JP2015154647A - スイッチング電源 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のスイッチング電源は、無負荷時や軽負荷時における電力損失を低減できなかった。【解決手段】本発明では、共振型のソフトスイッチングによるスイッチング電源において、負荷電流を検出する第1の電流センサと、負荷に並列に接続された電流調整素子と、前記第1の電流センサにより検出された負荷電流が予め設定された閾値未満の場合に、前記電流調整素子を制御して擬似的な負荷電流を流す電流制御部とを有することを特徴とする。【選択図】図1
Description
本発明は、スイッチング電源に関する。
スイッチング電源として、4つのスイッチをオンオフして発生させた交流をトランスで所望の電圧に変換するフルブリッジコンバータが知られている。ところが、フルブリッジコンバータは、スイッチの端子間電圧が高い状態でスイッチをオンする場合、電力損失が発生するという問題がある。そこで、スイッチの端子間電圧が低下してからスイッチをオンするフェーズシフトフルブリッジコンバータが用いられている(特許文献1参照)。
フェーズシフトフルブリッジコンバータは、スイッチに並列に接続されたスナバコンデンサとトランスの一次側コイルとの間で部分共振を起こさせて、スイッチの端子間電圧を0Vにしてスイッチをオンにし、電力損失を低減する。ところが、定格に対して負荷が小さい軽負荷時や無負荷時のように負荷電流が少ない場合、部分共振により流れる電流も少なくなるため、スイッチの端子間電圧が十分に低下せず、電力損失が定格動作時に比べて大きくなるという問題がある。
本件開示のスイッチング電源は、無負荷時や軽負荷時における電力損失を低減できる技術を提供することを目的とする。
一つの観点によれば、共振型のソフトスイッチングによるスイッチング電源において、負荷電流を検出する第1の電流センサと、負荷に並列に接続された電流調整素子と、第1の電流センサにより検出された負荷電流が予め設定された閾値未満の場合に、電流調整素子を制御して擬似的な負荷電流を流す電流制御部とを有することを特徴とする。
本件開示のスイッチング電源は、無負荷時や軽負荷時における電力損失を低減することができる。
以下、図面を用いて実施形態を説明する。
図1は、スイッチング電源100の一例を示す。図1において、スイッチング電源100は、トランスTr1と、トランスTr1の一次側回路101と、トランスTr1の二次側回路102と、制御部103とを有する。そして、トランスTr1の一次側回路101は、フルブリッジ回路を形成するスイッチQ1,Q2,Q3,Q4と、コンデンサC1,C2,C3,C4とを有する。また、トランスTr1の二次側回路102は、整流用のダイオードD5,D6と、コイルL1と、コンデンサC5と、電流調整素子Q5と、電流センサ151と、電流制御部152とを有する。ここで、スイッチQ1,Q2,Q3およびQ4は、例えばNチャネル型のパワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)が用いられる。また、電流調整素子Q5は、スイッチQ1などと同様のパワーMOSFETが用いられるが、主にドレイン電流を調整するため、リニア領域で使用される。従って、電流調整素子Q5は、トランジスタ等の電流を調整できるデバイスであってもよい。尚、スイッチQ1,Q2,Q3,Q4および電流調整素子Q5の内部のダイオードD1,D2,D3,D4およびD7は、パワーMOSFETの構造上、ソース・ドレイン間に形成される寄生ダイオードであり、内蔵ダイオードまたはボディダイオードと呼ばれている。
図1において、制御部103は、予め設定されたシーケンスに従ってスイッチング電源100が動作するための制御信号を出力したり、制御値の設定などを行う。
スイッチQ1は、コンデンサC1がスイッチQ1のソース・ドレイン間に並列に接続され、制御部101からゲートに与えられる制御信号により、オンまたはオフされる。同様に、スイッチQ2,Q3,Q4は、コンデンサC2,C3,C4がそれぞれ並列に接続され、制御部101からゲートに与えられる制御信号により、オンまたはオフされる。尚、コンデンサC1,C2,C3,C4は、スイッチQ1,Q2,Q3,Q4がオンオフする時のサージ電圧を抑制し、スイッチQ1,Q2,Q3,Q4を保護するためのスナバコンデンサである。
図1において、直列に接続されたスイッチQ1とスイッチQ2および直列に接続されたスイッチQ3とスイッチQ4は、電源Vinにそれぞれ並列に接続されている。そして、スイッチQ1とスイッチQ2の中点にトランスTr1の一次側コイル(端子a1)が接続され、スイッチQ3とスイッチQ4の中点にトランスTr1の一次側コイル(端子a2)が接続されている。これにより、スイッチQ1とスイッチQ4とがオンすると、電源Vinの正端子(+)からスイッチQ1を介してトランスTr1の端子a1から端子a2に一次側電流iLが流れ、スイッチQ4を介して電源Vinの負端子(ー)に還流する。また、スイッチQ2とスイッチQ3とがオンすると、電源Vinの正端子(+)からスイッチQ3を介してトランスTr1の端子a2から端子a1に一次側電流iLが流れ、スイッチQ2を介して電源Vinの負端子(ー)に還流する。
このようにして、制御部103は、スイッチQ1およびスイッチQ4と、スイッチQ2およびスイッチQ3とを交互にオンオフし、トランスTr1の一次側コイルに交流を流す。これにより、トランスTr1の一次側コイルと二次側コイルとの巻線比に応じた交流電圧が二次側コイルに発生する。例えば、本実施形態に係るスイッチング電源100は、電源Vinから供給される400Vの電圧を12Vの電圧に変換する。
一方、トランスTr1の二次側コイルは、端子b1,b2,b3を有する。ここで、端子b2は、端子b1と端子b3との中点にある。そして、ダイオードD5およびダイオードD6は、端子b2を基準として端子b1および端子b3から出力される交流を整流して、コイルL1に正電圧(+)を出力する。さらに、コイルL1とコンデンサC5とが形成するフィルタ回路により平滑化された二次側電流Ioが後述する電流センサ151を介して負荷側に供給される。
電流センサ151は、例えば、電流を検出するためのシャント抵抗と、シャント抵抗の両端の電位差を検出するためのオペアンプとを有する。ここで、シャント抵抗は、例えば数mΩから数十mΩ程度の抵抗なので、発生する電力損失は殆ど無視できるが、例えばホールセンサなど非接触で電流を検出するデバイスを用いてもよい。
電流制御部152は、電流センサ151が検出する負荷電流Io1の電流値が予め設定された所定電流値Iosより小さい場合、後述の電流調整素子Q5を制御して擬似的な負荷電流Io2(以降、ダミー負荷電流Io2と称す)を流す。
電流調整素子Q5は、コンデンサC5に並列に接続され、負荷電流Io1と並列にダミー負荷電流Io2を流すことができる。そして、電流制御部152は、電流調整素子Q5に流れるダミー負荷電流Io2の電流値を制御する。
図2は、電流制御部152の一例を示す。尚、図2において、図1と同符号のブロック又は素子は、図1と同一又は同様の機能を有する。
図2において、電流制御部152は、加減算回路201と、電流制御回路202とを有する。
加減算回路201は、制御部103から指定される所定電流値Iosから電流センサ151が検出する負荷電流Io1の電流値を減算する。例えば、所定電流値Iosが一定の場合、負荷電流Io1が増加すると加減算回路201の出力は小さくなり、逆に、負荷電流Io1が減少すると、加減算回路201の出力は大きくなる。そして、負荷電流Io1が所定電流値Iosより大きくなると、加減算回路201は負の値を出力する。
電流制御回路202は、加減算回路201の出力値に応じて、電流調整素子Q5を制御する。例えば、電流制御回路202は、加減算回路201の出力値が負の値の時、負荷電流Io1は所定電流値Ios以上の大きさなので、電流調整素子Q5をオフにしてダミー負荷電流Io2を流さない。また、加減算回路201の出力値が正の値の時、当該出力値は、二次側電流Ioを所定電流値Iosにするために流さなければならないダミー負荷電流Io2の電流値を示している。そこで、電流制御回路202は、電流調整素子Q5に与えるゲート電流を制御して、加減算回路201の出力値に対応するダミー負荷電流Io2を電流調整素子Q5により流す。尚、加減算回路201の出力値と、電流調整素子Q5に与えるゲート電流の電流値と、ダミー負荷電流Io2の電流値との対応は、設計値として予め求めておくか、予め実測しておき、電流制御回路202に設定されている。これにより、電流制御回路202は、加減算回路201の出力値に対応するダミー負荷電流Io2を流すための電流調整素子Q5のゲート電流を求め、電流調整素子Q5を制御することができる。このようにして、電流制御回路202は、加減算回路203を有さない場合でも、二次側電流Ioが予め設定された所定電流値Iosになるように、電流調整素子Q5を制御してダミー負荷電流Io2を増減することができる。
図3は、図2に示した電流制御部152の他の例を示す。尚、図3において、図1および図2と同符号のブロック又は素子は、図1および図2と同一又は同様の機能を有する。
図3において、電流制御部152aは、加減算回路201と、電流制御回路202aと、加減算回路203とを有する。また、図3において、電流調整素子Q5に流れるダミー負荷電流Io2を検出するための電流センサ153が電流調整素子Q5に直列に配置されている。
電流センサ153は、先に説明した電流センサ151と同様に、電流を検出するためのシャント抵抗と、シャント抵抗の両端の電位差を検出するためのオペアンプとを有してもよいし、非接触で電流を検出するデバイスを用いてもよい。
加減算回路203は、電流センサ153が検出するダミー負荷電流Io2の電流値を加減算回路201の出力値から減算して、後述する電流制御回路202aに出力する。例えば、負荷電流Io1が所定電流値Iosに満たない場合、加減算回路201の出力は正の値になるので、加減算回路203は、加減算回路201の出力からさらに電流センサ153が検出するダミー負荷電流Io2の電流値を減算する。逆に、加減算回路201の出力が負の値の場合、ダミー負荷電流Io2の値に依らず、加減算回路203の出力は負の値になる。
電流制御回路202aは、加減算回路203の出力値に応じて、電流調整素子Q5を制御する。例えば、電流制御回路202aは、加減算回路203の出力が負の値の時、負荷電流Io1とダミー負荷電流Io2との和の電流値が所定電流値Ios以上なので、電流調整素子Q5をオフにする。また、加減算回路203の出力が正の値の時、当該出力値は、二次側電流Ioを所定電流値Iosにするために、更に流さなければならないダミー負荷電流Io2の増分値を示している。そこで、電流制御回路202aは、電流調整素子Q5に与えるゲート電流を制御して、加減算回路203の出力値が負の値になるまでダミー負荷電流Io2を増加させる。ここで、ダミー負荷電流Io2を増減する方法として、例えば、PI(Proportion Integral) 制御(比例積分制御)などを用いることができる。
このようにして、電流制御回路202aは、負荷電流Io1が所定電流値Iosよりも小さい場合、負荷電流Io1とダミー負荷電流Io2との和の二次側電流Ioが予め設定された所定電流値Iosになるように、ダミー負荷電流Io2を増加する(式1)。
Io1 + Io2 = Ios [Io1<Iosの場合] ・・・(式1)
ここで、所定電流値Iosは、先に説明したように、制御部103から電流制御部152に指示される。
Io1 + Io2 = Ios [Io1<Iosの場合] ・・・(式1)
ここで、所定電流値Iosは、先に説明したように、制御部103から電流制御部152に指示される。
図4は、負荷電流Io1とダミー負荷電流Io2との関係を示す。例えば、図4(a)は、縦軸が負荷電流Io1、横軸がダミー負荷電流Io2をそれぞれ示す。図4(a)において、負荷電流Io1が零の時(無負荷時)、ダミー負荷電流Io2は、所定電流値Iosの電流を流す。そして、電流制御部152は、負荷電流Io1が増加するにつれてダミー負荷電流Io2を減少させ、負荷電流Io1が所定電流値Iosに達するとダミー負荷電流Io2を零にする。そして、所定電流値Ios以上の負荷電流Io1が流れるような負荷が重い状態の場合、電流制御部152は、ダミー負荷電流Io2を零に維持する。また、図4(b)は、負荷電流Io1とダミー負荷電流Io2との和の二次側電流Ioと、負荷電流Io1との関係を示す。図4(b)において、二次側電流Ioは、負荷電流Io1が所定電流値Iosになるまで一定の電流値(所定電流値Ios)に維持され、その後、負荷Ldに流れる負荷電流Io1に比例して二次側電流Ioは増加する。
このように、本実施形態に係るスイッチング電源100は、無負荷時や軽負荷時において、負荷電流Io1とダミー負荷電流Io2との和の二次側電流Ioが一定(所定電流値Ios)になるように制御する。そして、スイッチング電源100は、負荷電流Io1が所定電流値Ios以上になった場合、ダミー負荷電流Io2を零にする。この時、スイッチング電源100は、図4(a)に示すように、負荷電流Io1に反比例してダミー負荷電流Io2をリニアに減少させ、負荷電流Io1が所定電流値Ios以上になった時にダミー負荷電流Io2を零にする。これにより、電流調整素子Q5による電力損失は、負荷電流Io1が所定電流値Ios未満の時(軽負荷時や無負荷時)に生じるが、負荷電流Io1が所定電流値Ios以上の時(負荷が重くなった時)は発生しない。
図5は、比較例のスイッチング電源900を示す。尚、図5において、図1と同符号の素子は、図1と同一又は同様の機能を有する。スイッチング電源900は、コイルL1とコンデンサC5とで平滑化された二次側電流Ioがそのまま負荷Ldに接続され、図1に示した電流調整素子Q5、電流センサ151,153および電流制御部152を有していない。そして、制御部903は、図1で説明した制御部103と同様に、スイッチQ1,Q2,Q3,Q4を制御する。尚、図1に示した電流制御部152は、スイッチング電源900にはないので、制御部903は、電流制御部152の制御を行わない。
これに対して、図1に示した本実施形態に係るスイッチング電源100は、負荷Ldに流れる負荷電流Io1を電流センサ151により検出して、電流制御部152に出力する。そして、電流制御部152は、無負荷時や軽負荷時の二次側電流Ioが制御部103に指示される所定電流値Iosになるように、電流調整素子Q5を制御する。
図6は、スイッチQ1,Q2,Q3,Q4(以下、スイッチQと呼ぶ)の端子間電圧VdとスイッチQに流れる電流Idとが変化するタイミング例を示す。尚、図6において、横軸は時間t、縦軸は電圧Vまたは電流Iをそれぞれ示す。
ここで、スイッチング電源の方式は、ハードスイッチングとソフトスイッチングとがある。ハードスイッチングは、スイッチQの端子間に電圧が掛かっている状態で強制的にスイッチQをオンして電流を流し始める動作で、電力損失が発生する。これに対して、フェーズシフトフルブリッジコンバータなどの共振型コンバータは、スイッチQの端子間電圧を下げてからスイッチQをオンして電流を流し始める動作で、ハードスイッチングに比べて電力損失が少なく、ソフトスイッチングと呼ばれている。本実施形態に係るスイッチング電源100は、部分共振を利用したソフトスイッチングによるフェーズシフトフルブリッジコンバータコンバータの一例を示しているが、共振型のソフトスイッチングによるコンバータであれば同様に適用できる。
図6(a)は、ハードスイッチングの場合に、スイッチング電源のスイッチQの端子間電圧VdとスイッチQに流れる電流Idとが変化するタイミング例を示す。尚、図6(a)において、線av1はスイッチQの端子間電圧Vdの変化、線bi1はスイッチQに流れる電流Idの変化をそれぞれ示す。また、端子間電圧Vdの0V位置と、電流Idの0A位置とが分かり易いように、少しずらして描いてある。
図6(a)において、スイッチQがタイミングT1でオンすると、スイッチQの端子間電圧Vdの変化を示す線av1は、タイミングT3にかけて減少して0Vになる。一方、スイッチQに流れる電流Idを示す線bi1は、スイッチQがオンするタイミングT1から少し遅れたタイミングT2で流れ始め、タイミングT4にかけて増加して一定の電流になる。ここで、タイミングT2からタイミングT3までの期間において、図6(a)の斜線で示した部分Sが電力損失となる。
これに対して、図6(b)は、定格負荷時において、フェーズシフトフルブリッジコンバータを用いたスイッチング電源のスイッチQの端子間電圧VdとスイッチQに流れる電流Idとが変化するタイミング例を示す。尚、図6(b)において、線av2はスイッチQの端子間電圧Vdの変化、線bi2はスイッチQに流れる電流Idの変化をそれぞれ示す。また、図6(a)と同様に、端子間電圧Vdの0V位置と、電流Idの0A位置とが分かり易いように、少しずらして描いてある。
図6(b)において、スイッチQの端子間電圧Vdの変化を示す線av2は、スイッチQがオンするタイミングT1より前のタイミングT0において、降下し始めてタイミングT1の時点で0Vになる。ここで、スイッチング電源100がタイミングT0からタイミングT1にかけてスイッチQの端子間電圧を低下させる方法について、図1に示したスイッチQ3を例に挙げて説明する。図1において、スイッチQ3のコンデンサC3と、トランスTr1の一次側コイルとの間の部分共振を利用して、スイッチQ3の端子間電圧(コンデンサC3の電圧)が0Vになるようにする。例えば、スイッチQ1,Q4をオンした状態からスイッチQ4をオフにすると、トランスTr1の一次側コイルは一次側電流iLを流し続けようとするので、スイッチQ4のコンデンサC4の電圧が上昇し、スイッチQ3のコンデンサC3の電圧が低下する。尚、スイッチQ1はオンの状態なのでスイッチQ2のコンデンサC2の電圧は変化しない。そして、スイッチQ3のコンデンサC3の電圧が0V(つまり、スイッチQ3の端子間電圧が0V)になり、このタイミングでスイッチQ3をオンにすれば、スイッチQ3における電力損失は発生しない。
このようにして、図6(b)に示したタイミングT0からタイミングT1までの期間に、スイッチQの端子間電圧が0Vになり、タイミングT1でスイッチQをオンしても図6(a)に示したような斜線部分Sは無くなり、電力損失を抑えることができる。
ところが、スイッチQに流れる一次側電流iLは、定格の負荷Ldが接続されている時に比べて無負荷時や軽負荷時は小さくなり、部分共振により流れる電流も小さくなる。部分共振により流れる電流が小さくなると、先の例では、スイッチQ3のコンデンサC3の電圧の低下が小さくなり、コンデンサC3の電圧(スイッチQ3の端子間電圧)が0Vまで降下しない。
図6(c)は、無負荷時や軽負荷時において、スイッチQの端子間電圧VdとスイッチQに流れる電流Idとが変化するタイミング例を示す。尚、図6(c)において、線av3はスイッチQの端子間電圧Vdの変化、線bi3はスイッチQに流れる電流Idの変化をそれぞれ示す。また、図6(b)と同様に、端子間電圧Vdの0V位置と、電流Idの0A位置とが分かり易いように、少しずらして描いてある。図6(c)の線av3に示すように、スイッチQ1がオンするタイミングT1の時点でスイッチQ1の端子間電圧が十分に下がらず、斜線で示した部分S2が電力損失となる。
そこで、本実施形態に係るスイッチング電源100は、無負荷時や軽負荷時において、部分共振によってスイッチQに流れる一次側電流iLがスイッチQの端子間電圧を0Vに下げるのに十分な電流値になるように二次側電流Ioを制御する。そして、本実施形態に係るスイッチング電源100は、無負荷時や軽負荷時においても、スイッチQの端子間電圧VdとスイッチQに流れる電流Idとが変化するタイミングを図6(b)と同様のタイミングにすることができる。尚、スイッチQの端子間電圧を0Vに下げるのに十分な二次側電流Ioは、例えば最大電流の1/10程度のように設定するが、負荷電流や回路に使用するデバイスなどに応じて調整する。
図7は、スイッチング電源100の動作タイミング例を示す。図7において、タイミングt1でスイッチQ4がオフすると、部分共振により一次側電流iLが流れ、スイッチQ3の端子間電圧Vdが減少し、スイッチQ4の端子間電圧Vdが増加していく。そして、スイッチQ3の端子間電圧Vdが0Vになるタイミングt2でスイッチQ3をオンにする。
次のタイミングt3でスイッチQ1がオフすると、部分共振により一次側電流iLが流れ、スイッチQ2の端子間電圧Vdが減少し、スイッチQ1の端子間電圧Vdが増加していく。そして、スイッチQ2の端子間電圧Vdが0Vになるタイミングt4でスイッチQ2をオンにする。
次のタイミングt5でスイッチQ3がオフすると、部分共振により一次側電流iLが流れ、スイッチQ4の端子間電圧Vdが減少し、スイッチQ3の端子間電圧Vdが増加していく。そして、スイッチQ4の端子間電圧Vdが0Vになるタイミングt6でスイッチQ4をオンにする。
次のタイミングt7でスイッチQ2がオフすると、部分共振により一次側電流iLが流れ、スイッチQ1の端子間電圧Vdが減少し、スイッチQ2の端子間電圧Vdが増加していく。そして、スイッチQ1の端子間電圧Vdが0Vになるタイミングt8でスイッチQ1をオンにする。
次のタイミングt9からタイミングt15までは、上記のタイミングt1からt7までと同様に動作し、以降、スイッチング電源100は、同じ動作を繰り返し行う。
ここで、図7に示したタイミングt1からタイミングt2において、スイッチQ3の端子間電圧Vdが0Vまで減少する動作は、先に説明した図6(b)のタイミングT0からタイミングT1までの動作に相当する。
特に、本実施形態に係るスイッチング電源100は、先に説明したように、無負荷時や軽負荷時においても、ダミー負荷電流Io2を流すことによって、無負荷時から最大負荷時まで、図6(b)の特性を維持することができる。これにより、本実施形態に係るスイッチング電源100は、一次側のスイッチQ1,Q2,Q3およびQ4による電力損失を低減することができる。
[放熱について]
スイッチQ1,Q2,Q3およびQ4は、発生する熱を逃がすために放熱フィンに取り付けられている。また、トランスTr1の二次側の整流用のダイオードD5,D6にも放熱フィンが取り付けられる。一方、ダミー負荷電流Io2を流すための電流調整素子Q5は、ダミー負荷電流Io2の電流値に応じて熱が発生するため、放熱フィンを要する。しかし、熱の発生は、無負荷時や軽負荷時だけなので、電流調整素子Q5の放熱フィンは、整流用のダイオードD5,D6の放熱フィンと共用することができる。この理由は、以下の通りである。
[放熱について]
スイッチQ1,Q2,Q3およびQ4は、発生する熱を逃がすために放熱フィンに取り付けられている。また、トランスTr1の二次側の整流用のダイオードD5,D6にも放熱フィンが取り付けられる。一方、ダミー負荷電流Io2を流すための電流調整素子Q5は、ダミー負荷電流Io2の電流値に応じて熱が発生するため、放熱フィンを要する。しかし、熱の発生は、無負荷時や軽負荷時だけなので、電流調整素子Q5の放熱フィンは、整流用のダイオードD5,D6の放熱フィンと共用することができる。この理由は、以下の通りである。
本実施形態に係るスイッチング電源100は、無負荷時や軽負荷時にダミー負荷電流Io2を流すために電流調整素子Q5を動作させるが、負荷電流Io1が増加して二次側電流Ioが所定電流値Iosより大きくなれば電流調整素子Q5をオフする。つまり、電流調整素子Q5は、無負荷時や軽負荷時に発熱するが、二次側電流Ioが所定電流値Iosより大きい時はオフされるので発熱しない。一方、整流用のダイオードD5およびダイオードD6は、最大負荷時の発熱量を考慮して放熱フィンが設計されている。ところが、ダイオードD5およびダイオードD6は、二次側電流Ioが大きくなるにつれて発熱量が増加するが、無負荷時や軽負荷時の発熱量は、最大負荷時よりも小さく、放熱フィンの熱容量に余裕がある。つまり、ダイオードD5およびダイオードD6の発熱期間と電流調整素子Q5の発熱期間とは、互いに逆の関係にあり、ダイオードD5およびダイオードD6の放熱フィンを電流調整素子Q5と共用することができる。これにより、本実施形態に係るスイッチング電源は、電流調整素子Q5の放熱フィンを無くし、部品コストを削減できる。
尚、無負荷時に負荷電流を流す他の方法として、負荷端子間にダミー抵抗を接続する方法もあるが、ダミー抵抗が接続されたままなので、負荷が重くなった場合もダミー抵抗に電流が流れ、ダミー抵抗による電力損失が無視できなくなる。このため、ダミー抵抗は、専用の放熱フィンを要する。これに対して、本実施形態に係るスイッチング電源は、負荷電流Io1が予め設定した所定電流値Iosより小さい時(軽負荷時や無負荷時)だけにダミー負荷電流Io2を流すので、負荷が重くなった場合の電力損失を無くすことができる。
図8は、放熱フィンFIN1を共用する一例を示す。図8(a)は、図5に示した比較例のスイッチング電源900の放熱フィンFIN1を示し、放熱フィンFIN1によりダイオードD5およびダイオードD6の放熱が行われる。一方、図8(b)は、図1に示した本実施形態に係るスイッチング電源100において、図8(a)の放熱フィンFIN1と同じサイズのものを使用する例を示す。図8(b)において、ダイオードD5およびダイオードD6と共に電流調整素子Q5が放熱フィンFIN1に取り付けられ、無負荷時や軽負荷時には主に電流調整素子Q5の放熱が放熱フィンFIN1で行われる。そして、二次側電流Ioが所定電流値Iosより大きい場合は、ダイオードD5およびダイオードD6の放熱が放熱フィンFIN1で行われる。
このように、本実施形態に係るスイッチング電源は、ダミー負荷電流Io2を流すことによって無負荷時や軽負荷時の一次側のスイッチQによる電力損失を低減するだけでなく、電力損失を低減するための回路の放熱フィンの部品コストを削減することができる。
以上、説明してきたように、本実施形態に係るスイッチング電源100は、無負荷時や軽負荷時に、ダミー負荷電流Io2を流す回路を設け、負荷電流Io1が予め設定された所定電流値Iosよりも小さい場合、ダミー負荷電流Io2を流す。そして、負荷電流Io1が所定電流値Iosよりも大きくなった場合、ダミー負荷電流Io2を零にする。これにより、本実施形態に係るスイッチング電源100は、通常の共振型のソフトスイッチングによるスイッチング電源(フェーズシフトフルブリッジコンバータなど)よりも無負荷時や軽負荷時の電力損失を減らすことができる。
さらに、本実施形態に係るスイッチング電源100は、ダミー負荷電流Io2を流すための電流調整素子Q5の放熱フィンを整流用のダイオードD5およびダイオードD6の放熱フィンと共用化して、部品コストの増加を抑えることができる。
以上の詳細な説明により、実施形態の特徴点および利点は明らかになるであろう。これは、特許請求の範囲がその精神および権利範囲を逸脱しない範囲で前述のような実施形態の特徴点および利点にまで及ぶことを意図するものである。また、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、あらゆる改良および変更に容易に想到できるはずである。したがって、発明性を有する実施形態の範囲を前述したものに限定する意図はなく、実施形態に開示された範囲に含まれる適当な改良物および均等物に拠ることも可能である。
100・・・スイッチング電源;101・・・一次側回路;102・・・二次側回路;103・・・制御部;151,153・・・電流センサ;152,152a・・・電流制御部;201,203・・・加減算回路;202,202a・・・電流制御回路;C1,C2,C3,C4,C5・・・コンデンサ;D5,D6・・・ダイオード;L1・・・コイル;Ld・・・負荷;Tr1・・・トランス;Q1,Q2,Q3,Q4・・・スイッチ;Q5・・・電流調整素子
Claims (4)
- 共振型のソフトスイッチングによるスイッチング電源において、
負荷電流を検出する第1の電流センサと、
負荷に並列に接続された電流調整素子と、
前記第1の電流センサにより検出された負荷電流が予め設定された閾値未満の場合に、前記電流調整素子を制御して擬似的な負荷電流を流す電流制御部と
を有することを特徴とするスイッチング電源。 - 請求項1に記載のスイッチング電源において、
前記電流調整素子に流れる擬似的な負荷電流を検出する第2の電流センサを更に設け、
前記電流制御部は、前記電流センサが検出した負荷電流と前記第2の電流センサが検出した擬似的な負荷電流との和が予め設定された閾値未満の場合に、前記電流調整素子を制御して擬似的な負荷電流を流す
ことを特徴とするスイッチング電源。 - 請求項1または請求項2に記載のスイッチング電源において、
第1のスイッチと、第2のスイッチと、第3のスイッチと、第4のスイッチとで形成され、交流を発生するフルブリッジ回路と、
一次側コイルに接続される前記フルブリッジ回路が発生する交流電圧を変圧して二次側コイルに出力するトランスと、
前記トランスの二次側コイルから出力される交流電圧を整流する整流用ダイオードと、
前記整流用ダイオードの出力を平滑化する平滑回路と
を有し、
前記第1の電流センサは、前記トランスの二次側コイルから負荷に流れる負荷電流を検出する
ことを特徴とするスイッチング電源。 - 請求項4に記載のスイッチング電源において、
前記整流用ダイオードの放熱フィンと、前記電流調整素子の放熱フィンとを共用化する
ことを特徴とするスイッチング電源。
Priority Applications (1)
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JP2014027671A JP2015154647A (ja) | 2014-02-17 | 2014-02-17 | スイッチング電源 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2014027671A JP2015154647A (ja) | 2014-02-17 | 2014-02-17 | スイッチング電源 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020150728A (ja) * | 2019-03-14 | 2020-09-17 | オムロン株式会社 | 電源回路及びその効率改善方法 |
-
2014
- 2014-02-17 JP JP2014027671A patent/JP2015154647A/ja active Pending
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JP7028208B2 (ja) | 2019-03-14 | 2022-03-02 | オムロン株式会社 | 電源回路及びその効率改善方法 |
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