JP2015152057A - 無段変速機の油圧制御装置 - Google Patents

無段変速機の油圧制御装置 Download PDF

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Yu Nagasato
有 永里
崇穂 川上
Takao Kawakami
崇穂 川上
拓郎 森野
Takuro Morino
拓郎 森野
友宏 阿部
Tomohiro Abe
友宏 阿部
朋亮 柳田
Tomoaki Yanagida
朋亮 柳田
知恵 長田
Tomoe Osada
知恵 長田
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Abstract

【課題】被けん引時のセカンダリプーリの耐久性の低下を抑えること。
【解決手段】動力源の出力トルクと駆動輪の回転トルクの内の何れか一方を用いて駆動することが可能なオイルポンプ51と、オイルポンプ51の吐出した作動油の油圧を元圧にして調圧したライン圧を出力するライン圧調圧弁61と、ライン圧調圧弁61の出力したライン圧を元圧にして調圧したベルト挟圧を出力し、このベルト挟圧をセカンダリプーリ32の作動油室に供給するベルト挟圧調圧弁63と、ベルト挟圧調圧弁63と作動油室との間の油路の経路上に配置し、開弁時にベルト挟圧を作動油室に供給する一方、閉弁時にベルト挟圧の作動油室への供給を遮断する切替弁70と、を備え、切替弁70は、ライン圧がベルト挟圧よりも高いときに開弁し、ライン圧とベルト挟圧とが同じ圧力のときに閉弁するように構成すること。
【選択図】図2

Description

本発明は、ベルト式無段変速機における作動油の油圧の制御を行う無段変速機の油圧制御装置に関する。
従来、ベルト式無段変速機に関しての油圧制御装置が知られている。例えば、下記の特許文献1には、エンジン回転軸の回転を利用した動力又は駆動輪の回転を利用した動力によってオイルポンプを駆動させることで、ベルト式無段変速機に作動油を供給する、という技術が開示されている。尚、下記の特許文献2には、プライマリ圧制御弁が故障した場合に、プライマリ圧制御弁とプライマリプーリとの間のフェールセーフ弁を切り替えて、パイロット圧制御弁を介してプライマリ圧を供給する、という技術が開示されている。また、下記の特許文献3には、ライン圧制御弁やプライマリ圧制御弁が故障して過大なライン圧やプライマリ圧が出力される場合に、フェールセーフ弁によってプライマリプーリの作動油室の油圧を減圧させる、という技術が開示されている。
特開2012−071752号公報 特開2006−207678号公報 特開2007−263260号公報
ところで、自車が他車によってけん引されているとき(被けん引時)には、イグニッションをオフにするので、作動油の油圧制御系のソレノイド弁の電流が0Aになり、ライン圧やベルト挟圧力のための油圧が最高圧になる。このため、被けん引時には、セカンダリプーリの耐久性が低下してしまう虞がある。
そこで、本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、被けん引時のセカンダリプーリの耐久性の低下を抑えることができる無段変速機の油圧制御装置を提供することを、その目的とする。
上記目的を達成する為、本発明は、ベルト式の無段変速機の油圧制御装置であって、動力源の出力トルクと駆動輪の回転トルクの内の何れか一方を用いて駆動することが可能なオイルポンプと、前記オイルポンプの吐出した作動油の油圧を元圧にして調圧したライン圧を出力するライン圧調圧弁と、前記ライン圧調圧弁の出力した前記ライン圧を元圧にして調圧したベルト挟圧を出力し、該ベルト挟圧をセカンダリプーリの作動油室に供給するベルト挟圧調圧弁と、前記ベルト挟圧調圧弁と前記作動油室との間の油路の経路上に配置し、開弁時に前記ベルト挟圧を前記作動油室に供給する一方、閉弁時に前記ベルト挟圧の前記作動油室への供給を遮断する切替弁と、を備え、前記切替弁は、前記ライン圧が前記ベルト挟圧よりも高いときに開弁し、前記ライン圧と前記ベルト挟圧とが同じ圧力のときに閉弁するように構成することを特徴としている。
本発明に係る無段変速機の油圧制御装置は、動力源の出力トルクを利用した通常の走行時に、ライン圧がベルト挟圧よりも高くなるので、切替弁を開弁させて、そのベルト挟圧をセカンダリプーリの作動油室に供給することができる。一方、被けん引時には、イグニッションがオフになるので、ライン圧とベルト挟圧とが同じ大きさになるので、切替弁を閉弁させて、そのベルト挟圧のセカンダリプーリの作動油室への供給を遮断することができる。このため、被けん引時には、最高圧のベルト挟圧の作動油室への供給を断つことができるので、セカンダリプーリの耐久性の低下を抑えることができる。
図1は、本発明に係る油圧制御装置の適用対象となる無段変速機の一例を示す図である。 図2は、実施例の油圧制御装置の構成を示すブロック図である。 図3は、SLT弁やSLS弁の電流値に対するライン圧やベルト挟圧の大きさについて説明する図である。 図4は、実施例の切替弁の構成について説明する図であって、開弁時を示したものである。 図5は、実施例の切替弁の構成について説明する図であって、閉弁時を示したものである。 図6は、変速比とライン圧やベルト挟圧等との対応関係について説明する図である。 図7は、変形例の油圧制御装置の構成を示すブロック図である。 図8は、変形例の切替弁の構成について説明する図であって、開弁時を示したものである。 図9は、変形例の切替弁の構成について説明する図であって、閉弁時を示したものである。
以下に、本発明に係る無段変速機の油圧制御装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
[実施例]
本発明に係る無段変速機の油圧制御装置の実施例を図1から図6に基づいて説明する。
この油圧制御装置の構成について、この油圧制御装置の適用対象となる無段変速機の構成と共に説明する。
図1の符号1は、ベルト式の無段変速機を示す。その無段変速機1は、トルクコンバータ10と前後進切替装置20と変速機本体30とを備える。
トルクコンバータ10は、無段変速機1のハウジング(図示略)内に収容されたポンプインペラ11とタービンランナ12とステータ13とを有し、そのハウジング内に流体(所謂ATF)が充填された流体伝動装置である。ポンプインペラ11には、動力源(図示略)の出力軸(例えばエンジン回転軸)101が接続される。このポンプインペラ11と出力軸101は、互いに一体になって回転することができる。また、タービンランナ12は、タービン軸41を介して前後進切替装置20に接続する。また、ステータ13は、ハウジングに接続されている。
前後進切替装置20は、車両の前進と後進とを切り替えるための装置である。この前後進切替装置20は、動力伝達機構21と前進用クラッチCL1と後進用ブレーキBKとを備える。
前進用クラッチCL1と後進用ブレーキBKは、2つの係合要素を備えたいわゆる摩擦係合装置である。この前進用クラッチCL1と後進用ブレーキBKの係合動作又は解放動作は、油圧制御装置における作動油の調圧によって実施される。油圧制御装置においては、前後進制御部がクラッチ圧調圧弁(図示略)を制御することによって、前進用クラッチCL1の作動油を調圧する。また、この油圧制御装置においては、前後進制御部がブレーキ圧調圧弁(図示略)を制御することによって、後進用ブレーキBKの作動油を調圧する。
この例示の動力伝達機構21は、サンギヤSとキャリアCとリングギヤRと第1及び第2のピニオンギヤP1,P2とを備えるダブルピニオン型の遊星歯車機構である。サンギヤSは、タービン軸41に接続され、このタービン軸41と一体になって回転することができる。更に、このサンギヤSとタービン軸41は、前進用クラッチCL1の一方の係合要素に接続され、この係合要素と一体になって回転することができる。また、キャリアCは、前進用クラッチCL1の他方の係合要素に接続され、この係合要素と一体になって回転することができる。更に、このキャリアCと前進用クラッチCL1の他方の係合要素は、変速機本体30の入力軸42に接続され、この入力軸42と一体になって回転することができる。また、リングギヤRは、後進用ブレーキBKの一方の係合要素に接続され、この係合要素と一体になって回転することができる。ここで、その後進用ブレーキBKの他方の係合要素は、無段変速機1のケース(図示略)に接続されている。
前後進制御部は、前進用クラッチCL1を係合させ、かつ、後進用ブレーキBKを解放させることによって、車両を前進に切り換える。一方、前後進制御部は、前進用クラッチCL1を解放させ、かつ、後進用ブレーキBKを係合させることによって、車両を後進に切り換える。また、この前後進制御部は、イグニッションがオフのときに、前進用クラッチCL1と後進用ブレーキBKを共に解放させる。
変速機本体30は、プライマリプーリ31と、セカンダリプーリ32と、これらに巻き掛けられたベルト33と、を備える。プライマリプーリ31には、変速機本体30の入力軸42が一体になって回転できるように接続されている。セカンダリプーリ32には、変速機本体30の出力軸43が一体になって回転できるように接続されている。この変速機本体30においては、その入力軸42と出力軸43との間で変速比γが無段階に切り替えられる。その出力軸43は、クラッチCL2を介して減速機110に接続され、更にその減速機110を介して差動装置120に連結される。よって、この車両においては、動力源の動力を駆動輪に伝えることができる。
プライマリプーリ31とセカンダリプーリ32には、それぞれに作動油室34,35が設けられている。油圧制御装置の変速制御部は、プライマリプーリ31の作動油室34の油圧(以下、「プライマリ油圧」という。)を調圧することによって、変速比γを変化させる。また、油圧制御装置の挟圧制御部は、セカンダリプーリ32の作動油室35の油圧(以下、「セカンダリ油圧」という。)を調圧することによって、ベルト挟圧力を制御し、ベルト33のプライマリプーリ31やセカンダリプーリ32に対する滑りを抑制する。
この無段変速機1においての作動油は、オイルポンプ51から吐出されたものを利用する。そのオイルポンプ51の駆動力には、動力源の回転を利用した動力(例えばエンジントルク)と駆動輪の回転を利用した動力の内の何れか一方を用いる。このため、この無段変速機1は、オイルポンプ51に駆動力を伝える第1及び第2の動力伝達装置52,53を備える。
第1動力伝達装置52は、ポンプインペラ11のトルク(つまり動力源の出力トルク)に応じた駆動トルクをオイルポンプ51の駆動軸44に伝えることが可能なものである。この第1動力伝達装置52は、図示しない歯車等と共に一方向クラッチ52aを備える。一方向クラッチ52aは、駆動軸44に対してポンプインペラ11側の回転軸45の回転が正転しているときにのみ係合し、この駆動軸44と回転軸45を一体になって回転させる。ここでいう正転とは、動力源が動作しているときの回転軸45の回転方向のことである。
一方、第2動力伝達装置53は、入力軸42のトルク(つまり駆動輪の回転トルク)に応じた駆動トルクをオイルポンプ51の駆動軸44に伝えることが可能なものである。この第2動力伝達装置53は、図示しない歯車等と共に一方向クラッチ53aを備える。一方向クラッチ53aは、駆動軸44に対して入力軸42側の回転軸46の回転が正転しているときにのみ係合し、この駆動軸44と回転軸46を一体になって回転させる。ここでいう正転とは、動力源が動作している前進時の回転軸46の回転方向のことである。
前進時には、駆動軸44に対して、第1動力伝達装置52の回転軸45の回転方向と第2動力伝達装置53の回転軸46の回転方向とが同一になっている。このため、前進時には、第1動力伝達装置52の回転軸45の方が第2動力伝達装置53の回転軸46よりも高回転であるならば、一方向クラッチ52aが係合して、一方向クラッチ53aが解放するので、動力源の出力トルクによってオイルポンプ51が駆動する。また、前進時には、第1動力伝達装置52の回転軸45の方が第2動力伝達装置53の回転軸46よりも低回転であるならば、一方向クラッチ52aが解放して、一方向クラッチ53aが係合するので、入力軸42のトルクによってオイルポンプ51が駆動する。
後進時には、駆動軸44に対して、第1動力伝達装置52の回転軸45が正転する一方、第2動力伝達装置53の回転軸46が逆転する。このため、後進時には、一方向クラッチ52aが係合して、一方向クラッチ53aが解放するので、動力源の出力トルクによってオイルポンプ51が駆動する。
被けん引時には、イグニッションをオフにするので、前進用クラッチCL1と後進用ブレーキBKが解放させられており、また、動力源が停止させられている。このため、被けん引時には、停止している第1動力伝達装置52の回転軸45に対して第2動力伝達装置53の回転軸46が正転しているので、入力軸42のトルク(つまり駆動輪の回転トルク)によってオイルポンプ51が駆動する。
ここで、そのオイルポンプ51から吐出された作動油は、図2に示すように、油圧制御装置のライン圧調圧弁61に送られる。そのライン圧調圧弁61は、プライマリ油圧やセカンダリ油圧の元圧であるライン圧PLを調圧するものである。このライン圧調圧弁61は、常開式のリニアソレノイド弁(以下、「SLT弁」という。)62の制御油圧Psltに基づいて、オイルポンプ51から吐出された作動油をライン圧PLに調圧する。
油圧制御装置には、そのライン圧PLを元圧とし、ベルト挟圧力の元となるベルト挟圧Pdを出力するベルト挟圧調圧弁63が設けられている。そのベルト挟圧調圧弁63は、常開式のリニアソレノイド弁(以下、「SLS弁」という。)64の制御油圧Pslsに基づいて、ライン圧PLをベルト挟圧Pdに調圧する。
SLT弁62やSLS弁64の元圧は、ソレノイド元圧調圧弁65によって調圧される。そのソレノイド元圧調圧弁65は、ライン圧PLを元圧とする。
セカンダリプーリ32の作動油室35には、そのようにして調圧されたベルト挟圧Pdが供給される。よって、セカンダリプーリ32においては、そのベルト挟圧Pdに応じたベルト挟圧力でベルト33の滑りを抑制することができる。
ところで、被けん引時には、イグニッションをオフにするので、SLT弁62やSLS弁64の電流が0Aになり、ライン圧PLやベルト挟圧Pdが最高圧になる(図3)。その図3は、SLT弁62やSLS弁64の電流値に対するライン圧PLやベルト挟圧Pdの大きさを示したものである。このため、被けん引時には、ベルト33への過大な押付力が発生し、セカンダリプーリ32の耐久性を低下させてしまう虞がある。
そこで、本実施例の油圧制御装置には、ベルト挟圧調圧弁63とセカンダリプーリ32の作動油室35との間の油路の経路上に切替弁70を設ける(図2,4)。その油路は、ベルト挟圧調圧弁63から出力されたベルト挟圧Pdを作動油室35に供給する作動油の配管であり、ベルト挟圧調圧弁63側の第1油路69aと、作動油室35側の第2油路69bと、を有する。
切替弁70は、弁体71と、この弁体71を収納する収納部72と、を有する。
弁体71は、例えば円柱状の主軸71aを有しており、この主軸71aの軸線方向に沿って収納部72の中を往復移動することができる。この弁体71は、主軸71aよりも外径が大きく、かつ、この主軸71aと同心の円柱状の第1弁部71bと第2弁部71cとを有する。その第1弁部71bと第2弁部71cは、それぞれに同一の外径になっており、軸線方向に対して垂直に切った断面が同じ形状になっている。つまり、この第1弁部71bと第2弁部71cは、その断面の断面積Sがそれぞれ同じ大きさになっている。また、この第1弁部71bと第2弁部71cは、互いに軸線方向に間隔を空けて配置することで、それぞれの一方の端面の間に環状の空間73を形成する。尚、図示しないが、第1及び第2の弁部71b,71cと収納部72とのそれぞれの壁面の間には、作動油の漏れを防ぐべく、Oリング等のシール部材を配置している。
この切替弁70は、収納部72に各々連通させた作動油の流入口72aと流出口72bとを有する。その流入口72aには、第1油路69aが接続される。また、流出口72bには、第2油路69bが接続される。この切替弁70においては、閉弁時に第2弁部71cが流入口72aと流出口72bを塞ぐ。このため、閉弁時には、ベルト挟圧調圧弁63から出力されたベルト挟圧Pdの作動油室35への供給が遮断される。一方、開弁時には、第1弁部71bと第2弁部71cとの間の環状の空間73が流入口72aと流出口72bとに連通する。このため、開弁時には、ベルト挟圧調圧弁63から出力されたベルト挟圧Pdを作動油室35に供給することができる。
ここで、この切替弁70においては、第1弁部71bの他方の端面を押し動かすことで開弁させ、第2弁部71cの他方の端面を押し動かすことで閉弁させる。このため、この切替弁70は、収納部72における第1弁部71bの他方の端面側の空間を作動油室74とし、また、収納部72における第2弁部71cの他方の端面側の空間を作動油室75とする。そして、この切替弁70には、その作動油室74に連通させた流入口72cと、作動油室75に連通させた流入口72dと、を設けている。作動油室74には、流入口72cを介してライン圧調圧弁61から出力されたライン圧PLが供給される。一方、作動油室75には、流入口72dを介してベルト挟圧調圧弁63から出力されたベルト挟圧Pdが供給される。
更に、作動油室75には、開弁時に第2弁部71cの他方の端面によって圧縮される弦巻バネ等の弾性部材76が設けられている。その弾性部材76は、閉弁時の釣り合い式が下記の式1となるように設定する。
F0+k*x=S*A … (1)
「F0」は、弾性部材76のセット荷重である。「k」は、弾性部材76のバネ定数である。「x」は、弁体71のストローク量である。「S」は、第1弁部71bと第2弁部71cの断面積である。「A」は、圧力である。よって、この切替弁70においては、通常の走行時に、ライン圧PLを閉弁時のライン圧PL(=Pd)よりも少なくとも圧力A(=F0/S)に相当する油圧Aの分だけ増圧させることで、弁体71を押し動かして開弁させることができる。その増圧は、前述したように、SLT弁62の制御油圧Psltに基づいて行う。このため、被けん引時には、イグニッションのオフに伴いSLT弁62の電流が0Aになり、ライン圧PLやベルト挟圧Pdが最高圧になるが、ライン圧PLが「PL=Pd」になっているので、弾性部材76の弾発力によって切替弁70が閉弁する(図5)。従って、この油圧制御装置においては、被けん引時にセカンダリプーリ32の作動油室35に対して最高圧のベルト挟圧Pdが供給されないので、セカンダリプーリ32の耐久性の低下を抑えることができる。
ここで、被けん引時には、動力源も停止しているので、無段変速機1において新たな油圧の供給が行われない。このため、この車両では、被けん引時にクラッチCL2を解放させ、駆動輪の回転トルクを無段変速機1に入力させないようにすることで、無段変速機1の耐久性の低下を抑制する。
また、ライン圧PLは、図6(変速比γと圧力Pとの対応関係を示す図)に示すように、変速比γに応じて、ベルト挟圧Pdと油圧Aに依存する場合(Pd+A)と、変速制御圧Pinと油圧Bに依存する場合(Pin+B)と、に分けられる。このため、通常の走行時には、ライン圧PLが変速制御圧Pinに依存している場合があり、そのライン圧PL(=Pin+B)が「Pd+A」より多くなっている場合もある。しかしながら、この油圧制御装置においては、そのような場合でも、弁体71の移動量が制限されるので、切替弁70を開弁状態のまま保つことができる。
[変形例]
前述した実施例の油圧制御装置においては、通常の走行時に高い油圧の供給が要求された場合、被けん引時と同じようにライン圧PLが「PL=Pd」となり、切替弁70の閉弁によって要求ベルト挟圧をセカンダリプーリ32の作動油室35に供給できなくなる可能性がある。そこで、本変形例における無段変速機の油圧制御装置においては、図7−9に示すように、実施例のものに対して、その構成を以下のように変更する。
図7には、本変形例の油圧制御装置の構成を示している。この油圧制御装置は、図2に示した実施例の油圧制御装置の構成において、切替弁70を切替弁170に置き換えると共に、その切替弁170にライン圧PLやベルト挟圧Pdだけでなくクラッチ圧(前進用クラッチCL1の作動油の油圧)Pcについても供給されるよう構成したものである。そのクラッチ圧Pcは、クラッチ圧調圧弁66から出力された油圧であり、ライン圧PLを元圧にして調圧される。
切替弁170は、弁体171と、この弁体171を収納する収納部172と、を有する。
弁体171は、例えば円柱状の主軸171aを有しており、この主軸171aの軸線方向に沿って収納部172の中を往復移動することができる。この弁体171は、主軸171aよりも外径が大きく、かつ、この主軸171aと同心の円柱状の第1弁部171bと第2弁部171cと第3弁部171dと第4弁部171eとを有する。尚、図示しないが、これらの弁部171b,171c,171d,171eと収納部172とのそれぞれの壁面の間には、作動油の漏れを防ぐべく、Oリング等のシール部材を配置している。
その第1弁部171bと第2弁部171cと第3弁部171dは、軸線方向に対して垂直に切った断面の断面積がそれぞれS1,S2,S3になっている。第1弁部171bの断面積S1は、第2弁部171cの断面積S2や第3弁部171dの断面積S3よりも大きい。そして、第1弁部171bと第2弁部171cと第3弁部171dは、「S1−S2=S3」の関係が成立するように形状を設定する。尚、ここでは、第4弁部171eにおける同様の断面の断面積S4を第3弁部171dの断面積S3と同じ大きさにしている。
この弁体171では、第2弁部171cと第1弁部171bとの間、第1弁部171bと第4弁部171eとの間、第4弁部171eと第3弁部171dとの間において、軸線方向に間隔が設けられており、それぞれの端面の間に環状の空間173,174,175を形成する。
この切替弁170は、収納部172に各々連通させた作動油の流入口172aと流出口172bとを有する。その流入口172aには、第1油路69aが接続される。また、流出口172bには、第2油路69bが接続される。この切替弁170においては、閉弁時に第3弁部171dが流入口172aと流出口172bを塞ぐ。このため、閉弁時には、ベルト挟圧調圧弁63から出力されたベルト挟圧Pdの作動油室35への供給が遮断される。一方、開弁時には、第4弁部171eと第3弁部171dとの間の環状の空間175が流入口172aと流出口172bとに連通する。このため、開弁時には、ベルト挟圧調圧弁63から出力されたベルト挟圧Pdを作動油室35に供給することができる。
ここで、この切替弁170においては、空間173に接する第1弁部171bの端面と空間173に接していない第2弁部171cの端面とを押し動かすことで開弁させ、空間175に接していない第3弁部171dの端面を押し動かすことで閉弁させる。このため、この切替弁170は、収納部172における空間173と連通する空間を作動油室176とし、収納部172における空間173に接していない第2弁部171cの端面側の空間を作動油室177とし、収納部172における空間175に接していない第3弁部171dの端面側の空間を作動油室178とする。そして、この切替弁170には、その作動油室176に連通させた流入口172cと、作動油室177に連通させた流入口172dと、作動油室178に連通させた流入口172eと、を設けている。作動油室176には、流入口172cを介してライン圧調圧弁61から出力されたライン圧PLが供給される。作動油室177には、流入口172dを介してクラッチ圧調圧弁66から出力されたクラッチ圧Pcが供給される。作動油室178には、流入口172eを介してベルト挟圧調圧弁63から出力されたベルト挟圧Pdが供給される。
更に、作動油室178には、開弁時に第3弁部171dの作動油室178側の端面によって圧縮される弦巻バネ等の弾性部材179が設けられている。その弾性部材179は、クラッチ圧Pcが最低クラッチ圧Pc0のときの釣り合い式が下記の式2となるように設定する。
Pc0*S2=k*x … (2)
「k」は、弾性部材179のバネ定数である。「x」は、弁体171のストローク量である。「S2」は、第2弁部171cの断面積である。「Pc0」は、前進用クラッチCL1を係合状態にするために必要な最も低いクラッチ圧である。
ここで、この切替弁170の弁体171に作用する押付力について見てみる。下記の式3は、開弁方向への押付力F1を示す。また、下記の式4は、閉弁方向への押付力F2を示す。
F1=Pc*S2+PL*(S1−S2) … (3)
F2=Pd*S3+k*x … (4)
下記の式5,6は、通常の走行時であって、前進用クラッチCL1を係合させている場合(つまり動力源の出力トルクでオイルポンプ51が駆動しているとき)のそれぞれの押付力F1,F2を示している。
F1=Pc*S2+(Pd+A)*S3 … (5)
F2=Pd*S3+Pc0*S2 … (6)
ここで、この場合には、クラッチ圧Pcが最低クラッチ圧Pc0よりも高くなっており(Pc>Pc0)、かつ、油圧Aが「A>0」になっている。このため、この場合には、開弁方向への押付力F1が閉弁方向への押付力F2よりも大きくなる。よって、この場合、切替弁170は、開弁する。更に、高い油圧の供給が要求されたときには、「PL=Pd」となり、かつ、「A=0」となる。しかしながら、切替弁170においては、クラッチ圧Pcが最低クラッチ圧Pc0よりも高くなっているので、開弁方向への押付力F1が閉弁方向への押付力F2よりも大きくなって開弁する。
次に、下記の式7,8は、通常の走行時であって、クラッチ圧Pcを0にして前進用クラッチCL1を解放させている場合(つまり駆動輪の回転トルクでオイルポンプ51が駆動しているとき)のそれぞれの押付力F1,F2を示している。
F1=(Pd+A)*S3 … (7)
F2=Pd*S3 … (8)
ここで、この場合には、油圧Aが「A>0」になっている。このため、この場合、切替弁170においては、開弁方向への押付力F1が閉弁方向への押付力F2よりも大きくなるので、開弁する。
次に、下記の式9,10は、被けん引時のそれぞれの押付力F1,F2を示している。
F1=Pd*S3 … (9)
F2=Pd*S3 … (10)
このように、被けん引時には、開弁方向への押付力F1と閉弁方向への押付力F2とが釣り合い状態になるので、切替弁170が閉弁する。
以上示したように、本変形例の油圧制御装置は、通常の走行時に高い油圧の供給が要求されたとしても、クラッチ圧Pcで切替弁170の弁体171を開弁方向へと押し動かすことができるので、要求ベルト挟圧をセカンダリプーリ32の作動油室35に供給することができる。
1 無段変速機
CL1 前進用クラッチ
CL2 クラッチ
20 前後進切替装置
30 変速機本体
31 プライマリプーリ
32 セカンダリプーリ
33 ベルト
35 作動油室
51 オイルポンプ
52,53 動力伝達装置
52a,53a 一方向クラッチ
61 ライン圧調圧弁
62 SLT弁
63 ベルト挟圧調圧弁
64 SLS弁
65 ソレノイド元圧調圧弁
66 クラッチ圧調圧弁
69a 第1油路
69b 第2油路
70,170 切替弁
71,171 弁体
72a,172a 流入口
72b,172b 流出口
73,175 空間
74,75 作動油室
76,179 弾性部材

Claims (1)

  1. ベルト式の無段変速機の油圧制御装置であって、
    動力源の出力トルクと駆動輪の回転トルクの内の何れか一方を用いて駆動することが可能なオイルポンプと、
    前記オイルポンプの吐出した作動油の油圧を元圧にして調圧したライン圧を出力するライン圧調圧弁と、
    前記ライン圧調圧弁の出力した前記ライン圧を元圧にして調圧したベルト挟圧を出力し、該ベルト挟圧をセカンダリプーリの作動油室に供給するベルト挟圧調圧弁と、
    前記ベルト挟圧調圧弁と前記作動油室との間の油路の経路上に配置し、開弁時に前記ベルト挟圧を前記作動油室に供給する一方、閉弁時に前記ベルト挟圧の前記作動油室への供給を遮断する切替弁と、
    を備え、
    前記切替弁は、前記ライン圧が前記ベルト挟圧よりも高いときに開弁し、前記ライン圧と前記ベルト挟圧とが同じ圧力のときに閉弁するように構成することを特徴とした無段変速機の油圧制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2019102893A1 (ja) * 2017-11-27 2019-05-31 日産自動車株式会社 自動変速機の制御方法および制御装置

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