JP7175936B2 - ヒートポンプ装置 - Google Patents
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(2)前記(1)のヒートポンプ装置において、前記放電回路は、放電スイッチを含み、当該放電スイッチを閉路することにより前記蓄電器に蓄えられている電荷を放電させるようにしてもよい。
この場合、不要な放電を抑制することができる。
この場合、誤って無意味な放電が行われることを抑制できる。
この場合、放電スイッチが閉路している状態でのヒートポンプ装置の運転を抑制することができる。
この場合、点検作業者の行為に依存せず、確実に、放電を行うことができる。
この場合、点検作業者は、蓄電の状態を感覚的に把握することができる。
この場合、放電スイッチの発見が容易である。
ヒートポンプ装置の代表的なものの一つは、空調機である。以下、空調機を例示して説明する。
図1は、空調機10の冷媒回路に関する概略構成図である。空調機10は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルによって、建物内の冷房や暖房を行う装置である。空調機10は、室外ユニット1と、室内ユニット2とを、冷媒回路3によって接続して構成されている。室内ユニット2は1台のみ図示しているが、設備規模に応じて複数台が並列に接続される場合もある。冷媒は、例えば、R32が使用される。
室外ユニット1は、屋外又は、建物内の室外に設置されている。室外ユニット1は、液冷媒連絡管4L及びガス冷媒連絡管4Gを介して室内ユニット2に接続されている。室外ユニット1は、圧縮機100、逆止弁101、4路切換弁102、アキュムレータ103、室外熱交換器104、室外ファン105、室外膨張弁106、冷媒冷却器107、バイパス膨張弁108、第1制御弁109、液側閉鎖弁110、第2制御弁111、及び、ガス側閉鎖弁112を備えている。
室外ファン105は、室外熱交換器104を流れる冷媒の冷却源又は加熱源としての室外空気を室外熱交換器104に供給する。
室内ユニット2は、建物の室内に設置されている。室内ユニット2は、前述のように、液冷媒連絡管4L及びガス冷媒連絡管4Gを介して室外ユニット1に接続されており、冷媒回路3の一部を構成している。
上記の室外膨張弁106、バイパス膨張弁108、第1制御弁109、及び、第2制御弁111は、パルスにより駆動される。1パルスによる開閉量が決まっており、与えるパルス数によって開度の調整が可能である。例えば3000パルスを与えることによって全開から全閉又はその逆となる。
図3は、弁キット31をさらに詳細に示す回路図である。図中の回路における実線は電源線を表し、破線は信号線を表している。弁基板32へは、外部の交流電源5から交流電圧(例えば単相交流230V±10%)が供給される。なお、交流電圧は三相交流電源から2相2線を取り出してもよい。バックアップ基板33にも同様に交流電圧が供給される。
停電検出回路325は、停電を検出すると、停電信号を弁制御部324に送る。停電検出回路325自体も停電により自己の制御電源電圧を失うので、停電信号は、HレベルからLレベルへ変化するゼロ信号、又は、リレーであれば励磁から非励磁に変化する際の接点状態変化信号である。
空調機の停止中でも、交流電源5は活きており、従って、弁基板32及びバックアップ基板33には電圧が供給されている。
図4は、バックアップ基板33の内部回路図である。バックアップ基板33は、整流部331、スイッチング電源332、充電回路333、電解コンデンサ又は電気二重層キャパシタである蓄電器334、放電回路335、昇圧回路336、及び、ダイオード337を備えている。整流部331は、単相交流230V(±10%)を整流及び平滑して直流電圧にする。この直流電圧を、スイッチング電源332は、安定した直流の低電圧に変換する。充電回路333は、スイッチング電源332から提供される直流電圧に基づいて、蓄電器334を充電する。蓄電器334は、例えば82ファラッドもの大容量である。
図5は、交流電源5(図3)が正常な状態から停電した場合(操作により交流電源5を遮断した場合も含む。)の各部の動作を示すタイムチャートである。図において、弁基板32(図3)に関しては、上から順に、弁基板32の交流電圧、DC13.5V出力の有無、DC5V出力の有無、制御弁109,111(図3)に対する駆動信号、弁駆動回路322(図3)が出力する駆動パルス、弁開度、及び、停電検出回路325(図3)による停電監視を表している。バックアップ基板33(図3,図4)に関しては、バックアップ基板33の蓄電器334(図4)の蓄電電圧、DC13.5V出力の有無、及び、放電スイッチ54(図4)の動作(Lレベルが開、Hレベルが閉)を表している。
時刻t5には、蓄電電圧が例えば上限の7Vに達する。その後は、通常運転が続く限り、同じ状態が続く。
図6は、室外ユニット1の斜視図の一例であり、筐体1Aの一部である上部のカバー1cを取り外した状態を示している。手前の左側には、横長の、バックアップ基板33の一部が見えている。図7は、バックアップ基板33の外形を概略で示す図である。蓄電器334は、例えばこのような3つの電解コンデンサの並列体である。図6,図7において、放電スイッチ54は、このバックアップ基板33に取りつけられている。点検作業者は、カバー1cを取り外すことにより、容易に、放電スイッチ54を発見でき、操作することができる。
次に第2実施形態に係るヒートポンプ装置について説明する。第1実施形態と異なるのは、弁基板32及びバックアップ基板33の回路の一部と、停電時の動作である。その他は、第1実施形態と同様である。
図8は、弁キット31を詳細に示す回路図であり、第1実施形態における図3に対応する図である。図3との違いは、弁制御部324からバックアップ基板33へ、停電を知らせる信号を送ることができる回路となっている点である。その他の構成及び機能については同様であるので、説明を省略する。
図9は、バックアップ基板33の内部回路図であり、第1実施形態における図4に対応する図である。図4との違いは、放電回路335内に手動操作の放電スイッチを設けず、弁制御部324からの制御信号(ゲート信号)により半導体スイッチ52をオン又はオフに制御する点である。その他の回路構成は図4と同様である。
図10は、交流電源5(図8)が正常な状態から停電した場合(操作により交流電源5を遮断した場合も含む。)の各部の動作を示すタイムチャートである。図において、弁基板32(図8)に関しては、上から順に、弁基板32の交流電圧、DC13.5V出力の有無、DC5V出力の有無、制御弁109,111(図8)に対する駆動信号、弁駆動回路322(図8)が出力する駆動パルス、弁開度、停電検出回路325(図8)による停電監視、及び、放電信号の出力を表している。バックアップ基板33(図8,図9)に関しては、バックアップ基板33の蓄電器334(図9)の蓄電電圧、及び、DC13.5V出力の有無を表している。
時刻t5には、蓄電電圧が例えば上限の7Vに達する。その後は、通常運転が続く限り、同じ状態が続く。
図11は、バックアップ基板33の他の回路構成例を示す図である。図4との違いは、蓄電器334の両端のP線-N線間に、抵抗62とLED61との直列体である報知装置63を設けた点であり、その他の回路構成は図4と同様である。LED61は、物理的な配置に関して、バックアップ基板33を点検のために露出させた場合(図6)に、より目立つ位置に設けられることが好ましい。目立つ位置としては、例えば、放電スイッチの54の近傍が好ましい。前述のカバー1c(図6)を取り外す場合のほか、他の筐体部分を取り外したところに放電スイッチ54がある場合は、その近傍にLED61を設けることが好ましい。発光色は赤が好ましい。
図12は、バックアップ基板33のさらに他の回路構成例を示す図である。図4との違いは、操作により閉路する接点である放電スイッチ54と、その補助接点であるインターロック用の接点54a及び54bとを持つものを採用した点であり、その他の回路構成は図4と同様である。接点54aは常開(Normally-open)接点、接点54bは常閉(Normally-closed)の接点である。接点54aは制御基板30に信号を送るために設けられている。接点54bは、放電中に蓄電器334が再充電されることを抑制するために設けられている。
図13は、空調機10が冷暖同時機である場合の構成の一例を示す図である。
図において、冷暖同時機の室外ユニット1からは、高圧ガス冷媒が流れる高圧ガス管13HG、低圧ガス冷媒が流れる低圧ガス管13LG、及び、高圧の液冷媒が流れる高圧液管13HLを介して、複数(ここでは4個)の流路切換ユニット14が接続されている。これらの流路切換ユニット14にはそれぞれ、室内ユニット2が接続されている。流路切換ユニット14及び室内ユニット2は、室外ユニット1を共有する冷媒回路を構成している。なお、ここでは4台の流路切換ユニット14及び室内ユニット2を示しているが、台数は図示の便宜上の一例を示しているに過ぎない。流路切換ユニット14は、室外置き、室内置きのいずれもあり得る。
図14は、図5とは異なる他のタイムチャートの例である。図5との違いは、時刻t6以降である。時刻t6において例えば点検作業者が点検のために交流電源5(図3)を遮断し、停電と同じ状態になったとすると、停電検出回路325(図3)が停電を検出する。AC/DCスイッチング電源321(図3)の出力電圧は0Vになるが、これと同時に、蓄電器334(図4)から昇圧回路336(図4)及びダイオード337(図4)を介して、バックアップ基板33(図3,図4)から第1出力電路L1(図3)にDC13.5Vが給電される。
以上の開示では、第1電源回路部P1と、第2電源回路部P2とが互いに並列に接続されている例を示したが、直列接続も可能である。
図16は、図3とは異なる電源回路36の例を示す図である。図17は、電源回路36のみの内部接続図である。図16,図17において、電源回路36の、第1電源回路部P1と、第2電源回路部P2とは互いに直列に接続されている。
なお、上述の各実施形態及び開示事項については、その少なくとも一部を、相互に任意に組み合わせてもよい。
上記開示における電動弁は、電磁弁であってもよい。制御弁と表現した弁は、電気エネルギーによって開閉制御されるもの全般を意味する。
以上の開示のまとめとして、以下のように一般化して表現することができる。
この場合、点検作業者の意図的な行為により放電が行われるので、点検作業者による点検の必要が無い瞬時停電の場合等の、不要な放電を抑制することができる。
この場合、操作中のみ放電の状態となり、点検作業者が手を離せば放電回路は働かないので、停電からの復電時に誤って無意味な放電が行われることを抑制できる。
この場合、放電スイッチ54が閉路している状態でのヒートポンプ装置の運転を抑制することができる。
この場合、停電(意図的な電源遮断も含む。)を検出すると、自動的に、放電が行われる。従って、点検作業者の行為に依存せず、確実に、放電を行うことができる。
報知装置とは例えばランプ、ディスプレイ、ブザー等である。このような報知装置による報知により、点検作業者は、蓄電の状態を感覚的に把握することができる。
Claims (6)
- 冷媒回路(3)を有するヒートポンプ装置であって、
前記冷媒回路上に設けられる制御弁(109,111)と、
前記制御弁(109,111)を動作させる弁駆動回路(322)と、
交流電源(5)に基づいて前記弁駆動回路(322)に給電するとともにコンデンサ(334)に蓄電し、停電時に前記コンデンサ(334)から前記弁駆動回路(322)に給電する電源回路(36)と、
停電時に前記弁駆動回路(322)が前記制御弁(109,111)を閉じた後に、前記コンデンサ(334)に蓄えられている電荷を放電させ前記コンデンサ(334)に接続された電路の電圧を喪失させる放電回路(335)と、
前記交流電源(5)の停電を検出する検出回路(325)と、
を備え、
停電を検出した前記検出回路(325)が、前記放電回路(335)による放電を行わせる、
ヒートポンプ装置。 - 冷媒回路(3)を有するヒートポンプ装置であって、
前記冷媒回路上に設けられる制御弁(109,111)と、
前記制御弁(109,111)を動作させる弁駆動回路(322)と、
交流電源(5)に基づいて前記弁駆動回路(322)に給電するとともにコンデンサ(334)に蓄電し、前記交流電源が遮断された時に前記コンデンサ(334)から前記弁駆動回路(322)に給電する電源回路(36)と、
放電スイッチ(54)を含み、前記交流電源が遮断された時に前記弁駆動回路(322)が前記制御弁(109,111)を閉じた後に、当該放電スイッチ(54)を閉路することにより前記コンデンサ(334)に蓄えられている電荷を放電させ前記コンデンサ(334)に接続された電路の電圧を喪失させる放電回路(335)と、
を備え、
前記放電スイッチ(54)が、前記電源回路(36)を収容する筐体(1A)の一部であるカバー(1c)を外した場合に、露出する位置に設けられた、
ヒートポンプ装置。 - 前記放電スイッチ(54)は、自動復帰型である請求項2に記載のヒートポンプ装置。
- 前記電源回路(36)は、前記放電スイッチ(54)が開路されている状態である場合にのみ、当該ヒートポンプ装置の運転が可能となるインターロック機能を備えている請求項2に記載のヒートポンプ装置。
- 前記放電回路(335)による前記コンデンサ(334)の放電完了を報知する報知装置(63)を備えている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のヒートポンプ装置。
- 前記報知装置(63)は、放電開始前と、前記放電完了の時とで、互いに異なる報知の状態となる請求項5に記載のヒートポンプ装置。
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