一般式(1)および一般式(2)において、Ar1、Ar2、Ar3およびAr5は、各々独立して、炭素数1〜18の置換基を複数有してもよい炭素数6〜24の1価の芳香族炭化水素基、または炭素数1〜18の置換基を複数有してもよい炭素数4〜20の1価のヘテロ芳香族基を表す。
Ar1、Ar2、Ar3およびAr5における炭素数1〜18の置換基としては、特に限定するものではないが、例えば、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基または炭素数3〜18のヘテロ芳香族基があげられる。
炭素数1〜18のアルキル基としては、特に限定するものではないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、2−エチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、シクロヘキシルメチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、ベンジル基、またはフェネチル基等があげられる。材料の塗布性を向上させる点で、長鎖アルキル基(例えば、n−オクチル基またはn−ドデシル基)を導入すると好ましい場合がある。また、材料のガラス転移温度を高める点では短鎖アルキル基(例えば、メチル基またはエチル基)または嵩高いアルキル基(例えば、t−ブチル基、ベンジル基またはフェネチル基)を導入すると好ましい場合がある。
炭素数1〜18のアルコキシ基としては、特に限定するものではないが、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、2−エチルブトキシ基、3,3−ジメチルブトキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、シクロヘキシルメトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、ベンジルオキシ基、またはフェネチルオキシ基があげられる。材料の塗布性を向上させる点で、長鎖アルコキシ基(例えば、n−オクチルオキシ基またはn−ドデシルオキシ基)を導入すると好ましい場合がある。また、材料のガラス転位温度を高める点では短鎖アルコキシ基(例えば、メトキシ基またはエトキシ基)または嵩高いアルコキシ基(例えば、t−ブトキシ基、ベンジルオキシ基またはフェネチルオキシ基)を導入すると好ましい場合がある。
炭素数6〜18の芳香族基または炭素数3〜18のヘテロ芳香族基としては、特に限定するものではないが、ヘテロ原子を含有していてもよく、フェニル基、トリル基、N,N−ジメチルアミノフェニル基、N,N−ジフェニルアミノフェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基、チエニル、フリル基、ピリジル基、ジベンゾチエニル基、ジベンゾフリル基、またはN−フェニルカルバゾリル基等があげられる。
Ar1、Ar2、Ar3およびAr5における炭素数6〜24の1価の芳香族炭化水素基としては、特に限定するものではないが、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントレニル基、またはフルオレニル基等をあげられる。
Ar1、Ar2、Ar3およびAr5における炭素数4〜20のヘテロ芳香族基としては、特に限定するものではないが、例えば、ピリジル基、カルバゾリル基、チエニル基、ビチエニル基、フリル基、ジベンゾフリル基、またはジベンゾチエニル基等があげられる。
Ar1、Ar2、Ar3およびAr5は、ポリマーの正孔輸送材料としての特性に優れる点で、各々独立して、フェニル基、4−ビフェニリル基、2−フルオレニル基、2−ジベンゾフリル基、2−ジベンゾチエニル基またはN−フェニルカルバゾール−3−イル基(これらの置換基は、炭素数1〜18のアルキル基または炭素数1〜18のアルコキシ基を複数有していてもよい)であることが好ましく、各々独立して、フェニル基、4−ビフェニリル基、2−フルオレニル基、2−ジベンゾフリル基、2−ジベンゾチエニル基またはN−フェニルカルバゾール−3−イル基(これらの置換基は、メチル基、エチル基、t−ブチル基、n−オクチル基、n−ドデシル基、メトキシ基、エトキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、およびn−ドデシルオキシ基からなる群より選ばれる置換基を複数有していてもよい)であることがより好ましい。
Ar1およびAr2は、ポリマーの正孔輸送材料としての特性に優れる点で、各々独立して、フェニル基、4−ビフェニリル基、または9,9−ジメチル−2−フルオレニル基であることがより好ましい。
Ar3は、ポリマーの正孔輸送材料としての特性に優れる点で、各々独立して、フェニル基(メチル基、エチル基、t−ブチル基、n−オクチル基、n−ドデシル基、メトキシ基、エトキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、およびn−ドデシルオキシ基からなる群より選ばれる置換基を複数有していてもよい)であることがより好ましい。
Ar5は、ポリマーの正孔輸送材料としての特性に優れる点で、各々独立して、フェニル基、4−ビフェニリル基、2−フルオレニル基、2−ジベンゾフリル基、2−ジベンゾチエニル基またはN−フェニルカルバゾール−3−イル基(これらの置換基は、n−オクチル基、n−ドデシル基、n−オクチルオキシ基、およびn−ドデシルオキシ基からなる群より選ばれる置換基を複数有する)であることがより好ましく、各々独立して、フェニル基(n−オクチル基、n−ドデシル基、n−オクチルオキシ基、およびn−ドデシルオキシ基からなる群より選ばれる置換基を有する)であることがさらに好ましい。
※ここは高分子量のポリマーに限定する必要はありませんので、より進歩性を主張できるように、“正孔輸送特性”に変更しました。基本的には、Ar1およびAr2のところと同じです。
一般式(1)および一般式(2)において、Ar4は炭素数1〜18の置換基を複数有してもよい炭素数6〜24の2価の芳香族炭化水素基、または炭素数1〜18の置換基を複数有してもよい炭素数4〜20の2価のヘテロ芳香族基を表す。
Ar4における炭素数1〜18の置換基としては、特に限定するものではないが、例えば、Ar1、Ar2、Ar3およびAr5で例示したものと同じ置換基を例示することができる。
Ar4における炭素数6〜24の2価の芳香族炭化水素基としては、特に限定するものではないが、例えば、ベンゼンジイル基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基、フェナントンジイル基、またはフルオレンジイル基等があげられる。
Ar4における炭素数4〜20の2価のヘテロ芳香族基としては、特に限定するものではないが、例えば、ピリジンジイル基、カルバゾールジイル基、チオフェンジイル基、ビチオフェンジイル基、フランジイル基、ジベンゾフランジイル基、またはジベンゾチオフェンジイル基等があげられる。
Ar4は、アリールアミンポリマーの正孔輸送特性及び溶解性等の点で、ベンゼンジイル基、フルオレンジイル基、ジベンゾフランジイル基、ジベンゾチオフェンジイル基またはN−フェニルカルバゾールジイル基(これらの置換基は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基を複数有していてもよい)が好ましく、各々独立して、1,4−フェニレン基、フルオレン−2,7−ジイル基、ジベンゾフラン−2,8−ジイル基、ジベンゾチオフェン−2,8−ジイル基またはN−フェニルカルバゾール基−3,6−ジイル基(これらの置換基は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基を複数有していてもよい)がより好ましく、各々独立して、1,4−フェニレン基、フルオレン−2,7−ジイル基、ジベンゾフラン−2,8−ジイル基、ジベンゾチオフェン−2,8−ジイル基またはN−フェニルカルバゾール基−3,6−ジイル基(これらの置換基は、メチル基、エチル基、t−ブチル基、n−オクチル基、n−ドデシル基、メトキシ基、エトキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、およびn−ドデシルオキシ基からなる群より選ばれる置換基を複数有していてもよい)がさらに好ましい。また、Ar4は、原料入手の容易性の点で、ベンゼン−1,4−ジイル基がより好ましい。
一般式(1)において、pおよびqは、それぞれ独立して、0または1を表す。
pおよびqについては、p+q=1または2であることが好ましく、p+q=1であることがより好ましい。
また、一般式(1)中のn、および一般式(2)中のmは括弧内の構造の繰り返し数を示し、どちらも3以上の整数を示す。
mは、アリールアミンポリマーの正孔輸送特性及び溶解性等の点で、5以上の整数であることが好ましく、10以上の整数であることが好ましい。
nは、アリールアミンポリマーの正孔輸送特性及び溶解性等の点で、5以上の整数であることが好ましく、10以上の整数であることが好ましい。
一般式(1)で表される部分構造(1)としては、前述の定義に該当すれば特に限定するものではないが、有機電界発光素子の発光効率及び寿命等の物性の点で、下記一般式(8)〜(24)のいずれかに表される構造が好ましい。
なお、式(8)〜(24)において、R1、R2およびR3は、水素原子または炭素数1〜18の置換基を表わす。
前記炭素数1〜18の置換基としては、特に限定するものではないが、例えば、Ar1、Ar2、Ar3およびAr5で示した炭素数1〜18の置換基と同じものを例示することができる。また、好ましい範囲についても、Ar1、Ar2、Ar3およびAr5で示したものと同様である。
さらに、一般式(2)で表される部分構造(2)としては、前述の定義に該当すれば特に限定するものではないが、有機電界発光素子の発光効率及び寿命等の物性の点で、下記一般式(25)〜(30)のいずれかに表される構造が好ましい。
なお、式(25)〜(30)において、R1およびR2は、水素原子、または炭素数1〜18の置換基を表わす。
前記炭素数1〜18の置換基としては、特に限定するものではないが、例えば、Ar1、Ar2、Ar3およびAr5で示した炭素数1〜18の置換基と同じものを例示することができる。また、好ましい範囲についても、Ar1、Ar2、Ar3およびAr5で示したものと同様である。
また、本発明のブロック共重合アリールアミンポリマーは、有機電界発光素子とした場合の発光特性及び耐久性の点から、少なくとも1つのポリマー末端が下記一般式(3)で表される置換基であることが好ましい。
(式中、Ar
6は炭素数1〜18の置換基を複数有してもよい炭素数6〜24の1価の芳香族炭化水素基、または炭素数1〜18の置換基を複数有してもよい炭素数4〜20の1価のヘテロ芳香族基を表す。)
Ar
6における炭素数1〜18の置換基は、Ar
1、Ar
2、Ar
3およびAr
5において例示した置換基と同じものを挙げることができる。
Ar6における炭素数6〜24の1価の芳香族炭化水素基及び炭素数4〜20の1価のヘテロ芳香族基は、Ar1、Ar2、Ar3およびAr5において例示した1価の芳香族基及び1価のヘテロ芳香族基と同じものを例示することができる。
Ar6は、有機電界発光素子とした場合の発光特性及び耐久性の点から、フェニル基またはビフェニリル基(これらの置換基は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基、炭素数1〜18の芳香族炭化水素基または炭素数1〜18のヘテロ芳香族基を有していてもよい)であることが好ましく、合成の複雑さや原料の入手容易性を考慮すると、フェニル基(炭素数1〜18のアルキル基、または炭素数1〜18のアルコキシ基を有していてもよい)であることがより好ましい。
なお、本発明のブロック共重合アリールアミンポリマーについては、有機電界発光素子とした場合の発光特性、耐久性の点から、末端のハロゲン原子または2級アミノ基が少ないものが好ましい。また、すべてのポリマー末端が下記一般式(3)で表される置換基であることがより好ましい。
次に本発明のブロック共重合アリールアミンポリマーの製造方法について説明する。
本発明のブロック共重合アリールアミンポリマーは、パラジウム触媒および塩基の存在下、下記一般式(4)
(式中、
Ar
1、Ar
2およびAr
3は、各々独立して、炭素数1〜18の置換基を複数有してもよい炭素数6〜24の1価の芳香族炭化水素基、または炭素数1〜18の置換基を複数有してもよい炭素数4〜20の1価のヘテロ芳香族基を表す。
Ar
4は炭素数1〜18の置換基を複数有してもよい炭素数6〜24の2価の芳香族炭化水素基、または炭素数1〜18の置換基を複数有してもよい炭素数4〜20の2価のヘテロ芳香族基を表す。
pおよびqは、各々独立して、0または1を表す。
nは3以上の整数を表す。
XおよびYは、各々独立して、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す)
で表されるジハロゲン化物と下記一般式(5)
(式中、Ar
5は、炭素数1〜18の置換基を複数有してもよい炭素数6〜24の1価の芳香族炭化水素基、または炭素数1〜18の置換基を複数有してもよい炭素数4〜20の1価のヘテロ芳香族基を表す。mは3以上の整数を表す。)
で表されるジアミン化合物とを反応させること(この反応を「重合反応」と称する)ことにより製造することができる。
上記のジハロゲン化物、及びジアミン化合物としては、特に限定するものではないが、市販されているもの、又は公知の方法に倣って合成したものを用いることができる。
上記一般式(4)で表されるジハロゲン化物におけるp、qは、一般式(1)におけるp、qと同じ整数を表す。
上記一般式(4)で表されるジハロゲン化物におけるAr4は一般式(1)におけるAr4で示した置換基と同じ基を表す。
上記一般式(4)で表されるジハロゲン化物および一般式(5)で表されるジアミン化合物におけるAr1、Ar2、Ar3およびAr5で表される置換基は、一般式(1)および一般式(2)におけるAr1、Ar2、Ar3およびAr5で示した置換基と同じ基を表す。
一般式(4)で表されるジハロゲン化物の量は、数平均分子量換算で、一般式(5)で表されるジアミン化合物1モルに対して通常0.5〜2.0モルの範囲で使用すればよく、高分子量のブロック共重合アリールアミンポリマーを得るためには、0.8〜1.2モルの範囲であることが好ましい。
さらに重合反応で得られたブロック共重合アリールアミンポリマーに対し、パラジウム触媒及び塩基の存在下で、下記一般式(6)
(式中、Ar
6は一般式(3)におけるAr
6と同じ定義である。Xは、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子を表す。)
で表されるハロゲン化芳香族化合物のうち1種または2種以上、及び/又は下記一般式(7)
(式中、Ar
7及びAr
8は、各々独立して、一般式(3)におけるAr
6と同じ定義である。)
で表されるジアリールアミン化合物のうち1種または2種以上を反応(これらの反応を「保護化反応」と総称する)させることにより、ポリマー末端を保護したブロック共重合アリールアミンポリマーを製造することが出来る。
保護化反応において、ハロゲン化芳香族化合物を用いる反応と、ジアリールアミン化合物を用いる反応は同時に行うことも可能であるが、ブロック共重合アリールアミンポリマーの保護化反応の反応効率の点で、それぞれ別々に行うことが好ましい。また、別々に反応を行う場合ハロゲン化芳香族化合物を用いる反応とジアリールアミン化合物を用いる反応はどちらを先に行ってもよい。
上記のハロゲン化芳香族化合物、及びジアリールアミン化合物としては、特に限定するものではないが、市販されているもの、又は一般公知の方法に倣って合成したものを用いることができる。
上記一般式(6)で表されるハロゲン化芳香族化合物としては、特に限定するものではないが、具体的にはブロモベンゼン類(ブロモベンゼン、2−ブロモトルエン、3−ブロモトルエン、4−ブロモトルエン、2−ブロモ−m−キシレン、2−ブロモ−p−キシレン、3−ブロモ−o−キシレン、4−ブロモ−o−キシレン、4−ブロモ−m−キシレン、5−ブロモ−m−キシレン、1−ブロモ−2−エチルベンゼン、1−ブロモ−4−エチルベンゼン、1−ブロモ−4−プロピルベンゼン、1−ブロモ−4−n−ブチルベンゼン、1−ブロモ−4−tert−ブチルベンゼン、1−ブロモ−5−(トリフルオロメトキシ)ベンゼン、2−ブロモアニソール、3−ブロモアニソール、4−ブロモアニソール、1−ブロモナフタレン、2−ブロモナフタレン、2−ブロモビフェニル、3−ブロモビフェニル、4−ブロモビフェニル、9−ブロモアントラセン、9−ブロモフェナンスレン、N−メチル−3−ブロモカルバゾール、N−エチル−3−ブロモカルバゾール、N−プロピル−3−ブロモカルバゾール、N−ブチル−3−ブロモカルバゾール、2−ブロモフルオレン、2−ブロモ−9,9−ジメチル−フルオレン、2−ブロモ−9,9−ジエチル−フルオレン、2−ブロモ−9,9−ジイソプロピル−フルオレン、2−ブロモ−9,9−ジ−n−ブチル−フルオレン、2−ブロモ−9,9−ジ−tert−ブチル−フルオレン、2−ブロモ−9,9−ジ−sec−ブチル−フルオレン、2−ブロモ−9,9−ジ−n−ヘキシル−フルオレン、2−ブロモ−9,9−ジ−n−オクチル−フルオレン等)、クロロベンゼン類(クロロベンゼン、2−クロロトルエン、3−クロロトルエン、4−クロロトルエン、2−クロロ−m−キシレン、2−クロロ−p−キシレン、3−クロロ−o−キシレン、4−クロロ−o−キシレン、4−クロロ−m−キシレン、5−クロロ−m−キシレン、1−クロロ−2−エチルベンゼン、1−クロロ−4−エチルベンゼン、1−クロロ−4−プロピルベンゼン、1−クロロ−4−n−ブチルベンゼン、1−クロロ−4−tert−ブチルベンゼン、1−クロロ−5−(トリフルオロメトキシ)ベンゼン、2−クロロアニソール、3−クロロアニソール、4−クロロアニソール、1−クロロナフタレン、2−クロロナフタレン、2−クロロビフェニル、3−クロロビフェニル、4−クロロビフェニル、9−クロロアントラセン、9−クロロフェナンスレン、N−メチル−3−クロロカルバゾール、N−エチル−3−クロロカルバゾール、N−プロピル−3−クロロカルバゾール、N−ブチル−3−クロロカルバゾール、2−クロロフルオレン、2−クロロ−9,9−ジメチル−フルオレン、2−クロロ−9,9−ジエチル−フルオレン、2−クロロ−9,9−ジイソプロピル−フルオレン、2−クロロ−9,9−ジ−n−ブチル−フルオレン、2−クロロ−9,9−ジ−tert−ブチル−フルオレン、2−クロロ−9,9−ジ−sec−ブチル−フルオレン、2−クロロ−9,9−ジ−n−ヘキシル−フルオレン、2−クロロ−9,9−ジ−n−オクチル−フルオレン等)、及び、ヨードベンゼン類(ヨードベンゼン、2−ヨードトルエン、3−ヨードトルエン、4−ヨードトルエン、2−ヨード−m−キシレン、2−ヨード−p−キシレン、3−ヨード−o−キシレン、4−ヨード−o−キシレン、4−ヨード−m−キシレン、5−ヨード−m−キシレン、1−ヨード−2−エチルベンゼン、1−ヨード−4−エチルベンゼン、1−ヨード−4−プロピルベンゼン、1−ヨード−4−n−ブチルベンゼン、1−ヨード−4−tert−ブチルベンゼン、1−ヨード−5−(トリフルオロメトキシ)ベンゼン、2−ヨードアニソール、3−ヨードアニソール、4−ヨードアニソール、1−ヨードナフタレン、2−ヨードナフタレン、2−ヨードビフェニル、3−ヨードビフェニル、4−ヨードビフェニル、9−ヨードアントラセン、9−ヨードフェナンスレン、N−メチル−3−ヨードカルバゾール、N−エチル−3−ヨードカルバゾール、N−プロピル−3−ヨードカルバゾール、N−ブチル−3−ヨードカルバゾール、2−ヨードフルオレン、2−ヨード−9,9−ジメチル−フルオレン、2−ヨード−9,9−ジエチル−フルオレン、2−ヨード−9,9−ジイソプロピル−フルオレン、2−ヨード−9,9−ジ−n−ブチル−フルオレン、2−ヨード−9,9−ジ−tert−ブチル−フルオレン、2−ヨード−9,9−ジ−sec−ブチル−フルオレン、2−ヨード−9,9−ジ−n−ヘキシル−フルオレン、2−ヨード−9,9−ジ−n−オクチル−フルオレン等)を例示することができる。
上記一般式(7)で表されるジアリールアミン化合物としては、特に限定するものではないが、具体的には、ジフェニルアミン、ジ−p−トリルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、N,N−ビス(ビフェニル−4−イル)アミン等を例示することができる。
なお、参考までに、一般式(4)で表されるジハロゲン化物について、特に限定するものではないが、例えば、次の方法で合成することができることを示す。
下記、パラジウム触媒および塩基の存在下、反応式1で示されるオリゴマー化工程(以下、オリゴマー化工程(1)と定義する)によって一般式(34)で表される構造を有する化合物を製造した後、さらにパラジウム触媒および塩基の存在下、反応式2に示すように、当該一般式(34)で表される構造を有する化合物とジハロゲン化物(35)を反応させて、合成することができる。
(反応式1および反応式2において、Ar
1、Ar
2、Ar
3、Ar
4、pおよびqは一般式(1)で示したAr
1、Ar
2、Ar
3、Ar
4、pおよびqと同じ定義である。また、XおよびYは、各々独立して、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子を表す。)
さらに参考までに、一般式(5)で表されるジアミン化合物について、特に限定するものではないが、例えば、次の方法で合成することを示す。
下記、パラジウム触媒および塩基の存在下、反応式3で示されるオリゴマー化工程(以下、オリゴマー化工程(2)と定義する)によって一般式(38)で表される構造を有する化合物を製造した後、さらにパラジウム触媒および塩基の存在下、反応式4に示すように、当該一般式(38)で表される構造を有する化合物と芳香族アミン化合物(37)とを反応させて、合成することができる。
(反応式3および反応式4において、Ar
5は一般式(2)で示したAr
5と同じ定義である。また、Zは、各々独立して、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子を表す。)
重合反応、保護化反応、およびオリゴマー化反応(1)、(2)は、限定するものではないが、いずれも、パラジウム触媒及び塩基の存在下、以下に示す条件で実施することができる。
パラジウム触媒は、特に限定するものではないが、通常、パラジウム化合物と配位子を構成成分として含む。
パラジウム触媒は、通常、パラジウム化合物と電子供与性配位化合物からなる。
パラジウム触媒の構成成分であるパラジウム化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、4価のパラジウム化合物類(例えば、ヘキサクロロパラジウム(IV)酸ナトリウム四水和物、ヘキサクロロパラジウム(IV)酸カリウム等)、2価のパラジウム化合物類(例えば、塩化パラジウム(II)、臭化パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、パラジウム(II)アセチルアセトナート、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロテトラアンミンパラジウム(II)、ジクロロ(シクロオクタ−1,5−ジエン)パラジウム(II)、パラジウム(II)トリフルオロアセテート等)、及び0価のパラジウム化合物類(例えば、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)クロロホルム錯体、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)等)を挙げることができる。
パラジウム触媒の構成成分である電子供与性配位化合物としては、特に限定するものではないが、パラジウムに配位可能なものであればよく、例えばトリアルキルホスフィン類、アリールホスフィン類、カルベン系配位子等が挙げられる。
トリアルキルホスフィン類としては、特に限定するものではないが、例えば、トリエチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリイソブチルホスフィン、トリ−sec−ブチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン等が挙げられる。これらのうち触媒として特に高い反応活性を有することから、トリ−tert−ブチルホスフィンを使用することが好ましい。
アリールホスフィン類としては、特に限定するものではないが、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、トリ(m−トリル)ホスフィン、トリ(p−トリル)ホスフィン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(BINAP)、トリメシチルホスフィン、ジフェニルホスフィノエタン、ジフェニルホスフィノプロパン、ジフェニルホスフィノフェロセン等が挙げられる。
また、カルベン系配位子としては、例えば、1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾール−2−イリデン塩酸塩等が挙げられる。
パラジウム触媒における電子供与性配位化合物の量は、特に限定するものではないが、パラジウム化合物1モルに対して通常0.01〜10000倍モルの範囲で使用すればよく、高価なトリアルキルホスフィン類、アリールホスフィン類、カルベン系配位子を使用することから、好ましくは、パラジウム化合物1モルに対して0.1〜10倍モルの範囲である。
重合反応におけるパラジウム触媒の使用量は特に限定されるものではないが、原料である一般式(4)で表されるジハロゲン化物のハロゲン原子1モルに対し、パラジウム原子換算で通常0.00001〜20モル%の範囲となるようにすることが好ましい。このうち、触媒活性の点、及び高価なパラジウム化合物を使用する点から、通常0.01〜10モル%の範囲であることがより好ましい。このとき、一般式(4)で表されるハロゲン化物の物質量は、数平均分子量換算で算出すればよい。
重合反応の後、保護化反応を同一反応容器内で連続して行う場合は、重合化反応の反応液に反応基質であるハロゲン化芳香族化合物、ジアリールアミン化合物、及び/または塩基を添加して行うことができる。このとき、パラジウム触媒は交換せずに、重合反応で用いたものをそのまま用いることができるし、触媒を交換したり、追加したりすることもできる。
また、保護化反応は、重合反応の生成物を単離し、全く別の反応容器内で行うこともできる。この場合、パラジウム触媒の使用量は特に限定されるものではないが、原料であるジアリールアミン化合物1モル、またはハロゲン化芳香族化合物1モルに対し、パラジウム原子換算で通常0.00001〜20モル%の範囲となるようにすることが好ましい。このうち、触媒活性の点、及び高価なパラジウム化合物を使用する点から、通常0.001〜5モル%の範囲であることがより好ましい。
なお、オリゴマー化反応(1)、(2)においてのパラジウム触媒の使用量は、特に限定されるものではないが、原料であるジハロゲン化物、即ち、一般式(32)および一般式(36)で表される化合物中のハロゲン原子1モルに対し、パラジウム原子換算で通常0.00001〜20モル%の範囲となるようにすることが好ましい。このうち、触媒活性の点、及び高価なパラジウム化合物を使用する点から、通常0.001〜5モル%の範囲であることがより好ましい。
パラジウム触媒の添加方法としては、特に限定するものではなく、それぞれの反応系にパラジウム触媒を構成する成分をそれぞれ単独に加えても良いし、予めこれら触媒構成成分を混合してパラジウム錯体の形に調製したものを添加してもよい。
重合反応、保護化反応またはオリゴマー化反応に用いる塩基としては、特に限定するものではないが、例えば、ナトリウム,カリウムの炭酸塩、アルカリ金属アルコキシド等の無機塩基、または3級アミン等の有機塩基が挙げられる。これらのうち、好ましくはナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、リチウム−tert−ブトキシド、ナトリウム−tert−ブトキシド、カリウム−tert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシドであり、それらは反応系にそのまま加えても、また、アルカリ金属、水素化アルカリ金属または水酸化アルカリ金属とアルコールとからその場で調製して反応系に供してもよい。より好ましくは、リチウム−tert−ブトキシド、ナトリウム−tert−ブトキシド、カリウム−tert−ブトキシド等の3級アルコキシドを反応系にそのまま加える方法である。
塩基の使用量は、特に限定するものではないが、例えば、重合反応においては、原料である一般式(4)で表されるジハロゲン化物のハロゲン原子1モルに対して、また、保護化反応においては、ジアリールアミン化合物1モル又はハロゲン化芳香族化合物1モルに対して、さらにオリゴマー化反応においては、原料であるジハロゲン化物、即ち、一般式(32)および一般式(36)で表される化合物中のハロゲン原子1モルに対して、1.0倍モル以上が好ましく、反応終了後の後処理操作を考慮すれば、2〜50倍モルの範囲がより好ましい。このとき、一般式(4)で表されるハロゲン化物の物質量は、数平均分子量換算で算出すればよい。
塩基の添加方法としては、特に限定するものではないが、例えば、重合反応において、一般式(4)で表されるジハロゲン化物/または一般式(5)で表されるジアミン化合物と同時に反応系に加えてもよいし、重合反応中に数回に分割して反応系に加えてもよい。
重合反応、保護化反応およびオリゴマー化反応(1)、(2)はいずれも、通常は不活性溶媒存在下で実施することが好ましい。使用する溶媒としては、当該反応を著しく阻害しない溶媒であればよく、特に限定するものではないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル溶媒、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホトリアミド等を挙げることができる。これらのうち、好ましくはベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒である。
重合反応、保護化反応およびオリゴマー化反応(1)、(2)はいずれも、好ましくは常圧下、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で実施するが、例え加圧条件であってもよい。
重合反応、保護化反応およびオリゴマー化反応における反応温度は、いずれも経済的に許容できる速度で反応が進行する反応温度であれば特に限定するものではないが、通常20〜300℃、好ましくは50〜200℃、より好ましくは100〜150℃の範囲である。
重合反応、保護化反応およびオリゴマー化反応における反応時間はいずれも、製造するアリールアミン化合物、触媒及び/または反応温度等により一定ではないため特に限定するものではないが、多くの場合、数分〜72時間の範囲から選択すればよい。好ましくは、24時間未満である。
保護化反応は、重合反応の後、同一反応容器内で、原料を追加して連続して行なってもよいし、重合反応で得られたブロック共重合アリールアミンポリマーを回収後、別の反応容器に新たに仕込み直して行ってもよい。
重合反応、又は重合反応及び保護化反応によって製造された本発明のブロック共重合アリールアミンポリマーは、再沈殿等により精製することができる。また、パラジウム触媒等の不純物の除去のためにシリカゲルや活性アルミナ等による吸着処理を行うことも可能である。
本発明のブロック共重合アリールアミンポリマーの重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、ポリスチレン換算で1,000〜1,000,000の範囲であり、より好ましくは5,000〜800,000の範囲である。
本発明のブロック共重合アリールアミンポリマーは、電界効果トランジスタ、光機能素子、色素増感太陽電池、有機電界発光素子等の電子素子における導電性高分子材料として使用される。特に、有機電界発光素子の正孔輸送材料、正孔注入材料、発光材料およびバッファー材料等として極めて有用である。
本発明の有機電界発光素子は、前記ブロック共重合アリールアミンポリマーを含有する有機層を備えていれば、素子構造は特に限定されない。このうち、本発明のブロック共重合アリールアミンポリマーを備える有機層は、正孔輸送層、正孔注入層、発光層であることが好ましい。
本発明の電子素子において、本発明のブロック共重合アリールアミンポリマーと組み合わせて用いる化合物としては、従来公知のものであれば、特に限定されるものではない。
本発明のブロック共重合アリールアミンポリマーは、溶解性に優れることから、例えば、これら材料の溶液、混合液、または溶融液を使用して、スピンコーティング法、キャスティング法、ディッピング法、バーコート法、ロールコート法等の従来公知の塗布法によって、前記素子を簡便に作製することができる。また、インクジェット法、ラングミュア−ブロジェット法等によっても容易に作製することができる。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれら実施例に限定されて解釈されるものではない。
ポリマー分子量:THF系GPC(HLC−8220(東ソー社製)、カラムはTSKgel−SuperH3000、TSKgel−SuperH2000、TSKgel−SuperH1000(いずれも東ソー社製)を連結した。)にて、合成したポリマーの分子量測定を行った。分子量は標準ポリスチレン換算で示した。
ガラス転位温度:DSC200F3(ネッチ社製)を用いて測定した。
HOMO準位:大気中光電子分光装置測定装置AC−3(理研計器株式会社製)を用いて測定した。
LUMO準位:UV−vis吸収スペクトルの吸収端からエネルギーギャップ(Eg)を算出し、HOMOから差し引くことで求めた。
元素分析:全自動元素分析装置2400II(パーキンエルマー製)を用いて分析した。
燐光スペクトル測定:蛍光光度計F−2500(日立社製)を用いて測定した。
参考例1 ジハロゲン化物(16−1)の合成
冷却管、温度計を装着した100mL四つ口丸底フラスコに、室温下、3,6−ジブロモ−9−フェニルカルバゾール 1.20g(2.99mmol)、N,N’−ビス(4−メチルフェニル)−p−フェニレンジアミン 0.95g(3.29mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド 1.15g(12.0mmol)及びo−キシレン 15.2gを仕込んだ。この混合液に、予め窒素雰囲気下で調製したトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム 27.4mg(0.030mmol)及びトリ−tert−ブチルホスフィン 48.6mg(0.24mmol)のo−キシレン(0.19g)溶液を添加した。次いで、窒素雰囲気下、温度を120℃まで昇温し、120℃で加熱攪拌しながら3時間熟成した。
次いで、反応液の温度を110℃まで下げ、反応液にジブロモベンゼン 15.5g(65.8mmol)とo−キシレン 26.0gとの混合物を添加し、さらに3時間反応を行った。
次いで、この反応混合物を約60℃まで冷却した後、90%アセトン水溶液(400mL)の攪拌溶液へゆっくり加えて黄色固体を析出させた。ろ過により固体をろ別回収し、アセトン、水、アセトンの順番で洗浄した後、減圧乾燥して黄色固体(ジハロゲン化物(16−1)を0.73g得た。
ジハロゲン化物(16−1)の分子量は、ポリスチレン換算で重量平均分子量14,200および数平均分子量5,700(分散度2.5)であった。
参考例2 ジアミン化合物(25−1)の合成
冷却管、温度計を装着した100mL四つ口丸底フラスコに、室温下、2,8−ジブロモジベンゾフラン 1.00g(3.07mmol)、4−n−オクチルアニリン 0.63g(3.07mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド 1.18g(12.28mmol)及びo−キシレン 38gを仕込んだ。この混合液に、予め窒素雰囲気下で調製したトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム 28.4mg(0.031mmol)及びトリ−tert−ブチルホスフィン 49.8mg(0.25mmol)のo−キシレン(0.20g)溶液を添加した。次いで、窒素雰囲気下、温度を120℃まで昇温し、120℃で加熱攪拌しながら3時間熟成した。
次いで、反応液に 4−n−オクチルアニリン 0.63g(3.07mmol)を追加し、さらに120℃で3時間反応を行った。
次いで、この反応混合物を約60℃まで冷却した後、90%メタノール水溶液(300mL)の攪拌溶液へゆっくり加えて白色固体を析出させた。ろ過により固体をろ別回収し、メタノール、水、メタノールの順番で洗浄した後、減圧乾燥して微黄色固体(ジアミン化物(25−1)を0.95g得た。
ジハロゲン化物(16−1)の分子量は、ポリスチレン換算で重量平均分子量4,700および数平均分子量2,300(分散度2.0)であった。
実施例1 ブロック共重合アリールアミンポリマー(39)の合成
冷却管、温度計を装着した100mL四つ口丸底フラスコに、室温下、参考例1で合成した化合物(16−1) 0.247g(0.043mmol:数平均分子量Mn換算)、参考例2で合成した化合物(25−1) 0.100g(0.043mmol:数平均分子量Mn換算)、ナトリウム−tert−ブトキシド 0.165g(1.72mmol)及びo−キシレン 10.3gを仕込んだ。この混合液に、予め窒素雰囲気下で調製したトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム 20.1mg(0.022mmol)及びトリ−tert−ブチルホスフィン 35.6mg(0.176mmol)のo−キシレン(0.14g)溶液を添加した。次いで、窒素雰囲気下、温度を120℃まで昇温し、120℃で加熱攪拌しながら22時間熟成した。
次いで、ブロモベンゼン 27.0mg(0.172mmol)を添加し、さらに120℃で3時間反応を行った。さらに、ジフェニルアミン 58.1mg(0.344mmol)を添加し、さらに120℃で3時間反応を行なった。
次いで、約80℃まで放冷した反応混合物を、90%エタノール水溶液(1000mL)の攪拌溶液中へゆっくり加え、固体を析出させた。ろ過により固体をろ別回収し、エタノール、水、エタノールの順番で洗浄した後、減圧乾燥して淡黄色固体を得た。
次いで、得られた淡黄色固体をトルエン 5gに溶解させ、攪拌中のアセトン 50mLにゆっくり加え、固体を析出させた。ろ過により固体をろ別回収し、アセトンで洗浄した後、減圧乾燥して淡黄色固体を0.18g(収率53%)得た。
得られたブロック共重合アリールアミンポリマー(39)は、ポリスチレン換算で重量平均分子量21,000及び数平均分子量8,000(分散度2.6)であった。
ガラス転移温度は195℃であった。
HOMO準位は5.21eV、LUMO準位は1.91eVであった。
元素分析の測定結果を表1に示す。
また、得られたブロック共重合アリールアミンポリマー(39)の三重項準位を次のように測定した。
ブロック共重合アリールアミンポリマー(39) 1mgと2−メチルテトラヒドロフラン 1mLとをサンプルチューブ内でよく混合し、均一な溶液を調製した。この溶液を窒素ガスで10分間バブリングすることによって脱気した後、このサンプルチューブを密栓し、燐光スペクトルを測定した。結果を表3に示した。
実施例2 ブロック共重合アリールアミンポリマー(40)の合成
実施例1において化合物(16−1)の代わりに化合物(8−1;重量平均分子量10,800、数平均分子量5,200),を使用した以外は、同様の操作を行い、ブロック共重合アリールアミンポリマー(40)の淡黄色固体 0.14gを得た(収率42%)。
得られたブロック共重合アリールアミンポリマー(40)は、ポリスチレン換算で重量平均分子量19,000及び数平均分子量8,100(分散度2.3)であった。
ガラス転移温度は189℃であった。
HOMO準位は5.19eV、LUMO準位は2.00eVであった。
元素分析の測定結果を表2に示す。
また、得られたブロック共重合アリールアミンポリマー(40)の三重項準位の測定結果を表3に示した。
比較例1 アリールアミンポリマー(100)の三重項準位の測定
実施例1においてブロック共重合アリールアミンポリマー(39)の代わりにポリ−(N,N′−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N′−ビス(フェニル)ベンジジン)(ADS254BE:アメリカン・ダイ・ソース社製)(「アリールアミンポリマー(100)」と称する)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行なって燐光スペクトルを測定したところ、得られた燐光スペクトルから算出されたアリールアミンポリマー(100)の三重項準位は、2.35eVであった。結果を表3にまとめた。
素子実施例1(素子の作製と評価)
厚さ200nmのITO透明電極(陽極)を積層したガラス基板をアセトンおよび純水による超音波洗浄、イソプロピルアルコールによる沸騰洗浄を行った。さらに紫外線オゾン洗浄を行った。
この基板上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホン酸(Bayer製、Baytron P CH8000)の懸濁液を、スピンコート法により塗布し、200℃にて1時間乾燥した。その結果、80nmの厚みの正孔注入層が製膜された。
次に、実施例1で取得したブロック共重合アリールアミンポリマー(39)の0.5wt%クロロベンゼン溶液をスピンコート法によって塗布し、160℃で3時間乾燥した。その結果、アリールアミンポリマー(39)の20nmの正孔輸送層が製膜された。
次に、真空蒸着装置へ設置後、5×10−4Pa以下になるまで真空ポンプにて排気した。続いて、燐光ドーパント材料であるトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(Ir(ppy)3)とホスト材料である4,4’−ビス(N−カルバゾリル)ビフェニル(CBP)を重量比が1:11.5になるように蒸着速度0.25nm/秒で共蒸着し、30nmの発光層とした。
次に、BAlq(ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(p−フェニルフェノラト)アルミニウム)を蒸着速度0.3nm/秒で蒸着し、5nmのエキシトンブロック層とした後、さらにAlq3(トリス(8−キノリノラト)アルミニウム)を0.3nm/秒で蒸着し、45nmの電子輸送層とした。引続き、電子注入層として沸化リチウムを蒸着速度0.01nm/秒で0.5nm蒸着し、さらにアルミニウムを蒸着速度0.25nm/秒で100nm蒸着して陰極を形成した。窒素雰囲気下、封止用のガラス板をUV硬化樹脂で接着し、評価用の有機EL素子とした。
このように作製した素子に20mA/cm2の電流を印加し、駆動電圧および電流効率を、LUMINANCE METER BM−9(TOPCON社製)輝度計を用いて測定した。また、初期輝度を2000cd/m2とした際の輝度半減寿命を調べた。評価結果を表4に示した。
素子実施例2(素子の作製と評価)
素子実施例1において、ブロック共重合アリールアミンポリマー(39)の代わりに実施例2で合成したブロック共重合アリールアミンポリマー(40)を用いた他は、素子実施例1と同様に素子を作製して発光特性および輝度半減寿命を測定した。評価結果を表4に示した。
素子比較例1(素子の作製と評価)
素子実施例1において、ブロック共重合アリールアミンポリマー(39)の代わりにアリールアミンポリマー(100)を用いた他は、素子実施例1と同様に素子を作製して発光特性を測定した。結果を下記の表に示す。
なお、表4には、素子実施例1〜素子実施例2の測定結果について、素子比較例1の駆動電圧、発光効率、輝度半減寿命の測定値を100と規格化した相対値で示した。
このように、本発明のブロック共重合アリールアミンポリマーは、従来公知のアリールアミンポリマーに比べて輝度が高く、消費電力の少なく、耐久性の高い燐光発光性または蛍光発光性の有機EL素子を提供できるという予想し得ない顕著な効果を奏するものである。