JP2016113909A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】内燃機関の速やかな始動とプレイグニッションの発生の抑止との両立を図る。
【解決手段】吸気バルブの開弁タイミング及び/または閉弁タイミングを変化させることのできる可変バルブタイミング機構が付帯した内燃機関を制御するものであって、内燃機関の出力軸を電動機により回転駆動するクランキングを伴う内燃機関の始動に際し、エンジン回転数が所定回転数未満の時期における吸気バルブの開弁タイミング及び/または閉弁タイミングを、エンジン回転数が所定回転数以上となった時期におけるそれと比較して進角させるとともに、前者の時期における吸気バルブの開弁タイミング及び/または閉弁タイミングの進角量を、内燃機関の温度及び/または吸気の温度に応じて変更する内燃機関の制御装置を構成した。
【選択図】図2
【解決手段】吸気バルブの開弁タイミング及び/または閉弁タイミングを変化させることのできる可変バルブタイミング機構が付帯した内燃機関を制御するものであって、内燃機関の出力軸を電動機により回転駆動するクランキングを伴う内燃機関の始動に際し、エンジン回転数が所定回転数未満の時期における吸気バルブの開弁タイミング及び/または閉弁タイミングを、エンジン回転数が所定回転数以上となった時期におけるそれと比較して進角させるとともに、前者の時期における吸気バルブの開弁タイミング及び/または閉弁タイミングの進角量を、内燃機関の温度及び/または吸気の温度に応じて変更する内燃機関の制御装置を構成した。
【選択図】図2
Description
本発明は、吸気バルブの開弁タイミング及び/または閉弁タイミングを変化させることのできる可変バルブタイミング(Variable Valve Timing)機構が付帯した内燃機関を制御する制御装置に関する。
車両等に搭載される内燃機関について、吸気バルブの開閉タイミングを可変制御できるVVT機構を備えたものが公知である(例えば、下記特許文献を参照)。
内燃機関を始動する際には、電動機により内燃機関を回転駆動するクランキングを実行しつつ燃料を燃焼させてエンジン回転を加速させるが、この始動処理に費やす時間は短いほどよい。特に、アイドルストップした内燃機関の再始動時には、アイドルストップが信号待ち等による車両の路上での停車に起因して生起することから、可及的速やかに内燃機関の始動を完了することが望まれる。
そのために、クランキング中の吸気バルブの開閉タイミングを進角させて、気筒の燃焼室に充填される吸気量(及び、燃料噴射量)を増加させることが考えられる。しかしながら、内燃機関の温度や吸気の温度が顕著に高い場合には、エンジン回転数即ちピストンの進退運動速度が低いことと相まって、燃焼室内でプレイグニッションが惹起されるおそれがある。
プレイグニッションは、アイドルストップ条件が成立して内燃機関のアイドルストップ処理を開始した後、内燃機関の回転が完全に停止する前に(運転者がブレーキペダルから足を離したりアクセルペダルを踏んだりして)アイドルストップ終了条件が成立し内燃機関を再始動するときにも発生し得る。
本発明は、内燃機関の速やかな始動とプレイグニッションの発生の抑止との両立を図ることを所期の目的としている。
上述した課題を解決するべく、本発明では、吸気バルブの開弁タイミング及び/または閉弁タイミングを変化させることのできる可変バルブタイミング機構が付帯した内燃機関を制御するものであって、内燃機関の出力軸を電動機により回転駆動するクランキングを伴う内燃機関の始動に際し、エンジン回転数が所定回転数未満の時期における吸気バルブの開弁タイミング及び/または閉弁タイミングを、エンジン回転数が所定回転数以上となった時期におけるそれと比較して進角させるとともに、前者の時期における吸気バルブの開弁タイミング及び/または閉弁タイミングの進角量を、内燃機関の温度及び/または吸気の温度に応じて変更する内燃機関の制御装置を構成した。
なお、アイドルストップ条件が成立して内燃機関のアイドルストップ処理を開始した後、エンジン回転が完全に停止する前にアイドルストップ終了条件が成立して内燃機関を再始動する場合には、エンジン回転数が所定回転数未満の時期における吸気バルブの開弁タイミング及び/または閉弁タイミングと、エンジン回転数が所定回転数以上となった時期におけるそれとを同等とすることが好ましい。
本発明によれば、内燃機関の速やかな始動とプレイグニッションの発生の抑止との両立を図ることができる。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に、本実施形態における車両用内燃機関の概要を示す。本実施形態における内燃機関は、火花点火式の4ストロークガソリンエンジンであり、複数の気筒1(図1には、そのうち一つを図示している)を具備している。各気筒1の吸気ポート近傍には、燃料を噴射するインジェクタ11を設けている。また、各気筒1の燃焼室の天井部に、点火プラグ12を取り付けてある。点火プラグ12は、点火コイルにて発生した誘導電圧の印加を受けて、中心電極と接地電極との間で火花放電を惹起するものである。点火コイルは、半導体スイッチング素子であるイグナイタとともに、コイルケースに一体的に内蔵される。
吸気を供給するための吸気通路3は、外部から空気を取り入れて各気筒1の吸気ポートへと導く。吸気通路3上には、エアクリーナ31、電子スロットルバルブ32、サージタンク33、吸気マニホルド34を、上流からこの順序に配置している。
排気を排出するための排気通路4は、気筒1内で燃料を燃焼させたことで生じる排気を各気筒1の排気ポートから外部へと導く。この排気通路4上には、排気マニホルド42及び排気浄化用の三元触媒41を配置している。
排気ガス再循環(Exhaust Gas Recirculation)装置2は、いわゆる高圧ループEGRを実現するものであり、排気通路4における触媒41の上流側と吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流側とを連通する外部EGR通路21と、EGR通路21上に設けたEGRクーラ22と、EGR通路21を開閉し当該EGR通路21を流れるEGRガスの流量を制御するEGRバルブ23とを要素とする。EGR通路21の入口は、排気通路4における排気マニホルド42またはその下流の所定箇所に接続している。EGR通路21の出口は、吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流の所定箇所、特にサージタンク33に接続している。
本実施形態の内燃機関には、各気筒1の吸気バルブの開閉タイミングを可変制御できるVVT機構6が付随している。VVT機構6は、各気筒1の吸気バルブを駆動する吸気カムシャフトのクランクシャフトに対する回転位相を電動機によって変化させる既知のもの(モータドライブVVT)である。周知の通り、内燃機関の吸気カムシャフトは、内燃機関の出力軸であるクランクシャフトから回転駆動力の供給を受け、クランクシャフトに従動して回転する。クランクシャフトと吸気カムシャフトとの間には、回転駆動力を伝達するための巻掛伝動装置(図示せず)が介在している。巻掛伝動装置は、クランクシャフト側に設けたクランクスプロケット(または、プーリ)と、吸気カムシャフト側に設けたカムスプロケット(または、プーリ)と、これらスプロケット(または、プーリ)に巻き掛けるタイミングチェーン(または、ベルト)とを要素とする。VVT機構6は、吸気カムシャフトをカムスプロケットに対し相対的に回動させることを通じて、吸気カムシャフトのクランクシャフトに対する回転位相を変化させ、以て吸気バルブの開閉タイミングを変更する。
本実施形態における内燃機関は、必要に応じ、吸気バルブの閉弁タイミングを吸気下死点よりも大きく(例えば、55°CA(クランク角度)以上)遅らせてミラーサイクル(アトキンソンサイクル)運転を行うことができる。ミラーサイクル運転を行うときの吸気バルブの開弁タイミングは、排気上死点近傍ないし排気上死点から若干(例えば、5°CA程度)遅れたタイミングまで遅角する。
本実施形態の内燃機関の制御装置たるECU(Electronic Control Unit)0は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステムである。
入力インタフェースには、車両の実車速を検出する車速センサから出力される車速信号a、クランクシャフトの回転角度及びエンジン回転数を検出するエンジン回転センサから出力されるクランク角信号b、アクセルペダルの踏込量またはスロットルバルブ32の開度をアクセル開度(いわば、要求負荷)として検出するセンサから出力されるアクセル開度信号c、内燃機関の温度を示唆する冷却水温を検出する水温センサから出力される冷却水温信号d、車載のバッテリの端子電流及び/または端子電圧を検出する電流/電圧センサから出力されるバッテリ電流/電圧信号e、吸気通路3(特に、サージタンク33)内の吸気温及び吸気圧を検出する温度・圧力センサから出力される吸気温・吸気圧信号f、吸気カムシャフトの複数のカム角にてカム角センサから出力されるカム角信号g、ブレーキペダルが踏まれていることまたはブレーキペダルの踏込量を検出するセンサ(ブレーキスイッチやマスタシリンダ圧センサ等)から出力されるブレーキ信号h等が入力される。
出力インタフェースからは、イグナイタ13に対して点火信号i、インジェクタ11に対して燃料噴射信号j、スロットルバルブ32に対して開度操作信号k、EGRバルブ23に対して開度操作信号l、VVT機構6に対して吸気バルブタイミングの制御信号n等を出力する。
ECU0のプロセッサは、予めメモリに格納されているプログラムを解釈、実行し、運転パラメータを演算して内燃機関の運転を制御する。ECU0は、内燃機関の運転制御に必要な各種情報a、b、c、d、e、f、g、hを入力インタフェースを介して取得し、エンジン回転数を知得するとともに気筒1に充填される吸気量を推算する。そして、それらエンジン回転数及び吸気量等に基づき、要求される燃料噴射量、燃料噴射タイミング(一度の燃焼に対する燃料噴射の回数を含む)、燃料噴射圧、点火タイミング、要求EGR率(または、EGR量)、吸気バルブの開閉タイミング等といった各種運転パラメータを決定する。ECU0は、運転パラメータに対応した各種制御信号i、j、k、l、nを出力インタフェースを介して印加する。
ECU0は、所定のアイドルストップ条件が成立したときに、内燃機関のアイドル回転を停止させるアイドルストップを実行する。ECU0は、ブレーキペダルの踏込量またはマスタシリンダ圧が閾値以上であり(ブレーキペダルが踏まれた)、内燃機関の冷却水温が所定以上に高く、車載のバッテリの充電量または端子電圧が所定以上に高く、エアコンディショナの冷媒圧縮用コンプレッサが稼働しておらず、シフトレンジが走行レンジであり、前回のアイドルストップ終了からある車速以上まで加速した経歴があり、かつ現在の車速がある車速以下である(例えば、車速が13.5km/h以上から13km/hまで低下した、または9.5km/h以上から7km/hまで低下した)、といった諸条件がおしなべて成立したことを以て、アイドルストップ条件が成立したものと判断する。
アイドルストップ条件の成立後、所定のアイドルストップ終了条件が成立したときには、内燃機関を再始動する。ECU0は、ブレーキペダルの踏込量またはマスタシリンダ圧が0または0に近い閾値未満となった(ブレーキペダルが踏まれなくなった)、逆にブレーキペダルの踏込量またはマスタシリンダ圧がさらに増大した(ブレーキペダルがさらに強く踏み込まれた)、アクセル開度が増大した(アクセルペダルが踏まれた)、アイドルストップ状態で所定時間(3分)が経過した等のうち何れかを以て、アイドルストップ終了条件が成立したものと判断する。
停止した内燃機関を始動(アイドリングストップからの復帰だけでなく、冷間始動も含む)するに際して、ECU0は、電動機(特に、ISG(Integrated Starter Generator)。図示せず)に制御信号oを入力し、当該電動機によりクランクシャフトを回転させるクランキングを行う。クランキングは、内燃機関が初爆から連爆へと至り、エンジン回転数即ちクランクシャフトの回転速度が冷却水温等に応じて定まる判定値を超えたときに(完爆したものと見なして)終了する。
しかして、本実施形態では、内燃機関の始動のためのクランキング中の吸気バルブの開閉タイミングを、そのときの内燃機関の温度及び/または吸気の温度に応じて調整することにより、円滑な始動とプレイグニッションの抑止との両立を図っている。
図2に、アイドルストップした内燃機関を再始動する場合にECU0が実行する制御の模様を例示する。アイドルストップ条件が成立する時点t0以前の、内燃機関を運転している時期における吸気バルブの開閉タイミングは、内燃機関の運転領域[エンジン回転数,エンジン負荷(または、サージタンク33内吸気圧、気筒1に充填される吸気量若しくは燃料噴射量)]に応じて設定する。アイドル運転中またはアイドル運転に近い低負荷運転領域での吸気バルブの開閉タイミングは、原則として、VVT機構6により具現可能な吸気バルブタイミングの可動範囲のうちの最も遅角したタイミングからある程度以上(例えば、25°CA)進角したタイミングをとる。なお、VVT機構6が具現可能な最遅角タイミングでは、吸気バルブが排気上死点近傍ないし排気上死点から若干遅れたタイミングで開弁し、吸気下死点から大きく遅れたタイミングで閉弁する。
アイドルストップ条件が成立した時点t0以降、ECU0は、内燃機関の気筒1への燃料供給を遮断してエンジン回転を停止させる。それとともに、ECU0は、VVT機構6を介して吸気バルブの開閉タイミングを、現在の内燃機関の温度及び/または気筒1に向かって流入する吸気の温度の高低に応じたタイミングに制御する。具体的には、内燃機関の温度を示唆する冷却水温が高いほど、及び/または、サージタンク33内の吸気温が高いほど、吸気バルブの開閉タイミングの最遅角タイミングからの進角量を小さくする。図2中、実線は冷却水温及び/または吸気温が比較的低い場合を表し、破線は冷却水温及び/または吸気温が比較的高い場合を表している。並びに、鎖線は冷却水温及び/または吸気温がさらに高い場合を表している。
ECU0のメモリには予め、内燃機関の冷却水温及び/または吸気温と、吸気バルブタイミングとの関係を規定したマップデータが格納されている。ECU0は、現在の冷却水温及び/または吸気温をキーとして当該マップを検索し、時点t0以降(そして、後述する時点t2まで)の吸気バルブタイミングを知得し、当該吸気バルブタイミングを具現するようにVVT機構6を操作する。
アイドルストップ条件の成立時点t0以降の吸気バルブの開閉タイミングは、アイドルストップ条件成立直前における吸気バルブタイミングよりも遅角する。だが、内燃機関の冷却水温及び/または吸気温が余程の高温でない限りは、VVT機構6が具現可能な最遅角タイミングよりも進角したタイミングをとる。アイドルストップ中に吸気バルブタイミング(特に、閉弁タイミング)を進角させておくのは、内燃機関の再始動の際のクランキング中に気筒1の燃焼室に充填される吸気量及び燃料噴射量を少しでも増加させ、エンジン回転の加速を促進して内燃機関の始動を確実ならしめるとともに、始動のためのクランキングの期間をできるだけ短縮するためである。
但し、内燃機関の冷却水温及び/または吸気温が顕著に高温である場合には、クランキング中のプレイグニッションの発生を確実に阻止するべく、時点t0以降の吸気バルブの開閉タイミングを、VVT機構6が具現可能な最遅角タイミングに設定することがある。
時点t0以降の吸気バルブタイミングを時点t0以前の吸気バルブタイミングから遅角させるためのVVT機構6の操作は、アイドルストップ処理の開始によるエンジン回転数の低下中に実施することが好ましい。さすれば、吸気カムのカムローブ(カム山)がタペットまたはバルブリフタから受ける反作用を利用して吸気カムシャフトをカムスプロケット(または、プーリ)に対し相対的に遅角方向に回動させることができ、VVT機構6において吸気バルブタイミングを遅角させるために費やすエネルギ、モータドライブVVTであれば消費電力量を節約することが可能となる。
アイドルストップ終了条件が成立した時点t1以降、ECU0は、内燃機関のクランキングを実行して内燃機関の再始動を試みる。そして、エンジン回転数が所定回転数に上昇する時点t2までは、吸気バルブの開閉タイミングを上述した冷却水温及び/または吸気温の高低に応じたタイミングに維持する。一方、エンジン回転数が所定回転数に上昇した時点t2以降は、吸気バルブの開閉タイミングをVVT機構6が具現可能な最遅角タイミングまで遅角させる。所定回転数は、気筒1で初爆が起こった結果到達するであろうと予想されるエンジン回転数の値から、完爆判定に用いる判定値までの範囲内の何れかの値に定めることが好ましい。エンジン回転数が所定回転数に達した時点t2以後、吸気バルブの開閉タイミングをそれまでのタイミングよりも遅角化するのは、気筒1の燃焼室に充填される吸気量及び燃料噴射量を削減し、完爆後のエンジン回転数が目標アイドル回転数を大きく超越する吹き上がり(オーバシュート)を抑制する意図である。
エンジン回転数が完爆判定値を超えてクランキングを終了した時点t3(この時点t3は、上記の時点t2と同時であることがある)以降も、ECU0は暫くの間、吸気バルブの開閉タイミングをVVT機構6が具現可能な最遅角タイミングに維持する。ECU0は、クランキングの終了時点t3から所定時間が経過し、または内燃機関のクランクシャフトが所定回数回転した後の時点t4より、アイドル運転領域またはアイドル運転に近い低負荷運転領域での吸気バルブの開閉タイミングを、平常のタイミング即ち最遅角タイミングからある程度以上進角したタイミングに制御する。
ところで、アイドルストップ条件が成立して内燃機関のアイドルストップ処理を開始した後、エンジン回転が完全に停止するよりも先に、アイドルストップ終了条件が成立することがある。そのような事象は、赤信号の交差点や鉄道の踏切の手前で車両を減速させているときに生起しやすい。つまり、運転者がブレーキペダルを踏むことで車両が制動され停車に至る過程で信号が青に変わり、または踏切の遮断機が上がると、運転者が車両を再発進ないし再加速させようとしてブレーキペダルから足を離したりアクセルペダルを踏んだりする。その結果、アイドルストップ条件の成立直後にアイドルストップ終了条件が成立するのである。
エンジン回転の停止前にアイドルストップ終了条件が成立した場合にも、内燃機関のクランキングを実行して内燃機関を再始動させることは言うまでもない。このときのECU0は、図3に例示するように、エンジン回転数が所定回転数に上昇する時点t2までの吸気バルブの開閉タイミングを、同時点t2以降の吸気バルブの開閉タイミングと同等のタイミングに制御する。時点t2前後の吸気バルブの開閉タイミングは、VVT機構6が具現可能な最遅角タイミングとしてもよいし、最遅角タイミングから進角したタイミングとしてもよい。時点t2前後の吸気バルブの開閉タイミングの最遅角タイミングからの進角量を、内燃機関の温度を示唆する冷却水温が高いほど小さくし、及び/または、サージタンク33内の吸気温が高いほど小さくすることも好ましい。
エンジン回転の停止前にアイドルストップ終了条件が成立した場合、クランクシャフトが惰性回転しピストンが運動している状態でクランキングを開始することから、完全に停止した内燃機関の再始動と比較して、気筒1の燃焼室に流入する吸気の量が吸気慣性によって多くなり、エンジン回転を加速させやすい。このため、時点t2以前の時期に徒に吸気バルブタイミングを進角させなくとも、円滑に内燃機関の始動を遂行することが可能である。また、時点t2以前と時点t2以後とで燃焼室に充填される吸気量がステップ的に急変すると、内燃機関の出力が変動するために車両にショックを与えるおそれがあるが、時点t2以前の吸気バルブタイミングを時点t2以後の吸気バルブタイミングに揃えることにより、そのようなショックの発生を回避できる。
また、エンジン回転の停止前にアイドルストップ終了条件が成立したということは、運転者が速やかに車両を再発進ないし再加速させようという意思を有していることを意味する。従って、内燃機関が完爆した時点t3以降のエンジン回転数の吹き上がりが必ずしも問題とはならない。従って、エンジン回転数が所定回転数に達した時点t2以降の吸気バルブの開閉タイミングを、最遅角タイミングよりも進角させることも許容される。
本実施形態では、吸気バルブの開弁タイミング及び閉弁タイミングを変化させることのできるVVT機構6が付帯した内燃機関を制御するものであって、内燃機関のクランクシャフトを電動機により回転駆動するクランキングを伴う内燃機関の始動に際し、エンジン回転数が所定回転数未満である(時点t2以前の)時期における吸気バルブの開閉タイミングを、エンジン回転数が所定回転数以上となった(時点t2以降の)時期におけるそれと比較して進角させるとともに、前者の時期における吸気バルブの開閉タイミングの進角量を、内燃機関の温度及び/または吸気の温度に応じて変更する内燃機関の制御装置0を構成した。
本実施形態によれば、エンジン回転数が所定回転数未満である時点t2以前の時期に吸気バルブタイミングを進角して気筒1の燃焼室に充填される吸気量を増量し、内燃機関の始動性を向上させることができる。その上で、内燃機関の温度及び/または吸気の温度が高い場合には、内燃機関の温度及び/または吸気の温度が低い場合と比較して、時点t2以前の時期における吸気バルブタイミングの進角量を小さくするようにしたため、燃焼室内でのプレイグニッションの発生を好適に抑止できる。内燃機関の温度や吸気の温度が高い状況では、内燃機関の温度や吸気の温度が低い状況と比べて、プレイグニッションが発生しやすいものの内燃機関を円滑に始動させやすい。従って、クランキング中の吸気バルブタイミングの進角量を小さくしても、内燃機関の始動性は特段悪化はしない。加えて、時点t2以降は吸気バルブタイミングを遅角することで、完爆後のエンジン回転数の無駄な吹き上がりを抑制できる。
また、アイドルストップ条件が成立して内燃機関のアイドルストップ処理を開始した後、エンジン回転が完全に停止する前にアイドルストップ終了条件が成立して内燃機関を再始動する場合には、エンジン回転数が所定回転数未満である時点t2以前の時期における吸気バルブの開閉タイミングと、エンジン回転数が所定回転数以上となった時点t2以降の時期におけるそれとを同等とするようにしているため、当該時点t2の前後における内燃機関の出力の変動に起因した車両のショックの発生を防止することができる。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。上記実施形態では、内燃機関の温度を示唆するパラメータとして内燃機関の冷却水温を参照していたが、内燃機関の潤滑油温を検出して知得できるのであれば、冷却水温に代えて潤滑油温を内燃機関の温度を擬製するものとして参照してもよい。
内燃機関の各気筒1の吸気バルブの開弁タイミング及び/または閉弁タイミングを変化させるためのVVT機構6の具体的態様は任意であり、一意に限定されない。吸気カムシャフトのクランクシャフトに対する回転位相を進角/遅角させるもの以外にも、吸気バルブを開弁駆動するカムを複数用意しておきそれらカムを適宜使い分けるもの、ロッカーアームのレバー比を電動機を介して変化させるもの、吸気バルブを電磁ソレノイドバルブとしたもの等が知られており、それら種々の機構の中から選択して採用することが許される。
吸気カムシャフトのクランクシャフトに対する回転位相を進角/遅角させる態様のVVT機構6では、吸気バルブの開弁タイミングと閉弁タイミングとが同期して変化するが、これ以外の態様のVVT機構6を内燃機関に実装している場合には、吸気バルブの開弁タイミングと閉弁タイミングとを非同期に変化させたり、開弁タイミングのみまたは閉弁タイミングのみを変化させたりすることが可能となる。それ故、吸気バルブの開弁タイミングの最遅角タイミングからの進角量と、同じ吸気バルブの閉弁タイミングの最遅角タイミングからの進角量とは、相異なることがある。
吸気バルブの閉弁タイミングのみを進角/遅角させても、気筒1の燃焼室に充填される吸気量を増量/減量することは可能である。また、吸気バルブの開弁タイミングを排気上死点よりも大きく遅らせてミラーサイクル運転を行うことのできる内燃機関であれば、吸気バルブの閉弁タイミングのみを進角/遅角させることで、気筒1の燃焼室に充填される吸気量を増量/減量することが可能である。従って、クランキング中におけるエンジン回転数が所定回転数に到達する時点t2以前の時期にあっては、吸気バルブの閉弁タイミングのみを内燃機関の温度または吸気の温度に応じて変更してもよく、開弁タイミングのみを内燃機関の温度または吸気の温度に応じて変更するようにしてもよい。これらの場合にも、時点t2以前の時期の吸気バルブの開弁タイミングまたは閉弁タイミングの最遅角タイミングからの進角量は、内燃機関の温度が比較的高いときにはより小さくし、及び/または、吸気温が比較的高いときにはより小さくする。
その他各部の具体的構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は、車両等に搭載される内燃機関の制御に適用することができる。
0…制御装置(ECU)
1…気筒
6…可変バルブタイミング(VVT)機構
d…冷却水温信号
f…吸気温信号
n…吸気バルブタイミングの制御信号
o…クランキング用電動機の制御信号
1…気筒
6…可変バルブタイミング(VVT)機構
d…冷却水温信号
f…吸気温信号
n…吸気バルブタイミングの制御信号
o…クランキング用電動機の制御信号
Claims (2)
- 吸気バルブの開弁タイミングまたは閉弁タイミングを変化させることのできる可変バルブタイミング機構が付帯した内燃機関を制御するものであって、
内燃機関の出力軸を電動機により回転駆動するクランキングを伴う内燃機関の始動に際し、エンジン回転数が所定回転数未満の時期における吸気バルブの開弁タイミングまたは閉弁タイミングを、エンジン回転数が所定回転数以上となった時期におけるそれと比較して進角させるとともに、
前者の時期における吸気バルブの開弁タイミングまたは閉弁タイミングの進角量を、内燃機関の温度または吸気の温度に応じて変更する内燃機関の制御装置。 - アイドルストップ条件が成立して内燃機関のアイドルストップ処理を開始した後、エンジン回転が完全に停止する前にアイドルストップ終了条件が成立して内燃機関を再始動する場合、エンジン回転数が所定回転数未満の時期における吸気バルブの開弁タイミングまたは閉弁タイミングと、エンジン回転数が所定回転数以上となった時期におけるそれとを同等とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019023445A (ja) * | 2017-07-24 | 2019-02-14 | ダイハツ工業株式会社 | 内燃機関の制御装置 |
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2014
- 2014-12-11 JP JP2014250968A patent/JP2016113909A/ja active Pending
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