JP2015160429A - 熱収縮性多層フィルム及び熱収縮性ラベル - Google Patents

熱収縮性多層フィルム及び熱収縮性ラベル Download PDF

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Abstract

【課題】熱収縮性の多層フィルムにおいて、熱収縮させた後に横シワ、ズレ上がり、波打ち等の収縮不良が発生しにくい熱収縮性多層フィルムを提供する。また、該熱収縮性多層フィルムを用いてなる熱収縮性ラベルを提供する。
【解決手段】ポリエステル系樹脂を含有する表裏層と、ポリスチレン系樹脂を含有する中間層とが、接着層を介して積層されてなる熱収縮性多層フィルムであって、前記中間層は、スチレン単独重合体10〜40重量%と芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体60〜90重量%とを含有し、90℃の貯蔵弾性率と70℃の貯蔵弾性率との比(E90/E70)が0.1〜0.95である熱収縮性多層フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱収縮させた後に横シワ、ズレ上がり、波打ち等の収縮不良が発生しにくい熱収縮性多層フィルムに関する。また、本発明は、該熱収縮性多層フィルムを用いてなる熱収縮性ラベルに関する。
近年、ペットボトル、金属罐等の容器の多くには、熱収縮性樹脂からなるベースフィルムに印刷等を施した熱収縮性ラベルが装着されている。
熱収縮性ラベルには、低温収縮性に優れることからポリスチレン系樹脂フィルムが多用されている。しかしながら、ポリスチレン系樹脂フィルムに、低温収縮性を付与した場合、自然収縮率が大きくなるという問題がある。そこで、ポリエステル系樹脂フィルムを用いる試みもなされているが、ポリエステル系樹脂フィルムは低温収縮性が悪く急激に収縮することから、容器に装着する際には皺が発生しやすい。
上述した問題を解決するために、例えば、ポリエステル系樹脂を含有する表裏層と、ポリスチレン系樹脂を含有する中間層とを有する多層フィルムが検討されており、例えば、特許文献1には、低温収縮性、剛性及び収縮仕上がり性に優れた熱収縮性多層フィルムが記載されている。
しかしながら、このような熱収縮性多層フィルムでは、熱収縮挙動がポリスチレン系樹脂フィルムやポリエステル系樹脂フィルムと異なるため、従来の熱収縮性ラベル、特にポリスチレン系樹脂フィルムを用いた熱収縮性ラベルを使用している装着ラインでの収縮仕上がり性に若干の不具合があった。
例えば、装着後に横方向にシワが入るという問題があった。また、熱収縮した後のラベルが、設定位置よりも上方に装着されるというズレ上がりの問題も生じていた。更に、ラベルの上端部又は下端部が周方向にまっすぐではなく、波打ったようになる波打ちという問題も生じていた。
特開2006−015745号公報
本発明は、熱収縮性の多層フィルムにおいて、熱収縮させた後に横シワ、ズレ上がり、波打ち等の収縮不良が発生しにくい熱収縮性多層フィルムを提供することを目的とする。また、本発明は、該熱収縮性多層フィルムを用いてなる熱収縮性ラベルを提供することを目的とする。
本発明は、ポリエステル系樹脂を含有する表裏層と、ポリスチレン系樹脂を含有する中間層とが、接着層を介して積層されてなる熱収縮性多層フィルムであって、前記中間層は、スチレン単独重合体10〜40重量%と芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体60〜90重量%とを含有し、90℃の貯蔵弾性率と70℃の貯蔵弾性率との比(E90/E70)が0.1〜0.95である熱収縮性多層フィルムである。
以下、本発明を詳述する。
本発明者らは、ポリエステル系樹脂を含有する表裏層と、ポリスチレン系樹脂を含有する中間層とを接着層を介して積層した熱収縮性多層フィルムにおいて、中間層を構成するポリスチレン系樹脂をスチレン単独重合体と芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体とを所定量含有する混合樹脂とし、かつ、熱収縮性多層フィルムの設定温度間の貯蔵弾性率の比率を所定の範囲に調整することで、熱収縮させた後に横シワ、ズレ上がり、波打ち等の収縮不良が発生しにくく、熱収縮性に優れる熱収縮性多層フィルムが得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の熱収縮性多層フィルムは、表裏層と中間層とを有する。
なお、本明細書中、表裏層とは、表面層と裏面層との両方を意味し、中間層とは、表面層と裏面層との間に挟まれた層のことを意味する。また、中間層はスチレン単独重合体と芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体を所定量含有する限り、1層である必要はなく、2層以上の構成とすることもできる。
上記表裏層は、ポリエステル系樹脂を含有する。
上記ポリエステル系樹脂としては、例えば、ジカルボン酸成分とジオール成分とを縮重合させることにより得られるものが挙げられる。特に上記ジカルボン酸成分として、ジカルボン酸成分100モル%のうち、テレフタル酸が55モル%以上である芳香族ポリエステル系樹脂が好ましい。さらに上記ジカルボン酸成分として、上記テレフタル酸以外に、o−フタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、オクチルコハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、デカメチレンカルボン酸、これらの無水物及び低級アルキルエステル等を含むことができる。
上記ジオール成分としては特に限定されず、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール(2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール)、1,2−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等の脂肪族ジオール類;2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環式ジオール類等が挙げられる。
上記ポリエステル系樹脂としては、なかでも、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸に由来する成分を含有し、かつ、ジオール成分としてエチレングリコール及び/又は1,4−シクロヘキサンジメタノールに由来する成分を含有するものが好ましい。このような芳香族ポリエステル系ランダム共重合樹脂を用いることにより、熱収縮性多層フィルムに優れた収縮性を付与することができる。
収縮性をより高めたい場合には、ジオール成分100モル%のうち、エチレングリコールに由来する成分の含有量が60〜80モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノールに由来する成分の含有量が10〜40モル%であるものを用いることが好ましい。
このような芳香族ポリエステル系ランダム共重合樹脂は、更に、ジエチレングリコールに由来する成分を0〜30モル%、好ましくは1〜25モル%、より好ましくは2〜20モル%含有していてもよい。ジエチレングリコールを用いることにより、熱収縮性多層フィルムの主収縮方向の引張破断伸度が高まり、ミシン目を裂いたときに層間剥離が生じて内面側の表裏層のみが容器に残ってしまうことを防止することができる。ジエチレングリコールに由来する成分が30モル%を超えると、熱収縮性多層フィルムの低温収縮性が高くなり過ぎ、容器に装着するときにシワが入りやすくなる。
また、上記ジカルボン酸成分としてテレフタル酸に由来する成分を含有するポリエステル系樹脂は、ジオール成分として1,4−ブタンジオールに由来する成分を含有するものを用いることもできる。このようなポリエステル系樹脂は、一般に、ポリブチレンテレフタレート系樹脂と呼ばれる。
上記ポリブチレンテレフタレート系樹脂は、上記ジカルボン酸成分としてテレフタル酸に由来する成分を含有し、かつ、ジオール成分としてエチレングリコール及び1,4−シクロヘキサンジメタノールに由来する成分を含有する芳香族ポリエステル系ランダム共重合樹脂と、併用されることが好ましい。このような混合樹脂を用いることでより優れた仕上り性を付与することができる。
上記ポリブチレンテレフタレート系樹脂としては、テレフタル酸に由来する成分と1,4−ブタンジオールに由来する成分のみからなるポリブチレンテレフタレート系樹脂のほか、テレフタル酸に由来する成分以外のジカルボン酸成分及び/又は1,4−ブタンジオールに由来する成分以外のジオール成分を含有するポリブチレンテレフタレート系樹脂であってもよい。
なお、上記テレフタル酸に由来する成分以外のジカルボン酸成分の含有量は、ジカルボン酸成分100モル%のうち、10モル%以下であることが好ましい。10モル%を超えると、上記ポリブチレンテレフタレート系樹脂の耐熱性が低下し、経済的にも不利となることがある。また、上記1,4−ブタンジオールに由来する成分以外のジオール成分の含有量は、ジオール成分100モル%のうち、10モル%以下であることが好ましい。10モル%を超えると、上記ポリブチレンテレフタレート系樹脂の耐熱性が低下し、経済的にも不利となることがある。
上記ポリブチレンテレフタレート系樹脂の添加量として特に限定されないが、30重量%以下であることが望ましい。30重量%を超えると自然収縮率が大きくなったり、フィルムの剛性が低下したりする場合がある。
上記表裏層を構成するポリエステル系樹脂のガラス転移温度の好ましい下限は55℃、好ましい上限は95℃である。上記ガラス転移温度が55℃未満であると、熱収縮性多層フィルムの収縮開始温度が低くなりすぎたり、自然収縮率が大きくなったりすることがある。上記ガラス転移温度が95℃を超えると、熱収縮性多層フィルムの低温収縮性及び収縮仕上り性が低下したり、経時での低温収縮性の低下が大きくなったりすることがある。上記ガラス転移温度のより好ましい下限は60℃、より好ましい上限は90℃である。
なお、上記ガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC)で測定することができる。
上記表裏層を構成するポリエステル系樹脂の引張弾性率の好ましい下限は1000MPaを超え、好ましい上限は4000MPaである。上記引張弾性率が1000MPa以下であると熱収縮性フィルムの収縮開始温度が低くなりすぎたり、自然収縮率が大きくなったりすることがある。上記引張弾性率が4000MPaを超えると、熱収縮性多層フィルムの低温収縮性及び収縮仕上り性が低下したり、経時での低温収縮性の低下が大きくなったりすることがある。上記引張弾性率のより好ましい下限は1500MPa、より好ましい上限は3700MPaである。
なお、上記引張弾性率は、ASTM−D882(TestA)に準拠した方法で測定することができる。
上記表裏層を構成するポリエステル系樹脂の市販品としては、例えば、「Easter」、「EmbraceLv」(イーストマンケミカル社製)、「ベルペット」(ベルポリエステルプロダクツ社製)、「ノバデュラン」(三菱エンジニアリングプラスチックス社製)等が挙げられる。
上記表裏層に含まれるポリエステル系樹脂としては、上述した組成を有するポリエステル系樹脂を単独で用いてもよく、上述した組成を有する2種以上のポリエステル系樹脂を併用してもよい。また、上記ポリエステル系樹脂は、表面層と裏面層とで異なる組成を有するポリエステル系樹脂であってもよいが、フィルムのカール等によるトラブルを抑制するため、同一の組成を有するポリエステル系樹脂であることが好ましい。
上記表裏層は、必要に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、難燃剤、抗菌剤、蛍光増白剤、着色剤等の添加剤を含有してもよい。
上記中間層は、ポリスチレン系樹脂としてスチレン単独重合体と芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体を含有する。
本明細書中、スチレン単独重合体とは、スチレンモノマーのみからなる重合体をいう。
本発明の熱収縮性多層フィルムでは、中間層にスチレン単独重合体を含むことで、熱収縮後の横シワの発生を抑制することができる。
上記スチレン単独重合体としては、数平均分子量が50000〜250000のものが好ましい。なお、本明細書において、数平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定されたもののことをいう。
上記スチレン単独重合体としては、200℃でのMFR(melt flow rate)が1.0〜20.0g/10分のものが好ましい。なお、MFRは、ISO1133に準拠した方法で測定することができる。
また、上記スチレン単独重合体のビカット軟化温度は、90〜110℃であることが好ましい。なお、ビカット軟化温度は、JIS K 7206(1999)に準拠した方法で測定することができる。
上記スチレン単独重合体の数平均分子量、MFR、ビカット軟化温度がこれらの範囲であると、厚薄ムラが少なく、均一な収縮特性を有し、機械的強度にも優れた熱収縮性多層フィルムを得ることができる。
上記中間層において、上記スチレン単独重合体の含有量は下限が10重量%、上限が40重量%である。
上記スチレン単独重合体の含有量が10重量%未満であると熱収縮後の横シワが生じやすくなり、40重量%を超えると充分な収縮率が得られず収縮不良が生じやすくなる。上記中間層におけるスチレン単独重合体の含有量の好ましい下限は11重量%、好ましい上限は35重量%である。
上記スチレン単独重合体の市販品としては、例えば、PSJ−ポリスチレン「HF77」(PSジャパン社製)、トーヨースチロールGP「G200C」(東洋スチレン社製)、ディックスチレン「CR−3500」(DIC社製)等が挙げられる。
本明細書中、芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体とは、芳香族ビニル炭化水素に由来する成分と、共役ジエンに由来する成分とを含有する共重合体をいう。
上記芳香族ビニル炭化水素は特に限定されず、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。上記共役ジエンは特に限定されず、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体は、特に熱収縮性に優れることから、スチレン−ブタジエン共重合体(SBS樹脂)を含有することが好ましい。また、上記芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体は、よりフィッシュアイの少ない熱収縮性多層フィルムを作製するためには、上記共役ジエンとして2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)を用いたスチレン−イソプレン共重合体(SIS樹脂)、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体(SIBS)等を含有することが好ましい。
なお、上記芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体は、SBS樹脂、SIS樹脂及びSIBS樹脂のうちのいずれか1つを単独で含有してもよく、複数を組み合わせて含有してもよい。また、SBS樹脂、SIS樹脂及びSIBS樹脂のうちの複数を用いる場合には、各樹脂をドライブレンドしてもよく、各樹脂を特定の組成にて押出機を用いて練り上げペレタイズしたコンパウンド樹脂を用いてもよい。
上記芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体がSBS樹脂、SIS樹脂及びSIBS樹脂を単独又は複数で含有する場合には、特に熱収縮性に優れた熱収縮性多層フィルムが得られることから、上記芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体100重量%に占める芳香族ビニル炭化水素含有量が65〜90重量%、共役ジエン含有量が10〜35重量%であることが好ましい。このような芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体を用いることで、得られる熱収縮性多層フィルムの収縮性を良好なものとすることができる。
上記芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体の200℃でのMFR(melt flow rate)の好ましい下限は2g/10分、好ましい上限は15g/10分である。200℃でのMFRが2g/10分未満であると、フィルムの製膜が難しくなる。200℃でのMFRが15g/10分を超えると、フィルムの機械的強度が低くなり、実用に耐えられなくなる。200℃でのMFRのより好ましい下限は4g/10分、より好ましい上限は12g/10分である。なお、MFRは、ISO1133に準拠した方法で測定することができる。
上記芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体のビカット軟化温度の好ましい下限は60℃、好ましい上限は85℃である。上記ビカット軟化温度が60℃未満であると、熱収縮性多層フィルムの低温収縮性が高くなり過ぎ、容器に装着するときにシワが入りやすくなる。上記ビカット軟化温度が85℃を超えると、熱収縮性多層フィルムの低温収縮性が低下し、容器に装着するときに未収縮部分が発生しやすくなる。上記ビカット軟化温度のより好ましい下限は65℃、より好ましい上限は80℃である。なお、上記ビカット軟化温度は、JIS K 7206(1999)に準拠した方法で測定することができる。
上記中間層において、上記芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体の含有量の下限は60重量%、上限は90重量%である。
上記芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体の含有量が60重量%未満であると、充分な収縮率が得られず収縮不良が生じやすくなり、90重量%を超えると、熱収縮後の横シワが生じやすくなる。上記中間層における芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体の含有量の好ましい下限は65重量%、好ましい上限は89重量%である。
上記中間層を構成する芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体の市販品としては、例えば、「クリアレン」(電気化学工業社製)、「アサフレックス」(旭化成ケミカルズ社製)等が挙げられる。
上記中間層を構成する樹脂全体に対するスチレン成分含有比率(重量%)は、好ましい下限が68重量%、好ましい上限が94重量%、より好ましい下限が77重量%、より好ましい上限が85重量%である。
なお、上記中間層におけるスチレン成分含有比率(重量%)は、上記中間層中のスチレン単独重合体の含有量に100を乗じたものと、各芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体の含有量に各芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体中のスチレン成分の含有量を乗じたものとを足し合わせ、それを100で割って算出する。例えば、スチレン単独重合体と芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体(スチレン70重量%、共役ジエン30重量%)をそれぞれ40重量%、60重量%含む中間層の場合、中間層を構成する樹脂全体に対するスチレン成分の割合は、82重量%となる。
また、上記中間層を構成する樹脂全体に対する共役ジエン成分含有比率(重量%)は、好ましい下限が6重量%、好ましい上限が32重量%、より好ましい下限が15重量%、より好ましい上限が23重量%である。
なお、上記中間層における共役ジエン成分含有比率(重量%)は、上記中間層中の各芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体の含有量に各芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体中の共役ジエン成分の含有量を乗じたものとを足し合わせ、それを100で割って算出する。例えば、スチレン単独重合体と芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体(スチレン70重量%、共役ジエン30重量%)をそれぞれ40重量%、60重量%含む中間層の場合、中間層を構成する樹脂全体に対する共役ジエン成分の割合は、18重量%となる。
上記中間層はポリスチレン系樹脂として、スチレン単独重合体、芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体の他、例えば、芳香族ビニル炭化水素−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体、ゴム変性耐衝撃性ポリスチレン等を含有していてもよい。
上記中間層は、必要に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、難燃剤、抗菌剤、蛍光増白剤、着色剤等の添加剤を含有してもよい。
本発明の熱収縮性多層フィルムは、上記表裏層と上記中間層とが、接着層を介して積層されてなるものである。
このような接着層を用いることで、表裏層と中間層の間の層間剥離を効果的に抑制することができる。
上記接着層としては、ポリエステル系樹脂とポリスチレン系樹脂に対して接着性を示すものであればよく、特に限定されないが、ポリエステル系エラストマー、スチレン系エラストマー及び芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体からなる群より選択される少なくとも1種を含有するものが好ましい。
上記ポリエステル系エラストマーとは、ハードセグメントであるポリエステルと、ゴム弾性に富むソフトセグメントであるポリエーテル又はポリエステルとから構成されるものであり、具体的には例えば、ハードセグメントとしての芳香族ポリエステルと、ソフトセグメントとしての脂肪族ポリエーテルとからなるブロック共重合体、又はハードセグメントとしての芳香族ポリエステルと、ソフトセグメントとしての脂肪族ポリエステルとからなるブロック共重合体等が挙げられ、飽和ポリエステル系エラストマーであることが好ましく、特に、ソフトセグメントとしてポリアルキレンエーテルグリコールセグメントを含有する飽和ポリエステル系エラストマーであることが好ましい。
上記ポリアルキレンエーテルグリコールセグメントを含有する飽和ポリエステル系エラストマーとしては、例えば、ハードセグメントとしての芳香族ポリエステルと、ソフトセグメントとしてのポリアルキレンエーテルグリコールとからなるブロック共重合体が好ましい。
上記ポリエステル系エラストマーとして、芳香族ポリエステルとポリアルキレンエーテルグリコールとからなるブロック共重合体を用いる場合、ポリアルキレンエーテルグリコールからなるセグメントの割合は、好ましい下限が5重量%、好ましい上限が90重量%である。5重量%未満であると、中間層との接着性が低下し、90重量%を超えると、表裏層に対する接着性が低下する。好ましい下限は30重量%、好ましい上限は80重量%であり、更に好ましい下限は55重量%である。
上記ポリアルキレンエーテルグリコールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリ(プロピレンエーテル)グリコール、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンエーテル)グリコール等が挙げられる。
上記ポリアルキレンエーテルグリコールの数平均分子量の好ましい下限は400、好ましい上限は6000である。より好ましい下限は600、より好ましい上限は4000、更に好ましい下限は1000、更に好ましい上限は3000である。上記範囲内の数平均分子量を有するポリアルキレンエーテルグリコールを用いることにより、良好な層間強度を得ることができ好ましい。なお、本明細書において、数平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定されたもののことをいう。
上記ポリエステル系エラストマーを作製する方法としては特に限定されないが、例えば、(i)炭素数2〜12の脂肪族及び/又は脂環式ジオールと、(ii)芳香族ジカルボン酸及び/又は脂環式ジカルボン酸又はそれらのエステルと、(iii)数平均分子量が400〜6000のポリアルキレンエーテルグリコールとを原料とし、エステル化反応又はエステル交換反応によりオリゴマーを得た後、更に、オリゴマーを重縮合させることにより、作製することができる。
上記炭素数2〜12の脂肪族及び/又は脂環式ジオールとしては、例えば、ポリエステルの原料、特に、ポリエステル系熱可塑性エラストマーの原料として常用されているものが使用できる。具体的には例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。これらのなかでは、エチレングリコール、1,4−ブタンジオールが好ましく、1,4−ブタンジオールがより好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記芳香族ジカルボン酸及び/又は脂環式ジカルボン酸としては、例えば、ポリエステルの原料、特にポリエステル系熱可塑性エラストマーの原料として常用されているものが使用できる。具体的には例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。これらのなかでは、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましく、テレフタル酸がより好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ポリエステル系エラストマーのうち市販されているものとしては、例えば、商品名「プリマロイ」(三菱化学社製)、商品名「ペルプレン」(東洋紡績社製)、商品名「ハイトレル」(東レ・デュポン社製)等が挙げられる。
上記ポリステル系エラストマーの融点は、120〜200℃であることが好ましい。120℃未満であると耐熱性が低下し、熱収縮性ラベルとして容器に被覆させる際に溶剤シール部分から剥離が発生し易くなり、200℃を超えると充分な接着強度が得られない場合がある。より好ましい下限は130℃、より好ましい上限は190℃である。
なお、上記融点は示差走査熱量計(島津製作所社製、DSC−60)を用いて、昇温速度10℃/分の条件で測定することが出来る。
上記ポリエステル系エラストマーの融点はハードセグメントであるポリエステルと、ソフトセグメントであるポリエーテル又はポリエステルの共重合比率や構造に起因する。一般的にポリエステル系エラストマーの融点はソフトセグメントであるポリエーテル又はポリエステルの共重合量に依存しやすく、ポリエーテル又はポリエステルの共重合量が多いと融点が低く、少ないと融点が高くなる。
また、ポリエステル系エラストマーを構成するハードセグメントであるポリエステルの融点を共重合成分の変更により調整し、ポリエステル系エラストマー全体の融点を調整することが出来る。
また、ソフトセグメントであるポリエーテル又はポリエステルの分子量が小さくなると得られるポリエステル系エラストマーのブロック性が低下するため融点が低下しやすくなる。
上記ポリエステル系エラストマーのJIS−D硬度の好ましい下限は10、好ましい上限は80である。JIS−D硬度を10以上とすることで、上記接着層の機械的強度が向上する。JIS−D硬度を80以下とすることで、上記接着層の柔軟性及び耐衝撃性が向上する。JIS−D硬度のより好ましい下限は15、より好ましい上限は70、更に好ましい下限は20、更に好ましい上限は60である。
なお、上記JIS−D硬度は、JIS K 6253に準拠した方法でデュロメータ タイプDを用いることにより測定することができる。
上記ポリエステル系エラストマーの比重の好ましい下限は0.95、好ましい上限は1.20である。比重を0.95以上とすることで耐熱性を付与でき、熱収縮性ラベルとして容器に被覆させる際に溶剤シール部分からの剥離を抑制することができる。また、比重を1.20以下にすることで表裏層と中間層との接着強度を高めることができる。
上記比重のより好ましい下限は0.98、より好ましい上限は1.18である。
なお、上記比重はJIS K 7112(1999)に準拠した方法で水中置換法を用いて測定することが出来る。
上記接着層を構成するポリエステル系エラストマーの引張弾性率の好ましい下限は1MPa、好ましい上限は1000MPaである。上記引張弾性率が1MPa未満であると上記接着層の機械的強度が低下しやすくなる。上記引張弾性率が1000MPaを超えると、表裏層と中間層との接着強度が低下しやすくなる。上記引張弾性率のより好ましい下限は5MPa、より好ましい上限は900MPaである。なお、上記引張弾性率は、ASTM−882(TestA)に準拠した方法で測定することができる。
上記ポリエステル系エラストマーは、変性物であってもよい。変性物としては、上記ポリエステル系エラストマーに、例えば、α、β−エチレン性不飽和カルボン酸をグラフトして変性したポリエステル系エラストマーを例示できる。
上記α,β−エチレン性不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸等の不飽和カルボン酸;コハク酸2−オクテン−1−イル無水物、コハク酸2−ドデセン−1−イル無水物、コハク酸2−オクタデセン−1−イル無水物、マレイン酸無水物、2,3−ジメチルマレイン酸無水物、ブロモマレイン酸無水物、ジクロロマレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、1−ブテン−3,4−ジカルボン酸無水物、1−シクロペンテン−1,2−ジカルボン酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、exo−3,6−エポキシ−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、endo−ビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸無水物等の不飽和カルボン酸無水物が挙げられる。これらのなかでは、反応性が高いことから、酸無水物が好ましい。
上記スチレン系エラストマーは特に限定されず、例えば、ハードセグメントとしてのポリスチレンと、ソフトセグメントとしてのポリブタジエン、ポリイソプレン又はポリブタジエンとポリイソプレンとの共重合体とからなるスチレン系エラストマー、及び、その水素添加物等が挙げられる。なお、上記水素添加物は、ポリブタジエン、ポリイソプレン等の一部が水素添加されていてもよく、全てが水素添加されていてもよい。
上記スチレン系エラストマーの変性物は特に限定されず、例えば、カルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、エポキシ基及び水酸基等の官能基によるスチレン系エラストマーの変性物が挙げられる。
上記スチレン系エラストマーの変性物における上記カルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、エポキシ基及び水酸基等の官能基の含有量は特に限定されないが、好ましい下限が0.05重量%、好ましい上限が5.0重量%である。上記官能基の含有量が0.05重量%未満であると、得られる接着層は、特に上記表裏層に対する接着性が不充分となることがある。上記官能基の含有量が5.0重量%を超えると、上記官能基を付加する際にスチレン系エラストマーが熱劣化し、ゲル等の異物が発生しやすくなることがある。上記官能基の含有量のより好ましい下限は0.1重量%、より好ましい上限は3.0重量%である。
上記スチレン系エラストマー、又は、これらの変性物の市販品として、例えば、タフテック、タフプレン(以上、いずれも旭化成ケミカルズ社製)、クレイトン(クレイトンポリマージャパン社製)、ダイナロン、JSR TR、JSR SIS(JSR社製)、セプトン(クラレ社製)等が挙げられる。
上記接着層に用いられる芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体としては、上述した中間層に用いられる芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体と同様のものを使用してもよく、別のものを使用してもよい。別のものを使用する場合には、中間層に用いられるポリスチレン系樹脂より軟質のものが好ましい。
上記接着層に用いられる芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体としては、スチレン−ブタジエン共重合体(SBS樹脂)を含有することが好ましく、特にスチレン−ブタジエンブロック共重合体を用いることが好ましい。また、より接着性に優れる熱収縮性多層フィルムを作製するためには、上記芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体の共役ジエンとして2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)を用いたスチレン−イソプレン共重合体(SIS樹脂)、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体(SIBS)等を含有することが好ましい。
なお、上記芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体は、SBS樹脂、SIS樹脂及びSIBS樹脂のうちのいずれか1つを単独で含有してもよく、複数を組み合わせて含有してもよい。また、SBS樹脂、SIS樹脂及びSIBS樹脂のうちの複数を用いる場合には、各樹脂をドライブレンドしてもよく、各樹脂を特定の組成にて押出機を用いて練り上げペレタイズしたコンパウンド樹脂を用いてもよい。
上記芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体が、SBS樹脂、SIS樹脂及びSIBS樹脂を単独又は複数で含有する場合には、特に各層間の接着強度に優れた熱収縮性多層フィルムが得られることから、上記芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体100重量%に占めるスチレン含有量が50〜90重量%、共役ジエン含有量が10〜50重量%であることが好ましい。上記スチレン含有量が50重量%未満であるか、上記共役ジエン含有量が50重量%を超えると、成形加工時にゲル等の異物が発生しやすくなったりすることがある。上記スチレン含有量が90重量%を超えるか、上記共役ジエン含有量が10重量%を下回ると、各層間の接着強度が低下しやすくなる。
上記接着層に用いられる芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体の200℃でのMFR(melt flow rate)の好ましい下限は2g/10分、好ましい上限は15g/10分である。200℃でのMFRが2g/10分未満であると、連続生産工程において押出機内で樹脂が滞留し、ゲル等の異物が発生し易くなる。200℃でのMFRが15g/10分を超えると、製膜工程において圧力が十分にかからず、厚み変動が大きくなり易くなる。200℃でのMFRのより好ましい下限は4g/10分、より好ましい上限は12g/10分である。なお、MFRは、ISO1133に準拠した方法で測定することができる。
上記接着層に用いられる芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体のビカット軟化温度の好ましい下限は55℃、好ましい上限は85℃である。上記ビカット軟化温度が55℃未満であると、熱収縮性多層フィルムは、容器に装着するときの加熱により各層間での層間剥離が生じやすくなる。上記ビカット軟化温度が85℃を超えると、熱収縮性多層フィルムの接着強度が低下しやすくなる。上記ビカット軟化温度のより好ましい下限は60℃、更に好ましい下限は65℃、特に好ましい下限は70℃、より好ましい上限は80℃である。なお、上記ビカット軟化温度は、JIS K 7206(1999)に準拠した方法で測定することができる。
上記接着層は、必要に応じて酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、難燃剤、抗菌剤、蛍光増白剤、着色剤等の添加剤を含有してもよい。
本発明の熱収縮性多層フィルム全体の厚さは、好ましい下限が10μm、好ましい上限が100μmであり、より好ましい下限が15μm、より好ましい上限が80μmであり、更に好ましい下限が20μm、更に好ましい上限が70μmである。熱収縮性多層フィルム全体の厚さが上記範囲内であると、優れた熱収縮性、印刷又はセンターシール等の優れたコンバーティング性、優れた装着性が得られる。
また、本発明の熱収縮性多層フィルムにおいて、上記表裏層の厚さは、熱収縮性多層フィルム全体の厚みに対する好ましい下限が5%、好ましい上限が25%であり、上記中間層の厚さは、熱収縮性多層フィルム全体の厚みに対する好ましい下限が50%、好ましい上限が90%である。上記表裏層及び上記中間層の厚さが上記範囲内であると、高い層間強度、高い透明性等が得られる。
本発明の熱収縮性多層フィルムにおいて、上記接着層の厚さは、好ましい下限が0.3μm、好ましい上限が3.0μmである。上記接着層の厚さが0.3μm未満であると、上記接着層は充分な接着性が得られないことがある。上記接着層の厚さが3.0μmを超えると、熱収縮性多層フィルムの熱収縮特性、光学特性が悪化することがある。上記接着層の厚さのより好ましい下限は0.5μm、より好ましい上限は2.0μmである。
なお、上記接着層の厚さ分を差し引いて上記表裏層及び上記中間層の厚さを調整することにより、熱収縮性多層フィルム全体の厚さを調整することができる。
また、例えば、本発明の熱収縮性多層フィルムが表面層(A)/接着層(E)/中間層(B)/接着層(E)/裏面層(C)の5層構造であり、熱収縮性多層フィルム全体の厚さが40μmである場合、上記表面層(A)及び上記裏面層(C)の厚さは、それぞれ、2.0〜10.0μmであることが好ましく、3.0〜8.0μmであることがより好ましい。また、上記接着層(E)の厚さは、0.3〜3.0μmであることが好ましく、0.5〜2.0μmであることがより好ましい。また、上記中間層(B)の厚さは、19.0〜35.4μmであることが好ましく、20.0〜33.0μmであることがより好ましい。
本発明の熱収縮性多層フィルムは、70℃の温水中に10秒間浸漬させた場合の主収縮方向(TD方向)における熱収縮率(以下TD熱収縮率(70℃×10秒)ともいう)が25%以下である。
上記TD熱収縮率(70℃×10秒)が25%を超えると、熱収縮後の横シワが生じやすくなる。
上記TD熱収縮率(70℃×10秒)の好ましい下限は10%、好ましい上限は25%である。また、上記TD熱収縮率(70℃×10秒)のより好ましい下限は15%、より好ましい上限は20%である。
なお、上記熱収縮率は、所定温度・時間で熱収縮させた後の長さを測定した後、熱収縮前の長さとの比率から算出することができる。
本発明の熱収縮性多層フィルムは、70℃の温水中に10秒間浸漬させた場合の主収縮方向と直交する方向(MD方向)における熱収縮率(以下MD熱収縮率(70℃×10秒)ともいう)が2%以下である。
上記MD熱収縮率(70℃×10秒)が2%を超えると、熱収縮後の横シワが生じやすくなる。
上記MD熱収縮率(70℃×10秒)の好ましい下限は−2%、好ましい上限は2%である。また、上記MD熱収縮率(70℃×10秒)のより好ましい下限は−1%、より好ましい上限は1%である。
本発明の熱収縮性多層フィルムは、沸騰水中に10秒間浸漬させた場合の主収縮方向(TD方向)における熱収縮率(以下TD熱収縮率(沸騰水×10秒)ともいう)が60〜75%である。
上記TD熱収縮率(沸騰水×10秒)がこの範囲にあると、熱収縮後の仕上がりが良好となる。
上記TD熱収縮率(沸騰水×10秒)の好ましい下限は65%、好ましい上限は70%である。
なお、沸騰水とは 外圧1atm下で加熱、沸騰させた水のことをいう。
本発明の熱収縮性多層フィルムは、90℃の貯蔵弾性率と70℃の貯蔵弾性率との比(E90/E70)の下限が0.1、上限が0.95である。上記E90/E70が0.1未満であると、熱収縮後の横シワが生じやすくなる。上記E90/E70が0.95より大きいと、充分な収縮率が得られず収縮不良が生じやすくなる。上記E90/E70の好ましい下限は0.11、好ましい上限は0.8である。また、上記E90/E70のより好ましい下限は0.12、より好ましい上限は0.5である。
本発明の熱収縮性多層フィルムは、90℃の貯蔵弾性率(E90)の好ましい下限が1.0×10Pa、好ましい上限が8.0×10Paである。上記90℃の貯蔵弾性率がこの範囲にあると、熱収縮後の横シワを効果的に抑制することができる。上記90℃の貯蔵弾性率のより好ましい下限が1.0×10Pa、より好ましい上限が6.0×10Paである。
本発明の熱収縮性多層フィルムは、70℃の貯蔵弾性率(E70)の好ましい下限が9.0×10Pa、好ましい上限が15.0×10Paである。上記70℃の貯蔵弾性率がこの範囲にあると、熱収縮後の横シワを効果的に抑制することができる。上記70℃の貯蔵弾性率のより好ましい下限が10.0×10Pa、より好ましい上限が13.0×10Paである。
本発明の熱収縮性多層フィルムを製造する方法は特に限定されないが、共押出法により各層を同時に成形する方法が好ましい。上記共押出法がTダイによる共押出である場合、積層の方法は、フィードブロック方式、マルチマニホールド方式、又は、これらを併用した方法のいずれであってもよい。
また、多層管状ダイスによるインフレーション法を用いることもできる。
本発明の熱収縮性多層フィルムを製造する方法としては、具体的には、例えば、共押出法がTダイによる共押出である場合、上記表裏層、上記中間層及び上記接着層を構成する原料をそれぞれ押出機に投入し、多層ダイスによりシート状に押出し、引き取りロールにて冷却固化した後、1軸又は2軸に延伸する方法が挙げられる。
上記延伸の方法としては、例えば、ロール延伸法、テンター延伸法又はこれらの組み合わせを用いることができる。延伸温度はフィルムを構成する樹脂の軟化温度、熱収縮性多層フィルムに要求される収縮特性等に応じて変更されるが、好ましい下限は65℃、好ましい上限は120℃、より好ましい下限は70℃、より好ましい上限は115℃である。主収縮方向の延伸倍率はフィルムを構成する樹脂、延伸手段、延伸温度等に応じて変更されるが、好ましくは3倍以上、より好ましくは4倍以上であって、好ましくは7倍以下、より好ましくは6.5倍以下である。このような延伸温度及び延伸倍率とすることにより、優れた厚み精度を達成することができ、また、ミシン目を裂いたときに層間剥離が生じて内面側の表裏層のみが容器に残ってしまうことを防止することができる。
本発明の熱収縮性多層フィルムの用途は特に限定されないが、本発明の熱収縮性多層フィルムは、層間強度が高く、容器装着後に重ね合わせ部分を引掻いたとき及びミシン目を裂いたときの層間剥離を抑制するとともに、透明性にも優れることから、例えば、ペットボトル、金属罐等の容器に装着される熱収縮性ラベルのベースフィルムとして好適に用いられる。本発明の熱収縮性多層フィルムを用いてなる熱収縮性ラベルもまた本発明の1つである。
本発明によれば、熱収縮させた後に横シワ、ズレ上がり、波打ち等の収縮不良が発生しにくい熱収縮性多層フィルムを提供することができる。また、本発明によれば、該熱収縮性多層フィルムを用いてなる熱収縮性ラベルを提供することができる。本発明の熱収縮性ラベルは、溶剤シール部分において、層間剥離が生じ難く、熱収縮性ラベルの剥がれを効果的に防止することができる。
以下に実施例を掲げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
実施例及び比較例においては、以下の原料を用いた。
(ポリエステル系樹脂)
・PET−1:ジカルボン酸成分としてテレフタル酸100モル%を用い、ジオール成分としてエチレングリコールに由来する成分を69モル%、ジエチレングリコールに由来する成分を11モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノールに由来する成分を20モル%含有するポリエステル系樹脂(ガラス転移温度72℃、ビカット軟化温度74℃)
・PET−2:ジカルボン酸成分としてテレフタル酸100モル%を用い、ジオール成分としてエチレングリコールに由来する成分を68モル%、ジエチレングリコールに由来する成分を2モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノールに由来する成分を30モル%含有するポリエステル系樹脂(ガラス転移温度81℃、ビカット軟化温度82℃)
・PET−3:ジカルボン酸成分としてテレフタル酸96モル%、イソフタル酸4モル%を用い、ジオール成分としてエチレングリコールに由来する成分を100モル%含有するポリエステル系樹脂(ガラス転移温度76℃、ビカット軟化温度76℃)
・PET−4:ジカルボン酸成分としてテレフタル酸100モル%を用い、ジオール成分としてエチレングリコールに由来する成分を65モル%、ジエチレングリコールに由来する成分を20モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノールに由来する成分を15モル%含有するポリエステル系樹脂(ガラス転移温度69℃、ビカット軟化温度69℃)
(ポリスチレン系樹脂)
・PS−1:スチレン単独重合体(ビカット軟化温度94℃、MFR=7.5g/10分)
・PS−2:スチレン−ブタジエン共重合体(スチレン80重量%、ブタジエン20重量%:ビカット軟化温度72℃、MFR=8.0g/10分)
・PS−3:スチレン−ブタジエン共重合体(スチレン75重量%、ブタジエン25重量%:ビカット軟化温度64℃、MFR=8.5g/10分)
・PS−4:スチレン−ブタジエン共重合体(スチレン70重量%、ブタジエン30重量%:ビカット軟化温度83℃、MFR=5.0g/10分)
・PS−5:スチレン−ブタジエン共重合体(スチレン70重量%、ブタジエン30重量%:ビカット軟化温度72℃、MFR=6.0g/10分)
(ポリエステル系エラストマー)
・TPE−1:ハードセグメントとしてのポリエステルと、ソフトセグメントとしてのポリアルキレンエーテルグリコールとから構成されるポリエステル系エラストマー(三菱化学社製、プリマロイA1600、融点160℃)
ガラス転移温度は、JIS K 7172(1987)に準拠した方法で、示差走査熱量計(DSC)を用いて、10℃/分の昇温速度で測定した。
ビカット軟化温度は、JIS K 7206(1999)に準拠した方法で、各ポリエステル系樹脂及びポリスチレン系樹脂から試験片を採取した後、試験片に置いた針状圧子に10Nの荷重を加えながら120℃/hの速度で昇温し、針状圧子が1mm進入したときの温度を確認することにより測定した。
(実施例1)
表裏層を構成する樹脂として、ポリエステル系樹脂(PET−1)50重量%とポリエステル系樹脂(PET−2)50重量%とを用いた。
中間層を構成する樹脂として、ポリスチレン系樹脂(PS−1)12重量%とポリスチレン系樹脂(PS−2)35重量%とポリスチレン系樹脂(PS−3)35重量%とポリスチレン系樹脂(PS−4)18重量%を用いた。
接着層を構成する樹脂として、ポリスチレン系樹脂(PS−5)40重量%とポリエステル系エラストマー(TPE−1)60重量%とを用いた。
これらをバレル温度が160〜250℃の押出機に投入し、250℃の多層ダイスから5層構造のシート状に押出し、30℃の引き取りロールにて冷却固化した。次いで、予熱ゾーン105℃、延伸ゾーン90℃、熱固定ゾーン85℃のテンター延伸機内で延伸倍率6倍にて延伸した後、巻き取り機で巻き取ることにより、主収縮方向と直交する方向がMD、主収縮方向がTDとなる熱収縮性多層フィルムを得た。
得られた熱収縮性多層フィルムは、総厚みが35μmであり、表裏層(4.0μm)/接着層(0.8μm)/中間層(25.4μm)/接着層(0.8μm)/表裏層(4.0μm)の5層構造であった。
(実施例2)
表裏層を構成する樹脂として、ポリエステル系樹脂(PET−1)30重量%とポリエステル系樹脂(PET−2)70重量%とを用いた。
中間層を構成する樹脂として、ポリスチレン系樹脂(PS−1)12重量%とポリスチレン系樹脂(PS−2)44重量%とポリスチレン系樹脂(PS−3)44重量%を用いた。
接着層を構成する樹脂として、ポリスチレン系樹脂(PS−5)40重量%とポリエステル系エラストマー(TPE−1)60重量%とを用いた。
その他は実施例1と同様にして、総厚みが35μmであり、表裏層(4.0μm)/接着層(0.8μm)/中間層(25.4μm)/接着層(0.8μm)/表裏層(4.0μm)の5層構造のフィルムを得た。
(実施例3)
表裏層を構成する樹脂として、ポリエステル系樹脂(PET−2)85重量%とポリエステル系樹脂(PET−3)15重量%とを用いた。
中間層を構成する樹脂として、ポリスチレン系樹脂(PS−1)12重量%とポリスチレン系樹脂(PS−2)41重量%とポリスチレン系樹脂(PS−3)29重量%とポリスチレン系樹脂(PS−4)18重量%を用いた。
接着層を構成する樹脂として、ポリスチレン系樹脂(PS−5)40重量%とポリエステル系エラストマー(TPE−1)60重量%とを用いた。
その他は実施例1と同様にして、総厚みが35μmであり、表裏層(4.0μm)/接着層(0.8μm)/中間層(25.4μm)/接着層(0.8μm)/表裏層(4.0μm)の5層構造のフィルムを得た。
(実施例4)
表裏層を構成する樹脂として、ポリエステル系樹脂(PET−1)25重量%とポリエステル系樹脂(PET−2)60重量%とポリエステル系樹脂(PET−3)15重量%とを用いた。
中間層を構成する樹脂として、ポリスチレン系樹脂(PS−1)24重量%とポリスチレン系樹脂(PS−2)35重量%とポリスチレン系樹脂(PS−3)29重量%とポリスチレン系樹脂(PS−4)12重量%を用いた。
接着層を構成する樹脂として、ポリスチレン系樹脂(PS−5)40重量%とポリエステル系エラストマー(TPE−1)60重量%とを用いた。
その他は実施例1と同様にして、総厚みが35μmであり、表裏層(4.0μm)/接着層(0.8μm)/中間層(25.4μm)/接着層(0.8μm)/表裏層(4.0μm)の5層構造のフィルムを得た。
(実施例5)
表裏層を構成する樹脂として、ポリエステル系樹脂(PET−1)25重量%とポリエステル系樹脂(PET−2)60重量%とポリエステル系樹脂(PET−3)15重量%とを用いた。
中間層を構成する樹脂として、ポリスチレン系樹脂(PS−1)35重量%とポリスチレン系樹脂(PS−2)23重量%とポリスチレン系樹脂(PS−3)30重量%とポリスチレン系樹脂(PS−4)12重量%を用いた。
接着層を構成する樹脂として、ポリスチレン系樹脂(PS−5)40重量%とポリエステル系エラストマー(TPE−1)60重量%とを用いた。
その他は実施例1と同様にして、総厚みが35μmであり、表裏層(4.0μm)/接着層(0.8μm)/中間層(25.4μm)/接着層(0.8μm)/表裏層(4.0μm)の5層構造のフィルムを得た。
(実施例6)
表裏層を構成する樹脂として、ポリエステル系樹脂(PET−2)85重量%とポリエステル系樹脂(PET−3)15重量%とを用いた。
中間層を構成する樹脂として、ポリスチレン系樹脂(PS−1)13重量%とポリスチレン系樹脂(PS−2)41重量%とポリスチレン系樹脂(PS−3)30重量%とポリスチレン系樹脂(PS−4)16重量%を用いた。
接着層を構成する樹脂として、ポリスチレン系樹脂(PS−5)40重量%とポリエステル系エラストマー(TPE−1)60重量%とを用いた。
その他は実施例1と同様にして、総厚みが35μmであり、表裏層(4.0μm)/接着層(0.8μm)/中間層(25.4μm)/接着層(0.8μm)/表裏層(4.0μm)の5層構造のフィルムを得た。
(比較例1)
表裏層を構成する樹脂として、ポリエステル系樹脂(PET−2)を用いた。
中間層を構成する樹脂として、ポリスチレン系樹脂(PS−2)40重量%とポリスチレン系樹脂(PS−3)30重量%とポリスチレン系樹脂(PS−4)30重量%とを用いた。
接着層を構成する樹脂として、ポリスチレン系樹脂(PS−5)40重量%とポリエステル系エラストマー(TPE−1)60重量%とを用いた。
その他は実施例1と同様にして、総厚みが35μmであり、表裏層(4.0μm)/接着層(0.8μm)/中間層(25.4μm)/接着層(0.8μm)/表裏層(4.0μm)の5層構造のフィルムを得た。
(比較例2)
表裏層を構成する樹脂として、ポリエステル系樹脂(PET−2)を用いた。
中間層を構成する樹脂として、ポリスチレン系樹脂(PS−1)5重量%とポリスチレン系樹脂(PS−2)35重量%とポリスチレン系樹脂(PS−3)30重量%とポリスチレン系樹脂(PS−4)30重量%とを用いた。
接着層を構成する樹脂として、ポリスチレン系樹脂(PS−5)40重量%とポリエステル系エラストマー(TPE−1)60重量%とを用いた。
その他は実施例1と同様にして、総厚みが35μmであり、表裏層(4.0μm)/接着層(0.8μm)/中間層(25.4μm)/接着層(0.8μm)/表裏層(4.0μm)の5層構造のフィルムを得た。
(比較例3)
表裏層を構成する樹脂として、ポリエステル系樹脂(PET−4)を用いた。
中間層を構成する樹脂として、ポリスチレン系樹脂(PS−1)45重量%とポリスチレン系樹脂(PS−3)35重量%とポリスチレン系樹脂(PS−4)20重量%とを用いた。
接着層を構成する樹脂として、ポリスチレン系樹脂(PS−5)40重量%とポリエステル系エラストマー(TPE−1)60重量%とを用いた。
その他は実施例1と同様にして、総厚みが35μmであり、表裏層(4.0μm)/接着層(0.8μm)/中間層(25.4μm)/接着層(0.8μm)/表裏層(4.0μm)の5層構造のフィルムを得た。
(評価)
実施例及び比較例で得られた熱収縮性多層フィルムについて、以下の評価を行った。熱収縮性多層フィルムの構成及び評価結果を表1に示した。
(1)熱収縮率
熱収縮性多層フィルムを主収縮方向(TD)100mm×主収縮方向と直行する方向(MD)100mmの大きさにカットし、70℃の温水に10秒間浸漬させた後、熱収縮性多層フィルムを取り出し、すぐに水道水に10秒間浸漬させた。この熱収縮性多層フィルムのTDの1辺の長さ(L)をそれぞれ測定して、下記式(1)に従いTD方向の熱収縮率を求めた。また、MD方向の熱収縮率についても同様に求めた。

熱収縮率(%)={(100−L)/100}×100 (1)
なお、収縮率は、サンプル数(n)=3としてその平均値を用いた。80℃の温水に10秒間浸漬させた場合、及び、沸騰水に10秒間浸漬させた場合についても同様にして熱収縮率を測定した。
(2)貯蔵弾性率
熱収縮性多層フィルムを、主収縮方向(TD)150mm×主収縮方向と直行する方向(MD)150mmの大きさにカットし、沸騰水に10分間浸漬し、次いで冷水に1分間浸漬した。このフィルムを主収縮方向(TD)5mm×主収縮方向と直行する方向(MD)30mmの大きさにカットし測定サンプルとした。
測定サンプルを動的粘弾性測定装置(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製 Q800)を用いて以下の条件で、70℃、90℃における貯蔵弾性率を測定した。得られた貯蔵弾性率をもとに、90℃の貯蔵弾性率の数値を70℃の貯蔵弾性率の数値で割ってE90/E70を算出した。
温度範囲:25〜150℃
昇温速度:5℃/min
試料寸法:長さ 30mm ×巾 5mm ×厚み 2mm
歪:0.1%
周波数:1Hz
荷重トラック:200%
(3)ヘイズ測定
NDH5000(日本電色工業社製)を用い、JIS−K−6782に準拠して、熱収縮性多層フィルムの透明性を評価した。なお、ヘイズ値が10%以下であると、透明性が高いといえる。
(4)収縮仕上り性
得られた熱収縮性多層フィルムを主収縮方向が周方向となるように溶剤で接着して筒状の熱収縮性ラベル(折り径;114mm、長さ;160mm)を作製した。得られた熱収縮性ラベルを、直径約65mmの丸(多角)型の500mlのPETボトルに被せ、フジアステック社製「SH−5000」のスチームトンネルを用い、各ゾーンの蒸気圧を0.06、0.08、0.1MPaとし、設定温度80、85、95℃、トンネル通過時間7秒で収縮させ、装着評価を行った。熱収縮性ラベル全体の装着状態に関して目視にて観察し、装着仕上がり性(シワ、ズレ上がり、歪み)を以下の基準で評価した。
○:PETボトルに装着された熱収縮性ラベルにシワ、ズレ上がり、歪みが確認されなかった。
×:PETボトルに装着された熱収縮性ラベルにシワ、ズレ上がり、歪みのうち何れか一つが確認された。
Figure 2015160429
本発明によれば、熱収縮させた後に横シワ、ズレ上がり、波打ち等の収縮不良が発生しにくい熱収縮性多層フィルムを提供することができる。また、本発明によれば、該熱収縮性多層フィルムを用いてなる熱収縮性ラベルを提供することができる。

Claims (3)

  1. ポリエステル系樹脂を含有する表裏層と、ポリスチレン系樹脂を含有する中間層とが、接着層を介して積層されてなる熱収縮性多層フィルムであって、
    前記中間層は、スチレン単独重合体10〜40重量%と芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体60〜90重量%とを含有し、
    90℃の貯蔵弾性率と70℃の貯蔵弾性率との比(E90/E70)が0.1〜0.95である
    ことを特徴とする熱収縮性多層フィルム。
  2. 接着層が、ポリエステル系エラストマー、スチレン系エラストマー及び芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体からなる群より選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1記載の熱収縮性多層フィルム。
  3. 請求項1又は2記載の熱収縮性多層フィルムを用いてなることを特徴とする熱収縮性ラベル。
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