JP2015148372A - 空気調和装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】省電力化が可能な空気調和装置を得ること。
【解決手段】室外機2は、第1の交流直流変換部23と、第1の交流直流変換部23への電力供給路を開閉する電力供給路開閉部(第1の交流電源リレー21,第2の交流電源リレー22)と、第2の交流直流変換部31と、ダイオード整流部13Cと、第2の交流直流変換部31またはダイオード整流部13Cから出力された直流電圧を選択する経路選択部(第1の室外給電リレー13B,第2の室外給電リレー13D)と、制御部(第1の室外機制御部51,第2の室外機制御部52)への供給電力を生成する制御電源生成部33と、逆電圧防止ダイオード13Eと、を備え、圧縮機を駆動させる必要がない場合、電力供給路開閉部は第1の交流直流変換部23への電力供給路を開放し、経路選択部は制御電源生成部33へダイオード整流部13Cから出力される直流電圧が供給される経路を選択する。
【選択図】図1

Description

本発明は、室外機および室内機を備えて構成された空気調和装置に関する。
従来、交流電源の給電を受けて室外機と室内機とを運転する空気調和装置においては、室外機側に交流電源が給電されるものがあり、その中には単一の室外機に複数の室内機を接続するものがある。また、室外機、室内機ともに運転を行わない運転待機期間において、室外機への給電を制限するものが提案されている。
待機時において室外機への給電を停止する空気調和装置の一例として、特許文献1に記載された空気調和機が存在する。特許文献1に記載された空気調和機は、室内機の運転を開始すると、交流電源が室外機電源回路に給電する経路に接点があるリレーのコイルに、室内機から電力を供給してコイルに通電し接点を接続させて室外機電源回路への給電を行う。これによって室外機制御部および圧縮機駆動部へ電源を供給し、室外機の運転を開始する。
また、特許文献2に記載された空気調和機において、室外機は、圧縮機への電力供給経路上に設置されたスイッチと、スイッチを制御する室外機制御部と、室外機制御部に供給する電力を生成する室外電力供給部と、を備え、運転待機時には圧縮機および室外電力供給部への給電を停止し、通常運転に復帰する際は、まず、室外電力供給部への給電を開始し、次に、室外電力供給部が室外機制御部へ供給する電力の生成を開始し、さらに、室外機制御部が上記スイッチを制御して圧縮機への電力供給を開始させる。この空気調和機は、室内機を介して室外電力供給部へ電力を供給する第1経路と室外機を介さずに室外電力供給部へ電力を供給する第2経路とを有し、通常運転へ復帰する際には第1経路を介して室外電力供給部へ電力を供給し、その後、第2経路を介した電力供給に切り替える。
特許第4833168号公報 特開2013−152054号公報
室外機1台に対して複数の室内機が接続されるマルチ接続の空気調和装置に対して上記特許文献1に記載された技術を適用する場合、室外機へ給電するリレー等のスイッチを接続する室内機と1対1となるように用意する必要があるため、部品点数が増加し、回路規模や製造コストが増大する問題点があった。
上記特許文献2に記載された空気調和機は、室外電力供給部への電力供給経路をリレーにより切り替える構成となっている。また、室内機を介して室外電力供給部へ交流電源を給電するため、リレーの一端にはダイオードが接続され、接続したダイオードの作用により交流電源が整流されて直流電圧となり、室外電力供給部に印加される。ここで、交流電源が負のとき、例えば、交流電源が264VACのときは、交流電圧のピーク電圧は−373Vになるため、リレー接点切り替え時、室外電力供給部に充電された電圧が+373Vになり、リレーの両端には740V以上の電圧がかかることになる。その結果、リレーの接点に高電圧が印加されてリレー開閉動作を行うことになり、リレーの部品寿命が劣化し、室外機が起動出来ない等の故障につながる、という問題点があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、回路規模や製造コストが増大するのを回避しつつ省電力化が可能な空気調和装置を得ることを目的とする。また、装置の長寿命化を実現可能な空気調和装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、室外機および室内機を備えた空気調和装置であって、前記室外機は、交流電源から供給される交流電圧を変換し、圧縮機を駆動する圧縮機駆動部へ供給する直流電圧を生成する第1の交流直流変換部と、前記第1の交流直流変換部への電力供給路を開閉する電力供給路開閉部と、前記交流電源から供給される交流電圧を直流電圧に変換する第2の交流直流変換部と、前記室内機との通信で使用する通信線を介して前記室内機から供給される交流電圧を直流電圧に変換する第3の交流直流変換部と、前記第2の交流直流変換部または前記第3の交流直流変換部から出力された直流電圧を選択する経路選択部と、前記電力供給路開閉部および前記経路選択部を制御する制御部と、前記経路選択部を介して供給された直流電圧に基づいて、前記制御部への供給電力を生成する制御電源生成部と、前記第3の交流直流変換部から前記制御電源生成部への電力供給路に配置された逆電圧防止ダイオードと、を備え、圧縮機を駆動させる必要がない場合、前記電力供給路開閉部は、前記第1の交流直流変換部への電力供給路を開放し、前記経路選択部は、前記制御電源生成部へ前記第3の交流直流変換部から出力される直流電圧が供給される経路を選択する、ことを特徴とする。
本発明によれば、室外機の待機電力と無効電力の削減が可能となり、省電力化を実現できるという効果を奏する。また、必要以上に回路規模が増大するのを防止できるとともに、部品コストや製造コストが増加するのを防止できる、という効果を奏する。
図1は、実施の形態1の空気調和装置の構成例を示す図である。 図2は、実施の形態2の空気調和装置の構成例を示す図である。 図3は、実施の形態3の空気調和装置の構成例を示す図である。 図4は、室内機、通信電源生成部、通信回路の内部構成例を示す図である。 図5は、室外機における通信可否判定動作の一例を示す図である。 図6は、実施の形態3の第1の室外機制御部の動作例を示すフローチャートである。
以下に、本発明にかかる空気調和装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明にかかる空気調和装置の実施の形態1の構成例を示す図である。本実施の形態の空気調和装置は、室外機2と、室内機3Aおよび3Bとを備え、室外機2には、端子LおよびNを介して交流電源1が接続されている。室内機3Aは端子S1A、S2AおよびS3Aを介して室外機2に接続され、室内機3Bは端子S1B、S2BおよびS3Bを介して室外機2に接続されている。また、端子Lと端子S1Aおよび端子S1Bとが接続され、端子Nと端子S2Aおよび端子S2Bとが接続されており、室内機3Aおよび3Bは、室外機2を経由して交流電源1から電力供給を受けている。
室外機2は、第1のノイズ低減部11および第2のノイズ低減部12の2つのノイズ低減部と、第1の交流電源リレー21および第2の交流電源リレー22の2つの交流電源リレーと、第1の突入電流抑制抵抗21Bと、昇圧動作可能なチョッパ回路を備えた第1の交流直流変換部23(例えばインターリーブ等のコンバータ)と、第1の直流電圧平滑部24と、第1の直流電圧平滑部24の電力により圧縮機(図示せず)を駆動する圧縮機駆動部25と、第2の交流直流変換部31と、第2の直流電圧平滑部32と、第2の直流電圧平滑部32の直流電圧により電力を生成する制御電源生成部33と、後述する第2の室外機制御部52に対する電力供給の開始と停止を制御する電源制御リレー34と、第1の直流電圧平滑部24と第2の直流電圧平滑部32を接続するダイオード整流部41と、制御電源生成部33から電力供給を受けて室外機2の運転制御を行う第1の室外機制御部51および第2の室外機制御部52の2つの制御部と、空気調和装置を運転するために室内機3Aおよび3Bとの間で通信を行う回路に対して供給する電力を生成する通信電源生成部61と、室外機2と室内機3Aおよび3Bとの間で通信を行う通信回路62A、62B、63Aおよび63Bと、ダイオード62Cおよび63Cと、を備える。
なお、第1のノイズ低減部11は誘導性リアクタンスを有し、例えばインダクタンス成分を持つソレノイド状のコイルで構成される。第2のノイズ低減部12は容量性リアクタンスを有し、例えばキャパシタンス成分を持つコンデンサで構成される。第1の交流電源リレー21および第2の交流電源リレー22の2つの交流電源リレーは、第2の室外機制御部52によってその接点が制御される。第2の室外機制御部52への給電がなく第2の室外機制御部52が動作しない間は、第1の交流電源リレー21および第2の交流電源リレー22の接点はともに開放状態になるものとする。また、第2の交流直流変換部31はダイオードブリッジの整流回路で構成されているものとする。また、ダイオード整流部41は、第1の直流電圧平滑部24の直流電圧が第2の直流電圧平滑部32の直流電圧よりも低い場合に、第2の直流電圧平滑部32から第1の直流電圧平滑部24への給電を阻止する構成とする。通信回路62Aおよび63Aは通信信号の送信回路、通信回路62Bおよび63Bは通信信号の受信回路であり、これらの通信回路は通信電源生成部61で生成された直流電力の供給を受けて動作する。
室外機2は、さらに、室外機2が電源遮断の状態、すなわち、第1の交流直流変換部23および第2の交流直流変換部31に対する交流電源1からの電力供給が遮断されている状態において、室内機3A,3Bと室外機2の運転情報等を送受信する通信線100(通信線100A,100B)経由で室内機3A,3B側から給電された交流電源を整流するダイオード整流部13C(第3の交流直流変換部に相当)と、室内機3A,3B側からダイオード整流部13Cに流れる突入電流を抑制する第2の突入電流抑制抵抗13Aと、第2の突入電流抑制抵抗13Aと第2の直流電圧平滑部32の接続経路を開閉する第1の室外給電切替リレー13Bと、第1の室外給電切替リレー13Bと第2の直流電圧平滑部32の間に配置され、第1の室外給電切替リレー13B側に電流が流れるのを防止する逆電圧防止ダイオード13Eと、交流電源1から第2の交流直流変換部31への電力供給路を開閉する第2の室外給電切替リレー13Dと、を備える。
なお、第1の室外給電切替リレー13Bおよび第2の室外給電切替リレー13Dの2つのリレーは、第1の室外機制御部51によってその接点が制御される。第1の室外給電切替リレー13Bは交流電源リレーであり、第2の室外給電切替リレー13Dは直流電源リレーである。運転待機期間など、圧縮機を駆動させる必要が無い状態においては、第1の室外給電切替リレー13Bの接点は閉じた状態、第2の室外給電切替リレー13Dの接点は開放状態になるものとする。
図1では、室外機2に対して室内機が2台接続された場合の構成例を示したが、室内機の接続台数は3台以上であっても構わない。室内機の接続台数が3台以上の場合はその台数と同数の回路(通信回路)を備え、各通信回路と室内機の間の通信線それぞれから交流電源を供給可能なように、ダイオード整流部13Cなどを構成する。
次に、本実施の形態の空気調和装置の動作について説明する。
本実施の形態の空気調和装置は、室内機3Aおよび3Bの双方が運転を行わず、圧縮機駆動部25が圧縮機を駆動させる必要がない状態においては、室外機2の各部に対する電力供給を遮断して待機電力を削減する。なお、圧縮機駆動部25への給電を必要としないのは、室内機3Aおよび3Bが運転しない場合に限らず、運転中であっても室内機3Aおよび3Bの運転モードや周辺環境によって圧縮機の運転を必要としない場合があり得る。本実施の形態の空気調和装置は、そのような場合であっても、運転待機期間の電力消費量を低減可能であるのは言うまでもない。
交流電源1から室外機2への電力供給を開始して室外機2を起動させる場合には、室外機2が備えている各スイッチ(リレー)の接点を制御する制御部(第1の室外機制御部51および第2の室外機制御部52)に対して、室内機3Aまたは3B側より電力を供給し、動作を開始した制御部は、交流電源1から室外機2の各部に電力が直接供給され、かつ室内機3Aおよび3B側からの電力供給を遮断する(室内機側からの電力供給路を開放する)よう、各リレーの接点を制御する。なお、第1の交流電源リレー21と第2の交流電源リレー22が電力供給路開閉部を形成し、第1の室外給電切替リレー13Bと第2の室外給電切替リレー13Dが経路選択部を形成する。
室外機2を起動させる動作では、まず、室内機3A,3B内に設けられている室外機2への給電切替手段(例えば、リレー、図1では記載を省略している)により、室内機3A,3B内の接続を切り替え、交流電源1から供給されている交流電力を通信線100(100A,100B)に給電する。なお、室内機3Aおよび3Bのいずれか一方の給電切替手段により接続を切り替え、室内機3Aまたは3B(接続を切り替えた側)が通信線100に交流電力を給電する。通信線100に給電された交流電力は、室外機2のダイオード整流部13Cにより、直流に変換される。ダイオード整流部13Cにおける整流作用によって生成された直流電圧は、第2の突入電流抑制抵抗13A、第1の室外給電切替リレー13Bおよび逆電圧防止ダイオード13Eを経由して第2の直流電圧平滑部32に印加され、第2の直流電圧平滑部32が充電される。このとき、第2の突入電流抑制抵抗13Aの作用により、突入電流を抑制する。また、通信線100に交流電力が給電される際には室外機2の通信回路62A、62B、63Aおよび63Bが動作していないため、通信線100上に設けられているダイオード62Cおよび63Cの作用により、通信回路62A、62B、63Aおよび63Bに交流電源1が給電されることはない。
ダイオード整流部13Cで生成された直流電圧によって第2の直流電圧平滑部32が充電されると、制御電源生成部33に電圧が給電され、制御電源生成部33が動作を開始する。その結果、制御電源生成部33から第1の室外機制御部51に対して必要な電源が供給され、第1の室外機制御部51が動作する。なお、この時点では電源制御リレー34の接点が開放された状態であり、第2の室外機制御部52は動作を開始しない。第1の室外機制御部51は、動作を開始すると、まず、リレー接点が開放状態であった第2の室外給電切替リレー13Dの接点を閉じる制御を行う。この結果、交流電源1から第2の交流直流変換部31への電力供給が、第1のノイズ低減部11および第2の室外給電切替リレー13Dを経由して開始される。ここで、第2の交流直流変換部31はダイオードブリッジの整流回路構成にしているため、交流電源1側から印加される電圧が第2の直流電圧平滑部32より低い場合は、逆電圧防止ダイオードとして動作する。よって、交流電源1への電圧逆流を防止することが出来る。
第1の室外機制御部51は、第2の室外給電切替リレー13Dの接点を閉じる制御を行うと、次に、第1の室外給電切替リレー13Bの接点を開放する制御を行う。このとき、ダイオード整流部13Cのカソード側は、整流された直流電圧となる。この整流された直流電圧は、逆電圧防止ダイオード13Eの順方向電圧Vf分だけ降下した直流電圧となり、この直流電圧が第2の直流電圧平滑部32の電圧となる。また、逆電圧防止ダイオード13Eは、第2の直流電圧平滑部32の電圧がダイオード整流部13Cに整流された直流電圧よりも高い場合、電圧逆流を防止する。そのため、第1の室外給電切替リレー13Bのリレー接点間は、常に電位差が接点の内部抵抗値のみとなるので、1V未満となり、第1の室外給電切替リレー13Bのリレー接点間に高電圧が印加されることがない。
第1の室外給電切替リレー13Bの接点が開放されると、通信線100を経由した室内機3A,3Bからの給電が遮断される。第2の交流直流変換部31と第2の直流電圧平滑部32は、第2の室外給電切替リレー13Dの接点が閉じた状態であり、制御電源生成部33に必要な電力は、第2の室外給電切替リレー13D経由で給電可能となるので室外機2が起動不良等になる問題はない。
一方、室内機3A,3Bは、図示を省略している給電切替手段を操作して通信線100への交流電力の給電を開始した後、一定時間が経過すると、給電切替手段を再度操作し、通信線100への交流電力の給電を開始する前の状態に戻す。これにより、通信線100への給電が停止し、室外機2の通信回路との間で運転情報等を送受信可能な状態となる。上記の一定時間(通信線100へ交流電力を給電する期間)は、第1の室外機制御部51が動作を開始し、第2の室外給電切替リレー13Dの接点を閉じる制御が完了するまでの所要時間を考慮して決定する。具体的には、第2の室外給電切替リレー13Dの接点を閉じる制御が完了となるまでの所要時間よりも長くなるよう、一定時間の長さを決定する。
第1の室外給電切替リレー13Bおよび第2の室外給電切替リレー13Dのリレー接点の制御が終了すると、第1の室外機制御部51は、次に、電源制御リレー34のリレー接点を閉じる制御を行い、第2の室外機制御部52への給電を開始させる。その結果、第2の室外機制御部52が動作を開始する。なお、電源制御リレー34の接点は、室外機2が起動する前(室外機2の各部に対する電力供給が遮断された状態)から閉じた状態としておいても構わない。電源制御リレー34は必須ではなく、削除しても構わない。
その後、第1の室外機制御部51および第2の室外機制御部52は、各通信線(通信線100A,100B)や各通信回路(通信回路62A,62B,63A,63B)を介して、室内機3A,3Bとの間で各種情報(動作状態、設定情報等)を送受信する。第1の室外機制御部51は、動作情報、設定情報等の情報を受信すると第2の室外機制御部52に転送する。第2の室外機制御部52は、第1の室外機制御部51から受け取った情報をもとに、圧縮機を駆動させる必要があるかどうか判断し、駆動させる必要がある場合には、第1の交流電源リレー21のリレー接点を閉じる制御を行う。
第2の室外機制御部52の制御によって第1の交流電源リレー21のリレー接点が閉じると、交流電源1からの交流電力が第1のノイズ低減部11、第1の交流電源リレー21および第1の突入電流制限抵抗21Bを介して第1の交流直流変換部23に給電される。第1の交流直流変換部23は、給電された交流電力を変換して直流電力を生成し、第1の直流電圧平滑部24に給電する。このとき、第1の突入電流制限抵抗21Bの作用により、突入電流が抑制される。第1の直流電圧平滑部24は、圧縮機駆動部25の動作に必要な電圧を給電するため、第2の直流電圧平滑部32より10倍以上大きな平滑コンデンサとする。
第1の交流直流変換部23が直流電力を生成する動作を開始することにより圧縮機駆動部25に対して電力が供給されて圧縮機駆動部25が動作を開始し、圧縮機が駆動する。圧縮機が駆動すると、空気調和装置の通常運転が開始となる。
第2の室外機制御部52は、第1の交流電源リレー21の接点を閉じた後、第1の直流電圧平滑部24の電圧を監視し(図1では監視する手段の記載を省略している)、例えば、一定時間が経過し、電圧がある一定以上の値となったことを検出するか、電圧上昇および下降(すなわち電圧変動)がある一定電圧以内になったことを検出すると、第2の交流電源リレー22の接点を閉じ、さらに、第1の交流電源リレー21の接点を開放する。これにより、第1の突入電流制限抵抗21Bには電流が流れなくなり、余分な電力消費を抑えることができる。
第1の室外機制御部51は、圧縮機が駆動した後も室内機3A,3Bとの間で運転情報等の情報を送受信し、受信した情報を必要に応じて第2の室外機制御部52へ転送する。
また、第2の室外機制御部52は、第1の室外機制御部51を介して室内機3A,3Bから受信した情報に従い、圧縮機駆動部25を動作させて圧縮機を運転する。すなわち、昇圧動作可能な昇圧チョッパ回路を備えた第1の交流直流変換部23を制御し、第1の直流電圧平滑部24に給電する所望の電圧を生成させる。
なお、昇圧チョッパ回路の半導体素子は、Siまたは、SiC、GaN、ダイヤモンドなどのワイドバンドギャップ半導体で形成してもよい。ワイドバンドギャップ半導体によって形成されたスイッチング素子やダイオード素子は、耐電圧性が高く、許容電流密度も高いため、スイッチング素子やダイオード素子の小型化が可能であり、装置の小型化も可能となる。また耐熱性も高いため、例えばヒートシンクの放熱フィンの小型化も可能となり、装置の一層の小型化が可能になる。更に電力損失が低いため、スイッチング素子やダイオード素子の高効率化が可能であり、電力変換効率の高効率化や省電力化が可能になる。なお、スイッチング素子やダイオード素子の全てがワイドバンドギャップ半導体によって形成されていることが望ましいが、一部の素子がワイドバンドギャップ半導体によって形成されていてもよく、その場合でも機器の小型化や高効率化などの効果が得られる。
第1の直流電圧平滑部24と第2の直流電圧平滑部32はダイオード整流部41を介して接続されており、第1の直流電圧平滑部24は、第1の交流直流変換部23の作用により第2の直流電圧平滑部32よりも高い電圧となる。ダイオード整流部41を第1の直流電圧平滑部24から第2の直流電圧平滑部32への一方向に配置することで、第2の直流電圧平滑部32の電圧は、第1の直流電圧平滑部24から充電電流が流れることにより、第1の直流電圧平滑部24の電圧よりもダイオード整流部41の順方向電圧Vf分だけ降下した直流電圧となる。
制御電源生成部33は、第1の直流電圧平滑部24経由の充電電流により充電された第2の直流電圧平滑部32で動作する。第1の直流電圧平滑部32を構成する平滑コンデンサは、第2の直流電圧平滑部32を構成する平滑コンデンサよりも10倍以上大きなコンデンサとしているため、第2の直流電圧平滑部32の電圧は、常に、第1の直流電圧平滑部24により電圧を一定に保つことができる。そのため、第2の直流電圧平滑部32を構成する平滑コンデンサは、室外機2の起動時のみできる最低容量に設定することができ、小型化および低コスト化を実現できる。
さらに、室外機2は、圧縮機駆動部25の動作を必要とせず、室外機2に給電を維持した状態で、待機電力および無効電力を抑制したい場合(例えば、圧縮機の保護の観点からの冷媒寝込みを防止するための制御を有効にしたい場合)、第2の室外機制御部52が、第2の交流電源リレー22の接点を開放する。
第2の交流電源リレー22のリレー接点を開放状態とすると、第1の交流直流変換部23に交流電力が給電されなくなるため、第1の直流電圧平滑部24に直流電圧は発生せず、第1の直流電圧平滑部24の直流電圧は、第2の直流電圧平滑部32の直流電圧よりも低くなる。しかし、ダイオード整流部41によって、第2の直流電圧平滑部32から第1の直流電圧平滑部24へ給電することを阻止するので、第1の直流電圧平滑部24で電力を消費しない状態とすることができる。第1の室外機制御部51および第2の室外機制御部52は、四方弁、電子膨張弁、圧縮機動作等のアクチュエータ動作を停止するので、制御電源生成部33で消費される電力は、低消費電力となり、待機電力の削減が可能となる。さらに、待機電力を削減した場合は、電源制御リレー34の接点を開放状態にする制御を第1の室外機制御部51が行うことにより、第2の室外機制御部52に電源が供給されなくなり、制御電源生成部33の消費電力が減少し、さらなる待機電力削減化も可能となる。
第2の交流電源リレー22のリレー接点を開放した場合、第1のノイズ低減部11への通電は維持されるが、第2のノイズ低減部12には通電されなくなる。そのため、第2のノイズ低減部12に無効電力は発生せず、その無効電力を供給する電流も流れない。よって、無効電力も削減できる。
また、第2の交流直流変換部31への電源供給経路は第1のノイズ低減部11と第2の交流電源リレー22の接点の間から分岐しているので、第2の直流電圧平滑部32への給電と第1の室外機制御部51の動作は維持される。このとき、第1のノイズ低減部11の作用により、制御電源生成部33で発生するノイズが交流電源1へ流出するのを抑制できる。
なお、室内機3Aおよび3Bの双方が運転を行わず、圧縮機駆動部25が圧縮機を駆動させる必要がない状態となり、室外機2への電力供給を遮断する状態へと移行する場合、まず、第2の室外機制御部52が、第1の交流電源リレー21および第2の交流電源リレー22の双方の接点が開放状態となるように制御を行い、第1の交流直流変換部31への電力供給を遮断する。次に、第1の室外機制御部51が、電源制御リレー34の接点を開放して第2の室外機制御部52への電力供給を遮断する。なお、電源制御リレー34の接点開放により、第2の室外機制御部52に電源供給されないため、前記第2の室外機制御部52により第1の交流電源リレー21および第2の交流電源リレー22の双方の接点は、開放状態になることにより、第2の室外機制御部52の制御に関わらず、第1の室外機制御部51が電源制御リレー34を開放のみしても良い。次に、第2の室外給電切替リレー13Dの接点を開放する。こうすることにより、室外機2には、交流電力が供給されなくなり、制御電源生成部33は、第1の直流電圧平滑部24と第2の直流電圧平滑部34にて充電された電圧にて、動作を行い、前記第1の直流電圧平滑部24と前記第2の直流電圧平滑部34の電圧が前記制御電源生成部33の動作限界電圧を下回ったとき、前記制御電源生成部33は、第1の室外機制御部51に給電する電源生成が出来なくなり、前記第1の室外機制御部51は動作停止(リセット)する。前記第1の室外機制御部51が動作停止(リセット)することにより、第1の室外機制御部51により第1の室外給電切替リレー13Bの接点が開放していたものが、前記第1の室外機制御部51により制御出来なくなるので、前記第1の室外機給電リレー13Bの接点は、閉じた状態となり、室内機3A,3B側から室外機2を起動させることが可能となる。室外機2を起動させる場合には、室内機3Aまたは3Bが、通信線100Aまたは100Bへの給電を開始すればよい。通信線100Aまたは100Bへの給電を開始すると、上述した手順で室外機2が起動する。
以上のように、本実施の形態の空気調和装置において、室外機2は、第1の交流電源リレー21、第2の交流電源リレー22、第1の室外給電切替リレー13Bおよび第2の室外給電切替リレー13Dを備え、室外機2の運転が必要ない状態においては、第1の交流電源リレー21、第2の交流電源リレー22および第2の室外給電切替リレー13Dの各接点を開放するとともに第1の室外給電切替リレー13Bの接点を閉じるようにして、第1の交流直流変換部23および第2の交流直流変換部31への交流電力供給を遮断し、制御電源生成部33に対して室内機3Aおよび3Bから電力を供給できるように構成されている。これにより、待機電力と無効電力の削減が可能となり、省電力化を実現できる。また、室外機2に接続される室内機が増えても、各室内機と通信を行うための通信回路とダイオード整流部13Cとを接続された室内機分だけ増やせばよいので、部品増加を最小限に抑えることができ、基板実装面積を削減できるとともに、部品コストや製造コストが増加するのを防止できる。
また、室外機2の制御電源生成部33の給電経路を、室内機3A,3B側から給電される直流電圧を制御する第1の室外給電切替リレー13Bと、第1のノイズ低減部11に接続し、第1のノイズ低減部11から給電される交流電圧を制御する第2の室外給電切替リレー13Dの2つにわけ、室内機3A,3Bからの第1の室外給電切替リレー13Bと制御電源生成部33に必要な電圧を平滑する第2の直流電圧平滑部32の間に、逆電圧防止ダイオード13Eを挿入した構成にしたことにより、室外機2が起動する際のリレー接点開閉時に高電圧が印加されることが防止でき、装置の長寿命化に繋がり品質を向上させることができる。
さらに、第2の直流電圧平滑部32から第1の直流電圧平滑部24への電源供給を防止するダイオード整流部41を備えたので、室外機2が起動した後の運転待機期間に第1の交流電源リレー21および第2の交流電源リレー22の接点を開放したとき、第1の直流電圧平滑部24において電力を消費することがない。また、第1のノイズ低減部11と第2のノイズ低減部12に分けたことにより、室外機2が起動した後の運転待機期間における待機電力および無効電力の消費量を削減できる。
実施の形態2.
本実施の形態においては、実施の形態1の空気調和装置と比較してさらなる省電力化を実現する空気調和装置について説明する。実施の形態1の空気調和装置において、室外機2の通信電源生成部61は、常に交流電源1が給電された状態になっているため、室外機2の電源遮断状態のときも通信電源生成部61が電力を消費することになる。これに対して、本実施の形態の空気調和装置は、室外機2が電源遮断状態の場合に通信電源生成部61への給電を停止して消費電力をさらに削減する。
図2は、実施の形態2の空気調和装置の構成例を示す図である。図示したように、本実施の形態の空気調和装置は、実施の形態1の空気調和装置(図1参照)に対して通信電源供給リレー81を追加したものである。通信電源供給リレー81以外の部分については実施の形態1の空気調和装置と同様であるため、実施の形態1と同一の符号を付して説明を省略する。
通信電源供給リレー81は、第1の室外機制御部51によって制御される。室外機2が電源遮断状態のときは、通信電源供給リレー81のリレー接点が開放状態になるものとする。本実施の形態の空気調和装置は、室外機2が電源遮断状態の場合は通信電源生成部61に交流電源1が給電されなくなり、通信電源生成部61で消費される電力が抑制される。よって、室外機2が電源遮断状態のときの待機電力を上述した実施の形態1よりも削減できる。
次に、動作について説明する。実施の形態1の空気調和装置と異なる部分についてのみ説明を行う。
室外機2が起動する場合、上述した実施の形態1と同様に、室内機3Aまたは3Bから電力供給を受けて電力第1の室外機制御部51が動作を開始し、動作を開始した第1の室外機制御部51は、リレー接点が開放状態であった第2の室外給電切替リレー13Dの接点を閉じる制御と、通信電源供給リレー81のリレー接点を閉じる制御を行い、交流電源1からの交流電力を通信電源生成部61に給電する。なお、第1の室外機制御部51の第2の室外給電切替リレー13Dと通信電源供給リレー81のリレー接点制御は、どちらが先でも良いし、同時に制御しても良い。以降の室外機2の通常動作へ遷移動作は、実施の形態1と同様である。
室外機2が通常動作から電源遮断状態へ移行する場合、第1の交流電源リレー21および第2の交流電源リレー22の双方の接点が開放状態となるように第2の室外機制御部52が制御した後、電源制御リレー34の接点が開放状態となるように第1の室外機制御部51が制御を行い、第1の室外機制御部51は、さらに、通信電源供給リレー81の接点が開放状態、第1の室外給電切替リレー13Bの接点が閉じた状態となるように制御を行い、最後に第2の室外給電切替リレー13Dの接点が開放状態となるように制御を行う。
このように、本実施の形態の空気調和装置は、通信電源供給リレー81をさらに備えた構成としたので、室外機2が電源遮断状態のときに通信電源生成部61で消費される電力が抑制され、待機電力の消費量をさらに低減することができる。
実施の形態3.
図3は、実施の形態3の空気調和装置の構成例を示す図である。図示したように、本実施の形態の空気調和装置は、実施の形態2の空気調和装置(図2参照)に対して、入力電源検出部71を追加したものである。
入力電源検出部71は、通信電源生成部61に給電される交流電力の電圧を計測し、計測結果を第1の室外機制御部51へ通知する。入力電源検出部71は、例えば、交流電源1から印加される電圧が正の半波サイクルとなるタイミングを計測する構成とする。
実施の形態1で説明したように、電源遮断状態の室外機2を起動させる場合、室内機3Aが通信線100Aに対して交流電力を一定時間給電する、または、室内機3Bが通信線100Bに対して交流電力を一定時間給電する。このとき、室外機2側では、通信線100Aまたは100Bへの給電が何時終了となるか分からないため、室内機3A,3Bとの通信を開始するタイミングの判断が難しい。これに対して、本実施の形態の空気調和装置は、電源遮断状態から起動した後、適切なタイミングで室内機3A,3Bとの通信を開始することが可能である。
本実施の形態の空気調和装置の動作について説明する。実施の形態1,2の空気調和装置と異なる部分についてのみ説明を行う。実施の形態1で説明した手順で室外機2が電源遮断状態から起動し、第1の室外機制御部51が第2の室外給電切替リレー13Dの接点を閉じる制御、第1の室外給電切替リレー13Bの接点を開放する制御、および、通信電源供給リレー81の接点を閉じる制御を完了したものとして説明を行う。
電源遮断状態から起動した室外機2において、入力電源検出部71は、通信電源生成部61に印加されている交流電圧の正の半波サイクルを計測し、計測結果を第1の室外機制御部51へ出力する。これにより、第1の室外機制御部51は、通信電源生成部61に印加されている交流電圧が正の半波サイクルか否かを把握できる。
図4に示した構成の通信電源生成部61は、交流電源1が給電されると、室内機と室外機の通信に必要な直流電力を生成する。このとき、内部のツェナーダイオードで規定の電圧となるようにする。ツェナーダイオードの規定電圧は、通信電源生成部61に印加される交流電圧を直流変換した電圧よりも10分の1倍以下の設定電圧とする(例えば、交流電源1から印加される電圧200Vのときは、28V以下の電圧設定値とする)。
なお、図4は、室内機3Aおよび3B、通信電源生成部61、通信回路62A、62B、63Aおよび63Bの内部構成例を示す図である。室内機3Aは、通信線100Aへの交流電力給電状態を切り替える給電切替リレー300Aを備え、室内機3Bは、通信線100Bへの交流電力給電状態を切り替える給電切替リレー300Bを備えている。給電切替リレー300Aおよび300Bは、実施の形態1で説明した給電切り替え手段に相当する。よって、電源遮断状態の室外機2を起動させる場合、室内機3Aが給電切替リレー300Aの接点を一定期間にわたって閉じた状態とするか、室内機3Bが給電切替リレー300Bの接点を一定期間にわたって閉じた状態とすればよい。なお、室内機3A、室内機3Bの給電切替リレー300A、300Bは、各々の室内機3A、3Bで制御するため非同期の制御となる。
第1の室外機制御部51は、通信電源生成部61に印加されている交流電圧が正の半波サイクルのとき、Hiとなる電圧を各室内機3A,3Bへ同時に送信する(交流電源1が50Hzのときは、1ms〜5msのパルスを送信)。
ここで、通信電源生成部61に印加されている交流電圧が正の半波サイクルのときにHiとなる電圧を第1の室外機制御部51が室内機3Aおよび3Bに送信したとき(Hiとなる電圧を通信回路62Aおよび63Aに出力したとき)、例えば、室内機3A内で通信線100Aに交流電力を給電する設定(内部接続)とされていると、通信線100A上のダイオード62Cのアノード側の電圧は、通信電源生成部61が生成した直流電力になるので、ダイオード62Cのカソード側の電圧よりも低くなる。しかし、ダイオード62Cを備えているため、通信回路62Aおよび62B側に電流が逆流するのを抑制できる。室内機3A側の動作について説明したが、室内機3B側の動作も同様である。
上記のようにして第1の室外機制御部51がHiとなる電圧を各室内機3A,3Bに送信し、これに対してLoとなる電圧を通信回路62B,63B経由で受信した場合、第1の室外機制御部51は、室内機3A,3Bとの通信が成立(通信が可能な状態)と判断する(図5参照)。すなわち、Loとなる電圧を通信回路62B経由で受信した場合は室内機3Aとの通信が成立、Loとなる電圧を通信回路63B経由で受信した場合は室内機3Bとの通信が成立と判断する。これにより、室外機2の通常動作が開始となり、以降、第1の室外機制御部51は、通信成立した室内機3A,3Bと運転情報/設定情報等の送受信を行う。
一方、第1の室外機制御部51がHiとなる電圧を各室内機3A,3Bに送信し、これに対してLoとなる電圧を通信回路62B,63B経由で受信できない場合、該当の室内機との通信が不成立(室外機2との通信が不可能な状態にある)と判断する(図5参照)。この場合、第1の室外機制御部51は、予め設定されているリトライ回数となるまで、再送(交流電圧が正の半波サイクルのときにHiを送信する処理)を繰り返す。リトライ回数に達しても該当の室内機との通信が成立しない場合、該当の室内機で異常が発生したと判断し、所定の異常処理(例えば、異常検知をユーザに通知する処理)を行う。
なお、図5は、室外機2における通信可否判定動作(室内機3A,3Bとの通信が可能か否かを判定する動作)の一例を示す図である。室内機3Aの通信線100Aに交流電力が印加され、次に3B側の通信線100Bに交流電力が印加されている場合(図5の給電切替リレー300A、300BがONの状態に相当)、第1の室外機制御部51の制御により送信回路である通信回路62A、送信回路63AをHiとしても(Hiとなる電圧を送信しても)、受信回路である通信回路62B、送信回路63BはHiの状態のまま変化しない。この場合、通信不成立となる。室内機3Aまたは3B側から通信線100Aまたは100Bに対して交流電力が印加されていない場合(図5の給電切替リレー300A、300BがOFFの状態に相当)は通信が成立する。
図6は、本実施の形態の第1の室外機制御部51の動作、具体的には、室内機3Aおよび3Bとの通信が可能かどうかを第1の室外機制御部51が判別する動作の一例を示すフローチャートである。
第1の室外機制御部51は、通信電源供給リレー81をONにする(接点を閉じる)制御を行い(ステップS11)、次に、入力電源検出部71における検出結果に基づき、通信電源生成部61に印加されている交流電圧が正の半波サイクルとなったか否かを確認する(ステップS12)。正の半波サイクルでなければ所定のタイミングで再度確認を行い(ステップS12:No)、正の半波サイクルであれば(ステップS12:Yes)、正の半波サイクル内で通信線100に対して“Hi”を出力する(ステップS13)。このとき、“Hi”出力に対して“Lo”が入力されたか否かを確認し(ステップS14)、“Lo”が入力された場合(ステップS14:Yes)、通信成立と判断し、通常動作を開始する(ステップS15,S16)。これに対して、“Lo”が入力されない場合(ステップS14:No)、リトライ回数nをカウントアップした上でnがリトライ回数の上限値kを超えたか否かを確認する(ステップS17,S18)、n≦kの場合(ステップS18:No)、ステップS12に戻って処理を継続する。n>kの場合(ステップS18:Yes)、異常発生と判断し処理を終了する(ステップS19)。
このように、本実施の形態の空気調和装置は、入力電源検出部71をさらに備え、第1の室外機制御部51は、入力電源検出部71での検出結果に基づき、通信電源生成部61に印加されている交流電圧の正の半波サイクルを検知し、正の半波サイクルにおいて、送信用の通信回路62A,63Aを介してHiを送信し、室内機3A,3Bとの通信が可能か否かを判別することとした。これにより、室外機2は、接続された室内機の給電切替リレー300A、300Bが非同期処理でも通信が成立するか否かの確認動作(通信電源生成部61に印加されている交流電圧の正の半波サイクルにおいてHiを送信し、Loを受信するかどうかの確認動作)を同時に実施することができ、正常な室内機とは確実に通信成立させる手段を備えることができるので、室内機との通信を成立させる時間の短縮および通信回路の部品故障等を防ぐことができ、さらに、異常の室内機を確実に除去できるので、高品質な空気調和装置を実現できる。
なお、実施の形態2の空気調和装置に対して入力電源検出部71を追加し、室内機3A,3Bとの通信が成立するか否かを判別する構成例について説明したが、実施の形態1の空気調和装置に対して入力電源検出部71を追加し、室内機3A,3Bとの通信が成立するかどうかを判別するように構成しても構わない。
以上のように、本発明にかかる空気調和装置は、1台の室外機に対して複数台の室内機を接続可能な構成の空気調和装置として有用である。
1 交流電源、2 室外機、3A,3B 室内機、11 第1のノイズ低減部、12 第2のノイズ低減部、13A 第2の突入電流抑制抵抗、13B 第1の室外給電切替リレー、13C ダイオード整流部、13D 第2の室外給電切替リレー、13E 逆電圧防止ダイオード、21 第1の交流電源リレー、21B 第1の突入電流抑制抵抗、22 第2の交流電源リレー、23 第1の交流直流変換部、24 第1の直流電圧平滑部、25 圧縮機駆動部、31 第2の交流直流変換部、32 第2の直流電圧平滑部、33 制御電源生成部、34 電源制御リレー、41 ダイオード整流部、51 第1の室外機制御部、52 第2の室外機制御部、61 通信電源生成部、62A,62B,63A,63B 通信回路、62C,63C ダイオード、71 入力電源検出部、81 通信電源供給リレー、100A,100B 通信線、300A,300B 給電切替リレー、L,N,S1A,S2A,S3A,S1B,S2B,S3B 端子。

Claims (10)

  1. 室外機および室内機を備えた空気調和装置であって、
    前記室外機は、
    交流電源から供給される交流電圧を変換し、圧縮機を駆動する圧縮機駆動部へ供給する直流電圧を生成する第1の交流直流変換部と、
    前記第1の交流直流変換部への電力供給路を開閉する電力供給路開閉部と、
    前記交流電源から供給される交流電圧を直流電圧に変換する第2の交流直流変換部と、
    前記室内機との通信で使用する通信線を介して前記室内機から供給される交流電圧を直流電圧に変換する第3の交流直流変換部と、
    前記第2の交流直流変換部または前記第3の交流直流変換部から出力された直流電圧を選択する経路選択部と、
    前記電力供給路開閉部および前記経路選択部を制御する制御部と、
    前記経路選択部を介して供給された直流電圧に基づいて、前記制御部への供給電力を生成する制御電源生成部と、
    前記第3の交流直流変換部から前記制御電源生成部への電力供給路に配置された逆電圧防止ダイオードと、
    を備え、
    圧縮機を駆動させる必要がない場合、前記電力供給路開閉部は、前記第1の交流直流変換部への電力供給路を開放し、前記経路選択部は、前記制御電源生成部へ前記第3の交流直流変換部から出力される直流電圧が供給される経路を選択する、
    ことを特徴とする空気調和装置。
  2. 前記室内機は、圧縮機を駆動させる必要がない状態から圧縮機を駆動させる必要がある状態に遷移した場合、前記第3の交流直流変換部への電力供給を開始することを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置。
  3. 前記制御電源生成部が電力生成動作を開始すると、前記制御部は、前記第2の交流直流変換部から出力された直流電圧を選択するよう前記経路選択部を制御するとともに、前記第1の交流直流変換部への電力供給路を閉じるよう前記電力供給路開閉部を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の空気調和装置。
  4. 前記電力供給路開閉部は、第1の交流電源リレーおよびこれに直列に接続された突入電流抑制抵抗を含んだ第1の回路と、第2の交流電源リレーを含み、前記第1の経路と並行に接続された第2の回路と、を備え、
    圧縮機を駆動する場合、
    前記制御部は、まず、前記第1の交流電源リレーの接点が閉じた状態、かつ前記第2の交流電源リレーの接点が開放状態となるよう制御し、その後、一定時間が経過した時点で、前記第1の交流電源リレーの接点が開放状態、かつ前記第2の交流電源リレーの接点が閉じた状態となるよう制御することを特徴とする請求項1、2または3に記載の空気調和装置。
  5. 圧縮機の駆動中に前記第1の交流直流変換部から出力される直流電圧を前記制御電源生成部へ供給するための直流電圧供給経路を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の空気調和装置。
  6. 前記直流電圧供給経路は、前記第1の交流直流変換部から直流電圧が出力されない場合に前記第2の交流直流変換部側から前記圧縮機駆動部側に電流が流れるのを阻止するダイオード整流部、を備えることを特徴とする請求項5に記載の空気調和装置。
  7. 前記制御部は、
    前記経路選択部を制御する第1の室外機制御部と、
    前記電力供給路開閉部を制御する第2の室外機制御部と、
    を備え、
    前記制御電源生成部と前記第2の室外機制御部の間には、圧縮機を駆動させる必要がない場合に電力供給路を開放する電源制御リレーが設けられている、
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の空気調和装置。
  8. 前記経路選択部が、前記制御電源生成部へ前記第3の交流直流変換部から出力される直流電圧が供給される経路を選択している場合、
    交流電力を直流電力に変換して前記室内機との通信回路へ供給する電力を生成する通信電源生成部、に対する給電を停止する、
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載の空気調和装置。
  9. 前記通信電源生成部に給電される交流電圧の極性を判定する入力電源検出部、
    を備え、
    前記制御部は、前記通信電源生成部に給電される交流電圧が正極性の期間において、前記通信線に対する前記室内機側からの給電が行われているか否かを判定し、給電が行われていない場合には前記室内機との通信を開始することを特徴とする請求項1から8のいずれか一つに記載の空気調和装置。
  10. 前記第1の交流直流変換部は、ワイドバンドギャップ半導体素子によって形成されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか一つに記載の空気調和装置。
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