JP5772578B2 - 空気調和装置 - Google Patents
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Description
〈全体構成〉
図1は、本発明の実施形態にかかる空気調和装置(1)の電装系統のブロック図である。空気調和装置(1)は、図1に示すように、室外機(10)、室内機(20)、及びリモートコントローラ(30)を備えている。なお、図示は省略するが、室外機(10)は、電動圧縮機、室外熱交換器、室外ファン、膨張弁などの機器が設けられ、室内機(20)には、室内熱交換器、室内ファンなどの機器が設けられている。空気調和装置(1)では、これらの機器によって、冷凍サイクルを行う冷媒回路(図示は省略)が構成されている。
室外機(10)は、電装系統として、第1室外側電源回路(14)、第2室外側電源回路(12)、室外機伝送回路(11)、室外側制御回路(13)、リレー(K13R,K14R,K15R)を備えている。
第1室外側電源回路(14)は、交流電源(40)から受電した3相交流を直流に変換し、いわゆるインテリジェントパワーモジュール(Intelligent Power Module、図中ではIPMと略記)や室外ファンモータに供給する。なお、インテリジェントパワーモジュールは、入力された直流を所定の周波数及び電圧の交流に変換し、前記電動圧縮機のモータに給電する。この例では、第1室外側電源回路(14)は、ノイズフィルタ(14a)、2つのメインリレー(14b)、2つのダイオードブリッジ回路(14c)、リアクトル(14d)、及び平滑コンデンサ(14e)を備えている。
第2室外側電源回路(12)は、前記三相交流のR相及びS相の2相を直流(この例では5V)に変換し、室外側制御回路(13)に供給する。この例では、第2室外側電源回路(12)は、ダイオードブリッジ回路(12a)、平滑コンデンサ(12b)、及びスイッチング電源(12c)を備えている。ダイオードブリッジ回路(12a)は、一方の入力が、後に詳述するリレー(K13R)に接続され、もう一方の入力が、前記三相交流のS相に接続されている。ダイオードブリッジ回路(12a)の出力は、平滑コンデンサ(12b)で平滑化された後に、スイッチング電源(12c)に入力されている。スイッチング電源(12c)は、例えばDC-DCコンバータで構成され、入力された直流を所定の電圧(5V)に変換して室外側制御回路(13)に出力する。
室外機伝送回路(11)は、室内機伝送回路(21)との間で信号の通信を行う。この通信では、信号線(S)と共通線(N)との間の電位差に基づいて、ハイレベル及びローレベルの2値のデジタル信号の通信を行う。室内機伝送回路(21)内の通信回路(図示は省略)は、一端が共通線(N)に接続され、通信回路の他端はリレー(K14R)を介して信号線(S)に接続されている。
リレー(K13R)は、第2室外側電源回路(12)への交流供給の経路を切り替えるリレーである。リレー(K13R)は、いわゆるC接点リレーで構成されている。詳しくは、リレー(K13R)は、2つの固定接点と、ひとつの可動接点を有し、該リレー(K13R)のコイルに通電されていない場合は、一方の固定接点(ノーマルクローズ接点とよぶ)と可動接点とが接続され、該コイルに通電されると、もう一方の固定接点(ノーマルオープン接点とよぶ)と可動接点とが接続される。リレー(K13R)の切換え(コイルへの通電の有無)は、室外側制御回路(13)が制御する。
リレー(K15R)は、室外機伝送回路(11)への電力供給の有無を切り替えるリレーである。リレー(K15R)は、いわゆるA接点リレーで構成されている。リレー(K15R)は、一方の接点が室外機伝送回路(11)の電源供給ノードに接続され、もう一方の接点が、前記三相交流のR相に接続されている。リレー(K15R)をオンにすれば、室外機伝送回路(11)は給電され、リレー(K15R)をオフにすれば室外機伝送回路(11)への給電が断たれる。リレー(K15R)のオンオフは、室外側制御回路(13)が制御する。
室外側制御回路(13)は、マイクロコンピュータと、それを動作させるプログラムを格納したメモリーを含んでいる(図示は省略)。室外側制御回路(13)は、例えば室外機伝送回路(11)が室内機伝送回路(21)から受信した信号に応じて前記電動圧縮機等の制御を行う他、室外機(10)の起動時の制御(後述)も行う。室外側制御回路(13)は、空気調和装置(1)がサスペンド状態(詳しくは後述)の場合には、電力供給が断たれて動作を停止する。
室内機(20)は、電装系統として、室内側電源回路(22)、室内機伝送回路(21)、室内側制御回路(23)、リレー(K2R)、第1ダイオード(D1)、及び第2ダイオード(D2)を備えている。
室内側電源回路(22)は、ノイズフィルター(22a)、ダイオードブリッジ回路(22b)、平滑コンデンサ(22c)、及びスイッチング電源(22d)を備えている。室内側電源回路(22)は、電力配線(L)及び共通線(N)を介して交流電源(40)から供給された交流を直流(この例では5Vの直流)に変換し、室内側制御回路(23)に供給する。
室内機伝送回路(21)は、既述の通り、室外機伝送回路(11)との間で信号の通信を行う。この通信では、信号線(S)と共通線(N)との間の電位差に基づいて、デジタル信号の通信を行うので、室内機伝送回路(21)の通信回路の一端は、第2ダイオード(D2)を介して信号線(S)に接続され、通信回路の他端は共通線(N)に接続されている。
リレー(K2R)は、いわゆるA接点リレーで構成されている。本実施形態では、リレー(K2R)と第1ダイオード(D1)は、室内機(20)内に設けられ、電力配線(L)と信号線(S)との間に直列接続されている。より詳しくは、リレー(K2R)の可動接点は、電力配線(L)と接続され、リレー(K2R)の固定接点は、第1ダイオード(D1)のカソードに接続されている。そして、第1ダイオード(D1)のアノードは信号線(S)に接続されている。
室内側制御回路(23)は、マイクロコンピュータと、それを動作させるプログラムを格納したメモリーを含んでいる(図示は省略)。室内側制御回路(23)は、リモートコントローラ(30)からの指令を受けて、空気調和装置(1)の運転状態(後述)を制御する。室内側制御回路(23)は、リモートコントローラ(30)からの指令を受信するために、常に室内側電源回路(22)によって給電されている。
リモートコントローラ(30)は、ユーザーの操作を受け付けるとともに、ユーザーの操作に応じた信号を室内側制御回路(23)に送信する。ユーザーは、例えば、リモートコントローラ(30)のボタン操作により、空気調和装置(1)の運転開始、停止、設定温度調整などを行えるようになっている。リモートコントローラ(30)は、信号線で室内側制御回路(23)と結線されたいわゆるワイヤードリモコンとして構成してもよいし、赤外線や電波を用いて室内側制御回路(23)と通信を行う、いわゆるワイヤレスリモコンとして構成してもよい。
図2は、空気調和装置(1)の状態遷移図である。空気調和装置(1)は、以下に説明するサスペンド状態、充電状態、ウエイト状態、及び運転状態の4つの状態を遷移する。なお、以下において、待機電力とは「機器が非使用状態、若しくは何らかの入力(命令指示等)待ちの時に定常的に消費している電力」をいう。具体的に、空気調和装置(1)では、リモートコントローラ(30)の待ち受けのみを行うのに必要な電力が待機電力である。
サスペンド状態とは、室内機(20)には電力が供給され、室外機(10)には電力が供給されていない状態である。
充電状態とは、室外機(10)では、第2室外側電源回路(12)の平滑コンデンサ(12b)に充電される回路が形成され、室外機伝送回路(11)と室内機伝送回路(21)の間の信号伝送が開始されるまでの期間における状態をいう。このとき、室内機(20)の電力消費は、サスペンド状態と同様である。
ウエイト状態とは、運転開始時には上記充電状態を抜けた状態であり、運転停止時には運転状態(後述)から遷移する状態であり、何れも、室外機(10)が、即時、運転状態(後述)へ移行可能な状態をいう。ウエイト状態では、室外機伝送回路(11)および室外側制御回路(13)の動作も可能である。特に、運転停止時のウエイト状態(運転状態から遷移するウエイト状態)は、電動圧縮機における冷媒圧力を均圧させるためや、運転開始と運転停止を繰り返すスクジュール運転が設定されている場合などのために設けられており、その時間は例えば10分である。なお、室内機(20)の電力消費はサスペンド状態と同様である。
運転状態とは、メインリレー(14b)をオンにして、電動圧縮機や室外ファンが運転可能な状態、若しくは運転している状態をいう。いわゆる欠相通電やサーモオフ状態もこれにあたる。なお、室内機(20)では、室内ファン等が運転状態となり、電力消費は、上記の各状態よりも増える。また、リモートコントローラ(30)は、運転指示状態(例えば個々の運転状態を表示した状態)である。
空気調和装置(1)では、運転開始する場合には、図2に実線矢印で示した順で、サスペンド状態から運転状態に遷移し、運転停止する場合には、同図に破線矢印で示した順で、運転状態からサスペンド状態に遷移する。以下では、一例としてサスペンド状態から運転状態までの遷移を説明する。
まず、サスペンド状態における電装系統の状態を説明する。図1では、サスペンド状態におけるリレーの状態を示している。サスペンド状態では、室外機(10)は、メインリレー(14b)のコイルには通電されておらず、第1室外側電源回路(14)からはインテリジェントパワーモジュールや室外ファンモータに電力供給されない。また、他のリレー(K13R,K14R,K15R)のコイルにも通電されていない。したがって、リレー(K14R)及びリレー(K15R)はオフ状態である。すなわち、室外機伝送回路(11)は、信号線(S)との接続が断たれるとともに、電力の供給も断たれている。また、リレー(K13R)は、ノーマルクローズ接点と可動接点とが接続された状態になる。つまり、第2室外側電源回路(12)のダイオードブリッジ回路(12a)は、一方の入力が信号線(S)に接続されている。この状態では第2室外側電源回路(12)には通電されず、室外側制御回路(13)への給電も行われない。以上の通り、サスペンド状態では、室外機(10)では待機電力をなくすことができる。
図3は、平滑コンデンサ(12b)に充電される回路が形成された時点の各リレーの状態を示す図である。また、図4は、充電状態への移行が完了した後の各リレーの状態を示す図である。例えばユーザーがリモートコントローラ(30)を操作して、空気調和装置(1)の運転開始(例えば冷房運転の開始)を指示すると、室内側制御回路(23)は、リレー(K2R)のコイルに通電させる。そうすると、空気調和装置(1)では、前記三相交流のR相から、電力配線(L)、リレー(K2R)、第1ダイオード(D1)、信号線(S)、及びリ
レー(K13R)を介してダイオードブリッジ回路(12a)の一方の入力に到る送電経路(説明の便宜上、起動時送電経路とよぶ)が形成される。ダイオードブリッジ回路(12a)の他方の入力は、前記三相交流のS相に接続されているので、ダイオードブリッジ回路(12a)には、第1ダイオード(D1)で半波整流された単相交流が供給される。すなわち、平滑コンデンサ(12b)に充電される回路が形成された状態になる(図3参照)。
図5は、ウエイト状態への移行完了時における各リレーの状態を示す図である。室内機(20)では、リレー(K2R)をオンにしてから所定の時間(室外側制御回路(13)が起動するに十分な時間)が経過した後に、リレー(K2R)をオフにする。これにより、信号線(S)を信号の送受信に使用できるようになる。
図6は、運転状態における各リレーの状態を示す図である。ウエイト状態から運転状態への移行する際には、室外側制御回路(13)は、2つのメインリレー(14b)をオンにする。これにより、第1室外側電源回路(14)によって、前記インテリジェントパワーモジュールや室外ファンモータに電力が供給されて、電動圧縮機などが運転状態になり、例えば冷房が行われる。
以上のように構成された空気調和装置(1)では、誤配線が生じていなければ、室内機(20)の電源端子(TL)、共通端子(TN)、信号端子(TS)がそれぞれ、室外機(10)の電源端子(TL)、共通端子(TN)、信号端子(TS)に結線される(図1参照)。
以上の如く、上記実施形態では、室内側制御回路(23)によって、リレー(K2R)がオフからオンに切り換えられる前と、リレー(K2R)がオンからオフに切り換えられた後とにそれぞれ1回数ずつ誤配線検出処理を実行するようにしたことで、パターンB,Eの誤配線とパターンCの誤配線とを明確に区別して検出することができる。
本発明の構成は、上記実施形態に限定されるものではなく、それ以外の種々の構成を包含するものである。
L 電力配線
S 信号線
N 共通線
1 空気調和装置
10 室外機
11 室外機伝送回路
13 室外側制御回路
20 室内機
21 室内機伝送回路
23 室内側制御回路(誤配線検出手段)
25 異常表示部(報知手段)
40 交流電源
Claims (2)
- 交流電源(40)からの交流を送電する電力配線(L)と、信号を伝送する信号線(S)と、前記交流の送電と前記信号の伝送に共用する共通線(N)とが室外機(10)と室内機(20)との間に設けられた空気調和装置(1)であって、
上記室内機(20)には、上記信号線(S)に接続された室内機伝送回路(21)と、上記信号線(S)及び電力配線(L)同士を接続するオン状態と該接続が遮断されたオフ状態とを切り換えるスイッチ(K2R)と、スイッチ(K2R)を制御する室内側制御回路(23)と、が設けられ、
上記室外機(10)には、室内側制御回路(23)によりスイッチ(K2R)がオンされることにより、上記交流電源(40)から信号線(S)及び電力配線(L)を経由する経路で電力供給を受けて起動し、起動後は、室内側制御回路(23)によりスイッチ(K2R)がオフされることにより、電力配線(L)及び信号線(S)を経由しない経路で交流電源から電力供給された状態に切り換わる室外側制御回路(13)と、上記信号線(S)に接続され、室外側制御回路(13)によって上記スイッチ(K2R)のオフ後に起動される室外機伝送回路(11)とが設けられ、
上記スイッチ(K2R)がオフからオンに切り換わる前と上記スイッチ(K2R)がオンからオフに切り換わった後とにそれぞれ少なくとも1回ずつ、上記室内機伝送回路(21)への入力信号に基づいて、上記室外機(10)及び室内機(20)間の誤配線を検出する処理を実行する誤配線検出手段(23)を備えており、
上記誤配線検出手段(23)は、上記スイッチ(K2R)がオンからオフに切り換わった後の上記室内機伝送回路(21)への入力信号に基づき、上記室外機伝送回路(11)に入力される信号波形の周波数と上記交流電源(40)の周波数との一致により、上記電力配線(L)と上記共通線(N)との誤配線を検出することを特徴とする空気調和装置。 - 請求項1記載の空気調和装置において、
上記誤配線検出手段(23)によって誤配線が検出された場合に、該誤配線の検出タイミングが上記スイッチ(K2R)のオン前であるか又はオフ後であるかに応じて、予め設定された設定情報をユーザに報知する報知手段(25)を備えていることを特徴とする空気調和装置。
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