JP2015149418A - 電子装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】リフロー処理時の加熱温度を低下させつつ高温環境下でも使用可能な電子装置およびその製造方法を提供する。【解決手段】電子部品30の端子31とプリント基板20のランド23とはんだ接続するはんだ40は、ランド23に接触する高融点はんだ41と端子31に接触する低融点はんだ42とを接触させた状態で加熱することで、両はんだ41,42が融合して形成される。そして、低融点はんだ42は、低融点化金属としてビスマスが含有されることで、低融点金属層として機能し、高融点はんだ41は、低融点化金属が含まれないことで低融点はんだ42よりも融点が高い高融点金属層として機能する。【選択図】図4
Description
本発明は、電子部品の端子がプリント基板のランドにはんだ接続される電子装置およびその製造方法に関するものである。
一般に、電子部品が実装されるプリント基板では、電子部品の端子と基板面のランドとの電気的接続にはんだが用いられる。このようなはんだ接続において、鉛フリーはんだなど比較的融点が高い高融点はんだは、リフロー温度を高温にする必要があるため、部品耐熱が低い電子部品に採用することが困難であるという問題がある。
この問題を解決するための技術として、例えば、下記特許文献1に開示される電子部品の実装方法が知られている。この電子部品の実装方法では、回路基板の所定の基板電極上にクリームはんだをコーティングした後に、弱耐熱性電子部品を除く他の一般電子部品を所定箇所のクリームはんだ上に装着した状態にてリフロー処理することで、一般電子部品のはんだ付けを行う。このとき、弱耐熱性電子部品用のクリームはんだが予備はんだとして形成される。この予備はんだ上に弱耐熱性電子部品の端子を装着した状態で、400℃程度に加熱された加熱ツールにより予備はんだを再溶融させることで、弱耐熱性電子部品のはんだ付けを行う。これにより、弱耐熱性電子部品にリフロー処理時の熱が影響することを防止している。
ところで、上記特許文献1に開示されるような加熱ツールを用いる製造方法では、加熱ツール動作等の工程が増えるために、製造コストが増加するだけでなく製造時間が長くなるという問題がある。また、ビスマス(Bi)等を比較的高い比率で含有させた低融点はんだであれば、リフロー処理に必要な加熱温度を低くできるため、部品耐熱が低い電子部品に採用することもできるが、電子装置が車両のエンジンルームなど高温環境で使用される場合には、低融点はんだが溶けてしまう可能性がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、リフロー処理時の加熱温度を低下させつつ高温環境下でも使用可能な電子装置およびその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明は、電子部品(30,30a)の端子(31)がプリント基板(20,20a)のランド(23)にはんだ接続される電子装置(10)であって、前記はんだ(40)は、前記ランドに接触する第1金属層と前記端子に接触する第2金属層とを接触させた状態で加熱することで両金属層が融合して形成され、前記第1金属層および前記第2金属層のうち、一方は、融点を低下させるための低融点化金属が含有される低融点金属層(42,44)であり、他方は、前記低融点化金属が含まれないことで前記低融点金属層よりも融点が高い高融点金属層(41,43)であることを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、電子部品(30,30a)の端子(31)がプリント基板(20,20a)のランド(23)にはんだ接続される電子装置(10)の製造方法であって、前記ランドが形成された前記プリント基板を用意する第1工程と、前記ランド上に第1金属層を配置する第2工程と、前記第1金属層上に第2金属層を配置する第3工程と、前記端子を対応する前記ランド上の前記第2金属層に接触させるように前記電子部品を前記プリント基板に搭載する第4工程と、所定の温度(Tp)に加熱することで前記第1金属層および前記第2金属層が融合して形成されるはんだ(40)により前記端子と前記ランドとをはんだ接続する第5工程と、を備え、前記第1金属層および前記第2金属層のうち、一方は、融点を低下させるための低融点化金属が含有される低融点金属層(42,44)であり、他方は、前記低融点化金属が含まれないことで前記低融点金属層よりも融点が高い高融点金属層(41,43)であることを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、電子部品(30,30a)の端子(31)がプリント基板(20,20a)のランド(23)にはんだ接続される電子装置(10)の製造方法であって、前記ランドが形成された前記プリント基板を用意する第1工程と、前記ランド上に第1金属層を配置する第2工程と、前記端子に対して第2金属層を配置する第3工程と、前記第2金属層を対応する前記第1金属層に接触させるように前記電子部品を前記プリント基板に搭載する第4工程と、所定の温度(Tp)に加熱することで前記第1金属層および前記第2金属層が融合して形成されるはんだ(40)により前記端子と前記ランドとをはんだ接続する第5工程と、を備え、前記第1金属層および前記第2金属層のうち、一方は、融点を低下させるための低融点化金属が含有される低融点金属層(42,44)であり、他方は、前記低融点化金属が含まれないことで前記低融点金属層よりも融点が高い高融点金属層(41,43)であることを特徴とする。
なお、特許請求の範囲および上記手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
なお、特許請求の範囲および上記手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
請求項1の発明では、電子部品の端子とプリント基板のランドとはんだ接続するはんだは、ランドに接触する第1金属層と端子に接触する第2金属層とを接触させた状態で加熱することで、両金属層が融合して形成される。そして、第1金属層および第2金属層のうち、一方は、低融点化金属が含有される低融点金属層であり、他方は、低融点化金属が含まれないことで低融点金属層よりも融点が高い高融点金属層である。
請求項6の発明では、第1工程によりランドが形成されたプリント基板が用意され、第2工程によりランド上に第1金属層が配置され、第3工程により第1金属層上に第2金属層が配置され、第4工程により端子を対応するランド上の第2金属層に接触させるように電子部品がプリント基板に搭載され、第5工程により所定の温度に加熱することで第1金属層および第2金属層が融合して形成されるはんだにより端子とランドとがはんだ接続される。そして、第1金属層および第2金属層のうち、一方は、低融点化金属が含有される低融点金属層であり、他方は、低融点化金属が含まれないことで低融点金属層よりも融点が高い高融点金属層である。
また、請求項7の発明では、第1工程によりランドが形成されたプリント基板が用意され、第2工程によりランド上に第1金属層が配置され、第3工程により端子に対して第2金属層が配置され、第4工程により第2金属層を対応する第1金属層に接触させるように電子部品がプリント基板に搭載され、第5工程により所定の温度に加熱することで第1金属層および第2金属層が融合して形成されるはんだにより端子とランドとがはんだ接続される。そして、第1金属層および第2金属層のうち、一方は、低融点化金属が含有される低融点金属層であり、他方は、低融点化金属が含まれないことで低融点金属層よりも融点が高い高融点金属層である。
これにより、第1金属層と第2金属層とを融合させてはんだ接続するリフロー処理時(第5工程時)には、低融点金属層の融点を超える程度の比較的低い温度(高融点金属層の融点よりも低い温度)ではんだ接続できるので、リフロー処理時の加熱温度を低下させることができる。そして、上記リフロー処理時には、低融点金属層に含有される低融点化金属が高融点金属層に拡散して低融点化金属の濃度が低下するため、低融点金属層部分の融点が融合前の低融点金属層の融点よりも高くなる。すなわち、両金属層が融合して形成されるはんだの融点を高くすることができる。したがって、リフロー処理時の加熱温度を低下させつつ高温環境下でも使用可能な電子装置およびその製造方法を実現することができる。
以下、本発明に係る電子装置およびその製造方法を具現化した一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示す電子装置10は、比較的高温になりやすい使用環境にて使用されており、例えば、車両に搭載されたエンジン等の車載機器を制御する電子制御装置(Electronic Control Unit)として構成されている。電子装置10は、筐体11内にプリント基板20や他の基板等を収容して構成されている。プリント基板20の実装面21には、ソルダレジスト22から露出するランド等にはんだ接続されて、電子部品30や外部コネクタ12等が実装されている。
図1に示す電子装置10は、比較的高温になりやすい使用環境にて使用されており、例えば、車両に搭載されたエンジン等の車載機器を制御する電子制御装置(Electronic Control Unit)として構成されている。電子装置10は、筐体11内にプリント基板20や他の基板等を収容して構成されている。プリント基板20の実装面21には、ソルダレジスト22から露出するランド等にはんだ接続されて、電子部品30や外部コネクタ12等が実装されている。
電子部品30は、例えば、積層セラミックコンデンサであって、図2に示すように、その端子31にて、プリント基板20のランド23に対して、はんだ40を用いてはんだ接続されている。
次に、電子装置10の製造方法の一部として、電子部品30をプリント基板20にはんだ接続する工程について、図3〜図5を用いて詳細に説明する。なお、図3および図4は、電子部品30をプリント基板20に実装する製造工程を説明するための説明図である。図5は、図3(C)の状態での高融点はんだ41を上面から見た上面図である。
まず、図3(A)に示すように、実装面21に設けられるソルダレジスト22から各ランド23が露出するように配置されるプリント基板20を用意する。なお、図3(A)に示す工程は、「第1工程」の一例に相当し得る。
次に、図3(B)に示すように、各ランド23上に高融点はんだ41をプリコートする。本実施形態では、高融点はんだ41として採用されるSn−3Ag−0.5Cuはんだ(融点219℃)が、厚さ40μmのペースト状にてランド23上に配置される。なお、図3(B)に示す工程は、「第2工程」の一例に相当し、高融点はんだ41は、「第1金属層」の一例に相当し得る。
なお、高融点はんだ41として、Sn−3Ag−0.5Cuはんだに限らず、ビスマス(Bi)等の融点を低下させやすい低融点化金属を含まない他の組成の高融点のはんだ(Sn、Sn−Ag系)を採用してもよい。また、プリコート方法として、はんだペーストを採用することに限らず、例えば、めっき法や溶融はんだ浸漬法を採用してもよい。また、高融点はんだ41の厚さは、40μmに設定されることに限らず、後述するように融合して形成されるはんだ40に求められる融点に応じて、例えば、25μm〜75μmに設定されてもよい。
次に、図3(C)および図5に示すように、高融点はんだ41の表面41aに表面が凸凹した治具を押し当てることで、その表面41aを凸凹状に形成し、さらに表面41aの外縁に内側よりも高くなる凸部41bを形成する。この表面41aの凸凹状部は、後述する低融点はんだ42との接触面積を増やすために形成されもので、外縁の凸部41bは、溶融した低融点はんだ42が表面41aから流れ落ちることを防止するために形成されるものである。
次に、図4(A)に示すように、高融点はんだ41上に低融点はんだ42を配置する。低融点はんだ42は、融点を低下させるための低融点化金属が含有されて構成されるもので、本実施形態では、低融点化金属としてビスマス(Bi)が採用されている。このため、低融点はんだ42として、Sn−58Biはんだ(融点139℃)が採用されている。低融点はんだ42は、厚さ20μmのペースト状にてランド23上に配置される。なお、図4(A)に示す工程は、「第3工程」の一例に相当し、低融点はんだ42は、「第2金属層」の一例に相当し得る。
なお、低融点はんだ42として、Sn−58Biはんだに限らず、ビスマス(Bi)を含む他の組成の低融点のはんだ(例えば、Sn−XBi:X=40〜58)を採用してもよい。また、低融点はんだ42の厚さは、20μmに設定されることに限らず、後述するように融合して形成されるはんだ40に求められる融点に応じて設定することができる。
次に、図4(B)に示すように、端子31を対応するランド23上の低融点はんだ42に接触させるように電子部品30をプリント基板20に搭載(マウント)する。なお、図4(B)に示す工程は、「第4工程」の一例に相当し得る。
次に、リフロー炉にてリフロー処理することにより、所定の温度に加熱することで、図4(C)に示すように、高融点はんだ41と低融点はんだ42とを融合させて形成されるはんだ40により端子31とランド23とをはんだ接続する。なお、図4(C)に示す工程は、「第5工程」の一例に相当し得る。
ここで、高融点はんだ41および低融点はんだ42の融合により形成されるはんだ40について、図6〜図11を用いて説明する。なお、図6は、リフロー処理時の加熱温度Tの時間変化(リフロープロファイル)を示すグラフである。図7は、高融点はんだ41および低融点はんだ42の融合体の融点の変化を説明するための状態図である。図8は、両はんだ41,42の厚さの比率と融合後のはんだ40のBi含有量との関係を示す図表である。図9は、評価対象の電子部品30aとプリント基板20aとの構成を示す拡大断面図である。図10は、ピーク温度Tpおよびピーク温度保持時間tpとBi拡散領域45の広がりとの関係を示す説明図であり、図10(A)は、ピーク温度Tpが175℃、ピーク温度保持時間tpが30秒でのBi拡散領域45の拡散状態を示し、図10(B)は、ピーク温度Tpが200℃、ピーク温度保持時間tpが120秒でのBi拡散領域45の拡散状態を示す。図11は、ピーク温度保持時間tpと電子装置の故障率との関係を示すグラフである。
リフロー処理では、図6に示すように、熱容量等に起因する温度上昇のばらつきの影響を抑制するため、一旦、低融点はんだ42の融点よりも低い温度(図6にて符号Tuにて示す)まで加熱した後に、ピーク温度Tpまで加熱する。このピーク温度Tpは、低融点はんだ42の融点T2(例えば、139℃)以上であって、高融点はんだ41の融点T1(例えば、219℃)未満、具体的には、図6に例示するように、200℃に設定される。そして、加熱温度Tがピーク温度Tpに到達するとこの過熱状態(ピーク温度Tp±5℃)が一定時間(以下、ピーク温度保持時間tpともいう)維持される。本実施形態では、一般的なピーク温度保持時間よりも長い時間が設定されており、ピーク温度保持時間tpとして、図6に例示するように、120秒が採用されている。
高融点はんだ41および低融点はんだ42が接触した状態で上記ピーク温度Tpにて加熱されると、溶融した低融点はんだ42が高融点はんだ41と融合する際に、この低融点はんだ42に低融点化金属として含まれるビスマスが高融点はんだ41に拡散する。このため、低融点はんだ42部分のビスマスの濃度が低下するので、低融点はんだ42部分の融点が融合前の低融点はんだ42の融点よりも高くなる。すなわち、高融点はんだ41および低融点はんだ42が融合して形成されるはんだ40の融点が、低融点はんだ42の融点よりも高くなる。
図7に例示するように、符号P2にて示す融合前の低融点はんだ42は、融点が139℃であるが、上述のようなビスマスの拡散によりBi含有量が21%(wt%)以下になると、その融点が高くなる(図7の矢印X2参照)。一方で、図7の符号P1にて示す融合前の高融点はんだ41は、融点が219℃であるが、ビスマスが拡散してくることでBi含有量が増加すると、融点が低くなる(図7の矢印X1参照)。すなわち、高融点はんだ41および低融点はんだ42の融合体であるはんだ40の融点は、図7の符号P0にて示すように、低融点はんだ42の融点よりも高く、高融点はんだ41の融点よりも低くなる。
ここで、高融点はんだ41と低融点はんだ42との厚さの比率について、図8を参照して説明する。なお、図8では、例えば、高融点はんだ41としてSn−3Ag−0.5Cuはんだが採用され、低融点はんだ42としてSn−58Biはんだが採用される場合に、高融点はんだ41の厚さと低融点はんだ42の厚さの比率を2:1にすると、融合後のはんだ40のBi含有量が19.3%になることを示している。
図7からわかるように、融合後のはんだ40のBi含有量を21%未満にすることで、はんだ40の融点を高めることができる。2種類の高融点はんだと2種類の低融点はんだとの組み合わせについて、厚さの比率を変えてBi含有量を計算した結果を図8に示す。図8からわかるように、どの組み合わせでも高融点はんだ41の厚さを低融点はんだ42の厚さの2倍以上にすることで、はんだ40のBi含有量を21%よりもさらに小さくすることができる。このように、Bi含有量の観点から、高融点はんだ41と低融点はんだ42との厚さの比率は、高融点はんだ41の厚さが低融点はんだ42の厚さの2倍以上とすることが望ましい。このため、本実施形態では、高融点はんだ41の厚さが低融点はんだ42の厚さの2倍となるように設定されている。
また、融合後のはんだ40の状態を評価するために行った評価結果について、図9および図10を用いて以下に説明する。
図9に示すように、評価対象の電子部品としてBGA(Ball Grid Array)型の電子部品30aを用意し、この電子部品30aの端子に高融点はんだ43として構成されるはんだバンプを形成する。この高融点はんだ43は、上述した高融点はんだ41と同様にSn−3Ag−0.5Cuはんだ(融点219℃)により構成されている。また、プリント基板20aのランド23上に低融点はんだ44をペースト状に配置する。この低融点はんだ44は、上述した低融点はんだ42と同様にSn−58Biはんだ(融点139℃)により構成されている。
図9に示すように、評価対象の電子部品としてBGA(Ball Grid Array)型の電子部品30aを用意し、この電子部品30aの端子に高融点はんだ43として構成されるはんだバンプを形成する。この高融点はんだ43は、上述した高融点はんだ41と同様にSn−3Ag−0.5Cuはんだ(融点219℃)により構成されている。また、プリント基板20aのランド23上に低融点はんだ44をペースト状に配置する。この低融点はんだ44は、上述した低融点はんだ42と同様にSn−58Biはんだ(融点139℃)により構成されている。
そして、高融点はんだ43を対応する低融点はんだ44に接触させるように電子部品30aをプリント基板20aに搭載(マウント)した後に、リフロー処理を行う。このとき、ピーク温度Tpが175℃、ピーク温度保持時間tpが30秒となる加熱状態でリフロー処理を行うと、低融点はんだ44に含まれるビスマスが高融点はんだ43に拡散することで、図10(A)に例示するようなBi拡散領域45が形成される。また、ピーク温度Tpが200℃、ピーク温度保持時間tpが120秒となる加熱状態でリフロー処理を行うと、図10(B)に例示するように、図10(A)の状態よりもBi拡散領域45が広くなる。
Bi拡散領域45は、融点変化領域に相当するものであり、この領域が広がるほど低融点はんだ44部分の融点が高くなる。このように、ピーク温度Tpおよびピーク温度保持時間tpに応じてBi拡散領域45の広がりが変化するため、ピーク温度Tpおよびピーク温度保持時間tpを適切な値に設定する必要がある。
また、ピーク温度保持時間tpを変化させると、電子装置10の故障率が変化する。例えば、あるピーク温度Tpにおいて、図11に示すように、ピーク温度保持時間tpを変化させると、ピーク温度保持時間tpが所定の下限値(図11の例では60秒)未満となるか所定の上限値(図11の例では240秒)を超えると、故障率が高くなる。ピーク温度保持時間tpが所定の下限値未満では、高融点はんだ41と低融点はんだ42との融合不足により、高温環境下で使用されることで低融点はんだ42部分が溶融するために生じる接続不良等に起因して故障率が高くなる。また、ピーク温度保持時間tpが所定の上限値を超えると、電子部品30の耐熱保障領域を超える加熱のために故障率が高くなる。このため、故障率を目標不良率より小さくするためにも、ピーク温度Tpおよびピーク温度保持時間tpを適切な値に設定する必要がある。
以上説明したように、本実施形態に係る電子装置10では、電子部品30の端子31とプリント基板20のランド23とはんだ接続するはんだ40は、ランド23に接触する高融点はんだ41と端子31に接触する低融点はんだ42とを接触させた状態で加熱することで、両はんだ41,42が融合して形成される。
また、本実施形態に係る電子装置10の製造方法では、図3(A)に示す工程(第1工程)によりランド23が形成されたプリント基板20が用意され、図3(B)に示す工程(第2工程)によりランド23上に高融点はんだ41aが配置され、図4(A)に示す工程(第3工程)により高融点はんだ41上に低融点はんだ42が配置され、図4(B)に示す工程(第4工程)により端子31を対応するランド23上の低融点はんだ42に接触させるように電子部品30がプリント基板20に搭載され、図4(C)に示す工程(第5工程)により所定の温度(ピーク温度Tp)に加熱することで高融点はんだ41および低融点はんだ42が融合して形成されるはんだ40により端子31とランド23とがはんだ接続される。
そして、低融点はんだ42は、低融点化金属としてビスマスが含有されることで、低融点金属層として機能し、高融点はんだ41は、低融点化金属が含まれないことで低融点はんだ42よりも融点が高い高融点金属層として機能する。
これにより、高融点はんだ41と低融点はんだ42とを融合させてはんだ接続するリフロー処理時には、低融点はんだ42の融点を超える程度の比較的低い温度(高融点はんだ41の融点よりも低い温度)ではんだ接続できるので、リフロー処理時の加熱温度を低下させることができる。そして、上記リフロー処理時には、低融点はんだ42に含有されるビスマス(低融点化金属)が高融点はんだ41に拡散してその濃度が低下するため、低融点はんだ42部分の融点が融合前の低融点はんだ42aの融点よりも高くなる。すなわち、両はんだ41,42が融合して形成されるはんだ40の融点を高くすることができる。したがって、リフロー処理時の加熱温度を低下させつつ高温環境下でも使用可能な電子装置を実現することができる。
また、はんだ40を形成するために必要な量のはんだ供給を2回に分けて行うことから、1回のはんだ供給量を減らすことができ、微細部品への安定したはんだ供給を実現することができる。
また、高融点はんだ41の低融点はんだ42側の表面41aが凸凹状に形成されるため、表面41aが平面状に形成される場合と比較して、低融点はんだ42との接触面積を増やすことができる。このため、両はんだ41,42の融合が促進されるとともにビスマスが高融点はんだ41に拡散しやすくなり、はんだ40について融点が比較的低くなる部分の発生が抑制されるだけでなく、ビスマスの拡散に必要な時間を短縮することができる。
さらに、高融点はんだ41の低融点はんだ42側の表面41aの外縁には、内側よりも高くなる凸部41bが形成されるため、溶融した低融点はんだ42が表面41aから流れ落ちることを防止することができる。
また、高融点はんだ41の厚さは、低融点はんだ42の厚さの2倍に設定されているため、はんだ40のBi含有量が21%未満になり、ビスマスを拡散させて形成されるはんだ40の融点を確実に高めることができる。また、高融点はんだ41の厚さを、低融点はんだ42の厚さの2倍以上に調整することで、はんだ40のBi含有量を21%よりもさらに小さくして、ビスマスを拡散させて形成されるはんだ40の融点をさらに高めるように調整することができる。
なお、上記実施形態の第1変形例として、ランド23上に低融点はんだ42を配置した後、この低融点はんだ42上に高融点はんだ41を配置し、両はんだ41,42を融合することではんだ40を形成してもよい。このようにしても、両はんだ41,42が融合して形成されるはんだ40の融点を低融点はんだ42の融点よりも高くすることができるので、リフロー処理時の加熱温度を低下させつつ高温環境下でも使用可能な電子装置を実現することができる。この場合、高融点はんだ41は、「第2金属層」の一例に相当し、低融点はんだ42は、「第1金属層」の一例に相当し得る。
また、上記実施形態の第2変形例として、ランド23上に配置された高融点はんだ41上に低融点はんだ42を配置することで、両はんだ41,42を接触させた状態でリフロー処理を行うことに限らず、ランド23上に配置された低融点はんだと電子部品の端子に配置された高融点はんだとを接触させた状態でリフロー処理を行ってもよい。具体的には、図9に例示するようなBGA型の電子部品30aの端子に形成されるはんだバンプに高融点はんだを採用することで、この高融点はんだとランド23上の低融点はんだとを接触させた状態でリフロー処理を行ってもよい。
すなわち、図9の例では、ランド23が形成されたプリント基板20aを用意し(第1工程)、ランド23上に低融点はんだ44を配置し(第2工程)、端子に対して高融点はんだ43を配置し(第3工程)、高融点はんだ43を対応する低融点はんだ44に接触させるように電子部品30aをプリント基板20aに搭載し(第4工程)、所定の温度(ピーク温度Tp)に加熱することで高融点はんだ43および低融点はんだ44が融合して形成されるはんだ40により端子とランド23とをはんだ接続する(第5工程)。この図9の例では、低融点はんだ44は、低融点化金属としてビスマスが含有されることで、低融点金属層として機能し、「第1金属層」の一例に相当し得る。また、高融点はんだ43は、低融点化金属が含まれないことで低融点はんだ42よりも融点が高い高融点金属層として機能し、「第2金属層」の一例に相当し得る。
このようにしても、両はんだ43,44が融合して形成されるはんだ40の融点を高くすることができるので、リフロー処理時の加熱温度を低下させつつ高温環境下でも使用可能な電子装置を実現することができる。
また、上記第2変形例のさらなる変形例として、ランド23上に高融点はんだ43を配置するとともに端子に対して低融点はんだ44を配置し、低融点はんだ44を対応する高融点はんだ43に接触させるように電子部品30aをプリント基板20aに搭載し、この状態で両はんだ43,44を融合することではんだ40を形成してもよい。このようにしても、両はんだ43,44が融合して形成されるはんだ40の融点を高くすることができるので、リフロー処理時の加熱温度を低下させつつ高温環境下でも使用可能な電子装置を実現することができる。この場合、高融点はんだ43は、「第1金属層」の一例に相当し、低融点はんだ44は、「第2金属層」の一例に相当し得る。
なお、本発明は上記実施形態および各変形例に限定されるものではなく、例えば、以下のように具体化してもよい。
(1)本発明の特徴的構成は、車両用の電子制御装置に適用されることに限らず、比較的高温になりやすい使用環境にて使用される電子装置に適用されてもよい。
(1)本発明の特徴的構成は、車両用の電子制御装置に適用されることに限らず、比較的高温になりやすい使用環境にて使用される電子装置に適用されてもよい。
(2)高融点はんだ41の表面41aは、凸凹状に形成されることに限らず、低融点はんだ42との接触面積を増やすための形状であればよい。また、高融点はんだ41の表面41aは、溶融した低融点はんだ42が表面41aから流れ落ちる影響がなければ平面状に形成されてもよい。
10…電子装置
20,20a…プリント基板
23…ランド
30,30a…電子部品
31…端子
40…はんだ
41,43…高融点はんだ(高融点金属層)
42,44…低融点はんだ(低融点金属層)
20,20a…プリント基板
23…ランド
30,30a…電子部品
31…端子
40…はんだ
41,43…高融点はんだ(高融点金属層)
42,44…低融点はんだ(低融点金属層)
Claims (12)
- 電子部品(30,30a)の端子(31)がプリント基板(20,20a)のランド(23)にはんだ接続される電子装置(10)であって、
前記はんだ(40)は、前記ランドに接触する第1金属層と前記端子に接触する第2金属層とを接触させた状態で加熱することで両金属層が融合して形成され、
前記第1金属層および前記第2金属層のうち、一方は、融点を低下させるための低融点化金属が含有される低融点金属層(42,44)であり、他方は、前記低融点化金属が含まれないことで前記低融点金属層よりも融点が高い高融点金属層(41,43)であることを特徴とする電子装置。 - 前記低融点化金属は、ビスマスであることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
- 前記第1金属層の第2金属層側の面(41a)が凸凹状に形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の電子装置。
- 前記第1金属層の第2金属層側の面の外縁には、内側よりも高くなる凸部(41b)が形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子装置。
- 前記高融点金属層の厚さは、前記低融点金属層の厚さの2倍以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子装置。
- 電子部品(30,30a)の端子(31)がプリント基板(20,20a)のランド(23)にはんだ接続される電子装置(10)の製造方法であって、
前記ランドが形成された前記プリント基板を用意する第1工程と、
前記ランド上に第1金属層を配置する第2工程と、
前記第1金属層上に第2金属層を配置する第3工程と、
前記端子を対応する前記ランド上の前記第2金属層に接触させるように前記電子部品を前記プリント基板に搭載する第4工程と、
所定の温度(Tp)に加熱することで前記第1金属層および前記第2金属層が融合して形成されるはんだ(40)により前記端子と前記ランドとをはんだ接続する第5工程と、
を備え、
前記第1金属層および前記第2金属層のうち、一方は、融点を低下させるための低融点化金属が含有される低融点金属層(42,44)であり、他方は、前記低融点化金属が含まれないことで前記低融点金属層よりも融点が高い高融点金属層(41,43)であることを特徴とする電子装置の製造方法。 - 電子部品(30,30a)の端子(31)がプリント基板(20,20a)のランド(23)にはんだ接続される電子装置(10)の製造方法であって、
前記ランドが形成された前記プリント基板を用意する第1工程と、
前記ランド上に第1金属層を配置する第2工程と、
前記端子に対して第2金属層を配置する第3工程と、
前記第2金属層を対応する前記第1金属層に接触させるように前記電子部品を前記プリント基板に搭載する第4工程と、
所定の温度(Tp)に加熱することで前記第1金属層および前記第2金属層が融合して形成されるはんだ(40)により前記端子と前記ランドとをはんだ接続する第5工程と、
を備え、
前記第1金属層および前記第2金属層のうち、一方は、融点を低下させるための低融点化金属が含有される低融点金属層(42,44)であり、他方は、前記低融点化金属が含まれないことで前記低融点金属層よりも融点が高い高融点金属層(41,43)であることを特徴とする電子装置の製造方法。 - 前記低融点化金属は、ビスマスであることを特徴とする請求項6または7に記載の電子装置の製造方法。
- 前記第1金属層の第2金属層側の面(41a)が凸凹状に形成されることを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の電子装置の製造方法。
- 前記第1金属層の第2金属層側の面の外縁には、内側よりも高くなる凸部(41b)が形成されることを特徴とする請求項6〜9のいずれか一項に記載の電子装置の製造方法。
- 前記高融点金属層の厚さは、前記低融点金属層の厚さの2倍以上であることを特徴とする請求項6〜10のいずれか一項に記載の電子装置の製造方法。
- 前記所定の温度は、前記低融点金属層の融点以上であり、かつ、前記高融点金属層の融点未満であることを特徴とする請求項6〜11のいずれか一項に記載の電子装置の製造方法。
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JP2014022023A JP2015149418A (ja) | 2014-02-07 | 2014-02-07 | 電子装置およびその製造方法 |
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2014
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