JP2015162316A - 走査電子顕微鏡および画像生成方法 - Google Patents

走査電子顕微鏡および画像生成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 大気圧下で観察可能な荷電粒子線装置においては、荷電粒子線を透過する隔膜を用いて、試料を配置する大気圧空間と荷電粒子光学系側の真空空間とを隔離する。この隔膜は非常に薄いため破損することが多い。このため、隔膜の交換頻度が増加し、交換作業による利便性の低下やランニングコストの増加といった問題が発生していた。【解決手段】 上記課題を解決するために、本発明の走査電子顕微鏡は、一次電子線を試料上に照射する電子光学鏡筒と、電子光学鏡筒内部と直結され、少なくとも一次電子線の照射中に内部が前記電子光学鏡筒内部より低真空の状態にされる筐体と、試料が載置される大気圧雰囲気の空間と低真空状態の筺体内部とを隔離しかつ前記一次荷電粒子線を透過する隔膜と、を備えることを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、大気または大気圧の所定のガス雰囲気下で観察可能な荷電粒子線装置に関する。
物体の微小な領域を観察するために、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)などが用いられる。一般的に、これらの装置では試料を配置するための筐体を真空排気し、試料雰囲気を真空状態にして試料を撮像する。電子線は大気などのガス分子により散乱されるため、電子線の通過経路は真空にするのが好ましいとされていた。しかしながら、生物化学試料や液体試料などは真空によってダメージを受け、または状態が変わってしまう。一方で、このような試料を電子顕微鏡で観察したいというニーズは大きく、近年、観察対象試料を大気圧下で観察可能なSEM装置が開発されている。
特許文献1には、大気圧下で観察可能なSEM装置が記載されている。この装置は、原理的には電子光学系と試料の間に電子線が透過可能な隔膜を設けて真空状態と大気状態を仕切るもので、隔膜に試料を接近させて非接触の状態で観察する点において環境セル等の観察手法と異なる。本方式においては、隔膜によって電子線が隔膜に到達する直前までの経路は高真空状態に維持することで電子線の散乱を防ぎ、かつ電子線の散乱が生じる領域を隔膜から試料の間の非常に短い距離に限定することで観察が可能となっている。
また、非特許文献1には、低真空雰囲気において電子線を照射してダイヤモンドを加工する方法が記載されている。また、ダイヤモンド基板上のナノピラーを除去する方法についても言及されている。
特開2012−221766公報
Jun-ichi NIITSUMA et.al., "Nanoprocessing of Diamond Using a Variable Pressure Scanning Electron Microscope", Japanese Journal of Applied Physics, 2006, vol.45, No.2, p.L71-L73
大気圧下で観察可能な荷電粒子線装置においては、荷電粒子線を透過する隔膜を用いて、試料を配置する大気圧空間と荷電粒子光学系側の真空空間とを隔離する。荷電粒子線を透過する要件から隔膜の厚さは非常に薄く設定されており、試料の接触等により破損することが多い。
また、本発明者らの実験によって、試料が隔膜に接触しなくても、荷電粒子線による観察をする場合、隔膜に荷電粒子線を照射した際または照射し続けた際に、隔膜が破損するという現象があることが確認された。本現象により、試料の接触等による破損時以外にも、ある頻度で隔膜を交換する必要が生じることになる。これにより、隔膜の交換頻度が増加し、交換作業による利便性の低下やランニングコストの増加といった問題が発生する。
本発明者らは、荷電粒子線照射による隔膜の破損について、荷電粒子線照射により隔膜上に発生するコンタミネーションが原因であることを見出した。つまり、隔膜にコンタミネーションが付着すると、コンタミネーション付着部境界での応力集中、または隔膜とコンタミネーション部分の熱膨張係数の差による熱応力等により隔膜が破壊される可能性が高まることを見出した。
本発明は、隔膜上に発生するコンタミネーションを低減することにより、隔膜の破損頻度を低減し、ランニングコスト抑えた利便性のよい荷電粒子線装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の走査電子顕微鏡は、一次電子線を試料上に照射する電子光学鏡筒と、電子光学鏡筒内部と直結され、少なくとも一次電子線の照射中に内部が前記電子光学鏡筒内部より低真空の状態にされる筐体と、試料が載置される大気圧雰囲気の空間と低真空状態の筺体内部とを隔離しかつ前記一次荷電粒子線を透過する隔膜と、を備えることを特徴とする。
本発明者らの実験によれば、隔膜の真空側の面に接する筺体の内部空間を低真空すなわちガスが残った状態にすると、隔膜に付着したコンタミネーションを分解できることが分かった。この現象は、筺体内部のガス分子に一次電子線が照射され、これによってプラズマ化したガス分子が隔膜に付着したコンタミネーションを分解することによると考えられる。
本発明によれば、大気圧下で観察可能な走査電子顕微鏡において、隔膜上に付着したコンタミネーションを分解または除去し、隔膜の破損確率を低減することができる。これによって、隔膜交換の頻度を低減しランニングコストを抑えた利便性の良い走査電子顕微鏡を提供することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
実施例1の荷電粒子顕微鏡の全体構成図。 図1の変形例の全体構成図。 図1の変形例の全体構成図。 光学顕微鏡を組み合わせる場合の構成図。 試料台の詳細図。 実施例3の荷電粒子顕微鏡の全体構成図。 実施例4の荷電粒子顕微鏡の全体構成図。 実施例5の荷電粒子顕微鏡の全体構成図。 実施例6の荷電粒子顕微鏡の全体構成図。 実施例7の荷電粒子顕微鏡の全体構成図。 実施例7の荷電粒子顕微鏡の変形例の全体構成図。
以下、図面を用いて各実施形態について説明する。
以下では、荷電粒子線装置の一例として、荷電粒子線顕微鏡について説明する。ただし、これは本発明の単なる一例であって、本発明は以下説明する実施の形態に限定されるものではない。本発明は、走査電子顕微鏡、走査イオン顕微鏡、走査透過電子顕微鏡、これらと試料加工装置との複合装置、またはこれらを応用した解析・検査装置にも適用可能である。
また、本明細書において「大気圧」とは大気雰囲気または所定のガス雰囲気であって、大気圧または若干の負圧状態の圧力環境のことを意味する。具体的には約105Pa(大気圧)から103Pa程度である。また、この圧力範囲を「非真空」と称することもある。
本実施例では、基本的な実施形態について説明する。図1には、本実施例の荷電粒子顕微鏡の全体構成図を示す。なお、以下の実施例は走査電子顕微鏡を意図して説明するが、上記の通り本発明はこれに限られない。
図1に示される荷電粒子顕微鏡は、主として、荷電粒子光学鏡筒2、荷電粒子光学鏡筒2と接続されこれを支持する筐体(真空室)7、大気雰囲気下に配置される試料ステージ5、およびこれらを制御する制御系によって構成される。荷電粒子顕微鏡の使用時には荷電粒子光学鏡筒2と筐体7の内部は真空ポンプ4により真空排気される。真空ポンプ4の起動・停止動作も制御系により制御される。図中、真空ポンプ4は一つのみ示されているが、二つ以上あってもよい。荷電粒子光学鏡筒2及び筺体7は図示しない柱等がベース270によって支えられているとする。
荷電粒子光学鏡筒2は、荷電粒子線を発生する荷電粒子源8、発生した荷電粒子線を集束して鏡筒下部へ導き、一次荷電粒子線として試料6を走査する光学レンズ1などの要素により構成される。荷電粒子源の寿命等の問題から、一般に荷電粒子源周辺の雰囲気は10-1Pa以下の気圧(以下、高真空とする)となっている。荷電粒子光学鏡筒2は筐体7内部に突き出すように設置されており、真空封止部材123を介して筐体7に固定されている。荷電粒子光学鏡筒2の端部には、上記一次荷電粒子線の照射により得られる二次的荷電粒子(二次電子または反射電子)を検出する検出器3が配置される。検出器3で得られた信号に基づいて試料の画像を取得する。検出器3は荷電粒子光学鏡筒2の外部にあっても内部にあってもよい。荷電粒子光学鏡筒には、これ以外に他のレンズや電極、検出器を含んでもよいし、一部が上記と異なっていてもよく、荷電粒子光学鏡筒に含まれる荷電粒子光学系の構成はこれに限られない。
本実施例の荷電粒子顕微鏡は、制御系として、装置使用者が使用するコンピュータ35、コンピュータ35と接続され通信を行う上位制御部36、上位制御部36から送信される命令に従って真空排気系や荷電粒子光学系などの制御を行う下位制御部37を備える。コンピュータ35は、装置の操作画面(GUI)が表示されるモニタと、キーボードやマウスなどの操作画面への入力手段を備える。上位制御部36、下位制御部37およびコンピュータ35は、各々通信線43、44により接続される。
下位制御部37は真空ポンプ4、荷電粒子源8や光学レンズ1などを制御するための制御信号を送受信する部位であり、さらには検出器3の出力信号をディジタル画像信号に変換して上位制御部36へ送信する。図では検出器3からの出力信号をプリアンプなどの増幅器154を経由して下位制御部37に接続している。もし、増幅器が不要であればなくてもよい。
上位制御部36と下位制御部37ではアナログ回路やディジタル回路などが混在していてもよく、また上位制御部36と下位制御部37が一つに統一されていてもよい。荷電粒子顕微鏡には、このほかにも各部分の動作を制御する制御部が含まれていてもよい。上位制御部36や下位制御部37は、専用の回路基板によってハードウェアとして構成されていてもよいし、コンピュータ35で実行されるソフトウェアによって構成されてもよい。ハードウェアにより構成する場合には、処理を実行する複数の演算器を配線基板上、または半導体チップまたはパッケージ内に集積することにより実現できる。ソフトウェアにより構成する場合には、コンピュータに高速な汎用CPUを搭載して、所望の演算処理を実行するプログラムを実行することで実現できる。なお、図1に示す制御系の構成は一例に過ぎず、制御ユニットやバルブ、真空ポンプまたは通信用の配線などの変形例は、本実施例で意図する機能を満たす限り、本実施例のSEMないし荷電粒子線装置の範疇に属する。
筐体7には、一端が真空ポンプ4に接続された真空配管16が接続され、内部を真空状態に維持できる。同時に、筐体内部を大気開放するためのリークバルブ14を備え、メンテナンス時などに、筐体7の内部を大気開放することができる。リークバルブ14は、なくてもよいし、二つ以上あってもよい。また、筐体7におけるリークバルブ14の配置箇所は、図1に示された場所に限られず、筐体7上の別の位置に配置されていてもよい。これらの構成によって、筺体7の内部の真空度は自由に調整することができる。ただし、前述のように荷電粒子源8の周囲の雰囲気は高真空に保つ必要がある。そこで、荷電粒子光学鏡筒2の内部と筺体7の内部の気圧差を保持するためのオリフィス62を備える。オリフィス62は荷電粒子光学鏡筒2内部乃至直下に備える。また、さらに、真空配管16中に排気流量を調整する流量調整手段を備えてもよい。流量調整手段は例えばオリフィスまたはニードルバルブ等である。一例として、図示には荷電粒子光学鏡筒2直下にオリフィス62、真空配管16中にニードルバルブ63を備える構成を示す。本構成は上記組み合わせに限定されず、例えば、荷電粒子光学鏡筒2直下にオリフィス62を備えたうえで、荷電粒子光学鏡筒2部分と筺体7部分それぞれに真空ポンプを備えてもよい。図2では、荷電粒子光学鏡筒2は真空ポンプ4で真空排気を行い、筺体7内部をもう一台の第2の真空ポンプ4aで真空排気を行う例を示している。図2に示すように、第2の真空ポンプ4aは、筺体7のみならず真空ポンプ4の排気部にも接続することで二段排気の構成としてもよい。この場合荷電粒子光学鏡筒2内部を効率よく排気することができる。また別の例として、スプリットフロー方式等1台のポンプで荷電粒子光学鏡筒2部分と筺体7部分を別々の真空度に設定してもよい。以上に示したように、荷電粒子光学鏡筒2の内部と筺体7の内部とを別々に真空排気しまたは排気流量制限することにより、筺体7内部よりも荷電粒子光学鏡筒2の真空度を上げることができ、分解能等の装置性能を良好にしたまま、筺体7内部の隔膜10周辺を低真空とすることができる。
筐体下面には上記荷電粒子光学鏡筒2の直下になる位置に隔膜10を備える。この隔膜10は、荷電粒子光学鏡筒2の下端から放出される一次荷電粒子線を透過または通過させることが可能であり、一次荷電粒子線は、隔膜10を通って最終的に試料台52に搭載された試料6に到達する。隔膜10によって試料載置空間から隔離されて構成される閉空間(すなわち、荷電粒子光学鏡筒2および筐体7の内部)は真空排気可能である。本実施例では、隔膜10によって真空排気される空間の気密状態が維持されるので、荷電粒子光学鏡筒2を真空状態に維持できかつ試料6周囲の雰囲気を大気圧に維持して観察することができる。また、荷電粒子線が照射されている状態でも試料が設置された空間が大気雰囲気であるまたは大気雰囲気の空間と連通しているため、観察中、試料6を自由に交換できる。
隔膜10は土台9上に成膜または蒸着されている。隔膜10はカーボン材、有機材、金属材、シリコンナイトライド、シリコンカーバイド、酸化シリコンなどである。土台9は例えばシリコンや金属部材のような部材である。隔膜10部は複数配置された多窓であってもよい。一次荷電粒子線を透過または通過させることが可能な隔膜の厚みは数nm〜数μm程度である。隔膜は大気圧と真空を分離するための差圧下で破損しないことが必要である。そのため、隔膜10の面積は数十μmから大きくとも数mm程度の大きさである。
隔膜10を支持する土台9は隔膜保持部材155上に具備されている。図示しないが、土台9と隔膜保持部材155は真空シールが可能なOリングやパッキンや接着剤や両面テープなどによって接着されているものとする。隔膜保持部材155は、筐体7の下面側に真空封止部材124を介して脱着可能に固定される。隔膜10は、荷電粒子線が透過する要請上、厚さ数nm〜数μm程度以下と非常に薄いため、経時劣化または観察準備の際に破損する可能性がある。また、隔膜10及びそれを支持する土台9は小さいので、直接ハンドリングすることが非常に困難である。そのため、本実施例のように、隔膜10および土台9を隔膜保持部材155と一体化し、土台9を直接ではなく隔膜保持部材155を介してハンドリングできるようにすることで、隔膜10及び土台9の取扱い(特に交換)が非常に容易となる。つまり、隔膜10が破損した場合には、隔膜保持部材155ごと交換すればよい。仮に隔膜10を直接交換しなければならない場合でも、隔膜保持部材155を装置外部に取り出し、隔膜10と一体化された土台9ごと装置外部で交換することができる。
また、図示しないが、試料6の直下または近傍に試料が観察可能な光学顕微鏡を配置してもよい。この場合は、隔膜10が試料上側にあり、光学顕微鏡は試料下側から観察することになる。そのため、この場合は、試料台52は光学顕微鏡の光に対して透明である必要がある。透明な部材としては、透明ガラス、透明プラスチック、透明の結晶体などである。より一般的な試料台としてスライドグラス(又はプレパラート)やディッシュ(又はシャーレ)などの透明試料台などがある。
また、温度ヒータや試料中に電界を発生可能な電圧印加部などを備えてもよい。この場合、試料が加熱または冷却していく様子や、試料に電界が印加されている様子を観察することが可能となる。
また、隔膜は2つ以上配置してもよい。例えば、荷電粒子光学鏡筒2の内部に隔膜があってもよい。あるいは、真空と大気とを分離する第一の隔膜の下側に、第二の隔膜を備え第二の隔膜と試料ステージとの間に試料が内包されていてもよい。
また、試料全体が内包された状態で真空装置内部に導入することが可能な環境セルを試料としてもよい。例えば、環境セル内部に試料高さ調整機構が具備され、真空と大気を分離するための隔膜に試料を接近させる場合にも後述する本発明が適応可能である。本発明では隔膜の数や種類は問わず、本実施例で意図する機能を満たす限り、本実施例のSEMないし荷電粒子線装置の範疇に属する。
隔膜により試料を大気圧雰囲気に隔離して観察を行う際、筺体7の内部を高真空状態として隔膜10に荷電粒子線を照射すると、筺体7内部の隔膜10近傍の炭化水素系の残留ガス分子が重合または架橋し隔膜10上に固着する。このように隔膜10に付着する異物を総称してコンタミネーションという。隔膜10上に発生したコンタミネーションにより、一次荷電粒子線または二次的荷電粒子線の一部または全部が遮蔽または散乱され、荷電粒子線による観察の妨げになる。
また、隔膜10にコンタミネーションが付着した際、コンタミネーション付着部境界での応力集中、あるいは隔膜とコンタミネーション部分の熱膨張係数の差による熱応力等により隔膜が破壊される。隔膜10上にコンタミネーションが発生し、またはコンタミネーションの発生によって隔膜10が破損するので、大気圧雰囲気下で観察を行うある一定期間ごとに隔膜10を交換する必要が生じる。これにより、隔膜10交換作業の煩雑さ、あるいは隔膜10交換作業に起因する装置稼働時間の低下による装置利便性の低下という問題が発生する。加えて、隔膜10交換に伴う装置ランニングコストの増加の問題も発生する。
本発明者らは、隔膜が接している空間の真空度によって、上記したコンタミネーションを低減することができることを見出した。そこで、本実施例の荷電粒子線装置においては、筺体7内部を低真空にする。つまり、荷電粒子光学鏡筒2の内部を高真空に維持しつつ、筺体7の内部を低真空にし、試料が載置される空間を大気圧とする。なお、本明細書において、「低真空」とは大気雰囲気あるいは所定のガス雰囲気であって、約0.1Pa以上約1000Pa以下の気圧領域を意味する。筺体7内部が約0.1Paより小さくなると荷電粒子線照射により残留ガス分子がプラズマ化されないのでコンタミネーションがほとんど分解されず、コンタミネーションの分解より上述したようにコンタミネーション付着の速度が大きくなるため実用的ではない。また、筺体7内部が約1000Paより大きくなると一次荷電粒子線が筺体7内部で散乱されるため、試料まで到達しにくくなり、分解能が極端に下がってしまう。そこで、本実施例ではコンタミネーションを効率よく分解できる気圧領域として筺体7内部を上記の範囲にしている。
従来の大気圧雰囲気下で試料を観察する装置では、隔膜で大気圧雰囲気の空間と荷電粒子光学鏡筒内部の真空空間を隔離していた。荷電粒子線は隔膜および大気圧雰囲気のガス分子によって散乱されるため、高真空下で試料を観察する場合に比べて画質が悪くなる。少しでも画質を良くするためには一次荷電粒子線が隔膜に達するまでの経路においてなるべく散乱を受けないことが望まれていた。したがって、従来は一次荷電粒子線が隔膜に達するまでの経路の真空度を悪くすることは想定されていなかった。また、一般的に、対物レンズを通過した一次荷電粒子線はその後何の影響も受けずに試料に到達することが期待されている。この意味でも、対物レンズを通過した後の経路であえて一次荷電粒子線が散乱されるようにすることは従来の装置では想定されていない。これに対して、本実施例においては、対物レンズと隔膜との間の空間である筺体7の内部を上記の範囲の真空度の低真空状態として一次荷電粒子線を照射することで、隔膜の筺体7内部に接する面に付着したコンタミネーションを分解することができる。
また、一般的に荷電粒子光学鏡筒2の内部は高真空になっているため、筺体7の内部と荷電粒子光学鏡筒内部との差圧を維持する必要がある。したがって、別の表現によれば、「低真空」とは荷電粒子光学鏡筒の内部より気圧の高い状態ということもできる。なお、荷電粒子光学鏡筒内に複数の異なる気圧の部屋を持つ場合には、それらの部屋のうち最も真空度の低い部屋(一般的には一次荷電粒子線が出射される側)よりも、筺体7内部の方が低真空になるようにする。また、別の表現をすれば、筺体7は高真空の荷電粒子光学鏡筒と大気圧の試料室との間に設けられた低真空室ということもできる。荷電粒子源で発生した一次荷電粒子線は高真空の荷電粒子光学鏡筒の内部を通過し、さらに低真空状態の筺体7の内部を通過した後隔膜を透過して、最終的に大気圧雰囲気下にある試料に照射される。なお、この低真空室は隔膜の片面に接する面の圧力を低真空にするために設けられるものであり、その内部空間の大きさは問わない。
筺体7には、筺体7内部に大気または任意のガスを導入する導入ポート60を備える。導入ポート60にはニードルバルブ61を接続し大気または任意のガスを導入する流量を調整できる。または、ニードルバルブ61の代わりに流入抵抗の大きいフィルタやオリフィスを備えてもよい。これらの流量調整手段によって気体導入の流量が適切に制限される。導入ポート60から導入された気体により、筺体7内部の気圧を上昇させることができる。
導入ポート60から導入した気体により、筺体7内部を低真空すなわちガスが残った状態にすると、そのガス分子に一次電子線あるいは二次的電子線が照射され、電子とガス分子することでガス分子が電離しプラズマ化する。このとき、電離したガス分子によるスパッタリングにより炭化水素系のコンタミネーションが分解されると考えられている。つまり、電子線照射によりコンタミネーションを分解することができる。また、この分解の速度は周囲のガス分子の量つまり真空度に依存する。ある真空度領域において、前述のように残留ガス分子が重合または架橋し隔膜上にコンタミネーションとして付着する速度よりも、コンタミネーションが分解される速度のほうが速いため、コンタミネーションの発生を抑制することができる。
隔膜10周辺を低真空とすることでコンタミネーションが低減されることは前述のとおりであるが、隔膜10周辺を低真空にすることにより大気圧との圧力差が小さくなり、隔膜に加わる圧力を減少する効果も見込まれる。これにより、大気圧により隔膜10に生じる応力が小さくなり、隔膜破損の頻度をより低減できる。ただし、例えば差圧低減のために真空雰囲気の気圧を0.01Paから0.1Paに上昇させた場合、大気圧(100kPaとする)により隔膜に負荷される圧力は、0.9×10-5%軽減されるのみであり、差圧低減による隔膜破損防止の効果は小さい。すなわち、隔膜10周辺を低真空にすること自体による差圧低減効果よりも、隔膜10へのコンタミネーション低減効果が、隔膜10破損防止に有効である。したがって、前述のように低真空雰囲気下で隔膜に荷電粒子線照射することでコンタミネーションを分解することが重要となる。
また、図3に示すように、導入ポート60に開閉操作が可能なバルブ64を備えてもよい。これにより、筺体7内部の雰囲気を高真空と低真空の任意の真空度に切り替えることができる。筺体7内部の雰囲気が低真空の場合には、高真空の場合に比べて一次荷電粒子線が散乱されやすいので、画質が劣化する。そのため、筺体7内部の真空度を適宜切り替え可能とするとよい。
例えば、試料の観察対象位置を決定するいわゆる視野探し等高画質観察の必要がない観察の際に筺体7内部を低真空として隔膜10へのコンタミネーションを抑えつつ、画像を撮影する際に筺体7内部を高真空として残留ガス分子による一次または二次的電子線の散乱を抑制しS/Nの良い高画質の画像を取得する。これにより、コンタミネーションによる隔膜10の破損を防止しながら、高画質な画像を取得することが可能になる。なお、視野探しモードと撮像モードを備え、ユーザがこれらのモードを選択する指示を行うことが可能なインターフェースをコンピュータ35のディスプレイに表示してもよい。ユーザの指示に応じて、制御部36,37はニードルバルブ61などの流量調整手段を制御し筺体7内部の真空度を調整する。当然ながらコンピュータ35や制御部を介さず、ユーザ自身が直接流量調整手段を調整することで筺体7内部の真空度を調整してもよい。
また別の例として、隔膜10のコンタミネーションを監視する手段を有し、これによってコンタミネーションを分解するタイミングを決めてもよい。画像認識等によりコンタミネーションの発生を監視してもよいが、コンタミネーションが隔膜10上に堆積するまでの時間は加速電圧や真空度等の諸条件によって決まり荷電粒子線装置ごとにほぼ一定の時間となる。そのため、大気圧下での観察時間の累積から間接的にコンタミネーションの発生を予測することができ、これをコンタミネーション分解のタイミングとしてもよい。具体的には、隔膜10にコンタミネーションが蓄積して観察の妨げになるまでの時間あるいは隔膜10が破損するまでの時間をあらかじめ記憶しておき、コンピュータ35等に設けたタイマーにより、一定の周期で制御部36,37はニードルバルブ61などの流量調整手段を制御して筺体7内部の真空度を低真空に調整する。これにより、オペレータはコンタミネーションの発生を気にすることなく、利便性よく大気圧下でのSEM観察を行うことが可能になる。
また、観察モードとクリーニングモードを備え、ユーザがこれらのモードを選択する指示を行うことが可能なインターフェースをコンピュータ35のディスプレイに表示してもよい。ユーザの指示に応じて、制御部36,37はニードルバルブ61などの流量調整手段を制御し筺体7内部の真空度を調整する。当然ながらコンピュータ35や制御部を介さず、ユーザ自身が直接流量調整手段を調整することで筺体7内部の真空度を調整してもよい。
これによれば、筺体7内部を高真空として観察を行い、隔膜10のコンタミネーションが多くなってきたときに筺体7内部を低真空にして電子線照射を行ない、隔膜10上のコンタミネーションを分解することができる。また、筺体7内部の真空度を任意に切り替えることで、コンタミネーションの抑制、最適なSEM画像の取得、さらにコンタミネーションの分解といった、状況に応じて適切な操作を行うことが可能になる。
以上、コンタミネーション低減の一手段として真空度を低真空とする構成を用いて説明したが、その他のコンタミネーション低減手段用によってもコンタミネーションの除去が可能となる。ただし、以下のような問題点があり、上述した低真空下での荷電粒子線照射によるコンタミネーション低減に比べて、実用的とはいえない。
例えば、隔膜10周辺に隔膜を加熱するためのヒータを備えることで、隔膜へのコンタミネーションの付着を低減することができる。この場合、隔膜10は非常に薄く、体積に対して表面積が大きいため隔膜周辺を加熱しても隔膜部で放熱され、隔膜中心部を充分に加熱することが難しい。あるいは、隔膜上に熱源となる部材を形成した場合、消耗品である隔膜の価格上昇によるランニングコストの上昇が課題となる。また、筺体7内に液体窒素等で外部より冷却可能な冷却部材を設けコールドトラップとして、冷却した冷却部材に炭化水素系のガスを吸着させることで隔膜へのコンタミネーション低減が可能である。この場合、隔膜近傍すなわち隔膜10と荷電粒子光学鏡筒2の間に冷却部材を配置する必要があり、隔膜10と荷電粒子光学鏡筒2の距離を充分に離す必要がある。これにより、隔膜10と荷電粒子光学鏡筒2の距離が離れてしまい、試料6と荷電粒子光学鏡筒2の距離が長大化し、画像の分解能の低下等の問題が生じる。また、冷却に液体窒素を用いる場合、ランニングコストの上昇が問題となる。また、筺体7にプラズマ発生装置を設け、プラズマによりコンタミネーションの低減・分解を行なうことも考えられる。この場合、プラズマ発生装置の設置による装置構成の複雑化は避けられない。
これらから、隔膜10へのコンタミネーション発生を防止する手段としては、筺体7内を低真空とすることが簡便で最適であり、有効性が最も高い。
ところで、大気圧下において観察可能な荷電粒子線顕微鏡においては、隔膜10の開口面積により観察視野が制限される。つまり、隔膜10は電子線を透過する要件から非常に薄いが、その充分に薄い隔膜により真空を封止するために、隔膜10の面積は非常に小さくする必要がある。例えば隔膜10の面積は250μm四方であり、隔膜10の面積は大気圧に耐えうるよう充分小さく設定される。これにより、開口面積の範囲内において観察を行うことになる。そのため、試料6上特定の場所を観察するためには、視野の移動を繰り返して観察対象の部位を探すことになる。この操作は非常に煩雑であり、大気圧下で観察可能な荷電粒子線顕微鏡の利便性を大きく損なうものである。
以上の課題に対し、本実施例では、荷電粒子線顕微鏡で観察する際の視野探しに光学顕微鏡等を活用することで、大気圧雰囲気下で観察可能な荷電粒子線顕微鏡の利便性を向上させる例を説明する。以下、装置構成および使用方法について説明する。実施例1と同様の部分については簡単のため説明を省略する。
図4に、荷電粒子線顕微鏡で観察を行う際の視野探しに光学顕微鏡を使用する構成を示す。本構成においては光学顕微鏡または高倍率のカメラ等、大気圧雰囲気下においてより低倍率で観察可能な装置を用いる。一例として、光学顕微鏡160を用いる構成について以下説明する。
光学顕微鏡160は光学顕微鏡光軸160aに対して一定の位置関係で試料台52を保持することが可能な試料設置台161を有する(図4(a))。同様に、荷電粒子顕微鏡53の試料ステージ5にも、試料設置台163を備える(図4(b))。試料設置台163は、試料ステージ5を所定の座標位置にしたとき、荷電粒子線光軸54に対し試料台52を一定の位置関係で保持できる。試料台52を試料設置台161に設置したときの光学顕微鏡光軸160aと試料台52の位置関係と、試料台52を試料設置台162に設置したときの電子線光軸54と試料台52の位置関係は一致するものとする。
上記一定の位置関係としたが、ここでは一例として、光学顕微鏡光軸160aと試料台52の中心軸52aが一致する試料設置台161を備える構成を用いて説明する。
試料設置台161は、ピンや穴等、試料台52と対をなす形状の位置決め構造162を有し、試料台52がはめ合わせられることで、試料台52の中心軸52aと光学顕微鏡光軸160aとを一致させて保持することができる。荷電粒子線顕微鏡53の試料ステージ5においても、位置決め構造164は位置決め構造162と同じ形状の構造を持つ。これにより試料台52は、試料ステージ5を所定の位置にしたときに中心軸52aと電子線の光軸54が一致するよう保持される。図では一例として、位置決め構造162、164を穴とし、試料台52にピン52bを備える構成としているが、溝と突起等その他の構造を用いてもよい。
以上により、光学顕微鏡160で試料台52を観察したときの観察視野と、荷電粒子線顕微鏡53で試料台52を観察したときの観察視野が一致するようになる。つまり、本構成において、光学顕微鏡160における位置決め構造162と、荷電粒子線顕微鏡53における位置決め構造164に対して、共通の試料台52が対応するものとしたことで、光学顕微鏡160と荷電粒子線顕微鏡53の同一視野観察が可能になる。以下、観察手順により本構成の効果を説明する。
まず、光学顕微鏡160の試料設置台161に試料台52を設置し、光学顕微鏡160で観察しながら、試料6の観察対象部位6aが視野中心になるように手またはピンセット等を用いて調整し、試料台52上に試料6を配置もしくは固定する(図4(c))。次に、試料台52を光学顕微鏡160の試料設置台161から取り外し、試料台52を荷電粒子線顕微鏡53の試料設置台163に設置する。そして、試料ステージ5を所定の位置に移動後、観察を開始すると試料6の観察対象部位6aの周辺を観察することができる(図4(d))。
以上、光学顕微鏡160観察下で試料6の観察対象部位6aの位置を調整することにより、荷電粒子線顕微鏡53において煩雑な視野探しの作業無しで観察対象部位6aを大気圧雰囲気下で荷電粒子線顕微鏡にて観察することができる。これにより大気圧雰囲気下で観察可能な荷電粒子線顕微鏡での視野探し操作の利便性が向上する。
なお、光学顕微鏡光軸160aと試料台52の中心軸52aが一致する試料設置台161を備える構成を用いて説明したが、前述の通り光学顕微鏡光軸160aと試料台52の中心軸52aは試料設置台161により一定の位置関係で保持できれば同様の効果がもたらされることは言うまでもない。
次に、荷電粒子線顕微鏡で観察する際の視野探しに光学顕微鏡等を活用する別の例を説明する。上の例では、光学顕微鏡160観察下で試料の位置を調整する際に人の手またはピンセット等を使用するため、微調整等細かな作業の正確性や利便性が悪いという課題がある。そこで、試料台52に移動機構を設け、移動機構により試料の位置調整を行う例を以下に説明する。
図5に、試料台52に移動機構を備える構成を示す。図5の試料台は、試料台52に光学顕微鏡光軸160a方向に垂直な平面(以下、XY平面とする。)に試料を移動可能な移動機構165を備える。移動機構165は、つまみ165a、165bを備え、X,Y方向に自在に移動可能である。つまみ165a、165bを操作し移動機構165を動作することで、光学顕微鏡160観察下において試料6上の任意の部位を観察し、観察対象部位6aを探して視野中心に移動することができる。観察対象部位6aを光学顕微鏡の視野中心に合わせた後、前述と同様に荷電粒子線顕微鏡53に搭載し試料ステージ5を所定の位置にすることで観察対象部位を観察することができる。つまり、試料台52より上側の移動機構165をXY方向に移動しても、位置決め構造162により、光学顕微鏡光軸160aと試料台の中心軸52aの位置関係は変わらない。これにより、光学顕微鏡160下での試料観察部位の決定と調整をより簡便に行うことが可能となり、大気圧雰囲気下で観察可能な荷電粒子線顕微鏡における視野探しの操作性を大幅に向上することができ、さらなる利便性の向上を図ることができる。
また、荷電粒子線顕微鏡観察のための位置決めに光学顕微鏡160を用いる構成について説明したが、上記構成を用いることにより、色情報を含む光学顕微鏡像と、より高分解能あるいは組成情報を含む荷電粒子線画像を容易に比較することができるという効果も実現される。
以下では、一般的な荷電粒子線装置を使用し簡便に大気下にて試料観察できる装置構成に関して説明する。図6には、本実施例の荷電粒子顕微鏡の全体構成図を示す。実施例1と同様、本実施例の荷電粒子顕微鏡も、荷電粒子光学鏡筒2、該荷電粒子光学鏡筒2を装置設置面に対して支持する筐体(真空室)7、試料ステージ5などによって構成される。これらの各要素の動作・機能あるいは各要素に付加される付加要素は、実施例1とほぼ同様であるので、詳細な説明は省略する。
図6に示す荷電粒子顕微鏡は、筐体7(以下、第1筺体)に挿入して使用される第2筐体(アタッチメント)121を備える。第2筐体121は、直方体形状の本体部131と合わせ部132とにより構成される。後述するように本体部131の直方体形状の側面のうち少なくとも一側面は開放面15となっている。本体部131の直方体形状の側面のうち隔膜保持部材155が設置される面以外の面は、第2筺体121の壁によって構成されていてもよいし、第2筺体121自体には壁がなく第1筺体7に組み込まれた状態で第1筺体7の側壁によって構成されても良い。第2筐体121は第1筐体7の側面又は内壁面又は荷電粒子光学鏡筒に位置が固定される。本体部131は、観察対象である試料6を格納する機能を持ち、上記の開口部を通って第1筐体7内部に挿入される。合わせ部132は、第1筐体7の開口部が設けられた側面側の外壁面との合わせ面を構成し、真空封止部材126を介して上記側面側の外壁面に固定される。これによって、第2筐体121全体が第1筐体7に嵌合される。上記の開口部は、荷電粒子顕微鏡の真空試料室にもともと備わっている試料の搬入・搬出用の開口を利用して製造することが最も簡便である。つまり、もともと開いている穴の大きさに合わせて第2筐体121を製造し、穴の周囲に真空封止部材126を取り付ければ、装置の改造が必要最小限ですむ。また、第2筐体121は第1筐体7から取り外しも可能である。
第2筐体121の側面は大気空間と少なくとも試料の出し入れが可能な大きさの面で連通した開放面15であり、第2筐体121の内部(図の点線より右側;以降、第2の空間とする)に格納される試料6は、観察中、大気圧状態に置かれる。なお、図6は光軸と平行方向の装置断面図であるため開放面15は一面のみが図示されているが図6の紙面奥方向および手前方向の第1の筺体の側面により真空封止されていれば、第2の筺体121の開放面15は一面に限られない。第2の筺体121が第1の筺体7に組み込まれた状態で少なくとも開放面が一面以上あればよい。一方、第1筐体7には真空ポンプ4が接続されており、第1筐体7の内壁面と第2筐体の外壁面および隔膜10によって構成される閉空間(以下、第1の空間とする)を真空排気可能である。第2の空間の圧力を第1の空間の圧力より大きく保つように隔膜が配置されることで、本実施例では、第2の空間を圧力的に隔離することができる。すなわち、隔膜10により第1の空間11が真空状態に維持される一方、第2の空間12は大気圧または大気圧とほぼ同等の圧力のガス雰囲気に維持されるので、装置の動作中、荷電粒子光学鏡筒2や検出器3を真空状態に維持でき、かつ試料6を大気圧に維持することができる。また、第2筐体121が開放面を有するので、観察中、試料6を自由に交換できる。
第2筐体121の上面側には、第2筐体121全体が第1筐体7に嵌合された場合に上記荷電粒子光学鏡筒2の直下になる位置に隔膜10を備える。この隔膜10は、荷電粒子光学鏡筒2の下端から放出される一次荷電粒子線を透過または通過させることが可能であり、一次荷電粒子線は、隔膜10を通って最終的に試料6に到達する。
第2筐体121の内部には試料ステージ5等が配置され、試料6を自在に移動することができる。
本装置においても、実施例1と同様に筺体7内部(すなわち第1の空間11)を低真空にするための導入ポート60を有する。導入ポート60に関する構成は実施例1と同様であるため詳細な説明は省略する。
図7には、本実施例の荷電粒子顕微鏡の全体構成図を示す。本実施例は実施例3の変形例である。実施例1、3と同様の部分について詳細な説明は省略する。
本実施例の荷電粒子顕微鏡の場合、第2筐体121の少なくとも一側面をなす開放面を蓋部材122で蓋うことができるようになっており、種々の機能が実現できる。以下ではそれについて説明する。
<試料ステージに関して>
本実施例の荷電粒子顕微鏡は、試料位置を変更することで観察視野を移動する手段としての試料ステージ5を蓋部材122に備えている。試料ステージ5には、面内方向へのXY駆動機構および高さ方向へのZ軸駆動機構を備えている。蓋部材122には試料ステージ5を支持する底板となる支持板107が取り付けられており、試料ステージ5は支持板107に固定されている。支持板107は、蓋部材122の第2筐体121への対向面に向けて第2筐体121の内部に向かって延伸するよう取り付けられている。Z軸駆動機構およびXY駆動機構からはそれぞれ支軸が伸びており、各々蓋部材122が有する操作つまみ108および操作つまみ109と繋がっている。装置ユーザは、これらの操作つまみ108および109を操作することにより、試料6の第2筐体121内での位置を調整する。
<試料近傍雰囲気に関して>
本実施例の荷電粒子顕微鏡においては、第2筐体内に置換ガスを供給する機能または第一の空間11や装置外部である外気とは異なった気圧状態を形成可能な機能を備えている。荷電粒子光学鏡筒2の下端から放出された荷電粒子線は、高真空に維持された第1の空間を通って、隔膜10を通過し、試料6に荷電粒子線が照射される。大気空間では荷電粒子線は気体分子によって散乱されるため、平均自由行程は短くなる。つまり、隔膜10と試料6の距離が大きいと一次荷電粒子線または荷電粒子線照射により発生する二次電子、反射電子もしくは透過電子等が試料及び検出器3まで届かなくなる。一方、荷電粒子線の散乱確率は、気体分子の質量数や密度に比例する。従って、大気よりも質量数の軽いガス分子で第2の空間を置換するか、少しだけ真空引きすることを行えば、荷電粒子線の散乱確率が低下し、荷電粒子線が試料に到達できるようになる。また、第2の空間の全体ではなくても、少なくとも第2の空間中の荷電粒子線の通過経路、すなわち隔膜10と試料6との間の空間の大気をガス置換または真空引きできればよい。
以上の理由から、本実施例の荷電粒子顕微鏡では、蓋部材122にガス供給管100の取り付け部(ガス導入部)を設けている。ガス供給管100は連結部102によりガスボンベ103と連結されており、これにより第2の空間12内に置換ガスが導入される。ガス供給管100の途中には、ガス制御用バルブ101が配置されており、管内を流れる置換ガスの流量を制御できる。このため、ガス制御用バルブ101から下位制御部37に信号線が伸びており、装置ユーザは、コンピュータ35のモニタ上に表示される操作画面で、置換ガスの流量を制御できる。また、ガス制御用バルブ101は手動にて操作して開閉してもよい。
置換ガスの種類としては、窒素や水蒸気など、大気よりも軽いガスであれば画像S/Nの改善効果が見られるが、質量のより軽いヘリウムガスや水素ガスの方が、画像S/Nの改善効果が大きい。
置換ガスは軽元素ガスであるため、第2の空間12の上部に溜まりやすく、下側は置換しにくい。そこで、蓋部材122でガス供給管100の取り付け位置よりも下側に第2の空間の内外を連通する開口を設ける。例えば図8では圧力調整弁104の取り付け位置に開口を設ける。これにより、ガス導入部から導入された軽元素ガスに押されて大気ガスが下側の開口から排出されるため、第2筐体121内を効率的にガスで置換できる。なお、この開口を後述する粗排気ポートと兼用しても良い。
上述の開口の代わりに圧力調整弁104を設けても良い。当該圧力調整弁104は、第2筐体121の内部圧力が1気圧以上になると自動的にバルブが開く機能を有する。このような機能を有する圧力調整弁を備えることで、軽元素ガスの導入時、内部圧力が1気圧以上になると自動的に開いて窒素や酸素などの大気ガス成分を装置外部に排出し、軽元素ガスを装置内部に充満させることが可能となる。なお、図示したガスボンベまたは真空ポンプ103は、荷電粒子顕微鏡に備え付けられる場合もあれば、装置ユーザが事後的に取り付ける場合もある。
また、ヘリウムガスや水素ガスのような軽元素ガスであっても、電子線散乱が大きい場合がある。その場合は、ガスボンベ103を真空ポンプにすればよい。そして、少しだけ真空引きすることによって、第2の筐体内部を極低真空状態(すなわち大気圧に近い圧力の雰囲気)にすることが可能となる。つまり、隔膜10と試料6との間の空間を極低真空状態にすることが可能である。例えば、第2の筐体121または蓋部材122に真空排気ポートを設け、第2筐体121内を少しだけ真空排気する。その後置換ガスを導入してもよい。この場合の真空排気は、第2筐体121内部に残留する大気ガス成分を一定量以下に減らせればよいので高真空排気を行う必要はなく、粗排気で十分である。
このように本実施例では、試料が載置された空間を大気圧(約105Pa)から約103Paまでの任意の真空度に制御することができる。従来のいわゆる低真空走査電子顕微鏡では、電子線カラムと試料室が連通しているので、試料室の真空度を下げて大気圧に近い圧力とすると電子線カラムの中の圧力も連動して変化してしまい、大気圧(約105Pa)〜103Paの圧力に試料室を制御することは困難であった。本実施例によれば、第2の空間と第1の空間を薄膜により隔離しているので、第2の筐体121および蓋部材122に囲まれた第2の空間12の中の雰囲気の圧力およびガス種は自由に制御することができる。したがって、これまで制御することが難しかった大気圧(約105Pa)〜103Paの圧力に試料室を制御することができる。さらに、大気圧(約105Pa)での観察だけでなく、その近傍の圧力に連続的に変化させて試料の状態を観察することが可能となる。
また、図示しないが、ボンベ103部はガスボンベと真空ポンプを複合的に接続した、複合ガス制御ユニット等でもよい。
本実施例による構成は前述までの構成と比べて、第2筺体内部の第2の空間12が閉じられているという特徴を持つ。そのため、隔膜10と試料6の間にガスを導入し、または真空排気することが可能な荷電粒子線装置を提供することが可能となる。
本実施例においても、実施例1、3と同様に筺体7内部を低真空にするための導入ポート60を有する。隔膜に付着するコンタミ低減の観点から言えば、筺体7内部を低真空にすることが重要であり、筺体7内部の圧力は第2の空間12の圧力に依存せず一定とすればよい。
なお、本構成において、隔膜10を取り外すことで、大気圧雰囲気下で観察するのみならず真空環境で観察する所謂一般的なSEMとして使用することが可能になる。つまり、隔膜10を装着している場合には第1の空間内部を低真空として隔膜10へのコンタミネーションを低減しながら大気圧雰囲気下での観察が可能で、隔膜10を取り外した場合には第1の空間内および試料6が配置される第2の空間12内を高真空とすることで、一般的な荷電粒子線顕微鏡として、より高分解能、あるいはより高倍率な観察ができる。
<その他>
以上説明したように、本実施例では、試料ステージ5およびその操作つまみ108、109、ガス供給管100、圧力調整弁104が全て蓋部材122に集約して取り付けられている。従って装置ユーザは、上記操作つまみ108、109の操作、試料の交換作業、またはガス供給管100、圧力調整弁104の操作を第1筐体の同じ面に対して行うことができる。よって、上記構成物が試料室の他の面にバラバラに取り付けられている構成の荷電粒子顕微鏡に比べて操作性が非常に向上している。
以上説明した構成に加え、第2筐体121と蓋部材122との接触状態を検知する接触モニタを設けて、第2の空間が閉じているまたは開いていることを監視してもよい。
また、二次電子検出器や反射電子検出器に加えて、X線検出器や光検出器を設けて、EDS分析や蛍光線の検出ができるようにしてもよい。X線検出器や光検出器の配置としては、第1の空間11または第2の空間12のいずれに配置されてもよい。
以上、本実施例により、実施例1や2の効果に加え、大気圧から置換ガスが導入可能である。また、第一の空間とは異なった圧力の雰囲気下での試料観察が可能である。また、隔膜を取り外して第1の空間と第2の空間を連通させることにより、大気または所定のガス雰囲気下での観察に加えて第一の空間と同じ真空状態での試料観察も可能なSEMが実現される。
本実施例では、荷電粒子線装置外部で試料格納容器内部の試料位置を調整するための装置構成及びその方法について記載する。実施例1〜4と同様、本実施例の荷電粒子顕微鏡も、荷電粒子光学鏡筒2、該荷電粒子光学鏡筒2を装置設置面に対して支持する筐体(真空室)7、試料ステージ5などによって構成される。これらの各要素の動作・機能あるいは各要素に付加される付加要素は、実施例1〜3とほぼ同様であるので、詳細な説明は省略する。
図8に、試料格納容器を荷電粒子顕微鏡装置の内部に配置した状態を示す。試料格納容器は、主として、格納容器200、蓋201、試料6の位置を変更するための駆動機構をもつ試料ステージ203、試料ステージ203を試料格納容器外部から動かすための複数の操作部204、荷電粒子線を通過または透過させる隔膜10、隔膜10を保持する土台9によって構成される。試料6は試料台の上に載置され、この試料台とともに閉空間である格納容器200内部に格納される。試料格納容器の外部と内部のガス種および気圧状態が分離した状態に保持するために、蓋201と格納容器200との間にOリングやパッキンなどの真空封止部材206を有する。試料ステージ203の下面と格納容器200の底面は図示しないねじ等で固定されるものとする。
試料6と隔膜10とが非接触であり、隔膜10に平行方向に試料を隔膜10と独立して動かすことが可能であるため、非常に広い範囲(少なくとも隔膜の面積より大きい範囲)の試料の観察が可能となる。また、試料と隔膜が非接触であるので、試料交換の度に隔膜を交換する必要がなくなる。
試料格納容器下側(底面側)には、後述する荷電粒子線装置内部の試料ステージ上に配置するための合わせ部(図示省略)をもつ。合わせ部は凸型でも凹型でもよいし、別の形状でもよい。合わせ部209が試料ステージの対応する部分と係合することにより試料格納容器を試料ステージ上に固定する。
荷電粒子線顕微鏡のステージ5は、面内方向へのXY駆動機構および高さ方向へのZ軸駆動機構などを備えている。支持板107は、蓋部材122の対向面に向けて筺体7内部に向かって延伸するよう取り付けられている。Z軸駆動機構およびXY駆動機構からはそれぞれ支軸が伸びており、各々蓋部材122が有する操作つまみ108および操作つまみ109と繋がっている。装置ユーザは、これらの操作つまみを操作することにより、荷電粒子光学鏡筒に対する試料格納容器の位置を調整することが可能である。ここで上述のように試料格納容器内部にも位置調整機構が備えられており、この位置調整機構とステージは独立に可動となっている。試料格納容器内部の位置調整機構は試料と隔膜との位置合わせに利用され、ステージは荷電粒子線光学鏡筒と試料格納容器との位置合わせに利用される。
実施例1において説明したとおり、隔膜は大気圧と真空との差圧で維持されなければならない要求から隔膜の面積は非常に小さい。本実施例では、実施例1に示した手法と同様、光学顕微鏡にて試料位置を確認しながら試料を隔膜とは独立して自由に移動させることができるので、視野探しの操作を簡便に行うことができる。特にこの視野探しの作業を、局所雰囲気を保ったまま行うことができるので、ユーザの利便性は非常に向上する。
本装置においても、実施例1と同様に筺体7内部を低真空にするための導入ポート60を有する。本実施例の場合には、試料格納容器の内部が局所的に非真空となっており、試料室である筺体7の内部は真空環境になっている。本実施例では実施例1,3と異なり、隔膜の荷電粒子源側の面を低真空環境とするための特別な筺体を備えていない。そこで、試料格納容器を筺体7の内部に導入して観察するときには筺体7の内部を低真空に維持する。このようにすることで隔膜10の内外の圧力を考えると実施例1と同様の状況とすることができ、前述の実施例の通り、隔膜のコンタミネーション付着を低減することができる。
本実施例の場合には、試料格納容器を使用しない場合、いわゆる通常のSEMとして観察を行うことができる。試料格納容器を使用する場合には筺体7内をニードルバルブ61により低真空環境として隔膜10へのコンタミネーションを抑制し、試料格納容器を使用しない場合は通常のSEMとして、筺体7内をニードルバルブ61により低真空から高真空に切り替える。なお、本実施例の筺体7内部の真空度は低真空から高真空の範囲内で自由に制御することが可能である。一般的な低真空走査電子顕微鏡では試料室の真空度を低真空から高真空の任意の圧力に制御することができるため、本実施例の場合には新たに筺体を設置することなく、従来の走査電子顕微鏡の試料室を利用して、隔膜の真空側の面に接する空間を低真空状態にすることができる。本実施例において、筺体7の内部を低真空にする試料格納容器モードと筺体7の内部を高真空にするSEMモードを備え、ユーザがこれらのモードを選択する指示を行うことが可能なインターフェースをコンピュータ35のディスプレイに表示してもよい。ユーザの指示に応じて、制御部36,37はニードルバルブ61などの流量調整手段を制御し筺体7内部の真空度を調整する。当然ながらコンピュータ35や制御部を介さず、ユーザ自身が直接流量調整手段を調整することで筺体7内部の真空度を調整してもよい。
本実施例では、実施例1の変形例である荷電粒子光学鏡筒2が隔膜10に対して下側にある構成に関して説明する。図9に、本実施例の荷電粒子顕微鏡の構成図を示す。真空ポンプや制御系などは省略して図示する。また、真空室である筺体7、荷電粒子光学鏡筒2は装置設置面に対して柱や支え等によって支持されているものとする。各要素の動作・機能または各要素に付加される付加要素は、前述の実施例とほぼ同様であるので、詳細な説明は省略する。
図9(a)に示すように、本装置には、試料6を隔膜10に接近させる試料ステージ5が具備されている。本実施例の装置構成では図中試料6下側の試料面が観察されることになる。言い換えれば、本実施例の装置構成では、装置上方が大気圧空間として開放されている。この場合、試料ステージ5によって、隔膜と試料との距離を調整することができる。
図9(b)のように、試料6を直接隔膜10側に搭載してもよい(図中矢印)。この場合は必ずしも試料ステージ5は必要でない。隔膜と試料6とを接近させるためには、隔膜10と試料6との間に厚みが規定され成膜された薄膜や着脱可能な箔材などの接触防止部材56を用いる。この場合には接触防止部材56は隔膜と試料との間の距離を調整する距離調整機構にあたる。接触防止部材56を置くことによって、ユーザは試料6を安心して配置することが可能となる。様々な既知の厚みの接触防止部材56を複数個準備してもよい。最初に、厚みがt1の接触防止部材56を土台9上に配置する。次に、試料6を搭載する。その後試料を観察し、必要であれば厚みがt1より小さいt2の接触防止部材に置き換える。これにより、隔膜10と試料6とを接触させて破損させることなく観察を実施することが可能となる。
本装置においても、実施例1と同様に筺体7内部を低真空にするための導入ポート60および流量調整手段としてのニードルバルブ61を有する。導入ポート60、ニードルバルブ61に関する構成は実施例1と同様であるため詳細な説明は省略する。
前述までの実施例では、隔膜10と試料6とが非接触な状態で大気下に配置された荷電粒子顕微鏡観察する装置及び方法について説明した。本実施例では、隔膜と試料とが接触した状態で大気下雰囲気下に配置された試料の顕微鏡観察する装置について記載する。
図10に、本実施例における荷電粒子装置を示す。荷電粒子光学鏡筒2及び筺体7は図示しない柱や土台によって支えられているとする。また、図9で示したように荷電粒子光学鏡筒が隔膜10に対して下側にある構成にしてもよい。本構成では、隔膜10に試料6が接触している点以外の構成は実施例1と同じである。実施例2や3で説明した図6や図7のように一般の荷電粒子顕微鏡装置にアタッチメントをつけた装置構成において隔膜に試料を接触させる場合も本実施例に含まれる。本構成の場合、隔膜保持部材155上に試料6を搭載した後で、隔膜保持部材155を筐体7に接触させて第1の空間11を真空にしたのち、荷電粒子顕微鏡観察を実施可能である。このとき筺体7の内部である第1の空間11は低真空とする。なお、図10では荷電粒子光学鏡筒2の下部に筺体7を設け低真空室としているが、荷電粒子光学鏡筒2の内部が複数の部屋に分かれていてそれぞれの部屋で気圧を維持することが可能な場合には最も試料に近い側の部屋を低真空状態とし、荷電粒子光学鏡筒2の一次電子線の出射口に、直接、試料を保持した隔膜10またはこれを保持する隔膜保持部材155を配置してもよい。
これによって、隔膜の試料が接触する面とは逆の面が低真空雰囲気に接することになり、実施例1で述べたとおり、隔膜へのコンタミネーションの付着を低減することが可能となる。特に本実施例の構成では、試料が隔膜に直接接触しているので、観察位置をずらすために隔膜保持部材155の位置を微調整することが多く、そのときの振動や衝撃によって隔膜が破損しやすい。また、隔膜が破損すると試料が荷電粒子光学鏡筒内部に飛散し、荷電粒子線装置自体が故障する恐れがある。したがって、上述のようにコンタミネーションを低減して隔膜上に応力集中を起こさないことが特に重要になる。
次の例として、図11に隔膜と試料とを接触させて観察する別の荷電粒子顕微鏡装置について記載する。本構成では試料6を大気または所定のガス雰囲気下の状態で内包することが可能な容器250が荷電粒子装置の試料ステージ5上に配置されている。この場合は、試料6は隔膜10に接触している。荷電粒子顕微鏡装置外部で容器250の蓋251に具備された隔膜10上に試料6を搭載し、蓋251と容器250を図示しないねじ等で固定する。次に、荷電流顕微鏡装置内部に試料が内包された容器250を導入し、荷電粒子顕微鏡観察を実施する。荷電粒子源8から放出された荷電粒子線はいくつかの光学レンズ1を経由したのち真空空間11を通過し、隔膜10を経由して試料6に到達する。
本装置においても、実施例1と同様に筺体7内部を低真空にするための導入ポート60を有し、試料の観察時には筺体7の内部を低真空状態にする。導入ポート60に関する構成は実施例5と同様であるため詳細な説明は省略する。実施例5と同様、一般的な低真空走査電子顕微鏡では試料室の真空度を低真空から高真空の任意の圧力に制御することができるため、本実施例の場合には新たに筺体を設置することなく、従来の走査電子顕微鏡の試料室を利用して、隔膜の真空側の面に接する空間を低真空状態にすることができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。
各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、光ディスク等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1:光学レンズ、2:荷電粒子光学鏡筒、3:検出器、4:真空ポンプ、5:試料ステージ、6:試料、7:筐体、8:荷電粒子源、9:土台、10:隔膜、11:第1の空間、12:第2の空間、14:リークバルブ、15:開放面、16:真空配管、35:コンピュータ、36:上位制御部、37:下位制御部、43,44:通信線、52:試料台、52a:中心軸、52b:ピン、53:荷電粒子線顕微鏡、54:荷電粒子線の光軸、56:接触防止部材、60:導入ポート、61:ニードルバルブ、62:オリフィス、63:ニードルバルブ、64:バルブ、100:ガス供給管、101:ガス制御用バルブ、102:連結部、103:ガスボンベまたは真空ポンプ、104:圧力調整弁、107:支持板、108,109:操作つまみ、121:第2筐体、122:蓋部材、123,124,126:真空封止部材、131:本体部、132:合わせ部、154:信号増幅器、155:隔膜保持部材、160:光学顕微鏡、160a:光学顕微鏡光軸、161:試料設置台、162:位置決め構造、163:試料設置台、164:位置決め構造、165:移動機構、165a,165b:つまみ、200:格納容器、201:蓋、202:試料台、203:試料ステージ、204:操作部、250:容器、251:蓋、270:ベース

Claims (13)

  1. 大気圧雰囲気の空間内に載置された試料に電子線を照射することで前記試料から生じる信号に基づいて前記試料の画像を取得する走査電子顕微鏡において、
    電子源を含み一次電子線を前記試料に照射する電子光学鏡筒と、
    前記電子光学鏡筒内部と直結され、少なくとも前記一次電子線の照射中に、内部が前記電子光学鏡筒内部より低真空の状態にされる筺体と、
    前記試料が載置される前記大気圧雰囲気の空間と前記筺体の内部とを隔離し、かつ前記一次電子線が透過する隔膜と、を備えることを特徴とする走査電子顕微鏡。
  2. 請求項1に記載の走査電子顕微鏡において、
    前記筺体内部の気圧は、少なくとも前記一次電子線の照射中に、0.1Pa以上1000Pa以下にされることを特徴とする走査電子顕微鏡。
  3. 請求項1に記載の走査電子顕微鏡において、
    前記一次電子線の前記隔膜への照射により、前記隔膜上のコンタミネーションを分解することを特徴とする走査電子顕微鏡。
  4. 請求項1に記載の走査電子顕微鏡において、
    前記電子光学鏡筒内部の気圧を前記筺体の内部の気圧よりも低く保持するオリフィスを前記電子光学鏡筒の直下に有することを特徴とする走査電子顕微鏡。
  5. 請求項1に記載の走査電子顕微鏡において、
    前記筺体は、前記筺体の内部に気体を導入するポートと、当該気体の流量を制御する流量調整部材と、を備えることを特徴とする走査電子顕微鏡。
  6. 請求項1に記載の走査電子顕微鏡において、
    前記筺体の内部の気圧は変更可能であることを特徴とする走査電子顕微鏡。
  7. 請求項6に記載の走査電子顕微鏡において、
    前記筺体の内部の気圧を、前記試料の観察対象位置を決定する視野探しモードのときは0.1Pa以上1000Pa以下とし、前記試料の画像取得モードのときには0.1Pa以下とするように制御する制御部を備えることを特徴とする走査電子顕微鏡。
  8. 大気圧雰囲気の空間内に載置された試料に一次電子線を照射することで前記試料から生じる信号に基づいて前記試料の画像を取得する画像生成方法において、
    電子源から発生した一次電子線を電子光学鏡筒から出射し、
    前記電子光学鏡筒から出射された前記一次電子線を前記電子光学鏡筒の内部より低真空の状態にされた筺体内部を通過させ、
    前記筺体内部を通過した前記一次電子線を、前記試料が載置される前記大気圧雰囲気の空間と前記筺体の内部とを隔離する隔膜を透過させ、
    前記隔膜を透過した前記一次電子線を前記試料に照射することを特徴とする画像生成方法。
  9. 請求項8に記載の画像生成方法において、
    前記筺体内部の気圧は0.1Pa以上1000Pa以下であることを特徴とする画像生成方法。
  10. 請求項8に記載の画像生成方法において、
    前記一次電子線の前記隔膜への照射により、前記隔膜上のコンタミネーションを分解することを特徴とする画像生成方法。
  11. 請求項8に記載の画像生成方法において、
    前記電子光学鏡筒内部の気圧を、前記筺体の内部の気圧よりも低くすることを特徴とする画像生成方法。
  12. 請求項8に記載の画像生成方法において、
    前記筺体の内部の気圧は変更可能であることを特徴とする画像生成方法。
  13. 請求項12に記載の画像生成方法において、
    前記筺体の内部の気圧を0.1Pa以上1000Pa以下とした状態で前記試料の観察対象位置を決定する視野探しを行い、
    その後前記筺体内部の気圧を0.1Pa以下とした状態で前記試料の画像を取得することを特徴とする画像生成方法。
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