JP2015155513A - 熱可塑性樹脂組成物、及び熱可塑性樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 熱可塑性樹脂組成物を使用して、機械特性に優れ、異物の少ない熱可塑性樹脂フィルムを安定的に供給する。【解決手段】 IV保持率が95%以上110%以下であり、かつ押出機の原料供給口で測定した際の嵩密度が0.20以上である熱可塑性樹脂組成物を用いた熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。【選択図】図1
Description
本発明は、機械特性の優れた異物の少ない熱可塑性樹脂フィルムを安定して製造するのに好適な熱可塑性樹脂組成物及び該組成物を用いた熱可塑性樹脂フィルムの製造方法に関するものである。
熱可塑性樹脂フィルムの製造には、溶融混練した熱可塑性樹脂をTダイによりフィルムに成形したり、成形したフィルムを更に引き取りロールやステンターで延伸搬送して、延伸フィルムにしたりするいわゆるTダイ法が汎用されている。Tダイ法によるフィルムの製造方法においては、フィルムのエッジ部分の外観不良や製品サイズに合わせるためにエッジ部分のトリミングが行われ、トリミング工程で発生する屑フィルムの発生量が、投入原料量に対して大部分を占める場合もある。従って屑フィルムを回収して熱可塑性樹脂組成物として再利用することはコスト面および環境面から極めて重要である。
特許文献1、2には、ポリエステルフィルム等の屑から熱可塑性樹脂組成物を製造する場合に、IV低下率を抑えるように熱可塑性樹脂組成物を製造する方法が記載されている。特許文献3、4には、嵩密度がある範囲内である返材ペレットや回収ポリエステル樹脂を使用したフィルムの製造方法が開示されている。特許文献5には、回収ポリエステルを使用する際にカルボジドイミドを添加することでIV低下を抑えて、再生ポリエステルフィルムを製造する方法の記載がある。
しかし特許文献1、2には、ポリエステルフィルム等の屑から製造した熱可塑性樹脂組成物の嵩密度についての記述はなく、嵩密度が低いために風送配管の詰まり等でフィルムの製造ができなかったりする。特許文献3、4には、回収して新たに原料とする熱可塑性樹脂組成物のIVに関する記述がなく、回収前の熱可塑性樹脂組成物のIVと比較して回収後の熱可塑性樹脂組成物のIVが極端に低かったり、または極端に高かったりすると、フィルムの機械特性が悪化したり、異物が大量に発生したり、フィルムの製造中に破れが発生し、工程が安定しなかったりする。また、熱可塑性樹脂組成物が壊れやすく、押出機の原料供給口に到達するまでに嵩密度が低下している場合などには、配管詰まりにより製造不能になってしまう。特許文献5にも、回収して新たに原料とする熱可塑性樹脂組成物の嵩密度についての記述はなく、配管詰まり等によるトラブルにより製造不能になったりする。
そこで本発明は、機械特性の優れた異物の少ない熱可塑性樹脂フィルムを安定して製造するのに好適な熱可塑性樹脂組成物及び該組成物を用いた熱可塑性樹脂フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、以下である。
1) IV保持率が95%以上110%以下であり、かつ押出機の原料供給口で測定した際の嵩密度が0.20以上である熱可塑性樹脂組成物。
2) 前記熱可塑性樹脂組成物が、ポリエチレンテレフタレートを含むことを特徴とする、1)に記載の熱可塑性樹脂組成物。
3) 1)または2)に記載の熱可塑性樹脂組成物を用いることを特徴とする、熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
1) IV保持率が95%以上110%以下であり、かつ押出機の原料供給口で測定した際の嵩密度が0.20以上である熱可塑性樹脂組成物。
2) 前記熱可塑性樹脂組成物が、ポリエチレンテレフタレートを含むことを特徴とする、1)に記載の熱可塑性樹脂組成物。
3) 1)または2)に記載の熱可塑性樹脂組成物を用いることを特徴とする、熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
本発明によれば、熱可塑性樹脂組成物を使用して、機械特性の優れた異物の少ない熱可塑性樹脂フィルムを安定して得ることができる効果を有する。
以下、本発明を詳細に説明する。
図1に本発明に用いる装置構成の例を示す。図1において1は押出装置、2は製膜装置、3は熱可塑性樹脂組成物製造装置、4は押出機の原料供給口である。なお、これは一例であり、本発明に用いる装置構成はこれに限定されない。
本発明に用いる押出装置は、特に制限はないが、単軸押出機、二軸押出機、四軸押出機、多軸押出機が挙げられるが、コスト、操作性、整備性の観点から単軸押出機、二軸押出機が好ましく用いられる。
本発明に用いる製膜装置は、特に制限はないが、溶融混練した熱可塑性樹脂をTダイによりフィルムに成形したり、成形したフィルムを更に引き取りロールやステンターで延伸搬送して、延伸フィルムにしたりするいわゆるTダイ法が好ましく用いられる。
本発明に用いる熱可塑性樹脂組成物製造装置は、特に制限はないが、トリミング工程で発生する屑フィルム等を脱揮しながら溶融押出して、熱可塑性樹脂組成物を得る方法や、圧縮孔のある金型をある温度に保ちながら、トリミング工程で発生する屑フィルム等を圧縮孔で押し固めて熱可塑性樹脂組成物を得る方法などが好ましく用いられる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、IV保持率が95%以上110%以下であり、かつ押出機の原料供給口で測定した際の嵩密度が0.20以上であることが重要である。ここでIV保持率とは、押出機の原料供給口に供給される直前の熱可塑性樹脂組成物のIV値を熱可塑性樹脂組成物製造装置に供給する前の熱可塑性樹脂組成物のIV値で割った値である。IV保持率が95%より低かったり、110%より高かったりすると、フィルム破れが多発したり、所望の機械強度のフィルムにならなかったり、異物の多いフィルムになったりしてしまう。押出機の原料供給口で測定した際の嵩密度が0.20より低い熱可塑性樹脂組成物は、組成物を風送する配管で詰まりを発生させたり、組成物を供給する配管で詰まりを生じたりして、フィルムを製造することができなかったりする。熱可塑性樹脂組成物が脆く、押出機の原料供給口で測定した際の嵩密度が0.20より低くなるまでに嵩密度が低下してしまうと配管等での詰まりを発生させてしまいフィルムを製造できなかったりする。
本発明の製造方法により得られるフィルムは、機械特性に優れ異物が少ないフィルムとなる。フィルムの機械特性が劣る場合、フィルム加工時に破れ等の不具合が発生する。フィルムの異物が多い場合、該フィルムを使用して加工された成型加工品は外観上劣るものとなったり、光学用フィルムとして使用した際には、画像に影響を与える等の不具合が発生する。
本発明の熱可塑性樹脂組成物に使用する好ましい熱可塑性樹脂の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン樹脂、脂環族ポリオレフィン樹脂、ナイロン6・ナイロン66などのポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチルサクシネート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンジフェニルレートなどのポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、3フッ化エチレン樹脂・3フッ化塩化エチレン樹脂、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体、フッ化ビニリデン樹脂などのフッ素樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリグリコール酸樹脂、ポリ乳酸樹脂、などを用いることができる。この中でも、強度・耐熱性・透明性の観点から、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、特にポリエステル樹脂を含むことがより好ましい。また、エチレンテレフタレートを繰り返し単位に有するポリエステルは、安価であり、非常に多岐にわたる用途に用いることができるので好ましい。つまり本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ポリエチレンテレフタレートを含むことが特に好ましい。
本発明でいうところのポリエステルとしては、典型的なものは、ジカルボン酸とジオールとの重縮合体であるホモポリエステルや共重合ポリエステルである。ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、シクロヘキサンジカルボン酸とそれらのエステル誘導体などが挙げられる。ジオールとしては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタジオール、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、イソソルベート、1,4−シクロヘキサンジメタノール、スピログリコールなどが挙げられる。これらは、カルボン酸あるいはアルコールの形で重縮合するのみならず、エステル化誘導体など誘導体としてから重縮合体とできることはいうまでもない。
また、熱可塑性樹脂には公知の各種添加剤、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤などを添加して、熱可塑性樹脂及び各種添加剤を含む組成物として本発明に用いても良い。
次に、本発明の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法を、例を挙げて以下に説明するが、本発明の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法は、本発明の熱可塑性樹脂組成物を原料として用いることをその特徴とする。
まず熱可塑性樹脂組成物と本発明の熱可塑性樹脂組成物を用意し、二軸押出機の原料供給口に供給する。二軸押出機内において、融点以上に加熱溶融された熱可塑性樹脂組成物は、ギヤポンプ等で熱可塑性樹脂組成物の押出量が均一化され、フィルター等を介して異物やゲル化物などが取り除かれる。このとき、二軸押出機は、1台であっても、複数台であってもよい。また複数台の二軸押出機を用いる場合は、フィルターを通過した熱可塑性樹脂組成物を積層装置に送り込む。積層装置としては、マルチマニホールドダイやフィードブロックやスタティックミキサー等を用いることができる。また、これらを任意に組み合わせても良い。
このように得られた熱可塑性樹脂組成物を含む溶融体は、ダイにて目的の形状に成形された後、吐出される。そして、ダイから吐出されたシートは、キャスティングドラム等の冷却体上に押し出され、冷却固化され、キャスティングフィルムが得られる。この際、ワイヤー状、テープ状、針状あるいはナイフ状等の電極を用いて、静電気力によりキャスティングドラム等の冷却体に密着させ急冷固化させることが好ましい。また、スリット状、スポット状、面状の装置からエアーを吹き出してキャスティングドラム等の冷却体に密着させ急冷固化させたり、ニップロールにて冷却体に密着させ急冷固化させる方法も好ましい。
このようにして得られたキャスティングフィルムは、必要に応じて二軸延伸することが好ましい。二軸延伸とは、長手方向および幅方向に延伸することをいう。延伸は、逐次に二方向に延伸しても良いし、同時に二方向に延伸してもよい。また、さらに長手方向および/または幅方向に再延伸を行ってもよい。
逐次二軸延伸の場合について説明する。ここで、長手方向への延伸とは、フィルムに長手方向の分子配向を与えるための延伸を言い、通常は、ロールの周速差により施され、この延伸は1段階で行ってもよく、また、複数本のロール対を使用して多段階に延伸しても良い。延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、通常、2〜15倍が好ましく、フィルムを構成する熱可塑性樹脂としてポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、2〜7倍が特に好ましく用いられる。また、延伸温度としてはフィルムを構成する熱可塑性樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+100℃が好ましい。
このようにして得られた一軸延伸されたフィルムに、必要に応じてコロナ処理やフレーム処理、プラズマ処理などの表面処理を施した後、易滑性、易接着性、帯電防止性などの機能をインラインコーティングにより付与してもよい。
また、幅方向の延伸とは、フィルムに幅方向の配向を与えるための延伸を言い、通常は、テンターを用いて、フィルムの両端をクリップで把持しながら搬送して、幅方向に延伸する。延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、通常、2〜15倍が好ましく、フィルムを構成する樹脂にポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、2〜7倍が特に好ましく用いられる。また、延伸温度としては、積層フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度以上であり、ガラス転移温度+120℃以下の温度が好ましい。
こうして二軸延伸されたフィルムは、平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内で延伸温度以上融点以下の熱処理を行うのが好ましい。このようにして熱処理された後、均一に徐冷後、室温まで冷やして、所望の幅が残るようにエッジをトリミングした後に巻き取られる。また、必要に応じて、熱処理から徐冷の際に弛緩処理などを併用してもよい。
トリミングして残ったエッジは細断して、溶融押出装置を用いて脱揮しながら溶融押出したり、あるいは圧縮孔のある金型をある温度に保ちながら、圧縮孔で押し固めたりして、本発明の熱可塑性樹脂組成物を製造し、二軸押出機に投入する。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法は、上述の本発明の熱可塑性樹脂組成物を使用することを特徴とする。そして本発明の製造方法によれば、回収した熱可塑性樹脂組成物を使用しても機械特性の優れた異物の少ない熱可塑性樹脂フィルムを安定して得ることができる。フィルムの機械特性が劣るとフィルムの加工特性が劣る等の不具合が発生する。フィルムの異物が多いとフィルムを使用して加工された成型加工品は外観上劣るものとなったり、光学用フィルムとして使用した場合に画像に影響を与える等の不具合が発生する。
本発明の熱可塑性樹脂組成物を用いて得られたフィルムを評価するための、MD(長手方向)、TD(幅方向)破断強度、異物個数の測定方法を記載する。
(MD、TD破断強度の測定方法)
JIS C 2151(2006年改訂)に基づいてMDならびにTD方向に対して破断強度を測定する。
JIS C 2151(2006年改訂)に基づいてMDならびにTD方向に対して破断強度を測定する。
(異物個数の測定方法)
透過光を使用した欠点検出器を製造ライン中に設置して、フィルム製造中に欠点検出器により5mm×5mm以上の大きさの異物個数を数える。フィルムを製造した時間から、1日分に換算した。
透過光を使用した欠点検出器を製造ライン中に設置して、フィルム製造中に欠点検出器により5mm×5mm以上の大きさの異物個数を数える。フィルムを製造した時間から、1日分に換算した。
熱可塑性樹脂組成物のIV保持率の算出方法ならびに嵩密度の測定方法を記載する。
(IV保持率の算出方法)
熱可塑性樹脂組成物製造装置投入前の熱可塑性樹脂組成物と押出機に供給口からサンプリングした熱可塑性樹脂組成物それぞれ0.1g準備し、それぞれの組成物をオルトクロロフェノール10ml、160℃で溶解し、25℃まで冷却後オストワルド粘度計で溶液粘度を測定する。さらにオルトクロロフェノールのみをオストワルド粘度計を用いて25℃で測定した粘度を溶媒粘度とした。得られた熱可塑性樹脂組成物製造装置投入前の熱可塑性樹脂組成物の溶液粘度と溶媒粘度から、下式により計算される値を、熱可塑性樹脂組成物製造装置投入前の熱可塑性樹脂組成物のIV値とし、押出機に供給される直前の熱可塑性樹脂組成物の溶液粘度と溶媒粘度から、下式により計算される値を、押出機に供給される直前の熱可塑性樹脂組成物のIV値とした。
熱可塑性樹脂組成物製造装置投入前の熱可塑性樹脂組成物と押出機に供給口からサンプリングした熱可塑性樹脂組成物それぞれ0.1g準備し、それぞれの組成物をオルトクロロフェノール10ml、160℃で溶解し、25℃まで冷却後オストワルド粘度計で溶液粘度を測定する。さらにオルトクロロフェノールのみをオストワルド粘度計を用いて25℃で測定した粘度を溶媒粘度とした。得られた熱可塑性樹脂組成物製造装置投入前の熱可塑性樹脂組成物の溶液粘度と溶媒粘度から、下式により計算される値を、熱可塑性樹脂組成物製造装置投入前の熱可塑性樹脂組成物のIV値とし、押出機に供給される直前の熱可塑性樹脂組成物の溶液粘度と溶媒粘度から、下式により計算される値を、押出機に供給される直前の熱可塑性樹脂組成物のIV値とした。
ηsp/C=[η]+K[η]2・C
ここで、ηsp=(溶液粘度/溶媒粘度)−1、Cは溶媒100ml当たりの溶解ポリマ重量(g/100ml)、Kはハギンス定数(0.343とする)、[η]は熱可塑性樹脂組成物製造装置投入前の熱可塑性樹脂組成物あるいは押出機に供給される直前の熱可塑性樹脂組成物のIV値である。
ここで、ηsp=(溶液粘度/溶媒粘度)−1、Cは溶媒100ml当たりの溶解ポリマ重量(g/100ml)、Kはハギンス定数(0.343とする)、[η]は熱可塑性樹脂組成物製造装置投入前の熱可塑性樹脂組成物あるいは押出機に供給される直前の熱可塑性樹脂組成物のIV値である。
押出機に供給される直前の熱可塑性樹脂組成物のIV値を熱可塑性樹脂組成物製造装置投入前の熱可塑性樹脂組成物のIV値で割って、小数点以下第1位を四捨五入した値をIV保持率とした。
(嵩密度の測定方法)
押出機の原料供給口で測定した際の熱可塑性樹脂組成物の嵩密度は、JIS K7365:1999の「プラスチック−規定漏斗から注ぐことができる材料の見掛け密度の求め方」に準拠した方法により測定した。
押出機の原料供給口で測定した際の熱可塑性樹脂組成物の嵩密度は、JIS K7365:1999の「プラスチック−規定漏斗から注ぐことができる材料の見掛け密度の求め方」に準拠した方法により測定した。
(実施例1)
ガラス転移温度Tgが78℃、融点Tmが255℃、固有粘度が0.65dl/gであるポリエチレンテレフタレート(PET)のペレットと熱可塑性樹脂組成物を1:1の割合で二軸押出機に供給した。二軸押出機から短管を通して、口金から吐出しシート状に成形した後、静電印加にて表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し未延伸フィルムとした。その後未延伸フィルムを85〜98℃に加熱したロール群に導き長手方向に3.1倍縦延伸した。続いて縦延伸されたフィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内に導き130℃に加熱された雰囲気中で長手に垂直な方向に3.6倍横延伸した。その後テンター内で230℃の熱固定を行い、均一に徐冷後、フィルムエッジをトリミングして、室温まで冷やして巻き取り、厚み38μmの二軸延伸フィルムを製造した。トリミングして残ったフィルムエッジ部分を170℃で1時間乾燥した後にベント式の単軸押出機に投入した。単軸押出機で溶融混練した後に、口金よりストランド状にポリマを吐出し、ストランド状のポリマをカットしペレットを作成し熱可塑性樹脂組成物とした。IV保持率、嵩密度、MD、TD破断強度、異物個数、破れ回数を表1に示す。
ガラス転移温度Tgが78℃、融点Tmが255℃、固有粘度が0.65dl/gであるポリエチレンテレフタレート(PET)のペレットと熱可塑性樹脂組成物を1:1の割合で二軸押出機に供給した。二軸押出機から短管を通して、口金から吐出しシート状に成形した後、静電印加にて表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し未延伸フィルムとした。その後未延伸フィルムを85〜98℃に加熱したロール群に導き長手方向に3.1倍縦延伸した。続いて縦延伸されたフィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内に導き130℃に加熱された雰囲気中で長手に垂直な方向に3.6倍横延伸した。その後テンター内で230℃の熱固定を行い、均一に徐冷後、フィルムエッジをトリミングして、室温まで冷やして巻き取り、厚み38μmの二軸延伸フィルムを製造した。トリミングして残ったフィルムエッジ部分を170℃で1時間乾燥した後にベント式の単軸押出機に投入した。単軸押出機で溶融混練した後に、口金よりストランド状にポリマを吐出し、ストランド状のポリマをカットしペレットを作成し熱可塑性樹脂組成物とした。IV保持率、嵩密度、MD、TD破断強度、異物個数、破れ回数を表1に示す。
(実施例2)
圧縮孔のある金型を80℃に保ちながら、トリミングして残ったフィルムエッジ部分を穴径φ6mmの圧縮孔で押し固めて熱可塑性樹脂組成物を作成した以外は実施例1と同様にフィルムを製造した。IV保持率、嵩密度、MD、TD破断強度、異物個数、破れ回数を表1に示す。
圧縮孔のある金型を80℃に保ちながら、トリミングして残ったフィルムエッジ部分を穴径φ6mmの圧縮孔で押し固めて熱可塑性樹脂組成物を作成した以外は実施例1と同様にフィルムを製造した。IV保持率、嵩密度、MD、TD破断強度、異物個数、破れ回数を表1に示す。
(実施例3)
トリミングして残ったフィルムエッジ部分を1kPaの真空状態で、170℃、1時間乾燥した以外は実施例1と同様にフィルムを製造した。IV保持率、嵩密度、MD、TD破断強度、異物個数、破れ回数を表1に示す。
トリミングして残ったフィルムエッジ部分を1kPaの真空状態で、170℃、1時間乾燥した以外は実施例1と同様にフィルムを製造した。IV保持率、嵩密度、MD、TD破断強度、異物個数、破れ回数を表1に示す。
(比較例1)
トリミングして残ったフィルムエッジ部分を140℃で乾燥した以外は実施例1と同様にフィルムを製造した。IV保持率、嵩密度、MD、TD破断強度、異物個数、破れ回数を表1に示す。
トリミングして残ったフィルムエッジ部分を140℃で乾燥した以外は実施例1と同様にフィルムを製造した。IV保持率、嵩密度、MD、TD破断強度、異物個数、破れ回数を表1に示す。
(比較例2)
圧縮孔のある金型を80℃に保ちながら、トリミングして残ったフィルムエッジ部分を穴径φ6mmの圧縮孔で押し固めて熱可塑性樹脂組成物を作成した以外は実施例1と同様にフィルムを製造しようとしたが、熱可塑性樹脂組成物を押出機に供給する配管で詰まりが発生し、フィルムを製造することができなかった。
圧縮孔のある金型を80℃に保ちながら、トリミングして残ったフィルムエッジ部分を穴径φ6mmの圧縮孔で押し固めて熱可塑性樹脂組成物を作成した以外は実施例1と同様にフィルムを製造しようとしたが、熱可塑性樹脂組成物を押出機に供給する配管で詰まりが発生し、フィルムを製造することができなかった。
(比較例3)
トリミングして残ったフィルムエッジ部分を1kPaの真空状態で、170℃、3時間乾燥した以外は実施例1と同様にフィルムを製造した。IV保持率、嵩密度、MD、TD破断強度、異物個数、破れ回数を表1に示す。
トリミングして残ったフィルムエッジ部分を1kPaの真空状態で、170℃、3時間乾燥した以外は実施例1と同様にフィルムを製造した。IV保持率、嵩密度、MD、TD破断強度、異物個数、破れ回数を表1に示す。
本発明を使用して製造した機械特性に優れ、異物の少ない熱可塑性樹脂フィルムに関するものである。
1 押出装置
2 製膜装置
3 熱可塑性樹脂組成物製造装置
4 押出機の原料供給口
2 製膜装置
3 熱可塑性樹脂組成物製造装置
4 押出機の原料供給口
Claims (3)
- IV保持率が95%以上110%以下であり、かつ押出機の原料供給口で測定した際の嵩密度が0.20以上である熱可塑性樹脂組成物。
- 前記熱可塑性樹脂組成物が、ポリエチレンテレフタレートを含むことを特徴とする、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項1または請求項2に記載の熱可塑性樹脂組成物を用いることを特徴とする、熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
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