。
流量状態検出手段としては、改質水の流量を検出する流量センサや、改質水の供給の有無(即ち供給される改質水の有無)を検出するセンサが挙げられる。
異常判定手段、復帰手段(制御手段)、動作停止手段、復帰判定手段、動作再開手段、冷却手段は、例えばマイクロコンピュータ等の電子制御装置によって実現することができる。
実施例の燃料電池システムの全体構成を示す説明図である。 実施例の燃料電池システムの電気的構成を示すブロック図である。 実施例の燃料電池システムのコントローラーによる制御処理(特に運転時において停止に関する処理)を示すフローチャートである。 実施例の燃料電池システムのコントローラーによる復帰動作処理を示すフローチャートである。
次に、本発明の燃料電池システムの制御装置、燃料電池システムの制御方法を実施するために形態として、固体酸化物形燃料電池システムを例にあげて説明する。
a)まず、固体酸化物形燃料電池システムの全体の構成について説明する。尚、以下では、「固体酸化物形」を省略する
図1に示すように、本実施例の燃料電池システム1は、系統電力(商用電力)側のシステム(系統電力システム)3と接続されており、燃料電池システム1と系統電力システム3とによって、燃料電池・系統電力連係システム5が構成されている。
そして、この燃料電池・系統電力連係システム5では、燃料電池システム1と系統電力システム3とが連係して、負荷(図示せず)に電力を供給するように構成されている。
このうち、燃料電池システム1は、断熱容器9を備えるとともに、断熱容器9内に、周知の複数の発電セル(燃料電池セル:図示せず)が積層された燃料電池スタック11と、燃料電池スタック11の温度を検出する温度センサ13と、改質水を気化する気化器15と、原燃料(原燃料ガス)を改質する改質器17と、燃料電池スタック11を加熱する起動バーナー19とを備えている。
また、燃料電池システム1は、燃料電池スタック11に酸化剤ガス(例えば空気:以下空気と称する)を供給する空気流路21と、気化器15に燃料ガスを供給する燃料流路23と、気化器15に改質水を供給する改質水流路25と、起動バーナー19に混合気(原燃料と空気との混合気)を供給する混合気流路27とを備えている。
このうち、空気流路21には、上流側より、空気流路21を流れる空気の流量(従って燃料電池スタック11に供給される空気の流量)を計測する空気用流量センサ29と、空気を燃料電池スタック11に供給する空気ポンプ31とが配置されている。
燃料流路23には、上流側より、燃料流路23を開閉する第1電磁弁33と、燃料流路23を流れる原燃料の流量(従って燃料電池スタック11に供給される燃料ガスの流量)を計測する燃料用流量センサ35と、気化器15(従って改質器17)に原燃料を供給する燃料ポンプ37とが配置されている。
改質水流路25には、上流側より、改質水を気化器15に供給する改質水ポンプ39と、改質水の流量を計測する改質水用流量センサ41とが配置されている。
混合気流路27は、混合気用の空気の流路43と混合気用の原燃料の流路45とが途中の比例弁47にて合流するように構成されたものであり、空気の流路43には、空気を起動バーナー19に供給する混合気ポンプ49が配置され、原燃料の流路45には、その流路45を開閉する第2電磁弁51が配置されている。
更に、前記燃料電池システム1では、燃料電池スタック11は電力(電流)の出力経路53を介して電力変換装置(パワーコンディショナー)55と接続されており、その出力経路53には、燃料電池スタック11の出力(直流)の電流を計測する電流センサ57と、その出力の電圧を検出する電圧センサ59とが配置されている。なお、系統電力システム3は、パワーコンディショナー55の出力経路61に接続されている。
そして、上述した燃料電池システム1は、後述するように、各種のセンサやアクチュエータに接続されたコントローラー63によってその動作が制御されるように構成されている。
以下、各構成について詳しく説明する。
前記燃料電池スタック11は、発電単位である板状の発電セルが板厚方向に複数(例えば20枚)積層されたものであり、その積層方向の両側から直流電流を取り出すことができるように構成されている。
なお、図示しないが、発電セルは、例えば周知の固体酸化物形燃料電池(SOFC)であり、固体電解質層(固体酸化物層)の両側に空気極と燃料極とが形成された単セルを備え、空気極側に空気を供給するとともに燃料極側に燃料ガス(例えば水素)を供給することにより、両電極間に電位差が発生する。電位差が発生したときに負荷と接続することで、負荷への電力の供給が可能になる。
温度センサ13は、燃料電池スタック11の側面の中央部(即ち前記積層方向における中央部)に配置され、その側面の温度を検出するセンサである。
気化器15は、改質水を加熱して気化して水蒸気を生成する装置であり、その水蒸気が改質器17に供給される。
改質器17は、内部に改質用の触媒(例えばルテニウム又はニッケル)を備えた装置であり、この改質器17内に導入された原燃料が、(気化器15から供給された水蒸気によって)水蒸気改質されることにより、原燃料より水素の割合が多い(水素リッチの)燃料ガスが生成される。
起動バーナー19は、燃料電池スタック11の温度が、発電に好適な温度となるように加熱するヒーターであり、外部から供給される空気と原燃料との混合気を燃焼させることによって発熱する。なお、後述するように、起動バーナー19に空気のみを供給すること
によって、燃料電池スタック11の温度を下げることが可能である。
空気ポンプ31は、外部の空気を燃料電池スタック11に供給するポンプであり、燃料ポンプ37は、例えば都市ガス等の原燃料を気化器15(従って改質器17)に供給するポンプであり、改質水ポンプ39は、改質水タンク(図示せず)から改質水を汲み上げて気化器15に供給するポンプであり、混合気ポンプ49は、混合気を起動バーナー19に供給するポンプである。
これらのポンプは、周知のポンプモータ(図示せず)により駆動されるが、特に本実施例では、改質水ポンプ39のポンプモータとして、正転及び逆転が可能なステッピングモータが用いられている。
なお、これらのポンプの動作は、コントローラー63からの指令(制御信号)により制御される。
空気用流量センサ29は、空気の流量を計測する流量センサであり、燃料用流量センサ35は、原燃料(従って燃料ガス)の流量を計測する流量センサであり、改質水用流量センサ41は、改質水の流量を計測する流量センサである。
第1電磁弁33は、気化器15に対する原燃料の供給及び停止を調節するバルブであり、第2電磁弁51は、起動バーナー19に対する原燃料(空気に混入する原燃料)の供給及び停止を調節するバルブである。これらのバルブの開閉は、コントローラー63からの指令(制御信号)により制御される。
パワーコンディショナー(PC)55は、燃料電池スタック11で発電された直流電力を系統電力システム3側に供給するために交流電力(例えば200Vの商用電力)に変換する装置である。なお、このパワーコンディショナー55としては、一般的な直流−交流逆変換装置を使用することができる。
コントローラー63は、周知のマイコン等を備えた電子制御装置であり、パワーコンディショナー55からの制御情報(例えば発電量)、燃料電池システム1の運転状態を示す各種のセンサからの情報に基づいて、燃料電池システム1の運転状態を制御する。
詳しくは、図2に示すように、コントローラー63には、上述した空気用流量センサ29、燃料用流量センサ35、改質水用流量センサ41、温度センサ13、電流センサ57等が接続され、各センサからの検出信号が、コントローラー63に入力するように構成されている。
また、コントローラー63には、空気ポンプ31、燃料ポンプ37、改質水ポンプ39、混合気ポンプ49、第1電磁弁33、第2電磁弁51が接続され、コントローラー63からは、各ポンプや電磁弁の動作を制御する制御信号が出力される。
なお、コントローラー63は、パワーコンディショナー55とはデータの送受信が可能であり、パワーコンディショナー55には、電圧センサ59からの検出信号が入力するように構成されている。
b)次に、コントローラー63によって制御される燃料電池システム1の動作について説明する。
<改質水の流量に異常が発生した場合の処理等>
ここでは、燃料電池システム1を通常に稼働させている場合(発電している場合)に、改質水の流量に異常が発生したときの処理を中心にして説明する。
図3のフローチャートに示すように、ステップ(S)100では、燃料電池スタック11にて、通常のように発電を行う。
詳しくは、起動時には、燃料電池スタック11の温度が低い場合には、第2電磁弁51を開き、混合気ポンプ49を作動させて、起動バーナー19によって、燃料電池スタック11の加熱を行う。それとともに、改質水ポンプ39を作動させて、改質水を気化器15に供給して水蒸気を生成し、生成した水蒸気によって、改質器17、燃料電池スタック11内部をパージする。
そして、改質水ポンプ39の作動を継続した状態で、空気ポンプ31を作動させて、空気を燃料電池スタック11に供給して、それから、第1電磁弁33を開き、燃料ポンプ37を作動させて、原燃料を気化器15を介して改質器17に供給する。
改質器17では、水蒸気を用いて原燃料の改質を行い、生成した燃料ガスを燃料電池スタック11に供給する。これらの起動運転により、燃料電池スタック11の温度を上昇させる。
なお、起動バーナー19は、燃料電池スタック11が所定の温度に達したら停止する。つまり、第2電磁弁51を閉じて混合気ポンプ49を停止する。
これにより、燃料電池スタック11(詳しくは発電セル)では、発電可能な温度(例えば700℃)に到達する。
そして、燃料電池スタック11が発電可能な温度に達したら、上述した運転状態を継続し、供給された燃料ガス及び空気を用いて発電を行う。
続くステップ110では、燃料電池システム1において、通常の運転停止(発電の停止)を指示するスイッチである停止スイッチ(図示せず)がオンされたか否かを判定する。ここで、停止が指示されたと判定されるとステップ120に進み、一方、停止が指示されていないと判定されるとステップ130に進む。
ステップ120では、通常の運転停止が指示されたので、周知の運転の停止の処理(通常の停止処理)を行って、一旦本処理を終了する。
ここで、通常の停止処理とは、燃料電池システム1と外部負荷及び系統電力システム3とを解列(電気的な接続を遮断)するとともに、通常の発電時のように、燃料ガスと改質水と空気との供給を継続し、燃料電池スタック11の温度が所定温度(例えば400℃)に低下した後に、燃料ガスと改質水と空気との供給を停止する処理である。
なお、燃料ガスと改質水と空気との供給を停止する場合には、第1電磁弁33を閉鎖し、燃料ポンプ37、改質水ポンプ39、空気ポンプ31の動作を停止する。
また、この通常の停止処理の際には、燃料電池スタック11の温度を速やかに低下させるために、例えば特開2013−186945号公報等に記載のような周知の降温処理(例えば燃料ポンプ37から気化器15に送られる燃料ガスの流量の間欠的な制御等)を行うことが望ましい。
一方、ステップ130では、燃料電池システム1に、軽異常が発生したか否かを判定する。ここで、軽異常が発生したと判定されるとステップ140に進み、一方、軽異常が発生していないと判定されるとステップ150に進む。
ここで、軽異常とは、軽異常に該当する事象の発生後に、そのまま所定期間燃料ガスや空気や改質水の供給を継続しても支障がないような軽度の異常のことである。詳しくは、軽度の異常とは、燃料電池システム1に大きな損傷が発生したり、有害ガス等が発生しな
い程度の異常を示している。
なお、軽異常としては、例えば燃料電池スタック温度異常(燃料電池スタック11の温度の異常)、スタック熱電対断線(燃料電池スタック11の温度を検出する熱電対の断線)、バーナー熱電対断線(起動バーナー19の温度を検出する熱電対の断線)、バーナー温度異常(起動バーナー19の温度異常)、バーナー点火失敗、バーナー失火等の各種の軽異常が挙げられる。
ステップ140では、軽異常が発生したので、軽異常の発生に対応した停止処理(軽異常の停止処理)を行って、一旦本処理を終了する。
ここで、軽異常の停止処理とは、軽異常が発生した場合に、燃料電池システム1と外部負荷及び系統電力システム3とを解列するとともに、下記の表1に示す所定の手順に沿って、段階を追って燃料電池システム1の稼働を停止する処理である。
具体的には、第1段階では、第1電磁弁33を開いたままで燃料ポンプ37の作動を継続するととともに、改質水ポンプ39及び空気ポンプ31の作動を継続する。また、第2電磁弁51は閉鎖して混合気ポンプ49の作動は停止した状態とする。ここでは、起動バーナー19による加熱は停止される。
そして、燃料電池スタック11の温度が所定の温度(例えば400℃)となると、第2段階に移行する。
続く第2段階では、第1電磁弁33を閉じるとともに燃料ポンプ37の作動を停止する。一方、改質水ポンプ39及び空気ポンプ31の作動を継続する。また、第2電磁弁51は閉鎖して混合気ポンプ49の作動は停止した状態とする。これによって、燃料ガスが燃料電池スタック11から排出(パージ)される。
そして、所定の時間の経過後(例えば30秒後)、第3段階に移行する。
続く第3段階では、第1電磁弁33を閉じるとともに燃料ポンプ37の作動を停止する。同様に、改質水ポンプ39及び空気ポンプ31の作動を停止する。一方、第2電磁弁51は閉鎖して混合気ポンプ49の作動を行う。これによって、起動バーナー19から空気のみが供給されるので、燃料電池スタック11が冷却される。
また、この軽異常の停止処理の際にも、上述した降温処理を行うことが望ましい。
また、前記ステップ130で否定判断されて進むステップ150では、改質水の流量の異常が発生したか否かを判定する。ここで、改質水の流量の異常が発生したと判定されるとステップ160に進み、一方、改質水の流量の異常が発生していないと判定されるとステップ210に進む。
例えば、改質水用流量センサ41からの信号に基づいて、改質水の流量が所定以下(例えば0.1ml/min以下)の非常に少ない流量である場合、又は流量が0である場合には、流量に異常があると判定する。
ステップ160では、改質水の流量が異常であるので、発電の停止処理(流量異常の発電停止処理)を行う。
ここで、流量異常の発電停止処理とは、燃料電池システム1と外部負荷及び系統電力システム3とを解列し、更に、一旦、第1電磁弁33を閉じるとともに燃料ポンプ37の作動を停止し、同様に、改質水ポンプ39及び空気ポンプ31の作動も停止する処理である。
続くステップ170では、改質水の流量が異常(所定以下の非常に少ない流量又は流量0)であるので、改質水の流量を回復するための復帰動作処理を行う。なお、復帰動作処理については、後に詳述する。
続くステップ180では、前記復帰動作処理によって改質水の流量が正常に復帰したか否か、即ち、改質水の流量の異常が検出されてから所定の時間(例えば45秒)の期間にて、流量が正常に復帰した状態(正常な運転が可能な状態)となったか否かを判定する。
具体的には、改質水の水量の異常を示すフラグ(後述する流量異常フラグ)がオン(1)かオフ(0)かに基づいて、フラグがオフの場合には、正常な運転が可能な状態となったと判定し、オンの場合には、正常な運転が可能な状態となっていないと判定する。ここで、正常な運転が可能な状態と判定されるとステップ190に進む。一方、正常な運転が可能な状態ではないと判定されるとステップ200に進む。
ステップ200では、改質水の流量の異常が回復せず、燃料電池システム1の正常な運転が可能な状態ではないので、燃料電池システム1の運転を停止する処理(流量異常の停止処理)を行って、一旦本処理を終了する。
ここで、流量異常の停止処理とは、第2電磁弁51を閉じた状態で、混合気ポンプ49を作動させることによって、起動バーナー19から燃料電池スタック11の周囲に外気(空気のみ:冷気)を供給して、燃料電池スタック11の温度を低下させる処理である。
そして、燃料電池スタック11の温度が十分に(例えば400℃以下に)低下してから、混合気ポンプ49を停止させる。
また、この流量異常の停止処理の際にも、上述した降温処理を行うことが望ましい。
一方、ステップ190では、改質水の流量の異常が回復し、燃料電池システム1の正常な運転が可能な状態であるので、燃料電池システム1の運転を再開する処理、即ち、発電を再開する処理(発電再開処理)を行う。
ここで、発電再開処理とは、通常の発電時と同様に、第1電磁弁33を開いた状態で、燃料ポンプ37を作動させるとともに、改質水ポンプ39及び空気ポンプ31の作動も作動させる処理である。
続くステップ210では、燃料電池システム1に、重異常が発生したか否かを判定する。ここで、重異常が発生したと判定されるとステップ220に進み、一方、重異常が発生していないと判定されると一旦本処理を終了する。
ここで、重異常とは、重異常に該当する事象の発生後に、そのまま燃料電池システム1の運転を継続すると、燃料電池システム1に大きな劣化が発生したり、有害ガス等が発生するなどの大きな問題が生ずるような異常を示している。
なお、重異常としては、燃料電池スタック11の電流や電圧が極度に(所定値以下に)低下した異常、燃料ポンプ37の異常、燃料用流量センサ35の異常、空気用流量センサ29の異常、不完全燃焼、可燃ガス(燃料ガス)漏れ等の各種の重異常が挙げられる。
ステップ220では、重異常が発生したので、重異常の発生に対応した停止処理(重異常の停止処理)を行って、一旦本処理を終了する。
ここで、重異常の停止処理とは、重異常が発生した場合に、燃料電池システム1と外部負荷及び系統電力システム3とを解列するとともに、下記の表2に示す所定の手順に沿って、段階を追って燃料電池システム1の稼働を停止する処理である。
具体的には、第1段階では、第1電磁弁33を閉じるとともに燃料ポンプ37の作動を停止する。一方、改質水ポンプ39及び空気ポンプ31の作動を継続する。また、第2電磁弁51は閉鎖して混合気ポンプ49の作動は停止した状態とする。これによって、燃料ガスが燃料電池スタック11から排出(パージ)される。
そして、所定の時間の経過後(例えば30秒後)、第2段階に移行する。
続く第2段階では、第1電磁弁33を閉じるとともに燃料ポンプ37の作動を停止する。同様に、改質水ポンプ39及び空気ポンプ31の作動を停止する。一方、第2電磁弁51は閉鎖して混合気ポンプ49の作動を行う。これによって、起動バーナー19から空気のみが供給されるので、燃料電池スタック11が冷却される。
そして、燃料電池スタック11の温度が十分に(例えば400℃以下に)低下してから、混合気ポンプ49を停止させる。
なお、この重異常の停止処理の際にも、上述した降温処理を行うことが望ましい。
<改質水の流量を復帰させる場合の処理>
ここでは、前記図3のステップ170における改質水の流量を復帰させる場合の処理(復帰動作処理)について、図4及び表3に基づいて詳細に説明する。
図4のフローチャート及び表3に示すように、ステップ300で、改質水流量の異常を検知(改質水流量異常検知)すると、この改質水流量の異常の検知からの経過時間のカウントを開始する。
なお、ステップ300で、改質水流量の異常が検知された場合には、そのことを示すために、(改質水の流量の異常を示す)流量異常フラグをセットする。即ちオン(ON)に設定する(例えば1に設定する)。
ここで、経過時間が5秒未満までは、ステップ310に進み、5秒以上10秒未満では、ステップ320に進み、10秒以上15秒未満では、ステップ330に進む。
なお、補機とは、燃料電池システム1の運転に必要な例えば各種のポンプ31、37、39、49等のような補助装置である。
つまり、ステップ310において、改質水流量の異常の検知からの経過時間が5秒未満までは、改質水流量の異常(流量異常)の発電停止処理として、外部負荷及び系統からの解列を行い、第1電磁弁33を閉鎖して燃料ポンプ37を停止し、空気ポンプ31及び改質水ポンプ39を停止する。その後、ステップ320に進む。
ステップ320において、前記経過時間が5秒以上10秒未満では、第1電磁弁33を閉鎖して燃料ポンプ37を停止し、空気ポンプ31を停止する。また、改質水ポンプ39(即ちステッピングモータ)を逆回転して、改質水を回復させるための復帰動作を行う。これによって、改質水ポンプ39に噛み込んだゴミ等を除去する。その後、ステップ330に進む。
ステップ330において、前記経過時間が10秒以上15秒未満では、第1電磁弁33を閉鎖して燃料ポンプ37を停止し、空気ポンプ31を停止する。一方、改質水ポンプ39(即ちステッピングモータ)を正回転する。これによって、改質水ポンプ39から除去されたゴミ等が、改質水によって洗い流される。その後、ステップ350に進む。
ステップ340において、前記経過時間が15秒以上45秒未満では、改質水の流量が回復(復帰)したか否かを判定する。具体的には、改質水用流量センサ41からの信号に基づいて、改質水の流量が所定以上(例えば0.1ml/minより大きい値)に復帰したか否か、即ち、改質水の流量が正常になったか否かを判定する。ここで、改質水の流量が復帰したと判定されるとステップ350に進み、一方、改質水の流量が復帰していない
と判定されるとステップ360に進む。
ステップ350では、改質水の流量が復帰したので、そのことを示すために、(改質水の流量の異常を示す)流量異常フラグをリセットする。即ちオフ(OFF)に設定する(例えば0に設定する)。
続くステップ370では、改質水の流量が復帰したので、通常の運転動作を再開する。具体的には、第1電磁弁33を開いて燃料ポンプ37を作動し、空気ポンプ31を作動する。それとともに、改質水ポンプ39の動作(正回転)を継続する。その後、ステップ380に進む。
ステップ380では、改質水の異常の検知前(異常検知前)の状態に復帰する。
一方、ステップ360では、改質水の流量が復帰していないので(即ち改質水流量エラーであるので)、前記ステップ300でセットされた流量異常フラグの設定を継続する。
また、改質水の流量が復帰していないので、前記ステップ310にて実施された流量異常の発電停止の状態から重異常の停止の状態に移行する。
具体的には、ステップ390において、第1電磁弁33を閉じて燃料ポンプ37の作動を停止した状態で、第2電磁弁51を閉じて混合気ポンプ49の作動を停止する。また、空気ポンプ31の作動を開始し、改質水ポンプ39の動作(正回転)は継続する。
そして、所定の時間の経過後(例えば30秒後)、ステップ400に移行する。
続くステップ400では、第1電磁弁33を閉じるとともに、燃料ポンプ37の作動を停止する。同様に、改質水ポンプ39及び空気ポンプ31の動作を停止する。一方、第2電磁弁51は閉鎖して、混合気ポンプ49の作動を行う。これによって、起動バーナー19からの空気のみが供給されるので、燃料電池スタック11が冷却される。
c)次に、本実施例の効果について説明する。
本実施例では、改質水用流量センサ41の信号に基づいて、改質水の流量の異常を判定し、改質水の流量に異常があると判定された場合には、改質水ポンプ39のポンプモータ(ステッピングモータ)を所定期間逆回転させ、その後正回転させることによって、改質水の流量を復帰させている。
つまり、本実施例では、改質水の流量に異常がある場合には、従来のように、単に燃料ガス等の供給を停止して、そのまま燃料電池システム1を緊急停止させる状態を維持するのではなく、改質水ポンプ39のポンプモータを逆回転させて、改質水ポンプ39に噛み込んだゴミ等を除去する制御を行っている。
これによって、改質水が正常に供給されるようになった場合には、緊急停止を維持する必要がないので、燃料電池システム1の動作を緊急停止から速やかに復帰(再稼働)させることができる。これにより、緊急停止状態を維持した場合に生ずる恐れのある電極の劣化を抑制できるので、燃料電池スタック11の劣化を抑制して耐久性を向上させることができる。
また、本実施例では、改質水の流量に異常があると判定された場合には、燃料ポンプ37と空気ポンプ31の動作を停止して、燃料ガスと空気との供給を停止するので、改質水が供給されない状態で燃料ガスや空気の供給が継続されることがない。これにより、例えば燃料ガスと改質水との混合比の変化によるカーボンの析出を防止することができる。
更に、本実施例では、改質水用流量センサ41の信号に基づいて、上述した復帰動作に
よって改質水の流量の異常が解消されたか否かを判定することができる。従って、この判定結果に基づいて、その後の燃料電池システム1の動作を好適に制御することができる。
しかも、本実施例では、改質水の流量の異常が解消されたと判定された場合には、燃料ポンプ37と空気ポンプ31の動作を再開するので、速やかに、通常の発電を再開することができる。
つまり、燃料電池システム1を緊急停止させた状態から速やかに復帰(再稼働)することができるので、上述した電極の劣化を抑制して、燃料電池スタック11の劣化を抑制して耐久性を向上させることができる。
その上、本実施例では、上述した改質水の復帰動作を行っても、改質水の流量の異常が解消されていないと判定されたときには、燃料ガスと空気の供給停止の動作を継続するとともに、起動バーナー19に空気を供給して燃料電池スタック11を冷却している。
これにより、速やかに燃料電池スタック11の温度を下げることができるので、高温の状態で燃料ガスや空気が電極に接触することによる燃料電池スタック11の劣化を抑制することができる。
尚、本発明は前記実施例になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
(1)例えば、本発明は、固体酸化物形燃料電池(SOFC)に限らず、改質水を供給して原燃料を供給する各種の燃料電池、例えば、固体高分子形燃料電池(PEFC)、溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)、リン酸形燃料電池(PAFC)などの燃料電池等に適用できる。
(2)また、改質水の流量状態を検出するための手段として、流量センサではなく、改質水流量がゼロかゼロ以外かを検出するフロースイッチや圧力センサを採用してもよい。
(3)さらには、改質水ポンプの起動は、発電開始前の段階から行ってもよい。
(4)また、本発明の改質水供給手段の動作を正常な状態に復帰させる復帰動作は、発電開始時(始動時)だけではなく、発電開始以降、つまり、発電中も改質水の流量の異常が検出された場合に行われることは言うまでもない。
1…燃料電池システム
3…系統電力システム
11…燃料電池スタック
13…温度センサ
15…気化器
17…改質器
29…空気用流量センサ
31…空気ポンプ
33…第1電磁弁
35…燃料用流量センサ
37…燃料ポンプ
39…改質水ポンプ
41…改質水用流量センサ
49…混合気ポンプ
51…第2電磁弁
55…電力変換装置(パワーコンディショナー)
63…コントローラー

Claims (10)

  1. 燃料ガスと酸化剤ガスとを用いて発電を行う燃料電池と、
    前記燃料ガスを前記燃料電池に供給する燃料供給手段と、
    前記酸化剤ガスを前記燃料電池に供給する酸化剤供給手段と、
    原燃料を改質水を用いて前記燃料ガスに改質する改質器と、
    前記改質器に前記改質水を供給する改質水供給手段と、
    前記改質水の流量の状態を検出する流量状態検出手段と、
    を備えた燃料電池システムの動作を制御する燃料電池システムの制御装置において、
    前記流量状態検出手段の信号に基づいて、前記改質水の流量の異常を判定する異常判定手段と、
    前記異常判定手段によって前記改質水の流量に異常があると判定された場合には、前記改質水供給手段の動作を正常な状態に復帰させる復帰手段と、
    を備え
    前記改質水供給手段は、前記改質水を供給するポンプを駆動するモータを備えており、
    前記復帰手段は、前記モータを逆回転させる制御手段であり、
    前記異常判定手段によって前記改質水の流量に異常があると判定された場合には、外部負荷及び系統電力システムからの解列を行い、且つ、前記燃料供給手段と前記酸化剤供給手段と前記改質水供給手段との動作を停止することによって、発電の停止処理を行い、
    前記発電の停止処理を実施した後に、前記復帰手段によって、前記モータを逆回転させることを特徴とする燃料電池システムの制御装置。
  2. 前記流量状態検出手段の信号に基づいて、前記復帰手段によって前記改質水の流量の異常が解消されたか否かを判定する復帰判定手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システムの制御装置。
  3. 前記復帰判定手段によって前記改質水の流量の異常が解消されたと判定された場合には、前記燃料供給手段と前記酸化剤供給手段の動作を再開する動作再開手段を備えたことを特徴とする請求項に記載の燃料電池システムの制御装置。
  4. 前記燃料電池システムが、前記燃料電池の起動時に該燃料電池を加熱する起動バーナーを備えている場合に、
    前記復帰判定手段によって前記改質水の流量の異常が解消されていないと判定されたときには、前記動作停止手段による動作を継続するとともに、前記起動バーナーに前記酸化剤ガスを供給して前記燃料電池を冷却する冷却手段を備えたことを特徴とする請求項に記載の燃料電池システムの制御装置。
  5. 前記発電の停止処理を実施した後に、前記復帰手段を実施する時間に達した場合には、前記モータを逆回転させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池システムの制御装置。
  6. 燃料ガスと酸化剤ガスとを用いて発電を行う燃料電池と、
    前記燃料ガスを前記燃料電池に供給する燃料供給手段と、
    前記酸化剤ガスを前記燃料電池に供給する酸化剤供給手段と、
    原燃料を改質水を用いて前記燃料ガスに改質する改質器と、
    前記改質器に前記改質水を供給する改質水供給手段と、
    前記改質水の流量の状態を検出する流量状態検出手段と、
    を備えた燃料電池システムの動作を制御する燃料電池システムの制御方法において、
    前記流量状態検出手段の信号に基づいて、前記改質水の流量の異常を判定し、前記改質水の流量に異常があると判定された場合には、前記改質水供給手段の動作を正常な状態に復帰させる復帰動作を行う工程を有し、
    前記改質水供給手段は、前記改質水を供給するポンプを駆動するモータを備えており、
    前記改質水の流量に異常があると判定された場合には、外部負荷及び系統電力システムからの解列を行い、且つ、前記燃料供給手段と前記酸化剤供給手段と前記改質水供給手段との動作を停止することによって、発電の停止処理を行い、
    前記発電の停止処理を実施した後に、前記モータを逆回転させる復帰動作を行うことを特徴とする燃料電池システムの制御方法。
  7. 前記流量状態検出手段の信号に基づいて、前記改質水の流量の異常が解消されたか否かを判定することを特徴とする請求項に記載の燃料電池システムの制御装置。
  8. 前記改質水の流量の異常が解消されたと判定された場合には、前記燃料供給手段と前記酸化剤供給手段の動作を再開することを特徴とする請求項に記載の燃料電池システムの制御方法。
  9. 前記燃料電池システムが、前記燃料電池の起動時に該燃料電池を加熱する起動バーナーを備えている場合に、
    前記改質水の流量の異常が解消されていないと判定されたときには、前記動作停止手段による動作を継続するとともに、前記起動バーナーに前記酸化剤ガスを供給して前記燃料電池を冷却することを特徴とする請求項に記載の燃料電池システムの制御方法。
  10. 前記発電の停止処理を実施した後に、前記復帰動作を実施する時間に達した場合には、前記モータを逆回転させることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の燃料電池システムの制御方法。
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