JP2015144695A - 口腔関連圧力測定用デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】舌圧を始めとする口腔関連圧力を簡便に測定する樹脂性の口蓋板付きマウスピースを提供する。
【解決手段】弾性材料または可撓性材料で形成された上顎歯列に沿ったU字型マウスピース及び弾性材料または可撓性材料で形成された切歯乳頭近似の突起4をつけた口蓋板2と各々に装着された複数の圧力センサー3を用い、複数の圧力センサー3と連通させられる圧力検知部により、圧力を検出するように構成される。圧力検知部はケーブル5により接続され、複数の圧力センサー3と圧力検知部とが連通する。上顎歯列に沿ったU字型マウスピースと切歯乳頭近似の突起4をつけた口蓋板2は、着脱自在に接続可能である。
【選択図】図1
【解決手段】弾性材料または可撓性材料で形成された上顎歯列に沿ったU字型マウスピース及び弾性材料または可撓性材料で形成された切歯乳頭近似の突起4をつけた口蓋板2と各々に装着された複数の圧力センサー3を用い、複数の圧力センサー3と連通させられる圧力検知部により、圧力を検出するように構成される。圧力検知部はケーブル5により接続され、複数の圧力センサー3と圧力検知部とが連通する。上顎歯列に沿ったU字型マウスピースと切歯乳頭近似の突起4をつけた口蓋板2は、着脱自在に接続可能である。
【選択図】図1
Description
本発明は、嚥下活動、咀嚼、および歯列の形成、完成などにおける舌筋の機能、舌筋の口蓋骨への機能、舌筋の歯槽骨への機能、咬合圧の上下顎骨への機能、頬筋の機能、口輪筋の機能などを診断する目的などで、舌圧、咬合圧、頬筋圧、口唇圧などの口腔周囲筋圧の測定を行うために使用するデバイスに関する。
近年、世界に例を見ない急速な高齢化社会に突入し、医療費の増大が懸念されており、その対策として高齢者のQOL(Quality of Life)向上のために、摂食・嚥下機能の維持・回復が求められており、その機能の向上が必要になってきている。摂食・嚥下には舌の動きが深く関与しており、食塊の形成及び咽頭への送り込みには適正な舌の挙上タイミングと適度な舌圧が必要となる。このため、適正な舌の挙上タイミングと適度な舌圧の測定とその解析が重要な意味を持つ。特に嚥下最終段階の舌根部の圧力測定が重要であるが、従来の舌圧の測定では、舌全体の圧力測定は行われているが、舌尖部、舌中央部、舌周辺部、舌根部、嚥下における咬合圧、頬圧、口唇圧などの部位ごとの圧力測定が行われていなかった。
特許文献1に開示された舌圧の測定装置は、バルーンを用い、口腔に挿入して舌で押圧し、バルーンと連通した変換部において、空気圧を検出して電気信号に変換することにより、舌全体の合成舌圧を測定するように構成されている。しかし、嚥下活動は、舌尖部、舌中央部、舌周辺部、舌根部、嚥下における咬合圧、頬圧、口唇圧などの各部位ごとの筋力が、測定されていない。
米国特許第5609161号明細書
特許文献2に開示された舌圧センサは、直接被験者の口蓋に直接貼り付けるため操作が煩雑で、違和感がある。また、多くの被験者が嚥下の正しい運動ができていないことにより、舌圧は測定できても、測定による舌運動の誘導による嚥下改善が見込まれない。
日本特許第4575510号明細書
また、熱心な矯正歯科医は、乳歯から永久歯への交換、いわゆる正しい歯並びの完成には、舌のトレーニング、舌癖の除去、安静空隙の確保、舌の正しい位置、いわゆる「舌の吸盤化」が重要であり、被験者およびその家族に舌筋のトレーニング効果を客観的に評価することが必要になることが考えられるが、そのような手段がなく、多くの場合装置等による介入的な矯正治療が行われている。場合によっては、治療終了後、不正な口腔内筋活動の存在による「後戻り」が臨床的に問題になっている。
特許文献1に開示された方法では、口腔中にバルーンのみが挿入される構造であるため、被験者が圧力を加える際に通常の嚥下活動と必ずしも一致した舌運動とは限らず、測定舌圧の客観的評価に疑問が残る。
特許文献2に開示された方法では、舌圧センサを口蓋床に貼り付ける方法では、センサを測定の都度口内に貼り付けるので、測定操作が煩雑で装着不良にかかわる測定値が不安定になりやすく、被験者にも違和感等の負担がかかる。
以上の様な従来技術の状況に鑑みて、舌圧、咬合圧、頬圧、口唇圧など口腔周囲筋圧を簡便に測定することができるデバイスが求められている。
本発明の目的は、舌圧を始めとする口腔関連圧力を簡便に測定評価できるデバイスを提供することである。また、他の目的は、適正な咬合圧を測定評価できるデバイスを提供することである。さらに他の目的は、歯列矯正に重要な舌筋、咀嚼筋、頬筋、口輪筋、の測定評価できるデバイスを提供することである。最終目標は、誤嚥性肺炎予防の機能回復訓練(リハビリテーション)、最適な咬合圧の機能評価、正しい歯並びの完成に関与する口腔関連筋の客観的な機能評価等に応用できるデバイスを提供することである。
本発明の口腔関連圧力測定デバイスは、被験者ごと様々な上顎アーチ形状をしているが、弾性材料または可撓性材料から形成されたU字型マウスピース1は、適度な力及び熱を加えることで容易に変形、成形し、被験者ごとの上顎アーチに対応できる。また、舌は、筋肉であり容易に形状が変わるため口蓋板2の大きさのバリエーションは少ない。よって、変形度の高い上顎アーチ形状と、バリエーションの少ない口蓋板2を着脱自在に接続を可能にすることによって、様々な被験者の口腔関連圧力測定に対応可能である。
本発明の口腔関連圧力測定デバイスは、口腔周囲筋の走行、作用方向が、複雑多岐にわたっているが、超小型圧力センサー3にとってU字型マウスピース1と口蓋板2は、広い設置面積を有し様々な部位に設置可能である。
上記構成によれば、口腔関連圧力測定用デバイスを簡単にカスタマイズできるので、デバイスの位置決定が標準化され、測定が簡便かつ正確性が向上する。また、U字型マウスピース1の部分だけを使い捨てにして、包装・滅菌したものを提供し、舌圧測定の都度交換することにより、測定を衛生的に行うことが可能である。さらに、切歯乳頭近似の突起4をつけている口蓋板2は、適度な負荷を持ち正しい舌運動の誘導に効果があり、嚥下に必要な舌圧の測定が容易となり、測定を行うことで舌の機能向上が期待できる。
本発明の口腔関連圧力測定デバイスにおいて、U字型マウスピース1と切歯乳頭近似の突起4をつけた口蓋板2の接続部の結合構造が、機械的接合法であるスナップフィットにより構成されることが好ましい。それにより、さまざまな上顎アーチに適合させたU字型マウスピース1と切歯乳頭近似の突起4をつけた口蓋板2との密接な接続を容易に行うことが可能となる。
本発明の口腔関連圧力測定用デバイスにおいて、全体が滅菌されていることが好ましい。さらに、好ましくは、非常にデリケートな感覚部位である口腔内に挿入するデバイスは、弾性材料または可撓性材料の柔軟性、および60度以下で軟化、変形し、40度以上で変形しない物性が求められる。
図1は、実施の形態1における口腔関連圧力測定デバイスを示す概略図である。口腔関連圧力測定デバイスは、装着された複数の圧力センサー3からの電気信号を、ケーブル5を介して、圧力検知部と接続されている。
U字型マウスピース1はメス嵌合部6を有し、切歯乳頭近似の突起4をつけた口蓋板2に設けられたオス嵌合部7と嵌合させることにより、U字型マウスピース1と切歯乳頭近似の突起4をつけた口蓋板2が接続されている。
上記の構造により、口腔関連圧力測定デバイスに埋入された複数の圧力センサーは、圧を電気信号に変換する圧力センサー3でケーブル5によってその電気信号を圧力検知部に送る。その出力は圧力検知部に供給され表示部に表示され同時にデータ蓄積される。
メス嵌合部6とオス嵌合部7は、機械的接合法であるスナップフィットにより構成され、着脱自在に嵌合するようになっている。従ってU字型マウスピース1と切歯乳頭近似の突起4をつけた口蓋板2は、圧力センサーに対する緊密な接続を着脱自在に行うことを可能とする。このように、簡単に着脱できるので、測定が簡便になり、実用性が高い。また、U字型マウスピース1だけを包装・滅菌したものを提供すれば、この部分だけを使い捨てにして舌圧測定の都度交換することができ、上顎歯列に固定される部分は常に新しいものを使用できるので衛生的である。
口腔関連圧力測定デバイスの材質の例としては、天然ゴム、合成ゴム、シリコーンゴムなどの弾性材料が好ましいが、軟質プラスチックなどの可撓性材料を使用することもできる。
装着された複数の圧力センサー3は、圧を電気信号に変換するように構成する。圧力検地部は表示部に出力する前に信号を増幅するためのアンプを含んでも良い。
圧力検地部は、各センサーの圧力を、連続的に記録する機能を備えることが好ましい。また、データ管理のために自動的にデータ蓄積ができることが望ましい。
舌圧を測定する際には、図2に示すように、U字型マウスピース1が被験者の上顎歯列に適合するようにカスタマイズし、口蓋板2をU字型マウスピース1に機械的に接合したデバイスを上顎歯列に装着する。その状態で舌により口蓋板2に設置された切歯乳頭近似の突起4に舌尖つけた状態で口蓋板2を押し上げることで、装着された複数の圧力センサー3ごとの舌圧を測定できる。
また、液体を口に含んだ状態でデバイスを上顎歯列に装着し、嚥下動作を行った時の圧力変化を連続的にモニターすれば、嚥下による舌の運動様式、嚥下舌圧を測定できる。このようにして、種々の動作を行ったときの圧力を測定することにより、被験者の舌の機能を解析することができる。そして、舌圧と摂食・嚥下機能との関係を解明することにより、摂食・嚥下機能を評価することができる。また、摂食・嚥下機能が低下した患者に対して、よく行っている筋機能療法の指導をするかあるいは、口腔関連圧力測定デバイスに類似の舌筋強化具を使用して舌圧を高める訓練を繰り返し行うことにより、摂食・嚥下機能を回復できる可能性がある。
図3は、実施の形態2における口腔関連圧力測定デバイスを示す正面図である。図1の装置における各部材と同一の部材には同一の符号を付して、説明を簡略にする。この実施の形態においては、U字型マウスピース1の上顎咬合面8、上顎歯列舌側面9、上顎歯列頬側面10、および上顎歯列唇側面11の部位ごとに複数の圧力センサー3を埋入している。その他の構成、機能等は、実施の形態1と同様である。
上述した実施の形態では、咬合圧、上顎骨の側方拡大圧、頬圧、口唇圧などの圧力を複数同時に測定することができる。その場合、目的に応じて、圧力センサー3の大きさ、圧力センサー3の位置、圧力センサー3の形状などを変えて、目的に合ったものを使用することが出来る。
長期にわたる歯列完成期間に、口腔関連筋の筋機能療法が、正しい歯並びの完成に大きく関与していることが知られている。しかし、現状は、筋機能療法の効果を客観的に評価されていない。それによって、筋機能療法の普及が遅れている。その状況に鑑み口腔関連圧力測定デバイスを使用して、筋機能療法の客観的評価に期待がもてる。また、実施の形態1による舌圧による上顎骨の側方拡大の客観的評価も期待できる。
本発明の口腔関連圧力測定デバイスによれば、口蓋板2をU字型マウスピース1に対して簡単に着脱でき、また、U字型マウスピース1を口腔に挿入し咬合圧等を測定する際の取り扱いが容易であり、測定が簡便になるので、舌、咀嚼、頬、唇などの機能を診断する目的などで、舌圧、咬合圧、頬圧、口唇圧などの口腔関連圧力の測定を行う装置として有用である。
1 U字型マウスピース
2 口蓋板
3 圧力センサー
4 切歯乳頭近似の突起(圧力センサーを含む)
5 ケーブル
6 メス嵌合部
7 オス嵌合部
8 上顎咬合面
9 上顎舌側面
10 上顎頬側面
11 上顎唇側面
12 舌
13 舌尖
2 口蓋板
3 圧力センサー
4 切歯乳頭近似の突起(圧力センサーを含む)
5 ケーブル
6 メス嵌合部
7 オス嵌合部
8 上顎咬合面
9 上顎舌側面
10 上顎頬側面
11 上顎唇側面
12 舌
13 舌尖
Claims (8)
- 弾性材料または可撓性材料から形成されたU字型マウスピース1と弾性材料または可撓性材料から形成された口蓋板2と、各々に装着された複数の圧力センサー3と、前記圧力センサー3とを連通させるケーブル5とを備え、前記U字型マウスピース1と前記口蓋板2とが着脱自在に接続可能であることを特徴とする口腔関連圧力測定用デバイス。
- 舌の正しい誘導ための口蓋板2に切歯乳頭近似の突起4をつけていることを特徴とする請求項1記載の口腔関連圧力測定用デバイス。
- U字型マウスピース1と口蓋板2の接続部の結合構造が、機械的接合法により構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の口腔関連圧力測定用デバイス。
- U字型マウスピース1及び前記U字型マウスピース1と結合された口蓋板2の各々に装着された複数の圧力センサー3以外のケーブル5等が、U字型マウスピース1及び前記U字型マウスピース1と結合された口蓋板2の内部に埋入されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の口腔関連圧力測定用デバイス。
- 弾性材料または可撓性材料から形成されたU字型マウスピース1と弾性材料または可撓性材料から形成された口蓋板2と、各々に装着された複数の圧力センサー3と、前記圧力センサー3とを連通させるケーブル5とを備え、前記U字型マウスピース1と前記口蓋板2とが一体化されたことを特徴とする口腔関連圧力測定用デバイス。
- 舌の正しい誘導ための口蓋板2に切歯乳頭近似の突起4をつけていることを特徴とする請求項6記載の口腔関連圧力測定用デバイス。
- U字型マウスピース1及び前記U字型マウスピース1と一体化された口蓋板2の各々に装着された複数の圧力センサー3以外のケーブル5等が、U字型マウスピース1及び前記U字型マウスピース1と一体化された口蓋板2の内部に埋入されたことを特徴とする請求項5又は6に記載の口腔関連圧力測定用デバイス。
- 全体が滅菌された請求項1〜7のいずれかに記載の口腔関連圧力測定用デバイス。
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