JP2017172577A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の始動の確実性をより高める。【解決手段】停止していた内燃機関を始動するべく、内燃機関を電動機により回転駆動するクランキングを行いながら気筒に対して燃料を噴射し、内燃機関の回転速度が閾値以上に上昇したならばクランキングを終了する制御装置であって、クランキングを開始してから所定期間内に内燃機関の回転速度が閾値以上に上昇しない場合において、当該所定期間内の気筒での燃料の燃焼の有無に応じて、以降の制御を変更する内燃機関の制御装置を構成した。【選択図】図4

Description

本発明は、車両等に搭載される内燃機関を制御する制御装置に関する。
周知の通り、停止している内燃機関を始動する際には、内燃機関の出力軸であるクランクシャフトを電動機により回転駆動しつつ、インジェクタから燃料を噴射してこれを気筒において燃焼させ、クランクシャフトの回転を加速するクランキングを行う。クランキングは、内燃機関が初爆から連爆へと至り、クランクシャフトの回転速度即ちエンジン回転数が内燃機関の冷却水温等に応じて定まる閾値を超えたときに、完爆したものと見なして終了する(下記特許文献1を参照)。
クランキングを開始してから一定の時間が経過してもなお完爆に至らない場合には、例えば、スロットルバルブの開度を拡大した上でクランキングを続行し、内燃機関の始動を試みる(下記特許文献2を参照)。
特開2014−173458号公報 特開2000−104599号公報
本発明は、内燃機関の始動の確実性をより高めることを所期の目的としている。
本発明では、停止していた内燃機関を始動するべく、内燃機関を電動機により回転駆動するクランキングを行いながら気筒に対して燃料を噴射し、内燃機関の回転速度が閾値以上に上昇したならばクランキングを終了する制御装置であって、クランキングを開始してから所定期間内に内燃機関の回転速度が閾値以上に上昇しない場合において、当該所定期間内の気筒での燃料の燃焼の有無に応じて、以降の制御を変更する内燃機関の制御装置を構成した。
具体的には、クランキングを開始してから所定期間内に内燃機関の回転速度が閾値以上に上昇しない場合において、当該所定期間内に気筒における燃料の燃焼がなかったならば、スロットルバルブの開度をより拡大しかつ燃料噴射を一時的に中断した上でクランキングを続行し、しかる後スロットルバルブの開度を再び縮小し燃料噴射を再開してクランキングを続行することが好ましい。
気筒に付随する吸気バルブを当該気筒の吸気下死点よりも遅いタイミングで閉弁しまたは当該気筒の排気上死点よりも遅いタイミングで開弁することのできる可変バルブタイミング機構が付帯する内燃機関を制御する場合には、クランキングを開始してから所定期間内に内燃機関の回転速度が閾値以上に上昇しない場合において、当該所定期間内に気筒における燃料の燃焼がなかったならば、吸気バルブの閉弁タイミングまたは開弁タイミングをより早めかつ燃料噴射を一時的に中断した上でクランキングを続行し、しかる後燃料噴射を再開してクランキングを続行するようにすることもできる。
本発明によれば、内燃機関の始動の確実性をより高めることができる。
本発明の一実施形態における車両用内燃機関及び制御装置の概略構成を示す図。 同実施形態における火花点火装置の回路図。 内燃機関の気筒における燃焼圧及びイオン電流信号のそれぞれの推移を例示する図。 同実施形態の制御装置がプログラムに従い実行する処理の手順例を示すフロー図。 本発明の変形例に係る制御装置がプログラムに従い実行する処理の手順例を示すフロー図。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に、本実施形態における車両用内燃機関の概要を示す。本実施形態の内燃機関は、ポート噴射式の4ストローク火花点火エンジンであり、複数の気筒1(図1には、そのうち一つを図示している)を具備する。
各気筒1の吸気ポート近傍には、燃料を噴射するインジェクタ11を設けている。また、各気筒1の燃焼室の天井部に、点火プラグ12を取り付けてある。
図2に、火花点火用の電気回路を示している。点火プラグ12は、点火コイル14にて発生した誘導電圧の印加を受けて、中心電極と接地電極との間で火花放電を起こすものである。点火コイル14は、半導体スイッチング素子であるイグナイタ13とともに、コイルケースに一体的に内蔵される。
内燃機関の制御装置たるECU(Electronic Control Unit)0からの点火信号iをイグナイタ13が受けると、まずイグナイタ13が点弧して点火コイル14の一次側に電流が流れ、その直後の点火のタイミングでイグナイタ13が消弧してこの電流が遮断される。すると、自己誘導作用が起こり、一次側に高電圧が発生する。そして、一次側と二次側とは磁気回路及び磁束を共有するので、二次側にさらに高い誘導電圧が発生する。この高い誘導電圧が点火プラグ12の中心電極に印加され、中心電極と接地電極との間で火花放電する。
本実施形態のECU0は、混合気の着火燃焼の際に気筒1の燃焼室内に発生するイオン電流を検出し、このイオン電流を参照して燃焼状態の判定を行うことができる。
図2に示すように、本実施形態では、火花点火用の電気回路に、イオン電流を検出するための回路を付加している。この検出回路は、イオン電流を効果的に検出するためのバイアス電源部15と、イオン電流の多寡に応じた検出電圧を増幅して出力する増幅部16とを備える。バイアス電源部15は、バイアス電圧を蓄えるキャパシタ151と、キャパシタ151の電圧を所定電圧まで高めるためのツェナーダイオード152と、電流阻止用のダイオード153、154と、イオン電流に応じた電圧を出力する負荷抵抗155とを含む。増幅部16は、オペアンプに代表される電圧増幅器161を含む。
点火プラグ12の中心電極と接地電極との間のアーク放電時にはキャパシタ151が充電され、その後キャパシタ151に充電されたバイアス電圧により負荷抵抗155にイオン電流が流れる。イオン電流が流れることで生じる抵抗155の両端間の電圧は、増幅部16により増幅されてイオン電流信号hとしてECU0に受信される。
図3に、正常燃焼における、イオン電流(図中実線で示す)及び気筒1内の燃焼圧力(筒内圧。図中破線で示す)のそれぞれの推移を例示している。イオン電流は、点火のための放電中は検出することができない。正常燃焼の場合のイオン電流は、火花点火の終了後、化学反応により、圧縮上死点の手前で減少した後、熱解離によって再び増加する。また、燃焼圧がピークを迎えるのとほぼ同時にイオン電流も極大となる。
吸気を供給するための吸気通路3は、外部から空気を取り入れて各気筒1の吸気ポートへと導く。吸気通路3上には、エアクリーナ31、電子スロットルバルブ32、サージタンク33、吸気マニホルド34を、上流からこの順序に配置している。
排気を排出するための排気通路4は、気筒1内で燃料を燃焼させたことで生じる排気を各気筒1の排気ポートから外部へと導く。この排気通路4上には、排気マニホルド42及び排気浄化用の三元触媒41を配置している。
排気ガス再循環(Exhaust Gas Recirculation)装置2は、いわゆる高圧ループEGRを実現するものであり、排気通路4における触媒41の上流側と吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流側とを連通する外部EGR通路21と、EGR通路21上に設けたEGRクーラ22と、EGR通路21を開閉し当該EGR通路21を流れるEGRガスの流量を制御するEGRバルブ23とを要素とする。EGR通路21の入口は、排気通路4における排気マニホルド42またはその下流の所定箇所に接続している。EGR通路21の出口は、吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流の所定箇所、特にサージタンク33に接続している。
内燃機関の運転制御を司るECU0は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステムである。
ECU0の入力インタフェースには、車両の実車速を検出する車速センサから出力される車速信号a、内燃機関のクランクシャフトの回転角度及びエンジン回転数を検出するクランク角センサ(エンジン回転センサ)から出力されるクランク角信号b、アクセルペダルの踏込量またはスロットルバルブ32の開度をアクセル開度(いわば、内燃機関に対する要求トルク)として検出するセンサから出力されるアクセル開度信号c、吸気通路3(特に、サージタンク33)内の吸気温及び吸気圧を検出する温度・圧力センサから出力される吸気温・吸気圧信号d、内燃機関の温度を示唆するエンジン冷却水温を検出する水温センサから出力される冷却水温信号e、車載のバッテリに対して流出入する電流及びバッテリの電極端子近傍の雰囲気の温度を検出する電流・温度センサから出力されるバッテリ電流・温度信号f、吸気カムシャフトまたは排気カムシャフトの複数のカム角にてカム角センサから出力されるカム角信号g、気筒1の燃焼室内での混合気の燃焼に伴って生じるイオン電流を検出する回路から出力されるイオン電流信号h等が入力される。
ECU0の出力インタフェースからは、点火プラグ12のイグナイタに対して点火信号i、インジェクタ11に対して燃料噴射信号j、スロットルバルブ32に対して開度操作信号k、EGRバルブ23に対して開度操作信号l等を出力する。
ECU0のプロセッサは、予めメモリに格納されているプログラムを解釈、実行し、運転パラメータを演算して内燃機関の運転を制御する。ECU0は、内燃機関の運転制御に必要な各種情報a、b、c、d、e、f、g、hを入力インタフェースを介して取得し、エンジン回転数を知得するとともに気筒1に充填される吸気量を推算する。そして、それらエンジン回転数及び吸気量に基づき、要求される燃料噴射量、燃料噴射タイミング(一度の燃焼に対する燃料噴射の回数を含む)、燃料噴射圧、点火タイミング、要求EGR率(または、EGR量)等といった各種運転パラメータを決定する。ECU0は、運転パラメータに対応した各種制御信号i、j、k、lを出力インタフェースを介して印加する。
また、ECU0は、内燃機関の始動(冷間始動であることもあれば、アイドリングストップからの復帰であることもある)時において、電動機(スタータモータまたはISG(Integrated Starter Generator))を稼働させるための制御信号oを入力し、当該電動機により内燃機関のクランクシャフトを回転させるクランキングを行う。クランキングは、内燃機関が初爆から連爆へと至り、クランクシャフトの回転速度即ちエンジン回転数がそのときの内燃機関の温度(冷却水温)等に応じて定まる閾値に到達したときに、完爆したものと見なして終了する。
図4に、本実施形態のECU0が内燃機関の始動に際して実行する処理の手順例を示している。ECU0は、始動のためのクランキングの開始後、エンジン回転数が閾値以上に高まったときに(ステップS1)、クランキングを終了する(ステップS2)。一方で、クランキングを開始してから所定期間内にエンジン回転数が閾値以上に加速しない場合には(ステップS3)、当該所定期間内に気筒1において燃料の燃焼があったかどうか、換言すれば初爆が起こったか否かに応じて(ステップS4)以降の処理を選択する。
なお、気筒1において燃料が燃焼したかどうかは、イオン電流信号hを参照して判定することができる。ECU0は、クランキング中にイオン電流信号hを検出し、図3に示しているようにそのイオン電流信号hの大きさが閾値以上となっている期間Tの長さを計数する。そして、その期間Tの長さを判定値と比較し、期間Tが判定値以上に長ければ気筒1において燃料の燃焼が生じたと判定し、さもなくば燃焼が生じていないと判定する。
上記の所定期間内に気筒1で燃料の燃焼が生じていた、つまり所定期間内に初爆が起こったならば、スロットルバルブ32の開度を当該所定期間中よりも拡大し、かつインジェクタ11からの燃料噴射量を当該所定期間中よりも増量した上で、クランキングを続行する(ステップS5)。ステップS5では、スロットルバルブ32の開度を徐々に拡大するとともに、燃料噴射量を徐々に増加させてゆく。ステップS5におけるスロットルバルブ32の開度及び燃料噴射量の上限は、そのときの内燃機関の温度(冷却水温)に応じて設定する。これは、気筒1の点火プラグ12が液状の燃料で濡れてしまうことを抑制するための措置であり、内燃機関の温度が低いほどスロットルバルブ32の開度及び燃料噴射量の上限を低く設定する。
翻って、上記の所定期間内に気筒1で燃料の燃焼が生じなかった、つまり所定期間内に初爆が起こらなかったならば、スロットルバルブ32の開度を当該所定期間中よりも拡大し、かつインジェクタ11からの燃料噴射を一時的に中断して、クランキングを続行する(ステップS6)。ステップS6では、スロットルバルブ32の開度を速やかに所定の大きさ、特に最大まで拡大する。所定期間内に初爆を得られなかった要因は、気筒1の燃焼室内の未燃ガスの残存(酸素の不足)、気筒1の点火プラグ12が液状燃料により濡れている、または、気筒1の圧縮行程での混合気の圧縮圧力の不足の何れかである可能性がある。このことに鑑み、ステップS6では、スロットルバルブ32の開度を拡大して吸気通路3から気筒1に燃料を含まない新気を流入させ、以て未燃ガスの掃気、点火プラグ12に付着した液状燃料の気化の促進、及び圧縮行程における圧縮圧力の増大を図る。ステップS6にて、点火プラグ12による火花放電は続行してもよいし、燃料噴射とともに一時的に中断してもよい。
しかる後、ECU0は、スロットルバルブ32の開度を絞ってインジェクタ11からの燃料噴射を再開し、クランキングを続行する(ステップS7)。
ステップS5、またはステップS6及びS7を実行しつつ、エンジン回転数が閾値以上に高まった(ステップS8、S9)ならば、完爆したと見なしてクランキングを終了する(ステップS2)。ステップS5またはステップS7の実行開始後、ある期間が経過してもなおエンジン回転数が閾値以上に加速しない場合には(ステップS10、S11)、始動不良としてクランキングを中止する(ステップS12)。
本実施形態では、停止していた内燃機関を始動するべく、内燃機関を電動機により回転駆動するクランキングを行いながら気筒1に対して燃料を噴射し、内燃機関の回転速度が閾値以上に上昇したならばクランキングを終了するものであって、クランキングを開始してから所定期間内に内燃機関の回転速度が閾値以上に上昇しない場合において、当該所定期間内に気筒1における燃料の燃焼があったならば、スロットルバルブ32の開度をより拡大しかつ燃料噴射量をより増量した上でクランキングを続行する一方、当該所定期間内に気筒1における燃料の燃焼がなかったならば、スロットルバルブ32の開度をより拡大しかつ燃料噴射を一時的に中断した上でクランキングを続行し、しかる後スロットルバルブ32の開度を再び縮小し燃料噴射を再開してクランキングを続行する内燃機関の制御装置0を構成した。
本実施形態によれば、クランキングの開始後所定期間内に完爆しなかった場合に、初爆が起こったか否かに応じて、内燃機関の現在の状態に妥当する処理を実行し、完爆に至る可能性を高めることができる。ひいては、内燃機関の始動の確実性が向上する。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。例えば、上記実施形態では、所定期間内に初爆が起こったか否かをイオン電流信号hを参照して判定していたが、気筒1の燃焼室内圧力を検出可能な筒内圧センサが気筒1に設置されているならば、その筒内圧センサを介して検出される燃焼室内圧力を判定値と比較することで、所定期間内に初爆が起こったか否かを判定することができる。言うまでもなく、初爆が起こったときには燃焼室内圧力が判定値を上回ることとなる。
あるいは、クランク角信号bを参照して知得される、内燃機関のクランクシャフトが所定角度回転するのに要した時間を反復的に計測することで、所定期間内に初爆が起こったか否かを判定するようにしても構わない。初爆が起こったときには、クランクシャフトの回転速度が加速し、クランクシャフトが所定角度回転するのに要する時間が短縮される。そこで、クランクシャフトが所定角度回転するのに要した時間を判定値と比較し、前者が後者を下回れば初爆が起こったと判定するのである。
また、可変バルブタイミング(Variable Valve Timing)機構が付帯する内燃機関の始動制御においては、スロットルバルブ32の開度の操作とともに、またはこれに変えて、VVT機構が具現する吸気バルブの閉弁タイミング及び/または開弁タイミングを操作することで、内燃機関の始動の確実性を高めることができる。
典型的なVVT機構は、各気筒1の吸気バルブを駆動する吸気カムシャフトのクランクシャフトに対する回転位相を液圧(油圧)アクチュエータまたは電動機により変化させるものである。周知の通り、内燃機関の吸気カムシャフトは、内燃機関の出力軸であるクランクシャフトから回転駆動力の供給を受け、クランクシャフトに従動して回転する。クランクシャフトと吸気カムシャフトとの間には、回転駆動力を伝達するための巻掛伝動装置(図示せず)が介在している。巻掛伝動装置は、クランクシャフト側に設けたクランクスプロケット(または、プーリ)と、吸気カムシャフト側に設けたカムスプロケット(または、プーリ)と、これらスプロケット(または、プーリ)に巻き掛けるタイミングチェーン(または、ベルト)とを要素とする。VVT機構は、吸気カムシャフトをカムスプロケットに対し相対的に回動させることを通じて、吸気カムシャフトのクランクシャフトに対する回転位相を変化させ、以て各気筒1の吸気バルブの開閉タイミングを進角または遅角させる。
VVT機構の他の態様としては、吸気バルブを開弁駆動するカムを複数用意しておきそれらカムを適宜使い分けるもの、ロッカーアームのレバー比を電動機を介して変化させるもの、吸気バルブを電磁ソレノイドバルブとしたもの等が知られている。何れにせよ、VVT機構の具体的態様は一意に限定されない。
VVT機構の用途の一つとして、ミラーサイクル(アトキンソンサイクル)の実現が挙げられる。即ち、吸気バルブを気筒1の吸気下死点よりも遅いタイミングで閉じ、及び/または、気筒1の排気上死点よりも遅いタイミングで開くようにバルブタイミングを設定することで、実効的に圧縮行程のストローク長を膨張行程のストローク長よりも短縮する。実圧縮比よりも実膨張比を大きくとるミラーサイクルは、排熱量を減少させて熱効率を高めることができる点で有利である。吸気バルブの閉弁タイミングを吸気下死点よりも大きく遅らせるものにおいては、例えば、吸気下死点後50°CA(クランク角度)ないし90°CAのタイミングで吸気バルブを閉じる。
図5に、VVT機構が付帯する内燃機関の始動に際して制御装置たるECU0が実行する処理の手順例を示している。内燃機関の始動のためのクランキングの開始時、VVT機構が具現している吸気バルブタイミングは、吸気バルブが気筒1の吸気下死点よりも大きく遅れたタイミングで閉弁し、及び/または、吸気バルブが気筒1の排気上死点よりも大きく遅れたタイミングで開弁するタイミングであるとする。これにより、気筒1に充填される吸気量及び吸気の圧縮圧力が減少し、その分ポンピングロスが低減してクランクシャフトを回転駆動する電動機に対する負荷が減る。ECU0は、クランキングの開始後、エンジン回転数が閾値以上に高まったときに(ステップS13)、クランキングを終了する(ステップS14)。一方で、クランキングを開始してから所定期間内にエンジン回転数が閾値以上に加速しない場合には(ステップS15)、当該所定期間内に気筒1において燃料の燃焼があったかどうか、換言すれば初爆が起こったか否かに応じて(ステップS16)以降の処理を選択する。
上記の所定期間内に気筒1で燃料の燃焼が生じていた、つまり所定期間内に初爆が起こったならば、吸気バルブタイミングを当該所定期間中よりも進角し、かつインジェクタ11からの燃料噴射量を当該所定期間中よりも増量した上で、クランキングを続行する(ステップS17)。ステップS17では、VVT機構を制御することで、吸気下死点よりも大きく遅れたタイミングで閉じていた吸気バルブの閉弁タイミングを徐々に(最大で吸気下死点まで)進角し、及び/または、排気上死点よりも大きく遅れたタイミングで開いていた吸気バルブの開弁タイミングを徐々に進角するとともに、燃料噴射量を徐々に増大させてゆく。吸気バルブタイミングの進角は、気筒1に充填される吸気量を増量することを意味する。ステップS17における吸気バルブタイミングの進角量及び燃料噴射量の上限は、そのときの内燃機関の温度(冷却水温)に応じて設定する。これは、気筒1の点火プラグ12が液状の燃料で濡れてしまうことを抑制するための措置であり、内燃機関の温度が低いほど吸気バルブタイミングの進角量及び燃料噴射量の上限を低く設定する。なお、ステップS17において、吸気バルブタイミングの進角とともに、上記実施形態におけるステップS5と同様に、スロットルバルブ32の開度を所定期間中よりも拡大するようにしてもよい。
翻って、上記の所定期間内に気筒1で燃料の燃焼が生じなかった、つまり所定期間内に初爆が起こらなかったならば、吸気バルブタイミングを当該所定期間中よりも進角し、かつインジェクタ11からの燃料噴射を一時的に中断して、クランキングを続行する(ステップS18)。ステップS18では、VVT機構を制御することで、吸気下死点よりも大きく遅れたタイミングで閉じていた吸気バルブの閉弁タイミングを速やかに所定のタイミング、具体的には吸気下死点または吸気下死点よりも少しく遅いタイミングまで進角し、及び/または、排気上死点よりも大きく遅れたタイミングで開いていた吸気バルブの開弁タイミングを速やかに所定のタイミング、具体的には排気上死点よりも早いタイミングまで進角する。所定期間内に初爆を得られなかった要因は、気筒1の燃焼室内の未燃ガスの残存(酸素の不足)、気筒1の点火プラグ12が液状燃料により濡れている、または、気筒1の圧縮行程での混合気の圧縮圧力の不足の何れかである可能性がある。このことに鑑み、ステップS18では、吸気通路3から気筒1に燃料を含まない新気を流入させて未燃ガスを掃気しながら、気筒1に充填される吸気量を増量して(気筒1内の空気密度を高めて点火プラグ12に空気の構成分子が衝突する確率を高め)点火プラグ12に付着した液状燃料の気化の促進、及び圧縮行程における圧縮圧力の増大を図る。ステップS18にて、点火プラグ12による火花放電は続行してもよいし、燃料噴射とともに一時的に中断してもよい。なお、ステップS18において、吸気バルブタイミングの進角とともに、上記実施形態におけるステップS6と同様に、スロットルバルブ32の開度を所定期間中よりも拡大するようにしてもよい。
しかる後、ECU0は、インジェクタ11からの燃料噴射を再開し、クランキングを続行する(ステップS19)。ステップS19では、ステップS18にて進角させた吸気バルブの閉弁タイミング及び/または開弁タイミングを、所定期間中と同等のタイミングまたはこれに近いタイミングまで遅角させてもよいし、進角させた状態のまま維持してもよい。ステップS18にてスロットルバルブ32の開度を拡大していた場合には、ステップS19にてそのスロットルバルブ32の開度を再び絞る。
ステップS17、またはステップS18及びS19を実行しつつ、エンジン回転数が閾値以上に高まった(ステップS20、S21)ならば、完爆したと見なしてクランキングを終了する(ステップS14)。ステップS17またはステップS19の実行開始後、ある期間が経過してもなおエンジン回転数が閾値以上に加速しない場合には(ステップS22、S23)、始動不良としてクランキングを中止する(ステップS24)。
このように、気筒1に付随する吸気バルブを当該気筒1の吸気下死点よりも遅いタイミングで閉弁しまたは当該気筒1の排気上死点よりも遅いタイミングで開弁することのできる可変バルブタイミング機構が付帯する内燃機関を制御する制御装置0にあっては、クランキングを開始してから所定期間内に内燃機関の回転速度が閾値以上に上昇しない場合において、当該所定期間内に気筒1における燃料の燃焼がなかったならば、吸気バルブの閉弁タイミングまたは開弁タイミングをより早めかつ燃料噴射を一時的に中断した上でクランキングを続行し、しかる後燃料噴射を再開してクランキングを続行することで、内燃機関が完爆に至る可能性を高めることができる。即ち、内燃機関の始動の確実性が向上する。
その他、各部の具体的構成や処理の内容等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は、車両等に搭載される内燃機関の制御に適用することができる。
0…制御装置(ECU)
1…気筒
11…インジェクタ
b…クランク角信号
h…イオン電流信号
j…燃料噴射信号
k…開度操作信号
o…クランキング用の電動機の制御信号

Claims (3)

  1. 停止していた内燃機関を始動するべく、内燃機関を電動機により回転駆動するクランキングを行いながら気筒に対して燃料を噴射し、内燃機関の回転速度が閾値以上に上昇したならばクランキングを終了する制御装置であって、
    クランキングを開始してから所定期間内に内燃機関の回転速度が閾値以上に上昇しない場合において、当該所定期間内の気筒での燃料の燃焼の有無に応じて、以降の制御を変更する内燃機関の制御装置。
  2. クランキングを開始してから所定期間内に内燃機関の回転速度が閾値以上に上昇しない場合において、当該所定期間内に気筒における燃料の燃焼がなかったならば、スロットルバルブの開度をより拡大しかつ燃料噴射を一時的に中断した上でクランキングを続行し、しかる後スロットルバルブの開度を再び縮小し燃料噴射を再開してクランキングを続行する請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 気筒に付随する吸気バルブを当該気筒の吸気下死点よりも遅いタイミングで閉弁しまたは当該気筒の排気上死点よりも遅いタイミングで開弁することのできる可変バルブタイミング機構が付帯する内燃機関を制御するものであり、
    クランキングを開始してから所定期間内に内燃機関の回転速度が閾値以上に上昇しない場合において、当該所定期間内に気筒における燃料の燃焼がなかったならば、吸気バルブの閉弁タイミングまたは開弁タイミングをより早めかつ燃料噴射を一時的に中断した上でクランキングを続行し、しかる後燃料噴射を再開してクランキングを続行する請求項1記載の内燃機関の制御装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112177787A (zh) * 2019-11-20 2021-01-05 株式会社电装 发动机控制装置及其控制方法

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