JP2010164032A - 液体抜出方法、容積ポンプシステム及び燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】容積ポンプの作動不良の発生を抑制すること。
【解決手段】容積ポンプ11は電動機の回転運動をプランジャの往復直線運動に変換して液体sを輸送する。容積ポンプシステム10は、容積ポンプ11と、貯留タンク12と、吸込細管14と、液体抜取手段18とを備える。容積ポンプシステム10から液体sを抜く際は、容積室内及び吸込細管14内に液面が現れている状態に液体sの液位を維持すると、乾燥状態になることによって生じ得る容積ポンプ11の作動不良の発生を抑制できる。また、容積ポンプ11運転中に作動不良が生じたときは、電動機の回転速度及び/又はトルクを変化させると異常が解消する場合がある。燃料電池システムは、容積ポンプシステム10と、改質器と、燃料電池とを備え、容積ポンプ11の吐出流量、改質器及び/又は燃料電池の状態から、容積ポンプ11の異常の可能性を検出できる。
【選択図】図1
【解決手段】容積ポンプ11は電動機の回転運動をプランジャの往復直線運動に変換して液体sを輸送する。容積ポンプシステム10は、容積ポンプ11と、貯留タンク12と、吸込細管14と、液体抜取手段18とを備える。容積ポンプシステム10から液体sを抜く際は、容積室内及び吸込細管14内に液面が現れている状態に液体sの液位を維持すると、乾燥状態になることによって生じ得る容積ポンプ11の作動不良の発生を抑制できる。また、容積ポンプ11運転中に作動不良が生じたときは、電動機の回転速度及び/又はトルクを変化させると異常が解消する場合がある。燃料電池システムは、容積ポンプシステム10と、改質器と、燃料電池とを備え、容積ポンプ11の吐出流量、改質器及び/又は燃料電池の状態から、容積ポンプ11の異常の可能性を検出できる。
【選択図】図1
Description
本発明は液体抜出方法、容積ポンプシステム及び燃料電池システムに関し、特に容積ポンプの作動不良の発生を抑制することができる液体抜出方法、作動不良の発生を抑制することができる容積ポンプシステム、及びこの容積ポンプシステムを備える燃料電池システムに関する。
近年普及が期待されている燃料電池は、水素と酸素とを導入してこれらの電気化学的反応により発電する装置である。燃料電池は発電に水素を必要とするが、水素自体を供給するインフラが普及していないことから入手が比較的困難であるため、都市ガスや灯油等の炭化水素系の原料を水蒸気改質して水素リッチな改質ガスを生成する改質器を燃料電池に併設した燃料電池システムを構築することが多い。このような燃料電池システムは、燃料電池と、改質器と、原料を改質器に供給する原料搬送機器(原料ガスブロワ等)及び原料の水蒸気改質に用いられる水(改質用水)を改質器に供給するプロセス水ポンプ(改質用水ポンプ)を備えているのが一般的である(例えば、特許文献1参照。)。
改質器における原料の水蒸気改質反応は、原料と改質用水とが所定のモル比で反応することにより所定量の改質ガスが生成されるため、改質ガスへ供給される原料及び改質用水の流量は、適切に制御されることが好ましい。そのため、原料及び改質用水を改質器に供給する搬送機器として、送出流量を適切に制御しやすい容積式のものが用いられる。原料を改質器に供給する原料搬送機器として、例えば原料が液体(灯油等)の場合は、交流電源を半波整流した電圧を印加して電磁吸引力とばねの付勢力により可動されるプランジャの往復動によって液体を送出する電磁ポンプを採用するのが好ましい。他方、改質用水については、一般に液体原料よりも改質器に供給される流量が多く、電磁ポンプでは流体搬送出力が不足する場合があるため、比較的大きな出力が得やすい容積式のポンプである、電動機の回転運動を往復直線運動に変換するリンク機構を有し、このリンク機構の往復直線運動に伴う容積室の容積変化により液体を輸送する容積ポンプを採用するのがよい。
しかしながら、上述の回転運動を往復直線運動に変換して容積変化させる容積ポンプは、使用状況によっては作動不良を起こし、正常に流体を搬送できない場合があった。
本発明は上述の課題に鑑み、容積ポンプの作動不良の発生を抑制することができる液体抜出方法、作動不良の発生を抑制することができる容積ポンプシステム、及びこの容積ポンプシステムを備える燃料電池システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様に係る液体抜出方法は、例えば図1及び図2を参照して示すと、電動機11mと、電動機11mの回転運動を往復直線運動に変換するリンク機構11j、11pとを有し、リンク機構11pの往復直線運動に伴う容積室11rの容積変化により液体sを輸送する容積ポンプ11と、容積ポンプ11に供給される液体sを一旦貯留する貯留タンク12と、貯留タンク12に貯留されている液体sを容積ポンプ11に導く吸込細管14とを備える容積ポンプシステム10から、液体sを抜き出す液体抜出方法であって;容積ポンプシステム10から液体sを排出する排出工程と;容積室11r内及び吸込細管14内に液面が現れている状態に液体sの液位を維持する液位維持工程とを備える。
このように構成すると、系内から液体抜きをする際に、液面が吸込細管内に現れている状態になるので大気に触れる面が極小さくなってバクテリア等の繁殖が抑制されると共に、容積ポンプには液体が残るので乾燥状態になることによって例えば液体中に溶存していた異物が析出することに起因する作動不良の発生を抑制することができる。
また、本発明の第2の態様に係る液体抜出方法は、例えば図1及び図2を参照して示すと、上記本発明の第1の態様に係る液体抜出方法において、前記液位維持工程の前に、容積室11rに空気を導入する空気導入工程と;前記空気導入工程の後に容積室11r内に液体sを供給する液体供給工程とを備える。
このように構成すると、容積室内に現れる液体の液面の高さの調節が容易になる。
上記目的を達成するために、本発明の第3の態様に係る容積ポンプシステムは、例えば図1及び図2に示すように、電動機11mと、電動機11mの回転運動を往復直線運動に変換するリンク機構11j、11pとを有し、リンク機構11pの往復直線運動に伴う容積室11rの容積変化により液体sを輸送する容積ポンプ11と;容積ポンプ11に供給される液体sを一旦貯留する貯留タンク12であって、容積ポンプ11よりも高所に配置されて大気に開放された貯留タンク12と;貯留タンク12に貯留されている液体sを容積ポンプ11に導く、流路断面積が0.1mm2以上400mm2以下の吸込細管14と;容積ポンプ11が停止しているときに、容積室11rの最高位よりも高い位置かつ吸込細管14内に液面が現れている状態になるように液体sを貯留タンク12から抜く液体抜取手段18、18vとを備える。
このように構成すると、系内から液体抜きをする際に、液面が吸込細管内に現れている状態になるので大気に触れる面が極小さくなってバクテリア等の繁殖が抑制されると共に、容積ポンプには液体が残るので作動不良の発生を抑制することができる。
上記目的を達成するために、本発明の第4の態様に係る容積ポンプシステムは、例えば図3及び図2に示すように、電動機11mと、電動機11mの回転運動を往復直線運動に変換するリンク機構11j、11pとを有し、リンク機構11pの往復直線運動に伴う容積室11rの容積変化により液体sを輸送する容積ポンプ11と;容積ポンプ11の動作の異常を検出する異常検出手段12s、12vと;前記異常検出手段が異常を検出したときに電動機11mの回転速度を性能線図上で変化させるように制御する制御装置19とを備える。ここで回転速度を性能線図上で変化させることには、典型的には、例えば異常の発生により一時的に負荷が大きくなりすぎたため現実には回転速度の変化がない場合でも、異常の発生がなく負荷が変化しないと仮定した場合に回転速度が変化する場合が含まれる。
このように構成すると、回転速度を性能線図上で変化させることにより異常が解消する場合があり、異常が解消した場合は特別なメンテナンスをすることなく運転を継続することができる。
また、本発明の第5の態様に係る容積ポンプシステムは、例えば図3及び図4に示すように、上記本発明の第4の態様に係る容積ポンプシステム10Aにおいて、電動機11mの出力可能なトルクを変化させるドライバ49を備え;制御装置19が、異常検出手段12s、12vが異常を検出したときに電動機11mの出力可能なトルクを変化させる。ここで、出力可能なトルクとは、典型的には、トルクの最大値である。
このように構成すると、出力可能なトルクが変化することによって電動機の運転条件が変化して異常が解消する場合があり、異常が解消した場合は特別なメンテナンスをすることなく運転を継続することができる。
また、本発明の第6の態様に係る燃料電池システムは、例えば図3に示すように、上記本発明の第4の態様又は第5の態様に係る容積ポンプシステム10Aと;容積ポンプ11から吐出された液体sと、炭化水素系の原料mとを導入し、原料mを改質して水素を主成分とする改質ガスgを生成する改質器20と;改質器20で生成された改質ガスgと、酸素を含有する酸素含有ガスtと、を導入して発電する燃料電池30とを備え;異常検出手段が、容積ポンプ11が搬送する液体sの流量の異常、改質器20の状態の異常、及び燃料電池30の状態の異常のうち少なくとも1つの異常を検出するように構成されている。
このように構成すると、異常が解消した場合は特別なメンテナンスをすることなく運転を継続することができる燃料電池システムとなる。
本発明によれば、容積ポンプの作動不良の発生を抑制することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において互いに同一又は相当する部材には同一あるいは類似の符号を付し、重複した説明は省略する。
まず図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る容積ポンプシステム10を備える燃料電池システム1を説明する。図1は、燃料電池システム1の模式的系統図である。燃料電池システム1は、容積ポンプシステム10の他、燃料電池30と、燃料電池30に供給する改質ガスgを生成する改質器20とを備えている。
改質器20は、原料mと液体としての改質用水sとを導入し水蒸気改質反応により水素に富む改質ガスgを生成する改質部25と、原料mの水蒸気改質反応に用いる改質熱を発生する加熱部23とを備えている。原料mは、典型的には、メタン、エタン等の鎖式炭化水素(天然ガスも含む)、あるいはメタノール、石油製品(灯油、ガソリン、ナフサ、LPG等)等の炭化水素を主成分とする混合物等の炭化水素系の燃料であり、加熱用の燃焼に適するものが用いられる。また、水素に富む改質ガスgとは、水素を主成分とするガスであり、水素を40体積%以上、典型的には70〜80体積%程度含んだ、燃料電池30に供給するガスである。改質ガスg中の水素濃度は80体積%以上でもよく、すなわち燃料電池30に供給したときに酸化剤ガスt中の酸素との電気化学的反応により発電可能な濃度であればよい。
改質部25には、改質触媒が充填されており、水蒸気改質反応を促進させるように構成されている。改質触媒としては、典型的には、ニッケル系改質触媒やルテニウム系改質触媒が用いられる。改質触媒の作用により原料mが改質され、生成された水素に富むガスに所定量以上の一酸化炭素が含まれていると、燃料電池30の電極触媒が被毒する。そのため、改質部25は、変成触媒が充填された変成部、及び選択酸化触媒が充填された選択酸化部を有し、改質器20から導出される改質ガスg中の一酸化炭素濃度が約10体積ppm以下、好適には1体積ppm程度となるようにするのが好ましい。変成触媒には、典型的には、鉄−クロム系変成触媒、銅−亜鉛系変成触媒、白金系変成触媒等が用いられる。選択酸化触媒には、典型的には、白金系選択酸化触媒、ルテニウム系選択酸化触媒、白金−ルテニウム系選択酸化触媒等が用いられる。なお、改質触媒における反応は吸熱反応であるが、変成触媒を有する変成部及び選択酸化触媒を有する選択酸化部における反応は発熱反応となる。加熱部23は、改質部25の改質触媒が設けられている位置に隣接するように、改質器20内に配設されており、改質熱を発生するための装置として、バーナー(不図示)が設けられている。
燃料電池30は、典型的には固体高分子形燃料電池である。燃料電池30は、改質ガスgを導入するアノード31と、酸素含有ガスとしての酸化剤ガスtを導入するカソード32と、電気化学的反応により発生した熱を奪う冷却部33とを含んで構成されている。カソード32に導入される酸化剤ガスtは、典型的には空気である。燃料電池30は、図では簡易的に示されているが、実際には、固体高分子膜をアノード31とカソード32とで挟んで単一のセルが形成され、このセルを冷却部33を介し複数枚積層して構成されている。燃料電池30では、アノード31に供給された改質ガスg中の水素が水素イオンと電子とに分解し、水素イオンが固体高分子膜を通過してカソード32に移動すると共に電子がアノード31とカソード32とを結ぶ導線を通ってカソード32に移動して、カソード32に供給された酸化剤ガスt中の酸素と反応して水を生成し、この反応の際に発熱する。この反応で、電子が導線を通ることにより、直流の電力を取り出すことができる。
アノード31と改質部25とは、改質ガス管51を介して接続されている。また、アノード31からは、燃料電池30での電気化学的反応に利用されなかった水素を含むアノードオフガスpが排出されるようになっている。カソード32には、酸化剤ガスtを供給するための酸化剤ガス管54が接続されている。また、カソード32からは、燃料電池30での電気化学的反応に利用されなかった酸素を含むカソードオフガスqが排出されるようになっている。酸化剤ガス管54には空気ブロワ29が配設されている。空気ブロワ29は、典型的にはインバータにより回転数(rpm)を調節することができるように構成されている。また、酸化剤ガス管54には、典型的には、酸化剤ガスtを加湿する加湿器(不図示)が配設される。
容積ポンプシステム10は、改質器20に改質用水sを供給するためのシステムである。容積ポンプシステム10は、改質用水sを搬送する容積ポンプ11と、改質用水sを容積ポンプ11に導く前に一旦貯留する貯留タンク12と、貯留タンク12に貯留されている改質用水sを容積ポンプ11に導く吸込細管14と、容積ポンプ11から吐出された改質用水sを改質器20に導く吐出細管15と、貯留タンク12内から改質用水sを抜く液体抜取手段としての抜取管18とを備えている。
ここで図2を参照して、容積ポンプ11の構成を説明する。図2は、容積ポンプ11の概略構造を示す図であり、(a)は平面図、(b)及び(c)は、シリンダ11c部分の軸平行断面図である。容積ポンプ11は、電動機11mと、シリンダ11c及びプランジャ11pと、電動機11mとプランジャ11pとを接続する接続部材11jとを有している。電動機11mは、その軸11msが軸回りに回転する。電動機11mの軸11msとプランジャ11pとは、軸11msとプランジャ11pの軸とが、平面視においては所定の角度を有するように(図2(a)参照)、側面視においては同一の仮想直線上に位置するように(不図示)、接続部材11jを介して接続されている。接続部材11jは、円筒状に形成された部材であり、その一端面における円の中心に電動機11mの軸11msが接続されている。また、接続部材11jは、円筒内部に棒状の内部部材(不図示)を有している。内部部材(不図示)は、プランジャ11pの軸及び電動機11mの軸11msに直交するように配置され、一端がプランジャ11pの一端側面に固定され、他端が接続部材11jの円筒内側面に摺動可能に接続されている。接続部材11jは、電動機11mによって円筒の軸回りに回転させられると、軸11msとプランジャ11pの軸とが平面視において所定の角度を有しており、かつ内部部材(不図示)が接続部材11jの円筒内側面を貫通する方向に摺動することによって、プランジャ11pを往復直線運動させるように構成されている。本実施の形態に係る容積ポンプ11では、接続部材11jと、プランジャ11pとでリンク機構を構成している。プランジャ11pは、円筒状に形成されたシリンダ11c内部に嵌挿されている。電動機11mとシリンダ11cとは、フレーム11fによって相対的な位置関係が固定されている。
図2(b)、(c)に示すように、シリンダ11cは、円筒の軸を通る部分に、プランジャ11pが摺動可能なクリアランスを含めてプランジャ11pを収容する空間が形成されている。シリンダ11cの、反電動機11m側には、円筒の軸直角断面半径方向に延びる改質用水sの吸込流路11cs及び吐出流路11cdが形成されている。吸込流路11cs及び吐出流路11cdは、円筒形状のシリンダ11cの軸直角断面に現れる円の中心を通る仮想直線上に、同じ口径で形成されている。また、シリンダ11cは、吸込流路11csの外側端部に続いて大きな流路が外側に延びており、この大きな流路の端部に吸込細管14(図1参照)が接続される吸込口11hsが形成されている。また、反対側には、吐出流路11cdの外側端部に続いて延びる大きな流路の端部に吐出細管15(図1参照)が接続される吐出口11hdが形成されている。
プランジャ11pは、円柱状に形成されており、反電動機11m側の側面に溝11pgが形成されている。プランジャ11pに形成された溝11pgは、幅及び深さが、吸込流路11cs及び吐出流路11cdの直径と同様の大きさに形成されている。プランジャ11pは、電動機11mの回転によって、その先端面11peが、シリンダ11cの内端面11ceに接する位置すなわち下死点(図2(b)参照)と、プランジャ11pが下死点から移動して移動方向が切り替わる位置すなわち上死点(接続部材11jの構造によって定まる所定の距離(例えばプランジャ11p直径の1.5〜3倍程度)だけ下死点から電動機11m側に移動した位置)(図2(c)参照)との間を、軸回りに回転しながら往復運動するように構成されている。シリンダ11cの内面には吸込流路11cs及び吐出流路11cdから始まり周方向に延びるそれぞれ半周の溝が形成されている。プランジャ11pに形成された溝11pgは前記半周の溝のいずれかに連通するが同時に連通することはない。プランジャ11pの溝11pgは、ほぼ下死点で吐出流路11cdに出会う位置から、軸方向に先端面11peまで延びている。プランジャ11pの溝11pgは、下死点と上死点では、吸込流路11cs及び吐出流路11cdのいずれにも連通しない。前記半周の溝は、半周と言っても実際は半周よりは少し短く、上死点と下死点で吸込流路11csと吐出流路11cdのいずれにも連通しないような長さに形成されている。このような半周の溝が形成されているので、プランジャ11pが軸回りに回転しながら往復運動することにより、溝11pgと吐出流路11cd及び吸込流路11csとの関係が以下のように変化する。プランジャ11pが軸回りに回転して下死点から上死点に至る間は、溝11pgは、吐出流路11cdには連通せず、前記半周の溝を介して吸込流路11csに連通する。プランジャ11pが軸回りに回転して上死点から下死点に至る間は、溝11pgは、吸込流路11csには連通せず、前記半周の溝を介して吐出流路11cdに連通する。溝11pgは、プランジャ11pが下死点と上死点に位置しているときは、吐出流路11cdと吸込流路11csのいずれにも連通しない。シリンダ11cの内端面11ceとプランジャ11pの先端面11peとの間には、吸い込んだ改質用水sが存在可能な容積室11rが形成される。容積室11rは、プランジャ11pの溝11pgと連通している。なお、プランジャ11pには、溝pgよりも電動機11m寄り、かつ、プランジャ11pの往復動によって吐出流路11cd及び吸込流路11csに連通しない位置に、シリンダ11cとプランジャ11pとの隙間を伝って容積室11rから移動してきた液体を保有できる溝11phが、外側面周方向に形成されていてもよい。溝11phが形成されていると、シリンダ11cとプランジャ11pとの隙間が乾燥状態になることを抑制することができる。また、本実施の形態では、シリンダ11cの内面に吸込流路11cs及び吐出流路11cdから始まり周方向に延びるそれぞれ半周の溝が形成されているものとしたが、その代わりに、プランジャ11pに形成された溝11pgが、プランジャ11pの外面の周方向に半周(実際は前述のように半周よりもすこし短い)の切欠きとして形成されていてもよい。要は、プランジャ11pに形成された溝11pgが、吐出流路11cd及び吸込流路11csと交互に連通し、上死点と下死点ではいずれにも連通しないように構成されていればよい。
上記のように構成された容積ポンプ11は、プランジャ11pの先端面11peが電動機11m寄りに位置しているときに吸込流路11cs及び溝11pgを介して容積室11rに改質用水sを取り込み、プランジャ11pが内端面11ce側に移動するにつれて容積室11rが小さくなりつつ軸回りに回転して、溝11pgが吐出流路11cdに連通するようになると、容積室11rが小さくなることに伴い改質用水sが吐出流路11cdを介して導出されるように作用する。本実施の形態に係る容積ポンプ11は、上述の各部材が協働することにより、電動機11mの回転運動がプランジャ11pの往復直線運動に変換され、プランジャ11pの往復直線運動に伴う容積室11rの容積変化により、改質用水sが吐出されるようになっている。このように作用する容積ポンプ11は、容積式ポンプであるため、遠心式ポンプ等に比べて流体を定量搬送するのに適している。このような容積ポンプの一例として、特開平2001−248543号公報に開示されたプランジャポンプがある。なお該開示されたポンプにおいて、ピン34は球面玉軸受11に対してピン34の中心軸線方向に滑動可能に嵌合されているとよい。
再び図1に戻って、容積ポンプシステム10の構成の説明を続ける。貯留タンク12は、容積ポンプ11に重力で改質用水sを供給可能なように、容積ポンプ11よりも高所に設置されている。貯留タンク12は、本実施の形態では、直方体形状で、有効容量は100〜500cc程度、底面積が25〜50cm2程度に形成されている。貯留タンク12は、大気と連通する開放型となっている。貯留タンク12には、系外から導入する改質用水sを流す導入管13が接続されている。導入管13には、流路を開閉可能な開閉弁13vが挿入配置されている。開閉弁13vは、貯留タンク12内の改質用水sの液面が所定の高さ(幅があってもよい)となるべく、流路の開閉が行われるように構成されている。
貯留タンク12の底面と、容積ポンプ11の吸込口11hs(図2参照)とは、改質用水sを流す吸込細管14で接続されている。吸込細管14は、本実施の形態では、流路断面積が0.1〜400mm2程度の金属製又は合成樹脂製の管で形成されている。吸込細管14には、改質用水sを系外に導く液体抜取手段を構成する抜取管18が接続されている。抜取管18には、流路を開閉可能な抜取弁18vが挿入配置されている。抜取弁18vは、制御装置19と信号ケーブルで接続されており、制御装置19からの指令信号に応じて流路が開閉されるように構成されている。容積ポンプ11の吐出口11hd(図2参照)と改質器20の改質部25とは、吐出細管15で接続されている。吐出細管15は、本実施の形態では、吸込細管14と同様、流路断面積が0.1〜400mm2程度の金属製又は合成樹脂製の管で形成されている。
上述のように構成された燃料電池システム1において、本発明者らは、時に容積ポンプ11が正常に改質用水sを搬送できない作動不良に陥ることがあるという知見を得ている。本発明者らが鋭意研究したところ、燃料電池システム1(容積ポンプシステム10)を構築して最初に稼働したときや、長期間システムを作動させない予定のために一旦容積ポンプシステム10から水を抜いた後に稼働したときに、作動不良を起こすことが確認された。作動不良の原因を明確に特定することは困難であるが、発生状況に鑑みると、シリンダ11cとプランジャ11pとの間のごくわずかな隙間に異物が存在する可能性や、ポンプの構造上プランジャ11pが往復直線運動する際に電動機11mの回転運動に応じてプランジャ11pの軸直角方向に力が作用することと(微視的に見ればプランジャ11pの軸が電動機11mの回転と同期して円運動をするために生じているかもしれない)プランジャ11pとシリンダ11cとの間が乾燥時に無潤滑となっていることとが相俟って接触抵抗が上がりやすい状態となっている可能性を推察することができる。シリンダ11cとプランジャ11pとの間の隙間は、異物が侵入しにくい距離であったとしても、改質用水sにシリカ成分が溶存していた場合は水分が蒸発した後にシリカ成分が析出してこれが異物となってプランジャ11pの動きを妨げることが考えられる。本発明の第1の実施の形態に係る容積ポンプシステム10は、容積ポンプ11の作動不良の発生を抑制するため、以下のように作用する。
すなわち、容積ポンプシステム10は、例えば長期間作動させる予定がない場合等に、貯留タンク12から抜取管18を介して改質用水sを抜くことができると共に、容積ポンプ11から完全に改質用水sを抜くのではなく容積ポンプ11の容積室11r及び吸込細管14内に改質用水sの液面が現れている状態に維持するように構成されている。このとき、典型的には、吐出細管15にも改質用水sの液面が現れている。比較的気液接触面積が大きい貯留タンク12内に改質用水sの液面が現れている状態で改質用水sを滞留させるとバクテリア等が繁殖する場合があり、次回容積ポンプシステム10を起動させるときに作動不良が生じることがある。そのため、バクテリア等の繁殖のおそれが懸念されるほど長期間作動させる予定がない場合は、容積ポンプシステム10から改質用水sを完全に除去することが好ましい。しかしながら、改質用水sを完全に除去すると、容積ポンプ11のシリンダ11cとプランジャ11pとの間にも水分がなくなってしまい、容積ポンプ11が作動不良を起こすおそれがあることから、本実施の形態では容積室11r並びに吸込細管14内及び吐出細管15内に改質用水sの液面が現れている状態に維持することとしている。このとき、吸込細管14内及び吐出細管15内に現れている改質用水sの気液接触面積が0.1〜400mm2程度であるため、仮に大気に触れる吸込細管14及び吐出細管15内でバクテリア等が繁殖してもその量はわずかであり、容積ポンプシステム10の作動不良は低減される。
容積ポンプシステム10は、貯留タンク12から改質用水sを抜く際、制御装置19が抜取弁18vに信号を送信し抜取弁18vを開にして、抜取管18から改質用水sを排出する(排出工程)。容積ポンプシステム10は、上述のように、運転中に貯留タンク12内の液位が所定の高さになるように制御されているところ、制御装置19は、あらかじめ記憶されている、容積ポンプシステム10の構成(貯留タンク12の容量、吸込細管14及び吐出細管15の口径や位置関係等)により定まる抜取弁18vを開いてから貯留タンク12内の改質用水sがなくなるまでに要する時間が経過後に、抜取弁18vを閉にして、容積室11r並びに吸込細管14内及び吐出細管15内に改質用水sの液面が現れている状態に維持する(液位維持工程)。なお、上記の排出工程において容積ポンプシステム10から一旦改質用水sをすべて排出して容積室11rに空気を導入し(空気導入工程)、その後容積室11r並びに吸込細管14内及び吐出細管15内に改質用水sの液面が現れるようになるまで容積ポンプシステム10に改質用水sを供給する(液体供給工程)こととしてもよい。このようにすると、排出工程開始時の貯留タンク12内の液位が所定の液位になっていなかった場合であっても、確実に容積室11r及び吸込細管14内に改質用水sの液面が現れている状態にすることができる。また、いずれの場合も、抜取弁18vが手動で操作されるように構成されていてもよい。この場合、抜取弁18vは、比較的高価な自動弁を用いることなく、比較的安価な手動弁を用いることができる。
次に図3を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る燃料電池システム2を説明する。図3は、燃料電池システム2の模式的系統図である。燃料電池システム2の、燃料電池システム1(図1参照)と異なる点は、容積ポンプ11に異常が発生した可能性を検出することができる異常検出手段を備えている点、及び容積ポンプシステム10Aの作動中に容積ポンプ11の異常が発生した場合に不具合の解消を試みる措置を制御装置19が実行できる点である。その他、燃料電池システム1(図1参照)と同一符号で示されている部材は燃料電池システム1(図1参照)における場合と同様に作用するので、以下では説明を省略する。また、以下の説明では、図3の他、容積ポンプ11の構成を示す図2も適宜参照することとする。異常検出手段は、図3に示す、容積ポンプ11が搬送する改質用水sの流量の異常を検出することができる貯留タンク12の液位センサ12s及び排出弁12v、又は改質用水流量計15f若しくは改質用水圧力計15p、あるいは改質器20の異常を検出することができる改質部温度計25t、又は改質ガス流量計51f若しくは改質ガス圧力計51p、あるいは燃料電池30の状態を検出することができる電力検出器34のうちの少なくとも1つを備えていればよいが2つ以上を備えていてもよい。
液位センサ12sは、貯留タンク12内の改質用水sの、上述した所定の高さと、この所定の高さよりも高い高液位を検出することができるように構成されている。排出弁12vは、貯留タンク12の下部(典型的には底部)に接続された排出管12eに挿入配置されている。液位センサ12s及び排出弁12vは、それぞれ制御装置19に信号ケーブルで接続されている。燃料電池システム2は、燃料電池30における電気化学的反応により発生した水や、加熱部23から排出されたバーナーの燃焼排ガス中に含まれる水等を回収して改質用水sとして利用することが可能であり、燃料電池システム2内の回収可能な部分から回収した水分流量の合計が、改質器20に供給される改質用水sの流量よりも多くなる(いわゆる水余り)ことが一般的である。燃料電池システム2は、液位センサ12sが高液位を検出したときに、排出弁12vが制御装置19からの信号を受信して貯留タンク12内の液位が所定の高さに下がるまで排出弁12vを開の状態にするように構成されている。制御装置19は、排出弁12vが開になる間隔が短くなった場合に、容積ポンプ11に異常が発生したために改質器20への改質用水sの供給流量が減少したと仮定して、容積ポンプ11の異常の可能性を検出することができる。
改質用水流量計15fは、吐出細管15に設けられており、吐出細管15内を流れる改質用水sの流量を検出することができるように構成されている。改質用水圧力計15pは、吐出細管15に設けられており、吐出細管15内を流れる改質用水sの流量を検出することができるように構成されている。制御装置19は、改質用水流量計15fで検出された改質用水sの流量若しくは改質用水圧力計15pで検出された吐出細管15内の圧力が、容積ポンプシステム10Aが正常に作動している場合の値に比べて小さい場合に、容積ポンプ11に異常が発生したために改質器20への改質用水sの供給流量が減少したと仮定して、容積ポンプ11の異常の可能性を検出することができる。
改質部温度計25tは、改質部25内の温度を検出する計器である。改質部25内における原料mの水蒸気改質反応は、加熱部23で発生した熱を利用する吸熱反応であり、改質部25内に供給される改質用水sの流量が少なく水蒸気改質反応の反応量が少ない場合は改質部25内の温度が高温となる傾向にある。制御装置19は、改質部温度計25tで検出された温度が、燃料電池システム2が正常に作動している場合の値に比べて大きい場合に、容積ポンプ11に異常が発生したために改質部25への改質用水sの供給流量が減少して水蒸気改質反応量が減少し、これによって改質部25内の温度が上昇したと仮定して、容積ポンプ11の異常の可能性を検出することができる。
改質ガス流量計51fは、改質ガス管51に設けられており、改質ガス管51内を流れる改質ガスgの流量を検出することができるように構成されている。改質ガス圧力計51pは、改質ガス管51に設けられており、改質ガス管51内を流れる改質ガスgの圧力を検出することができるように構成されている。制御装置19は、改質ガス流量計51fで検出された改質ガスgの流量若しくは改質ガス圧力計51pで検出された改質ガス管51内の圧力が、燃料電池システム2が正常に作動している場合の値に比べて小さい場合に、容積ポンプ11に異常が発生したために改質器20への改質用水sの供給流量が減少し、これによって生成される改質ガスgが減少したと仮定して、容積ポンプ11の異常の可能性を検出することができる。
電力検出器34は、燃料電池30における電気化学的反応によって発生した電力の電圧及び電流を検出することができるように構成されている。燃料電池30に供給される酸化剤ガスtの流量に対して、燃料電池30で発生した電力(電圧及び/又は電流)の値が小さい場合は、容積ポンプ11に異常が発生したために改質器20への改質用水sの供給流量が減少し、これによって生成される改質ガスgが減少したことが原因の場合もあり得る。このように、制御装置19は、電力検出器34で検出された電力値が、正常に作動しているときの燃料電池システム2の燃料電池30において発生した電力の値に比べて小さい場合に、容積ポンプ11の異常の可能性を検出することができる。
制御装置19は、上述の異常検出手段のいずれかが容積ポンプ11の異常の可能性を検出したときに、容積ポンプ11の電動機11mの回転速度を性能線図上で変化させるように構成されている。電動機11mの回転速度を性能線図上で変化させるとは、例えば、シリンダ11c内に異物が存在するために電動機11mの軸11msがロックしてしまった場合は実際には軸11msが回らないが、異物に代表される本来の負荷以外の負荷が存在せずに軸11msが正常に回転すると仮定したときに、電動機11mの回転速度を変えることをいい、典型的には電動機11mの入力を変化させることで電動機11mの出力が調節されて実現される。以下の説明で単に「回転速度を変化させる」という場合は、実際に回転速度が変わる場合のほか、回転速度を性能線図上で変化させる場合も含まれることとする。本発明者らは、燃料電池システム2(容積ポンプシステム10A)を構築して最初に稼働したときや、長期間システムを作動させない予定のために一旦容積ポンプシステム10Aから水を抜いた後に稼働したときに、起動直後は作動していても所定の期間(例えば3日程度)が経過するまでの間に容積ポンプ11から改質用水sが正常に吐出されなくなる場合があるという知見を得ている。本発明者らが鋭意研究したところ、このような場合に電動機11mの回転速度を性能線図上で変化させると容積ポンプ11の不具合が解消し、正常に作動するようになる場合があることを突き止めた。
本発明者らの研究によると、上記の不具合の解消は、電動機11mの回転速度を小さくすることによって達成される場合がある一方で、電動機11mの回転速度を大きくすることによって達成される場合もある。したがって、制御装置19は、上述の異常検出手段が容積ポンプ11の異常の可能性を検出した場合に、まず、電動機11mの回転速度を低下させるとよい。例えば電動機11mの回転速度を低下させるとトルクが大きくなる場合は、回転速度を低下させて大きくなったトルクにより、例えばシリンダ11cとプランジャ11pとの間に異物(シリカ成分等)が存在したために正常に作動しなかった容積ポンプ11が正常に作動するようになる場合がある。制御装置19は、電動機11mの回転速度を低下させても不具合が解消しない場合には、電動機11mの回転速度を高くする。この場合、より高速に回転する勢いでプランジャ11pが正常に動くようになる場合がある。
あるいは図4に示すように、電動機11mの出力可能なトルクを変化させるドライバ49を備え、上述の異常検出手段が容積ポンプ11の異常の可能性を検出した場合に、電動機11mに対して、出力可能なトルクを変化させることにより、回転速度を変えることに代えて、あるいは回転速度を変えつつ、トルクを変化させるように構成してもよい。ドライバ49は、電動機11mに印加される電圧を高電圧とする高トルク回路(不図示)と、低電圧とする低トルク回路(不図示)とを有している。高トルク回路には接点49Hが設けられており、低トルク回路には接点49Lが設けられている。ドライバ49は、接点49H、49Lを切り換えることにより、使用する回路を高トルク回路とするか低トルク回路とするかを選択できるように構成されている。接点49H、49Lの切り換えは、ドライバ49内に設けられたリレー49rによって行われるように構成されている。制御装置19は、ドライバ49に対し、回転速度の指令信号SNLrと、高トルクとするか低トルクとするかのトルク指令信号SNLtとを送信するように構成されている。ドライバ49は、制御装置19から、回転速度の信号SNLrを受信すると共にトルクの信号SNLtを受信して、指定された回転速度に対して指定された方のトルクで電動機11mを回転させるように構成されている。
図5には、電動機11mの運転特性の一例を示している。電動機11mの出力可能なトルクを変化させるとは、例えば図5に示すように、電動機11mの運転特性を、性能曲線CHと性能曲線CLとの間で変化させることである。図5に示す例では、横軸に示す回転速度が小さいほど縦軸に示すトルクが大きくなり、性能曲線CHの方が性能曲線CLよりも出力可能なトルク(最大トルク)が大きくなっている。電動機11mの実際の運転点は負荷によって定まり(性能曲線(性能線図)と不図示の抵抗曲線(負荷曲線)との交点が運転点となる)、出力可能なトルクを変化させたときに回転速度が変わる場合もあるが変わらない場合もある。
本発明者らの研究によると、上記の容積ポンプ11の不具合の解消は、電動機11mのトルクを大きくすることによって達成される場合がある一方で、電動機11mのトルクを小さくすることによって達成される場合もある。制御装置19は、上述の異常検出手段が容積ポンプ11の異常の可能性を検出した場合に、電動機11mの出力可能なトルクを大きくする。このようにすると、例えばシリンダ11cとプランジャ11pとの間に異物(シリカ成分等)が存在したために正常に作動しなかった容積ポンプ11が正常に作動するようになる場合がある。制御装置19は、電動機11mの出力可能なトルクを大きくしても不具合が解消しない場合には、電動機11mの出力可能なトルクを小さくする。このようにすると、例えばトルクが大きいときはプランジャ11pの外側面がシリンダ11cの内側面に押しつけられる圧力が高いために大きな抵抗が生じることでプランジャ11pが正常に作動しなかった場合に、トルクが小さくなることでプランジャ11pがシリンダ11cに押しつけられる圧力が小さくなって容積ポンプ11が正常に作動するようになる場合がある。
以上で説明したように、燃料電池システム2によれば、燃料電池システム2の作動中に容積ポンプ11の不具合が生じた場合に、電動機11mの回転速度及び/又はトルクを変化させる(大きくする又は小さくする)ことで、容積ポンプ11の不具合が解消する場合がある。このような制御により不具合が解消すれば、特別なメンテナンスをすることなく運転を継続することができるため好適である。
以上の説明では、容積ポンプ11が接続部材11jとプランジャ11pとでリンク機構を構成しているとしたが、リンク機構は回転運動を往復直線運動に変換できるものであればよい。
以上の説明では、燃料電池30が固体高分子型燃料電池であるとしたが、りん酸型燃料電池等の固体高分子型燃料電池以外の燃料電池であってもよい。しかしながら、固体高分子型燃料電池とすると、比較的低温で運転することができ、装置を小型化できるので、一般家庭等に設置するのに適している。
1、2 燃料電池システム
10、10A 容積ポンプシステム
11 容積ポンプ
11m 電動機
11j 接続部材
11p プランジャ
11r 容積室
12 貯留タンク
12s 液位センサ
12v 排出弁
14 吸込細管
19 制御装置
20 改質器
30 燃料電池
49 ドライバ
g 改質ガス
m 原料
s 改質用水
t 酸化剤ガス
10、10A 容積ポンプシステム
11 容積ポンプ
11m 電動機
11j 接続部材
11p プランジャ
11r 容積室
12 貯留タンク
12s 液位センサ
12v 排出弁
14 吸込細管
19 制御装置
20 改質器
30 燃料電池
49 ドライバ
g 改質ガス
m 原料
s 改質用水
t 酸化剤ガス
Claims (6)
- 電動機と、前記電動機の回転運動を往復直線運動に変換するリンク機構とを有し、前記リンク機構の往復直線運動に伴う容積室の容積変化により液体を輸送する容積ポンプと、前記容積ポンプに供給される液体を一旦貯留する貯留タンクと、前記貯留タンクに貯留されている液体を前記容積ポンプに導く吸込細管とを備える容積ポンプシステムから、前記液体を抜き出す液体抜出方法であって;
前記容積ポンプシステムから前記液体を排出する排出工程と;
前記容積室内及び前記吸込細管内に液面が現れている状態に前記液体の液位を維持する液位維持工程とを備える;
液体抜出方法。 - 前記液位維持工程の前に、
前記容積室に空気を導入する空気導入工程と;
前記空気導入工程の後に前記容積室内に前記液体を供給する液体供給工程とを備える;
請求項1に記載の液体抜出方法。 - 電動機と、前記電動機の回転運動を往復直線運動に変換するリンク機構とを有し、前記リンク機構の往復直線運動に伴う容積室の容積変化により液体を輸送する容積ポンプと;
前記容積ポンプに供給される液体を一旦貯留する貯留タンクであって、前記容積ポンプよりも高所に配置されて大気に開放された貯留タンクと;
前記貯留タンクに貯留されている液体を前記容積ポンプに導く、流路断面積が0.1mm2以上400mm2以下の吸込細管と;
前記容積ポンプが停止しているときに、前記容積室の最高位よりも高い位置かつ前記吸込細管内に液面が現れている状態になるように液体を前記貯留タンクから抜く液体抜取手段とを備える;
容積ポンプシステム。 - 電動機と、前記電動機の回転運動を往復直線運動に変換するリンク機構とを有し、前記リンク機構の往復直線運動に伴う容積室の容積変化により液体を輸送する容積ポンプと;
前記容積ポンプの動作の異常を検出する異常検出手段と;
前記異常検出手段が異常を検出したときに前記電動機の回転速度を性能線図上で変化させるように制御する制御装置とを備える;
容積ポンプシステム。 - 前記電動機の出力可能なトルクを変化させるドライバを備え;
前記制御装置が、前記異常検出手段が異常を検出したときに前記電動機の出力可能なトルクを変化させる;
請求項4に記載の容積ポンプシステム。 - 請求項4又は請求項5に記載の容積ポンプシステムと;
前記容積ポンプから吐出された液体と、炭化水素系の原料とを導入し、前記原料を改質して水素を主成分とする改質ガスを生成する改質器と;
前記改質器で生成された前記改質ガスと、酸素を含有する酸素含有ガスと、を導入して発電する燃料電池とを備え;
前記異常検出手段が、前記容積ポンプが搬送する液体の流量の異常、前記改質器の状態の異常、及び前記燃料電池の状態の異常のうち少なくとも1つの異常を検出するように構成された;
燃料電池システム。
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JP2009009163A JP2010164032A (ja) | 2009-01-19 | 2009-01-19 | 液体抜出方法、容積ポンプシステム及び燃料電池システム |
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- 2009-01-19 JP JP2009009163A patent/JP2010164032A/ja active Pending
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