JP6608574B1 - 熱収縮性多層フィルム及び熱収縮性ラベル - Google Patents
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Abstract
Description
熱収縮性ラベルを加熱して容器に装着させる方法としては湿熱収縮と乾熱収縮の2種類の方法が広く用いられている。
特に、トイレタリー用の容器としては販売促進や類似品との差別化のために意匠性の高い異形容器が用いられるが、このような異形容器は収縮仕上りの難易度が高く、一般的な寸胴の容器よりも長時間熱風下に曝される。このため、中間層と表裏層との層ずれが大きくなり、結果として、トイレタリー容器の外観不良の原因となるという問題があった。更に、層ずれが大きくなると、ずれが生じた部分からフィルムが裂けてしまうという問題があった。
以下に本発明を詳述する。
なお、「層ずれ」とは、容器に熱収縮性ラベルを装着する際、該熱収縮性ラベルのセンターシール部分で裏層と中間層が剥離し、トンネルの熱により表層、接着層及び中間層が収縮し、表層がずれたように見える現象のことをいう。
なお、本明細書中、表裏層は表層と裏層との両方を意味する。
上記表裏層は、ポリエステル系樹脂を含有する。
上記ポリエステル系樹脂としては、例えば、ジカルボン酸成分とジオール成分とを縮重合させることにより得られるものが挙げられる。特に上記ジカルボン酸成分として、ジカルボン酸成分100モル%のうち、テレフタル酸が55モル%以上である芳香族ポリエステル系樹脂が好ましい。さらに上記ジカルボン酸成分として、上記テレフタル酸以外に、o−フタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、オクチルコハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、デカメチレンカルボン酸、これらの無水物及び低級アルキルエステル等を含むことができる。
収縮性をより高めたい場合には、ジオール成分100モル%のうち、エチレングリコールに由来する成分の含有量が60〜80モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノールに由来する成分の含有量が10〜40モル%であるものを用いることが好ましい。
上記ポリブチレンテレフタレート系樹脂は、上記ジカルボン酸成分としてテレフタル酸に由来する成分を含有し、かつ、ジオール成分としてエチレングリコール及び1,4−シクロヘキサンジメタノールに由来する成分を含有する芳香族ポリエステル系ランダム共重合樹脂と、併用されることが好ましい。このような混合樹脂を用いることでより優れた仕上り性を付与することができる。
なお、上記テレフタル酸に由来する成分以外のジカルボン酸成分の含有量は、ジカルボン酸成分100モル%のうち、10モル%以下であることが好ましい。10モル%以下とすることにより、上記ポリブチレンテレフタレート系樹脂の耐熱性を向上させることができる。また、上記1,4−ブタンジオールに由来する成分以外のジオール成分の含有量は、ジオール成分100モル%のうち、10モル%以下であることが好ましい。10モル%以下とすることにより、上記ポリブチレンテレフタレート系樹脂の耐熱性をより向上させることができる。
なお、上記ポリエステル系樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC)により、ISO 3146:2000に準拠した方法で測定することができる。
なお、上記引張弾性率は、ASTM−D882(TestA)に準拠した方法で測定することができる。
70℃での貯蔵弾性率を上記のように比較的低い範囲とすることで、70℃程度の比較的低い温度から、上記表裏層の収縮(軟化)を開始させることができる。即ち、上記表裏層の低温収縮性を高めることができる。これにより、熱収縮性多層フィルム全体の低温収縮性を高めるとともに、上記表裏層と上記中間層との収縮挙動(軟化挙動)の差を緩和し、優れた収縮仕上り性を得ることができる。また、このような優れた低温収縮性は、時間が経っても低下しにくい。なお、上記貯蔵弾性率は、例えばRheogelE−4000(UBM社製)等の粘弾性測定装置を用いて、振動周波数10Hz、ひずみ0.1%、昇温速度3℃/分、測定温度−120℃から150℃、引張モードの条件で測定することができる。
本発明の熱収縮性多層フィルムは、上記中間層を含有する。
上記中間層は、ポリスチレン系樹脂を含有する。
上記ポリスチレン系樹脂としては、例えば、芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体、芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体と芳香族ビニル炭化水素−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体との混合樹脂、ゴム変性耐衝撃性ポリスチレン等が挙げられる。上記ポリスチレン系樹脂を用いることで、本発明の熱収縮性多層フィルムは低温から収縮を開始することができ、また、高収縮性を有する。
上記芳香族ビニル炭化水素は特に限定されず、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。上記共役ジエンは特に限定されず、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
なお、上記芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体は、SBS樹脂、SIS樹脂及びSIBS樹脂のうちのいずれか1つを単独で含有してもよく、複数を組み合わせて含有してもよい。また、SBS樹脂、SIS樹脂及びSIBS樹脂のうちの複数を用いる場合には、各樹脂をドライブレンドしてもよく、各樹脂を特定の組成にて押出機を用いて練り上げペレタイズしたコンパウンド樹脂を用いてもよい。
上記芳香族ビニル炭化水素は特に限定されず、上記芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体において例示した芳香族ビニル炭化水素と同様の芳香族ビニル炭化水素を用いることができる。上記脂肪族不飽和カルボン酸エステルは特に限定されず、例えば、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。ここで、(メタ)アクリレートとは、アクリレートとメタクリレートとの両方を示す。
上記連続相を形成する共重合体中のスチレンの割合は20〜80重量%が好ましく、30〜70重量%がより好ましい。メタクリル酸アルキルの割合は10〜50重量%が好ましく、15〜40重量%がより好ましい。アクリル酸アルキルの割合は1〜30重量%が好ましく、5〜20重量%がより好ましい。
上記分散相を形成する共役ジエンを主体とするゴム成分の粒子径は0.1〜1.2μmであることが好ましく、更に好ましくは0.3〜0.8μmである。粒子径が0.1μmを下回ると、上記ゴム変性耐衝撃性ポリスチレンの耐衝撃性が不充分となることがあり、1.2μmを上回ると、上記中間層の透明性が低下することがある。
なお、上記ビカット軟化温度は、ISO 306に準拠した方法で測定することができる。
上記ポリスチレン系樹脂(A)を所定量含有することで、乾熱収縮させた際のラベルのセンターシール部における層ずれ抑制効果をより向上させることができる。
上記中間層における上記ポリスチレン系樹脂(A)の含有量は、より好ましい下限が5重量%、更に好ましい下限が10重量%、より好ましい上限が50重量%、更に好ましい上限が35重量%である。
上記ポリスチレン系樹脂(B)を所定量含有することで、乾熱収縮させた際のラベルのセンターシール部における層ずれ抑制効果をより向上させることができる。
上記中間層における上記ポリスチレン系樹脂(B)の含有量は、より好ましい下限が50重量%、更に好ましい下限が65重量%、より好ましい上限が95重量%、更に好ましい上限が90重量%である。
なお、上記中間層におけるスチレン成分の含有量は、中間層を構成するポリスチレン系樹脂の含有量とポリスチレン系樹脂中のスチレン成分の割合とに基づいて算出することができる。
本発明の熱収縮性多層フィルムは、上記表裏層と上記中間層とが、接着層を介して積層されてなるものである。
上記接着層を構成する樹脂としては、ポリスチレン系樹脂とポリエステル系エラストマーとを含む混合樹脂が好ましい。このような接着層は、上記表裏層を構成するポリエステル系樹脂、上記中間層を構成するポリスチレン系樹脂のいずれとも親和性が高く、両者を高い強度で接着することができる。また、上記表裏層を構成するポリエステル系樹脂を溶解する溶剤に溶解又は膨潤することから、ラベル作製時に溶剤が熱収縮性多層フィルムの内部まで浸透することができ、その後の熱収縮時に層間剥離が生じることを防止することができる。
なお、上記ポリスチレン系樹脂は、SBS樹脂、SIS樹脂及びSIBS樹脂のうちのいずれか1つを単独で含有してもよく、複数を組み合わせて含有してもよい。また、SBS樹脂、SIS樹脂、SIBS樹脂、SBBS樹脂又はSEBS樹脂のうちの複数を用いる場合には、各樹脂をドライブレンドしてもよく、各樹脂を特定の組成にて押出機を用いて練り上げペレタイズしたコンパウンド樹脂を用いてもよい。
上記芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体におけるスチレン含有量は、60〜80重量%がより好ましく、70〜75重量%が更に好ましい。上記芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体における共役ジエン含有量は、20〜40重量%がより好ましく、25〜30重量%が更に好ましい。
なお、上記ビカット軟化温度は、ISO 306に準拠した方法で測定することができる。
また、上記ポリエステル系エラストマーは、飽和ポリエステル系エラストマーであることが好ましく、特に、ソフトセグメントとしてポリアルキレンエーテルグリコールセグメントを含有する飽和ポリエステル系エラストマーであることが好ましい。上記ポリアルキレンエーテルグリコールセグメントを含有する飽和ポリエステル系エラストマーとしては、例えば、ハードセグメントとしての芳香族ポリエステルと、ソフトセグメントとしてのポリアルキレンエーテルグリコールとからなるブロック共重合体が好ましい。
なお、上記融点は、示差走査熱量計(島津製作所社製、DSC−60)を用いて測定することが出来る。
また、ポリエステル系エラストマーを構成するハードセグメントであるポリエステルの融点を共重合成分の変更により調整し、ポリエステル系エラストマー全体の融点を調整することが出来る。
また、ソフトセグメントであるポリエーテル又はポリエステルの分子量が小さくなると得られるポリエステル系エラストマーのブロック性が低下するため融点が低下しやすくなる。
なお、上記デュロメーター硬さは、ISO18517に準拠した方法でデュロメーター タイプDを用いることにより測定することができる。
上記比重のより好ましい下限は0.98、より好ましい上限は1.18である。
なお、上記比重はASTM D 792に準拠した方法で水中置換法を用いて測定することが出来る。
上記α,β−エチレン性不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸等の不飽和カルボン酸;コハク酸2−オクテン−1−イル無水物、コハク酸2−ドデセン−1−イル無水物、コハク酸2−オクタデセン−1−イル無水物、マレイン酸無水物、2,3−ジメチルマレイン酸無水物、ブロモマレイン酸無水物、ジクロロマレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、1−ブテン−3,4−ジカルボン酸無水物、1−シクロペンテン−1,2−ジカルボン酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、exo−3,6−エポキシ−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、endo−ビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸無水物等の不飽和カルボン酸無水物が挙げられる。これらのなかでは、反応性が高いことから、酸無水物が好ましい。
上記ポリスチレン系樹脂の含有量が10重量%以上であると、熱収縮性ラベルを作製するためにフィルムが強く折られた場合に、折り目部分に白色スジが生じることを抑制することができる。また、ラベルを装着する際にセンターシール部での層ずれを充分に抑制することができ、外観不良を防止することができる。上記ポリスチレン系樹脂の含有量が95重量%以下であると、低温で充分な層間強度を達成して、層間剥離を抑制することができる。上記ポリスチレン系樹脂の含有量のより好ましい下限は30重量%、更に好ましい下限は35重量%、より好ましい上限は80重量%、更に好ましい上限は70重量%である。
上記ポリエステル系エラストマーの含有量が5重量%以上であると、低温での層間強度を充分に向上させることができ、層間剥離を抑制することができる。上記ポリエステル系エラストマーの含有量が90重量%以下であると、熱収縮性ラベルを作製するためにフィルムが強く折られた場合に、折り目部分に白色スジが生じることを抑制することができる。また、ラベルを装着する際にセンターシール部での層ずれを充分に抑制することができ、外観不良を防止することができる。上記ポリエステル系エラストマーの含有量のより好ましい下限は20重量%、更に好ましい下限は30重量%、より好ましい上限は70重量%、更に好ましい上限は65重量%である。
なお、上記最大収縮応力は、熱収縮性多層フィルムを80℃の温水に30秒間浸漬させ、収縮応力を測定する場合における収縮応力の最大値のことをいう。
延伸温度を高くすると収縮応力は低くなり、延伸温度を低くすると収縮応力は高くなる傾向にある。延伸温度は中間層で使用するポリスチレン系樹脂のビカット軟化温度により調整する必要がある。
また、横(TD)方向の延伸倍率を低くすると収縮応力は低くなり、延伸倍率を高くすると収縮応力は高くなる。
熱収縮性多層フィルムを、TD方向(主収縮方向)が長辺となるよう300mm×25mmとなるようにカットし、標線間距離が200mmとなるように標線を引き、測定試料とする(図1参照)。次いで、長さ520mmの指示棒に測定試料の両端を固定し、固定部の熱収縮性多層フィルムを外側に折り曲げ(図2参照)、所定の温度及び湿度に設定した恒温恒湿槽(ナガノサイエンス社製、LH31−12M)に横穴から投入する。投入から10秒後に熱収縮性多層フィルムを取り出し、標線間距離を測定し、下記式から標線間の収縮率を算出する。
乾熱収縮率(%)={(200−収縮後の標線間距離(mm))/200}×100
なお、乾熱収縮率としては3つの測定試料に対する測定結果の平均値を用いる。また、平均値よりも2%以上離れた値はカウントしないこととする。
本発明の熱収縮性多層フィルムにおいて、上記表裏層と上記中間層との厚さの比(表裏層の厚さ/中間層の厚さ)は、好ましい下限が1/12、より好ましい下限が1/10、好ましい上限が1/3、より好ましい上限が1/4である。
なお、上記表裏層の厚さは、表層及び裏層のそれぞれの厚さを意味する。
例えば、本発明の熱収縮性多層フィルム全体の厚さが40μmである場合、上記表裏層の厚さの好ましい下限は2.8μm、より好ましい下限は3.2μm、好ましい上限は7.2μm、より好ましい上限は6.4μmである。
例えば、本発明の熱収縮性多層フィルム全体の厚さが40μmである場合、上記中間層の厚さの好ましい下限は24μm、より好ましい下限は26μm、好ましい上限は33.6μm、より好ましい上限は32.8μmである。
例えば、本発明の熱収縮性多層フィルム全体の厚さが40μmである場合、上記接着層の厚さの好ましい下限は0.2μm、より好ましい下限は0.4μm、好ましい上限は2μm、より好ましい上限は1.6μmである。
具体的には例えば、上記表裏層を構成するポリエステル系樹脂、上記中間層を構成するポリスチレン系樹脂、上記接着層を構成する樹脂をそれぞれ160〜250℃に調整した押出機に投入し、220〜260℃に調整した多層ダイスにより、シート状に押し出し、20〜40℃に調整した引き取りロールにて冷却固化した後、1軸又は2軸に延伸する方法を用いることができる。延伸温度はフィルムを構成している樹脂の軟化温度又は熱収縮性多層フィルムに要求される収縮特性によって変更する必要があるが、延伸温度の好ましい下限は70℃、好ましい上限は120℃、より好ましい下限は75℃、より好ましい上限は115℃である。また、固定ゾーンの好ましい下限は80℃、好ましい上限は120℃である。
本発明の熱収縮性ラベルは、本発明の熱収縮性多層フィルムをベースフィルムとして、必要に応じて、帯電防止層や印刷層等の他の層を有していてもよい。
(ポリエステル系樹脂)
・ポリエステル系樹脂A:ジカルボン酸成分としてテレフタル酸に由来する成分を100モル%、ジオール成分としてエチレングリコールに由来する成分を65モル%、ジエチレングリコールに由来する成分を20モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノールに由来する成分を15モル%含有するポリエステル系樹脂(ガラス転移温度69℃)
(ポリスチレン系樹脂)
・ポリスチレン系樹脂A:スチレン含有量が81.3重量%、ブタジエン含有量が18.7重量%であるスチレン−ブタジエン共重合体、ビカット軟化温度81℃)
・ポリスチレン系樹脂B:スチレン含有量が77.7重量%、ブタジエン含有量が22.3重量%であるスチレン−ブタジエン共重合体、ビカット軟化温度71℃)
・ポリスチレン系樹脂C:スチレン含有量が72重量%、ブタジエン含有量が28重量%であるスチレン−ブタジエン共重合体ビカット軟化温度76℃)
(ポリエステル系エラストマー)
・エラストマーA:東レデュポン社製、ハイトレル2521、デュロメーター硬さ55
表裏層を構成する樹脂として、ポリエステル系樹脂Aを用いた。
接着層を構成する樹脂として、エラストマーA30重量%とポリスチレン系樹脂C70重量%とからなる混合樹脂を用いた。
中間層を構成する樹脂として、ポリスチレン系樹脂A10重量%とポリスチレン系樹脂B90重量%とからなる混合樹脂を用いた。
これらの樹脂をバレル温度が160〜250℃の押出機に投入し、250℃の多層ダイスから3層構造のシート状に押出し、30℃の引き取りロールにて冷却固化した。次いで、延伸倍率1.5倍でMD方向へロール延伸し、引き続き予熱ゾーン112℃(通過時間5.3秒)、延伸ゾーン100℃(通過時間7.8秒)、熱固定ゾーン102℃(通過時間5.3秒)のテンター延伸機内で延伸倍率6倍にてTD方向へ延伸した後、巻き取り機で巻き取ることにより、総厚みが40μmであり、表層(5.7μm)/接着層(0.7μm)/中間層(27.2μm)/接着層(0.7μm)/裏層(5.7μm)の5層構成からなる熱収縮性多層フィルムを得た。
表裏層を構成する樹脂として、ポリエステル系樹脂Aを用いた。
接着層を構成する樹脂として、エラストマーA30重量%とポリスチレン系樹脂C70重量%とからなる混合樹脂を用いた。
中間層を構成する樹脂として、ポリスチレン系樹脂A15重量%とポリスチレン系樹脂B85重量%とからなる混合樹脂を用いた。
これらの樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして熱収縮性多層フィルムを得た。
得られた熱収縮性多層フィルムは、総厚みが40μmであり、表層(5.7μm)/接着層(0.7μm)/中間層(27.2μm)/接着層(0.7μm)/裏層(5.7μm)の5層構造であった。
表裏層を構成する樹脂として、ポリエステル系樹脂Aを用いた。
接着層を構成する樹脂として、エラストマーA30重量%とポリスチレン系樹脂C70重量%とからなる混合樹脂を用いた。
中間層と構成する樹脂として、ポリスチレン系樹脂A30重量%とポリスチレン系樹脂B70重量%とからなる混合樹脂を用いた。
これらの樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして熱収縮性多層フィルムを得た。
得られた熱収縮性多層フィルムは、総厚みが40μmであり、表層(5.7μm)/接着層(0.7μm)/中間層(27.2μm)/接着層(0.7μm)/裏層(5.7μm)の5層構造であった。
表裏層を構成する樹脂として、ポリエステル系樹脂Aを用いた。
接着層を構成する樹脂として、エラストマーA30重量%とポリスチレン系樹脂C70重量%とからなる混合樹脂を用いた。
中間層を構成する樹脂として、ポリスチレン系樹脂A45重量%とポリスチレン系樹脂B55重量%とならなる混合樹脂を用いた。
これらの樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして熱収縮性多層フィルムを得た。
得られた熱収縮性多層フィルムは、総厚みが40μmであり、表層(5.7μm)/接着層(0.7μm)/中間層(27.2μm)/接着層(0.7μm)/裏層(5.7μm)の5層構造であった。
表裏層を構成する樹脂として、ポリエステル系樹脂Aを用いた。
接着層を構成する樹脂として、エラストマーA30重量%とポリスチレン系樹脂C70重量%とからなる混合樹脂を用いた。
中間層を構成する樹脂として、ポリスチレン系樹脂A50重量%とポリスチレン系樹脂B50重量%とからなる混合樹脂を用いた。
これらの樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして熱収縮性多層フィルムを得た。
得られた熱収縮性多層フィルムは、総厚みが40μmであり、表層(5.7μm)/接着層(0.7μm)/中間層(27.2μm)/接着層(0.7μm)/裏層(5.7μm)の5層構造であった。
表裏層を構成する樹脂として、ポリエステル系樹脂Aを用いた。
接着層を構成する樹脂として、エラストマーA65重量%とポリスチレン系樹脂C35重量%とからなる混合樹脂を用いた。
中間層を構成する樹脂として、ポリスチレン系樹脂A10重量%とポリスチレン系樹脂B90重量%とならなる混合樹脂を用いた。
これらの樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして熱収縮性多層フィルムを得た。
得られた熱収縮性多層フィルムは、総厚みが50μmであり、表層(7μm)/接着層(1μm)/中間層(34μm)/接着層(1μm)/裏層(7μm)の5層構造であった。
表裏層を構成する樹脂として、ポリエステル系樹脂Aを用いた。
接着層を構成する樹脂として、エラストマーA65重量%とポリスチレン系樹脂C35重量%とからなる混合樹脂を用いた。
中間層を構成する樹脂として、ポリスチレン系樹脂A15重量%とポリスチレン系樹脂B85重量%とからなる混合樹脂を用いた。
これらの樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして熱収縮性多層フィルムを得た。
得られた熱収縮性多層フィルムは、総厚みが50μmであり、表層(7μm)/接着層(1μm)/中間層(34μm)/接着層(1μm)/裏層(7μm)の5層構造であった。
表裏層を構成する樹脂として、ポリエステル系樹脂Aを用いた。
接着層を構成する樹脂として、エラストマーA65重量%とポリスチレン系樹脂C35重量%とからなる混合樹脂を用いた。
中間層を構成する樹脂として、ポリスチレン系樹脂A30重量%とポリスチレン系樹脂B70重量%とからなる混合樹脂を用いた。
これらの樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして熱収縮性多層フィルムを得た。
得られた熱収縮性多層フィルムは、総厚みが50μmであり、表層(7μm)/接着層(1μm)/中間層(34μm)/接着層(1μm)/裏層(7μm)の5層構造であった。
表裏層を構成する樹脂として、ポリエステル系樹脂Aを用いた。
接着層を構成する樹脂として、エラストマーA65重量%とポリスチレン系樹脂C35重量%とからなる混合樹脂を用いた。
中間層を構成する樹脂として、ポリスチレン系樹脂A45重量%とポリスチレン系樹脂B55重量%とからなる混合樹脂を用いた。
これらの樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして熱収縮性多層フィルムを得た。
得られた熱収縮性多層フィルムは、総厚みが50μmであり、表層(7μm)/接着層(1μm)/中間層(34μm)/接着層(1μm)/裏層(7μm)の5層構造であった。
表裏層を構成する樹脂として、ポリエステル系樹脂Aを用いた。
接着層を構成する樹脂として、エラストマーA65重量%とポリスチレン系樹脂C35重量%とからなる混合樹脂を用いた。
中間層を構成する樹脂として、ポリスチレン系樹脂A50重量%とポリスチレン系樹脂B50重量%とからなる混合樹脂を用いた。
これらの樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして熱収縮性多層フィルムを得た。
得られた熱収縮性多層フィルムは、総厚みが50μmであり、表層(7μm)/接着層(1μm)/中間層(34μm)/接着層(1μm)/裏層(7μm)の5層構造であった。
表裏層を構成する樹脂として、ポリエステル系樹脂Aを用いた。
接着層を構成する樹脂として、エラストマーA30重量%とポリスチレン系樹脂C70重量%とからなる混合樹脂を用いた。
中間層を構成する樹脂として、ポリスチレン系樹脂A70重量%とポリスチレン系樹脂B30重量%とからなる混合樹脂を用いた。
これらの樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして熱収縮性多層フィルムを得た。
得られた熱収縮性多層フィルムは、総厚みが40μmであり、表層(5.7μm)/接着層(0.7μm)/中間層(27.2μm)/接着層(0.7μm)/裏層(5.7μm)の5層構造であった。
表裏層を構成する樹脂として、ポリエステル系樹脂Aを用いた。
接着層を構成する樹脂として、エラストマーA30重量%とポリスチレン系樹脂C70重量%とからなる混合樹脂を用いた。
中間層を構成する樹脂として、ポリスチレン系樹脂Aを用いた。
これらの樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして熱収縮性多層フィルムを得た。
得られた熱収縮性多層フィルムは、総厚みが40μmであり、表層(5.7μm)/接着層(0.7μm)/中間層(27.2μm)/接着層(0.7μm)/裏層(5.7μm)の5層構造であった。
表裏層を構成する樹脂として、ポリエステル系樹脂Aを用いた。
接着層を構成する樹脂として、エラストマーA30重量%とポリスチレン系樹脂C70重量%とからなる混合樹脂を用いた。
中間層を構成する樹脂として、ポリスチレン系樹脂Bを用いた。
これらの樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして熱収縮性多層フィルムを得た。
得られた熱収縮性多層フィルムは、総厚みが30μmであり、表層(3.2μm)/接着層(0.7μm)/中間層(22.2μm)/接着層(0.7μm)/裏層(3.2μm)の5層構造であった。
実施例及び比較例で得られた熱収縮性多層フィルムについて以下の評価を行った。結果を表1に示す。
得られた熱収縮性多層フィルムを、TD方向(主収縮方向)が長辺となるように、200mm×10mmの大きさにカットし測定試料とした。この測定試料をチャック間距離が100mmとなるように一方を固定し、他方を荷重測定するためのロードセルにつなげてセットした(ロードセルからの出力信号はレコーダーによって記録される)。
その後、測定試料をチャックごと80℃に調整された温水に30秒間浸漬させ、測定試料が収縮する際の収縮応力を測定した。なお、30秒間での最大値を測定値とした。
得られた熱収縮性多層フィルムを、TD方向(主収縮方向)が長辺となるように、300mm×25mmの大きさにカットし、標線間距離が200mmとなるように標線を引き、測定試料とした(図3参照)。次いで、長さ520mmの指示棒に測定試料の両端を固定し、固定部の熱収縮性多層フィルムを外側に折り曲げ(図4参照)、温度:70℃又は100℃、湿度:25%に設定した恒温恒湿槽(ナガノサイエンス社製、LH31−12M)に横穴から投入した。投入から10秒後に熱収縮性多層フィルムを取り出し、標線距離を測定し、下記式から標線間の収縮率を算出した。
乾熱収縮率={(200−収縮後の標線間距離(mm))/200}×100
なお、乾熱収縮率としては3つの測定試料に対する測定結果の平均値を用いた。また、平均値よりも2%以上離れた値はカウントしないこととした。
得られた熱収縮性多層フィルムを、TD方向(主収縮方向)が長辺となるように、100mm×200mmにカットし、1,4−ジオキソラン100重量部に対してシクロヘキサン40重量部を混合した溶剤を用いてMD方向(主収縮方向と直交する方向)と平行となるように幅5mmで溶剤シールし、センターシール部が中央となるように扁平に折り畳み、筒状の熱収縮性ラベルを得た。
その後、TD方向の収縮率を規制できるような冶具を用いて、熱収縮性ラベルを100℃の温水に30秒間浸漬させTD方向に5%収縮させた。
その際のセンターシール部の外観を観察して中間層と表裏層とのずれを確認し、以下の基準で評価した。
〇:センターシール部の中間層と表裏層とのずれが0.1mm未満であった。
×:センターシール部の中間層と表裏層とのずれが0.1mm以上であった。
実施例1〜10及び比較例1〜3で得られた熱収縮性多層フィルムを用いて、折径132mm、長さ110mmのラベルを作製した。
カブセ式シュリンクトンネルK−1000(協和電気社製)をトンネル温度95℃、風量20Hz、ベルト速度25Hz(通過時間25秒)に設定して、トンネル1とした。
また、カブセ式シュリンクトンネルK−100(協和電気社製)をトンネル温度100℃、風量40Hz、ベルト速度25Hz(通過時間25秒)に設定して、トンネル2とした。
次いで、スプレーボトル(カビキラー(登録商標)スプレーボトル:容量400ml、幅102mm、奥行き57mm、高さ164mm)に、得られたラベルを装着し、トンネル1を通過し、常温雰囲気下を7秒通過した後、トンネル2を通過させてラベルを収縮・装着させた。
ラベルの装着性(装着仕上がり)は以下のように評価した。
〇:ラベルの収縮不足等による外観不良がなかった。
×:ラベルの上端部などに収縮不足等による外観不良がみられた。
2 接着層
3 中間層
4 接着層
5 表裏層
6 表裏層
7 接着層
8 中間層
9 接着層
10 表裏層
11 容器
Claims (5)
- ポリエステル系樹脂からなる表裏層と、ポリスチレン系樹脂からなる中間層とが、接着層を介して積層されてなる熱収縮性多層フィルムであって、
前記中間層を構成するポリスチレン系樹脂は、ビカット軟化温度が80℃以上であるポリスチレン系樹脂(A)とビカット軟化温度が80℃未満であるポリスチレン系樹脂(B)とを含む混合樹脂であり、
80℃の温水中に30秒間浸漬させた場合の最大収縮応力が3.5〜11MPaであることを特徴とする熱収縮性多層フィルム。 - 表裏層を構成するポリエステル系樹脂のガラス転移温度が55〜95℃であることを特徴とする請求項1記載の熱収縮性多層フィルム。
- 中間層を構成するポリスチレン系樹脂は、ポリスチレン系樹脂(A)を1〜60重量%、ポリスチレン系樹脂(B)を40〜99重量%含有する混合樹脂であることを特徴とする請求項1又は2記載の熱収縮性多層フィルム。
- 接着層は、ポリスチレン系樹脂を35〜70重量%、ポリエステル系エラストマーを30〜65重量%含有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の熱収縮性多層フィルム。
- 請求項1、2、3又は4記載の熱収縮性多層フィルムを用いてなることを特徴とする熱収縮性ラベル。
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