JP2015154689A - 回転電機のインバータ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】三相交流回転電機に流れる電流の振動をより抑えることができる回転電機のインバータ制御装置を提供する。【解決手段】電流制御部44は、d軸指令電流値とd軸実電流値の差を小さくすべくd軸の比例項およびd軸の積分項に基づいてd軸指令電圧値Vd*を演算するとともにq軸指令電流値とq軸実電流値の差を小さくすべくq軸の比例項およびq軸の積分項に基づいてq軸指令電圧値Vq*を演算する。電流制御部44は、d軸の比例項、d軸の積分項、q軸の比例項、q軸の積分項の変動量が大きい時に、変動量が大きい項のゲインを減少させる。【選択図】図1
Description
本発明は、回転電機のインバータ制御装置に関するものである。
特許文献1に開示のPMモータの制御装置においては、インバータの出力電流が高いほど電流制御系の電流制御アンプの比例ゲインおよび積分時定数を低下させる制御手段を備えている。
ところで、回転電機のインバータ制御装置においてPI制御する際に電流が振動すると、例えば回転電機を搭載した車両の振動などを引き起こすことが懸念され、電流の振動を抑えて振動を低減したいという要求がある。特許文献1に開示の技術を用いる場合、出力電流を監視するにはセンサを用いることとなり、センサの検出誤差等を含んだ形で電流制御系の電流制御アンプの比例ゲインおよび積分時定数を低下させることとなり制御性の更なる改善が必要とされる。
本発明の目的は、三相交流回転電機に流れる電流の振動をより抑えることができる回転電機のインバータ制御装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明では、三相交流回転電機に流れるU、V、Wの各相の電流に基づいて電流経路に設けられたスイッチング素子を制御する回転電機のインバータ制御装置であって、d軸指令電流値とd軸実電流値の差を小さくすべくd軸の比例項およびd軸の積分項に基づいて制御値を演算する第1の比例積分制御部と、q軸指令電流値とq軸実電流値の差を小さくすべくq軸の比例項およびq軸の積分項に基づいて制御値を演算する第2の比例積分制御部と、d軸の比例項、d軸の積分項、q軸の比例項、q軸の積分項のうち少なくとも1つの項について変動量が大きい時に、当該変動量が大きい項のゲインを減少させるゲイン調整手段と、を備えることを要旨とする。
請求項1に記載の発明によれば、第1の比例積分制御部において、d軸指令電流値とd軸実電流の差を小さくすべくd軸の比例項およびd軸の積分項に基づいて制御値が演算される。第2の比例積分制御部において、q軸指令電流値とq軸実電流の差を小さくすべくq軸の比例項およびq軸の積分項に基づいて制御値が演算される。ゲイン調整手段において、d軸の比例項、d軸の積分項、q軸の比例項、q軸の積分項のうち少なくとも1つの項について変動量が大きい時に、当該変動量が大きい項のゲインが減少される。これにより、三相交流回転電機に流れるU、V、Wの各相の電流の振動をより抑えることができる。
請求項2に記載のように、請求項1に記載の回転電機のインバータ制御装置において、前記ゲイン調整手段は、ピーク値とボトム値から変動量を求めるとよい。
請求項3に記載のように、請求項1または2に記載の回転電機のインバータ制御装置において、前記ゲイン調整手段は、d軸の比例項、d軸の積分項、q軸の比例項、q軸の積分項の全てに対して、各項の変動量が大きい時に、変動量が大きい項のゲインを減少させるとよい。
請求項3に記載のように、請求項1または2に記載の回転電機のインバータ制御装置において、前記ゲイン調整手段は、d軸の比例項、d軸の積分項、q軸の比例項、q軸の積分項の全てに対して、各項の変動量が大きい時に、変動量が大きい項のゲインを減少させるとよい。
請求項4に記載のように、請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転電機のインバータ制御装置において、前記ゲイン調整手段は、指令電流値が定常状態である時において、d軸の比例項、d軸の積分項、q軸の比例項、q軸の積分項のうち少なくとも1つの項について変動量が大きい時に、当該変動量が大きい項のゲインを減少させるとよい。
請求項5に記載のように、請求項4に記載の回転電機のインバータ制御装置において、指令電流値が過渡状態である時において、d軸およびq軸における指令電流値と実電流値の差が大きい時に、当該差が大きい軸の比例項の比例ゲインを大きくする比例ゲイン調整手段を更に備えるとよい。
本発明によれば、三相交流回転電機に流れる電流の振動をより抑えることができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、インバータ装置10は、インバータ回路20とインバータ制御装置30を備えている。インバータ制御装置30は、ドライブ回路35と、PWM制御部40を備えている。
図1に示すように、インバータ装置10は、インバータ回路20とインバータ制御装置30を備えている。インバータ制御装置30は、ドライブ回路35と、PWM制御部40を備えている。
インバータ回路20は、6つのスイッチング素子Q1〜Q6と6つのダイオードD1〜D6を有する。スイッチング素子Q1〜Q6としてIGBTを用いている。正極母線と負極母線との間に、U相上アームを構成するスイッチング素子Q1と、U相下アームを構成するスイッチング素子Q2が直列接続されている。正極母線と負極母線との間に、V相上アームを構成するスイッチング素子Q3と、V相下アームを構成するスイッチング素子Q4が直列接続されている。正極母線と負極母線との間に、W相上アームを構成するスイッチング素子Q5と、W相下アームを構成するスイッチング素子Q6が直列接続されている。スイッチング素子Q1〜Q6にはダイオードD1〜D6が逆並列接続されている。正極母線、負極母線には平滑コンデンサ12を介して直流電源としてのバッテリ11が接続されている。
スイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2の間が三相交流回転電機としての三相交流モータ(以下、単にモータという)90のU相端子に接続されている。スイッチング素子Q3とスイッチング素子Q4の間がモータ90のV相端子に接続されている。スイッチング素子Q5とスイッチング素子Q6の間がモータ90のW相端子に接続されている。上下のアームを構成するスイッチング素子Q1〜Q6を有するインバータ回路20は、スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチング動作に伴いバッテリ11の電圧である直流電圧を交流電圧に変換してモータ90に供給することができるようになっている。モータ90は車両駆動用モータである。
各スイッチング素子Q1〜Q6のゲート端子にはドライブ回路35が接続されている。ドライブ回路35は、制御信号に基づいてインバータ回路20のスイッチング素子Q1〜Q6をスイッチング動作させる。
モータ90に位置検出部91が設けられ、位置検出部91によりモータ90の回転位置としての電気角θが検出される。電流センサ92によりモータ90のU相実電流値Iuが検出される。また、電流センサ93によりモータ90のW相実電流値Iwが検出される。
PWM制御部40は、トルク/指令電流値変換部41と、減算部42,43と、電流制御部44と、座標変換部45,46と、PWM発生部47と、定常/過渡判定部70と、定常/過渡判定部71と、ΔId変動判定部80と、Kpd変更部81と、ΔIq変動判定部82と、Kpq変更部83とを備えている。
座標変換部45は、電流センサ92,93によるU相実電流値IuおよびW相実電流値Iwからモータ90のV相実電流値Ivを求め、位置検出部91により検出される電気角θに基づいて、U相実電流値Iu、V相実電流値IvおよびW相実電流値Iwをd軸実電流値(励磁成分電流値)Idおよびq軸実電流値(トルク成分電流値)Iqに変換する。なお、d軸実電流値(励磁成分電流値)Idはモータ90に流れる電流において、界磁を発生させるための電流ベクトル成分であり、q軸実電流値(トルク成分電流値)Iqはモータ90に流れる電流において、トルクを発生させるための電流ベクトル成分である。
トルク/指令電流値変換部41は、外部から入力されるトルク指令値Trefを、d軸指令電流値Id*およびq軸指令電流値Iq*に変換する。例えば、トルク/指令電流値変換部41は、記憶部(図示略)に予め記憶されるトルク指令値Trefとd軸指令電流値Id*およびq軸指令電流値Iq*とが対応付けられたテーブルを用いてトルク/指令電流値変換を行う。
減算部42は、d軸指令電流値Id*とd軸実電流値Idとの差ΔIdを算出する。減算部43は、q軸指令電流値Iq*とq軸実電流値Iqとの差ΔIqを算出する。電流制御部44は、差ΔIdおよび差ΔIqに基づいて制御値としてのd軸指令電圧値Vd*およびq軸指令電圧値Vq*を算出する。座標変換部46は、位置検出部91により検出される電気角θに基づいて、d軸指令電圧値Vd*およびq軸指令電圧値Vq*を指令電圧値Vu*、Vv*、Vw*に変換する。
PWM発生部47は、PWM制御により基準となる三角波と指令電圧値Vu*、Vv*、Vw*との比較結果に基づいて、インバータ回路20の各スイッチング素子Q1〜Q6をオン、オフさせるためのPWM制御信号を出力する。
つまり、PWM制御部40は、モータ90に流れるU、V、Wの各相の電流(実電流値Iu,Iv,Iw)に基づいてモータ90におけるd軸実電流値(励磁成分電流値)とq軸実電流値(トルク成分電流値)が目標値となるようにモータ90の電流経路に設けられたスイッチング素子Q1〜Q6を制御する。
PWM発生部47からの信号はドライブ回路35に送られる。
次に、図2,3を用いて電流制御部44の構成について説明する。
図2に示すように、電流制御部44は、P項演算部50と、I項演算部51と、加算部52と、加算部53と、P項変動判定部54と、Kpd変更部55と、I項変動判定部56と、Kid変更部57を有する。
次に、図2,3を用いて電流制御部44の構成について説明する。
図2に示すように、電流制御部44は、P項演算部50と、I項演算部51と、加算部52と、加算部53と、P項変動判定部54と、Kpd変更部55と、I項変動判定部56と、Kid変更部57を有する。
P項演算部50は、d軸指令電流値とd軸実電流値の差を小さくすべくd軸の比例項(P項)を演算する。つまり、d軸指令電流値とd軸実電流値の差ΔIdと、比例ゲインKpdとの積(=Kpd・ΔId)を演算する。また、I項演算部51は、d軸指令電流値とd軸実電流値の差を小さくすべくd軸の積分項(I項)を演算する。つまり、d軸指令電流値とd軸実電流値の差ΔIdの積分値と、積分ゲインKidとの積(=Kid・∫ΔIddt)を演算する。加算部52は、P項演算部50からのd軸の比例項(=Kpd・ΔId)とI項演算部51からの積分項(=Kid・∫ΔIddt)を入力して両者の和(=Kpd・ΔId+Kid・∫ΔIddt)を求める。
加算部53は、加算部52の出力(=Kpd・ΔId+Kid・∫ΔIddt)と非干渉項(=−ω・Lq・Iq*)とを加算する。非干渉項のうちのωはモータ回転数であり、Lqは定数であり、Iq*はq軸指令電流値である。加算部53による加算値(=Kpd・ΔId+Kid・∫ΔIddt−ω・Lq・Iq*)が座標変換部46に対しd軸指令電圧値Vd*として送られる。
このようにして、第1の比例積分制御部としてのP項演算部50、I項演算部51、加算部52、加算部53において、d軸指令電流値とd軸実電流値の差を小さくすべくd軸の比例項およびd軸の積分項に基づいて制御値、即ち、d軸指令電圧値Vd*を演算する。
P項変動判定部54は、P項演算部50によるd軸の比例項(=Kpd・ΔId)の変動量が閾値よりも大きいか否か判定する。具体的には、図4に示すように、d軸の比例項(=Kpd・ΔId)のピーク値とボトム値の差を変動量H1として算出してピーク値とボトム値の差である変動量H1が予め定めた閾値よりも大きいか否か判定する。P項変動判定部54はその判定結果をKpd変更部55に送る。Kpd変更部55は、d軸指令電流値Id*が定常状態である時において、P項変動判定部54によりd軸の比例項の変動量が閾値よりも大きいと判定されていると、P項演算部50における比例ゲインKpdを小さくする。この比例ゲインKpdを用いてP項演算部50はd軸の比例項(=Kpd・ΔId)を演算する。
I項変動判定部56は、I項演算部51によるd軸の積分項(=Kid・∫ΔIddt)の変動量が閾値よりも大きいか否か判定する。具体的には、図5に示すように、d軸の積分項(=Kid・∫ΔIddt)のピーク値とボトム値の差を変動量H2として算出してピーク値とボトム値の差である変動量H2が予め定めた閾値よりも大きいか否か判定する。I項変動判定部56はその判定結果をKid変更部57に送る。Kid変更部57は、d軸指令電流値Id*が定常状態である時において、I項変動判定部56によりd軸の積分項の変動量が閾値よりも大きいと判定されていると、I項演算部51における積分ゲインKidを小さくする。この積分ゲインKidを用いてI項演算部51はd軸の積分項(=Kid・∫ΔIddt)を演算する。
図3に示すように、電流制御部44は、P項演算部60と、I項演算部61と、加算部62と、加算部63と、P項変動判定部64と、Kpq変更部65と、I項変動判定部66と、Kiq変更部67を有する。
P項演算部60は、q軸指令電流値とq軸実電流値の差を小さくすべくq軸の比例項(P項)を演算する。つまり、q軸指令電流値とq軸実電流値の差ΔIqと、比例ゲインKpqとの積(=Kpq・ΔIq)を演算する。また、I項演算部61は、q軸指令電流値とq軸実電流値の差を小さくすべくq軸の積分項(I項)を演算する。つまり、q軸指令電流値とq軸実電流値の差ΔIqの積分値と、積分ゲインKiqとの積(=Kiq・∫ΔIqdt)を演算する。加算部62は、P項演算部60からのq軸の比例項(=Kpq・ΔIq)とI項演算部61からの積分項(=Kiq・∫ΔIqdt)を入力して両者の和(=Kpq・ΔIq+Kiq・∫ΔIqdt)を求める。
加算部63は、加算部62の出力(=Kpq・ΔIq+Kiq・∫ΔIqdt)と非干渉項(=ω・Ld・Id*+ω・Ke)とを加算する。非干渉項のうちのωはモータ回転数であり、LdおよびKeは定数であり、Id*はd軸指令電流値である。加算部63による加算値(=Kpq・ΔIq+Kiq・∫ΔIqdt+ω・Ld・Id*+ω・Ke)が座標変換部46に対しq軸指令電圧値Vq*として送られる。
このようにして、第2の比例積分制御部としてのP項演算部60、I項演算部61、加算部62、加算部63において、q軸指令電流値とq軸実電流値の差を小さくすべくq軸の比例項およびq軸の積分項に基づいて制御値、即ち、q軸指令電圧値Vq*を演算する。
P項変動判定部64は、P項演算部60によるq軸の比例項(=Kpq・ΔIq)の変動量が閾値よりも大きいか否か判定する。具体的には、図4に示すように、q軸の比例項(=Kpq・ΔIq)のピーク値とボトム値の差を変動量H1として算出してピーク値とボトム値の差である変動量H1が予め定めた閾値よりも大きいか否か判定する。P項変動判定部64はその判定結果をKpq変更部65に送る。Kpq変更部65は、q軸指令電流値Iq*が定常状態である時において、P項変動判定部64によりq軸の比例項の変動量が閾値よりも大きいと判定されていると、P項演算部60における比例ゲインKpqを小さくする。この比例ゲインKpqを用いてP項演算部60はq軸の比例項(=Kpq・ΔIq)を演算する。
I項変動判定部66は、I項演算部61によるq軸の積分項(=Kiq・∫ΔIqdt)の変動量が閾値よりも大きいか否か判定する。具体的には、図5に示すように、q軸の積分項(=Kiq・∫ΔIqdt)のピーク値とボトム値の差を変動量H2として算出してピーク値とボトム値の差である変動量H2が予め定めた閾値よりも大きいか否か判定する。I項変動判定部66はその判定結果をKiq変更部67に送る。Kiq変更部67は、q軸指令電流値Iq*が定常状態である時において、I項変動判定部66によりq軸の積分項の変動量が閾値よりも大きいと判定されていると、I項演算部61における積分ゲインKiqを小さくする。この積分ゲインKiqを用いてI項演算部61はq軸の積分項(=Kiq・∫ΔIqdt)を演算する。
図1に示すように、定常/過渡判定部70は、トルク/指令電流値変換部41によるd軸指令電流値Id*を入力する。定常/過渡判定部70は、d軸指令電流値Id*を一定時間ごとにサンプリングして2回のサンプリング値の差が閾値よりも大きいか否か判定する。そして、定常/過渡判定部70は、2回のサンプリング値の差が閾値よりも小さいと定常状態であると判定し、2回のサンプリング値の差が閾値よりも大きいと過渡状態であると判定する。その判定結果は、Kpd変更部81、図2のKpd変更部55、Kid変更部57に送られる。
図1の定常/過渡判定部71は、トルク/指令電流値変換部41によるq軸指令電流値Iq*を入力する。定常/過渡判定部71は、q軸指令電流値Iq*を一定時間ごとにサンプリングして2回のサンプリング値の差が閾値よりも大きいか否か判定する。そして、定常/過渡判定部71は、2回のサンプリング値の差が閾値よりも小さいと定常状態であると判定し、2回のサンプリング値の差が閾値よりも大きいと過渡状態であると判定する。その判定結果は、Kpq変更部83、図3のKpq変更部65、Kiq変更部67に送られる。
図1のΔId変動判定部80は、減算部42による差ΔId(Id*−Id)を入力する。ΔId変動判定部80は、差ΔId(Id*−Id)を一定時間ごとにサンプリングして2回のサンプリング値の差が閾値よりも大きいか否か判定する。ΔIq変動判定部82は、減算部43による差ΔIq(Iq*−Iq)を入力する。ΔIq変動判定部82は、差ΔIq(Iq*−Iq)を一定時間ごとにサンプリングして2回のサンプリング値の差が閾値よりも大きいか否か判定する。
Kpd変更部81は、定常/過渡判定部70によりd軸指令電流値Id*が過渡状態であると判定された時に、ΔId変動判定部80による差ΔId(Id*−Id)が閾値よりも大きいと、図2のP項演算部50における比例ゲインKpdを大きくする。この比例ゲインKpdを用いてP項演算部50はd軸の比例項(=Kpd・ΔId)を演算する。
図1のKpq変更部83は、定常/過渡判定部71によりq軸指令電流値Iq*が過渡状態であると判定された時に、ΔIq変動判定部82による差ΔIq(Iq*−Iq)が閾値よりも大きいと、図3のP項演算部60における比例ゲインKpqを大きくする。この比例ゲインKpqを用いてP項演算部60はq軸の比例項(=Kpq・ΔIq)を演算する。
次に、インバータ装置10の作用について説明する。
図2のP項演算部50、I項演算部51、加算部52、加算部53において、d軸指令電流値とd軸実電流値の差を小さくすべく、d軸の比例項およびd軸の積分項に基づいて制御値、即ち、d軸指令電圧値Vd*が算出される。
図2のP項演算部50、I項演算部51、加算部52、加算部53において、d軸指令電流値とd軸実電流値の差を小さくすべく、d軸の比例項およびd軸の積分項に基づいて制御値、即ち、d軸指令電圧値Vd*が算出される。
また、図3のP項演算部60、I項演算部61、加算部62、加算部63において、q軸指令電流値とq軸実電流値の差を小さくすべく、q軸の比例項およびq軸の積分項に基づいて制御値、即ち、q軸指令電圧値Vq*が算出される。
図1の定常/過渡判定部70によりd軸指令電流値Id*が定常状態であると判定された時において、図2のP項変動判定部54、Kpd変更部55、I項変動判定部56、Kid変更部57において、d軸の比例項、d軸の積分項について変動量が大きい時に、その項のゲインを減少させる。ここで、ピーク値とボトム値から変動量が求められる。
また、図1の定常/過渡判定部71によりq軸指令電流値Iq*が定常状態であると判定された時において、図3のP項変動判定部64、Kpq変更部65、I項変動判定部66、Kiq変更部67において、q軸の比例項、q軸の積分項について変動量が大きい時に、その項のゲインを減少させる。ここで、ピーク値とボトム値から変動量が求められる。
一方、図1の定常/過渡判定部70によりd軸指令電流値Id*が過渡状態であると判定された時において、ΔId変動判定部80、Kpd変更部81において、d軸指令電流値とd軸実電流値の差ΔIdが大きい時に、比例ゲインKpdが大きくされる。また、図1の定常/過渡判定部71によりq軸指令電流値Iq*が過渡状態であると判定された時において、ΔIq変動判定部82、Kpq変更部83において、q軸指令電流値とq軸実電流値の差ΔIqが大きい時に、比例ゲインKpqが大きくされる。
比例項、積分項の振動は、d軸実電流値Id、q軸実電流値Iqの振動に寄与し、車両振動などを引き起こす。つまり、車両振動はトルクの変動が大きい時に発生し、トルクの変動は、d軸実電流値Id、q軸実電流値Iqに影響する。そのため、d軸実電流値Id、q軸実電流値Iqを安定的に(直流成分として)流すことが必要となる。本実施形態ではこの対策が講じられている。
図6には、所定の条件において、定常状態で実電流が大きく変動した場合でも、比例ゲインおよび積分ゲインを変更しない場合におけるd軸、q軸の比例項、積分項を示す。
d軸実電流値Id、q軸実電流値Iqの振動は、比例項、積分項の影響を受ける。比例項は、指令電流値と実電流値の差に比例ゲインをかけて得られるとともに、積分項は、指令電流値と実電流値の差に積分ゲインをかけて得られるので、比例項の変動量および積分項の変動量は、電流制御部44の内部(CPU内部)で算出することができる。よって、比例項の変動量および積分項の変動量、即ち、振動を判断し、比例ゲインおよび積分ゲインを変更することができる。つまり、ゲインを変更しながら比例項および積分項の変化(振動)を抑える制御が実行される。
d軸実電流値Id、q軸実電流値Iqの振動は、比例項、積分項の影響を受ける。比例項は、指令電流値と実電流値の差に比例ゲインをかけて得られるとともに、積分項は、指令電流値と実電流値の差に積分ゲインをかけて得られるので、比例項の変動量および積分項の変動量は、電流制御部44の内部(CPU内部)で算出することができる。よって、比例項の変動量および積分項の変動量、即ち、振動を判断し、比例ゲインおよび積分ゲインを変更することができる。つまり、ゲインを変更しながら比例項および積分項の変化(振動)を抑える制御が実行される。
図7には、所定の条件において、定常状態で実電流が大きく変動した場合に、比例ゲインおよび積分ゲインを減少するように変更した場合におけるd軸、q軸の比例項、積分項を示す。
図6と図7の対比において、d軸の積分項の振幅W1、q軸の積分項の振幅W2、d軸の比例項の振幅W3、q軸の比例項の振幅W4について図6に比べて図7の方が縮小している又は同程度であることが分る。なお図6,7の縦軸の単位は[V]である。
比例項の変動量および積分項の変動量をモニタリングしながらゲインを変更する。詳しくは、比例項、積分項の変動量H1,H2が閾値以上ならば、ゲインを減少させる。このようにすることにより、電流の振動が抑えられ、振動を低減することができることとなる。
また、単にゲインを下げるだけでなく、応答性が悪いと判断されたときには、比例ゲインを増加させる。つまり、図1の定常/過渡判定部70,71により指令電流値が過渡状態であると判定された時に、図1のΔId変動判定部80、Kpd変更部81、ΔIq変動判定部82、Kpq変更部83により、d軸指令電流値Id*とd軸実電流値Idの差ΔIdまたはq軸指令電流値Iq*とq軸実電流値Iqの差ΔIqが大きい時に、比例ゲインを大きくする。
従って、各項のPIゲインを個別に低下または比例ゲインを増加させることにより、変動が大きな項の必要なゲインを適切に変更でき、追従性が良好な電流応答が実現される。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)モータのPI制御において定常時にはI項は理想的にはDC成分となるが、制御要因、外部(モータイナーシャ、モータを搭載した車両のねじれ成分)などにより振動することがある。本実施形態では、回転電機のインバータ制御装置30の構成として、ゲイン調整手段としてのP項変動判定部54、Kpd変更部55、I項変動判定部56、Kid変更部57、P項変動判定部64、Kpq変更部65、I項変動判定部66、Kiq変更部67を備える。そして、d軸の比例項、d軸の積分項、q軸の比例項、q軸の積分項の変動量が大きい時に、変動量が大きい項のゲインを減少させる。つまり、PI各項を監視し、振動が大きい項のゲインを狙って低下させる(PIの各項を調整する)。
よって、出力電流の監視、即ち、PI制御での計算結果ではなく、計算途中の値(d軸の比例項、d軸の積分項、q軸の比例項、q軸の積分項)を監視することにより三相交流回転電機に流れる電流の振動を精度よく抑えることができる。即ち、相交流回転電機に流れる電流の振動をより抑えて、車両等において振動を低減することができる。
(2)ゲイン調整手段は、図4,5に示したようにピーク値とボトム値から変動量H1,H2を求めるので、定常状態で振動が生じていることが正確に判断できる。
(3)ゲイン調整手段は、d軸の比例項、d軸の積分項、q軸の比例項、q軸の積分項の全てに対して、各項の変動量が大きい時に、変動量が大きい項のゲインを減少させる。これにより、出力電流の監視、即ち、PI制御での計算結果ではなく、計算途中のデータ(d軸の比例項、d軸の積分項、q軸の比例項、q軸の積分項)を個別に監視することにより三相交流回転電機に流れる電流の振動を精度よく抑えることができる。
(3)ゲイン調整手段は、d軸の比例項、d軸の積分項、q軸の比例項、q軸の積分項の全てに対して、各項の変動量が大きい時に、変動量が大きい項のゲインを減少させる。これにより、出力電流の監視、即ち、PI制御での計算結果ではなく、計算途中のデータ(d軸の比例項、d軸の積分項、q軸の比例項、q軸の積分項)を個別に監視することにより三相交流回転電機に流れる電流の振動を精度よく抑えることができる。
(4)ゲイン調整手段は、指令電流値Id*,Iq*が定常状態である時において、d軸の比例項、d軸の積分項、q軸の比例項、q軸の積分項の変動量が大きい時に、変動量が大きい項のゲインを減少させる。よって、実用上好ましい。
(5)回転電機のインバータ制御装置の構成として、比例ゲイン調整手段としてのΔId変動判定部80、Kpd変更部81、ΔIq変動判定部82、Kpq変更部83を備える。そして、指令電流値が過渡状態である時において、d軸およびq軸における指令電流値と実電流値の差ΔId,ΔIqが大きい時に、当該差が大きい軸の比例項の比例ゲインKpd,Kpqを大きくする。つまり、過渡状態であるので積分項は意味がなく無視できるので比例項についてゲインを大きくする。よって、モータに流れる電流の振動をより抑えつつ、過渡状態での追従性を向上させることができる。
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
・図4,5を用いて説明したごとくピーク値とボトム値から変動量を求めたが、これに代わり、例えば、2回のサンプリング値の差、即ち、瞬間値である微分値から変動量を求めてもよい。
・図4,5を用いて説明したごとくピーク値とボトム値から変動量を求めたが、これに代わり、例えば、2回のサンプリング値の差、即ち、瞬間値である微分値から変動量を求めてもよい。
・上記(1)において変動量H1,H2が閾値以上の時にゲインを小さくしたが、これに代わり、変動量とゲインとの関係を予め対応付けておく。例えば、リニアに対応付けておく。そして、d軸の比例項、d軸の積分項、q軸の比例項、q軸の積分項の変動量が大きい時に、当該変動量が大きい項のゲインを減少させるようにしてもよい。
・d軸の比例項、d軸の積分項、q軸の比例項、q軸の積分項の全てに対して、各項の変動量が大きい時に、当該変動量が大きい項のゲインを減少させたが、これに限らない。
具体的には、d軸の比例項、d軸の積分項、q軸の比例項、q軸の積分項のうちの1つの項について、変動量が大きい時に、当該変動量が大きい項のゲインを減少させるようにしてもよい。他にも、d軸の比例項、d軸の積分項、q軸の比例項、q軸の積分項のうちの2つの項について、変動量が大きい時に、当該変動量が大きい項のゲインを減少させるようにしてもよい。他にも、d軸の比例項、d軸の積分項、q軸の比例項、q軸の積分項のうちの3つの項について、変動量が大きい時に、当該変動量が大きい項のゲインを減少させるようにしてもよい。
具体的には、d軸の比例項、d軸の積分項、q軸の比例項、q軸の積分項のうちの1つの項について、変動量が大きい時に、当該変動量が大きい項のゲインを減少させるようにしてもよい。他にも、d軸の比例項、d軸の積分項、q軸の比例項、q軸の積分項のうちの2つの項について、変動量が大きい時に、当該変動量が大きい項のゲインを減少させるようにしてもよい。他にも、d軸の比例項、d軸の積分項、q軸の比例項、q軸の積分項のうちの3つの項について、変動量が大きい時に、当該変動量が大きい項のゲインを減少させるようにしてもよい。
要は、d軸の比例項、d軸の積分項、q軸の比例項、q軸の積分項のうち少なくとも1つの項について変動量が大きい時に、当該変動量が大きい項のゲインを減少させるゲイン調整手段を備える構成にすればよい。
30…インバータ制御装置、44…電流制御部、50…P項演算部、51…I項演算部、52…加算部、53…加算部、54…P項変動判定部、55…Kpd変更部、56…I項変動判定部、57…Kid変更部、60…P項演算部、61…I項演算部、62…加算部、63…加算部、64…P項変動判定部、65…Kpq変更部、66…I項変動判定部、67…Kiq変更部、80…ΔId変動判定部、81…Kpd変更部、82…ΔIq変動判定部、83…Kpq変更部、90…モータ、Q1〜Q6…スイッチング素子。
Claims (5)
- 三相交流回転電機に流れるU、V、Wの各相の電流に基づいて電流経路に設けられたスイッチング素子を制御する回転電機のインバータ制御装置であって、
d軸指令電流値とd軸実電流値の差を小さくすべくd軸の比例項およびd軸の積分項に基づいて制御値を演算する第1の比例積分制御部と、
q軸指令電流値とq軸実電流値の差を小さくすべくq軸の比例項およびq軸の積分項に基づいて制御値を演算する第2の比例積分制御部と、
d軸の比例項、d軸の積分項、q軸の比例項、q軸の積分項のうち少なくとも1つの項について変動量が大きい時に、当該変動量が大きい項のゲインを減少させるゲイン調整手段と、
を備えることを特徴とする回転電機のインバータ制御装置。 - 前記ゲイン調整手段は、ピーク値とボトム値から変動量を求めることを特徴とする請求項1に記載の回転電機のインバータ制御装置。
- 前記ゲイン調整手段は、d軸の比例項、d軸の積分項、q軸の比例項、q軸の積分項の全てに対して、各項の変動量が大きい時に、変動量が大きい項のゲインを減少させることを特徴とする請求項1または2に記載の回転電機のインバータ制御装置。
- 前記ゲイン調整手段は、指令電流値が定常状態である時において、d軸の比例項、d軸の積分項、q軸の比例項、q軸の積分項のうち少なくとも1つの項について変動量が大きい時に、当該変動量が大きい項のゲインを減少させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転電機のインバータ制御装置。
- 指令電流値が過渡状態である時において、d軸およびq軸における指令電流値と実電流値の差が大きい時に、当該差が大きい軸の比例項の比例ゲインを大きくする比例ゲイン調整手段を更に備えたことを特徴とする請求項4に記載の回転電機のインバータ制御装置。
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