JP2015161001A - 電気めっき浴及び電気めっき方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】マンガン又はマンガン合金のめっき皮膜の形成において、導体に積層されたレジスト層の剥離が抑制され易く、導体とめっき皮膜と密着性の確保、及びめっき皮膜の金属光沢の確保が容易となる電気めっき浴及び電気めっき方法を提供する。【解決手段】電気めっき浴は、水溶性マンガン塩と、電気めっき浴の導電性を高める導電性塩とを含有する。電気めっき浴は、例えば、カリウムイオン及びナトリウムイオンの合計の含有量が5g/L以下の条件を満たす。電気めっき浴は、カルボキシル基を有する有機酸を更に含有する。有機酸は、カルボキシル基と水酸基との合計が三つ以上の有機酸である。電気めっき方法は、有機高分子を基材とするレジスト層が積層された積層部分を有する導体を陰極として電気めっき浴に通電する。これにより、導体の外面が露出した露出部分にマンガン又はマンガン合金のめっき皮膜を形成する。【選択図】なし

Description

本発明は、マンガン又はマンガン合金のめっき皮膜を形成するための電気めっき浴及びそれを用いた電気めっき方法に関する。
従来、導体にめっき皮膜を部分的に形成する方法が知られている。このめっき方法では、レジスト層を部分的に積層した導体に電気めっきが施される(特許文献1参照)。特許文献1は、ニッケル又はニッケル合金のめっき皮膜を形成する電気めっき浴において、導電性塩がナトリウムイオン及びカリウムイオンのいずれも実質的に含有しない構成を提案している。この電気めっき浴によれば、導体とレジスト層との密着性が確保され易くなる。
特開平10−212591号公報
ところで、マンガン又はマンガン合金のめっき皮膜を形成するための電気めっき浴の電流効率は、例えば、ニッケル又はニッケル合金のめっき皮膜を形成するための電気めっき浴の電流効率よりも低い。このため、レジスト層が積層された導体にめっき皮膜を形成する場合、レジスト層の近傍におけるpHの上昇により、レジスト層の剥離が生じ易い。このようにマンガン又はマンガン合金のめっき皮膜を形成するための電気めっき浴では、レジスト層の剥離に対して更なる対策が求められる。加えて、この対策の中でも、導体とめっき皮膜との密着性の確保、及びめっき皮膜の金属光沢の確保する対策が求められる。
本発明の一観点によれば、水溶性マンガン塩と、電気めっき浴の導電性を高める導電性塩とを含有し、マンガン又はマンガン合金のめっき皮膜の形成に用いられる電気めっき浴であって、前記電気めっき浴は、カリウムイオン及びナトリウムイオンの合計の含有量が5g/L以下の条件、又は、カリウムイオン及びナトリウムイオンを含有しない条件を満たし、更に、カルボキシル基を有する有機酸を含有し、前記有機酸は、カルボキシル基と水酸基との合計が三つ以上の有機酸である。
本発明の一観点によれば、上記電気めっき浴を用いる電気めっき方法であって、有機高分子を基材とするレジスト層が積層された積層部分を有する導体を陰極に用いて前記電気めっき浴に通電することにより、前記導体の外面が露出した露出部分にマンガン又はマンガン合金のめっき皮膜を形成する。
本発明の一観点によれば、マンガン又はマンガン合金のめっき皮膜の形成において、導体に積層されたレジスト層の剥離が抑制され易く、導体とめっき皮膜と密着性の確保、及びめっき皮膜の金属光沢の確保が容易となる。
以下、一実施形態を説明する。
本実施形態のマンガン又はマンガン合金のめっき皮膜の形成に用いられる電気めっき浴は、水溶性マンガン塩と、電気めっき浴の導電性を高める導電性塩とを含有し、更に有機酸を含有する。電気めっきの対象物(被めっき物)は、レジスト層が積層された導体である。
<水溶性マンガン塩>
水溶性マンガン塩としては、例えば、硫酸マンガン、塩化マンガン、臭化マンガン、及びスルファミン酸マンガンが挙げられる。マンガン合金のめっき皮膜を形成する場合、水溶性マンガン塩と、マンガンと合金化し得る金属の水溶性塩とを用いる。マンガンと合金化し得る金属としては、例えば、ニッケル、及び鉄が挙げられる。マンガンと合金化し得る金属の水溶性塩としては、例えば、硫酸塩、塩化物塩、臭化物塩、スルファミン酸塩、及びメタンスルホン酸塩が挙げられる。
電気めっき浴中における水溶性マンガン塩の含有量は、マンガンイオン換算において、好ましくは10〜100g/Lであり、より好ましくは30〜70g/Lである。水溶性マンガン塩の含有量が10g/L以上の場合、陰極電流密度を高く設定することが可能であるため、実用性の観点で有利である。水溶性マンガン塩の含有量が100g/L以下の場合、より均一なめっき皮膜が得られ易くなる。
<導電性塩>
導電性塩は、水溶性を有する塩である。導電性塩を構成するカチオンは、ナトリウムイオン及びカリウムイオン以外のカチオンであることが好ましい。導電性塩を構成する好ましいカチオンとしては、例えば、アンモニウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン、カルシウムイオン、及びバリウムイオンが挙げられる。導電性塩を構成するアニオンとしては、例えば、硫酸イオン、塩酸イオン、臭化水素酸イオン、スルファミン酸イオン、及びメタンスルホン酸イオンが挙げられる。
電気めっき浴中における導電性塩の含有量は、好ましくは50〜800g/Lの範囲であり、より好ましくは80〜500g/Lの範囲である。導電性塩の含有量が50g/L以上の場合、めっき皮膜の均一電着性が高まり易くなる。導電性塩の含有量が800g/L以下の場合、電気めっき浴の導電性を高める効果と経済性とのバランスの観点で有利である。
<カチオンの条件>
電気めっき浴は、次の条件(a)又は条件(b)を満たす。条件(a)は、カリウムイオン及びナトリウムイオンの合計の含有量が5g/L以下の条件である。条件(a)を満たす電気めっき浴には、カリウムイオン及びナトリウムイオンの少なくとも一方が含有されているため、条件(a)を満たす電気めっき浴中における、カリウムイオン及びナトリウムイオンの合計の含有量は、0g/Lを超える。条件(a)におけるカリウムイオン及びナトリウムイオンの合計の含有量は、3g/L以下であることが好ましく、1g/L以下であることがより好ましい。
条件(b)は、電気めっき浴中にカリウムイオン及びナトリウムイオンを含有しない条件である。
<有機酸>
有機酸は、カルボキシル基を有する。有機酸は、カルボキシル基と水酸基との合計が三つ以上の有機酸である。有機酸は、水酸基を有しないものであってもよい。有機酸は、六つ以下のカルボキシル基を有する有機酸であることが好ましい。好ましい有機酸としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸(カルボキシル基数:4、水酸基数:0)、1,2−ジアミノシクロヘキサン四酢酸(カルボキシル基数:4、水酸基数:0)、シクロヘキサンジアミン四酢酸(カルボキシル基数:4、水酸基数:0)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(カルボキシル基数:3、水酸基数:1)、ジエチレントリアミン五酢酸(カルボキシル基数:5、水酸基数:0)、トリエチレントリアミン六酢酸(カルボキシル基数:6、水酸基数:0)、グルコン酸(カルボキシル基数:1、水酸基数:5)、クエン酸(カルボキシル基数:3、水酸基数:1)、及びリンゴ酸(カルボキシル基数:2、水酸基数:1)が挙げられる。
有機酸としては、窒素原子を有する有機酸が好適に用いられる。窒素原子を有する有機酸としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸、1,2−ジアミノシクロヘキサン四酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、及びトリエチレントリアミン六酢酸が挙げられる。
有機酸は、電気めっき浴のpHよりも高い値の酸解離定数pKaを有する有機酸を含むことが好ましい。有機酸が酸解離性基を複数有する場合、その有機酸は、複数の酸解離定数pKaを有している。この場合、複数の酸解離定数pKaのうち、少なくとも一つが電気めっき浴のpHよりも高い値の酸解離定数pKaであればよい。有機酸の酸解離定数pKaは、「化学便覧、基礎編II、日本化学会編、改訂3版」に記載される水溶液(温度20℃又は25℃)中の酸解離定数pKaをいう。但し、化学便覧に記載のない有機酸の酸解離定数pKaについては、「Bjerrum, J., et al. Stability Constants, Chemical Society, London, 1958.」に記載の酸解離定数pKaをいう。
電気めっき浴中における有機酸の含有量は、好ましくは1g/L以上、100g/L以下の範囲であり、より好ましくは5g/L以上、50g/L以下の範囲である。
有機酸の含有量が1g/L以上の場合、導体の表面近傍のpHが安定化され易くなる。有機酸の含有量が100g/L以下の場合、レジスト層が有機酸で膨潤されることを抑制することができる。
<電気めっき浴のpH>
電気めっき浴のpHは、7未満であることが好ましく、より好ましくは1以上、5以下の範囲である。電気めっき浴のpHが7未満の場合、レジスト層の剥離が更に抑制され易くなる。電気めっき浴のpHは、25℃におけるpHをいう。
上述した電気めっき浴のpHよりも高い値の酸解離定数pKaを有する有機酸を用いる場合、電気めっき浴のpHと、有機酸の酸解離定数pKaとの差は、0.3以上であることが好ましく、0.5以上であることがより好ましい。また、電気めっき浴のpHと、有機酸の酸解離定数pKaとの差は、2.0以下であることが好ましい。なお、有機酸が酸解離定数pKaを複数有する場合、電気めっき浴のpHと、有機酸の有する酸解離定数pKaとの差は、電気めっき浴のpHとそのpHに最も近い酸解離定数pKaとの差をいう。
電気めっき浴のpH調整には、必要に応じてpH調整剤が用いられる。pH調整剤としては、例えば、希硫酸、及びアンモニア水が挙げられる。
<電気めっき浴の温度及び電流密度>
電気めっき浴の温度は、20〜60℃の範囲であることが好ましい。電気めっき浴の電流密度は、1〜10A/dmの範囲であることが好ましい。電気めっき浴の撹拌方法としては、例えば、カソードロッキング、空気を用いた撹拌、プロペラ撹拌等を用いた機械的撹拌、及びポンプを用いた撹拌が挙げられる。陽極(アノード)としては、例えば、マンガン板が用いられる。
<電気めっき方法>
本実施形態の電気めっき方法では、上述した電気めっき浴が用いられる。この電気めっき方法では、有機高分子を基材とするレジスト層が積層された積層部分を有する導体を陰極に用いて電気めっき浴に通電する。これにより、導体の外面が露出した露出部分にマンガン又はマンガン合金のめっき皮膜を形成する。
被めっき物(導体)としては、例えば、金属体、金属製の被覆層を有する不導体が挙げられる。不導体としては、樹脂体、セラミック体、及びガラス体が挙げられる。また、被めっき物として、プリント回路基板を用いることもできる。例えば、プリント回路基板のめっき皮膜(配線)形成にも用いることができる。めっき皮膜(配線)は、パターニングされていてもよいし、ベタパターンであってもよい。レジスト層の形成に用いられるレジスト材料には、例えば、有機高分子を構成する成分、及び有機高分子の硬化や溶解を促進する成分が含有される。レジスト材料は、例えば、溶剤型、熱硬化型、及び現像型(アルカリ現像型)が挙げられる。レジスト材料は、導体に塗布される液状レジストであってもよいし、導体に貼り合わされるドライフィルムレジストであってもよい。また、レジスト材料として、例えば、めっき用のマスキングテープ等のめっき用マスキング材が挙げられる。
導体には、必要に応じて、上記電気めっき浴を用いためっきの前処理が施される。導体の前処理としては、例えば、洗浄処理、及び脱脂処理が挙げられる。また、導体には、導体と上記めっき皮膜との密着性をより高めるという観点から、ストライクめっきが施されることが好ましい。ストライクめっきとしては、例えば、ニッケルストライクめっきが挙げられる。
露出部分にめっき皮膜が形成された導体は、必要に応じて、洗浄処理が施される。導体に積層されているレジスト層は、除去されてもよい。
以上説明した本実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)電気めっき浴中のカリウムイオン及びナトリウムイオンは、レジスト層に浸透することで、導体からレジスト層を剥離させる要因になると考えられる。この点、本実施形態の電気めっき浴では、カリウムイオン及びナトリウムイオンが極力削減されているため、レジスト層の剥離が抑制される。本実施形態の電気めっき浴は、カルボキシル基を有する有機酸を更に含有する。有機酸は、カルボキシル基と水酸基との合計が三つ以上の有機酸である。この構成によれば、マンガン又はマンガン合金のめっき皮膜の形成において、導体に積層されたレジスト層の剥離が抑制され易く、導体とめっき皮膜と密着性の確保、及びめっき皮膜の金属光沢の確保が容易となる。なお、本実施形態の電気めっき浴に含有される有機酸は、マンガンとの錯体の形成に寄与していると考えられる。こうした錯体の形成は、めっき皮膜の剥離抑制、及び金属光沢の観点で有利に働くと推測される。
(2)有機酸は、窒素原子を含むことが好ましい。この場合、マンガン又はマンガン合金のめっき皮膜における金属光沢が更に得られ易くなる。
(3)有機酸の含有量は、1g/L以上、100g/L以下であることが好ましい。有機酸の含有量が1g/L以上の場合、導体の表面近傍のpHが安定化され易くなる。有機酸の含有量が100g/L以下の場合、レジスト層が有機酸で膨潤されることを抑制することができる。このため、レジスト層の剥離が更に抑制され易くなる。
(4)有機酸は、電気めっき浴のpHよりも高い値の酸解離定数pKaを有する有機酸を含むことが好ましい。この場合、有機酸の緩衝能が発揮され易くなり、レジスト層の剥離抑制の観点から更に有利となる。
(5)電気めっき浴のpHは、7未満であることが好ましい。電気めっき浴のpHが7未満の場合、レジスト層の剥離が更に抑制され易くなる。
(6)上記の電気めっき浴を用いる電気めっき方法では、有機高分子を基材とするレジスト層が積層された積層部分を有する導体を陰極として電気めっき浴に通電する。この電気めっき方法では、導体の外面が露出した露出部分にマンガン又はマンガン合金のめっき皮膜を形成する。この方法によれば、マンガン又はマンガン合金のめっき皮膜の形成において、導体に積層されたレジスト層の剥離が抑制され易く、導体とめっき皮膜と密着性の確保、及びめっき皮膜の金属光沢の確保が容易となる。
(7)本実施形態の電気めっき浴及び電気めっき方法によれば、マンガン又はマンガン合金のめっき皮膜のパターンについてデザインの自由度を増すことが可能となる。すなわち、様々なパターンのマンガン又はマンガン合金のめっき皮膜を得ることが可能である。また、マンガン又はマンガン合金のめっき皮膜から各種マンガン化合物を生成させることで、各種マンガン化合物の皮膜を有する物品を得ることも可能である。
なお、本実施形態は、これを適宜変更した以下の態様にて実施することもできる。
・本実施形態の電気めっき浴には、上述した成分に加えて、例えば、応力緩和剤、及びpH緩衝剤が含有されてもよい。応力緩和剤としては、例えば、サッカリン、及びブチンジオールが挙げられる。pH緩衝剤としては、例えば、本実施形態の有機酸以外の有機酸、有機塩基及びホウ酸が挙げられる。なお、電気めっき浴中における応力緩和剤及びpH緩衝剤の合計の含有量は、10g/L以下であることが好ましい。
・本実施形態の有機酸を電気めっき浴に含有させる際には、有機酸塩を用いてもよい。有機酸塩を構成するカチオンとしては、カリウムイオン及びナトリウムイオン以外のカチオンが好ましく、例えば、アンモニウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン、カルシウムイオン、及びバリウムイオンから選ばれる少なくとも一種が好ましい。
・本実施形態の電気めっき浴を用いて形成されたマンガン又はマンガン合金のめっき皮膜に、更に他のめっき皮膜を積層させてもよい。
次に、実施例及び比較例を説明する。
(実施例1〜8)
表1に示される実施例1〜8の電気めっき浴を調製した。表1中のCyDTAは、1,2−ジアミノシクロヘキサン四酢酸を示し、EDTAは、エチレンジアミン四酢酸を示し、HEDTAは、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸を示す。表1中の「官能基数」欄には、有機酸について、カルボキシル基及び水酸基の合計数を示している。表1に示される水溶性マンガン塩(A)、導電性塩(B)及び有機酸(C)の各成分の配合量を示す数値の単位は「g/L」であり、電気めっき浴は、pH調整剤として硫酸又はアンモニア水を用いて「電気めっき浴のpH」欄に示されるpHに調整した。
電気めっきを施す導体としてステンレス板を準備した。このステンレス板上に、感光性ドライレジストフィルムを用いてレジスト層のパターン形成を行った。ステンレス板は、予め洗浄剤で濡れ性を高めた後、ニッケルストライクめっきを施している。パターンは、線幅/間隔(L/S)=8μm/8μm、10μm/10μm、及び12μm/12μmの細線パターンと、各辺の長さが8μmの正方形、10μmの正方形、及び12μmの正方形の開口パターンである。こうしたレジスト層が積層された導体に電気めっきを施すことにより、各実施例のめっき物品を得た。
電気めっき浴の温度は30℃であり、電流密度は5A/dmである。電気めっきは、めっき皮膜の厚みが約10μmとなるまで行った。
(比較例1〜5)
比較例1〜5では、表2に示すように電気めっき浴を変更した以外は、実施例1と同様にして、レジスト層が積層された導体に電気めっきを施すことにより、各比較例のめっき物品を得た。
<レジスト層の剥離抑制>
各例で得られためっき物品の有するレジスト層について、電子顕微鏡検査(×1000)によりレジスト層の密着性を確認し、以下の評価基準でレジスト層の剥離抑制効果を評価した。
導体とレジスト層が接合しているもの:優れる(◎)
レジスト層の形状に変化が確認されるが、導体とレジスト層が接合しているもの:良好(○)
レジスト層の剥離が確認され、パターンが形成できなかったもの:不良(×)
各例の結果を表1及び表2の「レジスト層の剥離抑制」欄に示す。
<めっき皮膜の剥離抑制>
各例で得られためっき物品について、JIS H8504(めっきの密着性試験方法)に規定されるテープ試験方法に準拠してめっき皮膜の密着性を確認し、以下の評価基準でめっき皮膜の剥離抑制効果を評価した。
めっき皮膜の密着不良と判定されなかったもの:良好(○)
目視でめっき皮膜の剥離が確認されたもの、又は、めっき皮膜の密着不良と判定されたもの:不良(×)
各例の結果を表1及び表2の「めっき皮膜の剥離抑制」欄に示す。
<金属光沢>
各例で得られためっき物品について、めっき皮膜を目視で観察し、以下の評価基準でめっき皮膜の金属光沢を評価した。
金属光沢を有するもの:優れる(◎)
金属光沢を有するが、ややくすんだ金属光沢であるもの:良好(○)
金属光沢が得られていないもの:不良(×)
各例の結果を表1及び表2の「金属光沢」欄に示す。
比較例1の電気めっき浴中には、5g/Lを超えるナトリウムイオンが含有されている。各実施例は、レジスト層の剥離抑制の観点で比較例1よりも有利である。
比較例2の電気めっき浴には、コハク酸が含有されている。各実施例は、めっき皮膜の剥離抑制及び金属光沢の観点で比較例2よりも有利である。
比較例3の電気めっき浴には、官能基数が2の乳酸が含有されている。比較例4の電気めっき浴には、官能基数が1の酢酸が含有されている。各実施例は、レジスト層の剥離抑制、めっき皮膜の剥離抑制、及び金属光沢のいずれの観点においても比較例3及び比較例4よりも有利である。
比較例5の電気めっき浴には、有機酸が含有されていない。各実施例は、レジスト層の剥離抑制の観点で比較例5よりも有利である。

Claims (6)

  1. 水溶性マンガン塩と、
    電気めっき浴の導電性を高める導電性塩とを含有し、
    マンガン又はマンガン合金のめっき皮膜の形成に用いられる電気めっき浴であって、
    前記電気めっき浴は、
    カリウムイオン及びナトリウムイオンの合計の含有量が5g/L以下の条件、又は、カリウムイオン及びナトリウムイオンを含有しない条件を満たし、
    更に、カルボキシル基を有する有機酸を含有し、
    前記有機酸は、カルボキシル基と水酸基との合計が三つ以上の有機酸であることを特徴とする電気めっき浴。
  2. 前記有機酸は、窒素原子を有する有機酸を含むことを特徴とする請求項1に記載の電気めっき浴。
  3. 前記有機酸の含有量は、1g/L以上、100g/L以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電気めっき浴。
  4. 前記有機酸は、前記電気めっき浴のpHよりも高い値の酸解離定数pKaを有する有機酸を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電気めっき浴。
  5. 前記電気めっき浴のpHが7未満であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電気めっき浴。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の電気めっき浴を用いる電気めっき方法であって、
    有機高分子を基材とするレジスト層が積層された積層部分を有する導体を陰極に用いて前記電気めっき浴に通電することにより、前記導体の外面が露出した露出部分にマンガン又はマンガン合金のめっき皮膜を形成することを特徴とする電気めっき方法。
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