JP2015159449A - 半導体装置及び電子カメラ - Google Patents

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Abstract

【課題】歩留りの向上を図ることができる半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置1は、配線が形成された基板2と、一方の主面の少なくとも一部の領域が基板2と対面するように重ねられ、基板2と接合された半導体チップ3と、を備える。前記一方の主面の外縁領域R4の少なくとも一部3aの、基板2からの距離d1+d2が、半導体チップ3の前記一方の主面の内側の有効領域R1の、基板2からの距離d1よりも長い。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体チップが他の半導体チップ等の基板に重ねられ接合された半導体装置、及び、これを用いた電子カメラに関するものである。
下記特許文献1には、第1の半導体チップと、当該第1の半導体チップの下方に配置された第2の半導体チップとを備え、前記第1の半導体チップと前記第2の半導体チップの回路面同士がバンプを介して接続された半導体装置が、開示されている。
特開2005−260053号公報
本発明者の研究の結果、前記従来の半導体装置のような半導体装置では、前記バンプの高さを低くして第1及び第2の半導体チップ間の間隔を狭め、CoC(Chip on Chip)又はCoW(Chip on Wafer)などにより、ダイシング後の第1の半導体チップをダイシング前又はダイシング後の第2の半導体チップに接合することによって製造すると、歩留りが低下してしまうことが判明した。
この点は、2つの半導体チップ同士を重ねて接合した半導体装置のみならず、半導体チップを半導体チップ以外の配線が形成された基板に重ねて接合した半導体装置についても同様である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、歩留りの向上を図ることができる半導体装置、及び、これを用いた電子カメラを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段として、以下の各態様を提示する。第1の態様による半導体装置は、配線が形成された基板と、一方の主面の少なくとも一部の領域が前記基板と対面するように重ねられ、前記基板と接合された半導体チップと、を備え、前記一方の主面の外縁領域の少なくとも一部の、前記基板からの距離が、前記半導体チップの前記一方の主面の内側の有効領域の、前記基板からの距離よりも長いものである。
第2の態様による半導体装置は、前記第1の態様において、前記一方の主面の外縁領域の少なくとも一部は、前記一方の主面の外縁領域のうち前記基板と重なっている領域の少なくとも一部であるものである。
前記第2の態様では、前記一方の主面の外縁領域のうち前記基板と重なっている領域の前記少なくとも一部の領域には、必ずしも突起部分が存在する必要はなく、その領域に突起部分が存在せずに、その領域の全体が非突起部分になっていてもよい。
第3の態様による半導体装置は、前記重なっている領域において前記少なくとも一部に比べて前記基板側に突出した突起部分が存在し、前記突起部分は前記基板に達していないものである。
第4の態様による半導体装置は、前記第1乃至第3のいずれかの態様において、前記半導体チップは、前記半導体チップは、前記有効領域を取り囲むシールリングを有し、前記外縁領域は、前記シールリングよりも外側の領域であるものである。
第5の態様による半導体装置は、前記第4の態様において、前記半導体チップは、前記一方の主面における前記シールリングよりも外側の位置において外縁側が低くなる段差を有するものである。
第6の態様による半導体装置は、前記第1乃至第5のいずれかの態様において、前記半導体チップは、前記有効領域において形成されたLow−k膜を有するものである。
第7の態様による半導体装置は、前記第1乃至第6のいずれかの態様において、前記外縁領域の前記少なくとも一部の、前記基板からの距離は、前記一方の主面の有効領域の、前記基板からの距離よりも3μm以上長いものである。
第8の態様による半導体装置は、前記第1乃至第7のいずれかの態様において、前記基板は前記半導体チップとは別の半導体チップであるものである。
第9の態様による半導体装置は、前記第1乃至第7のいずれかの態様において、前記半導体チップが撮像領域を有するか、あるいは、前記基板が撮像領域を有する半導体チップであるものである。
第10の態様による電子カメラは、前記第9の態様による半導体装置を備えたものである。
本発明によれば、歩留りの向上を図ることができる半導体装置、及び、これを用いた電子カメラを提供することができる。
本発明の第1の実施の形態による半導体装置を模式的に示す概略断面図である。 図1中のA部付近の拡大図である。 図1中の上側の半導体チップを製造する途中のウエハの一部を模式的に示す概略平面図である。 図3中のB−B’線に沿った概略断面図である。 図3に示すウエハに対してダイシング領域に凹部を形成した状態のウエハの一部を模式的に示す概略平面図である。 図5中のC−C’線に沿った概略断面図である。 図5に示すウエハをダイシングして、そのウエハを図1中の上側の半導体チップに個片化した状態を模式的に示す概略平面図である。 図7中のD−D’線に沿った概略断面図である。 比較例による半導体装置を模式的に示す一部拡大概略断面図である。 図3に示すウエハをダイシングして、そのウエハを図9中の上側の半導体チップに個片化した状態を模式的に示す概略平面図である。 図10中のD−D’線に沿った概略断面図である。 図1に示す半導体装置の他の状態を模式的に示す概略断面図である。 図12中のF部付近の拡大図である。 比較例による半導体装置の他の状態を模式的に示す一部拡大概略断面図である。 図1に示す半導体装置の更に他の状態を模式的に示す概略断面図である。 本発明の第2の実施の形態による半導体装置を模式的に示す概略断面図である。 本発明の第3の実施の形態による半導体装置を模式的に示す概略断面図である。 図17中のG部付近の拡大図である。 本発明の第4の実施の形態による電子カメラを模式的に示す概略断面図である。
以下、本発明による半導体装置及び電子カメラについて、図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態による半導体装置1を模式的に示す概略断面図である。図2は、図1中のA部付近の拡大図である。
本実施の形態による半導体装置1は、配線が形成された基板としての半導体チップ2と、一方の主面(図1中の下面)の少なくとも一部の領域が半導体チップ2と対面するように重ねられ、半導体チップ2と接合された半導体チップ3と、を備えている。
本実施の形態では、半導体チップ2の主面のサイズが半導体チップ3の主面のサイズよりも大きくされ、半導体チップ3の下面の全領域が半導体チップ2と重なっている。もっとも、本発明では、これに限らず、例えば、それらのサイズが同一で両者がちょうど重なっていてもよい。
本実施の形態では、半導体チップ2の上面及び半導体チップ3の下面の対応する位置にそれぞれ電極パッド(図示せず)が形成されており、それらの間がバンプ4によって電気的及び機械的に接合されている。これにより、半導体チップ3が半導体チップ2上にフリップチップ(Flip Chip)実装されている。バンプ4としては、例えば、Auスタッドバンプ、半田バンプ、Auメッキバンプ又はCuメッキバンプ等を採用することができる。また、本実施の形態では、半導体チップ2,3間が接着剤5によって接着され、これにより、半導体チップ2,3間の接合の機械的強度が補強されている。半導体チップ2,3間の距離(バンプ4の高さに相当)をd1で示している。
本実施の形態では、半導体チップ2,3の基板材料はシリコンとされ、半導体チップ2,3はいわゆるシリコンチップとなっている。もっとも、本発明では、半導体チップ2,3の基板材料は必ずしもシリコンに限定されるものではない。
なお、図面には示していないが、本実施の形態では、半導体チップ2の下面側がシリコン基板等の半導体基板側で、半導体チップ2の上面側(半導体チップ3側)が半導体基板上に形成された配線層の側となっている。また、本実施の形態では、半導体チップ3の上面側がシリコン基板等の半導体基板側で、半導体チップ3の下面側(半導体チップ2側)が半導体基板上に形成された配線層の側となっており、半導体チップ2,3が互いにフェースツーフェース(Face to Face)で接合されている。もっとも、本発明では、これに限らず、例えば、半導体チップ3の下面側(半導体チップ2側)がシリコン基板等の半導体基板側で、半導体チップ3の上面側が半導体基板上に形成された配線層の側としてもよい。この場合、バンプ4により接合される半導体チップ3の下面の電極パッドは、例えば、半導体チップ3に形成したTSV(シリコン貫通ビア、through-silicon via)を介して半導体チップ3の上面側の配線層等と接続することができる。
図面には示していないが、半導体チップ2,3には公知の構造などによりそれぞれ所定の配線や回路や素子などが形成され、全体として所定の機能(例えば、メモリとしての機能や、ロジックLSIとしての機能など)を実現するようになっている。その機能に応じて、本実施の形態による半導体装置1は、メモリ装置やロジックLSIなどとして構成される。これらの点は、後述する第2の実施の形態についても同様である。もっとも、本発明を適用し得る半導体装置の具体例は、メモリやロジックLSIなどや後述する固体撮像装置などに限らない。
本実施の形態では、半導体チップ3の下面の外縁領域(外縁付近の領域)の少なくとも一部(本実施の形態では、半導体チップ3の下面の外縁領域のうち半導体チップ2と重なっている領域の全部(本実施の形態では、半導体チップ3の全周に渡る領域)R4における非突起部分3a)の、半導体チップ2からの距離d1+d2が、半導体チップ3の下面の内側の有効領域R1の、半導体チップ2からの距離d1よりも段差量d2だけ長くされている。もっとも、本発明では、これに限らず、半導体チップ3の下面の外縁領域のうち半導体チップ2と重なっている領域の一部(例えば、半導体チップ3の外周の全周(4辺)のうちの3辺のみに渡る領域)のみにおける非突起部分3aの、半導体チップ2からの距離を、半導体チップ3の下面の有効領域R1の、半導体チップ2からの距離よりも長くしてもよい。この場合にも、本実施の形態ほどではないものの、半導体チップ3の下面の外縁領域R4の領域の全部における非突起部分3aの半導体チップ2からの距離を半導体チップ3の下面の有効領域R1の半導体チップからの距離と同一にする場合(後述する比較例の場合)に比べて、歩留りが向上する。なお、有効領域R1は、半導体チップ3が所望の本来の機能を実現するための回路や素子等が形成される領域である。
本実施の形態では、半導体チップ3は、有効領域R1と、有効領域R1を取り囲むシールリング(図1及び図2では、図示せず)の形成領域(シールリング形成領域)R2と、シールリング形成領域R2の外側でかつ外縁までのダイシング領域(厳密に言えば、ダイシング領域の残存領域)R3とを有している。本実施の形態では、ダイシング領域R3におけるシールリング形成領域R2から外側に所定余裕距離だけ離れた位置に、外縁側が低くなる段差3cが形成され、これにより、前記領域R4の非突起部分3aの半導体チップ2からの距離d1+d2が半導体チップ3の下面の有効領域R1の半導体チップ2からの距離d1よりも段差量d2だけ長くなっている。
図2に示す例では、半導体チップ3の下面における前記領域R4には、部分的に、非突起部分3aに比べて半導体チップ2側に突出した突起部分3bが存在している。本実施の形態では、非突起部分3aからの突起部分3bの高さhが距離d1+d2よりも小さくなる(すなわち、突起部分3bが半導体チップ2の上面に達しない)ように、距離d1及び高さhを考慮して段差量d2が設定されている。突起部分3bの形成要因の例については後述する。なお、本発明では、半導体チップ3の下面の前記領域R4に部分的に突起部分3bが存在する場合に限定されるものではなく、半導体チップ3の下面の前記領域R4に突起部分3bが全く存在せずに、その領域R4が非突起部分3aのみからなる場合でもよい。この場合にも、歩留り向上効果が得られる。この点は、後に、図12乃至図15を参照して説明する。
ここで、図1中の上側の半導体チップ3を製造する方法の一例について、図3乃至図8を参照して説明する。
図3は、図1中の上側の半導体チップ3を製造する途中のウエハ10の一部を模式的に示す概略平面図である。理解を容易にするため、図3では、導電体層13,14にハッチングを付している。図4は、図3中のB−B’線に沿った概略断面図である。図3及び図4は、ウエハ10に対する基本的な半導体製造工程が終了した状態を示している。図3及び図4は、ダイシング領域R30の一部、ダイシング領域R30の図中左側の1つの半導体チップ3となるべき部分のシールリング形成領域R2及び有効領域R1、並びに、ダイシング領域R30の図中右側の1つの半導体チップ3となるべき部分のシールリング形成領域R2及び有効領域R1を、模式的に示している。
これらの領域R1,R2,R30には、半導体基板11上に、配線層等を構成する金属層等からなる複数層の導電体層、及び、複数の層間絶縁膜12が形成されている。本例では、層間絶縁膜12として、Low−k膜が用いられている。Low−k膜は、二酸化シリコンの誘電率よりも低い誘電率を有する低誘電率材料からなる膜であり、例えば膜中に空孔等を導入したり、誘電率の低い材料を配合する等して誘電率の低減を図った膜である。もっとも、本発明では、層間絶縁膜12として、例えば、シリコン酸化膜(二酸化シリコン膜)を用いてもよい。
シールリング形成領域R2において有効領域R1を取り囲むように形成された導電体層13によって、シールリングが構成されている。シールリングは、ウエハ10をダイシング領域R30でダイシングする際などに、クラックや静電気を堰き止めて有効領域R1を保護するものである。また、ダイシング領域R30において形成された導電体層14によって、TEG(Test Element Group)が構成されている。
図1中の上側の半導体チップ3を製造する場合、図3及び図4に示す状態のウエハ10に対して、図5及び図6に示すように、ダイシング領域R30に凹部10aを形成する。図5は、図3に示すウエハ10に対してダイシング領域R30に凹部10aを形成した状態のウエハの一部を模式的に示す概略平面図であり、図3に対応している。図6は、図5中のC−C’線に沿った概略断面図であり、図4に対応している。凹部10aの立ち上がりが、前述した半導体チップ3の段差3cに相当している。そこで、図5において、凹部10aの立ち上がりに符号3cを付している。凹部10aの形成は、例えば、エッチングによって行うことができる。なお、本例では、凹部10aの底部に、Low−k膜や導電体層が残っているが、これらが残らないように、凹部10aを深く形成してもよい。この場合、半導体基板11の一部を除去しなくてもよいし、半導体基板11の一部も除去して凹部10aを形成してもよい。また、本例では、図3及び図4に示す状態からエッチングにより凹部10aを形成しているが、例えば、層間絶縁膜や導電体層の各々を形成するときに各層毎にエッチングでパターニングすることによって、凹部10aを形成してもよい。
その後、図7及び図8に示すように、図5及び図6に示す状態のウエハ10を、ダイシング領域R30に沿ってダイシングすることによって、ウエハ10を個片化して各半導体チップ3に分離する。これにより、図1中の上側の半導体チップ3が完成する。図7は、図5に示すウエハ10をダイシングして、そのウエハ10を図1中の上側の半導体チップ3に個片化した状態を模式的に示す概略平面図であり、図5に対応している。図8は、図7中のD−D’線に沿った概略断面図であり、図6に対応している。なお、図2と図8とでは、上下が反転している。
このダイシングは、Low−k膜の脆弱性を考慮して、ブレードによる通常のダイシングに比べてクラックの生じ難いレーザーダイシングによって行うことが好ましい。このとき、レーザーダイシングを最後まで行ってもよいし、Low−k膜が除去されるまでレーザーダイシングを行った後にブレードによる通常のダイシングを行ってもよい。レーザーダイシングでは、ウエハ10に高出力のレーザー光を照射し、レーザー光の熱励起によってダイシング領域のウエハ部材を昇華させてウエハ10をカットする。その際、昇華したウエハの燃えカス(デブリ)の一部がカット部付近に再付着して堆積して、ダイシング領域R30のうちダイシング後に残ったダイシング領域R3において、凹部10aの底面上に残渣として残る。前記残渣は、半導体チップ3のダイシング領域R3においてデブリの堆積した突起部分3bとして残る。ダイシング後に残ったダイシング領域R3の凹部10aの底面に相当する部分のうち、突起部分3bを除く部分が、非突起部分3aとなる。突起部分3bの高さhは、レーザーカット条件を最適化することによりある程度抑制可能だが、完全にゼロにすることは困難である。なお、図面表記の便宜上、図7では、突起部分3bは点状をなし等間隔に位置しているかのように示している。しかし、実際には、突起部分3bは点状のみならず筋状をなす場合もあるし、位置の間隔等もランダムになる。
ウエハ10のダイシングは、レーザーダイシングによって行う代わりに、最初から最後までブレードによる通常のダイシングによって行ってもよい。この場合、突起部分3bは、前記デブリによる突起部分ではなく、ダイシング領域R3における半導体チップ3の外縁付近に生ずるいわゆるバリ(金属層等の導電体層や層間絶縁膜の剥離や欠けに起因するめくれ上がりや膨れあがりなどによる突起部分)となる。なお、図面では、突起部分3bは前記デブリによる突起部分であるものとし、突起部分3bをバリのように半導体チップ3の外縁に接しては配置していない。
突起部分3bの他の要因として、領域R3に付着したゴミによるパーティクルも挙げることができる。このパーティクルについては、FC実装時の工程のクリーン化によるゴミの混入対策を実施することにより抑制できるが、フリップチップ実装する半導体チップ2,3間の距離d1が小さくなるほど、許容できるゴミのサイズが小さくなり、クリーン環境管理の難易度は高くなる。
なお、個片化された半導体チップ3は、例えば、CoC(Chip on Chip)によって、ウエハから個片化された半導体チップ2に対してフリップチップ実装してもよいし、CoW(Chip on Wafer)によって、個片化される前の半導体チップ2のウエハに対してフリップチップ実装し、その後に半導体チップ2を個片化するダイシングを行ってもよい。
図9は、本実施の形態による半導体装置1と比較される比較例による半導体装置21を模式的に示す一部拡大概略断面図であり、図2に対応している。図9において、図2中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
この比較例による半導体装置21が本実施の形態による半導体装置1と異なる所は、本実施の形態では、ダイシング領域R3において段差3cが形成され、半導体チップ3の下面の外縁領域R4における非突起部分3aの半導体チップ2からの距離d1+d2が、半導体チップ3の下面の有効領域R1の半導体チップ2からの距離d1よりも段差量d2だけ長くされているのに対し、この比較例では、ダイシング領域R3において段差3cが形成されず、半導体チップ3の下面の外縁領域における非突起部分3aの半導体チップ2からの距離も、半導体チップ3の下面の有効領域R1の半導体チップ2からの距離と同一にされている点のみである。
ここで、図9中の上側の半導体チップ3を製造する方法の一例について、前述した図3及び図4の他に、図10及び図11を参照して説明する。
図9中の上側の半導体チップ3を製造する場合には、図10及び図11に示すように、図3及び図4に示す状態のウエハ10を、ダイシング領域R30に沿ってダイシングすることによって、ウエハ10を個片化して各半導体チップ3に分離する。これにより、図9中の上側の半導体チップ3が完成する。図10は、図3に示すウエハ10をダイシングして、そのウエハ10を図9中の上側の半導体チップ3に個片化した状態を模式的に示す概略平面図であり、図3に対応している。図11は、図10中のE−E’線に沿った概略断面図であり、図4に対応している。なお、図11と図9とでは、上下が反転している。
このダイシングをレーザーダイシングによって行うと、昇華したウエハの燃えカス(デブリ)の一部がカット部付近に再付着して堆積して、ダイシング領域R30のうちダイシング後に残ったダイシング領域R3において、有効領域R1と同一の高さの部分の上に残渣として残る。前記残渣は、半導体チップ3のダイシング領域R3においてデブリの堆積した突起部分3bとして残る。ダイシング後に残ったダイシング領域R3における有効領域R1と同一の高さの部分のうち、突起部分3bを除く部分が、非突起部分3aとなる。
この比較例においても、本実施の形態と同様に、突起部分3bの他の要因として、ウエハ10のダイシングとして最初から最後までブレードによる通常のダイシングを行った場合に半導体チップ3の外縁付近に生ずるいわゆるバリや、領域R3に付着したゴミによるパーティクルも挙げることができる。
この比較例において、半導体チップ2,3間の距離(バンプ4の高さに相当)d1が小さく設定され、非突起部分3aからの突起部分3bの高さhが半導体チップ2,3間の距離d1よりも長くなると、突起部分3bが半導体チップ2の上面に到達してしまい、突起部分3bが半導体チップ2の表面と接触するなど干渉し、半導体チップ2の当該部分が破壊され、半導体チップ2がダメージを受けてしまい、当該半導体装置21は不良品となり、歩留りが低下してしまう。勿論、距離d1を十分に長くすれば、突起部分3bが半導体チップ2の上面に到達せず、歩留りが低下することはない。しかし、半導体チップ2,3間の信号の授受の数を増やしバンプ4の分布密度を高めてバンプ4のピッチを狭めようとすると、バンプ4の形状のアスペクト比を1.0から大きく外れた値に設定することは困難であることから、バンプ4としてマイクロバンプを採用し、バンプ4の高さ(すなわち、半導体チップ2,3間の距離d1)を短くせざるを得ず、歩留りが低下してしまうのである。
これに対し、本実施の形態では、ダイシング領域R3において段差3cが形成され、半導体チップ3の下面の外縁領域R4における非突起部分3aの半導体チップ2からの距離d1+d2が、半導体チップ3の下面の有効領域R1の半導体チップ2からの距離d1よりも段差量d2だけ長くされているので、前記比較例に比べて、段差量d2の分だけ突起部分3bが半導体チップ2の上面から遠ざかる。したがって、本実施の形態によれば、突起部分3bが生じたとしても、前記比較例に比べて、突起部分3bが半導体チップ2の上面に到達し難くなり、半導体チップ2のダメージが回避され、歩留りが向上し、コスト低減を図ることができる。
次に、本実施の形態による半導体装置1によれば、半導体チップ3の下面の前記領域R4に突起部分3bが全く存在せずに、その領域R4が非突起部分3aのみからなる場合であっても、歩留り向上効果が得られる点について、図12乃至図15を参照して説明する。
図12は、突起部分3bが存在せずに、図1に示す半導体装置1の他の状態(半導体チップ2の上面と半導体チップ3の下面とが平行にならずに傾いた状態)を模式的に示す概略断面図であり、図1に対応している。図13は、図12中のF部付近の拡大図であり、図2に対応している。図14は、前述した比較例による半導体装置21の他の状態(半導体チップ2の上面と半導体チップ3の下面とが平行にならずに傾いた状態)を模式的に示す一部拡大概略断面図であり、図13に対応している。図15は、突起部分3bが存在せずに、図1に示す半導体装置1の更に他の状態(半導体チップ2の上面が上に凹形状に反るとともに、半導体チップ3の下面が下に凹形状に反った状態)を模式的に示す概略断面図であり、図1に対応している。
フリップチップ実装時には、フリップチップ実装する半導体チップ3の実装面(ここでは、下面)と、実装される半導体チップ2(又は半導体チップ2となるべきウエハ)の実装面(ここでは、上面)とは、それらの面同士が干渉しないように極力平行に配置されるが、フリップチップ実装装置の実装精度に起因して生産技術上、ある程度の誤差が発生し、前記実装面同士の平行度には誤差が生じる。したがって、図12乃至図14に示すように、フリップチップ実装後に、両実装面同士が完全には平行にならずに、両実装面はわずかながら交角を形成する。
したがって、比較例による半導体装置21では、図14に示すように、半導体チップ2,3の実装面同士の平行度に応じて、半導体チップ3の端部が半導体チップ2の上面と干渉し、半導体チップ2の当該部分が破壊され、半導体チップ2がダメージを受けてしまい、当該半導体装置21は不良品となり、歩留りが低下してしまう。特に、バンプ4として高さの低いマイクロバンプを採用した場合や、半導体チップ3のサイズが大きい場合には、半導体チップ3の端部が半導体チップ2の上面と干渉し易いため、その干渉を回避するためには、前記平行度を厳しく管理する必要が生ずる。このような不具合は、前述した突起部分3bが存在していない場合にも発生する問題である。
これに対し、本実施の形態では、図13に示すように、ダイシング領域R3において段差3cが形成され、半導体チップ3の下面の外縁領域R4における非突起部分3aの半導体チップ2からの距離が、半導体チップ3の下面の有効領域R1の半導体チップ2からの距離よりも段差量d2だけ長くされているので、半導体チップ2,3の実装面同士の平行度が悪化しても、半導体チップ3の端部が半導体チップ2(又は半導体チップ2となるべきウエハ)の上面と接触することなく、半導体チップ2のダメージが回避される。したがって、本実施の形態によれば、歩留りが向上するとともに、前記平行度をさほど厳しく管理せずにすみ、生産の高効率化を図ることができ、コスト低減を図ることができる。
また、実装する半導体チップ2,3の実装面はそれぞれ完全な平面ではなく、凸形状や凹形状などに反っている。場合によっては、それらの実装面は、鞍型の形状など複雑な形状をとる。図15は、半導体チップ2の実装面(上面)が上に凹形状に反るとともに、半導体チップ3の実装面(下面)が下に凹形状に反る場合を示している。この場合、比較例による半導体装置21では、半導体チップ3を半導体チップ2に対してどのように実装しても、図8の場合と同様に、半導体チップ2の端部が半導体チップ3の上面と接触する。ウエハプロセス条件を制御して、半導体チップ2,3の反りを抑制して管理することは可能であるが、半導体チップ2,3の反り量を完全に無くすことは困難である。このような不具合も、前述した突起部分3bが存在していない場合にも発生する問題である。
これに対し、本実施の形態では、ダイシング領域R3において段差3cが形成され、半導体チップ3の下面の外縁領域R4における非突起部分3aの半導体チップ2からの距離d1+d2が、半導体チップ3の下面の有効領域R1の半導体チップ2からの距離d1よりも段差量d2だけ長くされているので、実装する半導体チップ2,3が図15に示すように反っていても、図13の場合と同様に、半導体チップ3の端部が半導体チップ2(又は半導体チップ2となるべきウエハ)の上面と接触することなく、半導体チップ2のダメージが回避される。したがって、本実施の形態によれば、歩留りが向上するとともに、フリップチップ実装時の半導体チップ2,3の反り量をさほど厳しく管理せずにすみ、生産の高効率化を図ることができ、コスト低減を図ることができる。
先の説明からわかるように、段差量d2が大きいほど、半導体チップ2の突起部分3bや端部が半導体チップ3の上面に接触し難くなることから、歩留りを向上することができるので、好ましい。歩留りをより向上するためには、段差量d2は、3μm以上であることが好ましく、4μm以上であることがより好ましい。特に、以下に説明する理由で、段差量d2は、5μm以上であることがより好ましく、10μm以上であることがより一層好ましい。
Low−k膜を使用したウエハでの、レーザーダイシングによるデブリの堆積に起因する突起部分3bの高さhは、ダイシング条件を最適化しても、5μm〜10um以下に安定的に抑制することは困難である。また、ブレードによる通常のダイシングによるバリに起因する突起部分3bの高さhは、現状では、少なくとも3μm〜5um程度となる。よって、段差量d2を5μm以上としなければ、突起部分3bが、半導体チップ3の有効領域R1の下面の位置よりも下方へ(半導体チップ2の側へ)突き出ることとなる。半導体チップ2,3間の距離d1にも依存するが、バンプ4としてバンプサイズ及びピッチ間距離が狭いマイクロバンプを採用することを想定すると、距離d1は3μm〜5um程度になる場合がある。したがって、段差量d2は5μm以上であることが好ましい。更には、既に述べたように、実装する半導体チップ2,3に少なからず反りがあることや、実装後の半導体チップ2,3の実装面の平行度にも誤差が発生することから、半導体チップ2,3の反りや実装後の平行度不足に起因する半導体チップ2の端部の干渉を考慮すると、段差量d2を10um以上にすることがより好ましい。
なお、本実施の形態では、半導体チップ3がフリップチップ実装される配線が形成された基板として、半導体チップ2が用いられているが、本発明では、その基板として、配線が形成されたガラス基板やガラスエポキシ基板やセラミック基板等を用いてもよい。この点は、後述する第2の実施の形態についても同様である。
[第2の実施の形態]
図16は、本発明の第2の実施の形態による半導体装置31を模式的に示す概略断面図であり、図1に対応している。図16において、図1中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
本実施の形態が前記第1の実施の形態と異なる所は、半導体チップ3と並べて半導体チップ2上に配置され半導体チップ2と接合された半導体チップ32,33が追加されている点である。半導体チップ32,33の主面の各サイズが半導体チップ2の主面のサイズよりも小さくされ、半導体チップ32の下面の全領域及び半導体チップ33の下面の全領域がそれぞれ半導体チップ2と対面するように重なっている。
本実施の形態では、半導体チップ2の上面及び半導体チップ32の下面の対応する位置にそれぞれ電極パッド(図示せず)が形成されており、それらの間がバンプ34によって電気的及び機械的に接合されている。これにより、半導体チップ32が半導体チップ2上にフリップチップ実装されている。半導体チップ2,32間が接着剤35によって接着され、これにより、半導体チップ2,32間の接合の機械的強度が補強されている。
また、本実施の形態では、半導体チップ2の上面及び半導体チップ33の下面の対応する位置にそれぞれ電極パッド(図示せず)が形成されており、それらの間がバンプ36によって電気的及び機械的に接合されている。これにより、半導体チップ33が半導体チップ2上にフリップチップ実装されている。半導体チップ2,33間が接着剤37によって接着され、これにより、半導体チップ2,32間の接合の機械的強度が補強されている。
本実施の形態では、半導体チップ3の下面の外縁領域のうち半導体チップ2と重なっている領域の全部(本実施の形態では、半導体チップ3の全周に渡る領域)R4における非突起部分3aの半導体チップ2からの距離が、半導体チップ3の下面の内側の有効領域R1の半導体チップ2からの距離よりも段差量d2だけ長くされているのと同様に、半導体チップ32の下面の外縁領域のうち半導体チップ2と重なっている領域の全部(本実施の形態では、半導体チップ32の全周に渡る領域)における非突起部分の半導体チップ2からの距離が、半導体チップ32の下面の内側の有効領域の半導体チップ2からの距離よりも長くされるとともに、半導体チップ33の下面の外縁領域のうち半導体チップ2と重なっている領域の全部(本実施の形態では、半導体チップ33の全周に渡る領域)における非突起部分の半導体チップ2からの距離が、半導体チップ33の下面の内側の有効領域の半導体チップ2からの距離よりも長くされている。
本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態と同じく半導体チップ3による半導体チップ2のダメージが回避されるだけでなく、それと同様に、半導体チップ32,33による半導体チップ2のダメージが回避され、歩留りが向上する。
[第3の実施の形態]
図17は、本発明の第3の実施の形態による半導体装置としての固体撮像装置41を模式的に示す概略断面図である。図18は、図17中のG部付近の拡大図である。
本実施の形態による固体撮像装置41は、撮像領域42aを有する半導体チップ42と、透光性部材としての透光性板43と、半導体チップ42と接合された2つの半導体チップ44と、2つの半導体チップ44にそれぞれ接合された2つのフレキシブル配線基板45とを備えている。
本実施の形態では、半導体チップ42は、チップとして構成されたCMOS、CCD等のイメージセンサであり、撮像領域42aには複数の画素(図示せず)が2次元状に配置されている。半導体チップ42は、透光性板43を介して撮像領域42aに入射した入射光を光電変換して、画像信号を出力する。例えば、半導体チップ42には、前記画素の他に、前記画素を駆動して画像信号を読み出す読み出し回路(図示せず)が搭載され、一方の半導体チップ44には、半導体チップ42から出力される一部の画像信号に対してAD変換等の処理を行う処理回路が搭載され、他方の半導体チップ44には、半導体チップ42から出力される残りの画像信号に対してAD変換等の処理を行う処理回路が搭載される。各半導体チップ44から出力される出力信号は、各フレキシブル配線基板45を介して、外部へ出力されるようになっている。各フレキシブル配線基板45の上面の電極パッド(図示せず)と各半導体チップ44の下面の電極パッド(図示せず)との間が、例えばAuスタッドバンプ等のバンプ49により接合されている。
透光性板43は、撮像領域42aを覆うように半導体チップ42の上に配置され、半導体チップ42の撮像領域42aの外周の全体に渡って額縁状に半導体チップ42の上面(撮像領域42aの側の面)に配置された接着剤46によって、半導体チップ42に接着されている。これにより、撮像領域42aと透光性板43との間の空間の気密性が保たれるように、透光性板43と半導体チップ42との間が封止されている。透光性板43の材料としては、例えば、α線対策のガラス(α線の放出量を十分に低減したガラス)や、光学ローパスフィルタである水晶などを使用することができる。
図17中の右側の半導体チップ44の下面の一部の領域(図17中の左の外縁側の領域)のみが半導体チップ42の上面の一部の領域(撮像領域42aの外側の領域であって、図17中の右の外縁側の領域)と対面するように重なっており、図17中の右側の半導体チップ44が半導体チップ42に対して図17中の右方向へオフセット(シフト)している。また、図17中の左側の半導体チップ44の下面の一部の領域(図17中の右の外縁側の領域)のみが半導体チップ42の上面の一部の領域(撮像領域42aの外側の領域であって、図17中の左の外縁側の領域)と対面するように重なっており、図17中の左側の半導体チップ44が半導体チップ42に対して図17中の左方向へオフセット(シフト)している。
本実施の形態では、半導体チップ42の上面及び各半導体チップ44の下面の対応する位置にそれぞれ電極パッド(図示せず)が形成されており、それらの間がバンプ47によって電気的及び機械的に接合されている。これにより、各半導体チップ44が半導体チップ42上にフリップチップ実装されている。バンプ27としては、例えば、Auスタッドバンプ、半田バンプ、Auメッキバンプ又はCuメッキバンプ等を採用することができる。また、本実施の形態では、半導体チップ42と各半導体チップ44との間が接着剤48によって接着され、これにより、半導体チップ42と各半導体チップ44との間の接合の機械的強度が補強されている。半導体チップ42と各半導体チップ44との間の距離(バンプ47の高さに相当)をd1’で示している。
本実施の形態では、半導体チップ42,44の基板材料はシリコンとされ、半導体チップ42,44はいわゆるシリコンチップとなっている。もっとも、本発明では、半導体チップ2の基板材料は必ずしもシリコンに限定されるものではない。半導体チップ42,44はいずれも、配線が形成された基板に相当している。図面には示していないが、半導体チップ42,44は、前記第1の実施の形態における半導体チップ3と同様に、Low−k膜を有している。
なお、図面には示していないが、本実施の形態では、半導体チップ42の下面側がシリコン基板等の半導体基板側で、半導体チップ42の上面側(半導体チップ44側)が半導体基板上に形成された配線層の側となっている。また、本実施の形態では、半導体チップ44の上面側がシリコン基板等の半導体基板側で、半導体チップ44の下面側(半導体チップ42側)が半導体基板上に形成された配線層の側となっており、半導体チップ2,3が互いにフェースツーフェース(Face to Face)で接合されている。
本実施の形態では、各半導体チップ44に関して前記第1の実施の形態における半導体チップ3と同様に、各半導体チップ44の下面の外縁領域のうち半導体チップ42と重なっている領域R4’の全部における非突起部分44aの半導体チップ42からの距離d1’+d2’が、各半導体チップ44の下面の有効領域R1’の半導体チップ42からの距離d1’よりも段差量d2’だけ長くされている。もっとも、本発明では、これに限らず、各半導体チップ44の下面の外縁領域のうち半導体チップ42と重なっている領域の一部のみにおける非突起部分44aの半導体チップ42からの距離を、各半導体チップ44の下面の有効領域R1’の半導体チップ42からの距離よりも段差量d2’だけ長くしてもよい。
本実施の形態では、各半導体チップ44は、前記第1の実施の形態における半導体チップ3と同様に、有効領域R1’と、有効領域R1’を取り囲むシールリング(図示せず)の形成領域(シールリング形成領域)R2’と、シールリング形成領域R2’の外側でかつ外縁までのダイシング領域(厳密に言えば、ダイシング領域の残存領域)R3’とを有している。本実施の形態では、ダイシング領域R3’におけるシールリング形成領域R2’から外側に所定余裕距離だけ離れた位置に、外縁側が低くなる段差44cが形成され、これにより、前記領域R4’の非突起部分44aの半導体チップ42からの距離d1’+d2’が半導体チップ44の下面の有効領域R1’の半導体チップ42からの距離d1’よりも段差量d2’だけ長くなっている。
図18に示す例では、半導体チップ44の下面における前記領域R4’には、部分的に、前記第1の実施の形態における突起部分3bと同様の突起部分44bが存在している。本実施の形態では、非突起部分44aからの突起部分44bの高さh’が距離d1’+d2’よりも小さくなる(すなわち、突起部分44bが半導体チップ42の上面に達しない)ように、距離d1’及び高さh’を考慮して段差量d2’が設定されている。なお、本発明では、半導体チップ44の下面の前記領域R4’に部分的に突起部分44bが存在する場合に限定されるものではなく、半導体チップ44の下面の前記領域R4’に突起部分44bが全く存在せずに、その領域R4’が非突起部分44aのみからなる場合でもよい。
また、本実施の形態では、半導体チップ42に関して前記第1の実施の形態における半導体チップ3と同様に、半導体チップ42の上面の半導体チップ42の外縁領域のうち半導体チップ44と重なっている領域R4”の全部における非突起部分42aの半導体チップ44からの距離d1’+d2”が、半導体チップ42の上面の有効領域R1”の半導体チップ44からの距離d1’よりも段差量d2”だけ長くされている。もっとも、本発明では、これに限らず、半導体チップ42の上面の外縁領域のうち半導体チップ44と重なっている領域の一部のみにおける非突起部分42aの半導体チップ44からの距離を、半導体チップ42の上面の有効領域R1”の半導体チップ44からの距離よりも段差量d2”だけ長くしてもよい。
本実施の形態では、半導体チップ42は、前記第1の実施の形態における半導体チップ3と同様に、有効領域R1”と、有効領域R1”を取り囲むシールリング(図示せず)の形成領域(シールリング形成領域)R2”と、シールリング形成領域R2”の外側でかつ外縁までのダイシング領域(厳密に言えば、ダイシング領域の残存領域)R3”とを有している。本実施の形態では、ダイシング領域R3”におけるシールリング形成領域R2”から外側に所定余裕距離だけ離れた位置に、半導体チップ42の外縁側が低くなる段差42cが形成され、これにより、前記領域R4”の非突起部分42aの半導体チップ44からの距離d1’+d2”が半導体チップ42の上面の有効領域R1”の半導体チップ44からの距離d1’よりも段差量d2”だけ長くなっている。
図18に示す例では、半導体チップ42の上面における前記領域R4”には、部分的に、前記第1の実施の形態における突起部分3bと同様の突起部分42bが存在している。本実施の形態では、非突起部分42aからの突起部分42bの高さh”が距離d1”+d2”よりも小さくなる(すなわち、突起部分42bが半導体チップ44の下面に達しない)ように、距離d1”及び高さh”を考慮して段差量d2”が設定されている。なお、本発明では、半導体チップ42の上面の前記領域R4”に部分的に突起部分42bが存在する場合に限定されるものではなく、半導体チップ42の上面の前記領域R4”に突起部分42bが全く存在せずに、その領域R4”が非突起部分42aのみからなる場合でもよい。
本実施の形態では、段差量d2’,d2”は、前記第1の実施の形態における段差量d2と同様に設定される。
本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態と同様に半導体チップ44による半導体チップ42のダメージが回避されるとともに、半導体チップ42による半導体チップ44のダメージも回避され、歩留りが向上する。もっとも、本実施の形態では、半導体チップ42,44のいずれかには、段差42c又は44cを設けなくてもよい。この場合であっても、半導体チップ42,44の両方に段差42c,44cを設けない場合に比べれば、歩留りが向上する。
なお、図17及び図18に示すような半導体チップが互いにオフセットした構造を有する半導体装置としては、本実施の形態による固体撮像装置41に限定されるものではない。本発明では、例えば、図17及び図18において透光性板43を取り除き、半導体チップ42,44を中空のパッケージなどに収容して、そのパッケージを透光性板で封止した構造を有する固体撮像装置としてもよい。また、本発明では、図17及び図18においてフレキシブル配線基板45を取り除き、半導体チップ44の電極パッドと図示しない配線基板上の外部出力端子との間をボンディングワイヤで結線してもよい。さらに、本発明では、図17及び図18に示すような半導体チップが互いにオフセットした構造は、固体撮像装置以外の半導体装置に採用してもよい。
[第4の実施の形態]
図19は、本発明の第4の実施の形態による電子カメラ100を模式的に示す概略断面図である。
本実施の形態による電子カメラ100のボディ101内には、前記第3の実施の形態による固体撮像装置41が組み込まれている。本実施の形態による電子カメラ100は、一眼レフレックス型の電子スチルカメラとして構成されているが、前記第3の実施の形態による固体撮像装置41は、他の電子スチルカメラやビデオカメラや携帯電話機に搭載されたカメラ等の種々の電子カメラに組み込んでもよい。
本実施の形態による電子カメラ100では、ボディ101には交換式の撮影レンズ102が装着されている。撮影レンズ102を通過した被写体光はクイックリターンミラー103で上方に反射されてスクリーン104上に結像する。スクリーン104に結像した被写体像はペンタダハプリズム105から接眼レンズ106を通してファインダ観察窓107から観察される。クイックリターンミラー103は図示しないレリーズ釦が全押しされると上方に跳ね上がり、撮影レンズ102からの被写体像が前述した固体撮像装置41に入射する。
固体撮像装置41が、ブラケット(図示せず)及び位置調整機構(図示せず)等を介してボディ101に取り付けられることで、固体撮像装置41がボディ101内に位置決めして固定されている。
本実施の形態によれば、前記第3の実施の形態による固体撮像装置41が用いられているので、固体撮像装置41の歩留りの向上によって、コスト低減を図ることができる。
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
例えば、本発明は、3つ以上の半導体チップを順次積み重ねてフリップチップ実装した構成の半導体装置についても、適用することができる。勿論3つ以上積み重ねたチップはそれぞれのチップがオフセットした構造でもよい。また、各チップが同一サイズで、端面をそれぞれ揃えて、同一面上に積み重ねた構造でもよい。また、前記構造の組み合わせでもよい。更には3つ以上のチップのサイズが異なっており、かつ、それぞれのチップをオフセットした構造でも、端面を揃えたり、又は大きいチップの内部に小さいチップを配置した構造でもよく、また、2チップの積層構造についても、前記と同様の全ての場合が含まれる。以上、前記全ての構造は本発明に含まれることは言うもでもない。また、本発明は、3つ以上の半導体チップを順次積み重ねてフリップチップ実装した構成のいわゆる積層型のイメージセンサにも適用することができる。
1 半導体装置
2,3 半導体チップ
3a 非突起部分
3b 突起部分
3c 段差
4 バンプ
R1 有効領域
R2 シールリング形成領域
R3 ダイシング領域
R4 半導体チップ2の外縁領域

Claims (10)

  1. 配線が形成された基板と、
    一方の主面の少なくとも一部の領域が前記基板と対面するように重ねられ、前記基板と接合された半導体チップと、
    を備え、
    前記一方の主面の外縁領域の少なくとも一部の、前記基板からの距離が、前記半導体チップの前記一方の主面の内側の有効領域の、前記基板からの距離よりも長い、
    ことを特徴とする半導体装置。
  2. 前記一方の主面の外縁領域の少なくとも一部は、前記一方の主面の外縁領域のうち前記基板と重なっている領域の少なくとも一部であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の半導体装置。
  3. 前記重なっている領域において前記少なくとも一部に比べて前記基板側に突出した突起部分が存在し、
    前記突起部分は前記基板に達していない、
    ことを特徴とする請求項2記載の半導体装置。
  4. 前記半導体チップは、前記有効領域を取り囲むシールリングを有し、
    前記外縁領域は、前記シールリングよりも外側の領域である、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の半導体装置。
  5. 前記半導体チップは、前記一方の主面における前記シールリングよりも外側の位置において外縁側が低くなる段差を有することを特徴とする請求項4記載の半導体装置。
  6. 前記半導体チップは、前記有効領域において形成されたLow−k膜を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の半導体装置。
  7. 前記外縁領域の前記少なくとも一部の、前記基板からの距離は、前記一方の主面の有効領域の、前記基板からの距離よりも3μm以上長いことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の半導体装置。
  8. 前記基板は前記半導体チップとは別の半導体チップであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の半導体装置。
  9. 前記半導体チップが撮像領域を有するか、あるいは、前記基板が撮像領域を有する半導体チップであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の半導体装置。
  10. 請求項9記載の半導体装置を備えたことを特徴とする電子カメラ。
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