JP2015150779A - 複式筆記具 - Google Patents
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Abstract
Description
一方、各リフィルの筆記先端の突出状態を保つために、各リフィルが軸筒に対して係合する構造を設ける必要がある。たとえば、各リフィルの後端に装着されるノック棒を、軸筒の後方に設けるレール構造に沿ってスライド可能に形成し、そのレール構造の先端にノック棒の後端を係止させることで、当該リフィルの突出状態を保つということが行われている。この場合、そのようなレール構造を形成するための金型構造が複雑になるという問題点がある。さらに、リフィルを軸筒に装着する際、レール構造にノック棒を挿入するという手間も掛かる。
以上の課題を解決すべく、本件出願のうち第1の発明に係る複式筆記具10は、
後端付近に複数本の軸心方向に沿ったスリット24が軸心に対して放射状に配されるとともに先端に開口部21が設けられている軸筒20と、
前記軸筒20の内部の後端面から先端方向に延出するとともに内方に突出する鈎状の後端係止部25と、
前記軸筒20に収容されるとともに前記各スリット24に対応する複数本のリフィル30と、
前記リフィル30の各々の後端に装着されるとともに前記スリット24に沿って前後方向に移動可能なノック棒50と、
前記軸筒20の内部空間を軸方向に対し垂直方向に二分するとともに前記リフィル30が通過する誘導孔27が該リフィル30ごとに設けられている隔壁26と、
前記各ノック棒50の後端側外側から前記スリット24を通過して突出するスライド突起51と、
前記各ノック棒50の後端から後方へ延出するとともに外方に突出した鈎状を呈し前記後端係止部25と係合可能な後端フック52と、
前記各ノック棒50の長手方向に沿って内方に突出する内側突条54と、
前記各ノック棒50の外周に設けられたスプリング受け段差61と前記隔壁26との間に介装される1個のスプリング40と、
を備えるとともに、
前記各リフィル30の筆記先端31がいずれも前記軸筒20内に没入している状態においては、前記各ノック棒50の後端フック52はいずれも前記後端係止部25と係合状態を保ち、
前記各リフィル30のうちのいずれかの筆記先端31が前記軸筒20の前記開口部29から突出している状態においては、当該リフィル30に装着されているノック棒50の後端フック52は前記後端係止部25との係合状態が解かれていることを特徴とする。
すなわち、各リフィル30のうちのいずれかのノック棒50のスライド突起51が先端方向へ押圧されると、当該ノック棒50の後端フック52と後端係止部25との係合状態が解かれることで、当該リフィル30は、各リフィル30共通のスプリング40を圧縮しつつ先端方向へ移動していくこととなる。
この際、他のノック棒50の後端フック52は依然として後端係止部25と係合状態を保っている。よって、スプリング40が圧縮されても他のノック棒50が先端方向へ落下することはない。
(2)第2の発明
前記第1の発明においては、リフィル30の突出状態を保つ構造としては特に限定はなく、公知の方法を用いてもよいが、本件出願の第2の発明においては、前記第1の発明の特徴に加え、
前記各ノック棒50の先端近傍から内方に突出した鈎状を呈し前記誘導孔27の内側と係合可能な先端フック53を備え、
前記各リフィル30のうちのいずれかの筆記先端31が前記軸筒20の前記開口部29から突出している状態においては、当該リフィル30に装着されているノック棒50の先端フック53は前記隔壁26の内側と係合状態を保っていることを特徴とする。
そして、この状態から、他のノック棒50が先端方向に押圧されると、その他のノック棒50の内側突条54が、突出しているリフィル30に係る内側突条54を外方へ跳ね上げることとなる。それにより、先端フック53も外方へ移動することで、誘導孔27との係合が解かれる。そのため、スプリング40の復元により、当該リフィル30は後方へ復帰することとなり、その筆記先端31は軸筒20内に没入することとなる。
本件発明の第3の発明は、上記第1又は第2の発明の特徴に加え、
前記各ノック棒50の外側に外挿される筒状のスプリング受け筒60を備えるとともに、
前記スプリング受け段差61は、前記スプリング受け筒60の先端縁として形成されていることを特徴とする。
すなわち、任意のノック棒50が先端方向に押圧された場合に、まずスプリング受け筒60を先端方向へ移動させることになり、それを介してスプリング40が圧縮されることになるため、スプリング40がそのノック棒50に対応する位置だけで押圧されるようなことがなく、全周にわたってスプリング受け筒60により押圧されることが可能となる。
本発明に係る複式筆記具10は、図1に示すような外観を呈する。すなわち、先端から、それぞれ略円筒状の先軸21、中軸22及び後軸23が結合した軸筒20が形成され、その中に図1では視認できないリフィル30が4本収納されている。
先軸21は、先細に形成されたテーパー部21aと、それ以外の部分であってユーザーにより把持される部分であるグリップ部21bからなる。先軸21の後端部分は縮径した前方雄ネジ部21cに形成されており、中軸22の先端内面に形成された前方雌ネジ部22aと螺合する(図2及び図3参照)。テーパー部21aの先端は開口しており、この開口部29(図2及び図3参照)から収納されたリフィル30の先端が出没する。
図2及び図3は、図1(B)におけるA−A断面及びB−B断面をそれぞれ示している。軸筒20の内部には、リフィル30が4本収納されている。各リフィル30は、インクを収容するインク収容管33と、その先端に装着される継手32と、その継手32の先端に装着される筆記先端31としてのボールペンチップとにより構成されている。一方、各リフィル30の後端はノック棒50と接続している。さらに、中軸22の途中には軸筒20の内部空間を前後に2分する隔壁26が設けられている。この隔壁26には、各リフィル30を誘導する誘導孔27が計4個設けられている。この誘導孔27は、図4に示すように、軸心付近から周方向へ延びる2つの直線部27aと、各直線部27aの周端を円弧で結ぶ弧状部27bとにより略扇形を呈している。
このノック棒成形体70は、図7(A)に示す成形状態から、図7(B)に示すように連結体71を中心としてランナー72の部分で各ノック棒50を軸心方向へ寄せるように折り曲げ、図7(C)に示すように4本のノック棒50がひとまとめにされる。この状態では各ノック棒50はランナー72を介して連結体71と連結した状態を保っている。
図1〜3に示す状態では、各リフィル30の筆記先端31は軸筒20内に没入した状態を保っている。このとき、各ノック棒50の後端フック52はそれぞれ後軸23内部の後端係止部25と係合している(図2及び図3参照)。すなわち、先端を下向きにすると、各ノック棒50は後端係止部25により吊り下げられているような状態をとることになる。
20 軸筒 21 先軸 21a テーパー部
21b グリップ部 21c 前方雄ネジ部 22 中軸
22a 前方雌ネジ部 22b 後方雌ネジ部 23 後軸
23a 後方雄ネジ部 24 スリット 25 後端係止部
26 隔壁 27 誘導孔 27a 直線部
27b 弧状部 28 クリップ 29 開口部
30 リフィル 31 筆記先端 32 継手
33 インク収容管
40 スプリング
50 ノック棒 51 スライド突起 52 後端フック
53 先端フック 54 内側突条 55 接続部
60 スプリング受け筒 61 スプリング受け段差
70 ノック棒成形体 71 連結体 72 ランナー
Claims (3)
- 後端付近に複数本の軸心方向に沿ったスリットが軸心に対して放射状に配されるとともに先端に開口部が設けられている軸筒と、
前記軸筒の内部の後端面から先端方向に延出するとともに内方に突出する鈎状の後端係止部と、
前記軸筒に収容されるとともに前記各スリットに対応する複数本のリフィルと、
前記リフィルの各々の後端に装着されるとともに前記スリットに沿って前後方向に移動可能なノック棒と、
前記軸筒の内部空間を軸方向に対し垂直方向に二分するとともに前記リフィルが通過する誘導孔が該リフィルごとに設けられている隔壁と、
前記各ノック棒の後端側外側から前記スリットを通過して突出するスライド突起と、
前記各ノック棒の後端から後方へ延出するとともに外方に突出した鈎状を呈し前記後端係止部と係合可能な後端フックと、
前記各ノック棒の長手方向に沿って内方に突出する内側突条と、
前記各ノック棒の外周に設けられたスプリング受け段差と前記隔壁との間に介装される1個のスプリングと、
を備えるとともに、
前記各リフィルの筆記先端がいずれも前記軸筒内に没入している状態においては、前記各ノック棒の後端フックはいずれも前記後端係止部と係合状態を保ち、
前記各リフィルのうちのいずれかの筆記先端が前記軸筒の前記開口部から突出している状態においては、当該リフィルに装着されているノック棒の後端フックは前記後端係止部との係合状態が解かれていることを特徴とする複式筆記具。 - 前記各ノック棒の先端近傍から内方に突出した鈎状を呈し前記誘導孔の内側と係合可能な先端フックを備え、
前記各リフィルのうちのいずれかの筆記先端が前記軸筒の前記開口部から突出している状態においては、当該リフィルに装着されているノック棒の先端フックは前記隔壁の内側と係合状態を保っていることを特徴とする請求項1記載の複式筆記具。 - 前記各ノック棒の外側に外挿される筒状のスプリング受け筒を備えるとともに、
前記スプリング受け段差は、前記スプリング受け筒の先端縁として形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の複式筆記具。
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JP2016068494A (ja) * | 2014-09-30 | 2016-05-09 | ゼブラ株式会社 | 複数出没式筆記具 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4996820A (ja) * | 1972-12-26 | 1974-09-13 | ||
JP2005246871A (ja) * | 2004-03-05 | 2005-09-15 | Kotobuki Insatsu Shiko Kk | 複合軸体保持具 |
JP2010076281A (ja) * | 2008-09-26 | 2010-04-08 | Mitsubishi Pencil Co Ltd | 複式筆記具 |
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2014
- 2014-02-14 JP JP2014026501A patent/JP6345941B2/ja active Active
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