JP2015151214A - エレベータ装置およびエレベータ装置の制御盤保守方法 - Google Patents

エレベータ装置およびエレベータ装置の制御盤保守方法 Download PDF

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憲亮 重藤
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Abstract

【課題】乗りかごの安全性を損なうことなく、かつ制御盤の保守作業を効率的に行うことができるようにしたエレベータ装置およびエレベータ装置の制御盤保守方法を提供する。【解決手段】乗りかご4の側面に昇降方向に延びて配置した第2のガイドレール14,15と、制御盤9に取り付けられて第2のガイドレール14,15に沿って案内されるガイドシューなどの案内体16,17とを有して構成した上下動案内機構10を設け、第2のガイドレール14,15の上端部に作業用ガイドレール24を連結し、上下動案内機構10および作業用ガイドレール24を用いて制御盤9をかご上から保守できる位置へと移動した状態で保守作業を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、乗りかご側に制御盤を配置して構成したエレベータ装置およびエレベータ装置の制御盤保守方法に関する。
本技術分野の背景技術として、特開2009−196784号公報(特許文献1)、特開平9−2762号公報(特許文献2)および特開2012−30933号公報(特許文献3)がある。特許文献1では、乗りかごの側板に制御盤が取り付けられた構成、また特許文献2,3には、乗りかごのかご床に制御盤が取り付けられた構成が記載されている。
特開2009−196784号公報 特開平9−2762号公報 特開2012−30933号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたエレベータ装置には、昇降路の寸法を短縮するために制御盤をかご側板側面に取り付けた構成が示されているが、制御盤の保守作業のために乗りかごに点検口(開き戸)を設け、しかも、かご内に点検口を追加する場合、戸を開けた際にエレベータ装置が停止するための安全装置を追加しなければならない。
一方、特許文献2,3に示されたように制御盤を乗りかごのかご床に取り付ける場合には、制御盤の保守作業を床から行うことになるが、制御盤の点検や機器の交換を実際に行うには正面から作業を行うのが最も効率が良いのに対して、制御盤の保守作業を床上から行うことになるため作業効率が悪い。
そこで、本発明の目的は、乗りかごの安全性を損なうことなく、かつ制御盤の保守作業を効率的に行うことができるようにしたエレベータ装置およびエレベータ装置の制御盤保守方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、乗りかごと、前記乗りかごを案内するガイドレールと、前記乗りかごの昇降に連動して相反する方向に移動する釣り合いおもりと、乗りかごの側面に設置した制御盤とを備えたエレベータ装置において、前記乗りかごの側面に昇降方向に延びて配置した第二のガイドレールと、前記制御盤に取り付けられて前記第二のガイドレールに沿って案内される案内体とを有して構成した上下動案内機構を設け、前記上下動案内機構を用いて前記制御盤をかご上から保守できる位置へ移動可能に構成した。
また、上記課題を解決するために、本発明は、乗りかごと、前記乗りかごを案内するガイドレールと、前記乗りかごの昇降に連動して相反する方向に移動する釣り合いおもりと、乗りかごの側面に設置した制御盤とを備え、前記制御盤の保守を行うエレベータ装置の制御盤保守方法において、前記乗りかごの側面に昇降方向に延びて配置した第二のガイドレールと、前記制御盤に取り付けられて前記第二のガイドレールに沿って案内される案内体とを有して構成した上下動案内機構を設け、前記第二のガイドレールの上端部に前記乗りかごのかご上よりも上方に突出した上端を有する作業用ガイドレールの下端部を連結し、前記上下動案内機構および前記作業用ガイドレールを用いて前記制御盤を前記かご上から保守できる位置へと移動し、移動後の前記制御盤をその位置に保持した状態で保守作業を行う。
本発明のエレベータ装置およびエレベータ装置の制御盤保守方法によれば、乗りかごの安全性を損なうことなく、かつ制御盤の保守作業を効率的に行うことができるようになる。なお、上述した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施例によるエレベータ装置の断面図である。 図1に示したエレベータ装置の要部拡大図である。 図2に示したエレベータ装置の要部を示す正面図である。 図2に示した制御盤の保守を行う際の準備状態を示す要部側面図である。 本発明の一実施例によるエレベータ装置の制御盤保守方法を示すフローチャートである。 図5に示した制御盤保守方法を採用したエレベータ装置の概略構成図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施の形態によるエレベータ装置の断面図である。
昇降路1内には、鉛直方向に配置した一対のガイドレール2,3に沿って昇降可能に配置した乗りかご4と、鉛直方向に配置した他の一対のガイドレール5,6に沿って昇降可能に配置した釣り合いおもり7と、図示しない主索を巻き掛けて主索を介して乗りかご4と釣り合いおもり7とを昇降する巻上機8と、乗りかご3の側板の外側に配置した制御盤9とが配置されている。
制御盤9は、上下動案内機構10によって乗りかご3の側板の外側に保持された定常位置と、かご上まで引き上げられた保守位置との間で移動可能になされている。また、上下動案内機構10は、定常状態で、乗りかご4の側方でかご上より下方に制御盤9を保持させているが、保守時にはかご上に上った作業員が制御盤9に対する保守作業を行うことができる位置まで上昇させて保持することが可能な構成である。保守作業の終了後には、上下動案内機構10を利用して制御盤9を定常位置まで移動させた後に同位置を保持することができる。
図2および図3は、制御盤9および上下動案内機構10の近傍を示す拡大図および正面図である。
乗りかご4の側面またはその近傍に位置するかご側部材11には、一対の支持ブラケット12,13が固定され、両支持ブラケット12,13の対向部に鉛直方向に延びた一対の第2のガイドレール14,15が固定されている。この第2のガイドレール14,15に対を成すそれぞれのガイドシューやガイドローラなどの案内体16,17が昇降可能に配置されている。案内体16,17は、支持部材18,19を介して制御盤9を構成する本体カバーに結合されているが、制御盤9の大きさによってその上下に並んだ二対の案内体16,17としてもよい。第2のガイドレール14,15の下端部、または第2のガイドレール14,15の下端部に対応するかご側部材11には位置決め支持部材20が結合されており、定常時には制御盤9が位置決め支持部材20上に搭載されることによって保持されている。
制御盤9のかご側部材11への取り付け位置は、乗りかご4のかご上より突出しないように、望ましくはかご上以下の高さに保たれるように取り付けられている。一対の第2のガイドレール14,15の上端部も、乗りかご4のかご上より余り突出しないように、望ましくはかご上よりも低い位置に保たれている。
このエレベータ装置は、制御盤9によって巻上機8を制御しながら、乗りかご4がガイドレール2,3に沿って移動される。このとき、乗りかご4の移動と釣り合いをとりながら釣り合いおもり7がガイドレール5,6に沿って移動されることになり、乗りかご4と一体的に制御盤9も移動することになる。
次に、制御盤9の保守方法について、図5に示したフローチャートを用いながら説明する。
図2および図3に示した状態で、作業者が乗りかご4のかご上に上り、そこから制御盤9の保守作業を行おうとすると、作業者は不自然な姿勢をとらなければならない。そこで、作業者は、ステップS1で乗りかご4のかご上に上り、上下動案内機構10を利用して制御盤9を上方へと移動可能な状態にする。
先ず、作業者は、ステップS2で乗りかご4のかご上付近に位置した一対の第2のガイドレール14,15の上端部に、他の作業用ガイドレール24を連結する。第2のガイドレール14と第2のガイドレール15との構成は同一であるから、図4ではガイドレール14側について説明する。
図4に示しように作業者は、第2のガイドレール14の上端部に、クランプ21を配置し、クランプ21の下側をガイドレール14の上端部にボルト22によって固定する。第2のガイドレール14の上端部には、予めクランプ21の取り付けを想定してボルト22の挿入孔が形成されている。次に、作業者は、クランプ21の上側に作業用ガイドレール24の下端を挿入し、ボルト23によって固定する。作業用ガイドレール24の下端部には、予めクランプ21の取り付けを想定してボルト23の挿入孔が形成されている。作業者は、第2のガイドレール15側でも同様の連結作業を行う。
ここで、予め、作業用ガイドレール24を常時設置しておくと、かご上のオーバーヘッド寸法が過剰に必要となってしまう。しかし、常時は、第2のガイドレール14の上端部がかご上よりも余り突出しない高さ、望ましくはかご上の高さまでとし、制御盤9の保守作業時に作業者がすでに設けられている第2のガイドレール14に作業用ガイドレール24を連結するようにしている。このため、定常状態で、かご上の上方におけるオーバーヘッド寸法を制限することができる。
クランプ21は作業用ガイドレール24に比べて軸長が小さいので、既設の第2のガイドレール14の上端部に予めクランプ21を取り付けておいても良い。かご上から作業を行う作業者は、作業用ガイドレール24の連結作業時に、姿勢を低くして行わなければならないが、予めクランプ21を既設のガイドレール14の上端部に取り付けておくと、この連結作業に要する時間を短縮することができる。
その後、作業者は、ステップS3で増設した作業用ガイドレール24を利用して、何等かの方法でかご上に上った作業者が作業しやすい位置まで制御盤9を上方へと引き上げる。このとき、制御盤9の定常位置を保持するためにボルトなどの保持手段が設けられているなら、作業者は、この保持手段をより外してから制御盤9を上方へと引き上げる。次いで、作業者は、ステップS4で制御盤9のその位置を保持させる。通常、制御盤9は約60kgもあり、かご上から作業者が一人で引上げるのは困難であるから、後述する方法またはその他の方法で制御盤9を上方へと引き上げるのが良い。その後、作業者はステップS5で制御盤9の保守作業を行う。
制御盤9を元の定常位置に戻す場合、作業者は、ステップS6で上述した上方への移動時と逆の手順で制御盤9を下方の定常位置に戻し、その後、作業用ガイドレール24を取り外し、制御盤9の定常位置を保持するためにボルトなどの保持手段を完成させる。
このように制御盤9を保守作業を行い易い位置、つまり乗りかご4のかご上に上った作業者が作業し易い移動してから、その保守点検を行うようにしているため、作業者は不自然な姿勢を長時間にわたってとらされることがなく、作業性が向上する。また、制御盤9の保守作業は、作業者の正面に制御盤9を位置させ、かつ余り無理な姿勢をとることない高さに制御盤9を保持させて行われるので、作業性が向上する。しかも、乗りかご4のかご上は他の作業のために作業者が上ることが想定されているため、制御盤9のカバーを取り外す場合でも他の構造物と干渉することなく行うことが容易で、制御盤9の定常状態の位置で作業を行う場合に比べて、作業性が大幅に改善される。
また、乗りかご4には、制御盤9の保守時に使用するために従来のように開口部を形成する必要がないので、通常の乗りかご4を使用することができ、しかも、誤って開口部が開かれたりすることはなく、乗客の安全性が確保される。
既に設けられている第2のガイドレール14に作業用ガイドレール24を連結する構成は、クランプ21以外にも種々の構造を採用することができる。しかし、通常、第2のガイドレールの接続に用いるフィッシュプレートを使用して第2のガイドレール14と作業用ガイドレール24とを連結した場合に比べて、クランプ21を使用すると、取り外しが容易になり、作業性を向上させることができる。
次に、制御盤9を上下動させる方法について、エレベータ装置の概略構成を模式的に示す図6を用いて説明する。
乗りかご4の下部にはプーリ25,26が設けられ、釣り合いおもり7の上部にプーリ27が設けられ、かご側頂部にプーリ28,29が支持されている。巻上機8の綱車30に巻き掛けた主索31は、かご側頂部に支持したプーリ28,29間で釣り合いおもり7のプーリ27を吊り、かご側頂部に支持したプーリ29と図示しない端部との間で乗りかご4の下部のプーリ25,26を吊っている。
制御盤9を上方へ移動する場合、作業者は、制御盤9とつり合いおもり7間に位置するガイドレール6などの固定部材に、てこの原理における支点32となるように支持棒31の中間部を支持する。さらに作業者は、支持棒31の力点となる側の端をつり合いおもり7に固定し、支持棒31の作用点となる側の端を制御盤9に連結する。
その後、作業者は、乗りかご4を保守運転で所定距離だけ上昇運転すると、つり合いおもり7の下降によって支持棒31の力点も下降する。このときの下降量は、支点32との間の距離の違いによって増幅されて支持棒31の作用点を上げることになる。従って、制御盤9は、図2および図3に示した第2のガイドレール14,15に沿って上方へと移動することになり、乗りかご4の保守運転での所定距離に関連して乗りかご4よりも上方へと移動される。この位置に制御盤9を保持して制御盤9の保守を行う。保守完了後、制御盤9を元に位置に戻す場合は、上述と逆の手順を行う。
制御盤9を上方へ移動する方法はその他にも考えられる。例えば、作業者は、制御盤9の近傍に位置するガイドレール6などの固定部材や他の部材を利用して制御盤9を吊り下げ可能な状態に固定する。その後、作業者は、乗りかご4を保守運転で所定距離だけ下降運転する。このとき、制御盤9は吊り下げ可能に固定されているため、乗りかご4と共に下降することはなく、図2および図3に示した第2のガイドレール14,15に沿って乗りかご4と相対的に移動することになる。従って、保守運転での乗りかご4の所定距離だけ、制御盤9を乗りかご4よりも上方に位置させることができる。この位置に制御盤9を保持して制御盤9の保守を行う。保守完了後、制御盤9を元に位置に戻す場合は、上述と逆の手順を行う。
このように制御盤9を上方へと移動するとき、作業者だけで引き上げるのではなく上述した方法を用いることによって、容易に行うことができ、また作業上の安全性を向上することができる。
尚、本発明は、上述した実施例に限定するものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上述した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定するものではない。またある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることが可能である。
1 昇降路
4 乗りかご
7 釣り合いおもり
9 制御盤
10 上下動案内機構
11 かご側部材
14,15 ガイドレール
16,17 案内体

Claims (3)

  1. 乗りかごと、前記乗りかごを案内するガイドレールと、前記乗りかごの昇降に連動して相反する方向に移動する釣り合いおもりと、乗りかごの側面に設置した制御盤とを備えたエレベータ装置において、
    前記乗りかごの側面に昇降方向に延びて配置した第2のガイドレールと、前記制御盤に取り付けられて前記第2のガイドレールに沿って案内される案内体とを有して構成した上下動案内機構を設け、前記上下動案内機構を用いて前記制御盤をかご上から保守できる位置へ移動可能に構成したことを特徴とするエレベータ装置。
  2. 前記第2のガイドレールと前記制御盤は、前記乗りかごのかご上よりも下方位置に配置したことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ装置。
  3. 乗りかごと、前記乗りかごを案内するガイドレールと、前記乗りかごの昇降に連動して相反する方向に移動する釣り合いおもりと、乗りかごの側面に設置した制御盤とを備え、前記制御盤の保守を行うエレベータ装置の制御盤保守方法において、
    前記乗りかごの側面に昇降方向に延びて配置した第2のガイドレールと、前記制御盤に取り付けられて前記第2のガイドレールに沿って案内される案内体とを有して構成した上下動案内機構を設け、前記第2のガイドレールの上端部に前記乗りかごのかご上よりも上方に突出した上端を有する作業用ガイドレールの下端部を連結し、前記上下動案内機構および前記作業用ガイドレールを用いて前記制御盤を前記かご上から保守できる位置へと移動し、移動後の前記制御盤をその位置に保持した状態で保守作業を行うことを特徴とするエレベータ装置の制御盤保守方法。
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