JP2015150961A - 更生タイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】耐偏摩耗性能を向上できる更生タイヤを提供すること。【解決手段】この更生タイヤ10は、トレッド20と台タイヤとを備える。また、トレッド20が、タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝21と、これらの周方向主溝21、22に区画されて成る複数の陸部31〜33とをトレッド面に有する。また、センター領域にある陸部31、32が、摩耗初期における陸部31、32の摩耗をショルダー領域にある陸部33の摩耗よりも促進するための表面加工部Pを踏面に有する。【選択図】図2

Description

この発明は、更生タイヤに関し、さらに詳しくは、耐偏摩耗性能を向上できる更生タイヤに関する。
更生タイヤは、残溝が寿命に達したタイヤのトレッドゴムを貼り替えて再利用されるタイヤであり、例えば、トラック、バスなどの重荷重用タイヤに用いられる。
ここで、低い偏平率を有する更生タイヤでは、製造工程上、トレッドゴムのゲージが、トレッド部センター領域にて厚く、トレッド部ショルダー領域にて薄くなる傾向がある。すると、タイヤ接地長が、トレッド部センター領域にて長く、トレッド部ショルダー領域にて短くなる。このため、ヒール・アンド・トゥ摩耗などの偏摩耗が、トレッド部センター領域に発生し易いという課題がある。かかる課題を有する従来の更生タイヤとして、特許文献1、2に記載される技術が知られている。
特開2009−269424号公報 特開2002−192912号公報
この発明は、耐偏摩耗性能を向上できる更生タイヤを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかる更生タイヤは、トレッドと台タイヤとを備える更生タイヤであって、前記トレッドが、タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝と、これらの周方向主溝に区画されて成る複数の陸部とをトレッド面に有し、且つ、タイヤ幅方向の最も外側にある左右の前記周方向主溝を最外周方向主溝と呼ぶと共に、前記左右の最外周方向主溝を境界としてトレッド部のセンター領域およびショルダー領域を定義するときに、前記センター領域にある前記陸部が、摩耗初期における前記陸部の摩耗を前記ショルダー領域にある前記陸部の摩耗よりも促進するための表面加工部を踏面に有することを特徴とする。
この発明にかかる更生タイヤでは、センター領域にある陸部が表面加工部を踏面に有することにより、摩耗初期にて、センター領域にある陸部の摩耗が、ショルダー領域にある陸部の摩耗よりも促進される。すると、摩耗初期にて、センター領域の陸部の接地長とショルダー領域の陸部の接地長とが均一化される。これにより、摩耗初期にて発生し易いヒール・アンド・トゥ摩耗などの偏摩耗が、効果的に抑制される利点がある。
図1は、この発明の実施の形態にかかる更生タイヤを示すタイヤ子午線方向の断面図である。 図2は、図1に記載した更生タイヤの表面加工部を示す説明図である。 図3は、図1に記載した更生タイヤの表面加工部を示す説明図である。 図4は、図1に記載した更生タイヤの表面加工部を示す説明図である。 図5は、この発明の実施の形態にかかる更生タイヤの性能試験の結果を示す図表である。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施の形態の構成要素には、発明の同一性を維持しつつ置換可能かつ置換自明なものが含まれる。また、この実施の形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
[更生タイヤ]
図1は、この発明の実施の形態にかかる更生タイヤを示すタイヤ子午線方向の断面図である。同図は、タイヤ径方向の片側領域の断面図を示している。
同図において、タイヤ子午線方向の断面とは、タイヤ回転軸(図示省略)を含む平面でタイヤを切断したときの断面をいう。また、符号CLは、タイヤ赤道面であり、符号Tは、タイヤ接地端である。タイヤ赤道面CLとは、タイヤ回転軸方向にかかるタイヤの中心点を通りタイヤ回転軸に垂直な平面をいう。また、タイヤ幅方向とは、タイヤ回転軸に平行な方向をいい、タイヤ径方向とは、タイヤ回転軸に垂直な方向をいう。
更生タイヤ10は、残溝が寿命に達したタイヤのトレッドゴムを貼り替えて再利用されるタイヤであり、例えば、トラック、バスなどの重荷重用タイヤに用いられる。この更生タイヤ10は、図1に示すように、トレッド20と、台タイヤ30とを備える。また、更生タイヤ10は、後述するように、リモールド方式あるいはプレキュア方式により製造される。
また、図1の構成では、更生タイヤ10が、タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝21、22と、これらの周方向主溝に区画されて成る複数の陸部31〜33とをトレッド面に備えている。また、これらの周方向主溝21、22および陸部31〜33が、タイヤ赤道面CLを中心として左右対称に配置されている。
周方向主溝とは、5.0[mm]以上の溝幅および10.5[mm]以上の溝深さを有する周方向溝をいう。溝幅は、トレッド踏面における溝幅の最大値として測定され、溝開口部に形成された切欠部や面取部を除外して測定される。また、溝深さは、トレッド踏面から溝底までの最大値として測定され、溝底に形成された部分的な凹凸部などを除外して測定される。
[リモールド方式による更生タイヤ]
リモールド方式により製造される更生タイヤ10では、トレッド20が、材料段階にて未加硫のゴムであり、製品段階にて更生タイヤ10のトレッド部を構成する。また、トレッド20が、例えば、ストリップ状の未加硫ゴム、板状の未加硫ゴムなどから構成され得る。
台タイヤ30は、残溝が寿命に達したタイヤのトレッドゴムの一部およびサイドウォールゴムの一部を切除し、その外周面をバフ処理して成形される。
また、更生タイヤ10は、一般的な構成要素として、一対のビードコア11、11と、一対のビードフィラー12、12と、カーカス層13と、複数のベルトプライ141〜144(図1では、高角度ベルト141、一対の交差ベルトプライ142、143およびベルトカバー144)を積層して成るベルト層14と、トレッド部を構成するトレッドゴム15と、左右のサイドウォール部を構成するサイドウォールゴム16、16と、左右のビード部を構成するリムクッションゴム17、17とを備える。これらの構成要素のうち、トレッドゴム15は、主として新たに追加されたトレッド20から成り、他の構成要素は、台タイヤ30に含まれる。
かかるリモールド方式による更生タイヤ10は、以下の工程により製造される(図示省略)。
まず、残溝が寿命に達したタイヤのトレッドゴムが切除され、その外周面にバフ処理が施されて、台タイヤ30が取得される。このバフ処理は、タイヤに内圧を付与した状態で行われる。
次に、トレッド20が、台タイヤ30の外周面に配置される。このとき、(a)ストリップ状の未加硫ゴムが台タイヤ30の外周面に螺旋状に巻き付けられて、トレッド20が形成されても良いし、(b)基礎となる板状のゴム部材が台タイヤ30の外周面に巻き付けられ、その外周にストリップ状の未加硫ゴムが螺旋状に巻き付けられて、トレッド20が形成されても良い。後者(b)の場合には、前者(a)の場合と比較して、トレッド20の設置工程に要する時間を短縮できる。
次に、加硫工程が行われる。この加硫工程では、トレッド20および台タイヤ30の組立体が、タイヤ成形金型を有するタイヤ加硫モールド(図示省略)に充填される。次に、トレッド20および台タイヤ30の組立体が加圧装置により径方向外方に拡張されて、トレッド20がタイヤ成形金型に押圧される。また、トレッド20および台タイヤ30の組立体が加熱されることにより、トレッド20が加硫されて、タイヤ成形金型の形状がトレッド20に転写される。その後に、加硫後のタイヤがタイヤ加硫モールドから取り出される。
[プレキュア方式による更生タイヤ]
一方、プレキュア方式により製造される更生タイヤ10では、トレッド20が、材料段階にて加硫済みのトレッドゴム(プレキュアトレッド)であり、更生タイヤ10のトレッド部を構成する。また、トレッド20が、板状構造あるいは環状構造を有し、その外周面に更生タイヤ10の新品時のトレッドパターンを予め有する。
かかるプレキュア方式による更生タイヤ10は、以下の工程により製造される(図示省略)。
まず、残溝が寿命に達したタイヤのトレッドゴムが切除され、その外周面にバフ処理が施されて、台タイヤ30が取得される。このバフ処理は、タイヤに内圧を付与した状態で行われる。
次に、クッションゴム(図示省略)が、台タイヤ30の外周面の全周に渡って貼り付けられる。クッションゴムは、材料段階にてシート状の未加硫ゴムである。その後に、トレッド20が、台タイヤ30の外周面に配置されてクッションゴムを介して台タイヤ30に接着される。
このとき、トレッド20が板状構造を有する場合には、トレッド20が台タイヤ30を一周して巻き付けられて、固定部材(図示省略)により両端部を仮止めして固定される。一方、トレッド20が環状構造を有する構成では、トレッド20が専用の拡縮径装置(図示省略)により拡径および縮径されて台タイヤ30の外周に嵌め合わされて配置される。
次に、加硫工程が行われる。この加硫工程では、トレッド20および台タイヤ30の組立体が加硫缶(図示省略)に収容されて、加硫缶内の空気が真空吸引され、その後に、加熱および加圧が行われて、クッションゴムが加硫される。その後に、加硫後のタイヤが加硫缶から取り出される。
[センター領域の表面加工部]
近年のトラック・バス用の空気入りタイヤでは、タイヤサイズが低偏平化する傾向にある。このため、更生タイヤにおいても、タイヤサイズが低偏平化しつつある。
ここで、低い偏平率を有する更生タイヤでは、製造工程上、トレッドゴムのゲージが、トレッド部センター領域にて厚く、トレッド部ショルダー領域にて薄くなる傾向がある。すると、タイヤ接地長が、トレッド部センター領域にて長く、トレッド部ショルダー領域にて短くなる。このため、摩耗初期にて発生し易い偏摩耗、特にヒール・アンド・トゥ摩耗などの偏摩耗が、トレッド部センター領域に発生し易いという課題がある。
そこで、この更生タイヤは、かかるトレッド部センター領域の偏摩耗を抑制するために、以下の更生を採用している。
図2〜図4は、図1に記載した更生タイヤの表面加工部を示す説明図である。これらの図において、図2は、更生タイヤ10のトレッド20を示すタイヤ子午線方向の拡大断面図を示している。図3は、陸部31(32)の平面図を示し、図4は、図3に記載した陸部31(32)のA−A視断面図を示している。
ここで、タイヤ幅方向の最も外側にある左右の周方向主溝22、22を最外周方向主溝と呼ぶ。また、左右の最外周方向主溝22、22を境界としてトレッド部のセンター領域およびショルダー領域を定義する。センター領域は、左右の最外周方向主溝22、22よりもタイヤ幅方向内側にある領域であり、ショルダー領域は、左右の最外周方向主溝22、22よりもタイヤ幅方向外側にある領域である。
このとき、センター領域にある陸部31、32が、表面加工部Pを踏面に有する。この表面加工部Pは、摩耗初期にて、センター領域の陸部31、32の摩耗をショルダー領域の陸部33の摩耗よりも促進するために施される。かかる表面加工部Pとしては、例えば、ローレット状あるいは網目状の細溝や、ディンプル、シボなどを採用できる。一方、サイプやカーフなどは、摩耗促進を目的とせず、また、摩耗中期まで残存するため、上記の表面加工部Pには該当しない。
例えば、図2の構成では、4本の周方向主溝21、22がトレッド部に形成され、これらの周方向主溝21、22により5列の陸部31〜33が区画されている。また、周方向溝21、22がタイヤ赤道面CLを中心にして左右対称に配置されている。また、タイヤ幅方向に延在する複数のラグ溝(図示省略)がトレッド面に形成され、これらのラグ溝によりトレッド部センター領域にある陸部31、32がタイヤ周方向に分断されて、複数のブロック(図3参照)から成るブロック列が形成されている。また、センター領域にあるすべての陸部31、32が表面加工部Pを有している。また、センター領域にある陸部31、32の踏面と、ショルダー領域にある陸部33の踏面とが、共通のタイヤプロファイル上にある。したがって、表面加工部Pが、タイヤプロファイルを基準とした凹部から構成されている。
また、図3に示すように、表面加工部Pが、複数の細溝から成り、センター領域にあるすべてのブロック5に施されている。これらの細溝が、ブロックの踏面の全域に施されている。また、これらの細溝が、タイヤ周方向に対して所定の傾斜角θ(図3参照)にて傾斜しつつ、長手方向を揃えて一列に配列されている。また、細溝の傾斜角θが、45[deg]≦θ≦90[deg]の範囲にあることが好ましく、50[deg]≦θ≦85[deg]の範囲にあることがより好ましい。
上記のように、低い偏平率を有する更生タイヤでは、製造工程上、タイヤ接地長がトレッド部センター領域にて長く、トレッド部ショルダー領域にて短くなる傾向がある。これに対して、この更生タイヤ10では、センター領域にある陸部31、32が表面加工部Pを踏面に有することにより、摩耗初期にて、センター領域にある陸部31、32の摩耗が、ショルダー領域にある陸部33の摩耗よりも促進される。すると、摩耗初期にて、センター領域の陸部31、32の接地長とショルダー領域の陸部33の接地長とが均一化される。これにより、摩耗初期にて発生し易いヒール・アンド・トゥ摩耗などの偏摩耗が、効果的に抑制される。そして、摩耗中期以降も、この接地形状が維持されて、タイヤの偏摩耗が効果的に抑制される。
なお、図2の構成では、上記のように、センター領域にあるすべての陸部31、32が表面加工部Pを踏面に有している。かかる構成では、摩耗初期にて、センター領域のすべての陸部31、32を早期に一様に摩耗させ得る点で好ましい。
しかし、これに限らず、センター領域にある一部の陸部31、32のみが表面加工部Pを有し、他の陸部が表面加工部Pを有さないフラットな踏面を備えても良い(図示省略)。例えば、低い偏平率を有することにより広いタイヤ接地幅を有する構成にて、センター領域の中央部にある陸部が表面加工部Pを有し、センター領域にあり最外周方向主溝に隣接する左右の陸部が表面加工部Pを有さないフラットな踏面を備えても良い(図示省略)。
このとき、タイヤ赤道面CLを中心とするタイヤ接地幅の50[%]までの領域にあるすべての陸部31、32が、表面加工部Pを有することが好ましい。一方で、タイヤ赤道面CLを中心とするタイヤ接地幅の80[%]までの領域からタイヤ幅方向外側にある陸部31、32が、表面加工部Pを有さないフラットな踏面を備えることが好ましい。これにより、摩耗初期におけるトレッド部全域の摩耗進行状況を適正に制御できる。
タイヤ接地幅とは、タイヤが規定リムに装着されて規定内圧を付与されると共に静止状態にて平板に対して垂直に置かれて規定荷重に対応する負荷を加えられたときのタイヤと平板との接触面におけるタイヤ軸方向の最大直線距離をいう。
また、図2の構成では、上記のように、センター領域の陸部31、32が複数のブロック(図3参照)から成るブロック列となっている。
しかし、これに限らず、センター領域の陸部31、32がリブであり、その踏面に表面加工部Pを有しても良い。かかる構成としても、表面加工部Pの作用を適正に得られる。また、ショルダー陸部33は、リブであっても良いし、ブロック列であっても良い(図示省略)。
また、図2の構成では、最外周方向主溝22の溝深さD2と、最外周方向主溝22よりもタイヤ幅方向内側にある周方向主溝21の溝深さD1とが、D2<D1の関係を有することが好ましい。また、比D1/D2が、1.1≦D1/D2≦1.2の範囲にあることが好ましい。
上記のように、摩耗初期には、センター領域の陸部31、32が表面加工部Pにより早期に摩耗するため、センター領域の周方向主溝21の溝深さD1の残量が早期に減少する。したがって、最外周方向主溝22の溝深さD2が、センター領域の周方向主溝21の溝深さD1よりも浅い(D2<D1)ことにより、摩耗末期における各周方向主溝21、22の溝深さD1、D2の残量が均一化される。これにより、摩耗末期における各周方向主溝21、22の溝深さD1、D2の残量が均一化されて、イーブンウェアが実現される。
また、図3の構成では、上記のように、表面加工部Pが、陸部31(32)の踏面の全面に施されている。
しかし、これに限らず、表面加工部Pが、陸部31(32)の一部のみに形成されても良い。例えば、表面加工部Pが、陸部31(32)のエッジ部を除く踏面の全域に施されても良い(図示省略)。かかる構成としても、陸部31(32)の踏面の全域が均一に摩耗するので、摩耗初期における表面加工部Pの機能を適正に確保できる。
また、図4において、表面加工部Pの加工深さDが、0.3[mm]≦D≦1.3[mm]の範囲にある。したがって、表面加工部Pは、陸部31、32の表面にのみ形成され、一般的なサイプと比較して、浅い加工深さを有する。これにより、摩耗初期における表面加工部Pの摩耗進行速度を適正化できる。
加工深さDは、表面加工部Pの最大加工深さとして測定される。例えば、表面加工部Pが細溝である場合には、加工深さDが細溝の最大溝深さとなる。
また、図4において、表面加工部Pの加工深さDと、周方向主溝21、22の溝深さD1およびD2とが、0.9≦D/(D1−D2)≦1.2の関係を有することが好ましい。すなわち、表面加工部Pの加工深さDが、最外周方向主溝22の溝深さD2とセンター領域の周方向主溝21の溝深さD1との差D2−D1に対して、略同一に設定される。これにより、摩耗末期における各周方向主溝21、22の溝深さD1、D2の残量を適正に均一化できる。
また、図4において、表面加工部Pの間隔Wが、1.0[mm]≦W≦3.0[mm]の範囲にあることが好ましい。したがって、表面加工部Pは、一般的なサイプと比較して、陸部31、32の踏面に密に配置される。これにより、摩耗初期における表面加工部Pの摩耗進行速度を適正化できる。
間隔Wは、表面加工部Pを構成する要素の配置間隔(ピッチ)として測定される。
さらに、表面加工部Pが細溝である場合には、細溝の溝幅(図示省略)が、0.3[mm]以上0.8[mm]以下の範囲にあることが好ましい。これにより、摩耗初期における表面加工部Pの摩耗進行速度を適正化できる。
また、図2の構成では、表面加工部Pの加工深さDおよび間隔W(図4参照)が、センター領域のすべての陸部31、32で均一に設定されている。
しかし、これに限らず、表面加工部Pの加工深さDおよび間隔Wの少なくとも一方が、タイヤ赤道面CLからタイヤ幅方向外側に向かって変化することが好ましい(図示省略)。例えば、センター領域にある複数の陸部31、32のうちタイヤ赤道面CL側にある陸部31では、表面加工部Pの加工深さDが深く(あるいは間隔Wが狭く)、タイヤ幅方向外側にある陸部32では、表面加工部Pの加工深さDが浅く(あるいは間隔Wが広く)設定される。タイヤ径方向外側に凸となる一般的なタイヤプロファイルを有する構成(図2参照)では、センター領域内にある複数の陸部31、32間にも接地圧差が生じ得る。具体的には、タイヤ赤道面CL側にある陸部31ほど、接地圧が大きい。したがって、上記の構成とすることにより、センター領域にある複数の陸部31、32間の摩耗進行速度を適正化できる。
なお、1つの陸部31(32)内では、表面加工部Pの加工深さDおよび間隔Wが一様に設定されることが好ましい。これにより、陸部内における偏摩耗を抑制できる。
[効果]
以上説明したように、この更生タイヤ10は、トレッド20と台タイヤ30とを備える(図1参照)。また、トレッド20が、タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝21と、これらの周方向主溝21、22に区画されて成る複数の陸部31〜33とをトレッド面に有する(図2参照)。また、センター領域にある陸部31、32が、摩耗初期における陸部31、32の摩耗をショルダー領域にある陸部33の摩耗よりも促進するための表面加工部Pを踏面に有する(図3および図4参照)。
上記のように、低い偏平率を有する更生タイヤでは、製造工程上、タイヤ接地長がトレッド部センター領域にて長く、トレッド部ショルダー領域にて短くなる傾向がある。これに対して、この更生タイヤ10では、センター領域にある陸部31、32が表面加工部Pを踏面に有することにより、摩耗初期にて、センター領域にある陸部31、32の摩耗が、ショルダー領域にある陸部33の摩耗よりも促進される。すると、摩耗初期にて、センター領域の陸部31、32の接地長とショルダー領域の陸部33の接地長とが均一化される。これにより、摩耗初期にて発生し易いヒール・アンド・トゥ摩耗などの偏摩耗が、効果的に抑制される利点がある。
また、この更生タイヤ10では、最外周方向主溝22の溝深さD2と、最外周方向主溝22よりもタイヤ幅方向内側にある周方向主溝21の溝深さD1とが、D2<D1の関係を有する(図2参照)。これにより、摩耗末期における各周方向主溝21、22の溝深さD1、D2の残量を均一化できる利点がある。
また、この更生タイヤ10では、表面加工部Pの加工深さDと、周方向主溝21、22の溝深さD1、D2とが、0.9≦D/(D1−D2)≦1.2の関係を有する(図2参照)。これにより、摩耗末期における各周方向主溝21、22の溝深さD1、D2の残量を適正に均一化できる利点がある。
また、この更生タイヤ10では、表面加工部Pの間隔W(図4参照)が、1.0[mm]≦W≦3.0[mm]の範囲にある。これにより、摩耗初期における表面加工部Pの摩耗進行速度を適正化できる利点がある。すなわち、1.0[mm]≦Wであることにより、陸部31、32の踏面の剛性が適正に確保される。また、W≦3.0[mm]であることにより、陸部31、32の剛性が適正に低減されて、摩耗初期にて陸部31、32が適正に摩耗する。
また、この更生タイヤ10では、表面加工部Pの加工深さD(図4参照)が、D≦1.3[mm]の範囲にある。これにより、摩耗初期における表面加工部Pの摩耗進行速度を適正化できる利点がある。すなわち、0.3≦Dであることにより、陸部31、32の踏面の剛性が適正に確保される。また、D≦1.3[mm]であることにより、陸部31、32の剛性が適正に低減されて、摩耗初期にて陸部31、32が適正に摩耗する。
また、この更生タイヤ10では、表面加工部Pの間隔W(図4参照)が、タイヤ赤道面CLからタイヤ幅方向外側に向かって広くなる(図示省略)。これにより、センター領域にある複数の陸部31、32間の摩耗進行速度を適正化できる利点がある。
また、この更生タイヤ10では、表面加工部Pの加工深さDが、タイヤ赤道面CLからタイヤ幅方向外側に向かって浅くなる(図示省略)。これにより、センター領域にある複数の陸部31、32間の摩耗進行速度を適正化できる利点がある。
また、この更生タイヤ10では、表面加工部Pが、陸部31、32の踏面に形成された複数の細溝である(図3および図4参照)。かかる構成では、陸部31、32の接地圧が効果的に上昇し、また、陸部31、32の踏面の剛性を効果的に低減できる。これにより、摩耗初期における表面加工部Pの摩耗進行速度を適正に制御できる利点がある。
また、この更生タイヤ10では、細溝の溝幅(図4の表面加工部Pの溝幅を参照)が、0.3[mm]以上0.8[mm]以下の範囲にある。これにより、摩耗初期における表面加工部Pの摩耗進行速度を適正化できる利点がある。すなわち、溝幅が0.3[mm]以上であることにより、陸部31、32の踏面の剛性が適正に確保される。また、溝幅が0.8[mm]以下であることにより、陸部31、32の剛性が適正に低減されて、摩耗初期にて陸部31、32が適正に摩耗する。
また、この更生タイヤ10では、細溝のタイヤ周方向に対する傾斜角θ(図3の表面加工部Pの傾斜角θを参照)が、45[deg]≦θ≦90[deg]の範囲にある。これにより、摩耗初期における表面加工部Pの摩耗進行速度を適正化できる利点がある。
[適用対象]
特に、低い偏平率を有する更生タイヤでは、製造工程上、タイヤ接地長がトレッド部センター領域にて長く、トレッド部ショルダー領域にて短くなる傾向があり、センター領域のヒール・アンド・トゥ摩耗が生じ易い。そこで、偏平率70[%]以下の低偏平タイヤを適用対象とすることにより、タイヤの耐偏摩耗性能の向上効果を顕著に得られる利点がある。
図5は、この発明の実施の形態にかかる更生タイヤの性能試験の結果を示す図表である。
この性能試験では、複数種類の試験タイヤについて、耐偏摩耗性能に関する評価が行われた。また、タイヤサイズ275/70R22.5の試験タイヤがJATMA規定の適用リムに組み付けられ、この試験タイヤにJATMA規定の最高空気圧および最大負荷が付与される。また、試験タイヤが、複輪を有する試験車両に装着されて、40,000[km]走行後における各周方向主溝の残量が測定される。そして、最外周方向主溝の残量とセンター領域にある周方向主溝陸部の残量との比が算出されて、従来例を基準(100)とした指数評価が行われる。この評価は、数値が大きいほど、最外周方向主溝の残量とセンター領域にある周方向主溝陸部の残量とが均一であり、好ましい。
実施例1〜12の試験タイヤは、図1〜図4の構成を有し、センター領域の陸部31、32が表面加工部Pを踏面に有する。また、最外周方向主溝22の溝深さD2が、D2=15.5[mm]である。また、実施例11および12の試験タイヤでは、表面加工部Pの加工深さDおよび間隔Wの一方あるいは双方が、タイヤ赤道面CLからタイヤ幅方向外側に向かって大きくなる。
従来例の試験タイヤは、図1〜図4の構成において、陸部が表面加工部Pを備えていない。
試験結果に示すように、実施例1〜12の試験タイヤでは、タイヤの耐偏摩耗性能が効果的に抑制されることが分かる。
10:更生タイヤ、11:ビードコア、141〜144:ベルトプライ、12:ビードフィラー、13:カーカス層、14:ベルト層、15:トレッドゴム、16:サイドウォールゴム、17:リムクッションゴム、20:トレッド、30:台タイヤ、21、22:周方向主溝、31〜33:陸部、4:ブロック、P:表面加工部

Claims (11)

  1. トレッドと台タイヤとを備える更生タイヤであって、
    前記トレッドが、タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝と、これらの周方向主溝に区画されて成る複数の陸部とをトレッド面に有し、且つ、
    タイヤ幅方向の最も外側にある左右の前記周方向主溝を最外周方向主溝と呼ぶと共に、前記左右の最外周方向主溝を境界としてトレッド部のセンター領域およびショルダー領域を定義するときに、
    前記センター領域にある前記陸部が、摩耗初期における前記陸部の摩耗を前記ショルダー領域にある前記陸部の摩耗よりも促進するための表面加工部を踏面に有することを特徴とする更生タイヤ。
  2. 前記最外周方向主溝の溝深さD2と、前記最外周方向主溝よりもタイヤ幅方向内側にある前記周方向主溝の溝深さD1とが、D2<D1の関係を有する請求項1に記載の更生タイヤ。
  3. 前記表面加工部の加工深さDと、前記周方向主溝の溝深さD1、D2とが、0.9≦D/(D1−D2)≦1.2の関係を有する請求項2に記載の更生タイヤ。
  4. 前記表面加工部の間隔Wが、1.0[mm]≦W≦3.0[mm]の範囲にある請求項1〜3のいずれか一つに記載の更生タイヤ。
  5. 前記表面加工部の加工深さDが、0.3≦D≦1.3[mm]の範囲にある請求項1〜4のいずれか一つに記載の更生タイヤ。
  6. 前記表面加工部の間隔Wが、タイヤ赤道面からタイヤ幅方向外側に向かって広くなる請求項1〜5のいずれか一つに記載の更生タイヤ。
  7. 前記表面加工部の加工深さDが、タイヤ赤道面からタイヤ幅方向外側に向かって浅くなる請求項1〜6のいずれか一つに記載の更生タイヤ。
  8. 前記表面加工部が、前記陸部の踏面に形成された複数の細溝である請求項1〜7のいずれか一つに記載の更生タイヤ。
  9. 前記細溝の溝幅が、0.3[mm]以上0.8[mm]以下の範囲にある請求項8に記載の更生タイヤ。
  10. 前記細溝のタイヤ周方向に対する傾斜角θが、45[deg]≦θ≦90[deg]の範囲にある請求項8または9に記載の更生タイヤ。
  11. 70[%]以下の偏平率を有する請求項1〜10のいずれか一つに記載の更生タイヤ。
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