JP2021134695A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】気筒の吸気バルブまたは排気バルブの弁体と弁座との間にデポジットが噛み込んだとしても、内燃機関を適切に始動できるようにする。【解決手段】停止していた内燃機関を始動するべく、内燃機関のクランクシャフトを電動機により回転駆動するクランキングを行い、その際のクランクシャフトの回転速度が判定値を下回る場合、そうでない場合と比較して、クランキング中に内燃機関の気筒に対して噴射する燃料の量を減量補正する内燃機関の制御装置を構成した。【選択図】図2
Description
本発明は、動力源として車両等に搭載される内燃機関を制御する制御装置に関する。
周知の通り、停止している内燃機関を始動するにあたっては、内燃機関の出力軸であるクランクシャフトを電動機により回転駆動するクランキングを行いつつ、インジェクタから燃料を噴射してこれを気筒において燃焼させ、クランクシャフトの回転を加速させる。クランキングは、内燃機関が初爆から連爆へと至り、クランクシャフトの回転速度即ちエンジン回転数が内燃機関の冷却水の温度等に応じて定まる閾値を超えたときに、完爆したものと見なして終了する(例えば、下記特許文献を参照)。
気筒の吸気バルブまたは排気バルブの弁体と弁座との間に、燃料、潤滑油またはそれらの不完全燃焼生成物の堆積物であるデポジットが噛み込むと、気筒の圧縮行程において気筒から混合気が漏出する。これは、燃料の燃焼を伴う膨脹行程において気筒の燃焼室内の酸素の量が低減することを意味する。
内燃機関の始動中にこのような圧縮抜け(または、圧縮漏れ)が起こった場合、インジェクタから気筒に対して噴射する燃料の量を減少させるべきである。だが、現状の始動制御では、そのような処置を講じていない。従って、気筒の燃焼室内で混合気の空燃比が過リッチとなり、燃焼不良が起こってクランクシャフトの回転の加速が遅れ、内燃機関を適切に始動できない懸念が生じる。
本発明は、以上の問題に着目してなされたものであり、気筒の吸気バルブまたは排気バルブの弁体と弁座との間にデポジットが噛み込んだとしても、内燃機関を適切に始動できるようにすることを所期の目的としている。
本発明では、停止していた内燃機関を始動するべく、内燃機関のクランクシャフトを電動機により回転駆動するクランキングを行い、その際のクランクシャフトの回転速度が判定値を下回る場合、そうでない場合と比較して、クランキング中に内燃機関の気筒に対して噴射する燃料の量を減量補正する内燃機関の制御装置を構成した。
本発明によれば、気筒の吸気バルブまたは排気バルブの弁体と弁座との間にデポジットが噛み込んだとしても、内燃機関を適切に始動することが可能となる。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に、車両用内燃機関の概要を示す。本実施形態における内燃機関は、ポート噴射式の4ストローク火花点火エンジンであり、複数の気筒1(例えば、三気筒。図1には、そのうち一つを図示している)を具備している。各気筒1の吸気ポート近傍には、当該気筒1の吸気ポートに向けて燃料を噴射するインジェクタ11を設けている。また、各気筒1の燃焼室の天井部にそれぞれ、点火プラグ12を取り付けてある。点火プラグ12は、点火コイルにて発生した誘導電圧の印加を受けて、中心電極と接地電極との間で火花放電を惹起する。
吸気を供給するための吸気通路3は、外部から空気を取り入れて各気筒1の吸気ポートへと導く。吸気通路3上には、エアクリーナ31、吸気絞り弁である電子スロットルバルブ32、サージタンク33、吸気マニホルド34を、上流からこの順序に配置している。
排気を排出するための排気通路4は、気筒1内で燃料を燃焼させた結果発生した排気を各気筒1の排気ポートから外部へと導く。この排気通路4上には、排気マニホルド42及び排気浄化用の三元触媒41を配置している。
排気ガス再循環(Exhaust Gas Recirculation)装置2は、排気通路4を流れる排気の一部を吸気通路3に還流させて吸気に混交する外部EGRを実現するものであり、排気通路4と吸気通路3とを連通する外部EGR通路21と、EGR通路21上に設けたEGRクーラ22と、EGR通路21を開閉し当該EGR通路21を流れるEGRガスの流量を制御するEGRバルブ23とを要素とする。EGR通路21の入口は、排気通路4における触媒41の下流の所定箇所に接続している。EGR通路21の出口は、吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流の所定箇所、特にサージタンク33に接続している。
本実施形態の内燃機関の制御装置たるECU(Electronic Control Unit)0は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステムである。ECU0は、複数基のECUまたはコントローラが、CAN(Controller Area Network)等の電気通信回線を介して相互に通信可能に接続されてなるものであることがある。
ECU0の入力インタフェースには、車両の実車速を検出する車速センサから出力される車速信号a、内燃機関のクランクシャフトの回転角度及び回転速度を検出するクランク角センサ(エンジン回転センサ)から出力されるクランク角信号b、アクセルペダルの踏込量またはスロットルバルブ32の開度をアクセル開度(いわば、要求されるエンジン負荷率またはエンジントルク)として検出するセンサから出力されるアクセル開度信号c、気筒1に連なる吸気通路3(特に、サージタンク33または吸気マニホルド34)内の吸気温及び吸気圧を検出する温度・圧力センサから出力される吸気温・吸気圧信号d、内燃機関の冷却水の温度(内燃機関の温度を示唆する)を検出する水温センサから出力される冷却水温信号e、車両が所在する場所の外気温を検出する外気温センサから出力される外気温信号f、車両が所在する場所の大気圧を検出する大気圧センサから出力される大気圧信号g、車載のバッテリの端子電圧及び/または端子電流を検出する電圧/電流センサから出力されるバッテリ電圧/電流信号h等が入力される。
ECU0の出力インタフェースからは、点火プラグ12のイグナイタに対して点火信号i、インジェクタ11に対して燃料噴射信号j、スロットルバルブ32に対して開度操作信号k、EGRバルブ23に対して開度操作信号l等を出力する。
ECU0のプロセッサは、予めメモリに格納されているプログラムを解釈、実行し、運転パラメータを演算して内燃機関の運転を制御する。ECU0は、内燃機関の運転制御に必要な各種情報a、b、c、d、e、f、g、hを入力インタフェースを介して取得し、エンジン回転数を知得するとともに気筒1に吸入される空気量を推算する。そして、吸入空気量に見合った要求燃料噴射量、燃料噴射タイミング(一度の燃焼に対する燃料噴射の回数を含む)、燃料噴射圧、点火タイミング(一度の燃焼に対する火花点火の回数を含む)、要求EGR率(または、EGRガス量)等といった各種運転パラメータを決定する。ECU0は、運転パラメータに対応した各種制御信号i、j、k、lを出力インタフェースを介して印加する。
また、ECU0は、停止した内燃機関を始動(冷間始動であることもあれば、アイドリングストップからの再始動であることもある)するに際して、電動機(スタータモータ(セルモータ)やISG(Integrated Starter Generator)等。図示せず)に制御信号oを入力し、当該電動機によりクランクシャフトを回転駆動しながら燃料噴射及び火花点火を行うクランキングを実行する。当該電動機は、車載のバッテリから必要な電力の供給を受ける。クランキングは、内燃機関が初爆から連爆へと至り、クランクシャフトの回転速度即ちエンジン回転数が内燃機関の冷却水温等に応じて定まる閾値を超えたときに、内燃機関が完爆したものと見なして終了する。通常、閾値は、始動時の内燃機関の冷却水温が低いほど高く設定する。
内燃機関の停止直前ないし停止時、またはクランキングの最中に、何れかの気筒1の吸気バルブまたは排気バルブの弁体と弁座との間にデポジットが噛み込むと、当該気筒1の圧縮行程中に、当該気筒1に充填された混合気が吸気通路3または排気通路4に漏出する圧縮抜け(または、圧縮漏れ)が起こる。その帰結として、当該気筒1での混合気の燃焼を伴う膨脹行程において、燃焼室内の酸素の絶対量が減少する。
圧縮抜けが起こったとしても内燃機関を適切に始動できるよう、本実施形態のECU0は、図2に示すように、内燃機関の始動のために電動機によりクランクシャフトの回転駆動を開始した直後のクランクシャフトの回転速度をセンシングし(ステップS1)、その回転速度を判定値と比較する(ステップS2)。ステップS1及びS2は、未だ気筒1において燃料を燃焼させていない時期、つまり、インジェクタ11からの燃料噴射(及び点火プラグ12による火花点火)を開始していない時期に、あるいは、インジェクタ11からの燃料噴射を開始しているがその燃料が着火燃焼しないような時期に実施する。
図3に、電動機によるクランクシャフトの回転駆動を開始した直後のクランクシャフトの回転速度の推移を例示する。図3中、実線は圧縮抜けが起こっていないときの回転速度の推移を表し、破線は圧縮抜けが起こっているときの回転速度の推移を表している。何れかの気筒1にて圧縮抜けが起こると、クランクシャフトの回転速度がより低下することが実験的に確かめられている。
ステップS2にて、クランクシャフトの回転速度が判定値を下回っている場合には、何れかの気筒1で圧縮抜けが起こっていると考えられ、インジェクタ11からの燃料噴射を開始した後の燃料噴射量を、平常の噴射量よりも減量する(ステップS3)。さもなくば、各気筒1で圧縮抜けは起こっていないと考えられ、インジェクタ11から平常通りの量の燃料を噴射する(ステップS4)。
ステップS2における判定値は、始動時の内燃機関の冷却水温や、バッテリの端子電圧または端子電流等に応じて調整する。具体的には、冷却水温が低いほど、内燃機関のフリクションロスが大きく、クランクシャフトの回転速度が低くなることから、判定値を引き下げる。なお、冷却水温に代えて、外気温や筒内温(気筒1の燃焼室内温度)等を参照することもあり得る。加えて、クランキングを行う電動機に印加するバッテリ電圧またはバッテリ電流が小さいほど、電動機が発生させる駆動力が小さく、クランクシャフトの回転速度が低くなることから、判定値を引き下げる。
ステップS3またはS4における、クランキング中の燃料噴射量etaustは、例えば下記のようにして決定する;
etaust=etaustb×t_knest×α
etaustb=t_taustb×t_kbst×ekpa
etaustbは、クランキング中に気筒1の燃焼室内で適切な燃焼が起こるような燃料の基本量である。t_knestは、現在のクランクシャフトの回転速度が高いほど大きな値をとる補正係数である。クランクシャフトの回転速度が高まると、気筒1に吸入される空気量及び酸素量が増加することから、t_knestを大きくして燃料噴射量etaustを増加させる。
etaust=etaustb×t_knest×α
etaustb=t_taustb×t_kbst×ekpa
etaustbは、クランキング中に気筒1の燃焼室内で適切な燃焼が起こるような燃料の基本量である。t_knestは、現在のクランクシャフトの回転速度が高いほど大きな値をとる補正係数である。クランクシャフトの回転速度が高まると、気筒1に吸入される空気量及び酸素量が増加することから、t_knestを大きくして燃料噴射量etaustを増加させる。
αは、ステップS2にて比較したクランクシャフトの回転速度と判定値との差分や、始動時の内燃機関の冷却水温等に応じて調整する。ステップS2の結果、クランクシャフトの回転速度が判定値以上であるならばαを1に設定し(ステップS4)、クランクシャフトの回転速度が判定値未満であるならばαを1よりも小さい正数に設定する(ステップS3)。後者の場合において、αは、平常よりも燃料噴射量etaustを減量する補正係数となる。
ステップS3にて、補正係数αの絶対値は、クランクシャフトの回転速度と判定値との差分の絶対値が大きいほど小さくする。αを小さくすることは、燃料噴射量etaustを減少させることを意味する。加えて、補正係数αの絶対値は、内燃機関の冷却水温が高いほど小さくする。冷却水温が高いほど、気筒1に吸入される空気の密度が小さくなって酸素量が減少し、一方で内燃機関のフリクションロスが小さくなることから、αを小さくして燃料噴射量etaustを減少させる。なお、冷却水温に代えて、吸気温や外気温、筒内温等を参照することもあり得る。また、排気通路4内の背圧が高いほど、気筒1に吸引される酸素の量が減少することに鑑み、αを小さくして燃料噴射量etaustを減少させることとしても構わない。
t_taustbは内燃機関の冷却水温に応じて、t_kbstはバッテリ電圧またはバッテリ電流に応じて、ekpaは大気圧に応じて、それぞれ増減調整する。
本実施形態では、停止していた内燃機関を始動するべく、内燃機関のクランクシャフトを電動機により回転駆動するクランキングを行い、その際のクランクシャフトの回転速度が判定値を下回る場合、そうでない場合と比較して、クランキング中に内燃機関の気筒1に対してインジェクタ11から噴射する燃料の量を減量補正する内燃機関の制御装置0を構成した。
本実施形態によれば、何れかの気筒1の吸気バルブまたは排気バルブの弁体と弁座との間にデポジットが噛み込んで圧縮抜けが起こっているときに、適切に燃料噴射量を減量して、気筒1に充填される混合気の空燃比が過リッチとなることを防止できる。従って、圧縮抜けが起こったとしても混合気を安定して燃焼させることができ、クランクシャフトの回転速度を確実に加速させて内燃機関を始動することが可能となる。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。各部の具体的な構成や処理の手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は、車両等に搭載される内燃機関の始動時の制御に適用することができる。
0…制御装置(ECU)
1…気筒
11…インジェクタ
b…クランク角信号
e…冷却水温信号
h…バッテリ電圧/電流信号
i…点火信号
j…燃料噴射信号
o…クランキング用の電動機の制御信号
1…気筒
11…インジェクタ
b…クランク角信号
e…冷却水温信号
h…バッテリ電圧/電流信号
i…点火信号
j…燃料噴射信号
o…クランキング用の電動機の制御信号
Claims (1)
- 停止していた内燃機関を始動するべく、内燃機関のクランクシャフトを電動機により回転駆動するクランキングを行い、その際のクランクシャフトの回転速度が判定値を下回る場合、そうでない場合と比較して、クランキング中に内燃機関の気筒に対して噴射する燃料の量を減量補正する内燃機関の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2020030195A JP2021134695A (ja) | 2020-02-26 | 2020-02-26 | 内燃機関の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2020030195A JP2021134695A (ja) | 2020-02-26 | 2020-02-26 | 内燃機関の制御装置 |
Publications (1)
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JP2021134695A true JP2021134695A (ja) | 2021-09-13 |
Family
ID=77660660
Family Applications (1)
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JP2020030195A Pending JP2021134695A (ja) | 2020-02-26 | 2020-02-26 | 内燃機関の制御装置 |
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JP (1) | JP2021134695A (ja) |
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2020
- 2020-02-26 JP JP2020030195A patent/JP2021134695A/ja active Pending
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