JP2015161184A - 電子制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】クロック信号の異常を検出するために用いられる信号を送受信するための専用のポートを必要とせず、かつ、簡便な方法で精度よくクロック信号の異常を検出可能な電子制御装置を提供する。
【解決手段】制御ユニットAのマイクロコンピュータ21が、通信線4a、4bを介して制御ユニットBのマイクロコンピュータ31に2つのパルスを有する信号を送信すると共に、制御ユニットBのコンピュータ31が、通信線4a、4bを介して制御ユニットAのマイクロコンピュータ21からその信号を受信した際に、その信号が有する2つのパルスに対応する2つのパルスのパルス間時間間隔T1’’を測定し、その測定されたパルス間時間間隔T1’’が所定の規準値に対して所定範囲内にあるか否かを判定する。
【選択図】図1
【解決手段】制御ユニットAのマイクロコンピュータ21が、通信線4a、4bを介して制御ユニットBのマイクロコンピュータ31に2つのパルスを有する信号を送信すると共に、制御ユニットBのコンピュータ31が、通信線4a、4bを介して制御ユニットAのマイクロコンピュータ21からその信号を受信した際に、その信号が有する2つのパルスに対応する2つのパルスのパルス間時間間隔T1’’を測定し、その測定されたパルス間時間間隔T1’’が所定の規準値に対して所定範囲内にあるか否かを判定する。
【選択図】図1
Description
本発明は、電子制御装置に関し、特に、複数の制御対象を分担して制御する一方のマイクロコンピュータ及び他方のマイクロコンピュータを備える電子制御装置に関する。
従来より、車両に搭載されるエンジンや変速機等の制御対象を制御する電子制御装置が知られている。近年、このような電子制御装置として、複数の制御対象の制御を機能的に複数のマイクロコンピュータに分担させ、各マイクロコンピュータに個々の制御対象を対応して制御させるようにした電子制御装置が提案されている。
このような電子制御装置では、複数のマイクロコンピュータは、各々が備える発振器が出力するクロック信号に従って、他のマイクロコンピュータと協働して個々の制御対象を制御する。このため、発振器が出力するクロック信号の発振周波数がマイクロコンピュータ間で異なる場合には、各マイクロコンピュータは他のマイクロコンピュータと協働して個々の制御対象を制御することが困難になる傾向が考えられる。
かかる状況下で、特許文献1は、電子制御装置及びその制御方法に関し、一方のマイクロコンピュータが出力するWDT(Watch Dog Timer)信号を他のマイクロコンピュータに入力し、他のマイクロコンピュータがこのWDT信号のパルス幅が所定範囲内にあるか否かを判定することによって、一方のマイクロコンピュータの発振器の異常を検出する構成を開示している。
しかしながら、本発明者の検討によれば、特許文献1の構成においては、各々のマイクロコンピュータにWDT信号を入力するための専用のポートが必要になるため、マイクロコンピュータの個数が増加すると、更にその分、マイクロコンピュータのポート数が増加して、電子制御装置全体の構成が煩雑になってそのコストが増加する傾向が考えられる。
また、かかる構成においては、WDT信号のパルス幅が所定範囲内にあるか否かを判定するものであるため、マイクロコンピュータが内蔵するWTDに加えて、高精度なWDT信号を発生することのできるWTDを別途備える必要が生じて、電子制御装置全体の構成が煩雑になってそのコストが増加する傾向が考えられる。
また、かかる構成においては、WDT信号の送信線や受信線にノイズが重畳した場合には、そのノイズをWDT信号のパルス幅のエッジと認識してWDT信号のパルス幅を誤検出する可能性があるため、WDT信号のパルス幅を測定するためにWDT信号のエッジ間隔を精度よく検出できるエッジキャプチャ機能が必要になり、電子制御装置全体の構成が更に煩雑になってそのコストが増加する傾向が考えられる。
本発明は、以上の検討を経てなされたものであり、クロック信号の異常を検出するために用いられる信号を送受信するための専用のポートを必要とせず、かつ、簡便な方法で精度よく、クロック信号の異常を検出することができる電子制御装置を提供することを目的
とする。
とする。
以上の目的を達成するべく、本発明は、複数の制御対象を各々分担して制御すると共に通信線を介して互いに接続された一方のマイクロコンピュータ及び他方のマイクロコンピュータを備え、前記一方のマイクロコンピュータ及び他方のマイクロコンピュータは、各々、クロック信号を供給する発振器と、前記複数の制御対象の制御に必要な所定データを送受信するデータ通信部と、を有する電子制御装置であって、前記一方のマイクロコンピュータは、前記通信線を介して前記他方のマイクロコンピュータに2つのパルスを有する信号を送信し、前記他方のコンピュータは、前記通信線を介して前記一方のマイクロコンピュータから前記信号を受信した際に、前記信号が有する前記2つのパルスに対応する2つのパルスのパルス間時間間隔を測定し、その測定されたパルス間時間間隔が所定の規準値に対して所定範囲内にあるか否かを判定することによって前記クロック信号の異常を検出することを第1の局面とする。
また、本発明は、第1の局面に加え、前記一方のマイクロコンピュータ及び他方のマイクロコンピュータの各々の前記データ通信部は、所定周期で前記所定データを送信し、前記他方のコンピュータは、前記所定周期で前記所定データを送信する合間に前記クロック信号の異常を検出することを第2の局面とする。
また、本発明は、第1又は第2の局面に加え、前記一方のマイクロコンピュータは、前記通信線を介して前記他方のマイクロコンピュータに規定時間間隔に対応したパルス間時間間隔を呈する2つのパルスを有する信号を送信し、前記他方のコンピュータは、前記通信線を介して前記一方のマイクロコンピュータから前記信号を受信した際に、前記信号が有する前記2つのパルスに対応する2つのパルスのパルス間時間間隔を測定し、その測定されたパルス間時間間隔と前記規定時間間隔との差が所定範囲内にあるか否かを判定することによって前記クロック信号の異常を検出することを第3の局面とする。
以上の本発明の第1の局面にかかる電子制御装置によれば、一方のマイクロコンピュータが、通信線を介してデータ通信部から他方のマイクロコンピュータに2つのパルスを有する信号を送信すると共に、他方のコンピュータが、通信線を介して一方のマイクロコンピュータからその信号を受信した際に、その信号が有する2つのパルスに対応する2つのパルスのパルス間時間間隔を測定し、その測定されたパルス間時間間隔が所定の規準値に対して所定範囲内にあるか否かを判定することによってクロック信号の異常を検出するものであるため、クロック信号の異常を検出するために用いられる2つのパルスを有する信号を送受信するための専用のポートを増設する必要性を排し、かつ、簡便な方法で精度よくクロック信号の異常を検出することができる。特に、2つのパルスを有する信号は、通常の入出力ポートを用いて送受信することができるため、制御対象の個数等が増加してマイクロコンピュータの個数が増加しても、クロック信号の異常を検出するために用いられる2つのパルスを有する信号を送受信するための専用のポートを増設する必要性がない。
また、本発明の第2の局面にかかる電子制御装置によれば、他方のコンピュータが、所定周期で行われる所定データの送信の合間にクロック信号の異常を検出するものであるため、クロック信号の異常検出処理が所定データの送信の障害になることを確実に抑制することができる。
また、本発明の第3の局面にかかる電子制御装置によれば、一方のマイクロコンピュータが、通信線を介してデータ通信部から他方のマイクロコンピュータに規定時間間隔に対応したパルス間時間間隔を呈する2つのパルスを有する信号を送信すると共に、他方のコ
ンピュータが、通信線を介して一方のマイクロコンピュータから信号を受信した際に、その信号が有する2つのパルスに対応する2つのパルスのパルス間時間間隔を測定し、その測定されたパルス間時間間隔と規定時間間隔との差が所定範囲内にあるか否かを判定することによってクロック信号の異常を検出するものであるため、クロック信号の異常を検出するために用いられる信号を送受信するための専用のポートを増設する必要性を排しながら、簡便な方法で規定時間間隔を確実に反映させたより高精度のクロック信号の異常検出を実現することができる。
ンピュータが、通信線を介して一方のマイクロコンピュータから信号を受信した際に、その信号が有する2つのパルスに対応する2つのパルスのパルス間時間間隔を測定し、その測定されたパルス間時間間隔と規定時間間隔との差が所定範囲内にあるか否かを判定することによってクロック信号の異常を検出するものであるため、クロック信号の異常を検出するために用いられる信号を送受信するための専用のポートを増設する必要性を排しながら、簡便な方法で規定時間間隔を確実に反映させたより高精度のクロック信号の異常検出を実現することができる。
以下、図面を適宜参照して、本発明の実施形態における電子制御装置につき、詳細に説明する。
〔電子制御装置の構成〕
まず、図1を参照して、本実施形態における電子制御装置の構成につき、詳細に説明する。
まず、図1を参照して、本実施形態における電子制御装置の構成につき、詳細に説明する。
図1(a)は、本実施形態における電子制御装置の構成を示すブロック図である。図1(b)は、本実施形態における電子制御装置の一方の制御ユニットの送信端子(CAN TX)の機能がCAN通信機能からポート出力機能に切り替えられた際に、それから出力される2つのパルスを有する電気信号を示す。図1(c)は、図1(b)に示す電気信号を2線式の通信バス(通信線)で搬送する状態を示す。また、図1(d)は、図1(b)に示す電気信号が、図1(c)に示す通信線で搬送される状態を経て、本実施形態における電子制御装置の他方の制御ユニットの受信端子(CAN RX)で受信される状態を示す。
図1(a)に示すように、本実施形態における電子制御装置1は、自動二輪車等の車両に搭載され、例えば車両の燃料噴射システムや点火システム等の制御対象を制御する制御ユニットAと、例えば車両の電子制御スロットル等の制御対象を制御する制御ユニットBと、を備えている。つまり、電子制御装置1は、制御ユニットAと制御ユニットBとが複数の制御対象を分担して制御するように構成されている。
制御ユニットAは、マイクロコンピュータ21、発振器22、及びCAN(Controller Area Network)ドライバ(CANトランシーバ)23を備えている。
マイクロコンピュータ21は、図示を省略するメモリから必要な制御プログラム及び制
御データを読み出して、制御ユニットA全体の動作を制御する制御プログラムを実行する。かかるマイクロコンピュータ21は、CANドライバ23を介して制御ユニットBとの間で制御対象の制御に必要なデータを所定周期毎に送受信する機能を有している。
御データを読み出して、制御ユニットA全体の動作を制御する制御プログラムを実行する。かかるマイクロコンピュータ21は、CANドライバ23を介して制御ユニットBとの間で制御対象の制御に必要なデータを所定周期毎に送受信する機能を有している。
マイクロコンピュータ21は、フリーランタイマ21aを備えている。フリーランタイマ21aは、マイクロコンピュータ21の送信端子の機能がCAN通信機能からポート出力機能に切り替えられた時に自動的に選択されるマイクロコンピュータ21の計時機能であり、発振器22が出力するクロック信号に基づき計時する。また、図1(b)に示すように、マイクロコンピュータ21は、その送信端子(CAN TX)の機能をCAN通信機能からポート出力機能に切り替えた際には、図1(b)に示すように、それから2つのパルスを有した電気信号を出力自在である。かかる2つのパルスの時間間隔としては、2つのパルスの立ち上がり時刻及び立ち下がり時刻を全て組み合わせればT1からT4の4通りのものが考えられるが、本実施形態では、2つのパルスの立ち下がり時刻同士間の時間間隔T1を、詳細は後述するクロック異常判定処理を実行する際の規定時間間隔に対応させることにする。
発振器22は、マイクロコンピュータ21に外付けされた水晶発振器等によって構成され、マイクロコンピュータ21を動作させるためのクロック信号をマイクロコンピュータ21に出力する。
CANドライバ23は、マイクロコンピュータ21に接続されたIC回路によって構成され、電気信号の電圧の調整等を行って2線式の通信バス(通信線)4a、4bを介して制御ユニットB側のCANドライバ33との間で電気信号のCAN通信を行う。また、マイクロコンピュータ21がその送信端子の機能をCAN通信機能からポート出力機能に切り替えた際には、図1(c)に示すように、通信バス(通信線)4a、4bの各々に2つのパルスの立ち下がり時刻同士間の時間間隔T1’を呈する2つのパルスを有する電気信号を搬送することになるが、ここでは、かかる時間間隔T1’は、マイクロコンピュータ21の送信端子から出力される電気信号の2つのパルスの立ち下がり時刻同士間の時間間隔である規定時間間隔T1に実質等しいと取り扱ってよいものとする。
制御ユニットBは、マイクロコンピュータ31、発振器32、及びCANドライバ(CANトランシーバ)33を備えている。
マイクロコンピュータ31は、図示を省略するメモリから必要な制御プログラム及び制御データを読み出して、制御ユニットB全体の動作を制御する制御プログラムを実行する。かかるマイクロコンピュータ31は、CANドライバ33を介して制御ユニットAとの間で制御対象の制御に必要なデータを所定周期毎に送受信する機能を有している。
マイクロコンピュータ31は、フリーランタイマ31aを備えている。フリーランタイマ31aは、マイクロコンピュータ31の受信端子の機能がCAN通信機能からポート入力機能に切り替えられた時に自動的に選択されるマイクロコンピュータ31の計時機能であり、発振器32が出力するクロック信号に基づき計時する。
発振器32は、マイクロコンピュータ31に外付けされた水晶発振器等によって構成され、マイクロコンピュータ31を動作させるためのクロック信号をマイクロコンピュータ31に出力する。
CANドライバ33は、マイクロコンピュータ31に接続されたIC回路によって構成され、電気信号の電圧の調整等を行って2線式の通信バス4a、4bを介して制御ユニットA側のCANドライバ23との間で電気信号のCAN通信を行う。また、マイクロコン
ピュータ21がその送信端子の機能をCAN通信機能からポート出力機能に切り替えた際には、図1(d)に示すように、通信線4a、4bの各々を搬送されてきた電気信号を受信して、2つのパルスの立ち下がり時刻同士間の時間間隔がT1’’である電気信号をマイクロコンピュータ31の受信端子(CAN RX)に入力する。
ピュータ21がその送信端子の機能をCAN通信機能からポート出力機能に切り替えた際には、図1(d)に示すように、通信線4a、4bの各々を搬送されてきた電気信号を受信して、2つのパルスの立ち下がり時刻同士間の時間間隔がT1’’である電気信号をマイクロコンピュータ31の受信端子(CAN RX)に入力する。
なお、本実施形態では、制御ユニットA及び制御ユニットBは通信バス4a、4bを介してCAN通信で接続されることとしたが、制御ユニットAと制御ユニットBとをLIN(Local Interconnect Network)通信、SPI(Serial Peripheral Interface)通信、FlexRay通信等のCAN通信以外の通信方式で接続してもよい。
また、本実施形態では、電子制御装置1は、制御ユニットAと制御ユニットBとの2つの制御ユニットを備えることとしたが、制御ユニットの数は2つに限定されることはなく、3つ以上であってもよい。
更に、本実施形態では、制御ユニットA及び制御ユニットBはマイクロコンピュータを1つ備える構成であるとしたが、マイクロコンピュータを2つ以上備えていてもよい。
このような構成を有する電子制御装置1は、起動時及び定常時に以下に示すクロック異常判定処理を実行することにより、専用のポートを必要とせず、かつ、簡便な方法で精度よく発振器22、32が出力するクロック信号の異常を検出する。以下、図2及び図3を参照して、本実施形態における電子制御装置1が実行する起動時及び定常時のクロック異常判定処理の流れについて説明する。かかる起動時及び定常時のクロック異常判定処理においては、マイクロコンピュータ21のフリーランタイマ21a及びマイクロコンピュータ31のフリーランタイマ31aが、各々対応してマイクロコンピュータ21及びマイクロコンピュータ31の動作に関する計時を行うことになる。
〔起動時のクロック異常判定処理〕
図2は、本実施形態における電子制御装置1の起動時におけるクロック異常判定処理の流れを示すフローチャートである。
図2は、本実施形態における電子制御装置1の起動時におけるクロック異常判定処理の流れを示すフローチャートである。
図2のフローチャートに示すように、本実施形態の起動時におけるクロック異常判定処理は、車両に搭載された図示を省略するバッテリ等の電源から電子制御装置1に対して電力が供給されたタイミングで開始となり、クロック異常判定処理はステップS1a及びステップS1bの処理に進む。
ステップS1a及びステップS1bの処理では、制御ユニットAのマイクロコンピュータ21が、送信端子の機能をCAN通信機能からポート出力機能に切り替える(ステップS1a)。また、制御ユニットBのマイクロコンピュータ31が、受信端子の機能をCAN通信機能からポート入力機能に切り替える(ステップS1b)。これにより、ステップS1a、1bの処理は完了し、クロック異常判定処理はステップS2a及びステップS2bの処理に進む。
ステップS2a及びステップS2bの処理では、制御ユニットAのマイクロコンピュータ21が、CANドライバ23を介してポート出力機能に切り替えられた送信端子からクロック異常判定処理を実行する際の規定時間間隔を呈するパルス間時間間隔の2つのパルスを有する信号を出力する(ステップS2a)。ここで、規定時間間隔とは、図1(b)に示すように、2つのパルスの立ち下がりエッジ間の時間間隔T1を意味する。そして、この信号の出力が完了すると、マイクロコンピュータ21は、送信端子の機能をポート出力機能からCAN通信機能に切り替える(ステップS2b)。これにより、ステップS2
a及びステップS2bの処理は完了し、クロック異常判定処理はステップS3の処理に進む。
a及びステップS2bの処理は完了し、クロック異常判定処理はステップS3の処理に進む。
ステップS3の処理では、制御ユニットBのマイクロコンピュータ31が、CANドライバ33を介してポート入力機能に切り替えられた受信端子において制御ユニットAから出力された信号を受信し、図1(d)に示すように、フリーランタイマ31aのカウント値に基づいてこの受信信号が有する2つのパルスのパルス間時間間隔T1’’を算出する。これにより、ステップS3の処理は完了し、クロック異常判定処理はステップS4の処理に進む。
ステップS4の処理では、制御ユニットBのマイクロコンピュータ31が、ステップS3の処理において算出されたパルス間時間間隔T1’’が所定の規準値に対して所定範囲内にあるか、詳しくは、このように算出されたパルス間時間間隔T1’’と規定時間間隔T1との差が所定範囲内にあるか否かを判別することによって、発振器22が出力するクロック信号又は発振器32が出力するクロック信号に異常があるか否かを判定する。具体的には、パルス間時間間隔T1’’と規定時間間隔T1との差が所定範囲内にある場合には、マイクロコンピュータ31はクロック信号に異常はないと判定する。一方で、パルス間時間間隔T1’’と規定時間間隔T1との差が所定範囲内にない場合には、マイクロコンピュータ31は発振器22が出力するクロック信号又は発振器32が出力するクロック信号に異常があると判定する。これにより、ステップS4の処理は完了し、クロック異常判定処理はステップS5の処理に進む。
ステップS5の処理では、制御ユニットBのマイクロコンピュータ31が、受信端子の機能をポート入力機能からCAN通信機能に切り替える。これにより、ステップS5の処理は完了し、クロック異常判定処理はステップS6a及びステップS6bの処理に進む。
ステップS6a及びステップS6bの処理では、制御ユニットBのマイクロコンピュータ31が、CANドライバ33を介して制御対象を制御するために必要なデータと共にステップS4の判定結果をクロック信号の診断結果として制御ユニットAに送信する(ステップS6a)。そして、マイクロコンピュータ31は、クロック信号に異常がないと判定された場合には、制御対象を通常通り起動し、又は、クロック信号に異常があると判定された場合には、制御対象の動作を停止させる等のフェイルセーフアクションを実行する(ステップS6b)。これにより、ステップS6a及びステップS6bの処理は完了し、クロック異常判定処理はステップS7a及びステップS7bの処理に進む。
ステップS7a及びステップS7bの処理では、制御ユニットAのマイクロコンピュータ21が、CANドライバ23を介して制御ユニットBから送信されたクロック信号の診断結果を受信する(ステップS7a)。そして、マイクロコンピュータ21は、この診断結果からクロック信号に異常がないと判定された場合には、制御対象を通常通り起動し、又は、クロック信号に異常があると判定された場合には、制御対象の動作を停止させる等のフェイルセーフアクションを実行する(ステップS7b)。これにより、ステップS7a及びステップS7bの処理は完了し、一連のクロック異常判定処理は終了する。
〔定常時のクロック異常判定処理〕
図3は、本実施形態における電子制御装置1の定常時におけるクロック異常判定処理の流れを示すフローチャートである。
図3は、本実施形態における電子制御装置1の定常時におけるクロック異常判定処理の流れを示すフローチャートである。
図3のフローチャートに示すように、本実施形態の定常時におけるクロック異常判定処理は、定常時のCAN通信処理が行われている時間帯以外の時間帯において開始となり、クロック異常判定処理はステップS11a及びステップS11bの処理に進む。
ステップS11a及びステップS11bの処理では、制御ユニットAのマイクロコンピュータ21が、CANドライバ23を介して制御ユニットBにクロック信号診断の実施要求を送信する(ステップS11a)。そして、マイクロコンピュータ21は、送信端子の機能をCAN通信機能からポート出力機能に切り替える(ステップS11b)。これにより、ステップS11a及びステップS11bの処理は完了し、クロック異常判定処理はステップS12a及びステップS12bの処理に進む。
ステップS12a及びステップS12bの処理では、制御ユニットBのマイクロコンピュータ31が、CANドライバ33を介して制御ユニットAから送信されたクロック信号診断の実施要求を受信する(ステップS12a)。そして、マイクロコンピュータ31は、受信端子の機能をCAN通信機能からポート入力機能に切り替える(ステップS12b)。これにより、ステップS12a及びステップS12bの処理は完了し、クロック異常判定処理はステップS13a及びステップS13bの処理に進む。
ステップS13a及びステップS13bの処理では、制御ユニットAのマイクロコンピュータ21が、CANドライバ23を介してポート出力機能に切り替えられた送信端子から規定時間間隔T1を呈する2つのパルスを有する信号を出力する(ステップS13a)。そして、この信号の出力が完了すると、マイクロコンピュータ21は、送信端子の機能をポート出力機能からCAN通信機能に切り替える(ステップS13b)。これにより、ステップS13a及びステップS13bの処理は完了し、クロック異常判定処理はステップS14の処理に進む。
ステップS14の処理では、制御ユニットBのマイクロコンピュータ31が、CANドライバ33を介してポート入力機能に切り替えられた受信端子において制御ユニットAから出力された信号を受信し、フリーランタイマ31aのカウント値に基づいて受信信号が有する2つのパルスのパルス間時間間隔T1’’を算出する。これにより、ステップS14の処理は完了し、クロック異常判定処理はステップS15の処理に進む。
ステップS15の処理では、制御ユニットBのマイクロコンピュータ31が、ステップS14の処理において算出されたパルス間時間間隔T1’’が所定の規準値に対して所定範囲内にあるか、詳しくは、このように算出されたパルス間時間間隔T1’’とメモリに記憶された規定時間間隔T1との差が所定範囲内にあるか否かを判別することによって、発振器22が出力するクロック信号又は発振器32が出力するクロック信号に異常があるか否かを判定する。具体的には、パルス間時間間隔T1’’と規定時間間隔T1との差が所定範囲内にある場合には、マイクロコンピュータ31はクロック信号に異常はないと判定する。一方で、パルス間時間間隔T1’’と規定時間間隔T1との差が所定範囲内にない場合には、マイクロコンピュータ31は発振器22が出力するクロック信号又は発振器32が出力するクロック信号に異常があると判定する。これにより、ステップS15の処理は完了し、クロック異常判定処理はステップS16の処理に進む。
ステップS16の処理では、制御ユニットBのマイクロコンピュータ31が、受信端子の機能をポート入力機能からCAN通信機能に切り替える。これにより、ステップS16の処理は完了し、クロック異常判定処理はステップS17a及びステップS17bの処理に進む。
ステップS17a及びステップS17bの処理では、制御ユニットBのマイクロコンピュータ31が、CANドライバ33を介して制御対象を制御するために必要なデータと共にステップS15の判定結果をクロック信号の診断結果として制御ユニットAに送信する(ステップS17a)。そして、マイクロコンピュータ31は、クロック信号に異常がな
いと判定された場合には、制御対象を通常通り起動し、又は、クロック信号に異常があると判定された場合には、制御対象の動作を停止させる等のフェイルセーフアクションを実行する(ステップS17b)。これにより、ステップS17a及びステップS17bの処理は完了し、クロック異常判定処理はステップS18a及びステップS18bの処理に進む。
いと判定された場合には、制御対象を通常通り起動し、又は、クロック信号に異常があると判定された場合には、制御対象の動作を停止させる等のフェイルセーフアクションを実行する(ステップS17b)。これにより、ステップS17a及びステップS17bの処理は完了し、クロック異常判定処理はステップS18a及びステップS18bの処理に進む。
ステップS18a及びステップS18bの処理では、制御ユニットAのマイクロコンピュータ21が、CANドライバ23を介して制御ユニットBから送信されたクロック信号の診断結果を受信する(ステップS18a)。そして、マイクロコンピュータ21は、この診断結果からクロック信号に異常がないと判定された場合には、制御対象を通常通り起動し、又は、クロック信号に異常があると判定された場合には、制御対象の動作を停止させる等のフェイルセーフアクションを実行する(ステップS18b)。これにより、ステップS18a及びステップS18bの処理は完了し、一連のクロック異常判定処理は終了し、その後は再び定常時のCAN通信処理が行われる。
以上の説明から明らかなように、本発明の実施形態における電子制御装置1では、制御ユニットAの一方のマイクロコンピュータ21が、通信線4a、4bを介して制御ユニットBの他方のマイクロコンピュータ31に2つのパルスを有する信号を送信すると共に、制御ユニットBの他方のコンピュータ31が、通信線4a、4bを介して制御ユニットAの一方のマイクロコンピュータ21からその信号を受信した際に、その信号が有する2つのパルスに対応する2つのパルスのパルス間時間間隔T1’’を測定し、その測定されたパルス間時間間隔T1’’が所定の規準値に対して所定範囲内にあるか否かを判定することによってクロック信号の異常を検出するものであるため、クロック信号の異常を検出するために用いられる2つのパルスを有する信号を送受信するための専用のポートを増設する必要性を排し、かつ、簡便な方法で精度よくクロック信号の異常を検出することができる。特に、2つのパルスを有する信号は、通常の入出力ポートを用いて送受信することができるため、制御対象の個数等が増加してマイクロコンピュータの個数が増加しても、クロック信号の異常を検出するために用いられる2つのパルスを有する信号を送受信するための専用のポートを増設する必要性がない。
また、本発明の実施形態における電子制御装置1では、制御ユニットBの他方のコンピュータ31が、所定周期で行われる所定データの送信の合間にクロック信号の異常を検出するものであるため、クロック信号の異常検出処理が所定データの送信の障害になることを確実に抑制することができる。
また、本発明の実施形態における電子制御装置1では、制御ユニットAの一方のマイクロコンピュータ21が、通信線4a、4bを介して制御ユニットBの他方のマイクロコンピュータに規定時間間隔T1に対応したパルス間時間間隔T1を呈する2つのパルスを有する信号を送信すると共に、制御ユニットBの他方のコンピュータ31が、通信線4a、4bを介して制御ユニットAの一方のマイクロコンピュータ21からその信号を受信した際に、その信号が有する2つのパルスに対応する2つのパルスのパルス間時間間隔T1’’を測定し、その測定されたパルス間時間間隔T1’’と規定時間間隔T1との差が所定範囲内にあるか否かを判定することによってクロック信号の異常を検出するものであるため、クロック信号の異常を検出するために用いられる信号を送受信するための専用のポートを増設する必要性を排しながら、簡便な方法で規定時間間隔を確実に反映させたより高精度のクロック信号の異常検出を実現することができる。
なお、本発明は、部材の種類、形状、配置、個数等は前述の実施形態に限定されるものではなく、その構成要素を同等の作用効果を奏するものに適宜置換する等、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることはもちろんである。
以上のように、本発明は、クロック信号の異常を検出するために用いられる2つのパルスを有する信号を送受信するための専用のポートを必要とせず、かつ、簡便な方法で精度よくクロック信号の異常を検出することができる電子制御装置を提供することができるものであり、その汎用普遍的な性格から自動二輪車等の車両用の電子制御装置に広く適用され得るものと期待される。
1…電子制御装置
A、B…制御ユニット
4a、4b…通信バス(通信線)
21、31…マイクロコンピュータ
21a、31a…フリーランタイマ
22、32…発振器
23、33…CANドライバ
A、B…制御ユニット
4a、4b…通信バス(通信線)
21、31…マイクロコンピュータ
21a、31a…フリーランタイマ
22、32…発振器
23、33…CANドライバ
Claims (3)
- 複数の制御対象を各々分担して制御すると共に通信線を介して互いに接続された一方のマイクロコンピュータ及び他方のマイクロコンピュータを備え、前記一方のマイクロコンピュータ及び他方のマイクロコンピュータは、各々、クロック信号を供給する発振器と、前記複数の制御対象の制御に必要な所定データを送受信するデータ通信部と、を有する電子制御装置であって、
前記一方のマイクロコンピュータは、前記通信線を介して前記他方のマイクロコンピュータに2つのパルスを有する信号を送信し、
前記他方のコンピュータは、前記通信線を介して前記一方のマイクロコンピュータから前記信号を受信した際に、前記信号が有する前記2つのパルスに対応する2つのパルスのパルス間時間間隔を測定し、その測定されたパルス間時間間隔が所定の規準値に対して所定範囲内にあるか否かを判定することによって前記クロック信号の異常を検出することを特徴とする電子制御装置。 - 前記一方のマイクロコンピュータ及び他方のマイクロコンピュータの各々の前記データ通信部は、所定周期で前記所定データを送信し、前記他方のコンピュータは、前記所定周期で前記所定データを送信する合間に前記クロック信号の異常を検出することを特徴とする請求項1に記載の電子制御装置。
- 前記一方のマイクロコンピュータは、前記通信線を介して前記他方のマイクロコンピュータに規定時間間隔に対応したパルス間時間間隔を呈する2つのパルスを有する信号を送信し、
前記他方のコンピュータは、前記通信線を介して前記一方のマイクロコンピュータから前記信号を受信した際に、前記信号が有する前記2つのパルスに対応する2つのパルスのパルス間時間間隔を測定し、その測定されたパルス間時間間隔と前記規定時間間隔との差が所定範囲内にあるか否かを判定することによって前記クロック信号の異常を検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の電子制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014035318A JP2015161184A (ja) | 2014-02-26 | 2014-02-26 | 電子制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014035318A JP2015161184A (ja) | 2014-02-26 | 2014-02-26 | 電子制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015161184A true JP2015161184A (ja) | 2015-09-07 |
Family
ID=54184462
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014035318A Pending JP2015161184A (ja) | 2014-02-26 | 2014-02-26 | 電子制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015161184A (ja) |
-
2014
- 2014-02-26 JP JP2014035318A patent/JP2015161184A/ja active Pending
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