JP2009292168A - 電子制御装置、電子制御システムおよび通信に関する制御方法 - Google Patents
電子制御装置、電子制御システムおよび通信に関する制御方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 電子制御装置間で通信を行う場合に、通信遅れを検出することができると共に通信遅れの影響を軽減することが可能な電子制御装置、電子制御システムおよび通信に関する制御方法を提供する。
【解決手段】 ECU11と、ECU11とシリアル通信で通信を行うECU12Aとを有して構成される電子制御システム1Aであって、ECU11がECU12Aに、時間経過に応じて変動するクランク角度をシリアル通信で送信するとともに、パラレル通信で通信開始信号を送信し、ECU12Aが、通信開始信号を受信したことに基づき、時間の計測を開始するとともに、クランク角度の受信が完了したことに基づき、該計測を終了し、計測した時間等に基づき現在のクランク角度を推定するとともに、現在のクランク角度に基づいてカム駆動用モータ3を制御する。
【選択図】 図1
【解決手段】 ECU11と、ECU11とシリアル通信で通信を行うECU12Aとを有して構成される電子制御システム1Aであって、ECU11がECU12Aに、時間経過に応じて変動するクランク角度をシリアル通信で送信するとともに、パラレル通信で通信開始信号を送信し、ECU12Aが、通信開始信号を受信したことに基づき、時間の計測を開始するとともに、クランク角度の受信が完了したことに基づき、該計測を終了し、計測した時間等に基づき現在のクランク角度を推定するとともに、現在のクランク角度に基づいてカム駆動用モータ3を制御する。
【選択図】 図1
Description
本発明は電子制御装置、電子制御システムおよび通信に関する制御方法に関する。
従来、一の電子制御装置と、この一の電子制御装置とシリアル通信を行う他の電子制御装置とを有して構成される電子制御システムが知られている。係る電子制御システムは例えば車両に適用され、他の電子制御装置が計測や演算等の処理を行う一方、一の電子制御装置が他の電子制御装置から計測結果や演算結果等の情報を受け取り、受け取った情報を利用して制御対象(被制御部)を制御するといった一種の分散型の制御を行う。
シリアル通信では一の電子制御装置および他の電子制御装置が備えるシリアルインターフェイス同士を通信線(以下、シリアル通信線と称す)で接続する。そしてこのシリアル通信では、例えば他の電子制御装置が複数ビットのデータ(情報)を一の電子制御装置に送る場合に、データが直列的に1ビットずつ一の電子制御装置に送信される。
時間の計測を行う技術という点で本発明と関連性があると考えられる技術が例えば特許文献1で提案されている。
ところで、電子制御装置間の通信をシリアル通信で行う場合、シリアル通信では上述したようにデータを直列的に1ビットずつ送信することから、通信データ量が増加した場合に通信遅れが発生しやすい。例えば多くのデータを一度にまとめて送信する場合、シリアル通信ではその特性上、通信開始から完了までに幾らか時間が経過することになる。
図5は電子制御装置であるECU11X、12Xとともに、シリアル通信で通信遅れが発生する様子を時系列で模式的に示す図である。図5に示すように、ECU11X、12Xはシリアル通信線で接続されている。ここで、ある時刻T1にECU11Xが所定の信号の増加量を情報として算出する。この情報は所定の信号の減少量や増減量などの変動量であってもよく、ECU12Xで制御対象を制御するために利用される。続いて時刻T2にECU11Xは算出した情報をシリアル通信によってECU12Xに送信する。このとき情報は直列的に1ビットずつ送信されることから、ECU12Xは時刻T2に遅れて時刻T3に情報の受信を完了する。この結果、情報は時刻T1に算出したものであるにも関わらず、ECU12Xによって時刻T4に参照されることになる。すなわちこのようにして通信遅れが発生する。
なお、通信遅れが発生した場合であっても通信速度が十分に確保されている場合には、特段の問題は生じないともいえる。しかしながら、現実には他にソフトウェアやハードウェア要因(例えばデータ解釈に要する時間や電子制御装置が備えるマイコンの処理負荷)に基づく制限などもあることから、ある程度の通信遅れの発生は許容せざるを得ない。また、チェックサム等によりデータ異常の有無をチェックするとともに、異常検出時にデータの再送信を要求したり、エラー訂正をしたりする等のフェイルセーフを行うことも考慮した場合には、より多くの通信遅れが発生する可能性がある。
そして通信遅れが発生した場合、図5に示すようにECU12Xが時刻T4に情報を参照した際には、情報が時間の経過によってすでに制御タイミング的に不適切なものとなっていることから、この結果、制御対象を意図通りに制御できない事態が発生する虞があった。
そこで本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、電子制御装置間で通信を行う場合に、通信遅れを検出することができると共に、制御対象を制御するにあたって、通信遅れの影響を軽減することが可能な電子制御装置、電子制御システムおよび通信に関する制御方法を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するための本発明は他の電子制御装置と通信を行う電子制御装置であって、前記他の電子制御装置において生じる、所定の信号の増加量と所定の信号の増加速度を、一の通信を介して前記他の電子制御装置から受信し、前記他の電子制御装置が前記増加量と前記増加速度の送信を開始する際に送信する通信開始情報を、他の通信を介して前記他の電子制御装置から受信し、前記通信開始情報を受信した場合に、時間の計測を開始し、前記増加量と前記増加速度の受信が完了する場合に、前記時間の計測を終了し、
前記増加速度と計測した前記時間に基づいて、前記増加量を補正し、補正後の前記増加量に基づいて被制御部を制御することを特徴とする。
前記増加速度と計測した前記時間に基づいて、前記増加量を補正し、補正後の前記増加量に基づいて被制御部を制御することを特徴とする。
また本発明は計測した前記時間に基づき、通信が安定しているか否かを判定するとともに、通信が安定していると判定した場合に、前記通信開始情報を複数回に1回の通信毎に受信する構成であってもよい。
また本発明は前記他の情報を受信しない場合に、前記増加量を補正するにあたり、計測した前記時間の代わりに計測した前記時間に基づく学習値を用いる構成であってもよい。
また本発明は一の電子制御装置と、該一の電子制御装置と通信を行う他の電子制御装置とを有して構成される電子制御システムであって、前記一の電子制御装置が、前記他の電子制御装置において生じる、所定の信号の増加量と所定の信号の増加速度を、一の通信を介して前記他の電子制御装置から受信し、前記他の電子制御装置が前記増加量と前記増加速度の送信を開始する際に送信する通信開始情報を、他の通信を介して前記他の電子制御装置から受信し、前記通信開始情報を受信した場合に、時間の計測を開始し、前記増加量と前記増加速度の受信が完了する場合に、前記時間の計測を終了し、前記増加速度と計測した前記時間に基づいて、前記増加量を補正し、補正後の前記増加量に基づいて被制御部を制御することを特徴とする。
また本発明は通信に関する制御方法であって、所定の信号の増加量と所定の信号の増加速度を、一の通信を介して受信し、前記増加量と前記増加速度の送信を開始する際に送信する通信開始情報を、他の通信を介して受信し、前記通信開始情報を受信した場合に、時間の計測を開始し、前記増加量と前記増加速度の受信が完了する場合に、前記時間の計測を終了し、前記増加速度と計測した前記時間に基づいて、前記増加量を補正し、補正後の前記増加量に基づいて被制御部を制御することを特徴とする。
本発明によれば、電子制御装置間で通信を行う場合に通信遅れを検出することができるとともに、制御対象を制御するにあたって通信遅れの影響を軽減することができる。
添付図面を参照しながら本発明の最良の実施例を説明する。
図1に、本実施例の電子制御システム1Aの構成を示す。電子制御システム1Aは図示しない車両に搭載されており、EFI−ECU(Electronic fuel Injection_Electronic Control Unit)(請求項記載の他の電子制御装置に相当)11と、モータ駆動カム制御ECU(本発明の電子制御装置および請求項4記載の一の電子制御装置に相当)12Aとを有して構成されている。EFI−ECU11(以下、単にECU11と称す)はエンジンの燃料噴射制御を行うように構成されている。モータ駆動カム制御ECU12(以下、単にECU12と称す)Aはカム駆動用モータ3を制御対象として制御を行うように構成されている。カム駆動用モータ3は、エンジンが動弁機構に備えるカム(図示省略)についての駆動を行うためのモータである。
ECU11はマイコン111を、ECU12Aはマイコン121をそれぞれ有している。マイコン111はCPU112や図示しないROM、RAMのほか入出力インターフェイスであるI/O113を備えている。マイコン121はCPU122や図示しないROM、RAMのほかI/O123を備えている。I/O113、123はそれぞれインターフェイスAとインターフェイスBとを備えている。インターフェイスAはシリアル通信用のインターフェイスであり、本実施例では具体的にはポートとなっている。インターフェイスBは割り込み可能なインターフェイスである。インターフェイスBには、1bit単位の通信の立ち上がり、または立下り検知による割り込み可能なインターフェイスを適用することが好適であり、例えばパラレル通信用のインターフェイスをインターフェイスBに適用することができる。
具体的には1bit単位の通信開始信号(請求項記載の通信開始情報に相当)の立ち上がり検知による割り込みが可能なパラレル通信用のポートがインターフェイスBに適用されている。マイコン111、121がパラレル通信用のポートを備えている場合に、パラレル通信用のポートをインターフェイスBとすることで、コストの上昇を抑制することができる。なお、CPU122は、割り込みコントローラ(以下、割り込みCNTと略記する)124を介してI/O123から入力した割り込み信号を入力する。
I/O113、123のインターフェイスA(以下、ポートAと称す)同士はシリアル通信線4で接続され、インターフェイスB(以下、ポートBと称す)同士はパラレル通信線5で接続されている。
具体的には1bit単位の通信開始信号(請求項記載の通信開始情報に相当)の立ち上がり検知による割り込みが可能なパラレル通信用のポートがインターフェイスBに適用されている。マイコン111、121がパラレル通信用のポートを備えている場合に、パラレル通信用のポートをインターフェイスBとすることで、コストの上昇を抑制することができる。なお、CPU122は、割り込みコントローラ(以下、割り込みCNTと略記する)124を介してI/O123から入力した割り込み信号を入力する。
I/O113、123のインターフェイスA(以下、ポートAと称す)同士はシリアル通信線4で接続され、インターフェイスB(以下、ポートBと称す)同士はパラレル通信線5で接続されている。
I/O113には、エンジンに設けられたクランク角度センサ2が接続されており、クランク角度センサ2の出力はI/O113に入力される。一方、I/O123には制御対象としてカム駆動用モータ3が接続されている。
ここで、カム駆動用モータ3の制御を行うにあたり、ECU12Aはクランク角度(請求項記載の増加量に相当)との同期を図りながら制御を行う。このためECU12Aでは、クランク角度がカム駆動用モータ3の制御に利用される。またクランク角度との同期を図るにあたり、ECU12Aは通信遅れの影響を軽減すべく、現在のクランク角度を推定する。そして現在のクランク角度を推定するにあたっては、通信遅れの間に進んだクランク角度を推定する必要があることから、クランク角速度(請求項記載の増加速度に相当)を必要とする。
このため、ECU11はクランク角度センサ2の出力に基づき、クランク角度およびクランク角速度を算出するとともに、算出したクランク角度およびクランク角速度をシリアル通信でECU12Aに送信するように構成されている。具体的には、ECU11はI/O113のポートAから、ECU12AのI/O123のポートAにクランク角度およびクランク角速度を送信することによって、これらの情報をシリアル通信でECU12Aに送信する。
ここで、カム駆動用モータ3の制御を行うにあたり、ECU12Aはクランク角度(請求項記載の増加量に相当)との同期を図りながら制御を行う。このためECU12Aでは、クランク角度がカム駆動用モータ3の制御に利用される。またクランク角度との同期を図るにあたり、ECU12Aは通信遅れの影響を軽減すべく、現在のクランク角度を推定する。そして現在のクランク角度を推定するにあたっては、通信遅れの間に進んだクランク角度を推定する必要があることから、クランク角速度(請求項記載の増加速度に相当)を必要とする。
このため、ECU11はクランク角度センサ2の出力に基づき、クランク角度およびクランク角速度を算出するとともに、算出したクランク角度およびクランク角速度をシリアル通信でECU12Aに送信するように構成されている。具体的には、ECU11はI/O113のポートAから、ECU12AのI/O123のポートAにクランク角度およびクランク角速度を送信することによって、これらの情報をシリアル通信でECU12Aに送信する。
さらに本実施例では、ECU11がECU12Aに、シリアル通信でクランク角度を送信するとともに、パラレル通信で通信開始信号を送信するように構成されている。この通信開始信号は1bitの立ち上がり信号または立下り信号であることが好適であり、本実施例では1Bitの立ち上がり信号となっている。これにより送信タイミングと略同一のタイミングでECU12Aが通信開始信号を受信することができる。係る送信は、具体的にはROMに格納されたプログラムに基づきCPU112が処理を実行することで、マイコン111で機能的に実現される送信手段によって行われる。また、複数ビットをパラレル通信で送信する信号を通信開始信号としてもよい。複数ビットからなる通信開始信号をパラレル通信で送信することで、通信開始信号がノイズ等の外乱によるものであるか否かを判定することができる。
またECU12Aは、通信開始信号を受信したことに基づき、時間の計測を開始するとともに、クランク角度およびクランク角速度の受信が完了したことに基づき、この計測を終了するように構成されている。さらにECU12Aは、受信したクランク角度およびクランク角速度と、計測した時間とに基づき現在のクランク角度を推定するように構成されている。具体的には次の式(1)に基づく計算で現在のクランク角度を推定(補正クランク角度を算出)する。
クランク角度+(クランク角速度×通信遅れ時間)=補正クランク角度・・・(1)
すなわち、このようにして計測した時間を用いてクランク角度を補正する。係る計測および補正は、具体的にはROMに格納されたプログラムに基づきCPU122が処理を実行することで、マイコン121で機能的に実現される計測手段および補正手段によって行われる。
クランク角度+(クランク角速度×通信遅れ時間)=補正クランク角度・・・(1)
すなわち、このようにして計測した時間を用いてクランク角度を補正する。係る計測および補正は、具体的にはROMに格納されたプログラムに基づきCPU122が処理を実行することで、マイコン121で機能的に実現される計測手段および補正手段によって行われる。
次に電子制御システム1Aの動作を図2に示すタイミングチャートを用いて詳述する。ECU11は、クランク角度センサ2の出力(センサ入力)に基づき、クランク角度を算出する(ステップS11)。続いてECU11は通信開始信号をパラレル通信でECU12Aに送信する(ステップS12)。具体的にはポートBのポート出力をLoからHiに切り替えることで、通信開始信号がECU11からECU12に送信される。続いてECU11はクランク角度の変化量からクランク角速度を算出する(ステップS13)。さらにECU11は算出したクランク角度およびクランク角速度をECU12Aにシリアル通信で送信する(ステップS14)。その後、ECU11はポートBのポート出力をHiからLoに切り替えることで、パラレル通信による通信開始信号の出力を停止する(ステップS15)。そしてステップS15に示す処理の実行後、ECU11の現在のルーチンは終了し、ステップS11に戻る。
なお、クランク角度を送信するとともに、通信開始信号を送信するにあたって、送信の順序は通信開始信号のほうがクランク角度よりも先であることが好ましく、また通信開始信号はクランク角度を算出した直後に送信することが好ましい。これにより、クランク角度を算出した時点を起点とするようにして通信遅れを検出でき、以ってクランク角度を送信するまでの間に行われるECU11の内部処理(例えばステップS13に示す処理)に基づく遅れを含む形で通信遅れを検出できる。
但しこれに限られず、例えばクランク角度を送信する直前に通信開始信号を送信することなども可能である。この場合にはクランク角度の送信タイミングと略同一のタイミングでECU12Aが通信開始信号を受信することができ、これによりシリアル通信による通信遅れを検出することができる。
但しこれに限られず、例えばクランク角度を送信する直前に通信開始信号を送信することなども可能である。この場合にはクランク角度の送信タイミングと略同一のタイミングでECU12Aが通信開始信号を受信することができ、これによりシリアル通信による通信遅れを検出することができる。
一方、ECU12Aは、ECU11から通信開始信号を受信する(ステップT11)。通信開始を示すHi信号をポートBから入力して、ECU12Aは通信の開始を割り込み検知する。ECU12Aは通信開始信号の入力により通信開始時刻を記憶する(ステップT12)。これにより時間の計測が開始される。続いてECU12Aは、クランク角度およびクランク角速度をシリアル通信で受信する(ステップT13)。このときECU12Aは、クランク角度およびクランク角速度の受信完了時に現在時刻を把握することで、時間の計測を終了する。
続いてECU12Aは、現在時刻と、通信開始時刻と、受信したクランク角度およびクランク角速度とに基づき、前述の式(1)に示すようにして現在のクランク角度を推定する(ステップT14)。また本ステップで現在のクランク角度を推定するにあたって、ECU12Aは計測した時間として現在時刻と通信開始時刻との時間差ΔTを算出する。これにより、通信遅れを時間差ΔTとして検出することができ、またこのようにして現在のクランク角度を推定することにより、カム駆動用モータ3を制御するにあたって、通信遅れの影響を軽減することができる。なお、ステップT14に示す処理の実行後、ECU12Aの現在のルーチンは終了し、ステップT11に戻る。またECU12Aは推定した現在のクランク角度に基づいてカム駆動用モータ3を制御する。本実施例ではこのようにしてECU12Aで通信に関する制御方法が実現されている。
図3は、クランク角度および通信開始信号についてのECU11、12A間の通信を時系列で模式的に示す図である。ある時刻T1でECU11はクランク角度を算出する。続いて時刻T2でECU11は通信開始信号をパラレル通信でECU12Aに送信する。ECU12Aはこの通信開始信号を略同一のタイミング(時刻T2)に受信する。続いてECU11はクランク角度をシリアル通信でECU12Aに送信する。ECU12Aはクランク角度を時刻T4に受信完了する。なお、ECU12Aにおいて、時刻T2で時間の計測が開始され、時刻T4で時間の計測が終了する。
時刻T4の時点で、時刻T1で算出したクランク角度は、時間の経過に伴いすでに現在のクランク角度として不適切なものになっている。このためECU12Aは時刻T5に時間差ΔTを算出するとともに、現在のクランク角度を推定する。これによりECU12Aは、カム駆動用モータ3を制御するにあたって、時刻T6で真の現在のクランク角度により近い値である現在のクランク角度の推定値を参照できるので、通信遅れの影響を軽減することができる。
このように電子制御システム1Aは、ECU11、12A間で通信を行う場合に通信遅れを検出することができ、これによりECU12Aの制御対象であるカム駆動用モータ3を制御するにあたって、通信遅れの影響を軽減することができる。
このように電子制御システム1Aは、ECU11、12A間で通信を行う場合に通信遅れを検出することができ、これによりECU12Aの制御対象であるカム駆動用モータ3を制御するにあたって、通信遅れの影響を軽減することができる。
本実施例に係る電子制御システム1Bは、ECU12Aの代わりにECU12Bを備えている点以外、電子制御システム1Aと実質的に同一のものとなっている。このため本実施例では電子制御システム1Bの構成については図示省略する。
ECU間の通信で生じる通信遅れは偶然的遅れと系統的遅れの二種類に大別することができる。そして偶然的遅れとは、ノイズ等により偶然的に発生した遅れをいうものとする。また系統的遅れとは、ハードウェアやソウトウェアに存在する要因に起因して必ず発生する処理時間などにより、常に発生する遅れをいうものとする。系統的遅れは通信に際して毎回同様に発生すると考えられる。
本実施例のECU12Bは、通信の開始からデータの取得を完了するまでの時間差ΔTに基づき、通信が安定しているか否かを判定するように構成されている。また時間差ΔTに基づき、通信が安定しているか否かを判定するにあたって、ECU12Bは算出した時間差ΔTを記憶するように構成されており、さらに時間差ΔTを記憶するにあたっては、最新の所定通信回数(ここでは5回)分の時間差ΔTを記憶するように構成されている。この判定および記憶は、具体的にはマイコン121で機能的に実現される判定手段および記憶手段によってそれぞれ実現される。
またECU12Bは、通信が安定している場合には、通信開始信号を複数回(ここでは3回)に1回の通信毎に受信するように構成されている。この受信は、マイコン121で機能的に実現される受信手段によって実現される。そして、通信開始信号を受信しない場合、ECU12Bは現在のクランク角度を推定するにあたり(すなわちクランク角度を補正するにあたり)、算出する時間差ΔTの代わりに記憶された複数の時間差ΔTの平均値を学習値として用いるように構成されている。この時間差ΔTの代替は、具体的にはマイコン121で機能的に実現される学習代替手段によって実現される。
なお、通信が安定していない場合、ECU12Bは実施例1で前述したように通信開始信号を毎回受信する。また算出する時間差ΔTの代わりに用いる学習値は例えば記憶された複数の時間差ΔTの中央値や平均値など、計測した時間差ΔTに基づく適宜のものであってもよい。
なお、通信が安定していない場合、ECU12Bは実施例1で前述したように通信開始信号を毎回受信する。また算出する時間差ΔTの代わりに用いる学習値は例えば記憶された複数の時間差ΔTの中央値や平均値など、計測した時間差ΔTに基づく適宜のものであってもよい。
次にECU12Bの動作を図4に示すフローチャートを用いて詳述する。
ECU12Bは通信開始信号を受信すると(ステップS21)、通信状態が安定した状態にあるか否かを判定する(ステップS22)。ここで、通信が安定しているか否かの判定は後述するステップS32、S33で判定され、本ステップでは前回のルーチンの判定結果が使用される。なお、初回のルーチンでは否定判定されるようになっている。
ECU12Bは通信開始信号を受信すると(ステップS21)、通信状態が安定した状態にあるか否かを判定する(ステップS22)。ここで、通信が安定しているか否かの判定は後述するステップS32、S33で判定され、本ステップでは前回のルーチンの判定結果が使用される。なお、初回のルーチンでは否定判定されるようになっている。
ステップS22で否定判定であれば、ECU12Bは通信開始信号を受信する(ステップS24)。通信開始を示すHi信号をポートBの入力ポートから入力して、ECU12Bは通信の開始を割り込み検知する。ECU12Bは通信開始信号の入力により通信開始時刻を記憶する(ステップS25)。これにより時間の計測が開始される。
一方、ステップS22で肯定判定であれば、ECU12Bは通信開始信号を所定回数(ここでは3回)に1回の通信毎に受信する(ステップS23)。このとき通信開始信号を受信しない場合には、現在のクランク角度を推定するにあたって、時間差ΔTを算出する代わりに、記憶された時間差ΔTの平均値を用いるようにする。これにより毎回時間差ΔTを算出する場合と比較して、CPU122の処理負荷を低減することができるとともに、時間差ΔTを算出せずとも、現在のクランク角度を推定できる。
一方、ステップS22で肯定判定であれば、ECU12Bは通信開始信号を所定回数(ここでは3回)に1回の通信毎に受信する(ステップS23)。このとき通信開始信号を受信しない場合には、現在のクランク角度を推定するにあたって、時間差ΔTを算出する代わりに、記憶された時間差ΔTの平均値を用いるようにする。これにより毎回時間差ΔTを算出する場合と比較して、CPU122の処理負荷を低減することができるとともに、時間差ΔTを算出せずとも、現在のクランク角度を推定できる。
続いてECU12Bは、クランク角度およびクランク角速度をシリアル通信で受信する(ステップS26)。ECU12Bは、現在時刻と、通信開始時刻と、受信したクランク角度およびクランク角速度とに基づき、前述の式(1)に示すようにして現在のクランク角度を推定する(ステップS27)。
次に、ECU12Bは時間差ΔTを記憶する(ステップS28)。本実施例では、最新の通信回数5回分の時間差ΔTが記憶される。これにより時間差ΔTの平均値の算出や、通信が安定しているか否かの判定が可能になる。続いてECU12Bは最新の時間差ΔTが所定値(ここでは100ms)未満であるか否かを判定する(ステップS29)。否定判定であれば、通信が正常な場合に時間差ΔTがとり得る値を超えていると判断される。このときECU12Bは、通信遅れ異常と判定するとともに(ステップS30)、通信が不安定であると判定する(ステップS32)。
一方、ステップS29で肯定判定であれば、通信が正常であると判断される。このときECU12Bは、通信が安定しているか否かを判定するために、次の式(2)および式(3)によって算出される値Xが、所定値(ここでは5)未満であるか否かを判定する(ステップS31)。
ΔTav=(ΔT1+ΔT2+ΔT3+ΔT4+ΔT5)/5・・・(2)
X=(ΔTav−ΔT1)2+(ΔTav−ΔT2)2+(ΔTav−ΔT3)2+(ΔTav−ΔT4)2+(ΔTav−ΔT5)2・・・(3)
ここでΔT1、ΔT2、ΔT3、ΔT4およびΔT5は記憶された最新の通信回数5回分の時間差ΔT、ΔTavは記憶された最新の通信回数5回分の時間差ΔTの平均値である。
ΔTav=(ΔT1+ΔT2+ΔT3+ΔT4+ΔT5)/5・・・(2)
X=(ΔTav−ΔT1)2+(ΔTav−ΔT2)2+(ΔTav−ΔT3)2+(ΔTav−ΔT4)2+(ΔTav−ΔT5)2・・・(3)
ここでΔT1、ΔT2、ΔT3、ΔT4およびΔT5は記憶された最新の通信回数5回分の時間差ΔT、ΔTavは記憶された最新の通信回数5回分の時間差ΔTの平均値である。
すなわちステップS31では、記憶された時間差ΔTの平均値ΔTavを算出するとともに、算出した平均値ΔTavから記憶された時間差ΔT1からΔT5までそれぞれを減算した上で二乗し、これらの総和を値Xとして、この値Xが所定値未満であるか否かを判定することによって、通信が安定しているか否かを判定する。このように記憶された時間差ΔTに基づいて通信が安定しているか否かを判定することで、通信遅れのばらつき具合によって通信が安定しているか否かを判定することができる。
また、ステップS31で肯定判定であれば、ECU12Bは通信が安定していると判定する(ステップS33)。一方、ステップS31で否定判定であれば、ECU12Bは通信が不安定であると判定する(ステップS32)。なお、ステップS32またはS33に示す処理の実行後、ECU12Bの現在のルーチンが終了し、ステップS21に戻る。そしてこれらの判定結果に基づき、次のルーチンで前述したようにステップS22で判定が行われ、このとき通信が安定している場合には、ステップS23に進み、この結果、CPU122の処理負荷が低減される。
このように電子制御システム1Bは、ECU11、12B間で通信を行う場合に通信遅れを検出することができ、これによりECU12Bの制御対象であるカム駆動用モータ3を制御するにあたって、通信遅れの影響を軽減することができる。また電子制御システム1Bは、通信遅れのばらつき具合によって通信が安定しているか否かを判定することができる。さらに電子制御システム1Bは、通信が安定している場合には、通信開始信号を受信して時間差ΔTを算出せずとも、学習値によって現在のクランク角度を推定でき、これにより通信開始信号を受信して時間差ΔTを毎回算出する場合と比較して、CPU122の処理負荷を低減することができる。
上述した実施例は本発明の好適な実施例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。例えば上述した実施例ではエンジンの運転状態が定常状態である場合について説明したが、エンジンの運転状態が非定常状態である場合には、クランク角度およびクランク角速度に加えてさらに例えばクランク角加速度が送受信されてもよい。
1 電子制御システム 2 クランク角度センサ
3 カム駆動用モータ 4 シリアル通信線
5 パラレル通信線 11 EFI−ECU
111 マイコン 112 CPU
113 I/O 114 バス
12 モータ駆動カム制御ECU 121 マイコン
122 CPU 123 I/O
124 割り込みコントローラ 125 バス
3 カム駆動用モータ 4 シリアル通信線
5 パラレル通信線 11 EFI−ECU
111 マイコン 112 CPU
113 I/O 114 バス
12 モータ駆動カム制御ECU 121 マイコン
122 CPU 123 I/O
124 割り込みコントローラ 125 バス
Claims (5)
- 他の電子制御装置と通信を行う電子制御装置であって、
前記他の電子制御装置において生じる、所定の信号の増加量と所定の信号の増加速度を、一の通信を介して前記他の電子制御装置から受信し、
前記他の電子制御装置が前記増加量と前記増加速度の送信を開始する際に送信する通信開始情報を、他の通信を介して前記他の電子制御装置から受信し、
前記通信開始情報を受信した場合に、時間の計測を開始し、前記増加量と前記増加速度の受信が完了する場合に、前記時間の計測を終了し、
前記増加速度と計測した前記時間に基づいて、前記増加量を補正し、
補正後の前記増加量に基づいて被制御部を制御することを特徴とする電子制御装置。 - 計測した前記時間に基づき、通信が安定しているか否かを判定するとともに、通信が安定していると判定した場合に、前記通信開始情報を複数回に1回の通信毎に受信することを特徴とする請求項1記載の電子制御装置。
- 前記他の情報を受信しない場合に、前記増加量を補正するにあたり、計測した前記時間の代わりに計測した前記時間に基づく学習値を用いることを特徴とする請求項1記載の電子制御装置。
- 一の電子制御装置と、該一の電子制御装置と通信を行う他の電子制御装置とを有して構成される電子制御システムであって、
前記一の電子制御装置が、
前記他の電子制御装置において生じる、所定の信号の増加量と所定の信号の増加速度を、一の通信を介して前記他の電子制御装置から受信し、
前記他の電子制御装置が前記増加量と前記増加速度の送信を開始する際に送信する通信開始情報を、他の通信を介して前記他の電子制御装置から受信し、
前記通信開始情報を受信した場合に、時間の計測を開始し、前記増加量と前記増加速度の受信が完了する場合に、前記時間の計測を終了し、
前記増加速度と計測した前記時間に基づいて、前記増加量を補正し、
補正後の前記増加量に基づいて被制御部を制御することを特徴とする電子制御システム。 - 通信に関する制御方法であって、
所定の信号の増加量と所定の信号の増加速度を、一の通信を介して受信し、
前記増加量と前記増加速度の送信を開始する際に送信する通信開始情報を、他の通信を介して受信し、
前記通信開始情報を受信した場合に、時間の計測を開始し、前記増加量と前記増加速度の受信が完了する場合に、前記時間の計測を終了し、
前記増加速度と計測した前記時間に基づいて、前記増加量を補正し、
補正後の前記増加量に基づいて被制御部を制御することを特徴とする通信に関する制御方法。
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JP2008144612A JP2009292168A (ja) | 2008-06-02 | 2008-06-02 | 電子制御装置、電子制御システムおよび通信に関する制御方法 |
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JP2014092047A (ja) * | 2012-11-01 | 2014-05-19 | Denso Corp | カウンター装置 |
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-
2008
- 2008-06-02 JP JP2008144612A patent/JP2009292168A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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