JP2017002812A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】カム角信号のみを参照して行う気筒判別の確実性をより高める。【解決手段】特定の気筒において、カム角信号を受信する都度、燃焼に必要な量の約半分の燃料の噴射と火花点火とを交互に実施し、カム角信号の受信間隔が変化したことに基づいて当該気筒の膨張行程を知得する気筒判別処理を行う。その上で、気筒判別処理中に、検出される吸気圧の変動に基づいてバックファイアが発生した疑いがあると判断した場合には、気筒判別処理のための燃料噴射及び火花点火を所定期間中断する。【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関を制御する制御装置に関する。
複数の気筒を備える4ストローク内燃機関では、各気筒が現在どの行程にあるのかを知得して、燃料噴射制御及び点火制御を実施する必要がある。
内燃機関のクランクシャフトには、その回転角度及びエンジン回転数を検出するためのクランク角センサが付設されている。クランク角センサは、クランクシャフトに固定されたロータの回転を、例えば10°CA(クランク角度)毎にセンシングする。
クランクシャフトに従動して回転し、各気筒の吸気バルブまたは排気バルブを開閉駆動するカムシャフトにも、カム角センサが付設されている。カム角センサは、カムシャフトに固定されたロータの回転を、例えば一回転を気筒数で割った角度、三気筒エンジンであれば120°(クランク角度に換算すれば、240°CA)毎にセンシングする。
内燃機関の運転制御を司るECU(Electronic Control Unit)は、これらクランク角信号及びカム角信号を参照して各気筒の行程を把握し、気筒における燃料噴射タイミングや点火タイミングを決定する。
ところで、稀ではあるが、クランク角センサとECUとの間の伝送路が断線し、あるいはセンサ自体が故障して、ECUがクランク角信号を受信できなくなることがある。そのような場合のフェイルセーフとして、ECUには予め、カム角信号のみを参照して各気筒の行程を判別し内燃機関の運転を維持する機能が備わっている。
下記特許文献には、直列三気筒のポート噴射式火花点火内燃機関を始動するにあたり、ECUがクランク角センサ信号を受信できない場合に、カム角信号を受信する都度、ある特定の気筒について、燃焼に必要な量の約半分の燃料の噴射と火花点火とを交互に実施し、カム角信号の受信間隔が変化(短縮)したことに基づいて当該気筒の膨張行程を知得する気筒判別の手法が開示されている。
図2に、その気筒判別処理の詳細を示す。カム角信号は、各気筒の圧縮上死点近傍または圧縮上死点から所定クランク角度だけ進角したタイミングにて発生する。特定の一つの気筒に着目すると、カム角信号は、当該気筒の吸気行程中、圧縮上死点近傍またはその手前、排気行程中のうちの何れかを表していると言える。
当該気筒において、排気行程中に受信されるカム角信号に応じて必要量の約半分の燃料を噴射すると、吸気バルブが閉じているためにその燃料は一旦吸気ポートに留まり、その後に訪れる吸気行程にて気筒内に吸引される。
続く吸気行程中に受信されるカム角信号に応じて火花点火を試行しても、当該気筒の燃焼室内の雰囲気は著しい燃料不足(空燃比が過リーン)であり、燃料に着火せず燃焼は起こらない。気筒内にある燃料は、次の排気行程にて気筒外に排出されてしまう。
圧縮上死点近傍またはその手前のタイミングで受信されるカム角信号に応じて必要量の約半分の燃料を噴射しても、吸気バルブが閉じているためにその燃料は吸気ポートに留まり、気筒内には導入されない。
次の排気行程中に受信されるカム角信号に応じて火花点火を試行しても、燃料不足により燃焼は起こらない。直近に噴射された燃料は、依然として吸気ポート内に留まり続ける。
しかし、再び訪れる吸気行程中に受信されるカム角信号に応じて燃料を噴射すると、直近の(即ち、圧縮上死点近傍またはその手前のタイミングでの)噴射分と今回の噴射分とが合わさって燃料が燃焼に必要な量に達し、これが気筒内に吸引される。
従って、続く圧縮上死点近傍またはその手前のタイミングで受信されるカム角信号に応じて火花点火を行うと、燃料に着火して火炎伝播燃焼する膨張行程が営まれ、クランクシャフト及びカムシャフトが加速する。その結果、次のカム角信号が受信されるまでに要する時間が短縮することから、当該気筒の圧縮上死点及び膨張行程の時期が判明する。ひいては、各気筒の行程の判別が可能となる。
特開2008−248740号公報 特開2014−101848号公報
上述の気筒判別処理にあって、吸気行程中に火花点火を行っても、本来は燃焼が起こらないはずである。しかしながら、吸気行程の際に吸気ポートまたは吸気マニホルド内の燃料の濃度が不当に高くなっていると、吸気バルブが開いた状態での火花点火により、燃料が燃焼して火炎が吸気ポート側に吹き出すバックファイアを生じるおそれがある。
例えば、低温環境下での内燃機関の冷間始動時には、インジェクタから噴射した燃料が液化して吸気ポートの内壁面や吸気バルブの傘部等に付着するポートウェットが発生する。そして、過去に発生したポートウェットの燃料が気化し、排気行程中に噴射する燃料がこれに合わさると、火花点火を行う吸気行程中に混合気の空燃比が着火可能な濃度となる可能性がある。しかも、内燃機関が低温であるときには、燃料噴射量を増量補正することが通例である。従って、たとえ排気行程中に噴射する燃料の量が半分に減らされていたとしても、元々の燃料噴射量が多いことからバックファイアを惹起するリスクが高くなる。
また、内燃機関を停止してから再始動するまでに経過した時間(ソーク時間)が長いと、その間にインジェクタから漏出した燃料が吸気マニホルド内に充満する。さすれば、排気行程中に噴射する燃料と相まって混合気の空燃比がリッチ化し、やはりバックファイアの引き金となり得る。
バックファイアが起こった場合、吸気ポート、吸気マニホルドまたはサージタンク内の酸素が消費されて減少し、所望の燃料の燃焼が困難となる。このため、気筒判別処理を続行しても各気筒の行程をいつまでも判別できないという事態に陥りかねない。
以上の問題に着目してなされた本発明は、カム角信号のみを参照して行う気筒判別の確実性をより高めることを所期の目的としている。
本発明では、少なくとも三気筒を直列に配置し吸気ポートに燃料を噴射する4ストローク方式で、その三気筒においてはそれぞれの圧縮上死点が等間隔で出現し、吸気バルブまたは排気バルブを開閉駆動するカムシャフトがクランクシャフトに従動して回転し、カムシャフトの回転を検出するカム角センサが各気筒の圧縮上死点近傍または圧縮上死点から所定角度進角したタイミングにてカム角信号を出力する態様の内燃機関を制御するものであって、ある特定の気筒において、カム角信号を受信する都度、燃焼に必要な量の約半分の燃料の噴射と火花点火とを交互に実施し、カム角信号の受信間隔が変化したことに基づいて当該気筒の膨張行程を知得する気筒判別処理を行い、前記気筒判別処理中に、検出される吸気圧の変動に基づいてバックファイアが発生した疑いがあると判断した場合には、気筒判別処理のための燃料噴射及び火花点火を所定期間中断する内燃機関の制御装置を構成した。
本発明によれば、カム角信号のみを参照して行う気筒判別の確実性をより高めることができる。
本発明の一実施形態における車両用内燃機関及び制御装置の構成を示す図。 同実施形態の内燃機関の制御装置が実行する気筒判別処理の内容を説明するタイミング図。 同実施形態の内燃機関の制御装置が実行する処理の手順例を示すフロー図。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に、本実施形態における車両用内燃機関の概要を示す。本実施形態の内燃機関は、ポート噴射式の4ストローク火花点火エンジンであり、三つの気筒1(図1には、そのうち一つを図示している)を具備する。それら気筒1は直列配置されており、各気筒1の圧縮上死点は等間隔、即ち240°CA毎に出現する。
各気筒1の吸気ポート近傍には、燃料を噴射するインジェクタ11を気筒1毎に設けている。また、各気筒1の燃焼室の天井部に、点火プラグ12を取り付けてある。点火プラグ12は、点火コイルにて発生した誘導電圧の印加を受けて、中心電極と接地電極との間で火花放電を惹起するものである。点火コイルは、半導体スイッチング素子であるイグナイタとともに、コイルケースに一体的に内蔵される。
吸気を供給するための吸気通路3は、外部から空気を取り入れて各気筒1の吸気ポートへと導く。吸気通路3上には、エアクリーナ31、電子スロットルバルブ32、サージタンク33、吸気マニホルド34を、上流からこの順序に配置している。
排気を排出するための排気通路4は、気筒1内で燃料を燃焼させた結果発生した排気を各気筒1の排気ポートから外部へと導く。この排気通路4上には、排気マニホルド42及び排気浄化用の三元触媒41を配置している。
排気ガス再循環(Exhaust Gas Recirculation)装置2は、いわゆる高圧ループEGRを実現するものであり、排気通路4における触媒41の上流側と吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流側とを連通する外部EGR通路21と、EGR通路21上に設けたEGRクーラ22と、EGR通路21を開閉し当該EGR通路21を流れるEGRガスの流量を制御するEGRバルブ23とを要素とする。EGR通路21の入口は、排気通路4における排気マニホルド42またはその下流の所定箇所に接続している。EGR通路21の出口は、吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流の所定箇所、特にサージタンク33に接続している。
本実施形態の内燃機関の制御装置たるECU0は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステムである。
入力インタフェースには、車両の実車速を検出する車速センサから出力される車速信号a、クランクシャフトの回転角度及びエンジン回転数を検出するエンジン回転センサから出力されるクランク角信号(N信号)b、アクセルペダルの踏込量またはスロットルバルブ32の開度をアクセル開度(いわば、要求負荷)として検出するセンサから出力されるアクセル開度信号c、ブレーキペダルの踏込量を検出するセンサから出力されるブレーキ踏量信号d、気筒1に連なる吸気通路3(特に、サージタンク33)内の吸気温及び吸気圧を検出する温度・圧力センサから出力される吸気温・吸気圧信号e、内燃機関の温度を示唆する冷却水(または、冷却液)の温度を検出する水温センサから出力される冷却水温信号f、吸気カムシャフトまたは排気カムシャフトの複数のカム角にてカム角センサから出力されるカム角信号(G信号)g、シフトレバーのレンジを知得するためのセンサ(または、シフトポジションスイッチ)から出力されるシフトレンジ信号h等が入力される。
出力インタフェースからは、イグナイタ13に対して点火信号i、インジェクタ11に対して燃料噴射信号j、スロットルバルブ32に対して開度操作信号k、EGRバルブ23に対して開度操作信号l等を出力する。
ECU0のプロセッサは、予めメモリに格納されているプログラムを解釈、実行し、運転パラメータを演算して内燃機関の運転を制御する。ECU0は、内燃機関の運転制御に必要な各種情報a、b、c、d、e、f、g、hを入力インタフェースを介して取得し、エンジン回転数を知得するとともに気筒1に充填される吸気量を推算する。そして、それらエンジン回転数及び吸気量等に基づき、要求される燃料噴射量、燃料噴射タイミング(一度の燃焼に対する燃料噴射の回数を含む)、燃料噴射圧、点火タイミング、要求EGR率(または、EGR量)等といった各種運転パラメータを決定する。ECU0は、運転パラメータに対応した各種制御信号i、j、k、lを出力インタフェースを介して印加する。
また、ECU0は、内燃機関の始動(冷間始動であることもあれば、アイドリングストップからの復帰であることもある)時において、電動機(スタータモータ(セルモータ)またはISG(Integrated Starter Generator))に制御信号oを入力し、当該電動機によりクランクシャフトを回転させるクランキングを行う。クランキングは、内燃機関が初爆から連爆へと至り、エンジン回転数即ちクランクシャフトの回転速度が内燃機関の冷却水温等に応じて定まる判定値を超えたときに(完爆と見なして)終了する。
カム角信号gに関して補足する。カム角センサは、カムシャフトに固定されカムシャフトと一体となって回転するロータの回転角度をセンシングするものである。そのロータには、少なくともカムシャフトの一回転を気筒数で割った角度毎に、歯または突起が形成されている。三気筒エンジンであれば、歯または突起が120°毎に配置される。カムシャフトは、巻掛伝動機構等を介してクランクシャフトから回転駆動力の伝達を受けて回転するもので、その回転速度はクランクシャフトの二分の一である。故に、上記の歯または突起は、クランク角度に換算すれば240°CA毎に配置されていることになる。
カム角センサは、ロータの外周に臨み、個々の歯または突起が当該センサの近傍を通過することを検知して、その都度カム角信号gとしてパルス信号を発信する。ECU0は、カム角信号ラインを介してカム角センサと接続しており、このカム角信号ラインを通じてカム角信号gたるパルスを受信する。
カム角信号gは、何れかの気筒1が所定の行程に至ったことを表す信号である。例えば、吸気カムシャフトにカム角センサが付随しており、そのカム角センサが出力する信号gは各気筒1における圧縮上死点の近傍、または圧縮上死点から所定クランク角度(30°CAないし70°CAの範囲内の値)だけ進角側に偏倚したタイミングを示唆している、というようにである。因みに、いわゆる位相変化型の可変バルブタイミング機構が付随している内燃機関にあっては、カム角信号gが当該機構により調節されるバルブタイミングをも表す。
通常、ECU0は、クランク角信号b及びカム角信号gの双方を参照して各気筒1の現在の行程を知得し、各気筒1で適切な燃料噴射タイミングにて燃料を噴射し、また適切な点火タイミングにて混合気への点火を行う。
だが、ECU0がクランク角信号bを受信できなくなった場合には、カム角信号gのみを以て各気筒1の現在の行程を知得し、燃料噴射タイミング及び点火タイミングを決定する必要がある。
図2は、本実施形態のECU0が実行する、カム角信号gのみを参照した気筒判別処理の内容を示すものである。ECU0は、クランク角センサ信号bを受信できない場合にあって、カム角信号gを受信する都度、ある特定の一つの気筒1に対し、当該気筒1に付随するインジェクタ11からの燃料の噴射と、当該気筒1に付随する点火プラグ12による火花点火とを交互に実施する。燃料噴射量は、燃焼に必要とされる本来の量の約半分の量とする。気筒判別処理の間、他の二つの気筒1については、燃料噴射も火花点火も行う必要はない。そして、カム角信号gの受信間隔が変化、即ち短縮したことを以て、当該気筒1の膨張行程を知得する。
特定の一つの気筒1に着目すると、カム角信号gは、当該気筒1の吸気行程中のタイミングT1、圧縮上死点近傍またはその手前のタイミングT2、排気行程中のタイミングT3のうちの何れかを表す。
当該気筒1において、排気行程中のタイミングT3に受信されるカム角信号gに応じて必要量(通常の始動における一回分、換言すれば気筒1の燃焼室内の空燃比がややリッチとなるような燃料噴射量)の約半分の燃料を噴射すると、吸気バルブが閉じているためにその燃料は一旦吸気ポートに留まり、その後に訪れる吸気行程にて気筒1内に吸引される。ここで、燃料の噴射量は、冷却水温信号fを参照して知得される冷却水温(内燃機関の温度)が低いほど増量する。
続く吸気行程中のタイミングT1に受信されるカム角信号gに応じて火花点火を試行しても、当該気筒1の燃焼室内の雰囲気は著しい燃料不足(空燃比が過リーン)であり、燃料に着火せず燃焼は起こらない。気筒1内にある燃料は、次の排気行程にて気筒1外に排出されてしまう。
圧縮上死点近傍またはその手前のタイミングT2で受信されるカム角信号gに応じて必要量の約半分の燃料を噴射しても、吸気バルブが閉じているためにその燃料は吸気ポートに留まり、気筒1内には導入されない。
次の排気行程中のタイミングT3に受信されるカム角信号gに応じて火花点火を試行しても、燃料不足により燃焼は起こらない。直近に噴射された燃料は、依然として吸気ポート内に留まり続ける。
だが、再び訪れる吸気行程中のタイミングT1に受信されるカム角信号gに応じて燃料を噴射すると、直近の(即ち、圧縮上死点近傍またはその手前のタイミングT2での)噴射分と今回の噴射分とが合わさって燃料が燃焼に必要な量に達し、これが気筒1内に吸引される。
従って、続く圧縮上死点近傍またはその手前のタイミングT2で受信されるカム角信号gに応じて火花点火を行うと、燃料に着火して火炎伝播燃焼する膨張行程が営まれ、クランクシャフト及び吸気カムシャフトが加速する。その結果、次のカム角信号gが受信されるまでに要する時間が短縮することから、当該気筒1の圧縮上死点及び膨張行程の時期が判明する。ひいては、各気筒1の行程の判別が可能となる。
カム角信号gを参照する気筒判別処理にあって、吸気行程中のタイミングT1にて火花点火を行っても、本来は燃焼が起こらないはずである。しかしながら、吸気行程の際に吸気ポートまたは吸気マニホルド34内の燃料の濃度が不当に高くなっていると、吸気バルブが開いた状態での火花点火により、燃料が燃焼して火炎が気筒1から吸気ポート側に吹き出すバックファイアを生じるおそれがある。
バックファイアが起こった場合、吸気ポート、吸気マニホルド34及び/またはサージタンク33内の酸素が消費されて欠乏し、所望の燃料の燃焼を困難にする。このため、バックファイアの発生後にそのまま気筒判別処理を続行しても、気筒1の燃焼室内での燃料の燃焼が生起せず、よってクランクシャフト及びカムシャフトが加速せず、各気筒1の行程をいつまでも判別できない事態に陥りかねない。
そこで、本実施形態のECU0は、気筒判別処理中に、吸気温・吸気圧センサを介して検出される吸気圧の変動に基づいてバックファイアの発生の有無を判定する。そして、バックファイアが発生した疑いがあると判断した場合には、気筒判別処理のための燃料噴射及び火花点火を所定期間中断することとしている。
図3に、気筒判別処理中にECU0がプログラムに従い実行する処理の手順例を示す。ECU0は、気筒判別処理の最中において、吸気温・吸気圧信号eを参照して知得されるサージタンク33内の吸気圧の瞬時値を、判定閾値と比較する(ステップS1、S5)。
判定閾値には、高位閾値と、高位閾値よりも小さい低位閾値との二種類が存在する。吸気圧が高位閾値を超えた場合(ステップS1)、直近の吸気行程中T1の火花点火によりバックファイアが発生したことがほぼ確実視される。よって、ECU0は、気筒判別処理のための燃料噴射及び火花点火を所定期間中断し(ステップS2)、しかる後気筒判別処理のための燃料噴射及び火花点火を再開する(ステップS3)。
ステップS2は、インジェクタ11から燃料を噴射することなく内燃機関をクランキングする処理である。ステップS2は、対象の気筒1の吸気ポート、吸気マニホルド34またはサージタンク33内を換気し、残留する燃料成分を排除するとともに、燃焼に必要な酸素を補充する意図である。燃料噴射及び火花点火を中断する期間の長さは、それらを停止してから再開するまでの間に発生するカム角信号gの個数によって定義することができる。即ち、燃料噴射及び火花点火を停止した後、ある個数のカム角信号gを受信したことを条件として、燃料噴射及び火花点火を再開するということになる。燃料噴射及び火花点火を中断する期間の長さは、常に一定不変であるとは限られない。例えば、内燃機関の冷却水温が低いほど、燃料噴射及び火花点火の中断期間を長く設定することが考えられる。
ステップS1にて、火花点火を行った直後に吸気圧が高位閾値を超えた場合、その火花点火を行ったカム角信号gのタイミングが吸気行程中T1であったとほぼ断定することができる。よって、ECU0は、以後の気筒判別ステップS3において、当該タイミングに対応するカム角信号gのタイミング、つまり当該タイミングから720°CA毎に訪れるカム角信号gのタイミングT1では、燃料噴射は行っても火花点火は行わないようにする。これにより、バックファイアの再発を防止しながら、内燃機関の各気筒1の行程の判別を確実に完遂することが可能となる。
他方、吸気圧が、高位閾値を超えないものの低位閾値を超えた場合(ステップS5)、直近の吸気行程中T1の火花点火によりバックファイアが発生したと断言はできない(吸気脈動により偶発的に吸気圧が低位閾値を超えた可能性がある)が、バックファイアの発生が疑われる。故に、ECU0は、気筒判別処理のための燃料噴射及び火花点火を所定期間中断する(ステップS6)とともに、火花点火を行った直後に吸気圧が(高位閾値を超えないが)低位閾値を超えた回数のカウンタを1増加させる(ステップS7)。
ステップS6は、インジェクタ11から燃料を噴射することなく内燃機関をクランキングする処理である。ステップS6の趣旨は、ステップS2と同様である。ステップS6における、燃料噴射及び火花点火を中断する期間の長さは、それらを停止してから再開するまでの間に発生するカム角信号gの個数によって定義することができる。また、ステップS6において、燃料噴射及び火花点火を中断する期間の長さは、ステップS2と同等としてもよいし、ステップS2とは異なる長さに設定してもよい。燃料噴射及び火花点火の中断期間の長さは、常に一定不変であるとは限られず、例えば、内燃機関の冷却温度が低いほどその中断期間を長く設定することが考えられる。
ステップS7では、吸気圧が低位閾値を超えた回数を、火花点火を行うカム角信号gのタイミング毎に計数する。より具体的に述べると、三気筒の4ストロークエンジンでは、その一サイクル(吸気−圧縮−膨張−排気の一連。720°CA)内に三個のカム角信号gのパルスが240°CA毎の等間隔で発生する。気筒判別処理の開始後、(3n+1)番目(nは0以上の整数)に受信されるカム角信号g、(3n+2)番目に受信されるカム角信号g、3(n+1)に受信されるカム角信号gはそれぞれ、特定の気筒1の吸気行程中T1、圧縮上死点近傍またはその手前T2、排気行程中T3のうちの何れかのタイミングを表す。無論、気筒判別処理が完了するまでは、各カム角信号gがどのタイミングを表しているのか不明である。ステップS7にて、ECU0は、(3n+1)番目のカム角信号gの直後((3n+2)番目のカム角信号gの前)に吸気圧が低位閾値を超えた回数、(3n+2)番目のカム角信号gの直後(3(n+1)番目のカム角信号gの前)に吸気圧が低位閾値を超えた回数、及び、3(n+1)のカム角信号gの直後((3n+1)番目のカム角信号gの前)に吸気圧が低位閾値を超えた回数を個別に計数する。
しかして、カム角信号g毎に個別に計数している、吸気圧が低位閾値を超えた回数のカウントの何れかが規定回数に到達したならば(ステップS8)、その規定回数に到達したカム角信号gのタイミングでの火花点火によりバックファイアが発生している、即ち当該カム角信号gが吸気行程中のタイミングT1を表していると推定することができる。例えば、(3n+2)番目のカム角信号gの直後に吸気圧が低位閾値を超えた回数が規定回数に到達したとすると、この(3n+2)番目のカム角信号gが吸気行程中のタイミングT1を表している蓋然性が高い。
よって、以後、ECU0は、気筒判別ステップS3に移行するとともに、気筒判別ステップS3において、吸気行程中T1であると推認される当該タイミングに対応するカム角信号gのタイミング、つまり当該タイミングから720°CA毎に訪れるカム角信号gのタイミングT1では、燃料噴射は行っても火花点火は行わないようにする。これにより、バックファイアの再発を防止しながら、内燃機関の各気筒1の行程の判別を確実に完遂することが可能となる。
翻って、ステップS7にて計数している回数のカウントが未だ規定回数に到達していないならば、どのカム角信号gが吸気行程中のタイミングT1を表しているのかを推断しないまま、気筒判別処理のための燃料噴射及び火花点火を再開する(ステップS10)。なお、一度でも吸気圧が低位閾値を超えた場合には、以後の気筒判別ステップS10、S12において、燃料の噴射量を、吸気圧が低位閾値を超える前に噴射していた量即ち内燃機関の冷却水温に基づいて設定した量よりも所定量削減し(ステップS9)、以てバックファイアの発生の抑止を図ることが好ましい。
あるカム角信号gのパルスを受信してから次のカム角信号gのパルスを受信するまでの間の経過時間が、それ以前の連続する二個のカム角信号gのパルスの間の経過時間と比較して一定値以上または一定割合以上短くなったならば(ステップS4、S11、S13)、前者のカム角信号gが特定の気筒1の圧縮上死点近傍またはその手前のタイミングT2を表し、後者のカム角信号gが同気筒1の排気行程中のタイミングT3を表していることが判明し、全ての気筒1の行程を判別できることとなり、気筒判別が完了する。気筒判別完了後は、通常の始動処理に移行する。
本実施形態では、少なくとも三気筒1を直列に配置し吸気ポートに燃料を噴射する4ストローク方式で、その三気筒1においてはそれぞれの圧縮上死点が等間隔で出現し、吸気バルブまたは排気バルブを開閉駆動するカムシャフトがクランクシャフトに従動して回転し、カムシャフトの回転を検出するカム角センサが各気筒1の圧縮上死点近傍または圧縮上死点から所定角度進角したタイミングにてカム角信号gを出力する態様の内燃機関を制御するものであって、ある特定の気筒1において、カム角信号gを受信する都度、燃焼に必要な量の約半分の燃料の噴射と火花点火とを交互に実施し、カム角信号gの受信間隔が変化したことに基づいて当該気筒1の膨張行程を知得する気筒判別処理を行い、前記気筒判別処理中に、検出される吸気圧の変動に基づいてバックファイアが発生した疑いがあると判断した場合には、気筒判別処理のための燃料噴射及び火花点火を所定期間中断する内燃機関の制御装置0を構成した。
本実施形態によれば、カム角信号gのみを参照して行う気筒判別処理において、バックファイアが発生したとしても、各気筒1の行程の判別を確実に完遂することができる。また、気筒判別処理中にバックファイアが繰り返し発生することを回避できる。加えて、吸気脈動により偶発的に吸気圧の瞬時値が閾値(低位閾値)を超えたとしても、これをバックファイアに起因する吸気圧の変動と誤認することを抑制できる。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。例えば、カム角信号gのタイミングが各気筒1の圧縮上死点から大きく乖離している、即ちカム角信号gの発生から圧縮上死点までのクランク角度の差分が大きい場合には、カム角信号gのタイミングを基に各気筒1の圧縮上死点のタイミングを推測し、その推測したタイミングで燃料噴射及び火花点火を実施することが好ましい。クランキング中のクランクシャフトの回転速度は、駆動源となる電動機の出力から予め知ることができるので、圧縮上死点のタイミングを推測することは比較的容易である。
気筒判別処理を二回以上遂行、即ち連続する二個のカム角信号gの間隔が短くなったことを二回以上検出したときに、はじめて対象の気筒1の膨張行程を断定するものとしてもよい。
上記実施形態における内燃機関は直列三気筒エンジンであったが、片バンクが三気筒で構成されるV型六気筒エンジンに対しても、本発明を適用することは可能である。
その他、各部の具体的構成や処理の手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は、車両等に搭載される内燃機関の制御に用いることができる。
0…制御装置(ECU)
1…気筒
11…インジェクタ
12…点火プラグ
e…吸気温・吸気圧信号
f…冷却水温信号
g…カム角信号
i…点火信号
j…燃料噴射信号

Claims (1)

  1. 少なくとも三気筒を直列に配置し吸気ポートに燃料を噴射する4ストローク方式で、その三気筒においてはそれぞれの圧縮上死点が等間隔で出現し、吸気バルブまたは排気バルブを開閉駆動するカムシャフトがクランクシャフトに従動して回転し、カムシャフトの回転を検出するカム角センサが各気筒の圧縮上死点近傍または圧縮上死点から所定角度進角したタイミングにてカム角信号を出力する態様の内燃機関を制御するものであって、
    ある特定の気筒において、カム角信号を受信する都度、燃焼に必要な量の約半分の燃料の噴射と火花点火とを交互に実施し、カム角信号の受信間隔が変化したことに基づいて当該気筒の膨張行程を知得する気筒判別処理を行い、
    前記気筒判別処理中に、検出される吸気圧の変動に基づいてバックファイアが発生した疑いがあると判断した場合には、気筒判別処理のための燃料噴射及び火花点火を所定期間中断する内燃機関の制御装置。
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