JP2015158150A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】運転中の内燃機関の性能を一層向上させる。【解決手段】インジェクタに供給する燃料の圧力を可変制御でき、かつ、気筒の燃焼室内で燃料が燃焼する際に点火プラグの電極を流れるイオン電流信号を検出可能な内燃機関の制御装置であって、内燃機関の温度が所定以下である始動直後の時期(S1)、燃料カットからの復帰直後の時期(S2)、または、アイドルストップからの復帰直後の時期(S3)には、内燃機関の運転領域に応じてインジェクタに供給する燃料の圧力を調整する一方、それ以外の平時には、イオン電流信号に基づいて、インジェクタに供給する燃料の圧力を調整する。【選択図】図5

Description

本発明は、インジェクタに供給する燃料の圧力を制御可能な内燃機関の制御装置に関する。
一般に、内燃機関においては、インジェクタ(燃料噴射弁)の開弁時間を調整することで燃料噴射量を制御する。通常、インジェクタに供給される燃料の圧力(以下、「燃圧」と言う。)は一定値(例えば、290kPa)に設定されており、そのときの内燃機関の運転の状況に応じた燃圧値にはなっていない。
下記特許文献1では、内燃機関が比較的高温である状態の下で再始動する場合について言及している。高温状態のまま内燃機関が停止していると、燃料配管やインジェクタ内に燃料蒸気(ベーパ)が充満する。そのため、ベーパによる始動への悪影響を抑制する目的で、再始動時の燃圧を低温の内燃機関を始動する場合と比較して高圧化して、空燃比がリーンになることによる始動性の悪化を回避している。
しかしながら、上述した先行技術は、高温再始動時の始動性を改善するのみにとどまる。即ち、従来の内燃機関では、そのときの運転の状況に応じた最適な燃圧に制御することは考えられておらず、例えば、内燃機関の温度が所定以下である始動直後の時期における耐エンスト性の悪化、並びに、燃料カットからの復帰直後の時期やアイドルストップからの復帰直後の時期における排気の悪化等の不具合を招いている。また、それ以外の運転領域においても、燃料不足による耐エンスト性・燃費性能の悪化や、燃料過多による排気・燃費性能の悪化の懸念がある。
特開平1−138341号公報
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであり、運転中の内燃機関の性能を一層向上させることを所期の目的としている。
本発明では、インジェクタに供給する燃料の圧力を可変制御でき、かつ、気筒の燃焼室内で燃料が燃焼する際に点火プラグの電極を流れるイオン電流信号を検出可能な内燃機関の制御装置であって、内燃機関の温度が所定以下である始動直後の時期、燃料カットからの復帰直後の時期、または、アイドルストップからの復帰直後の時期には、内燃機関の運転領域に応じてインジェクタに供給する燃料の圧力を調整する一方、それ以外の平時には、前記イオン電流信号に基づいてインジェクタに供給する燃料の圧力を調整する内燃機関の制御装置を構成した。
このようなものであれば、内燃機関の運転状態に対応させた最適な圧力の燃料を噴射することができる。
本発明によれば、運転中の内燃機関の性能を一層向上させることができる。
本発明の一実施形態における内燃機関の概略構成を示す図。 同実施形態における火花点火装置の回路図。 内燃機関の気筒における燃焼圧及びイオン電流のそれぞれの推移を示す図。 同実施形態における内燃機関の燃料供給系の構成を示す図。 本実施形態の制御装置が実行する処理の手順を示すフロー図。 内燃機関の気筒においてノッキングが発生した場合に検出されるイオン電流信号を例示する図。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に、本実施形態における車両用内燃機関の概要を示す。
本実施形態における内燃機関は、火花点火式ガソリンエンジンであり、複数の気筒1(図1には、そのうち一つを図示している)を具備している。各気筒1の吸気ポート近傍には、燃料を噴射するインジェクタ11を設けている。また、各気筒1の燃焼室の天井部に、点火プラグ12を取り付けてある。
吸気を供給するための吸気通路3は、外部から空気を取り入れて各気筒1の吸気ポートへと導く。吸気通路3上には、エアクリーナ31、電子スロットルバルブ32、サージタンク33、吸気マニホルド34を、上流からこの順序に配置している。
排気を排出するための排気通路4は、気筒1内で燃料を燃焼させた結果発生した排気を各気筒1の排気ポートから外部へと導く。この排気通路4上には、排気マニホルド42及び排気浄化用の三元触媒41を配置している。
図2に、火花点火用の電気回路を示している。点火プラグ12は、点火コイル14にて発生した誘導電圧の印加を受けて、中心電極と接地電極との間で火花放電を惹起するものである。点火コイル14は、半導体スイッチング素子であるイグナイタ13とともに、コイルケースに一体的に内蔵される。
内燃機関の制御装置たるECU(Electronic Control Unit)0からの点火信号iをイグナイタ13が受けると、まずイグナイタ13が点弧して点火コイル14の一次側に電流が流れ、その直後の点火タイミングでイグナイタ13が消弧してこの電流が遮断される。すると、自己誘導作用が起こり、一次側に高電圧が発生する。そして、一次側と二次側とは磁気回路及び磁束を共有するので、二次側にさらに高い誘導電圧が発生する。この高い誘導電圧が点火プラグ12の中心電極に印加され、中心電極と接地電極との間で火花放電する。
ECU0は、燃料の爆発燃焼の際に気筒1の燃焼室内に発生するイオン電流を検出し、そのイオン電流を参照して燃焼状態の判定を行う。
図2に示すように、本実施形態では、火花点火用の電気回路に、イオン電流を検出するための回路を付加している。この検出回路は、イオン電流を効果的に検出するためのバイアス電源部15と、イオン電流の多寡に応じた検出電圧を増幅して出力する増幅部16とを備える。バイアス電源部15は、バイアス電圧を蓄えるキャパシタ151と、キャパシタ151の電圧を所定電圧まで高めるためのツェナーダイオード152と、電流阻止用のダイオード153、154と、イオン電流に応じた電圧を出力する負荷抵抗155とを含む。増幅部16は、オペアンプに代表される電圧増幅器161を含む。
点火プラグ12の中心電極と接地電極との間のアーク放電時にはキャパシタ151が充電され、その後キャパシタ151に充電されたバイアス電圧により負荷抵抗155にイオン電流が流れる。イオン電流が流れることで生じる抵抗155の両端間の電圧は、増幅部16により増幅されてイオン電流信号hとしてECU0に受信される。
図3に、正常燃焼における、イオン電流(図中実線で示す)及び気筒1内の燃焼圧力(筒内圧。図中破線で示す)のそれぞれの推移を例示している。イオン電流は、点火のための放電中は検出することができない。正常燃焼の場合のイオン電流は、火花点火の終了後、化学反応により、圧縮上死点の手前で減少した後、熱解離によって再び増加する。また、燃焼圧が極大値(ピーク)Pを迎えるのとほぼ同時にイオン電流も極大となる。
図4に、内燃機関の燃料供給系を模式的に示している。燃料供給機構27は、内燃機関の複数の気筒1に各々対応する複数のインジェクタ11に燃料を供給する。燃料供給機構27は、燃料タンク21から燃料を吸引して吐出する燃料ポンプ22と、燃料ポンプ22が吐出する燃料が導入される燃料配管(デリバリパイプ)29と、燃料配管29に向かって流れる燃料の一部を必要に応じて燃料タンク21に還流させるリリーフ用配管25とを備える。燃料ポンプ22と燃料配管29との間には、燃料を流通させる供給通路24が形成され、リリーフ用配管25はこの供給通路24から分岐している。
燃料ポンプ22は、ECU0から出力される制御信号mを受けて稼働する電動式のポンプであり、燃料タンク21に貯留されている燃料を汲み上げ、これを供給通路24を介してインジェクタ11が接続された燃料配管29に圧送するようになっている。燃料ポンプ22は、制御信号mに応じた印加電圧によって回転速度が変化するモータと、モータの回転力によって回転するインペラとを有し、このインペラにより燃料タンク21から燃料を吸引して吐出する。
燃料ポンプ22は、モータに印加される印加電圧の大きさに応じてモータの回転力が調整され、吐出する燃料の燃料吐出量が可変とされる。具体的には、印加電圧が上昇するほど、インジェクタ11に供給される実燃圧が増大する。また、燃料ポンプ22は、燃料中に含まれる異物を除去するフィルタを備えている。
リリーフ用配管25は、供給通路24と燃料タンク21とを連通させるリリーフ通路の役割を担う。リリーフ用配管25には、供給通路24内の燃圧が予め設定された所定圧(例えば、数百kPa)を超えたときに開弁して、供給通路24から燃料タンク21に余剰の燃料を戻すリリーフバルブ23が設けられている。
内燃機関の運転制御を司るECU0は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステムである。
入力インタフェースには、車両の実車速を検出する車速センサから出力される車速信号a、クランクシャフトの回転角度及びエンジン回転数を検出するエンジン回転センサから出力されるクランク角信号(N信号)b、アクセルペダルの踏込量またはスロットルバルブ32の開度をアクセル開度(いわば、要求負荷)として検出するセンサから出力されるアクセル開度信号c、ブレーキペダルの踏込量を検出するセンサから出力されるブレーキ踏量信号d、吸気通路3(特に、サージタンク33)内の吸気温及び吸気圧を検出する温度・圧力センサから出力される吸気温・吸気圧信号e、内燃機関の温度を示唆する冷却水温を検出する水温センサから出力される冷却水温信号f、吸気カムシャフトまたは排気カムシャフトの複数のカム角にてカム角センサから出力されるカム角信号(G信号)g、燃焼室内での混合気の燃焼に伴って生じるイオン電流を検出する回路から出力されるイオン電流信号h等が入力される。
出力インタフェースからは、点火プラグ12のイグナイタ13に対して点火信号i、インジェクタ11に対して燃料噴射信号j、スロットルバルブ32に対して開度操作信号k、燃料ポンプ22に対して制御信号m等を出力する。
ECU0のプロセッサは、予めメモリに格納されているプログラムを解釈、実行し、運転パラメータを演算して内燃機関の運転を制御する。ECU0は、内燃機関の運転制御に必要な各種情報a、b、c、d、e、f、g、hを入力インタフェースを介して取得し、エンジン回転数を知得するとともに気筒1に充填される吸気量を推算する。そして、それらエンジン回転数及び吸気量等に基づき、要求される燃料噴射量、燃料噴射タイミング(一度の燃焼に対する燃料噴射の回数を含む)、燃圧(燃料噴射圧)、点火タイミングといった各種運転パラメータを決定する。ECU0は、運転パラメータに対応した各種制御信号i、j、k、mを出力インタフェースを介して印加する。
また、ECU0は、内燃機関の始動(冷間始動であることもあれば、アイドリングストップからの復帰であることもある)時において、スタータモータ(セルモータ、図示せず)に制御信号oを入力し、スタータモータのピニオンギアをドライブプレート外周のリングギアに噛合させて機関を回転させるクランキングを行う。クランキングは、初爆から連爆へと至り、エンジン回転数が冷却水温等に応じて定まる閾値を超えたときに(完爆したものと見なして)終了する。
本実施形態のECU0は、燃料カット条件が成立したときに、燃料カットを開始、即ち気筒1におけるインジェクタ11からの燃料噴射を停止する燃料カットを開始する。ECU0は、エンジン回転数が燃料カット許可回転数以上あり、かつアクセルペダルの踏込量が0または0に近い所定値以下となった等を以て、燃料カット条件が成立したものと判断する。
燃料カットの開始後、燃料カット終了条件が成立した暁には、燃料カットを終了する。ECU0は、アクセルペダルの踏込量が所定値を上回った、またはエンジン回転数が燃料カット復帰回転数まで低下した等を以て、燃料カット終了条件が成立したものと判断する。
燃料カット復帰回転数は、内燃機関のアイドル回転数と同等であるか、それよりも高い。つまり、燃料カットからの復帰は、内燃機関が未だ回転を続けている状態で行われる。このため、燃料カットを終了する際に、スタータモータによるクランキングは不要であり、気筒1におけるインジェクタ11からの燃料噴射及び点火プラグによる点火を再開さえすれば内燃機関を再始動できる。
並びに、本実施形態のECU0は、アイドルストップ条件が成立したときに、内燃機関のアイドル回転を停止するアイドルストップを開始する。ECU0は、車両の車速が所定値(例えば、9km/hないし13km/hの値)以下であり、シフトポジションが走行レンジであり(AT車の場合)、ブレーキペダルが踏み込まれてマスタシリンダ圧が所定値(例えば、0.7MPa)以上であり、車載バッテリの電圧が所定以上であり、内燃機関の冷却水温が所定以上高い等の諸条件がおしなべて成立したことを以て、アイドルストップ条件が成立したものと判断する。
アイドルストップの開始後、アイドルストップ終了条件が成立した暁には、アイドルストップを終了する。ECU0は、シフトポジションが非走行レンジに変更された(AT車の場合)、ブレーキペダルの踏み込みが緩められてマスタシリンダ圧が再始動用の低位判定値(例えば、0.1MPa)以下に低下した、あるいは逆にブレーキペダルの踏込量が強められてマスタシリンダ圧が再始動用の高位判定値以上に上昇した、アクセルペダルが踏まれた、内燃機関の停止から所定時間(例えば、3分)が経過した、等のうちの何れかを以て、アイドルストップ終了条件が成立したものと判断する。
燃料カットからの復帰と異なり、アイドルストップからの再始動は、エンジン回転数がアイドル回転数未満に低下しているか、内燃機関の回転が完全に停止している状態で行われる。このため、アイドルストップを終了する際に、スタータモータによるクランキングを行い、気筒1におけるインジェクタ11からの燃料噴射及び点火プラグ12による点火を再開して内燃機関を再始動する。
しかして、本実施形態のECU0は、内燃機関の運転の状況に応じて、インジェクタ11に供給するべき燃料の燃圧を増減調整する。
まず、平時の燃圧制御に関して詳述する。ここで、平時とは、内燃機関の温度が所定以下である冷間始動直後の時期でなく、燃料カットからの復帰(燃料噴射の再開)直後の時期でなく、アイドルストップからの復帰(内燃機関の再始動)直後の時期でもないときをいう。冷間始動直後、燃料カット復帰直後及びアイドルストップ復帰直後の何れでもない平時において、ECU0は、気筒1の燃焼室内での燃焼の際に点火プラグ12の電極を流れるイオン電流信号hを参照し、このイオン電流信号hが目標の状態となるように燃圧を操作するフィードバック制御を実施する。
具体的には、図3に示しているように、イオン電流信号hの値が閾値を上回る期間Tの長さ(秒単位でもよいし、サイクル単位(燃料噴射回数単位)、クランクシャフトの回転回数単位等でもよい)とを計測し、期間Tの実測値と目標値との偏差を求める。そして、その偏差を縮小する方向に燃圧を調整する。期間Tの目標値は、そのときの内燃機関の運転領域[エンジン回転数,サージタンク33内吸気圧(または、アクセル開度、気筒1に充填される吸気量、燃料噴射量等)]に応じて設定する。ECU0のメモリには予め、エンジン回転数及び吸気圧等と、期間Tの目標値との関係を規定したマップデータが格納されている。ECUは、現在のエンジン回転数及び吸気圧等をキーとして当該マップを検索し、現在設定するべき期間Tの目標値を知得する。
期間Tの実測値が目標値よりも長いならば、燃料過多の状態になっている蓋然性が高い。この場合には、インジェクタ11に供給する燃圧を減少させることで、偏差の縮小を図る。翻って、期間Tの実測値が目標値よりも短いならば、燃焼はしているが燃料不足気味であるか、燃焼が不安定であるか、または失火している(燃焼が起こらずイオン電流が流れないため期間Tが検出されない)と考えられる。この場合には、インジェクタ11に供給する燃圧を増大させることで、偏差の縮小ないし燃焼の安定化を図る。燃圧の増減補正量は、偏差の絶対値が大きいほど大きくする。
フィードバック制御において、イオン電流信号hが閾値を上回る期間Tとともに、燃焼中のイオン電流信号hの極大値Pをも参照してもよい。極大値Pの目標値もまた、期間Tと同様、現在の内燃機関の運転領域に応じて設定することができる。期間Tの実測値が目標値よりも長く、極大値Pの実測値が正常燃焼の場合の目標値よりも大きい場合には、燃料過多の状態になっていると考えられるので、インジェクタ11に供給する燃圧を減少させる。翻って、期間Tの実測値が目標値よりも長いが、極大値Pの実測値が目標値よりも小さい場合には、インジェクタ11に供給する燃圧を増大させる。
期間Tの実測値が目標値よりも短く、極大値Pの実測値が目標値よりも小さい場合には、インジェクタ11に供給する燃圧を増大させる。他方、期間Tの実測値が目標値よりも短く、極大値Pの実測値が目標値よりも大きい場合には、燃焼速度の速い、激しい燃焼が生じている可能性がある。この場合には、気筒1においてノッキングが起こっているか、ノッキングが起こる危険が高いと考えられるので、インジェクタ11に供給する燃圧を減少させて、ノッキングを鎮圧ないし予防する。
以上に加え、平時の燃圧制御では、現在の内燃機関の冷却水温に応じた補正や、加速の過渡期における補正を加味する。例えば、冷却水温が所定の高温値(例えば、90℃)未満である場合において、冷却水温が低いほどインジェクタ11に供給する燃圧を増大させる補正を加える。及び/または、冷却水温が所定の高温値以上である場合においては、冷却水温が高いほどインジェクタ11に供給する燃圧を減量補正する。
また、アクセルペダルの踏込量が所定以上あり、エンジン回転数及び車速が加速する過渡期においては、運転領域の変動幅、即ちエンジン回転数の単位時間あたりの増加量やサージタンク33内吸気圧(または、アクセル開度、吸気量、燃料噴射量等)の単位時間あたりの増加量が大きいほど、インジェクタ11に供給する燃圧を増量補正する。結果、インジェクタ11から噴射される燃料の圧力は、イオン電流信号hを参照したフィードバック制御により決定されるベースの燃圧に上記の補正量を加えた燃圧となる。但し、ベースとなる燃圧に補正を加えることは必須ではない。
さらに、本実施形態のECU0は、内燃機関の運転領域毎に、インジェクタ11に供給するべき燃圧を学習する。即ち、イオン電流信号hに係る期間Tの偏差及び/または極大値Pの偏差が所定の誤差以下に縮小した状態が所定期間維持されたときの燃圧を、学習値として、そのときの内燃機関の運転領域に対応付けてメモリに記憶保持する。以後、ECU0は、同等の運転領域が再現された際に、当該運転領域に対応した燃圧の学習値をメモリから読み出し、インジェクタ11に供給する燃圧を当該学習値の大きさに制御する。
次いで、冷間始動直後、燃料カット復帰直後またはアイドルストップ復帰直後の時期における燃圧制御に関して述べる。内燃機関の温度が所定以下である冷間始動直後(暖機完了前)、燃料カットの終了時点から所定期間内、またはアイドルストップの終了時点から所定期間内において、ECU0は、イオン電流信号hを参照した燃圧のフィードバック制御を実施しない。
その上で、冷間始動直後の冷機時には、内燃機関を暖機する必要上、平時に比べて燃料噴射量を増量する必要がある。そのために、冷却水温が低いほど、インジェクタ11に供給する燃圧を増大させる補正を加える。
燃料カットからの復帰直後の時期には、触媒41に多量の酸素が吸蔵されている。酸素過多の雰囲気中では還元反応を起こすのが難しいことから、燃料カットの終了に伴いNOXの排出量が増大する懸念が生じる。そこで、触媒41に吸蔵された酸素をパージするべく、平時に比べて空燃比をリッチ化する必要がある。そのために、インジェクタ11に供給する燃圧を増大させる。
アイドルストップからの復帰直後の時期も同様である。車両が減速する際には、燃料カットがまず開始され、その後、燃料カットからの復帰即ち気筒1への燃料供給の再開がなされないままアイドルストップ条件が成立することが少なくない。このような場合には、燃料カットからの復帰の場合と同じく、触媒41に多量の酸素が吸蔵されている。よって、空燃比をリッチ化して触媒41に吸蔵された酸素をパージするために、平時に比べてインジェクタ11に供給する燃圧を増大させる。
冷間始動直後、燃料カット復帰直後またはアイドルストップ復帰直後の時期における燃圧制御においては、そのときの内燃機関の運転領域[エンジン回転数,サージタンク33内吸気圧(または、アクセル開度、気筒1に充填される吸気量、燃料噴射量等)]に応じてベースの燃圧の大きさを決定する。ECU0のメモリには予め、エンジン回転数及び吸気圧等と、ベースの燃圧との関係を規定したマップデータが格納されている。マップデータは、適合試験等を通じて決定されたものであってもよいし、内燃機関の運転中にオンラインで学習されたものであってもよい。ECUは、現在のエンジン回転数及び吸気圧等をキーとして当該マップを検索し、現在設定するべきベースの燃圧を知得する。さらに、必要であれば、ベースの燃圧に冷却水温に応じた補正を加え、最終的にインジェクタ11に供給する燃圧を決定する。
図5に、本実施形態のECU0が実行する処理の手順を示す。冷間始動直後、燃料カット復帰直後及びアイドルストップ復帰直後の何れでもない平時には、イオン電流信号hを基にしてインジェクタ11に供給する燃圧を決定する(ステップS4)。これに対し、冷間始動直後、燃料カット復帰直後またはアイドルストップ復帰直後の時期には(ステップS1ないしS3)、イオン電流信号hを参照せずにインジェクタ11に供給する燃圧を決定する(ステップS5)。
本実施形態では、インジェクタ11に供給する燃料の圧力を可変制御でき、かつ、気筒1の燃焼室内で燃料が燃焼する際に点火プラグ12の電極を流れるイオン電流信号hを検出可能な内燃機関の制御装置0であって、内燃機関の温度が所定以下である始動直後の時期、燃料カットからの復帰直後の時期、または、アイドルストップからの復帰直後の時期には、内燃機関の運転領域に応じてインジェクタ11に供給する燃料の圧力を調整する一方、それ以外の平時には、前記イオン電流信号hに基づいてインジェクタ11に供給する燃料の圧力を調整する内燃機関の制御装置0を構成した。
本実施形態によれば、内燃機関の運転状態に応じた最適な燃圧をインジェクタ11に供給し、適正な量の燃料を噴射させることができるようになる。失火や燃焼不安定な状態を抑制し得る燃圧に調整できるため、耐エンスト性を向上させることができる。また、燃料カットからの復帰直後の時期やアイドルストップからの復帰直後の時期において、NOXの排出量増大が生じないような燃圧に調整できるため、エミッションの悪化を抑制することができる。
平時には、フィードバック制御で燃圧を可変制御している。これにより、イオン電流の値が閾値を上回る期間Tの実測値が目標値よりも短く、失火や燃焼不安定な状態となっているときには、燃圧を増加させて耐エンスト性を向上させたり、失火を抑制して熱機械変換効率を上げることにより燃費性能を向上させたりすることができる。一方、イオン電流の値が閾値を上回る期間Tの実測値が目標値よりも長く、燃料過多のときには、燃圧を減少させて空燃比のリッチ化に起因するエミッションの悪化を抑制したり、余分な燃料をカットすることにより燃費性能を向上させたりすることができる。
なお、本発明は以上に説明した実施形態に限られるものではない。
上述した実施形態では、フィードバック制御を行う際に、イオン電流の値が閾値を上回る期間Tの目標値と実測値との差分に応じて燃圧を設定するようにしていたが、これに代えて、イオン電流信号hの実際の波形そのものに応じて燃圧を設定するようにしてもよい。イオン電流信号hの波形を評価する方法としては、例えば、イオン電流検出用の回路を介して当該信号hをサンプリングし、高速フーリエ変換する等の方法を採用すればよい。
イオン電流信号hの波形から気筒1におけるノッキングの発生を検知するとともに、ノッキングの発生の有無に応じて燃圧を調整することも考えられる。図6に、気筒1での膨張行程中にノッキングが起こったときの、イオン電流の推移を例示する。ノッキングが起こる際、気筒1の燃焼室内では燃焼速度の速い、激しい燃焼が生じている。それ故、図3に示した正常燃焼の場合と比較して、イオン電流が早期に極大値Pを迎え、その後速やかに減衰する。そして、イオン電流信号hの極大値P後の波形に、ノッキングに起因して発生する振動Sが重畳される。
イオン電流信号hには、ノイズが混入することがある。ノイズの典型は、各種補機の稼働/非稼働を切り替えるために操作されるリレースイッチのON/OFF時に、イオン電流検出用回路に誘起されるスパイクノイズNである。
ノッキングの有無を判定するにあたり、ECU0は、点火後の燃焼期間に点火プラグ12の電極を流れるイオン電流を、イオン電流検出用の回路を介してサンプリングする。さらに、サンプリングしたイオン電流信号hを、ノッキングに起因して発生する信号Sが持つ周波数成分を通過させるバンドパスフィルタに入力し、当該信号Sの成分を抽出する。フィルタは、ノッキングに起因した信号S以外の成分を低減させるためのフィルタであって、例えば7kHzないし11.5kHzの周波数成分を通過させる。
しかして、フィルタ処理した信号hを時間積分、即ちサンプリング値の時系列を積算し、得られた積分値を所定のノック判定値と比較する。積分値がノック判定値を上回ったならは、当該気筒1にてノッキングが起こったものと判定する。逆に、積分値がノック判定値以下であるならば、当該気筒1にてノッキングは起こらなかったものと判定する。ノック判定値は、ECU0のメモリに記憶保持している。
イオン電流検出回路は、各気筒1に装着されている各点火プラグ12に流れるイオン電流をそれぞれ検出可能である。つまり、気筒1毎に個別にイオン電流信号hを取得することができ、気筒1毎に個別にノッキングの有無の判定を行うことができる。
そして、ノッキングの発生を検知した場合には、ノッキングが検知されなくなるまでインジェクタ11に供給する燃圧を減少させる補正を、ベースの燃圧に加味する。
インジェクタ11に供給する燃料の圧力を可変制御する方法は、上述した電動ポンプ22によるものに限られず種々変更可能である。例えば、吐出される燃料の流量や圧力を制御可能なスピル弁式の燃料ポンプ等を適用することができる。なお、スピル弁式のポンプを採用した場合には、スピル弁の開放時間と閉止時間とのデューティ比の増減を通じて燃料配管に向けた燃料供給量を制御することができる。
また、前述した特許文献1(特開平1−138341号公報)に代表されるような可変レギュレータを採用してもよい。この可変レギュレータは、ハウジングの内部を弁体であるダイヤフラムにより負圧室と燃料室とに隔離してインジェクタに供給される燃圧を調節するプレッシャレギュレータと、このプレッシャレギュレータの負圧室に導入される制御圧力を大気圧とサージタンク内圧力との間で可変とする制御圧力可変手段であるソレノイドバルブとを主体に構成されている。
その他、各部の具体的構成や処理の手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は、車両等に搭載される内燃機関の制御に適用することができる。
0…制御装置(ECU)
1…気筒
11…インジェクタ
12…点火プラグ
22…燃料ポンプ
h…イオン電流信号

Claims (1)

  1. インジェクタに供給する燃料の圧力を可変制御でき、かつ、気筒の燃焼室内で燃料が燃焼する際に点火プラグの電極を流れるイオン電流信号を検出可能な内燃機関の制御装置であって、
    内燃機関の温度が所定以下である始動直後の時期、燃料カットからの復帰直後の時期、または、アイドルストップからの復帰直後の時期には、内燃機関の運転領域に応じてインジェクタに供給する燃料の圧力を調整する一方、
    それ以外の平時には、前記イオン電流信号に基づいてインジェクタに供給する燃料の圧力を調整する内燃機関の制御装置。
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